(1) 業績
当連結会計年度におきましては、欧州では、輸出の増加により企業の投資マインドが上向いたことや雇用環境の改善と個人消費の回復が続いたこともあり、景気は回復基調を辿りました。米国では、2つの大型ハリケーンによる影響で個人消費に一時的な影響が見られたものの、良好な雇用環境と消費者マインドの向上が牽引し、景気は緩やかな拡大が続きました。
国内では、堅調な雇用環境が個人消費を下支えし景気は緩やかな回復基調を辿ったもののその足取りは力強さを欠きました。
このような状況のもと、当社グループは、「人と自然のふれあいの中で、新しい価値を創造し、健康とよろこびに貢献する。」を使命に、健康志向や環境保全意識の高まりといった追い風の中、こころ躍る製品づくりを通じ、より豊かな自転車ライフ・フィッシングライフのご提案をしてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は335,800百万円(前年同期比4.0%増)となりました。また、利益面につきましては、営業利益は64,351百万円(前年同期比0.3%減)、経常利益は55,748百万円(前年同期比20.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は38,443百万円(前年同期比24.6%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 自転車部品
欧州市場では、完成車の店頭販売は年初来やや軟調でしたが、上半期以降は持ち直し前年並みの結果となるとともに、市場在庫は適正なレベルを維持しました。
北米市場では、店頭での完成車販売に力強さを欠き前年並みとなったものの、市場在庫はやや低めとなりました。
中国市場では市場在庫は適正なレベルを維持したものの、低価格帯完成車の店頭販売が低迷した結果、店頭での完成車販売は前年を下回りました。
他の新興国市場では、完成車の店頭販売は東南アジアでは前年並みでしたが、南米、特にブラジル・アルゼンチンでは回復が見られました。ともに市場在庫は適正なレベルで推移しました。
日本市場では、スポーツタイプ自転車及び軽快車ともに店頭販売は精彩を欠きましたが、市場在庫は適正なレベルを維持しました。
このような市況のもと、2016年末から出荷を開始したロードコンポーネント最高峰「DURA-ACE」の電動変速DI2バージョン及びE-MTB用ドライブユニット「SHIMANO STEPS」E8000シリーズの販売が好調でした。また、2017年5月に発売したマウンテンバイクコンポーネント「DEORE」、6月に発売したロードバイクコンポーネント「ULTEGRA」はともに堅調な販売を維持し、さらに8月に発売した「ULTEGRA」の電動変速DI2バージョン及びディスクブレーキを搭載した追加モデルも好評をいただきました。
この結果、当セグメントの売上高は270,206百万円(前年同期比4.1%増)、営業利益は57,410百万円(前年同期比0.8%減)となりました。
② 釣具
日本市場では、天候が一年を通し比較的に安定したこともあり、市場の動きは堅調に推移しました。
海外市場において、北米市場では2つの大型ハリケーンが2大市場であるテキサス・フロリダを直撃し大きな影響を受け、また欧州市場では上半期市場を牽引してきた英国や主要市場であるドイツ・イタリアで店頭販売が不振に陥り流通在庫が増加しました。豪州市場では、釣りシーズンのスタート遅れや大手チェーン店での不振はあったものの、下半期には落ち着きを取り戻し堅調に推移しました。一方、アジア市場では、中国・韓国市場が前年に続き好調に推移し、東南アジア市場も景気回復基調が鮮明となりました。
このような市況のもと、日本ではルアー関連製品をはじめとした様々な新製品の販売が堅調であった結果、売上は前年を上回りました。海外では市況の影響を受けた北米等での販売に勢いが欠けたものの、アジア市場での販売が好調であったことから、全体としての売上は前年を上回りました。
この結果、当セグメントの売上高は65,220百万円(前年同期比3.3%増)、営業利益は7,013百万円(前年同期比2.5%増)となりました。
③ その他
当セグメントの売上高は373百万円(前年同期比6.5%減)、営業損失は72百万円(前年同期は営業損失170百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,308百万円増加し、199,762百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の増加は69,265百万円となりました(前連結会計年度は64,034百万円の増加)。資金の主な収入要因は税金等調整前当期純利益54,563百万円、減価償却費18,805百万円、為替差損益10,062百万円等によるものです。主な支出要因は法人税等の支払額15,775百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動による資金の減少は51,657百万円となりました(前連結会計年度は34,054百万円の減少)。資金の主な収入要因は定期預金の払戻による収入21,940百万円等によるものです。主な支出要因は定期預金の預入による支出59,621百万円、有形固定資産の取得による支出12,858百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は15,173百万円となりました(前連結会計年度は15,536百万円の減少)。資金の主な支出要因は配当金の支払額14,363百万円等によるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
自転車部品 |
270,696 |
5.0 |
|
釣具 |
48,225 |
△8.7 |
|
その他 |
230 |
△3.2 |
|
合計 |
319,152 |
2.7 |
(注) 1 金額は販売価格による概算値であります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、自転車部品及び釣具については大部分見込生産によっております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
自転車部品 |
270,206 |
4.1 |
|
釣具 |
65,220 |
3.3 |
|
その他 |
373 |
△6.5 |
|
合計 |
335,800 |
4.0 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1)経営方針
当社グループはチームシマノの基本理念の中に「人と自然のふれあいの中で、新しい価値を創造し、健康とよろこびに貢献する。」を使命として掲げております。自転車部品事業、釣具事業ともに、常に新しく、より優れた製品をお届けすることにたゆまぬ努力を続け、皆様の心身の健康に貢献していきたいと考えております。
経営の方針としては次の4項目に重点を置いて運営してまいります。
・お客様に信頼され、満足していただけるサービスと製品を提供する。
・企業価値を高め、開かれた経営を約束する。
・達成感と、よろこびを分かち合える、公正でいきいきとした職場づくりに努める。
・社会の一員として環境を大切にし、共に繁栄することを目指す。
(2)経営戦略等
当社グループは「価値創造企業」を展望し、次の3点を長期的な経営戦略として事業を展開しております。
① コアコンピタンスの強化とマーケットの絞り込み: 卓越した発想力、デザイン力、技術力を磨き続け、そこから生まれる新しい製品アイディアを、現実の製品に造り上げる製造力の強化と明確なターゲットを定めたマーケティング。
② 自転車文化・釣り文化の創造とブランド強化: 自転車・釣りを趣味、スポーツといった娯楽目的の行為としてではなく、豊かなライフスタイルを提供する文化としてとらえ、自転車・釣りの社会的価値向上を志す。その結果として、当社のプレゼンスが高まり、ブランド価値向上につながる。
③ 企業価値の向上: こころ躍る製品の継続的な提供を通じて、株主の皆様、顧客、従業員等の全てのステークホルダーにとっての企業価値が高まり続ける「善の循環」を維持する。
これら3点を基本方針とし、今後も、開発型製造業としての本分を忘れず、こころ躍る製品を提案し続ける価値創造企業としての成長を経営の基本に置き、当社の根幹となる競争力を高め、持続可能な事業活動を行ってまいります。
(3)経営環境及び対処すべき課題
当事業年度末現在で予想される経営環境につきましては、欧州では、雇用環境の改善による個人消費の回復が持続する見通しの中、景気回復の牽引役だった輸出がユーロ高の影響を受け鈍化する可能性も考えられます。米国では、税制改革による企業の投資マインドの向上や良好な雇用環境を背景とする個人消費の回復が景気を下支えする一方、世界的紛争リスクの高まりと米国内の内政の混乱が景気に水を差す懸念があります。
一方、国内では、底堅い内外需を背景に景気回復基調は持続すると見込まれるものの、朝鮮半島・中東における地政学的リスクの高まりに伴うマーケットの混乱や米国の政策の行方次第では景気への影響を無視できないものと思われます。
このような経営環境の中、当社グループは、日本発の開発型製造業として、多くの人々に感動していただける「こころ躍る製品」の開発・製造に邁進することはもとより、企業と社会の共有価値を創造し続ける「価値創造企業」として、一歩一歩、前進していくことが大切だと考えております。その実現に向けて、次の3点の強化に取り組んでまいります。
・技術開発力: 開発型製造業として独自の機能を軸とした高性能部品を開発するための体制強化と意識改革などにより強化してまいります。
・コスト競争力: 製造力を強化する目的で行ってきた投資設備を最大限に活用することは当然ながら、生産工程の改善と内在する無駄の刈り取りを着実に進めることでコスト競争力を強化してまいります。
・コーポレートガバナンス: 経営の意思決定機能及び監督機能の強化のため、独立社外取締役の複数化を進めております。また、事業がグローバルに広がる中、当社グループが共有すべき価値観を改めて統一すべく、従業員一人一人が日々の事業活動で遵守すべき方針として「行動規範」を策定しております。当規範が当社グループに広く浸透し、コンプライアンスがより一層徹底されるよう進めてまいります。
株式会社の支配に関する基本方針
(1)基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保・向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
当社は、当社株式の大量買付であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
特に、当社グループの企業価値の源泉は、①お客様のニーズを迅速に察知することを可能にする、全世界に広がる販売拠点・ネットワーク、②お客様のニーズを具現化する、創造性のある高い企画開発力・技術力、③製造拠点各所在国の強みを活かしたコスト競争力のある生産体制及び全世界の需要に対応する供給力、④グローバルなサービス体制、並びに⑤グループ各社の調和のとれたオペレーション等にあり、これらの根幹には、(ⅰ)お客様、お取引先及び従業員等との堅い信頼関係、(ⅱ)個々の従業員の技術開発能力・ノウハウ等、及び(ⅲ)個々の従業員がその能力を存分に発揮することのできる企業風土等があります。当社株式の大量買付を行う者が、当社の財務及び事業の内容を理解するのは勿論のこと、こうした当社の企業価値の源泉を理解した上で、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。また、外部者である買収者からの大量買付の提案を受けた際に、株主の皆様が最善の選択を行うためには、当社の企業価値を構成する有形無形の要素を適切に把握するとともに、買収者や買付についての情報も把握した上で、買付が当社の企業価値・株主共同の利益に及ぼす影響を判断する必要があり、かかる情報が明らかにされないまま大量買付が強行される場合には、当社の企業価値・株主共同の利益が毀損される可能性があります。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。
(2)基本方針実現のための取組みの内容の概要
(A)基本方針の実現に資する特別な取組み
(ⅰ)企業価値向上のための取組み
当社は、上記の企業価値の源泉をさらに維持・強化するためには、お客様に信頼され、満足いただけるサービス及び製品を提供し続けることとともに、今後は、お客様の環境・健康等に対する関心の高まりに応えた製品の開発・製造が求められるものと考えております。また、近年、中国、南米等の新興市場での当社の主力製品である自転車部品及び釣具に対する需要が増加してきております。これら新興市場においてもお客様の信頼を得られるよう様々な施策を講じてまいりたいと考えております。そのような背景の中、当社は、①コア・コンピタンスの強化、②自転車文化・釣り文化の創造とブランドの強化を基本方針として、中長期的な企業価値の向上を実現してまいります。
(ⅱ)コーポレート・ガバナンスの強化、株主還元等
当社においては、独立性を有する社外取締役2名による取締役の業務執行の監視及び独立性を有する社外監査役2名を含む監査役会による取締役の業務執行の監視が行われております。また、当社は、内部監査室を設置し、内部監査部門としてコンプライアンスやリスク管理の状況等を定期的に監査するとともに、グローバルな内部統制システムの整備・充実を行っております。
また、当社は、株主還元を経営上の重要課題と捉えており、安定的な配当の維持・継続とともに、業績の進展に応じた成果の配分を行うことを基本方針としております。配当につきましては、昭和47年の上場以来安定的な配当を継続し、さらに業績の向上に沿った増配を行ってまいりました。また、積極的な自己株式取得も行ってきております。
さらに、当社グループは、社会的責任への取組みとして、過去より地域社会における文化活動、ボランティア活動への参加やイベントへの協賛等に積極的に取り組み、お取引先・地元住民等との信頼関係を構築してまいりました。
(B)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの内容の概要
当社は、当社株式の大量買付けが行われた際には、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上のために、積極的な情報収集と適切な情報の開示に努めるなど、その時点において適切な対応をしてまいります。
(3)具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
基本方針の実現に資する特別な取組みについて
上記(2)(A)に記載した当社の企業価値向上のための取組みやコーポレート・ガバナンスの強化といった各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに基本方針の実現に資するものです。従って、これらの各施策は、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクや不確定な要因は以下のようなものがありますが、これらに限定されるものではありません。
なお、本項に含まれる将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループの製品に対する需要は、その販売を行っている国又は地域の経済状況の影響を受けるため、世界の市場における景気後退及びこれに伴う需要の減少は、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
外貨建てで取引されている当社グループの国際取引、海外での製品価格、また連結財務諸表作成のために海外連結子会社の財務諸表は円換算されるため、為替相場の変動による影響を受けます。当社グループは先物予約でリスクヘッジ又は軽減させていますが、急激な為替相場変動があった場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループ製品は、国内外の市場において激しい競争にさらされています。競争力向上のために新技術・新製品の研究開発活動を積極的に行っていますが、製品価格の下落が当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは海外に生産、販売拠点を有しており、グループ内外で多くの海外取引を展開しています。従いまして、現地での政治的要因及び経済的要因の悪化並びに法律又は規制の変更など外的要因によるリスクが当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、ISOによる品質管理体制を構築していますが、将来全ての製品について欠陥が発生しないという保証はありません。製造物責任賠償については、保険に加入しておりますが、この保険で補償されない賠償責任を負担する可能性があります。大規模な品質問題が発生した場合、製品の回収及び交換等による多額のコストが発生し、当社グループ製品の品質に対する評価に重大な影響を与えることにより、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、貸倒れが懸念される債権につきましては、回収可能性を勘案して引当金を計上しております。しかしながら、予測していない貸倒れのリスクは常に存在しており、追加的な損失や引当金の計上が必要となった場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、製造・販売拠点を世界中に展開しています。地震及び洪水等の自然災害、火災や停電及びコンピューターウイルスによる障害等があった場合、当社グループ設備の一部又は全部の稼動が停止し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。その場合、設備復旧のための費用や生産高・売上高の減少などにより、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは「人と自然と道具の美しい調和」を目指し、基礎的な研究開発から製品化および生産技術分野まで幅広く研究開発活動を行っております。また、海外におきましても、Shimano(Singapore)Pte. Ltd.を核として、製品化および生産技術分野の研究開発活動を積極的に行っております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は 12,412百万円(消費税等は含まず。以下同じ)であり、各セグメント別の主要な成果は以下のとおりであります。
当セグメントにおける研究開発の目的は、自転車に乗る人の喜びを追求する事であります。
自転車の走行性能の向上を図ることは勿論、操作性の向上によって乗り手を精神的・肉体的ストレスから解放する「ストレスフリーコンセプト」を追求し続けています。
また、自転車市場の拡大と活性化の為に、人と自転車の関係に新しい価値を創造する提案活動を展開しています。各国で自転車道の整備が進む現状からも見ることが出来るように自転車を取り巻く環境は追い風と言えます。健康志向と相まって、移動手段としての見直しや、都市交通整備計画にも自転車の利用が過去にもまして重要視されています。市場の変化を鑑みながら、新たな市場価値を提供し続けています。
なお、当セグメントに係わる研究開発費は9,165百万円であり、主な成果としては、以下のとおりであります。
① MTB分野においては、昨シーズンフルモデルチェンジしたクロスカントリー用コンポーネンツ「SLX」の下位モデル「DEORE」をトレッキング用の仕様と合わせてフルモデルチェンジし、中級ライダーのニーズに応えています。加えて高いスポーツ性能を普及価格帯の「ALTUS」シリーズまで展開し、MTBの魅力をさらにアピールし市場の拡大を図っています。
② ロードバイク分野においては、「ULTEGRA」をフルモデルチェンジし、最上級グレードの「DURA-ACE」と同じく油圧ディスクブレーキ、電子制御変速「DI2」機構をラインアップに加えました。さらにエントリライダー向けの「CLARIS」をフルモデルチェンジし、スポーツサイクリングだけではなくカジュアルな乗り方を提案しています。
③ 市場拡大が見られるE-BIKE(電動アシスト自転車)分野では、シティ・トレッキングバイク向けのコンポーネンツに加えて、電動アシスト仕様のMTBに対応するために「SHIMANO STEPS」テクノロジーを採用した「DEORE XT」グレードのコンポーネンツを投入しています。特にMTBで求められる登り坂での変速のための電子制御システムの開発と投入は、この分野でも乗り手に対するストレスフリーを提供しています。
④ コンフォートバイク分野では、ドライブトレインの内装変速システムを「ALFINE」、「NEXUS」両ブランドで充実させていくとともに、世界規模で急速に広がっているシェアバイクにも内装ハブギアドライブトレインを供給しています。また昨年新たな自転車のカテゴリーとして提案したアーバンスポーツモデル「METREA」を引き続き展開していきます。
当セグメントにおける研究開発は、基本性能の向上と新機能の実現を目指すと共に、感性を具現化するテクノロジーを追求しております。
なお、当セグメントに係わる研究開発費は3,219百万円であり、主な成果としては、以下のとおりであります。
① 「MICROMODULE GEAR II」(マイクロモジュールギアII)
静かで滑らかなリールの巻き心地を実現するギアを新設計し、2018年発売の新製品「ステラ」に搭載します。ギアの歯の形状一つひとつを解析し、歯の噛み合わせが滑らかになる理想的な形状を追求することで、珠玉のギアフィーリングが誕生しました。この「マイクロモジュールギアII」によって「滑らかで高耐久なギア」をより強くお客様に印象付け、弊社のブランド力を強化することが期待されます。
② 「SILENTDRIVE」(サイレントドライブ)
釣用リールはハンドルの回転運動がインプットとなり、その動力を様々な部品が伝達し、ローターを回転させる運動とスプールを上下させる運動がアウトプットとなります。「サイレントドライブ」では、これらの動力を伝達する様々な部品の設計や製造方法を大幅に見直しました結果、ハンドルのガタや巻取り時に感じるわずかなコツコツ感などの、駆動部品同士の微小なスキマに由来するリールの巻取り時に感じる不快な感覚を取り除く新機構を開発し、2018年発売の新製品「ステラ」に搭載します。
① 「SPIRAL X CORE」(スパイラルXコア)
「スパイラルX」のネジリ強度とつぶれ強度をアップした「スパイラルXコア」を2017年秋発売の高価格帯ロッドに搭載しました。ナノアロイ®テクノロジーにより実現した高強度樹脂を採用することにより、一般的な構造と比べ、ネジリ強度とつぶれ強度がそれぞれ当社比約1.4倍、約2.5倍となっています。この構造はロッド縦繊維の内層と外層にカーボンテープをそれぞれ逆方向に密巻きした三層構造であり、内外の斜め繊維により、軽さを維持しながら高いネジリ剛性とつぶれ剛性を実現することができました。
2017年秋発売の「レマーレBG」にこの「スパイラルXコア」を搭載し、自重の増加を抑え高強度化を実現しました。
② 「NEW X GUIDE」(Xガイドエアロチタン)
2015年に誕生したXガイドは磯ロッドのガイドに求められる小ささ、軽さ、強さ、糸がらみのしにくさを実現したシマノオリジナルのガイドであり、多くの釣り人より高評価をいただいています。2017年12月発売の「カーディフモンスターリミテッド」に新たにバットガイドである「Xガイドエアロチタン」を搭載しました。バットガイドはキャスティングにおいてリールから糸が放出されるにあたり最初に糸が接触するガイドであり、飛距離及びキャストフィーリングに大きく影響します。チタン素材のパイプでガイドフレームを構成することで軽さはもちろん糸がらみが起こりづらくなることに加えて、ラウンド形状を採用することで空気抵抗が減りキャストフィールが大幅にアップしています。またガイドリングに軽量金属素材を採用することにより、さらに軽いものに仕上がっています。
① フォール鯛ラバメソッドの要ともいえるフォール鯛ラバ専用設計の「炎月フラットバクバク」を開発しました。リトリーブ(巻き上げ)時だけでなくフォール(沈める)時にも魅惑的なアクションを発生させ、鯛だけでなく青物や根魚でも抜群の釣果を誇ります。またショアソルトの釣りモノとして定着したヒラメ向け「熱砂サンドライザー」を始めソフトベイトシリーズを拡大し、シーバスでは「エクスセンス スライドアサシン100S X AR-C」を発売します。ソルトだけでなくバス、トラウト、イカ(メタルスッテ)でも魅力的な新製品を用意しました。
② アングラーのパフォーマンスを最大化する事を目指した新設計ウェア「COREACT」を2017年から磯カテゴリーでスタートし、2018年は船カテゴリーにも展開し、船釣り専用レインウェア「RA-033R」(SS・3Dマリンスーツ)を発売します。船釣りでの竿をしゃくる、糸をたぐるなどの動作を実釣と科学の視点で測定・分析を実施し、船の動きやすさを追求した新設計で、現行品の課題点であった着心地を大幅に動きやすく改善しました。さらに素材には汚れに強い特殊ウレタン加工の「SPLASHSHIELD」を新開発し、もう1つの現行品の課題点であった防汚性能を見直し、釣行時に付くイカスミなどの汚れを落としやすく改善しました。
当セグメントでは主にロウイング関連用品等の開発を行っております。
なお、当セグメントに係わる研究開発費は27百万円であります。
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、本報告書「第5 経理の状況」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金等の各引当金の計上、固定資産の減損に係る会計基準における回収可能価額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。但し、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当連結会計年度末における資産は488,770百万円(前年同期比44,815百万円増)となりました。これは、現金及び預金が41,495百万円、商品及び製品が2,080百万円、仕掛品が1,912百万円、ソフトウエアが1,731百万円、投資その他の繰延税金資産が1,299百万円それぞれ増加し、建設仮勘定が4,456百万円減少したこと等によるものです。
当連結会計年度末における負債は58,304百万円(前年同期比5,731百万円増)となりました。これは、未払法人税等が2,839百万円、固定負債のその他が1,346百万円、流動負債のその他が1,204百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
当連結会計年度末における純資産は430,465百万円(前年同期比39,084百万円増)となりました。これは、利益剰余金が24,074百万円、為替換算調整勘定が14,936百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
当連結会計年度の売上高は335,800百万円(前年同期比4.0%増)となりました。セグメント別の分析につきましては、「第2 事業の状況 1業績等の概要 (1)業績」に記載しております。
当連結会計年度の売上総利益は137,456百万円(前年同期比4.5%増)となりました。売上高の増加等により売上総利益率は前連結会計年度より0.2ポイント上昇し40.9%となりました。
当連結会計年度の営業利益は64,351百万円(前年同期比0.3%減)となりました。減価償却費及び研究開発費の増加等により販売費及び一般管理費が73,105百万円(前年同期比9.1%増)となり、営業利益率は前連結会計年度より0.8ポイント下降し19.2%となりました。
当連結会計年度の経常利益は55,748百万円(前年同期比20.4%減)となりました。営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、為替差損等により△8,602百万円(前年同期は5,456百万円)となりました。
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は工場建替関連費用等により54,563百万円(前年同期比20.2%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,308百万円増加し、199,762百万円となりました。
営業活動による資金の増加は69,265百万円となりました。
投資活動による資金の減少は51,657百万円となりました。
財務活動による資金の減少は15,173百万円となりました。
なお、詳細は「第2 事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社の運転資金需要のうち主なものは、当社製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び広告宣伝費、販売促進費等のマーケティング費用です。当社の研究開発費は様々な営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の重要な部分を占めています。
当社グループは現在、運転資金および設備投資資金につきましては、一般的に、内部資金により資金調達することとしており、その健全な財務状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社の成長を維持するために将来必要な運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えています。