第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

 当社グループはチームシマノの基本理念の中に「人と自然のふれあいの中で、新しい価値を創造し、健康とよろこびに貢献する。」を使命として掲げております。自転車部品事業、釣具事業ともに、常に新しく、より優れた製品をお届けすることにたゆまぬ努力を続け、皆様の心身の健康に貢献していきたいと考えております。

 経営の方針としては次の4項目に重点を置いて運営してまいります。

・お客様に信頼され、満足していただけるサービスと製品を提供する。

・企業価値を高め、開かれた経営を約束する。

・達成感と、よろこびを分かち合える、公正でいきいきとした職場づくりに努める。

・社会の一員として環境を大切にし、共に繁栄することを目指す。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは「価値創造企業」を展望し、次の3点を長期的な経営戦略として事業を展開しております。

① コアコンピタンスの強化とマーケットの絞り込み: 卓越した発想力、デザイン力、技術力を磨き続け、そこから生まれる新しい製品アイディアを、現実の製品に造り上げる製造力の強化と明確なターゲットを定めたマーケティング。

② 自転車文化・釣り文化の創造とブランド強化: 自転車・釣りを趣味、スポーツといった娯楽目的の行為としてではなく、豊かなライフスタイルを提供する文化としてとらえ、自転車・釣りの社会的価値向上を志す。その結果として、当社のプレゼンスが高まり、ブランド価値向上につながる。

③ 企業価値の向上: こころ躍る製品の継続的な提供を通じて、株主の皆様、顧客、従業員等の全てのステークホルダーにとっての企業価値が高まり続ける「善の循環」を維持する。
 

 これら3点を基本方針とし、今後も、開発型製造業としての本分を忘れず、こころ躍る製品を提案し続ける価値創造企業としての成長を経営の基本に置き、当社の根幹となる競争力を高め、持続可能な事業活動を行ってまいります。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題

 当事業年度末現在で予想される経営環境につきましては、欧州では、イギリスのEU離脱交渉における混乱、イタリアの財政不安の高まりといった不安要素が顕在化した場合に景気が減速するおそれがあります。米国では、旺盛な個人消費による景気の拡大基調が見込まれる一方で、減税効果の剥落による成長ペースの鈍化が懸念されます。国内では、良好な雇用環境を背景に個人消費の底堅い推移が見込まれ緩やかな景気回復が期待できるものの、消費増税が消費者マインドに影を落とす可能性があります。また、世界的に米中通商問題の景気への影響が懸念されます。

 このような経営環境の中、当社グループは、日本発の開発型製造業として、多くの人々に感動していただける「こころ躍る製品」の開発・製造に邁進することはもとより、企業と社会の共有価値を創造し続ける「価値創造企業」として、一歩一歩、前進していくことが大切だと考えております。その実現に向けて、次の3点の強化に取り組んでまいります。

・技術開発力:開発型製造業として独自の機能を軸とした高性能部品を開発するための体制強化と意識改革などによ

 り強化してまいります。  

・コスト競争力:製造力を強化する目的で行ってきた投資設備を最大限に活用することは当然ながら、生産工程の改

 善と内在する無駄の刈り取りを着実に進めることでコスト競争力を強化してまいります。

・コーポレートガバナンス:経営の意思決定機能及び監督機能の強化のため、独立社外取締役の複数化を進めており

  ます。また、事業がグローバルに広がる中、当社グループが共有すべき価値観を改めて統一すべく、従業員一人一

  人が日々の事業活動で遵守すべき方針として「行動規範」を策定しております。当規範が当社グループに広く浸透

  し、コンプライアンスがより一層徹底されるよう進めてまいります。

 

 

株式会社の支配に関する基本方針

(1)基本方針の内容

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保・向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。

当社は、当社株式の大量買付であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。

しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。

特に、当社グループの企業価値の源泉は、①お客様のニーズを迅速に察知することを可能にする、全世界に広がる販売拠点・ネットワーク、②お客様のニーズを具現化する、創造性のある高い企画開発力・技術力、③製造拠点各所在国の強みを活かしたコスト競争力のある生産体制及び全世界の需要に対応する供給力、④グローバルなサービス体制、並びに⑤グループ各社の調和のとれたオペレーション等にあり、これらの根幹には、(ⅰ)お客様、お取引先及び従業員等との堅い信頼関係、(ⅱ)個々の従業員の技術開発能力・ノウハウ等、及び(ⅲ)個々の従業員がその能力を存分に発揮することのできる企業風土等があります。当社株式の大量買付を行う者が、当社の財務及び事業の内容を理解するのは勿論のこと、こうした当社の企業価値の源泉を理解した上で、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。また、外部者である買収者からの大量買付の提案を受けた際に、株主の皆様が最善の選択を行うためには、当社の企業価値を構成する有形無形の要素を適切に把握するとともに、買収者や買付についての情報も把握した上で、買付が当社の企業価値・株主共同の利益に及ぼす影響を判断する必要があり、かかる情報が明らかにされないまま大量買付が強行される場合には、当社の企業価値・株主共同の利益が毀損される可能性があります。

当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。

 

(2)基本方針実現のための取組みの内容の概要 

(A)基本方針の実現に資する特別な取組み

(ⅰ)企業価値向上のための取組み

当社は、上記の企業価値の源泉をさらに維持・強化するためには、お客様に信頼され、満足いただけるサービス及び製品を提供し続けることとともに、今後は、お客様の環境・健康等に対する関心の高まりに応えた製品の開発・製造が求められるものと考えております。また、近年、中国、南米等の新興市場での当社の主力製品である自転車部品及び釣具に対する需要が増加してきております。これら新興市場においてもお客様の信頼を得られるよう様々な施策を講じてまいりたいと考えております。そのような背景の中、当社は、①コア・コンピタンスの強化、②自転車文化・釣り文化の創造とブランドの強化を基本方針として、中長期的な企業価値の向上を実現してまいります。

(ⅱ)コーポレート・ガバナンスの強化、株主還元等

当社においては、独立性を有する社外取締役2名による取締役の業務執行の監視及び独立性を有する社外監査役2名を含む監査役会による取締役の業務執行の監視が行われております。また、当社は、内部監査室を設置し、内部監査部門としてコンプライアンスやリスク管理の状況等を定期的に監査するとともに、グローバルな内部統制システムの整備・充実を行っております。

また、当社は、株主還元を経営上の重要課題と捉えており、安定的な配当の維持・継続とともに、業績の進展に応じた成果の配分を行うことを基本方針としております。配当につきましては、1972年の上場以来安定的な配当を継続し、さらに業績の向上に沿った増配を行ってまいりました。また、積極的な自己株式取得も行ってきております。

さらに、当社グループは、社会的責任への取組みとして、過去より地域社会における文化活動、ボランティア活動への参加やイベントへの協賛等に積極的に取り組み、お取引先・地元住民等との信頼関係を構築してまいりました。

 

(B)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの内容の概要

当社は、当社株式の大量買付けが行われた際には、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上のために、積極的な情報収集と適切な情報の開示に努めるなど、その時点において適切な対応をしてまいります。

 

(3)具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

  基本方針の実現に資する特別な取組みについて

上記(2)(A)に記載した当社の企業価値向上のための取組みやコーポレート・ガバナンスの強化といった各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに基本方針の実現に資するものです。従って、これらの各施策は、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクや不確定な要因は以下のようなものがありますが、これらに限定されるものではありません。

なお、本項に含まれる将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 市況変動によるリスク

当社グループの製品に対する需要は、その販売を行っている国又は地域の経済状況の影響を受けるため、世界の市場における景気後退及びこれに伴う需要の減少は、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替相場の変動によるリスク

外貨建てで取引されている当社グループの国際取引、海外での製品価格、また連結財務諸表作成のために海外連結子会社の財務諸表は円換算されるため、為替相場の変動による影響を受けます。当社グループは先物予約でリスクヘッジ又は軽減させていますが、急激な為替相場変動があった場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 競争によるリスク

当社グループ製品は、国内外の市場において激しい競争にさらされています。競争力向上のために新技術・新製品の研究開発活動を積極的に行っていますが、製品価格の下落が当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 海外での事業活動に関するリスク

当社グループは海外に生産、販売拠点を有しており、グループ内外で多くの海外取引を展開しています。従いまして、現地での政治的要因及び経済的要因の悪化並びに法律又は規制の変更など外的要因によるリスクが当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 製品の欠陥に関するリスク

当社グループでは、ISOによる品質管理体制を構築していますが、将来全ての製品について欠陥が発生しないという保証はありません。製造物責任賠償については、保険に加入しておりますが、この保険で補償されない賠償責任を負担する可能性があります。大規模な品質問題が発生した場合、製品の回収及び交換等による多額のコストが発生することにより、また、当社グループ製品の品質に対する評価に重大な影響を与えることにより、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 貸倒れに関するリスク

当社グループでは、貸倒れが懸念される債権につきましては、回収可能性を勘案して引当金を計上しております。しかしながら、予測していない貸倒れのリスクは常に存在しており、追加的な損失や引当金の計上が必要となった場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 災害等に関するリスク

当社グループは、製造・販売拠点を世界中に展開しています。地震及び洪水等の自然災害、火災や停電及びコンピューターウイルスによる障害等があった場合、当社グループ設備の一部又は全部の稼動が停止し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。その場合、設備復旧のための費用や生産高・売上高の減少などにより、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におきましては、欧州では、雇用・所得環境の改善を背景として個人消費が安定的に推移し景気は緩やかな回復基調を辿ったものの、米中通商問題に伴う先行き不透明感の高まりが景気の回復ペースに少なからず影響を与えました。米国では、減税政策を背景に企業業況が好調を保ち良好な雇用環境が堅調な個人消費を牽引したことから、景気は順調に拡大しました。国内では、相次ぐ豪雨や台風等の自然災害により消費や輸出に一時的な陰りが見えたものの、堅調な雇用環境が個人消費を下支えし景気は底堅く推移しました。

このような状況のもと、当社グループは、「人と自然のふれあいの中で、新しい価値を創造し、健康とよろこびに貢献する。」を使命に、健康志向や環境保全意識の高まりといった追い風の中、こころ躍る製品づくりを通じ、より豊かな自転車ライフ・フィッシングライフのご提案をしてまいりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は348,035百万円前年同期比3.6%増)となりました。また、利益面につきましては、営業利益は65,687百万円前年同期比2.1%増)、経常利益は73,588百万円前年同期比32.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は53,931百万円前年同期比40.3%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

  自転車部品

欧州市場では、4月以降の好天が夏季に入っても続いたこともあり、完成車の店頭販売は電動アシストスポーツバイクを中心に全般的に好調でした。また、市場在庫は低めで推移しました。

北米市場では、店頭での完成車販売台数は前年を下回ったものの、高級モデルへの切り替えが進んだ結果販売金額は前年並みで推移しました。市場在庫は適正なレベルを維持しました。

中国市場では、完成車の店頭販売は前年を下回りましたが、市場在庫は適正な範囲で推移しました。

他の新興国市場では、東南アジア市場では、完成車の店頭販売はインドネシアで回復傾向は見られるものの市場全体では力強さを欠きました。南米市場では、消費にやや陰りが見られたブラジルは最終的には底を打った一方で、アルゼンチンは通貨安の影響で低迷しました。アルゼンチンを除き市場在庫は適正水準を保ちました。

日本市場では、年初の寒波に始まる天候不順や自然災害の影響もあり、スポーツタイプ自転車及び軽快車ともに店頭販売は振るわずに推移しましたが、店頭での電動アシスト車全体の販売の伸張の中、特に電動スポーツアシストバイクへの注目度が増しました。市場在庫は適正範囲内ながらやや高めで推移しました。

このような市況のもと、高級ロードコンポーネントの一翼を担う新製品SHIMANO 105シリーズ、電動スポーツアシストバイクコンポーネントの新製品SHIMANO STEPS E7000/E6100の2シリーズが好評を得ました。

この結果、当セグメントの売上高は277,243百万円前年同期比2.6%増)、営業利益は57,250百万円前年同期比0.3%減)となりました。

 

  釣具

日本市場では、年初来相次ぐ自然災害が釣場環境や消費者マインドに影響を及ぼし、小売業の販売は力強さを欠きました。

海外市場において、北米市場では、東海岸でハリケーン災害があったものの拡大基調の景気に支えられて販売は堅調に推移しました。欧州市場では、主要市場のひとつであるイギリスの流通在庫は高めで推移したものの適正化の兆しが見られました。豪州市場では、3月のサイクロン発生以降は好天が続き販売は堅調なものとなりました。アジア市場では、スポーツフィッシング人気の高まりを受け中国・韓国・東南アジア市場における販売は好調に推移しました。

このような市況のもと、日本では引き続きルアー関連新製品を中心に高い評価をいただき売上は前年を上回りました。海外市場ではとりわけデジタルコントロールブレーキシステムを搭載した新製品のベイトリール「Curado DC」が高い評価をいただき全体の売上は前年を上回りました。

この結果、当セグメントの売上高は70,436百万円前年同期比8.0%増)、営業利益は8,544百万円前年同期比21.8%増)となりました。

 

  その他

当セグメントの売上高は355百万円前年同期比4.7%減)、営業損失は107百万円(前年同期は営業損失72百万円)となりました。

 

当連結会計年度末における資産は504,283百万円前年同期比15,512百万円増)となりました。これは、建設仮勘定が10,265百万円、仕掛品が3,871百万円、受取手形及び売掛金が3,414百万円それぞれ増加し、機械装置及び運搬具が3,003百万円減少したこと等によるものです。

当連結会計年度末における負債は50,825百万円前年同期比7,478百万円減)となりました。これは、火災損失引当金が1,609百万円増加し、短期借入金が6,969百万円、未払法人税等が1,598百万円それぞれ減少したこと等によるものです。

当連結会計年度末における純資産は453,457百万円前年同期比22,991百万円増)となりました。これは、利益剰余金が39,562百万円増加し、為替換算調整勘定が14,725百万円減少したこと等によるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ23,370百万円減少し、176,392百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動による資金の増加は49,593百万円となりました(前連結会計年度は69,265百万円の増加)。資金の主な収入要因は税金等調整前当期純利益71,224百万円、減価償却費17,512百万円等によるものです。主な支出要因は法人税等の支払額18,676百万円等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動による資金の減少は49,008百万円となりました(前連結会計年度は51,657百万円の減少)。資金の主な収入要因は定期預金の払戻による収入96,515百万円等によるものです。主な支出要因は定期預金の預入による支出122,008百万円、有形固定資産の取得による支出22,252百万円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は21,709百万円となりました(前連結会計年度は15,173百万円の減少)。資金の主な支出要因は配当金の支払額14,366百万円等によるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

自転車部品

279,343

3.2

釣具

56,293

16.7

その他

224

△2.7

合計

335,861

5.2

 

(注) 1  金額は販売価格による概算値であります。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注状況

当社グループは、自転車部品及び釣具については大部分見込生産によっております。

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

自転車部品

277,243

2.6

釣具

70,436

8.0

その他

355

△4.7

合計

348,035

3.6

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、本報告書「第5 経理の状況」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金等の各引当金の計上、固定資産の減損に係る会計基準における回収可能価額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。但し、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は348,035百万円前年同期比3.6%増)となりました。セグメント別の分析につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。

当連結会計年度の売上総利益は136,572百万円前年同期比0.6%減)となりました。売上原価の増加等により売上総利益率は前連結会計年度より1.7ポイント下降し39.2%となりました。

当連結会計年度の営業利益は65,687百万円前年同期比2.1%増)となりました。広告宣伝費及び研究開発費の減少等により販売費及び一般管理費が70,884百万円前年同期比3.0%減)となりましたが、営業利益率は前連結会計年度より0.3ポイント下降し18.9%となりました。

当連結会計年度の経常利益は73,588百万円前年同期比32.0%増)となりました。営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、為替差益等により7,900百万円(前年同期は△8,602百万円)となりました。

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は火災損失等があったものの71,224百万円前年同期比30.5%増)となりました。

 

b. 資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び広告宣伝費、販売促進費等のマーケティング費用です。当社の研究開発費は様々な営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の重要な部分を占めています。

当社グループの運転資金および設備投資資金につきましては、一般的に、内部資金により資金調達することとしており、その健全な財務状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社の成長を維持するために将来必要な運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えています。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループは「人と自然と道具の美しい調和」を目指し、基礎的な研究開発から製品化および生産技術分野まで幅広く研究開発活動を行っております。また、海外におきましても、Shimano(Singapore)Pte. Ltd.を核として、製品化および生産技術分野の研究開発活動を積極的に行っております。

当連結会計年度の研究開発費の総額は12,850百万円であり、各セグメント別の主要な成果は以下のとおりであります。

 

(1) 自転車部品

当セグメントにおける研究開発の目的は、自転車に乗る人の喜びを追求する事であります。

自転車の走行性能の向上を図ることは勿論、操作性の向上によって乗り手を精神的・肉体的ストレスから解放する「ストレスフリーコンセプト」を追求し続けています。

また、自転車市場の拡大と活性化の為に、人と自転車の関係に新しい価値を創造する提案活動を展開しています。各国で自転車道の整備が進む現状からも見ることが出来るように自転車を取り巻く環境は追い風と言えます。健康志向と相まって、移動手段としての見直しや、都市交通整備計画にも自転車の利用が過去にもまして重要視されています。市場の変化を鑑みながら、新たな市場価値を提供し続けています。

なお、当セグメントにおける研究開発費は9,492百万円であり、主な成果としては、以下のとおりであります。

① MTB分野においては、レース用コンポーネンツのフラッグシップであるXTRシリーズのフルモデルチェンジを行いました。リアドライブ系統をワイドギアで12段化しつつ、早くてショックの少ない変速機能を提供しています。また、中級グレードのALIVIO、ACERA、ALTUSシリーズには油圧ディスクブレーキ、ハブ、前変速機、クランク、車輪のさらなる充実をはかりました。上位モデル譲りの最新技術を投入することにより、幅広い市場のニーズに応え、市場の活性化に貢献して参りました。

② ロードバイク分野においては、上級グレードSHIMANO 105シリーズのフルモデルチェンジを行いました。昨年投入した上位モデルULTEGRAシリーズのコンセプトを受け継ぎ、洗練されたデザインに加え、油圧ディスクブレーキや手の小さなライダー向けの変速レバーなど、ライダーが思いのままに自転車を操作できる機能を提案しています。

③ 世界的に需要が増加しているE-BIKE(電動アシストバイク)分野では、最大の市場であるヨーロッパに投入しているSHIMANO STEPSにおいて、MTB向けに1シリーズ、シティ・トレッキングバイク向けに2シリーズを新たに展開しました。特にMTBで求められる登り坂での変速のための電子制御システムによって、この分野でも乗り手に対するストレスフリーを提案しています。

④ アーバン・トレッキング分野においては、コンパクトで軽く、回転抵抗を軽減したハブダイナモと油圧ディスクブレーキを投入し、より快適なサイクリングを提案しています。

 

(2) 釣具

当セグメントにおける研究開発は、基本性能の向上と新機能の実現を目指すと共に、感性を具現化するテクノロジーを追求しております。
 なお、当セグメントにおける研究開発費は3,352百万円であり、主な成果としては、以下のとおりであります。

 

リール

① 「INFINITYDRIVE」(インフィニティドライブ)

リールの巻き上げパワーを向上する新機構として、2019年発売の新製品「ステラSW」に搭載します。ピニオンギアの支持機構を見直すことにより、リール内部で発生する摩擦抵抗を減らすことに成功しました。これにより従来よりも軽い力で大物を釣り上げることができるようになります。「インフィニティドライブ」によって「大物にも負けないパワー」をより強くお客様に実感頂き、弊社のブランド力を強化することが期待されます。

② 「HEATSINK DRAG」(ヒートシンクドラグ)

ドラグ性能の低下を抑える新機構として、2019年発売の新製品「ステラSW」に搭載します。大物との長時間のファイトの際にはドラグから熱が発生し、ドラグ性能を低下させることがあります。「ヒートシンクドラグ」では、ドラグ部で発生した熱をスプール外に逃がす「ヒートシンクパネル」を搭載することで、性能の低下を防ぎます。

 

 

ロッド

① 「ステファーノリミテッド」

高度な操作性を要するカワハギ釣りにおいて、アングラーは軽さ、感度を追求します。2018年秋に発売した「ステファーノリミテッド」は進化したブランクス構造である「スパイラルXコア」と「ナノピッチ」の相乗効果により、自重わずか54gという指の延長を思わせるほどの軽量化を実現しました。さらに初搭載の「激短カーボンソリッド」で歴代機種を凌駕する手感度・目感度の向上を実現しました。

② 「シマノカーボンフルソリッド」

中空構造ではないソリッドでシマノ独自のカーボンブランクスを、ソルトカテゴリーにおいて展開しました。
細くて良く曲がって、粘り強い特性を生かしつつ、ブレやパワーロス、ネジレやすさを抑えております。さらに
ソリッド構造の芯材には、優れた巻き込み強度・巻き込み量をほこる「タフテック∞(インフィニティ)」を採
用し、外層には適材のカーボンシートを足し巻きすることで剛性を高め、より細くて強いブランクスを実現して
おります。カーボンフルソリッドブランクスにより、魚とのやり取りの楽しさをさらに奥深く味わえる性能に仕
上がっております。

 

フィッシングギア

① ルアー

新開発の「フラッシュブースト」機構は、ルアーに伝わる僅かな振動を増幅して反射板を震わせることにより、まるでエラを動かし続ける魚のようにターゲットを魅了します。オフショア用の「オシア ヘッドディップ  200F フラッシュブースト」と、シーバス用の「エクスセンス シャローアサシン 99F フラッシュブースト」の2機種に搭載しています。

② アパレル

アングラーがこれまで以上に釣りに集中できる動きやすさ・着心地を目指して開発された、伸びて強い透湿防水素材「DURAST」採用のレインウェアを2019年より発売します。強度の高いナイロン糸を採用した特殊構造により、2層状態で約130%ストレッチ機能(JIS L 1096 B法)に加え、耐摩耗性、軽量性(115g/㎡)を実現しました。

 

(3) その他

当セグメントでは主にロウイング関連用品等の開発を行っております。

なお、当セグメントにおける研究開発費は5百万円であります。