第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当企業グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当企業グループは企業理念の存在意義を「オーバルは、オーバルを支え、育てる人々のために存在する。」とし、事業領域を「オーバルは、ファイン・フロー・マネジメントを事業の核としてあらゆるフィールドにおける新しい価値を創造する。」としています。

また、当企業グループは、流体計測に関わる全ての分野において、お客様の期待を超える“ファシリティ”を提供し、お客様から選ばれる“信頼と安心”のブランドとして、社会と共に成長し続ける企業を目指しております。

 

(2) 目標とする経営指標

企業グループの存続と企業体質の改善を目指し、グループの競争力・企業価値・資本効率の向上を図るため、ROEについては4.0%達成を目指しております。

 

(3) 経営環境および対処すべき課題

当連結会計年度における世界経済は、全世界で新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない状況が続いており、ワクチンの実用化が進められているものの、生産・輸送体制の問題や接種への警戒感から普及は長期化しており、先行き不透明な状況が続いております。わが国経済は、2020年4月に発出された緊急事態宣言における外出自粛要請により景気が急速に悪化するなど、厳しい状況となりました。その後の緊急事態宣言の解除をきっかけに国内消費は緩やかに回復基調となったものの、第2波、第3波と感染者が拡大したことにより2021年1月に緊急事態宣言が再発出され、再び厳しい状況となり、雇用環境の悪化や消費の鈍化などの影響が長期的に続くものと見込まれます。また、企業収益減少の警戒感を背景に投資が先送りとなり2020年度の設備投資計画は下方修正され、当企業グループを取り巻く経営環境は大変厳しい状況が続いております。

このような状況のもと、当企業グループは、中期経営計画「ADVANCE 2.0‐2021」の「新製品」「グローバル」「新規事業」の拡大戦略を掲げ、業績の向上による継続的成長を目指し、一方で「収益性向上」を経営基盤強化の基本方針とし、現在の厳しい経済環境に左右されにくい強固な経営基盤の構築を目指し、次の課題に取り組んでおります。

 

 

① 脱炭素社会への取り組み

当企業グループは、創業より石油関連市場を主要な取引先としておりましたが、脱炭素社会を見据え、収益基盤の多様化に取り組んでまいります。石油元売り企業の総合エネルギー企業への転換に深く関わっていくとともに、従来より、化石燃料に代わるエネルギーとして実用化が進められている水素市場用の製品として水素ステーション用の水素計測超高圧コリオリ流量計の拡販を進めてまいりましたが、これに加えまして、製油所・製鉄所・化学工場で発生する副生水素計測用、液化水素および圧縮水素の海上輸送受入計測用・陸上輸送積込計測用、オンサイト型水素製造装置用、水素発電用など、市場ニーズに基づく水素計測用ラインナップ製品の提供を目指し、また技術開発や高品質による市場優位性の維持向上を目指してまいります。

また、当企業グループは製品・技術の提供を通じて、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

② サービス事業・校正事業の拡大

当企業グループは、流量計の専業メーカとして、容積式、質量式、超音波式などをはじめとして7種類の測定原理の幅広い製品ラインナップを有していると同時に幅広い技術力とメンテナンス力も有しております。特にメンテナンスにおきましては、全国の主要拠点でメンテナンスサービスを提供しており、創業より70年以上の経験と知見を活かし、確かな品質でお客様のご使用条件やご要望に合わせたメンテナンスを提供しております。これらのサービスネットワークと技術力を活かし、「モノ」を主体とする事業だけではなく、「コト」を提案するサービス事業の領域を拡大するために、当社製品のみならず、他社製品につきましてもメンテンナンスを提供し、サービス事業を拡大してまいります。

校正事業につきましては、計量法校正事業者(JCSS: Japan Calibration Service System)として気体流量、石油流量、水流量の3種類の登録を日本国内で唯一有しており、当社製品に校正という付加価値を付与してまいりました。その校正技術と校正設備を他社製品の校正にも使用し、最大限に活用することで収益力を強化し、JCSS校正を事業として成長させてまいります。

 

③ グローバル事業の拡大

当企業グループは、中国・韓国などの東アジア地区、またシンガポールなどのASEAN地区を中心にグローバル事業を拡大してまいりました。その更なる拡大を目的に2017年4月に米国に子会社OVAL Corporation of Americaを設立しましたが、新たなルートへの営業活動の浸透に時間を要しております。海外市場は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、地域による経済環境の違いはあるものの、当企業グループにとって成長市場であるという位置づけは変わりません。そのため、事業拡大に必要な基盤である、研究開発計画の確実な実行と品質の強化を早急かつ着実に進め、戦略商品を海外市場に拡販していくために必要な営業活動を推進してまいります。また、日本国内と中国(安徽省合肥市)に生産拠点を配置しており、“メイド・イン・ジャパン” と“メイド・イン・チャイナ” が提供可能なグループシナジーを活かして市場優位性を発揮し、事業の拡大を図るとともに、「どこ」で「何を」生産するのがベストであるか徹底的に追求し、収益性を強化してまいります。

④ デジタル社会への対応

 製造業のIoT(Internet of Things)化の主な目的は、各種設備や機器にセンサと通信機能を持たせることにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うことにあります。またその実現には、収集する情報の「量」や「多様さ」、そしてそれをいかに低コストな手段で安全に収集・一元化できるか、ということが重要な課題となります。当企業グループでは、その第一歩として、給油・給水管理プロセスなどに使用可能な低コスト、小消費電力を特長とする「無線ネットワークシステムLink920」を開発し、2019年5月に販売を開始しました。当企業グループは、引き続きユーティリティー設備(プラント稼働に必要なインフラ設備)用に、IoTに対応した流量センサならびにパッケージシステムの開発を進め、市場への提供を目指し、更に収集した情報を活用したシステムソリューションの開発を中長期目標と定め、DX(Digital Transformation)を推進してまいります。

⑤ SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み

当企業グループは、SDGsの17の目標の中で、次世代に豊かな自然を継承できるよう、商品を通して環境問題へ貢献することを事業活動の目標としております。その実現のために、①項の水素ステーション用の水素計測超高圧コリオリ流量計やVOC(揮発性有機化合物)排出規制により、気化したガソリンを大気中に排出させずタンクに戻す、ベーパーリカバリーシステム用の渦流量計を開発し、販売してまいりました。引き続き、「環境貢献商品の創出」、「資源の有効利用」、「環境保護の推進」に使命感をもって取り組むことで、真に豊かな環境と調和のとれた社会の実現を目指してまいります。

⑥ 当企業グループの成長を支えるベースづくり

当企業グループの成長や変革の実現には、そのベースとなる人財の育成が不可欠です。そのため、当企業グループでは、女性活躍推進を含む多様な人財活躍、教育制度の充実、健康経営に取り組むとともに、過重労働を防止し、従業員一人一人が快適でかつ働きがいをもって生き生きと働ける職場環境を整備してまいります。また、コロナ禍での新しい生活様式をふまえた働き方改革を推進し、今後も引き続きテレワークなどの「働き方の新しいスタイル」の更なる実現に取り組んでまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響をおよぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものです。

 

(1) 経済状況

当企業グループの業績は、景気変動の影響を受ける傾向にあります。景気変動に伴う顧客の設備投資額の減少や経費削減は、当企業グループの業績に影響をおよぼす可能性があります。

 

(2) 為替相場の変動

当企業グループは外貨建取引を行っているため、ヘッジ方針に従って為替相場の変動リスクを一定の範囲内でヘッジしておりますが、為替相場の変動による影響をすべて回避するものではなく、大きな為替相場の変動があった場合には、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

 

(3) 新製品開発力

エレクトロニクスの進展に係る商品について、急速な技術の変化や顧客ニーズの変化を特徴としております。当企業グループでは、品質・価格・納期で競争優位性を維持できるように、また、市場を先取りした機能を提案できるよう顧客ニーズの把握により新商品の開発に努めております。しかし、技術の変化や顧客ニーズの変化に適切に対応できなかった場合や、新商品の開発に要する期間が長期化した場合には、成長性や収益性を低下させ当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(4) 価格競争

当企業グループは事業を展開する多くの市場において、同種の製品を供給する競合会社が存在し厳しい価格競争を迫られております。そのため、競合において常に有利な価格決定を行うことは困難な状況にあります。

当企業グループは高品質な商品を市場へ投入できるリーディングカンパニーと自負しておりますが、価格において常に競争優位を維持できる保証はなく、製品・サービスが厳しい価格競争にさらされ当企業グループの収益と財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(5) 国際的活動および海外進出に潜在するリスク

当企業グループでは、中国をはじめとするアジア地域、中近東、北米、欧州等、海外への事業展開を積極的に展開しております。海外の事業展開では、①法律や税制上の諸規制の変更、②未整備な社会制度・社会基盤、③諸外国間の貿易摩擦、④その他の経済的、社会的、政治的な事情等に起因する障害など顕在化するリスクが内在し、これらの問題が発生した場合、海外における事業展開に支障をきたし当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(6) 人財の確保や育成

当企業グループの将来と成長は有能な人財に大きく依存するため、新たな人財の確保と育成は当企業グループには不可欠な要素であります。労働人口減少の影響を受けて、人財の確保と育成ができなかった場合には、当企業グループの将来の成長、業績と財務状況に影響をおよぼす可能性があります。また、最新技術・ノウハウを持つ有能な人財の採用や既存従業員の再研修には、採用や研修のコストと人件費を押し上げる可能性がありますが、これらのコストの増加は当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(7) 知的財産保護の限界

当企業グループは競争優位性を維持できるよう、差別化された技術とノウハウを蓄積し知的財産の保護に努めております。しかし、当企業グループの保有する当該権利が第三者に侵害された場合や、当企業グループが第三者の保有する当該権利を侵害したとされる場合において、訴訟となり、当企業グループの知的財産が権利として認められない可能性もあります。こうした知的財産の保護が大きく損なわれた場合は、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(8) 製品の欠陥

当企業グループは日本国内および事業展開する各国に認められた品質管理基準に従って各種の製品を製造しておりますが、将来にわたり全ての製品に欠陥がなく、製造物責任賠償請求およびリコールが発生しないという保証はありません。当企業グループは製造物責任賠償請求について保険に加入しておりますが、最終的に負担する賠償額全てを賄えるという保証はありません。従って、製品の欠陥が当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(9) 公的規制

当企業グループは日本国内のみならず、事業展開する各国において、事業・投資の許認可、国家安全保障による輸出制限、独占禁止、通商、為替、租税、特許、環境等、さまざまな公的規制を受けております。また、当企業グループが製造販売する製品の一部は計量法の規制の対象となっております。これらの公的規制の遵守に努めておりますが、将来、コストの増加につながるような公的規制や事業の継続に影響をおよぼす公的規制が課せられた場合、計量法の規制の対象となる製品である特定計量器の型式承認に関する取得遅延・失効等の場合は、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(10) 災害や停電等による影響

大規模な地震や風水災害など自然災害により当企業グループの生産能力や業務処理能力が停滞する可能性があり、もしくは、直接的な被害がなくともインフラ復旧の遅れや電力使用制限などにより事業活動が停滞する可能性があります。また、情報システムについてセキュリティの高度化などデータの保護に努めておりますが、災害など外的要因や人為的要因などにより情報システムに障害が生じた場合は、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(11) 退職給付債務

当企業グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて算出されております。前提条件が変更された場合や実際の結果が前提条件と異なる場合は、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(12) 訴訟のリスク

当企業グループは各種関係法令を遵守し、また従業員がコンプライアンスを理解し、実践することに努めております。しかしながら、国内外を問わず訴訟を提起される可能性があり、その動向によっては、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(13) 合弁事業・提携・買収などに関わるリスク

当企業グループは国内外を問わず合弁事業や業務提携、また事業買収や事業投資を実施する場合があります。実施にあたっては、収益性やリスクおよび回収可能性を十分に評価していますが、必ずしも確実に予期したとおりの成果が得られるという保証があるわけではなく、事業環境の急変などにより、投資資金の回収ができない場合やのれんに減損損失が発生した場合、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(14) 新型コロナウイルス感染症の影響リスク

新型コロナウイルス感染症の収束時期は未だ不透明な状況にあり、その影響を正確に予測することは困難でありますが、厳しい経済環境が世界的に続くと見込まれております。今後、事態が長期化すれば、経済に更なる悪影響を与える可能性があり、石油関連プロジェクトの中止や延期、設備投資予算が圧縮または先送りされることが考えられ、その結果、受注高・売上高が減少すれば、当企業グループの財政状態および業績に影響をおよぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

① 財政状態の状況

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,221百万円増加し、22,131百万円となりました。流動資産は前連結会計年度末に比べ972百万円増加し、11,065百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が447百万円減少しましたが、現金及び預金が1,261百万円増加したことによるものであります。固定資産は前連結会計年度末に比べ249百万円増加し、11,065百万円となりました。これは主に、有形リース資産が108百万円、投資有価証券が139百万円それぞれ減少しましたが、機械装置及び運搬具が113百万円、建設仮勘定が391百万円それぞれ増加したことによるものであります。

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,288百万円増加し、9,046百万円となりました。流動負債は前連結会計年度末に比べ1,250百万円増加し、4,849百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が206百万円、賞与引当金が65百万円それぞれ減少しましたが、短期借入金が1,472百万円、修繕引当金が95百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定負債は37百万円増加し、4,197百万円となりました。これは主に、リース債務が36百万円減少しましたが、退職給付に係る負債が83百万円増加したことによるものであります。

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ66百万円減少し、13,084百万円となりました。これは主に、退職給付に係る調整累計額が20百万円増加しましたが、利益剰余金が105百万円減少したことによるものであります。

 

② 経営成績の状況

(受注高)

前連結会計年度と比較し、センサ部門が低迷したこと、またシステム部門も大口案件の受注がなかったことにより、全体の受注高は10,632百万円(前連結会計年度比7.3%減)となりました。

(売上高)

前連結会計年度と比較し、受注高と同様にセンサ部門が低迷し、システム部門の売上高も大口案件の売上計上がなかったことにより、全体の売上高は10,341百万円(同13.0%減)となりました。

(売上総利益)

前連結会計年度と比較し、売上高の減少に伴い、固定費(人件費、生産設備維持費など)の比率が上がったことにより、売上原価率が64.9%と前連結会計年度と比較し1.3ポイント悪化しました。その結果、当連結会計年度の売上総利益は3,627百万円(同16.0%減)となりました。

(販売費及び一般管理費)

前連結会年度と比較し、売上総利益と同様に売上高の減少に伴い、固定費(人件費など)の比率が上がったことにより、売上高に対する販売費及び一般管理費比率は36.1%と前連結会計年度と比較し3.9ポイント悪化しました。しかしながら、固定費以外の各種経費抑制の効果により、販売費及び一般管理費は3,737百万円(同2.5%減)となりました。

(営業損失)

売上高の減少による影響が大きく、当連結会計年度の営業損失は110百万円(前連結会計年度は営業利益484百万円)となりました。

(経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は271百万円(前連結会計年度は179百万円)であり、主な内容は本社ビルなどの受取賃貸料77百万円と雇用調整助成金などの助成金収入112百万円であります。営業外費用は120百万円(前連結会計年度は102百万円)であり、主な内容は賃貸収入原価91百万円であります。その結果、経常利益は41百万円(前連結会計年度比92.6%減)となりました。

(特別損益)

当連結会計年度の特別利益は134百万円(前連結会計年度は36百万円)であり、主な内容は投資有価証券売却益98百万円であります。特別損失は23百万円(前連結会計年度は121百万円)であり、内容は生産設備などの固定資産除却損であります。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ322百万円減少(前連結会計年度比67.8%減)し、153百万円となりました。また、税効果会計適用後の法人税等負担額は前連結会計年度に比べ68百万円減少(同38.0%減)し、111百万円、非支配株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ0百万円減少(同4.9%減)し、12百万円となりました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ253百万円減少(同89.8%減)し、28百万円となりました。

 

事業部門別の業績は以下のとおりであります。

(センサ部門)

受注高は電力関連業界向けに天然ガス計測の大口案件を受注し、また半導体関連業界向けが好調に推移しましたが、海外向けや化学関連業界向けなどを中心に低迷し、6,761百万円(前連結会計年度比8.4%減)となりました。

売上高は受注が好調な半導体関連業界向けが順調に推移し、化学関連業界向けは堅調でともに前連結会計年度を上回ったものの、海外向けや石油関連業界向けが大きく落ち込んだことにより6,405百万円(同13.4%減)となりました。

(システム部門)

海外大口システム案件は、石油関連プロジェクトの延期や中止の影響を大きく受けており、国内も石油関連業界を中心に低迷しているため、受注高は1,588百万円(同5.1%減)、売上高は1,625百万円(同22.2%減)となりました。

 

(サービス部門)

設備投資が既存設備の更新から修繕に移行する動きが高まっているなかで、保全計画サポートサービスなど地道できめの細かいメンテナンス活動に注力してまいりました。しかしながら、メンテナンスの主要顧客である石油関連業界向けが、業界再編などで低迷したため、受注高は2,282百万円(同5.8%減)、売上高は2,311百万円(同3.8%減)と前連結会計年度を下回る結果となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1,118百万円増加し、3,479百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は824百万円(前連結会計年度は752百万円の収入)となりました。これは主に、減価償却費511百万円、売上債権の減少額325百万円により資金が増加したためであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、支出した資金は981百万円(前連結会計年度は1,435百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入126百万円があった一方で、有形固定資産の取得による支出855百万円、定期預金の預入による支出237百万円があったためであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、得られた資金は1,273百万円(前連結会計年度は444百万円の収入)となりました。これは主に、リース債務の返済による支出81百万円、配当金の支払額による支出134百万円があった一方で、短期借入金の純増加額1,524百万円があったためであります。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

イ 生産実績

当連結会計年度における生産実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

事業の部門の名称

金額(千円)

前期比(%)

センサ部門

6,416,057

△17.0

システム部門

1,678,018

△25.3

サービス部門

2,329,875

△3.8

合計

10,423,951

△15.9

 

 

(注) 1 金額は、販売価格によっております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ロ 受注状況

当連結会計年度における受注状況を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

事業の部門の名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

センサ部門

6,761,469

△8.4

2,069,068

20.8

システム部門

1,588,757

△5.1

450,437

△7.5

サービス部門

2,282,473

△5.8

74,832

△27.9

合計

10,632,700

△7.3

2,594,338

12.6

 

 

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

ハ 販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

事業の部門の名称

金額(千円)

前期比(%)

センサ部門

6,405,023

△13.4

システム部門

1,625,338

△22.2

サービス部門

2,311,436

△3.8

合計

10,341,798

△13.0

 

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。

   2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものです。

 

① 経営成績等に重要な影響を与えた要因について

当企業グループの経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク 」に記載のとおりであります。

 

② 資本の財源および資金の流動性について

連結会計年度末において、3,811百万円の有利子負債残高があります。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,479百万円であり、新商品の開発に向けた研究開発費や今後の新規事業への展開、さらに生産効率向上を目的とした製造設備等への投資に充当してまいります。

なお、当社は、資金確保を目的として、金融機関との間で当座貸越契約2,270百万円の契約を締結しております。

 

③ 中長期目標に対する経営成績の評価について

当企業グループは、2018年5月に策定し、2021年2月に2022年3月期まで1年間延長することを公表しました中期経営計画「ADVANCE 2.0‐2021」において売上高14,000百万円、営業利益率7.0%、ROE4.0%を目指すべき経営指標としております。

当連結会計年度では、センサ部門において第5世代携帯電話端末(5Gスマートフォン)の本格出荷や、テレワーク、オンライン学習などのコロナ禍需要により市場が活況な半導体関連業界向けの受注が好調で、売上につきましても順調に推移しました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大により各企業が設備投資を控える動きが高まり、売上高は10,341百万円となり目標値を下回る結果となりました。特に主力のセンサ部門とシステム部門が設備投資の延期や中止の影響を大きく受けました。また、販売契約を締結しているセイコーインスツル株式会社の製品と当社製品を組み合わせた3密を監視するパッケージ商品をコロナ禍対応商品として販売しましたが、販売開始が第4四半期連結会計期間だったため、当連結会計年度におきましては成果が表れませんでした。

また、営業利益につきましては、経営基盤強化の基本方針の「収益性向上」を目指し、高付加価値製品に重点を置き、人員やコストを効率的に投下するなどの施策を実行してまいりました。しかしながら、当連結会計年度では、売上高減少の影響が大きく営業利益の確保には至りませんでした。

2022年3月期は中期経営計画の最終年度として、グループ一丸となって従来の提案型の商品提供ならびに事業戦略に沿った各施策を着実に実行するとともに、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 」で課題といたしました事項にも取り組んだ上で生産性の向上にも注力し、当社グループの中長期的な成長による持続的な企業価値の向上に努めてまいります。

 

 

④ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響をおよぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります

なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」をご参照ください。

 

イ たな卸資産の評価

商品及び製品ならびに仕掛品は、取得原価で評価しておりますが、正味売却価額が取得原価より低下しているときには、取得原価を正味売却価額まで切り下げております。正味売却価額の見積りには、将来の追加製造原価および販売直接経費の予測が必要となりますが、その見積りには不確実性を伴い、実際の結果が見積りと異なる場合には、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

ロ 繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産の計上にあたっては、将来の税金負担額を軽減する効果を有するか回収可能性を判断しております。この判断については、主に収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を満たしているかどうかにより判断しております。この判断において、当社および一部の子会社の事業計画を利用する場合がありますが、実績は、将来の不確実な経済条件の変動によって計画と異なる場合があります。その場合、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

ハ 固定資産の減損

当企業グループは、国内および海外で実施した投資活動や事業買収の結果、有形固定資産、無形固定資産(含むのれん)を連結貸借対照表に資産として計上しております。

これらの投資を行う際には、投資の経済性、超過収益力、成長性、シナジー効果、リスク等を見積り、投資の合理性を評価しております。

しかし、経営環境や競合状況の変化等により予想通りの成果が得られないと判断される場合には、当該資産の将来の回収可能額を見積り、当該資産について減損損失を計上する可能性があります。

その場合は、当企業グループの経営成績および財政状態に悪影響をおよぼす可能性があります。

減損損失を認識するかどうかの判定および使用価値の算定には、将来キャッシュ・フローの見積りが、正味売却価額の算定には、資産または資産グループの時価および処分費用見込額の見積りを行う必要があります。

当該見積りについて、将来の不確実な経済状況の変動等により見直しが必要となる場合、追加の減損損失が発生する可能性があります。また、将来における実績値に基づく結果が、これらの見積りとは異なる可能性があります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 

業務・資本提携契約

2009年11月16日東京計器株式会社との間に、業務および資本提携契約を締結しております。

 

5 【研究開発活動】

当企業グループは<流れに価値を加えます>を企業メッセージとし、顧客満足を常に念頭において事業展開し、センシング技術、エレクトロニクス技術等の技術基盤の強化を図り、またグローバル化を志向した高精度・高信頼性・高機能の流量センサによる市場拡大を図るため、水素等の新エネルギー産業、自動車や船舶産業および計測新分野への展開や省力化、省エネルギー化、効率化、データの見える化等に資する無線技術を活用した電池駆動IoTセンサ関連製品の創出を行い、流量管理、精度管理、省エネ管理等に貢献できる研究開発に取り組んでおります。

研究開発は、次世代製品を担う基礎研究とリニューアルおよび既存製品の応用展開を推進する応用および改良開発とを融合化して、将来を見据えた総合研究開発を行っております。また、知的財産についても、国内、海外において戦略的に権利化を行っております。

当企業グループは、計測機器等の製造・販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。また、研究開発活動は計測機器事業全体に関連し、その成果を各部門で共有しているため、部門別にも記載しておりません。

当連結会計年度の成果は、次のとおりであります。

* 「ミスター省エネ」(注)に適合した無線流量計測機器3機種を開発、市場投入

* 「ミスター省エネ」(注)機器に自社開発のPCアプリを付属したパッケージ2製品(3密監視、バイタル監視)を企画、市場投入

* 容積流量計「ウルトラオーバル」無線プリンタシステム通信仕様を開発、市場投入

* 容積流量計「ウルトラオーバル」Modbus通信仕様を開発

* コリオリ流量計 ALTImassステンレス筐体変換器を開発

 

(注)「ミスター省エネ」はセイコーインスツル株式会社の登録商標です。

 

なお、当連結会計年度における研究開発費は419百万円であります。