文中において将来に関する事項が含まれていますが、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社は2005年9月の創立50周年を機に、経営に対する普遍的かつ基本的な方針・姿勢を経営理念として制定しました。これは、経営基本方針や事業別方針の最上位に位置づけられるものです。
当社は航空業界において、製造と整備をベースとした「技術立社」として、誠実・公正、責任感と義務感をあらわす「士魂」の精神の下に、全役職員が等しく以下の経営理念を強く意識し、その実現に向けて努力してまいります。
[経営理念]
技術のジャムコは、士魂の気概をもって
○ 夢の実現にむけて挑戦しつづけます。
○ お客様の喜びと社員の幸せを求めていきます。
○ 自然との共生をはかり、豊かな社会づくりに貢献します。
[経営基本方針]
○ 飛行安全の確保と品質の向上を図る。
○ 航空業界を基軸に、技術力を生かした付加価値の高い製品及びサービスを供給する。
○ 株主への還元、社員の幸せを目指し、社業を通じて社会に貢献する。
○ 変化に柔軟に対応した企業構造及び事業内容を追求し、顧客満足度と企業価値の向上を図る。
又、連結子会社につきましては、各事業の顧客、市場及び所在地域の優位性を考慮のうえ、子会社単独の利益追求にとらわれず、各事業の最適化と企業集団としての企業価値増大を志向した運営を行っています。
当社の事業は4つの事業分野で構成されています。製造事業として航空機の客室内を対象とした「航空機内装品等製造関連事業」と「航空機シート等製造関連事業」、客室外を対象とした「航空機器等製造関連事業」があり、整備事業として「航空機整備等関連事業」があります。
それぞれの事業ごとに、市場、顧客及び必要とされる技術等が異なることから、以下の事業別方針を定め、事業ごとの経営戦略プランを策定しています。
[事業別方針]
○ 航空機内装品等製造関連事業
当社固有の技術と戦略的提携による他社の技術を総合的に融合し、航空機客室内の全装備品を網羅した
トップメーカーを目指す。
○ 航空機シート等製造関連事業
革新性と快適性を追求し、顧客満足度の高い、安全で高品質な製品を供給する。
○ 航空機器等製造関連事業
先端技術と熟練技能を融合させた高度な設計・生産技術を追求し、付加価値の高い製品及びサービスを
顧客に提供する。
○ 航空機整備等関連事業
飛行安全を基本に、継続性の高い事業を主体にすると共に、技術力主導の高付加価値を生む業務の比重
を高める。
(2)目標とする経営指標
目標とする経営指標につきましては、中期経営計画に沿った目標値として次のとおり設定し、効率的経営に努めてまいります。
・収益性指標: 連結売上高経常利益率 7%以上
・効率性指標: 連結ROA 7%以上 (総資産経常利益率)
・配当方針 : 持続的な成長や事業リスクに備えた財務の健全性とのバランスにも配慮の上、
連結配当性向 20~30%を目安とする
(3)経営環境及び対処すべき課題
世界経済は、堅調な米国の成長に牽引され好調を維持してきましたが、米中貿易摩擦による影響が懸念されると共に、英国の欧州連合離脱を巡る状況など先行きの不透明感が増し世界的な景気後退の不安が増してきています。為替変動に関しては、米国利上げペースの鈍化や各国の経済政策の動向と地政学的リスクの高まりにより先行き不透明の状況にあり、リスク回避の動きが強まることで急激な為替変動リスクが懸念されております。このような経営環境において当社グループでは、普遍の行動規範である「品質第一へのコミットメント」及び「コンプライアンス遵守」は会社存続と発展の礎であることを改めて銘記すると共に、基盤整備からその先の成長へ続けるために、業務プロセスの改革・合理化の推進・将来への投資を推進力とすることにより、競争力を強化し、その企業活動を担う人財への投資・育成を行うことで、顧客から信頼され、自身を誇れる会社となることを目指してまいります。
又、当社グループでは、この度の品質事象の再発防止を目的とした、より高いコンプライアンス・品質意識への変革及び業務フロー改善等を実施することにより、企業力の強化、品質改革、管理機能強化を実現し、協力企業との緊密な連携のもとグループ経営に取り組んでまいります。
航空機内装品等製造関連においては、大型機需要は引き続き低調が見込まれますが、アフターマーケットにおける受注拡大、787型機向け製品の月産14機への増産対応、A350型機向けギャレーの増産対応への取組みと777X型機向け製品の開発推進、コスト削減に向けた取組みを継続してまいります。
航空機シート等製造関連では、スタンダード・シートの受注拡大、生産量増加への対応、サプライチェーンの最適化及び生産効率の改善により採算性の向上を図ってまいります。
航空機器等製造関連では、A380型機向け炭素繊維構造部材の生産量が減少するものの、その他エアバス機向け炭素繊維構造部材の生産量増加、熱交換器等の出荷が増加する見込みです。各種製品の受注拡大に努めると共に、金属加工技術を内装品及びシート関連製品へ応用するなどの施策を進めてまいります。
航空機整備等関連では、飛行安全の確保と品質向上を基本に、エアライン向け機体整備の拡大や海外顧客も視野に入れた装備品整備の受注活動を進め、技術力を生かし高付加価値の整備業務に取り組んでまいります。
当社の生産委託先である㈱宮崎ジャムコにおいて不適切な検査業務が実施されていたことが判明し、国土交通省航空局による当社及び㈱宮崎ジャムコへの立入検査の実施、並びに当社と利害関係のない第三者による特別調査委員会を設置したことを2019年3月26日に公表いたしました。当社では、当該事象発覚後速やかに社内に品質業務改善チームを設置し、引き続き原因究明と共に再発防止に向けた諸施策を進めております。又、現在調査を進めている特別調査委員会による調査結果を踏まえた是正・再発防止対策等にも鋭意取り組んでまいります。
当社グループでは、この度の品質事象を重く受け止め、「品質第一へのコミットメント」と「コンプライアンス遵守」を会社存続と発展の礎であることを改めて銘記し、企業文化・組織風土の再構築を強い意志をもって推進し、信頼回復へ向けて全力で取り組んでまいります。又、それと並行して、従前より取り組んでいる業務プロセスの改革、新規分野への投資及び人財育成を継続・発展させ、更なる成長を目指してまいります。
事業別の対処すべき課題は次のとおりです。
[航空機内装品等製造関連]
① 航空機メーカーとの長期安定契約の確実な更新と次期新型機向け内装品の新規契約確保への取組みを強化する。
② 収益改善に向けて既存の主力内装品のコストダウンを推し進めると共に、エアラインが求める独自仕様の製品やレトロフィット(客室改修)の受注拡大に努める。
③ 品質・コスト・リードタイムをより一層改善すると共に、技術部門の設計開発プロセスの改善を進めて競争力の向上を図る。
④ 海外拠点の戦略的再編を進め、応需能力の拡大を図ると共に、為替変動リスクに対応する。
[航空機シート等製造関連]
① スタンダード・シートの開発・販売を強化することにより、効率の良い開発への移行と製造プロセスの改善を促進し、安定収益化を図る。
② 次期スタンダード・シートへの投資と魅力的な製品開発を進め、継続的な成長戦略を策定して事業を推進する。
③ グループサプライチェーンの連携強化を図り、生産効率を向上する。
[航空機器等製造関連]
① 技術的付加価値の高い製品の受注拡大を図り、競争力を強化する。
② 設計製造能力の向上を図り、提案型の新たな製品開発により事業域拡大を推進する。
③ 機器製造の技術力を内装品事業・シート事業へ適用しシナジー効果を高める
[航空機整備等関連]
① 飛行安全の確保と品質保証体制のたゆまぬ強化を図る。
② 付加価値の高い新たなビジネスへの取組みを強化する。
③ 安定した収益を上げることのできる事業基盤を構築する。
④ 整備事業を通じて得た情報を内装品・シート・機器製造事業へフィードバックすることで、グループ経営におけるシナジー効果を高める。
当社グループの財政状態、経営成績等につき、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中において将来に関する事項が含まれていますが、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
① エアラインの経営基盤の悪化について
当社グループは航空業界を事業領域としており、景気悪化や国際紛争・テロの発生、感染症の流行等による旅客・貨物の空輸量の落ち込みを始め、原油価格の高騰、その他エアライン間の競争激化などによるエアラインの業績や経営基盤の悪化は、受注高や売上高の減少など、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 航空機メーカーの生産計画の大幅な変更について
航空機内装品等製造関連事業、航空機シート等製造関連事業及び航空機器等製造関連事業では、ボーイング社、エアバス社向けの製品を生産しています。特に航空機内装品等製造関連事業では、ボーイング社向けに777、777X、767、747型機用ラバトリー、及び787型機用についてはラバトリーに加えてギャレー(厨房設備)などを独占的に供給しています。従いまして、これら航空機メーカーにおける新型機種の開発の遅れ、生産スケジュールの大幅な変動、労働争議による操業停止などが発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 航空機事故等による航空機の長期にわたる運航停止について
航空機整備等関連事業では、官公庁、航空機使用事業者、国内エアラインなどが所有する、中型・小型航空機の機体及び装備品の整備、修理、改造などを手がけています。これらの航空機等に重大な不具合や事故が発生した場合、その原因究明及び安全性の確認のため同型式航空機の運航を見合わせることがあります。又、航空機等に安全性を著しく損なう問題が発生した場合は、法令に基づき国土交通大臣から耐空性改善通報が発出され、安全性が確認されるまで同型式航空機の運航が認められない場合があります。
このような事態が発生した場合は、当該型式航空機に関連する整備作業が減少するなど、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 資材調達の遅延、価格の変動について
当社グループの事業では、原材料、部品等を多くの外部供給者から調達しています。航空機に使用する素材、金属、複合材料等については、その特殊性から調達先が限定されるものや調達先の切り替えが困難なものがあり、供給者における事故や品質上の問題、或いは国際情勢の悪化等により供給不足及び納入の遅延等が発生した場合は、当社グループの生産スケジュールに悪影響を及ぼす可能性があります。又、原材料、部品等の需要の増加や原油価格の高騰などにより調達価格が高騰した場合には、製造原価が上昇し、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 為替レートの変動について
航空機内装品等製造関連事業、航空機シート等製造関連事業及び航空機器等製造関連事業においては、海外エアライン及び海外航空機メーカーとの輸出取引のなかに主として米ドルによる外貨建て取引を多く含んでいます。
又、原材料や部品等の多くは、輸入によって調達しています。この輸出入取引により、外貨による決済を相殺することで為替変動による影響の一部をヘッジしていますが、現在の取引状態においては輸出額が輸入額を上回るため、当社グループの経営成績は、為替相場の円高局面ではマイナスに、円安局面ではプラスにそれぞれ影響を受けています。なお、これらの為替変動リスクは、為替予約取引などによりヘッジしていますが、想定を超えた変動があった場合は、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
又、海外の連結子会社の現地通貨建ての決算は、連結財務諸表作成において円換算されるため、換算時の為替レートが、円換算後の決算に影響を与えています。
⑥ 金利の上昇について
現在、当社グループにおける資金調達は、低金利傾向といった金融情勢も勘案の上、金融機関からの長期及び短期借入にその多くを依存しています。特に航空機内装品等製造関連事業及び航空機シート等製造関連事業では、製品等の受注から納入までの期間が長期間にわたるものが多くを占めており、たな卸資産の回転期間は長い傾向にあります。又、増産に備えるため、工場の拡張及び設備機材等の設備投資を集中的に進めてきました。これらの理由により、現在も借入金残高は高水準で推移しており、今後、金融情勢の変化によって金利が上昇した場合には、資金調達コストが更に増大し、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 自然災害による事業活動の阻害について
当社グループは、開発・生産・販売等の拠点を国内外に分散して設けていますが、それらの拠点において、地震等の大規模災害の発生により短期間で復旧不可能な損害を被るなどした場合、原材料・部品の調達、生産活動、製品の販売・サービス活動が中断又は遅延するおそれがあります。又、地震、台風、積雪等により空港・港湾が長期間閉鎖された場合は、事業活動が制限されるおそれがあり、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 製品・サービスの品質保証について
当社グループは、品質や安全に関する法令・規則の遵守に努めるとともに、製品・サービスの品質や信頼性の
向上に努めています。しかしながら、万一、製品・サービスに起因する品質上・安全上の問題により大規模なリ
コールや賠償請求に発展する場合は、多額のコストの発生につながり、当社グループの信用低下や財政状態、経
営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 法的規制等について
当社グループは、国内及び諸外国の航空法をはじめとした関連法令等に基づき、航空機の修理、改造、及び航空機装備品の設計、製造、修理、並びに改造等の事業を行っており、又、その事業の一部については、各国関連当局の許認可を受けて実施していることなどから、様々な規制を受けています。各種法令に違反した事実が認められた場合は、許認可の取り消しなどの罰則を受ける場合があり、当社グループの信用低下や財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 情報セキュリティについて
当社グループは、製品の設計・開発、生産、販売など、事業活動において、情報技術やネットワーク、システ
ム(ITシステム)を利用しています。これらITシステムの運用並びに導入・更新に際しては、システムトラブル
や情報の外部漏洩が発生しないよう安全対策を講じていますが、予想を超えるサイバー攻撃、不正アクセス、コ
ンピュータウイルス侵入等により、重要な業務の中断や、データの破損・喪失、機密情報の外部漏洩などが発生
する可能性があります。この場合、当社グループの信用低下や財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性が
あります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者
の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中において将来に関する事項が含まれていますが、当連結会計年度末現在において、当社グループが判
断したものです。
当連結会計年度は、米国と中国の貿易摩擦による影響が拡大し、中国経済の減速が見込まれるものの、米国経済が着実に成長し、日本及びユーロ圏も緩やかな景気回復が続き、世界経済全体は堅調に推移しました。為替相場は、通商問題の動向などで先行きが不透明な状況でありましたが、ドル円為替相場は、対米ドル円レート105円台後半から114円台前半の範囲で概ね円安傾向に推移しました。
航空輸送業界では、格安航空会社(LCC)の攻勢による競争の激化が続いている一方、世界的な航空需要の拡大により、大手エアラインは新規運航路線の獲得や客室サービスの向上、LCCへの参画など様々な戦略を打ち出しています。航空機メーカーでは、航空機需要の高まりを背景に、ボーイング、エアバス共に2018年の納入機数は過去最高を更新しており、一部機種の増産計画や燃費効率の向上を目指した新機種の開発が進むなど航空機市場は引き続き堅調に推移すると見込まれています。又、両社によるリージョナル機メーカーの戦略的買収が行われるなど歴史的な再編が進んでいます。
こうしたなか当社グループでは、航空機内装品等製造関連においては、生産効率改善に努めると共に、ボーイング777X型機向けラバトリーの開発を進めました。又、同型機向けギャレーについても大手エアラインより受注し開発に着手しました。
航空機シート等製造関連においては、KLMオランダ航空向けスタンダード・シートの受注に続き、更なる受注拡大に努めると共に、生産効率改善とコスト削減の取組みを行いました。又、大手エアライン向けファースト・クラス・シートの出荷を開始しました。
航空機器等製造関連においては、生産性改善の取組みを進めると共に、航空機エンジン部品の生産量増加への取組みを進めました。又、これまで培った金属加工技術を生かし、内装品やシートの部品の内製化に着手しました。
航空機整備等関連においては、飛行安全の確保と品質向上の取組みを継続すると共に、各種サービスの充実と収益改善の取組みを進めました。又、航空機整備の事業領域拡大のため、ANAグループのMRO Japan㈱への資本参加を行いました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高 84,068百万円(前期比 6,276百万円増)、営業利益 4,321百万円(前期比 144百万円減)、経常利益 3,290百万円(前期比 213百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益 1,910百万円(前期比 229百万円増)となりました。
なお、当連結会計年度末に次期以降の完成工事に対する工事損失引当金を 3,781百万円計上しております。この工事損失引当金による期間損益への影響は、当第4四半期連結会計期間において売上原価 842百万円の増加(第3四半期連結会計期間末の工事損失引当金は 2,938百万円)、又、当連結会計年度においては売上原価 1,714百万円の増加(前連結会計年度末の工事損失引当金は 2,066百万円)となりました。
販売費及び一般管理費は、試験研究費の増加、販売手数料の増加などにより 9,321百万円(前期比 633百万円増)となりました。
営業外損益は、為替差益の増加がありましたが、支払補償費の計上などにより、 1,030百万円の損(前期は、 962百万円の損)となりました。
特別損益は、品質関連損失及び固定資産処分損などにより、 263百万円の損(前期は、 49百万円の損)となりました。
なお、2019年3月26日に公表いたしました当社及び当社の生産委託先である㈱宮崎ジャムコにおける不適切な検査については、本不適切検査判明後、直ちに安全性の確認及び即時措置を講じ、お客様へ陳謝すると共に製品品質及び安全性に関わる直接的な影響がないことの説明を行い、ご理解を頂いているところです。又、社内に品質業務改善チームの設置を行うと共に、当社と利害関係のない第三者による特別調査委員会を設置し、原因の究明と再発防止策の妥当性検証のためグループ会社を含めた調査を進めております。
当社グループでは、この度の品質事象を重く受け止め、品質第一に対する意識の変革に取り組むと共に、徹底した原因分析に基づいた是正・再発防止対策等に鋭意取り組んでまいります。
セグメント別の業績は次のとおりです。
[航空機内装品等製造関連]
当事業では、ボーイングが開発中の777X型機への移行の端境期により現行の777型機向けギャレーの出荷量減少の影響を受けましたが、客室改修用キットやスペアパーツ販売の増加、エアバスA350型機向け後部ギャレーの出荷、777X型機の飛行試験用ラバトリーの出荷などにより、前期に比べ売上高は増加しました。一方、経常利益については、売上高増加の影響があったものの、777型機向けギャレーの出荷量減少、一部プログラムの初期コストの増加などによる原価増、販売費及び一般管理費の増加などの影響を受けました。
この結果、航空機内装品等製造関連は、売上高 56,869百万円(前期比 5,876百万円増)、経常利益 6,113百万円(前期比 680百万円減)となりました。
[航空機シート等製造関連]
当事業では、一部工事の出荷が翌期以降に繰り延べられたことなどにより、前期に比べ売上高は減少しました。又、経常損益については、一部プログラムのコスト増加などによる原価増、試験研究費の増加や支払補償費の計上の影響があったものの、生産効率改善による採算性の向上や前期における一部プログラムの初期コスト増加による影響の反動などにより前期に比べ改善しました。
この結果、航空機シート等製造関連は、売上高 12,175百万円(前期比 308百万円減)、経常損失 3,143百万円(前期は、経常損失 3,641百万円)となりました。
[航空機器等製造関連]
当事業では、熱交換器等装備品の出荷が納期変更などにより減少したものの、航空機エンジン部品の出荷量が増加したことにより、前期に比べ売上高は増加しました。一方、経常利益については、生産効率の改善に努めたものの、熱交換器等装備品の出荷量減少の影響を受けたことなどにより減少しました。
この結果、航空機器等製造関連は、売上高 6,597百万円(前期比 284百万円増)、経常利益 110百万円(前期比 105百万円減)となりました。
[航空機整備等関連]
当事業では、機体整備の完成工事が減少したものの、装備品整備が堅調に推移したことにより、前期に比べ売上高は増加しました。又、経常利益については、売上高の増加に加え、採算性向上の取組みにより増加しました。
この結果、航空機整備等関連は、売上高 8,426百万円(前期比 423百万円増)、経常利益 210百万円(前期比 70百万円増)となりました。
[その他]
その他の区分には、連結子会社の㈱オレンジジャムコの事業を含んでおり、航空機内装品等製造関連の補助作業等セグメント間の内部取引が中心でした。
この結果、その他の区分では、売上高 0百万円(前期比 0百万円増)、経常損失 0百万円(前期は、経常損失 4百万円)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格で記載しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格で記載しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売高に対する割合
当連結会計年度末の資産合計は 102,980百万円となり、前連結会計年度末に比べ 8,523百万円増加しました。内、流動資産については、仕掛品の増加(前期比 3,272百万円増)、現金及び預金の増加(前期比 1,988百万円増)、商品及び製品の増加(前期比 1,525百万円増)、原材料及び貯蔵品の増加(前期比 1,270百万円増)等により流動資産合計で前連結会計年度末に比べ 7,890百万円増加しました。又、固定資産については、繰延税金資産の増加(前期比 728百万円増)、航空機内装品やシート製造のための金型購入などの投資を進めた結果、固定資産合計で前連結会計年度末に比べ 632百万円増加しました。
負債合計は 72,265百万円となり、前連結会計年度末に比べ 7,362百万円増加しました。主な要因は、借入金の減少(前期比 4,235百万円減)等がありましたが、前受金の増加(前期比 4,624百万円増)、工事損失引当金の増加(前期比 1,714百万円増)、電子記録債務の増加(前期比 1,448百万円増)、支払手形及び買掛金の増加(前期比 1,301百万円増)等によるものです。
純資産合計は 30,715百万円となり、前連結会計年度末に比べ 1,161百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金の増加(前期比 1,374百万円増)等によるものです。この結果、自己資本比率は29.3%となりました。
セグメントごとの資産は、次のとおりです。
[航空機内装品等製造関連]
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて4,534百万円増加し、61,166百万円となりました。当事業では、A350型向け後部ギャレー等の仕掛品増加などにより前期比増加いたしました。
[航空機シート等製造関連]
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて2,947百万円増加し、21,525百万円となりました。当事業では、シートの開発による仕掛品増加などにより前期比増加いたしました。
[航空機器等製造関連]
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて660百万円増加し、11,079百万円となりました。当事業では、年度末にかけて製品出荷が進み売掛金が増加したことなどから前期比増加いたしました。
[航空機整備等関連]
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて397百万円増加し、9,176百万円となりました。当事業では、年度末にかけて製品出荷が進み売掛金が増加したことなどから前期比増加いたしました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の増減は、以下に記載のキャッシュ・フローにより、前連結会計年度末に比べ 1,646百万円増加しました。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、 9,365百万円のキャッシュ・インフローとなり、前連結会計年度に比べ 5,393百万円収入が増加しました。これは、仕入債務の増加、工事損失引当金の増加、前受金の増加による収入の増加等によるものです。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、 1,944百万円のキャッシュ・アウトフローとなり、前連結会計年度に比べ 866百万円支出が減少しました。これは、MRO Japan㈱への資本参加による支出がありましたが、定期預金の減額、投資有価証券の売却による収入等によるものです。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、 5,828百万円のキャッシュ・アウトフローとなり、前連結会計年度に比べ 5,367百万円支出が増加しました。これは、金融機関からの借入金による収入に比べて、借入金の返済による支出が上回ったこと及び配当金の支払等によるものです。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、各事業の受注工事における製品開発、部品材料調達、試験研究活動などがあります。設備投資資金については、航空機内装品及び航空機シート関連の主力製品であるギャレー、ラバトリー、シート製造に係る金型、各事業の生産工場の改修および施設設備の更新、業務効率向上のためのIT関連のシステムの導入等があります。また、試験研究活動については、航空機シート等製造関連において新型スタンダード・シートの開発、航空機内装品等製造関連において次世代軽量材料の研究、次世代キャビンの研究、先端技術を適用するための基礎研究などを進めると共に、航空機器等製造関連では、炭素繊維構造部材の新たな成形方法の研究等があります。
当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入により資金調達を行っております。
なお、当連結会計年度末の借入金残高は 23,404百万円となりました。資金調達コストの低減に努めるため、売掛債権の早期回収を図るために流動化を活用しております。
(4) 主な経営指標
当社グループは、技術と品質のジャムコとして顧客からの信頼を獲得し続けることを使命として、技術力の向上、品質への取り組み強化、企業文化の再構築、人財育成を始めとする経営課題に取り組み、環境の変化を上回るスピード感と積極的な行動力の発揮により、基盤整備の一環である業務プロセスの改革/合理化を強力に推し進め、新たな成長期とすべく経営課題へ取り組み、世界に誇れるジャムコとなることを中期経営方針に掲げ、経営指標を売上高経常利益率 7%以上、総資産経常利益率 7%以上と設定し、毎期継続してこの目標を達成するために種々の施策に取組んでまいります。又、自己資本比率など安全性指標についても、中期的な視野に立ち、その改善に向けて取り組んでまいります。
当連結会計年度は、売上高経常利益率 3.9%、総資産経常利益率 3.3%、自己資本比率 29.3%、自己資本利益率 6.5%となりました。これらの経営指標の最近の推移は次のとおりです。
※売上高経常利益率:経常利益/売上高、総資産経常利益率(ROA):経常利益/総資産、自己資本比率:自己資本/総資本、自己資本利益率(ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本
(注) 1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
2.総資産経常利益率の算定における総資産は(期首総資産+期末総資産)/2で計算しています。
3.自己資本利益率の算定における自己資本は(期首自己資本+期末自己資本)/2で計算しています。
(注) ボーイング社との契約において、当初は2005年3月にラバトリー・モジュール、2005年11月にギャレー・モジュールの契約を個別に締結しておりましたが、2014年8月に一部内容を変更し、2018年3月に両契約を統合しております。
当社グループの研究開発活動は、技術力を生かした付加価値の高い製品の開発を基本方針としています。当連結会計年度においては、航空機シート等製造関連において新型スタンダード・シートの開発、航空機内装品等製造関連において次世代軽量材料の研究、次世代キャビンの研究、先端技術を適用するための基礎研究などを進めると共に、航空機器等製造関連では、炭素繊維構造部材の新たな成形方法の研究等を進めました。
この結果、当期の試験研究費は、航空機内装品等製造関連において