第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社は、“精密化(PRECISION)”と“生産性の向上(PRODUCTIVITY)”を意味する「P&P」の経営理念の下、「精密技術を通じて、世界の産業の高度化をサポートする」ことを使命として、広く産業社会の進歩に貢献し、お客様・株主・地域社会・社員等の関係者各位との相互の発展に寄与することを目標に活動しております。

また行動理念としてChallenge & Create(C&C)の精神を掲げ、常に新しい技術と商品・サービスを開発し挑戦し続けること、そして「精密のクロダ」を品質と信頼のブランドとして世界中で確立することを目標としています。

 

(2)経営戦略及び目標とする経営指標

当社グループでは2018年度~2020年度の3年間を対象とする「中期経営計画2020」を策定し、3つの事業分野においてそれぞれ世界的にニッチトップとなることを目指すとともに、成長戦略の実行と収益力の強化、人材育成により企業価値の向上を図ることを掲げ、中期的に営業利益10億円を安定的に確保する体制の確立を図ることを目指しております。

各事業分野の事業ビジョン

駆動システム事業:誰よりも早くお客様のニーズにこたえられる小型直動システムメーカーを目指す。

金型システム事業:高効率精密積層コアのスペシャリストを目指す。

機工・計測システム事業:精密な計測と加工の総合ソリューションプロバイダーを目指す。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題

当社グループでは2018年度~2020年度の3年間を対象とする「中期経営計画2020」を策定の上、(1)収益力の強化、(2)開発力の強化、(3)顧客との関係の強化、を三つの柱とした施策を推進しております。初年度は計画を上回り最終年度の目標に近い結果を残すことが出来ましたが、事業環境の変化により2年目である2019年度は中期計画を下回る結果となってしまいました。最終年度である2020年度についても、新型コロナウィルス感染拡大に伴う世界経済の縮小の影響がどこまで及ぶかを見通すことは現時点では出来ませんが、当初計画の達成は困難であると考えています。

現行中期計画で定めた戦略に基づく取り組みは一定の成果を挙げて来ていると評価していますが、市況の変化に左右されて業績が大きく変動してしまうという現状から、現行中期計画で掲げた「営業利益10億円を安定的に確保する体制」の確立には残念ながら未だ至っていないと判断しております。

今年度中に、2021年度から始まる新しい中期計画を策定する予定としており、この過程で「アフターコロナ」の環境変化を根本的に分析し直し、その中にあって当社がどのように市況に左右されることなく安定的に利益を創出することが出来る体制を確立するかを改めて検討することが最大の課題であると捉えています。

「アフターコロナ」の社会において拡大を予想している当社関連市場は、自動化やロボティクスに関連する分野、検査分析・ライフサイエンス市場、自動車のCASE関連市場、IoT/5G関連市場等であります。現行中期計画の中で当社は既にこれらの成長分野に対する取り組みに着手しています。それらの施策、すなわち小型サイズを中心とした駆動システム商品の生産体制の増強と効率化、高効率モーターコアの量産技術の開発と生産体制の整備、機工計測ソリューションの開発等の施策については、引き続き重点課題として取り組んで行きます。

このような市場開拓の努力と並行して、今後も発生するであろう感染症の世界的流行への対応や、地球温暖化に伴う災害の激甚化等も視野に入れたBCP(事業継続計画)の強化も新たな課題の一つと考えています。

コロナショックは社会の価値観に大きな変化をもたらすでしょう。環境と健康への意識の一層の高まり、働き方の変化、デジタルシフトの加速といった流れを見据えつつ、当社はESG経営への一層の取り組みを強化して行きます。環境面では、昨年発表したCO2削減計画を着実に実行するとともに、低炭素社会の実現に貢献できる高効率モーターコア等の技術開発を継続して行きます。社会的責任を果たすため、デジタルシフトを促進しながら働き方改革や人事制度の見直し、人財育成を推進して社員がより働きやすく働き甲斐がある会社を作り上げる所存です。また本年度から当社はIR活動に本格的に取り組むこととしており、積極的に情報発信をしながら投資家の皆様との対話を緊密にしてガバナンスを一層磨き上げ、企業価値の向上を目指すことも重要な課題と捉えています。

 

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあります。以下の項目は当社グループの事業展開上リスクとなる可能性があると考えられる主な要因を記載しております。

 なお、文中における将来に関する事項に関しては、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)販売市場について

 当社グループ主力商品の販売先は、特定業種への依存度が高いものが多くあります。ボールねじおよび精密測定装置については当社の精密技術を評価頂いている半導体製造装置・液晶分野および電子・デバイス分野、金型システムと要素機器については自動車業界、工作機械においては金型関連業界等であります。当社グループとしては販売先市場の多様化に努めてまいりますが、このような特定業種への依存は、当該業種の景気変動や、大きな技術革新等の動向によって、当社グループの経営成績・財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 また、顧客の海外生産への移行や新興国メーカーの市場占有率増加に対応して、当社グループは海外販売体制の強化等によって市場の海外移転に対応する努力を重ねておりますが、その動きが予想を超えて加速した場合は、当社グループの経営成績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 (2)生産体制について

 当社グループ製品の多くは、顧客からの個別仕様による受注請負型製品であります。そのため、在庫の陳腐化による不良在庫のリスクは少ない反面、急速に進みつつある短納期化の流れに対し、顧客動向の把握と短納期生産体制の確保ができない場合には受注が低下し、経営成績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 (3)技術力、製品開発力、研究開発力について

 アジア諸国の技術力の急速な進化により、日本全体の製造業の技術力は急速にその差を縮められつつあり、当社グループもこの例外ではありません。また、製品寿命も極端に短くなる傾向にあり、開発期間の短縮が必須となっています。今後、当社グループがこのような業界と市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新製品をタイムリーに市場に提供できない場合には将来の成長と収益性を低下させ、経営成績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 (4)のれんの減損について

 当社グループは、買収に伴い、相当額ののれんを連結貸借対照表に計上しており、当年度末現在、のれんの金額は連結総資産の4.3%(8億円)を占めております。当社グループは、当該のれんにつきまして、事業価値及び事業統合による将来のシナジー効果が発揮された結果得られる将来の収益力を適切に反映したものと考えておりますが、事業環境や競合状況の変化等により期待する成果が得られないと判断された場合、又は適用される割引率が高くなった場合等は、減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 (5)関係会社について

 当社は、収益基盤の多様化を進めるため複数の関係会社を有しております。これらの関係会社は、経済環境の変化や予測できない費用の発生等の影響により、当社グループが計画したとおりの成果が得られる保証はなく、その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、連結財務諸表において各関係会社の業績は反映されておりますが、関係会社各社の業績によっては、個別財務諸表において関係会社に対する債権の貸し倒れ及び関係会社株式の評価損が認識される可能性があります。

 (6)固定資産の減損について

 当社グループの設備投資は、営業キャッシュフローの範囲内で行うことを原則としておりますが、業績が予想を下回ることが連続し、その事業に関連する固定資産投資額の回収が見込めなくなる場合には、当該固定資産の帳簿価額を投資回収可能額まで減損処理を行うことを余儀なくされ、その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 (7)災害による影響について

 当社グループは、設備機械及び人材の有効活用を図り、生産性を向上させることを目的とし、一品種一工場生産または一業種一工場生産を行っていますが、ひとつの工場が存在する地域で、大規模な地震、風水害等操業を中断せざるを得ない事象が発生した場合、当該工場で製造する品種または業種の生産能力が著しく低下する可能性があります。

 新型コロナウイルスの世界的感染拡大により、当社グループの国内及び海外拠点における製造・販売に影響が出ております。今後の終息時期は見通しにくい状況ですが、事態が長期化した場合は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 (8)国際活動および海外進出について

 当社グループは、アジアにおいては、大韓民国、中華人民共和国及びマレーシアに、欧米においては英国、ドイツ及び米国に海外事業拠点を有しております。これらの地域における事業は、以下に挙げるようないくつかのリスクが存在します。

  ①予期しない法律または規制の変更
 ②不利な政治または経済要因
 ③税制変更の可能性による影響
 ④テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱
 ⑤為替レートの変動
これらの事象が発生した場合は、当社グループの経営成績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 (9)人財について

 当社グループ製品の製造は、高精度な加工・計測技術が基本となっており、それを支えるのは永年の経験を有する優秀な技術者・技能者群であります。この技術・技能の継承は会社にとっての重要課題であり、当社グループにおいても継承の努力を重ねてまいりますが、近年の優秀新卒者の製造業への就職者数の減少や、社員の高齢化・退職により、当社グループにおける技術・技能の継承がスムーズに行われない場合には、将来の成長、経営成績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 (10)保有有価証券について

 当社グループは長期保有を目的とした市場性のある株式を保有しておりますが、今後全般的に大幅な株価下落が続く場合には、当該株式に減損または評価損が発生し、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼすとともに自己資本比率の低下を招く恐れがあります。

 (11)繰延税金資産について

 当社グループは、将来の課税所得をを見積り、繰延税金資産の回収可能性を判断して貸借対照表上に計上しております。将来の課税所得が、当初の計画どおり得られない場合には、評価性引当額を計上することにより、繰延税金資産を減額を減額することになり、その結果、当社グループの当期純利益に影響を与える可能性があります。

(12)財務制限条項について

 当社が、金融機関と締結しているコミットライン契約において、財務制限条項が定められており、当社業績が低迷し、純資産の減少額が定められた限度を超えた場合に、財務制限条項に抵触する場合があります。この場合、借入金の期限の利益喪失事由にあたり、借入金の即時返済を求められる等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(13)製品の品質にかかるリスクについて

 当社グループは製品の品質には細心の注意を払っています。しかしながら、当該製品の不具合等による販売停止及び製品回収あるいは損害賠償等が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の概要

当連結会計年度におけるわが国の経済状況は、米中貿易摩擦の長期化等による世界経済の減速に加え、1月以降の新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、年度後半には2四半期連続で実質GDP成長率がマイナスになるなど、極めて厳しい状況となりました。

こうした状況下、当社グループにおける受注高は13,339百万円(前年同期比4,783百万円、26.4%減)となり、売上高も15,083百万円(前年同期比2,671百万円15.0%減)と減収となりました。

利益面に関しては、売上原価及び販売管理費の抑制に努めたものの売上高の減少を補うには至らず営業利益は338百万円(前年同期比939百万円73.5%減)、経常利益は275百万円(前年同期比955百万円77.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益132百万円(前年同期比739百万円84.8%減)と大幅な減益となりました。

 

 

セグメントの業績は以下のとおりです。

なお、下記セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて表示しております。

 

 ○ 駆動システム

当セグメントでは、米中貿易摩擦や世界的景気減速の影響を受けて、期待していた半導体業界等の市況回復が遅れたことに加え、工作機械業界等の大幅な落ち込みや年明けからの新型コロナウイルスの感染拡大による受注の低迷により、受注高は4,901百万円(前年同期比3,466百万円、41.4%減)と大きく減少しました。売上高は受注残の消化により落ち込みを最小限に留めたものの、6,937百万円(前年同期比1,318百万円16.0%減)となり、営業利益は358百万円(前年同期比538百万円60.0%減)と減収減益となりました。

 

 ○ 金型システム

当セグメントでは、自動車の電動化の動きが加速する中で、車載用モーター関連で来期以降の業績寄与が期待される複数の新規プロジェクトを獲得するとともに、既存プロジェクトの増産の恩恵を受けました。その一方で、世界的な景気低迷により、産業用モーター向け金型や家電向けモーターコアの受注・売上が落ち込みました。更に、新型コロナウイルスの感染拡大の結果、立会の中止や物流の停滞に伴い期末に予定していた金型の出荷ができなかったり、マレーシアの子会社が政府の全土封鎖命令により操業休止になる等の影響を受けました。以上の結果、受注高は4,296百万円(前年同期比323百万円、7.1%減)、売上高は3,551百万円(前年同期比1,077百万円23.3%減)の結果となりました。利益面では減収の影響に加え、新規プロジェクト向けプロセス開発の先行投資負担が発生したこと等により営業損失242百万円(前年同期は営業利益168百万円)と損失計上となりました。

 

 ○ 機工・計測システム

当セグメントでは、自動車分野や半導体業界における投資抑制の影響を受けるとともに、ロボット向け減速機市場や工作機械市場が低迷したことにより、受注高は要素機器、システム部門ともに低迷し、4,160百万円(前年同期比1,038百万円、20.0%減)となりました。一方、売上高は要素機器の売上が減少したものの、平面研削盤の売上の減少が最小限に抑えられたことに加え、㈱ゲージングの売上の売上が好調に推移したこと等により、4,613百万円(前年同期比324百万円6.6%減)と落ち込みは軽微に抑えることができました。利益面では収益改善活動の成果による利益率の向上及び販売管理費の圧縮等が寄与して営業利益255百万円(前年同期比12百万円5.2%増)と増益となりました。

 

②財政状態の状況

当連結会計年度末における総資産は18,838百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,070百万円減少しました。これは主に有形固定資産が464百万円増加したものの、上場株式の株価下落による投資有価証券の減少等により固定資産合計が46百万円減少し、現金及び預金、売上債権の減少等により流動資産が1,024百万円減少したことによるものです。

負債合計額は10,020百万円となり、前連結会計年度末と比較して845百万円減少しました。これは主に長期借入金の増加等により固定負債が72百万円増加したものの、仕入債務、未払法人税等及び賞与引当金の減少等により流動負債が918百万円減少したことによるものです。

 また、当連結会計年度末の純資産は8,818百万円となり、前連結会計年度末と比較して225百万円減少しました。これは主にその他有価証券評価差額金及び為替換算調整勘定等でその他の包括利益累計合計額が266百万円減少したことによるものです。

 

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に対し408百万円減少2,214百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、増加した資金は436百万円(前年同期は1,417百万円の増加)となりました。これは仕入債務の減少556百万円、法人税等の支払額524百万円等により資金が減少した一方、税金等調整前当期純利益229百万円、減価償却費770百万円、売上債権の減少795百万円等により資金が増加したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、減少した資金は1,132百万円(前年同期は921百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得1,275百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、増加した資金は270百万円(前年同期は376百万円の減少)となりました。これは主に短期借入金の増加額568百万円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

駆動システム(千円)

6,752,354

△23.1

金型システム(千円)

4,179,192

△19.0

機工・計測システム(千円)

4,822,860

△8.3

合計(千円)

15,754,407

△17.9

   (注)1 金額は販売価格によっております。

  2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

駆動システム

4,901,476

△41.4

1,970,453

△50.8

金型システム

4,296,061

△7.1

1,604,169

86.5

機工・計測システム

4,160,958

△20.0

824,506

△35.4

調整額

△18,718

△72.5

合計

13,339,777

△26.4

4,399,128

△28.4

   (注)1 金額は販売価格によっております。

  2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

駆動システム(千円)

6,937,028

△16.0

金型システム(千円)

3,551,977

△23.3

機工・計測システム(千円)

4,613,040

△6.6

調整額(千円)

△18,718

△72.5

合計(千円)

15,083,328

△15.0

   (注)1 相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10を超えている相手先が無いため記載を省略しております。

   2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりであります。

・売上高

米中貿易摩擦や世界的景気減速及び新型コロナウイルスの感染拡大による影響により、売上高は15,083百万円となり、前連結会計年度に比べ15.0%の減収となりました。

各セグメント別においても下記のとおり減収となりました。

駆動システム6,937百万円(16.0%減)、金型システム3,551百万円(23.3%減)、機工・システム4,613百万円(6.6%減)

・売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価については、全社的な収益改善活動取り組んだものの、売上高の減少を補うには至らず、当連結会計年度の原価率は74.4%と前連結会計年度に比べ3.2ポイント増加しました。

販売費及び一般管理費については、人件費、研究開発費及び売上高減少に伴う運賃荷造費・輸出諸掛が減少したことなどにより、3,524百万円と前連結会計年度に比べ309百万円減少しております

・営業損益

以上の結果、機工・計測システムにおいては増益となったものの駆動システムは減益、金型システムは損失計上となり、営業利益は338百万円と前連結会計年度に比べ73.5%の減少となりました。

・営業外収益及び経常損益

営業外収益182百万円(前年同期比10百万円減)、営業外費用246百万円(前年同期比5百万円増)の結果、経常利益は275百万円となり、前連結会計年度に比べ77.6%の減少となりました。

・特別損益

特別利益45百万円(前年同期比8百万円増)、特別損失92百万円(前年同期比54百万円増)の結果、税金等調整前当期純利益は229百万円となり、前年連結会計年度に比べ81.4%の減少となりました。

・親会社株主に帰属する当期純損益

税金等調整前当期純利益から法人税等合計63百万円(前年同期比287百万円減少)と非支配株主に帰属する当期純利益33百万円(前年同期比25百万円増加)を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は、132百万円となり、前連結会計年度に比べ84.8%の減少となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに財源及び資金の流動性についての分析

・キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローにより増加した資金は436百万円(前年同期は1,417百万円の増加)、投資活動によるキャッシュ・フローにより減少した資金は1,132百万円(前年同期は921百万円の減少)、財務活動によるキャッシュ・フローにより増加した資金は270百万円(前年同期は376百万円の減少)となり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,214百万円となり前連結会計年度末に比較し408百万円の減少となりました。

・資金需要

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料・外注加工費の仕入れのほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。

・資金の調達と流動性

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は、金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。当連結会計年度末における借入及びリース債務を含む有利子負債の残高は4,085百万円となり前連結会計年度末に比較し、516百万円の増加となりました。

 

 

③重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

(のれんの減損)

 当社グループは、買収に伴い、相当額ののれんを連結貸借対照表に計上しており、当年度末現在、のれんの金額は連結総資産の4.3%(8億円)を占めております。当社グループは、当該のれんにつきまして、事業価値及び事業統合による将来のシナジー効果が発揮された結果得られる将来の収益力を適切に反映したものと考えておりますが、事業環境や競合状況の変化等により期待する成果が得られないと判断された場合、又は適用される割引率が高くなった場合等は、減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(固定資産の減損)

 当社グループの固定資産は、将来当社グループ事業の収益性が大幅に低下し、その事業に関連する固定資産投資額の回収が見込めなくなる場合には、当該固定資産の帳簿価額を投資回収可能額まで減損処理が必要となる可能性があります。

 

(繰延税金資産)

 当社グループは、将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を判断して貸借対照表上に計上しております。将来の課税所得が、計画どおり得られない場合には、評価性引当額を計上することにより、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社事業、業務に係る契約

契約会社名

相手方の名称

契約締結日

契約内容

契約期間

黒田精工㈱

パーカーハネフィンコーポレーション

1999.5.25

業務提携、販売

1999年7月~

(期限の定めなし)

黒田精工㈱

Euro Group S.p.A

2014.9.30

ライセンス契約

2014年9月~2022年8月

(期間の延長あり)

 

 

 

 

 

 

5【研究開発活動】

 当社グループでは、新たな市場・領域に向けて、また顧客満足度を高めるべく、新商品の企画、研究開発に邁進しております。

 技術関連業務を統括する技術本部に設置されているプロセス開発推進室では、当社グループ製品のより一層の高性能化や生産性の抜本的改善を目指した新工法・新プロセスの開発を推進しております。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は312百万円であり、各セグメント別の研究目的、主要課題、研究成果は下記のとおりであります。

 

〔駆動システム〕

 ボールねじ関連では、小・中径ボールねじのシリーズ拡充や高速化対応アクチュエータの開発に取り組んで参りました。当社が開発した新循環方式「サイドデフレクタ®」を搭載した超高速コンパクトボールねじ「Aシリーズ」につきまして、お客様のご要求に応えられるよう、継続して改良を進めております。

また、かずさアカデミア工場の新棟が予定通り竣工し、今回の増設に伴い新たに生み出されたスペースを活用して、新ラインを立ち上げる作業が進んでおります。この新ラインは、自動化推進プロジェクトにおいて取り組んでいる生産プロセスの自動化や新工法を取り入れ、今までよりも大幅に生産性の高い革新的なラインとすることを計画しております。

さらに、直動システムプロジェクトにおいては、小・中径ボールねじをベースとした新型電動アクチュエータの開発を推進しているところであります。

 当セグメントに係る研究開発費は115百万円であります。

 

〔金型システム〕

 プレス型関連では、当社グループが開発した型内接着積層システム「Glue FASTEC®」に関し、複数の新規プロジェクトに取り組み、さらなるプロセスの改良と生産性の改善に注力するとともに、プレス周辺工程の技術開発を進めております。また、「LASER FASTEC®」に関しても、さらなるプロセスの改良と生産性の改善に注力しているところであります。

 当セグメントに係る研究開発費は65百万円であります。

 

〔機工・計測システム〕

 本事業においては、工作機械、計測システム、特殊治具を有機的に連携させたソリューションの開発に注力するとともに、それらのシステムのIoT化や自動化に向けた取り組みを行っております。

 また工作機械の新シリーズ商品の開発や各種加工法の開発に継続して取り組んでおります。当社グループが開発した画面より加工条件等を選択・入力可能とするユーザーフレンドリーな新開発対話型ソフト「GS-SmartTouch®」につきましてもお客様の要求に応えられるよう、改良や多言語化に継続して取り組んでおります。

 精密測定装置関連では、当社グループのシリコンウェーハ用超精密測定装置である「ナノメトロ®」につきまして、より高度化を図るべく、継続して改良を進めております。

 要素機器関連では、高精度化の技術開発を継続するとともに、多様な産業において自動化を推進する動きに対応すべく、センサーによるフィードバック制御の研究を進めております。

 当セグメントに係る研究開発費は131百万円であります。