第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社は「信頼・創造・奉仕」の企業理念のもと、センサーを核としてシステム、サービスをお客さまに提供することにより社会生活・産業の発展に貢献し、お客さまや社会の信頼を得て永続的に発展できるよう努力しております。
 事業環境が激しく変化するこの時代を勝ち抜くためには、自社の強みであるコア技術を進化させるのはもちろんのこと、絶えず自らを振り返り、リファインされた姿でお客さまと向き合うことが大切だと考えております。そのためには、開発・製造・販売をはじめとした全部門が、お客さまの課題を共有することが、欠くことのできない必須条件と考えております。そして、全社一丸となってその課題を解決し、新しい価値をお客さまへ提供することで社会に貢献してまいります。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略や目標とする経営指標

当社は、平成30年5月10日に平成30年度から平成32年度の3ヶ年を対象期間とした「新中期経営計画2020」を

策定いたしました。

-ミッション-  当社のミッション(使命)は、次のとおりであります。

・「信頼・創造・奉仕」の企業理念のもと、「スマート社会に貢献するテクノロジー」を磨き、お客さまの「新し
 い価値を創造し、提供し続ける」ことで、社会に貢献する。

 

-ビジョン-  当社の目指すべき姿として3つの目標を設定しております。

・[はかる技術] [スマート技術] [ソリューション]をキーワードとしたお客さま価値を追求し、新しい商品を提供
 する。

・海外市場へ更に踏み出し、世界に当社製品・技術を拡げていく。

・企業活動におけるESG(環境・社会・企業統治)を尊重し、社会に愛される企業となる。

 

-基本戦略- 「ビジョン」を実現するため、以下の3つを基本戦略といたします。 

・市場拡大、事業領域拡大へのチャレンジ(海外分野、計装分野、民需センサー・システム分野)

・基盤事業分野の競争力向上と収益向上

・経営力の強化

 

-数値目標-

・株主資本利益率(ROE)は、当期間内に8%以上を維持することを目標とする。

・平成33年3月期の業績目標として、売上高480億円、経常利益41億円を目指す。

 

-重点施策-  上記目標達成のため、以下のような重点施策を行ってまいります。

 ①市場拡大・事業領域拡大へのチャレンジについて

海外分野においては、海外拠点での地産地販を推進し、取扱品目拡大に取り組むとともに新たなパートナーの発掘を行ってまいります。計装分野では、一層の人員投下をはかり、体制を強化して売上拡大を目指します。また、民需センサー・システム分野においては、工場ユーティリティ市場向け製品ラインナップを拡充し、同市場での拡販に再チャレンジしていきます。
 また、新しい情報通信技術を活用した計測データの配信サービスを検討してまいります。

 ②基盤事業の競争力向上と収益向上について

水道メーター、ガスメーター等で基幹製品のコストダウンを推進していくと同時に、品質を最重視したものづくりでお客さまに満足いただけるQCDを提供いたします。あわせて、基幹製品の技能伝承と次世代育成を推進していきます。

 ③経営力の強化について

スタッフ部門の生産性向上によって、スリムで強靭な経営体制への転換をはかります。また、子会社、関連会社を含めた全体最適志向によりグループ経営を推進してまいります。加えて、持続的成長と企業価値向上に向け、ESGを重視した経営を展開します。

 

(3) 経済見通しと当社グループの課題

国内経済は、個人消費を中心として回復傾向にある内需や底堅い外需、並びに生産性向上に関わる設備投資の増加などが押し上げ要因となり、ゆるやかな拡大が継続するとみられます。
 海外経済は、米国では個人消費や設備投資の増強により引き続き成長を維持する一方、ユーロ圏では内需主導の景気拡大が持続するとみられています。アジア諸国では、中国における過剰生産能力の削減などにより小幅な景気減速が予想されるものの、ASEANの景気拡大に支えられ、総じて堅調に推移するものとみられています。
 しかしながら、慢性的な労働力不足、米国の保護主義政策を背景とした貿易摩擦などが足かせとなり、先行きが不透明な状況にあるといえます。
 こうした情勢に加え、当社グループを取り巻く事業環境は、中国での天然ガスへのエネルギー転換やASEANでのインフラ投資に伴う需要拡大が見込めるものの、国内での家庭用プロパンガスメーターの更新需要が平成32年度から下降期を迎えること、国内人口減少に伴う需要減少、原材料費・人件費の上昇、都市ガス自由化の影響など、なお厳しい状況が続くものとみています。
  

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの業績や財務状況などに影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクがこれらに限られるものではありません。

(1) 製品の欠陥

当社グループは、国際的な品質マネジメントシステムに従い各種の製品を製造しております。しかしながら、全ての製品に欠陥がないという保証はありません。製品の欠陥が発生した場合は、迅速な対応と抜本的な対策により損害額の極小化と信用失墜の防止に努めますが、欠陥の内容によってはリコールが避けられず、業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

(2) 販売価格の低下

当社グループを取り巻く市場環境は厳しい状況が続いております。とりわけ販売価格については、競争の激化とお客様対応も重なり、低下傾向が続いております。販売価格低下の影響はコストダウンで吸収すべく、トータルコストダウンの推進に全力を注いでまいりますが、価格動向によっては業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

(3) 自然災害による被害

当社グループの主要な生産拠点や関連企業の多くが所在している愛知県は、東海地震の防災対策強化地域に指定されておりますように、地震による多大な被害の発生が予想されております。当社グループといたしましては、建物やその他の設備などハード面の地震対策を講ずる一方、地震対策マニュアルの作成や地震訓練の実施などソフト面での対応を進めるなど、被害を最小限にとどめるべく対策を講じております。しかしながら、想定外の大地震やそのほか台風など予想を超える自然災害によっては、業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

(4) 原材料価格の変動

当社グループの主要購入原材料としては、銅・アルミニウム・石油化学製品等があります。これらの原材料は国際市況の影響を受けやすく、予想を上回る原材料価格の高騰が起こった場合、生産性向上やコストダウンでは吸収しきれず、業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

(5) 海外での事業展開

当社グループは、アジア諸国に生産拠点を展開しておりますが、予期しない法令・税制・規制の変更、政治変動、戦争・テロなど不可避のリスクを内在しております。これらのリスクが発生した場合、事業の遂行に問題が生じ、業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

(6) 有価証券の時価下落

当社グループは、当連結会計年度末現在において、時価のある有価証券を帳簿価額ベースで85億1千9百万円保有しており、総資産の16.7%を占めております。また、退職給付信託資産も、当連結会計年度末の時価ベースで21億6千6百万円保有しております。経済情勢の悪化などにより、株価が急激に下落した場合、多額の評価損失の発生や自己資本比率の低下、更に退職給付費用の増加などにつながり、業績及び財政状態の悪化を招く可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、米国トランプ政権の動向、北朝鮮情勢の緊迫化、都議選と総選挙をめぐる政局の変動など、国際情勢や政治が揺れ動く中、日銀による量的・質的金融緩和政策のもと、堅調な雇用と所得情勢並びに輸出の回復を背景に、景気拡大期間が「いざなぎ景気」を上回る戦後第2位となるなど、回復基調をたどりました。
 海外経済につきましては、米国では、ハリケーンの影響が懸念されましたが、雇用増と賃金上昇を原動力とする個人消費主導の成長を維持する一方、ユーロ圏では、政治不安を抱えつつも、製造業・非製造業ともに高い景況感に支えられ、景気は回復基調をたどりました。アジア諸国では、IT需要による輸出の増加や中国における政府主導のインフラ投資などにより、景気は底堅く推移しました。
 当社グループを取り巻く事業環境は、年度後半にかけて新設住宅着工数は弱含みましたが、公共投資は底堅く推移し、民間設備投資はゆるやかに増加しました。
 このような環境のもと、当社グループは平成27年5月に策定いたしました「新中期経営計画2017」の基本戦略に基づき、ガス・水道メーター分野を中心に「基盤事業の収益向上」に注力するとともに、コア技術を活かした新規事業への取り組み、グローバル市場への更なる拡大並びに経営力の強化など、成長路線を目指した施策を推進してまいりました。
 この結果、当連結会計年度の経営成績につきましては、家庭用プロパンガスメーターや海外向けガスメーターの需要増加、計装分野における大口物件の増加により、売上高は、前期比5.6%増収の472億7千5百万円となりました。利益面につきましては、増収による効果に加え、トータルコストダウンの推進による採算性の向上等により、営業利益は、前期比28.3%増益の37億8百万円となりました。また、経常利益も、為替差損の計上はあったものの、前期比28.6%増益の38億6千7百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比24.7%増益の27億8千8百万円となりました。

 

事業部門別の状況は次のとおりであります。

(計測器関連事業)

売上高は、前期比5.6%増の472億1千1百万円となりました。各分野別の状況は次のとおりであります。

ガス関連機器

LPガス関連機器は、需要サイクルが上昇期にあり、前期を大きく上回りました。一方、都市ガス関連機器は、主力のガスメーターが需要下降期のため、前期を下回りましたが、成長分野として注力しております輸出が需要増加となったことから、売上高は前期比4.5%増の222億9千2百万円となりました。

水道関連機器

新設住宅着工数は軟調な推移となったものの、官需・民需ともに更新需要が堅調に推移したことや、前期に引き続き、輸出も増加したことから、売上高は前期比4.2%増の161億5千万円となりました。

民需センサー・システム

当社のコア技術を活かした電磁流量計や超音波流量計を中心とした液体・気体の各種センサーとシステムを結びつけ、工場における省エネ・省資源管理や、環境対策に向けて拡販を進めました。国内の民間設備投資の環境は良好で、需要が増加傾向となったほか、輸出の増加もあり、売上高は前期比4.9%増の24億7千4百万円となりました。

計 装

入札における価格面での競争は依然厳しい状況が続いております。そうした中で、大口物件の確保により受注拡大を図るべく、営業体制の充実、提案力・施工能力の強化などを推し進めてまいりました。当期は前期末受注残に大口物件の受注が増加したことも加わり、売上高は前期比14.1%増の62億9千3百万円となりました。

(その他)

特 機

売上高は、前期比1百万円減収の6千4百万円にとどまりました。

 

なお、当連結会計年度が最終年度となる「新中期経営計画2017」の3年間を振り返ると、売上面では各年度計画未達となったものの、家庭用プロパンガスメーターや海外向けガスメーターの需要増加、計装分野の大口物件の受注増により、大幅に売上を伸ばしました。一方、利益面では高付加価値製品の販売強化による利益増が進んだことや、原材料価格上昇に対応し、コストダウンの追加施策等を実施したことで2年目からは計画を上回り、これらの結果として売上高、利益共に2期連続で過去最高を達成することができました。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

①  生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

対前年増減率(%)

計測器関連事業

45,616

 

6.3

 

その他

64

 

△1.8

 

合計

45,680

 

6.3

 

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

②  受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

対前年増減率(%)

受注残高(百万円)

対前年増減率(%)

計測器関連事業

46,167

△0.2

3,047

△25.5

その他

64

△1.8

合計

46,232

△0.2

3,047

△25.5

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③  販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

対前年増減率(%)

計測器関連事業

47,211

 

5.6

 

その他

64

 

△1.8

 

合計

47,275

 

5.6

 

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 財政状態

 (資産)

流動資産は、現金及び預金や売上債権が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて8.1%増加し、316億4千9百万円となりました。

固定資産は、株価変動に伴う投資有価証券の増加や退職給付に係る資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて3.8%増加し、194億3千万円となりました。

この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて6.4%増加し、510億8千万円となりました。

 (負債)

負債は、退職給付に係る負債が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて0.5%増加し、237億7千9百万円となりました。

 (純資産)

純資産は、剰余金の配当があるものの、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことなどにより、前連結会計年度末に比べて12.2%増加し、273億1百万円となりました。

この結果、自己資本比率は53.2%(前連結会計年度末は50.0%)となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて6億6千2百万円減少し、57億2千7百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

売上債権やたな卸資産の増加、法人税等の支払いなどによる支出がありましたが、税金等調整前当期純利益と減価償却費合わせて50億3百万円の収入があり、26億2千8百万円の収入(前期比1億9千4百万円の収入増)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

定期預金の積み増しや有形固定資産の取得による支出などにより、25億4千1百万円の支出(前期比11億1千8百万円の支出増)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

配当金の支払いによる支出などにより、7億6千8百万円の支出(前期比11億6千9百万円の支出減)となりました。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、内部資金又は借入により資金調達することとしており、借入による資金調達に関しましては、市場の金利状況や資金使途等を勘案し短期借入金や固定金利の長期借入金で信頼性の高い銀行等金融機関から調達しております。

なお、当連結会計年度末における短期借入金の残高は10億2千2百万円、長期借入金の残高は58億6千7百万円となりました。

 

4 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はありません。

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、当社のR&D本部を中心に計測器関連事業として、ガス関連機器、水道関連機器、民需センサー・システム、計装の各分野における市場ニーズに対応した商品の開発を行う商品開発活動と、これらの商品群を伸ばし、さらに新たな商品群を作り出していくために必要な基礎研究・開発を行う技術開発活動の2つの活動を行っております。
 当連結会計年度における研究開発費の総額は、13億8千2百万円であります。
 当社グループの研究開発活動は全て計測器関連事業に関するもので、主に次のとおりであります。

計測器関連事業において、ガス関連機器分野では、LPガス業務用超音波メーターの開発や、中国市場向け燃料ガス用超音波メーターの機能拡張、都市ガス家庭用超音波メーターに関する技術確立等、水道関連機器分野では、IoTの基盤となる無線通信技術LPWAの一つであるNB-IoT通信機能の水道メーターへの搭載に向けた研究開発、海外市場拡販に向けた電磁式水道メーターの機能拡張等、民需センサー・システム分野では、産業用センサーネットワークの一つありFA市場で採用が広がりつつあるIO-Link通信機能を搭載した電磁流量センサーの開発等、計装分野では、クラウドサービス化を見据えたWebシステム対応型の上下水道料金システムの開発等、市場ニーズに応えた商品の開発を引き続き進めてまいりました。
 技術開発活動では、主要国立大学との産学協同を推進し、電磁式流量計及び超音波式流量計の用途拡大に向けた技術開発や新たな計測技術の研究を継続実施いたしました。