(1)業績
当連結会計年度における経済状況は、国内景気は穏やかな回復基調で推移したものの、世界的には英国のEU離脱問題、米国大統領交代後の政策懸念により景気の先行きが不透明な状況が続きました。
こうした状況下、当社グループの受注高は、14,133百万円(前年同期比883百万円、6.7%増)、売上高は13,260百万円(前年同期比△163百万円、1.2%減)となりました。
利益面に関しては、原価及び販売管理費の抑制等により営業利益113百万円(前年同期比22百万円、25.0%増)と増益となったものの、前連結会計年度の為替差益計上から当連結会計年度は為替差損計上へ転じた影響を主因として経常利益169百万円(前年同期比△100百万円、37.3%減)と減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益に関しては、前連結会計年度のような大きな特別損失が無かったことから99百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失91百万円)と当期純利益を回復する結果となりました。
セグメントの業績は以下のとおりです。
なお、下記セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて表示しております。
○ 駆動システム
当セグメントでは、主要顧客である半導体・液晶市場からの受注が回復傾向となり受注高は、6,132百万円(前年同期比277百万円、4.7%増)と増加しましたが、当連結会計年度後半からの受注回復となったため売上貢献には至らず、売上高5,823百万円(前年同期比△194百万円、3.2%減)、営業利益241百万円(前年同期比△118百万円、32.9%減)の結果となりました。
○ 金型システム
当セグメントでは、車載モーター向け金型や周辺システムの受注に加え、産業用モーター向け金型の受注も順調に推移し、受注高は4,050百万円(前年同期比765百万円、23.3%増)、売上高は3,632百万円(前年同期比311百万円、9.4%増)となりました。売上の増加に加えて、低迷する海外子会社で取り組んでいる構造改革の成果により営業利益25百万円(前年同期は営業損失184百万円)と営業利益回復の結果となりました。
○ 機工・計測システム
当セグメントでは、工作機械の受注・売上の低迷を主因とし、受注高4,076百万円(前年同期比△180百万円、4.2%減)、売上高は3,930百万円(前年同期比△302百万円、7.1%減)の減収結果により営業損失19百万円(前年同期は営業利益109百万円)となりました
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に対し339百万円減の1,936百万円となりました。各キャッシュ・フロ-の状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は784百万円(前年同期845百万円の増加)となりました。これは主に売上債権の増加などにより資金が減少した一方、仕入債務の増加などにより資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は312百万円(前年同期844百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は809百万円(前年同期179百万円の減少)となりました。これは主に長期借入金の返済をしたことによるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
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駆動システム(千円) |
5,924,904 |
△2.8 |
|
金型システム(千円) |
3,933,197 |
16.5 |
|
機工・計測システム(千円) |
4,036,816 |
△5.3 |
|
合計(千円) |
13,894,919 |
1.2 |
(注)1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
駆動システム |
6,132,209 |
4.7 |
1,034,548 |
42.6 |
|
金型システム |
4,050,025 |
23.3 |
988,059 |
73.2 |
|
機工・計測システム |
4,076,716 |
△4.2 |
884,152 |
19.8 |
|
調整額 |
△125,177 |
- |
- |
- |
|
合計 |
14,133,773 |
6.7 |
2,906,760 |
|
(注)1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
駆動システム(千円) |
5,823,042 |
△3.2 |
|
金型システム(千円) |
3,632,419 |
9.4 |
|
機工・計測システム(千円) |
3,930,371 |
△7.1 |
|
調整額(千円) |
△125,177 |
- |
|
合計(千円) |
13,260,656 |
△1.2 |
(注)1 相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10を超えている相手先が無いため記載を省略しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1)経営方針
当社は、“精密化(PRECISION)”と“生産性の向上(PRODUCTIVITY)”を意味する「P&P」の経営理念の下、「精密技術を通じて、世界の産業の高度化をサポートする」ことを使命として、広く産業社会の進歩に貢献し、お客様・株主・地域社会・社員等の関係者各位との相互の発展に寄与することを目標に活動しております。
また行動理念としてChallenge & Create(C&C)の精神を掲げ、常に新しい技術と商品・サービスを開発し挑戦し続けること、そして「精密のクロダ」を品質と信頼のブランドとして世界中で確立することを目標としています。
(2)目標とする経営指標
現状を踏まえて「売上高営業利益率5%」と「株主資本当期利益率5%」の安定確保を短期の目標とさせていただき、長期的には10%に向けて努力してまいります。
(3)経営環境及び対処すべき課題
外部環境の変化に対応し、当社グループは中長期戦略に基づいて、収益構造の改善と財務体質の強化を推進するとともに、戦略商品の開発と新市場の開拓に積極的に取り組んでいるところであります。また、海外展開も加速させていく方針です。これらの施策を着実に推進して、経営基盤の強化を行いつつ、業績の拡大を図ることが当面の重要課題であると認識しております。
戦略商品の開発と新市場の開拓については、駆動システム事業での小型直動システム商品の拡充、金型事業での金型内接着積層システム「Glue FASTEC」等のプレス金型システムや周辺工程技術、それらによって生み出されるハイブリッド車・電気自動車向けを始めとした高効率モーター用のコア部品、機工・計測システム事業での計測システムや特殊治具と組み合わせた高付加価値研削盤等の開発を進めています。当社の強みともいえる加工から計測までのソリューションの幅広い提供により、さらなる成長を目指します。
海外展開については、先進国に加え新興市場においても、高効率・高精度なものづくりのニーズが加速することが見込まれることから、平成24年に買収したJENATECとのシナジーや、ユーログループとの提携の推進、さらには新規代理店網や海外販売体制の拡充等を通じ、海外における事業展開を一層強化していく方針です。
加えて、当社グループ全体で構造改革を継続して推進し、中長期的な収益体質の強化改善に努めてまいります。機工・計測システム事業を中心として、商品構成の大幅な絞込みと生産体制の変更、それに伴う経営資源の事業部を超えた再配置を推進してきたところです。今後は、この構造改革の成果を収益に結び付けていくことに注力します。同時に、生産の省力化、工法改革、新情報システムを活用した原価管理制度と生産管理体制の強化拡充等を通じて、利益率の改善と納期の短縮を図ります。
さらに、導入後定着しつつある新人事制度や、マイスター制度、平成27年に開設した「ものづくり道場」等の仕組みも活用しながら、教育体系の整備と人財育成にも引き続き力を入れていく方針です。
一方で企業買収等によりグループの海外活動が増大しており、グローバルな内部統制の体制整備が今後益々重要になってきていると認識しております。
また、大震災等のリスクに対応するための事業継続計画の策定と対応策の実行にも引き続き取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあります。以下の項目は当社グループの事業展開上リスクとなる可能性があると考えられる主な要因を記載しております。
なお、文中における将来に関する事項に関しては、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)販売市場について
当社グループ主力商品の販売先は、特定業種への依存度が高いものが多くあります。ボールねじおよび精密測定装置については当社の精密技術を評価頂いている半導体製造装置・液晶分野および電子・デバイス分野、金型システムと要素機器については自動車業界、工作機械においては金型関連業界等であります。当社グループとしては販売先市場の多様化に努めてまいりますが、このような特定業種への依存は、当該業種の景気変動や、大きな技術革新等の動向によって、当社グループの経営成績・財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、顧客の海外生産への移行や新興国メーカーの市場占有率増加に対応して、当社グループは海外販売体制の強化等によって市場の海外移転に対応する努力を重ねておりますが、その動きが予想を超えて加速した場合は、当社グループの経営成績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)生産体制について
当社グループ製品の大部分は、顧客からの個別仕様による受注請負型製品であります。そのため、在庫の陳腐化による不良在庫のリスクは少ない反面、急速に進みつつある短納期化の流れに対し、顧客動向の把握と短納期生産体制の確保ができない場合には受注が低下し、経営成績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)技術力、製品開発力、研究開発力について
アジア諸国の技術力の急速な進化により、日本全体の製造業の技術力は急速にその差を縮められつつあり、当社グループもこの例外ではありません。また、製品寿命も極端に短くなる傾向にあり、開発期間の短縮が必須となっています。今後、当社グループがこのような業界と市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新製品をタイムリーに市場に提供できない場合には将来の成長と収益性を低下させ、経営成績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)国際活動および海外進出について
当社グループは、アジアにおいては、大韓民国、中華人民共和国及びマレーシアに、欧米においては英国、ドイツ及び米国に海外事業拠点を有しております。これらの地域における事業は、以下に挙げるようないくつかのリスクが存在します。
①予期しない法律または規制の変更
②不利な政治または経済要因
③税制変更の可能性による影響
④テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱
⑤為替レートの変動
これらの事象が発生した場合は、当社グループの経営成績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)人材について
当社グループ製品の製造は、高精度な加工・計測技術が基本となっており、それを支えるのは永年の経験を有する優秀な技術者・技能者群であります。この技術・技能の継承は会社にとっての重要課題であり、当社グループにおいても継承の努力を重ねてまいりますが、近年の優秀新卒者の製造業への就職者数の減少や、社員の高齢化・退職により、当社グループにおける技術・技能の継承がスムーズに行われない場合には、将来の成長、経営成績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)災害による影響について
当社グループは、設備機械及び人材の有効活用を図り、生産性を向上させることを目的とし、一品種一工場生産または一業種一工場生産を行っていますが、ひとつの工場が存在する地域で、大規模な地震その他操業を中断せざるを得ない事象が発生した場合、当該工場で製造する品種または業種の生産能力が著しく低下する可能性があります。
(7)退職給付債務について
当社グループの退職給付債務および費用は、数理計算上の割引率など予測した前提条件に基づいて計算されております。今後、割引率の低下などこの前提条件が実際と異なった場合には、数理上の差損が生じ、損失が発生する可能性があります。
(8)保有有価証券について
当社グループは長期保有を目的とした市場性のある株式を保有しておりますが、今後全般的に大幅な株価下落が続く場合には、当該株式に減損または評価損が発生し、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼすとともに自己資本比率の低下を招く恐れがあります。
(9)繰延税金資産について
当社の将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を判断して貸借対照表に計上しております。将来の課税所得が、当社の計画どおり得られない場合には、評価性引当額を計上することにより、繰延税金資産を減額することになり、その結果、当社グループの当期純利益に影響を与える可能性があります。
(10)固定資産の減損について
当社グループの固定資産は、将来当社グループ事業の収益性が大幅に低下し、その事業に関連する固定資産投資額の回収が見込めなくなる場合には、当該固定資産の帳簿価額を投資回収可能額まで減損処理を行うことを余儀なくされ、その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)財務制限条項について
当社が、金融機関と締結している金銭消費貸借契約において、財務制限条項が定められているものがあります。当社業績が低迷し、経常損失を3期連続して計上する場合、または純資産の減少額が定められた限度を超える場合に、財務制限条項に抵触する場合があります。この場合、借入金の期限の利益喪失事由にあたり、借入金の即時返済を求められる可能性があります。なお、平成29年3月末において当該財務制限条項に抵触しておりません。
(12)製品の品質にかかるリスクについて
当社グループは製品の品質には細心の注意を払っています。しかしながら、当該製品の不具合等による販売停止及び製品回収あるいは損害賠償等が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(1)当社事業、業務に係る契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
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黒田精工㈱ |
パーカーハネフィンコーポレーション |
平成11.5.25 |
業務提携、販売 |
平成11年7月~ (期限の定めなし) |
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黒田精工㈱ |
Euro Group S.p.A |
平成26.9.30 |
ライセンス契約 |
平成26年9月~平成34年8月 (期間の延長あり) |
当社グループでは、新たな市場・領域に向けて、また顧客満足度を高めるべく、新商品の企画、研究開発に邁進しております。
技術関連業務を統括する技術本部に設置されている開発センターでは、次世代の要素技術の開発に取り組んでまいりました。当年度においては、その実用化向けステップアップしております。各事業部門における商品開発の支援にも当たり、CAE技術活用等を図っております。
同本部の生産技術センターでは、各事業部門に協力し、新工法開発・自動化に取組み、増産・生産性向上・原価低減等に成果を挙げるとともに、お客様のご要望に応える新製品を実現させる一翼を担っております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は233百万円であり、各セグメント別の研究目的、主要課題、研究成果は下記のとおりであります。
〔駆動システム〕
ボールねじ関連では、ボールねじにおいては小・中径ボールねじのシリーズ拡充、ボールねじアクチュエータにおいては高速化対応を念頭に開発に取り組んでおります。当年度は当社で開発いたしました新循環方式を採用している高負荷・高速・コンパクトのボールねじをAシリーズとして発売いたしました。また、海外のお客様からのご要望に応えるべく、海外規格に準拠したボールねじシリーズの拡大に取り組んでおります。
当セグメントに係る研究開発費は78百万円であります。
〔金型システム〕
プレス型関連では、当社が開発いたしました、電磁鋼板の薄板を接着剤によって金型内で自動積層させるシステム「Glue FASTEC」につきまして、自動車メーカー様の駆動モータ用コアとして採用され、量産を開始いたしました。
当セグメントに係る研究開発費は64百万円であります。
〔機工・計測システム〕
工作機械関連では、お客様からのご要望に応えるべく、さらなる高機能・高精度・省スペースを図ったCNC超精密ハイレシプロ成形研削盤「FGX」を発売いたしました。また、様々なお客様からのご要望に柔軟にお応え可能とする新シリーズ製品の開発を進めております。
精密測定装置関連では、当社のシリコンウェーハ用超精密測定装置である「ナノメトロ」の技術とノウハウを応用し、精密平面研削盤で加工した金型などのワークの精度評価システムとして、超高精度平面度測定装置「SF-640M」を発売いたしました。
当セグメントに係る研究開発費は89百万円であります。
(1)財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は17,164百万円となり、前連結会計年度末と比較して37百万円減少しました。これは主に流動資産が173百万円増加したものの、有形固定資産が292百万円減少したこと等により固定資産が211百万円減少したことによるものです。負債合計額は9,185百万円となり、前連結会計年度末と比較して236百万円減少しました。これは主に仕入債務が362百万円、未払法人税等が87百万円増加した一方、短期借入金が654百万円減少したことによるものです。
当連結会計年度末の純資産は7,978百万円となり、前連結会計年度末と比較して199百万円増加しました。これは主にその他有価証券評価差額金が219百万円増加したことによるものです。
資金の分析につきましては 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況 をご参照ください。
(2)経営成績の分析
売上高
単体の売上高は増加したものの、海外子会社の合理化の結果、連結売上高は減少し13,260百万円(前年同期比△163百万円、1.2%減)となりました。
セグメント別の状況につきましては 1 業績等の概要 (1)業績 をご参照ください。
売上総利益
製品構成の改善や収益改善の効果等が相まって、売上原価が前連結会計年度に比べ171百万円減少し、売上総利益は、3,224百万円(前年同期比8百万円、0.3%増)となりました。
営業損益
上記に加え、販売費および一般管理費が前連結会計年度に比べ14百万円減少し、営業利益は113百万円(前年同期比22百万円、25.0%増)となりました。
経常損益
助成金収入等があったものの、為替差損34百万円(前年同期は為替差益26百万円)の計上等により経常利益は169百万円(前年同期比△100百万円、37.3%減)の結果となりました。
親会社株主に帰属する当期純損益
前連結会計年度のような大きな特別損失が無かったことから、親会社株主に帰属する当期純利益は99百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失91百万円)と親会社株主に帰属する当期純利益を回復する結果となりました。