第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当企業グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当企業グループは以下の経営理念を定めております。

『確かな計測技術で、 新たな価値を創造し、 豊かな社会の実現に貢献します。』

“確かな計測技術で”

-「流体計測技術」から将来を見据えた新たなビジネス拡大の可能性として、「計測技術」まで事業領域を拡大

“新たな価値を創造”

-お客様に付加価値の高いセンサ・ソリューション、そしてサービスを提供

“豊かな社会の実現に貢献”

-地球温暖化問題への取り組み。カーボンニュートラル、水素、アンモニア、メタネーションなどへの関連商品

 を提供し、再生エネルギーのサプライチェーンに貢献

-SDGsの17の目標:「産業界のマザーツール」メーカーとして、商品を通して社会の営み、あらゆる産業を下支

 え 

当企業グループは、企業活動を通じて、これまで培ってきた技術をより一層深化させることにより、持続的な社会の実現に貢献する商品およびサービスを提供し、中長期経営ビジョンの「アジアNO.1のセンシング・ソリューション・カンパニー」を目指し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に取り組んでおります。

(2) 目標とする経営指標

企業グループの存続と企業体質の改善を目指し、グループの競争力・企業価値・資本効率の向上を図るため、ROEについては10.0%達成を目指しております。

 

(3) 経営環境および対処すべき課題

当連結会計年度における世界経済は、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化、また、世界的な金融引き締め政策による景気の冷え込みに加え中国経済の景気減速など、依然として先行き不透明な状況が続いております。わが国経済においては、インバウンド需要やサービス消費は増加傾向にあるものの、為替が円安基調で推移し、中小企業を中心に物価上昇に賃金の増加が追い付かない状況が続き、個人消費の弱さが経済を下押ししており、予断を許さない状況が続いております。このような経営環境のもと、中長期経営ビジョンでは「アジアNO.1のセンシング・ソリューション・カンパニー」として2032年3月期には、売上高200億円、経常利益20.5億円、親会社株主に帰属する当期純利益は12.8億円を計画しております。その計画の達成のために中期経営計画「Imagination 2025」の経営戦略において優先的に対処すべき課題は以下となります。

 

 

① 収益基盤の強化

このほど電池式クランプオン超音波流量計を東京計器株式会社と共同で開発し2024年秋に販売開始を予定しております。また、国立研究開発法人産業技術総合研究所からは、石油流量標準設備の更新・点検整備・改修作業を受注し、トレーサビリティ制度における国家標準設備の校正精度の維持の一翼を担っている他、2023年2月24日に、オーストリアAnton Paar GmbHとコリオリ流量計と電磁流量計の製造や日本を除く地域での販売等について当社が保有する知的財産を10年間ライセンスする契約を締結し、協業を進めております。今後も当企業グループ保有の既存技術を活用した派生製品やリニューアル製品の開発により、収益の柱となる主力製品のラインナップを拡充し、安定的な収益増に取り組みます。また、生産技術開発の推進により、品質の安定化を図るとともに内製化によるコスト削減を実現します。さらに、中国の子会社において投資を進めて、生産品目の拡充や増産体制を強化し、納期短縮や効率化による収益力向上に取り組むと同時に、災害や地政学におけるリスクの低減を図ります。

 

② 持続的成長のための戦略的投資
エンジニアリングや生産の受託や材料管理など、当企業グループが保有する技術・ノウハウを関連分野で活用し、新規事業を社内で立ち上げる取り組みを進めます。また、並行して既存事業の関連分野の企業や事業を買収(M&A)するなど、新たなビジネスや利益創出へとつなげることも目指します。

 

 

③ アジア市場の強化
当企業グループは、海外事業はリスク管理および経営資源の選択と集中の観点から、中国・韓国・台湾などの東アジア地区、およびシンガポールなどのASEAN地区を重点地域として、各地域の特性に応じたグローバル事業展開を進めております。アジア各子会社・各代理店における販売チャネルを強化するとともに、各子会社・各代理店が相互連携および情報共有を密に行い、グループ一体となり受注の拡大に努めてまいります。

 

④ サステナビリティへの取り組み
当企業グループは、これまで培った水素計測の技術を活かし、脱炭素化の未来を支える取り組みを進めてまいります。具体的には、SDGsにも資する脱炭素化関連製品である水素計測用流量計やアンモニア計測用流量計などをラインナップし、水素サプライチェーンにおける流量計測と校正のワンストップショッピング対応に努めてまいります。さらに、水素計測用流量計の品質や精度を向上させるために、水素専用の校正設備「OVAL H2 Labo」(仮称)の建設を計画しています。
なお、中期経営計画「Imagination2025」のサステナビリティ推進戦略において、地球と当社が持続可能であるために今から取り組むべきマテリアリティ(経営の重要課題)を特定し、2024年5月17日に当社Webサイトに開示いたしました(https://www.oval.co.jp/sustainability/)。今後は、特定したマテリアリティへの取り組みを中長期の経営戦略の基盤とし、その重要性を認識し、SDGsへの貢献をはじめとした社会課題の解決など持続可能な社会に貢献することを目指してまいります。

 

⑤ DX推進による企業総合力の強化

当企業グループは『人、情報、モノを“繋いで”新たな価値を創造する』をDX推進ビジョンとしています。ビジョン達成のために2つの戦略を定め「顧客接点DX」においては、マーケティング機能の高度化、総合顧客基盤の構築と営業プロセスのアップデート、および提案型サービスへの転換とメンテナンスサービスの能動化を進めております。一方、「社内DX」においては、製品開発プロセス改革による生産性向上、製造リソースの最適化、バックオフィス業務の省力化を進めております。

当社は2023年9月1日に、経済産業省より、同省が定めるDX認定制度に基づき、「DX認定事業者」の認定を取得しております。今後は、更なるステップアップを目指し、社内のDXリテラシー向上のための活動を進めて継続的にDX推進に取り組んでまいります。

 

⑥ 当企業グループの成長を支えるベースづくり

当企業グループの成長や変革の実現には、そのベースとなる人財の育成が不可欠であります。適正数の人員を適材適所に配置することを徹底し生産性の向上を図るとともに、将来を見据えた次世代を担う人財の育成とグループ一体となった人財育成システムの構築を目指します。また、当企業グループでは、多様な人財活躍、教育制度の充実、健康経営に取り組むとともに、過重労働を防止し、従業員一人一人が快適でかつやりがいをもって生き生きと働ける職場環境を整備してまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当企業グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものあります。

(1)ガバナンス

当企業グループは環境経営の推進体制において、当社取締役・執行役員などで構成するマネジメントシステム会議を設置しております。同会議において、中長期的な課題の検討や方針の策定、気候変動による事業リスク・機会の共有や対策を議論しております。

 

(2)戦略

当企業グループは、蓄積した技術と経験で、脱炭素社会の構築と代替エネルギーサプライチェーンに関連する商品・サービスの開発・提供に積極的に投資・推進することに取り組んでおります。具体的には、これまで培った水素計測の技術を活かし、SDGsにも資する脱炭素化関連製品である水素計測用流量計やアンモニア計測用流量計などをラインナップし、水素サプライチェーンにおける流量計測と校正のワンストップショッピング対応に取り組んでおります。さらに、水素計測用流量計の品質や精度を向上させるために、水素専用の校正設備「OVAL H2 Labo」(仮称)の建設を計画しています。

また、当企業グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針は、性別や年齢、国籍や社会的身分、障がいの有無など個人の属性に関係なく、すべてのステークホルダーの人権を尊重することを基本方針としており、女性活躍、外国籍従業員の採用、経験者採用などに積極的に取り組んでおります。

なお、中期経営計画「Imagination2025」のサステナビリティ推進戦略において、地球と当社が持続可能であるために今から取り組むべきマテリアリティ(経営の重要課題)を特定し、2024年5月17日に当社Webサイトに開示いたしました(https://www.oval.co.jp/sustainability/)。今後は、特定したマテリアリティへの取り組みを中長期の経営戦略の基盤とし、その重要性を認識し、SDGsへの貢献をはじめとした社会課題の解決など持続可能な社会に貢献することを目指してまいります。

 

(3)リスク管理

当企業グループは、当社コンプライアンス委員会および経営企画室主導のもと、内部統制と一体化した全社的なリスク管理体制を構築、整備しており、気候変動に係るリスクについては、ISOマネジメントシステムに則り、運用・評価を実施しております。

 

(4)指標・目標

当企業グループのサステナビリティに関する目標は次のとおりであります。

①水素、アンモニア計測向け製品の売上高を2025年3月期末までに2021年3月期比100%増とする。

②自社が排出するCO2量を2025年3月期末までに2021年3月期比20%減とする。

 

また、当企業グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、脱炭素社会の構築と代替エネルギーサプライチェーンに関連する商品・サービスの開発・提供に積極的に投資・推進に関する方針について次の指標を用いております。当該指標に関する目標および実績は次のとおりです。

 

指標

目標

実績(当連結会計年度)

水素、アンモニア計測向け

製品の売上高

2025年3月期までに

2021年3月期比100%増

197.3%増

 

 

なお、当社の人的資本に関する目標の内、女性活躍に関する目標については、「㈱オーバル行動計画」において、2020年4月1日~2025年3月31日までの5年間を計画期間として定めており、①管理職に占める女性割合を5%以上にする。②育児休暇取得率向上(男性は取得者1名以上、女性は取得率100%維持)を目標に掲げています。当連結事業年度においては、管理職に占める女性割合は2.3%、育児休業取得者は男性3名、女性1名で、育児休業取得率は男性75%、女性100%であります。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響をおよぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものです。

 

(1) 経済状況

当企業グループの業績は、景気変動の影響を受ける傾向にあります。景気変動に伴う顧客の設備投資額の減少や経費削減は、当企業グループの業績に影響をおよぼす可能性があります。

 

(2) 為替相場の変動

当企業グループは外貨建取引を行っているため、ヘッジ方針に従って為替相場の変動リスクを一定の範囲内でヘッジしておりますが、為替相場の変動による影響をすべて回避するものではなく、大きな為替相場の変動があった場合には、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(3) 新商品開発力

エレクトロニクスの進展に係る商品について、急速な技術の変化や顧客ニーズの変化を特徴としております。当企業グループでは、品質・価格・納期で競争優位性を維持できるように、また、市場を先取りした機能を提案できるよう顧客ニーズの把握により新商品の開発に努めております。しかし、技術の変化や顧客ニーズの変化に適切に対応できなかった場合や、新商品の開発に要する期間が長期化した場合には、成長性や収益性を低下させ当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(4) 価格競争

当企業グループは事業を展開する多くの市場において、同種の商品を供給する競合会社が存在し厳しい価格競争を迫られております。そのため、競合において常に有利な価格決定を行うことは困難な状況にあります。

当企業グループは高品質な商品を市場へ投入できるリーディングカンパニーと自負しておりますが、価格において常に競争優位を維持できる保証はなく、商品・サービスが厳しい価格競争にさらされ当企業グループの収益と財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(5) 国際的活動および海外進出に潜在するリスク

当企業グループでは、中国をはじめとするアジア地域、中近東、北米、欧州等、海外への事業展開を積極的に行っております。海外の事業展開では、①法律や税制上の諸規制の変更、②未整備な社会制度・社会基盤、③諸外国間の貿易摩擦、④諸外国間の戦争や紛争、⑤その他の経済的、社会的、政治的な事情等に起因する障害など顕在化するリスクが内在し、これらの問題が発生した場合、海外における事業展開に支障をきたし当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(6) 人財の確保や育成

当企業グループの将来と成長は有能な人財に大きく依存するため、新たな人財の確保と育成は当企業グループには不可欠な要素であります。労働人口減少の影響を受けて、人財の確保と育成ができなかった場合には、当企業グループの将来の成長、業績と財務状況に影響をおよぼす可能性があります。また、最新技術・ノウハウを持つ有能な人財の採用や既存従業員の再研修には、採用や研修のコストと人件費を押し上げる可能性がありますが、これらのコストの増加は当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(7) 知的財産保護の限界

当企業グループは競争優位性を維持できるよう、差別化された技術とノウハウを蓄積し知的財産の保護に努めております。しかし、当企業グループの保有する当該権利が第三者に侵害された場合や、当企業グループが第三者の保有する当該権利を侵害したとされる場合において、訴訟となり、当企業グループの知的財産が権利として認められない可能性もあります。こうした知的財産の保護が大きく損なわれた場合は、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(8) 製品の欠陥

当企業グループは日本国内および事業展開する各国に認められた品質管理基準に従って各種の製品を製造しておりますが、将来にわたり全ての製品に欠陥がなく、製造物責任賠償請求およびリコールが発生しないという保証はありません。当企業グループは製造物責任賠償請求について保険に加入しておりますが、最終的に負担する賠償額全てを賄えるという保証はありません。従って、製品の欠陥が当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(9) 公的規制

当企業グループは日本国内のみならず、事業展開する各国において、事業・投資の許認可、国家安全保障による輸出制限、独占禁止、通商、為替、租税、特許、環境等、さまざまな公的規制を受けております。また、当企業グループが製造販売する製品の一部は計量法の規制の対象となっております。これらの公的規制の遵守に努めておりますが、将来、コストの増加につながるような公的規制や事業の継続に影響をおよぼす公的規制が課せられた場合、計量法の規制の対象となる製品である特定計量器の型式承認に関する取得遅延・失効等の場合は、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(10) 自然災害等による影響

当企業グループが事業活動を展開する国や地域において、地震や風水災害、火災および噴火などの自然災害が発生し、生産や営業などの業務停止、またサプライチェーンの混乱が生じた場合、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(11) 情報セキュリティに関するリスク

当企業グループが事業活動を通して入手した個人情報や機密情報などについて、予期せぬ事態により情報が流出した場合、また、それを悪用された場合には、賠償責任を課されるリスクや企業価値を低下させるリスク等があり、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(12) 退職給付債務

当企業グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて算出されております。前提条件が変更された場合や実際の結果が前提条件と異なる場合は、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(13) 訴訟のリスク

当企業グループは各種関係法令を遵守し、また従業員がコンプライアンスを理解し、実践することに努めております。しかしながら、国内外を問わず訴訟を提起される可能性があり、その動向によっては、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(14) 合弁事業・提携・買収などに関わるリスク

当企業グループは国内外を問わず合弁事業や業務提携、また事業買収や事業投資を実施する場合があります。実施にあたっては、収益性やリスクおよび回収可能性を十分に評価しておりますが、必ずしも確実に予期したとおりの成果が得られるという保証があるわけではなく、事業環境の急変などにより、投資資金の回収ができない場合やのれんに減損損失が発生した場合、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。

 

(15) 感染症に関わるリスク

新型コロナウイルス感染症のような大規模な感染症等の発生は、当企業グループの事業に悪影響を与える可能性があります。システム部門関連プロジェクトの中止や延期、設備投資予算の圧縮または先送り、また、原材料費の高騰や輸送コストの上昇が考えられます。また、従業員等の感染等に伴って、製品やサービスの提供が困難になる可能性があります。その結果、受注高・売上高・利益が減少すれば、当企業グループの業績や財政状態に影響をおよぼす可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

① 財政状態の状況

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,085百万円増加し、23,451百万円となりました。流動資産は前連結会計年度末に比べ1,099百万円増加し、12,634百万円となりました。これは主に、受取手形が96百万円、売掛金が252百万円それぞれ減少しましたが、現金及び預金が201百万円、電子記録債権が343百万円、契約資産が219百万円、棚卸資産が652百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は前連結会計年度末に比べ13百万円減少し、10,816百万円となりました。これは主に、建物及び構築物が72百万円、投資有価証券が70百万円、長期前払費用が88百万円それぞれ増加しましたが、機械装置及び運搬具、ソフトウェア、のれんが減価償却等により197百万円、繰延税金資産が55百万円、保険積立金が55百万円それぞれ減少したことによるものであります。

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ3百万円増加し、8,086百万円となりました。流動負債は前連結会計年度末に比べ322百万円増加し、4,315百万円となりました。これは主に、短期借入金が103百万円減少しましたが、未払金が390百万円、賞与引当金が69百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定負債は318百万円減少し、3,771百万円となりました。これは主に、長期借入金が206百万円、退職給付に係る負債が51百万円それぞれ減少したことによるものであります。

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,082百万円増加し、15,364百万円となりました。これは主に、利益剰余金が833百万円、為替換算調整勘定が119百万円それぞれ増加したことによるものであります。

 

② 経営成績の状況

(受注高)

システム部門が前連結会計年度比25.2%増と大きく上回ったほか、センサ部門が前連結会計年度比5.5%増、サービス部門も前連結会計年度比8.9%増と上回ったことにより、全体の受注高は14,985百万円(前連結会計年度比8.4%増)となりました。

(売上高)

センサ部門(同7.6%増)、システム部門(同8.9%増)、サービス部門(同7.8%増)と全ての部門で前連結会計年度を上回ったことにより、全体の売上高は14,347百万円(同7.8%増)となりました。

(売上総利益)

売上高の増加に伴い、固定費(人件費、生産設備維持費など)の比率が下がったことにより、売上原価率が58.5%と前連結会計年度と比較し1.8ポイント改善しました。その結果、当連結会計年度の売上総利益は、5,952百万円(同12.8%増)と前連結会計年度を上回りました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

売上総利益と同様に売上高の増加に伴い固定費(人件費など)の比率が下がったことにより、売上高に対する販売費及び一般管理費比率は31.2%と前連結会計年度と比較し0.1ポイントと若干改善し、販売費及び一般管理費は4,476百万円(同7.3%増)となりました。その結果、当連結会計年度の営業利益は1,475百万円(同33.5%増)となりました。

(経常利益)

連結会計年度の営業外収益は193百万円(前連結会計年度は199百万円)であり、主な内容は本社ビルなどの受取賃貸料77百万円と為替差益23百万円であります。営業外費用は96百万円(前連結会計年度は76百万円)であり、主な内容は支払利息47百万円と賃貸収入原価43百万円であります。その結果、経常利益は1,572百万円(同28.1%増)となりました。

 

(特別損益)

当連結会計年度の特別利益は4百万円(前連結会計年度は7百万円)であり、主な内容は製品回収関連損失引当金戻入額の2百万円であります。特別損失は26百万円(前連結会計年度は215百万円)であり、主な内容はAnton Paar GmbHによる当社の株券等を対象とする大規模買付行為等に関する対応その他の株主対応等にかかるアドバイザリー費用16百万円であります。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ531百万円増加(前連結会計年度比52.1%増)し、1,551百万円となりました。また、税効果会計適用後の法人税等負担額は前連結会計年度に比べ78百万円増加(同23.2%増)し、416百万円、非支配株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と同じく32百万円となりました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ452百万円増加(同69.8%増)し、1,102百万円となりました。

 

事業部門別の業績は以下のとおりであります。

(センサ部門)

受注高は、国内は半導体関連業界向けが足元で一服している影響で前連結会計年度より減少しておりますが、化学関連業界向けが素材市場などを中心に堅調に推移しております。海外は中国、韓国において電気自動車用の電池関連業界向けが好調に推移しております。その結果、受注高は10,305百万円(前連結会計年度比5.5%増)と前連結会計年度を上回りました。売上高は、受注高同様に化学関連業界向けが堅調だったこと、半導体関連業界向けについては、第3四半期連結累計期間までの受注分を出荷したこと、海外も中国、韓国において電池関連業界向けが好調だったことなどにより9,937百万円(同7.6%増)となり、前連結会計年度を上回りました。

なお、2023年2月24日付け「Anton Paar GmbHとのライセンス契約の締結に関するお知らせ」でお知らせしましたとおり、当社は、2023年2月24日付けでAnton Paar GmbHとの間で、コリオリ流量計および電磁流量計に係るライセンス契約を締結しておりますが、知的財産のライセンスの対価である契約一時金の収受につきまして、第2四半期連結累計期間に受注高・売上高の計上があり、収益確保に寄与しております。

(システム部門)

受注高は、国内で国立研究開発法人産業技術総合研究所より「石油流量標準設備 更新・点検整備・改修作業」や、食品関連業界向けおよび防衛省向けの大口案件受注があり、1,986百万円(同25.2%増)と大きく前連結会計年度を上回りました。一方、売上高は、海外については前連結会計年度の受注減などにより低迷しておりますが、国内大口案件の工事進行基準適用による一部売上計上があり、1,724百万円(同8.9%増)と前連結会計年度を上回りました。

(サービス部門)

当社の主要顧客である石油関連業界は、業界再編、脱炭素社会に向けたエネルギーの置換などにより市場環境は厳しい状況の中、保全計画サポートサービスなど地道できめの細かいメンテナンス活動を継続しております。また、他社商品のメンテナンスや校正事業の強化の一環として、2023年1月20日に京浜計測株式会社の全株式を取得し、前連結会計年度末に貸借対照表を、第1四半期連結累計期間より損益計算書も連結いたしました。その他、原材料費の上昇などより、一部の部品やメンテナンスにおいて値上げを実施いたしました。その結果、受注高は2,694百万円(同8.9%増)、売上高は2,685百万円(同7.8%増)と前連結会計年度を上回りました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ234百万円増加し、3,197百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は1,002百万円(前連結会計年度は617百万円の収入)となりました。これは主に、売上債権及び契約資産の増加額145百万円、棚卸資産の増加額624百万円により資金が減少した一方で、税金等調整前当期純利益1,551百万円、減価償却費499百万円により資金が増加したためであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、支出した資金は172百万円(前連結会計年度は379百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入231百万円により資金が増加した一方で、有形固定資産の取得による支出268百万円、定期預金の預入による支出192百万円により資金が減少したためであります

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、支出した資金は683百万円(前連結会計年度は574百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入による収入200百万円により資金が増加した一方で、長期借入金の返済による支出553百万円、配当金の支払額268百万円により資金が減少したためであります。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

イ 生産実績

当連結会計年度における生産実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

事業の部門の名称

金額(千円)

前期比(%)

センサ部門

9,815,573

7.4

システム部門

2,068,392

8.0

サービス部門

2,726,162

7.5

合計

14,610,129

7.5

 

 

(注)  金額は、販売価格によっております。

 

ロ 受注状況

当連結会計年度における受注状況を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

事業の部門の名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

センサ部門

10,305,003

5.5

4,413,010

9.1

システム部門

1,986,770

25.2

1,115,172

30.7

サービス部門

2,694,055

8.9

103,915

8.5

合計

14,985,828

8.4

5,632,097

12.8

 

 

 

ハ 販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

事業の部門の名称

金額(千円)

前期比(%)

センサ部門

9,937,160

7.6

システム部門

1,724,808

8.9

サービス部門

2,685,928

7.8

合計

14,347,897

7.8

 

 

(注)  主な相手先別の販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略

       しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものです。

 

① 経営成績等に重要な影響を与えた要因について

当企業グループの経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

② 資本の財源および資金の流動性について

当連結会計年度末において、1,867百万円の有利子負債残高があります。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,197百万円であり、新商品の開発に向けた研究開発費や今後の新規事業への展開、さらに生産効率向上を目的とした製造設備等への投資に充当してまいります。

なお、当社は、資金確保を目的として、金融機関との間で当座貸越契約2,290百万円を締結しております。

 

③ 中長期目標に対する経営成績の評価について

『確かな計測技術で、新たな価値を創造し、豊かな社会の実現に貢献します。』の経営理念のもと、当企業グループは、中期経営計画「Imagination 2025」を2022年4月より始動いたしました。この計画においては、中長期経営ビジョンの「アジアNO.1のセンシング・ソリューション・カンパニー」の実現に向けた構造改革を推進し、成長戦略として「センサ事業成長戦略」「サービス事業成長戦略」「システム事業成長戦略」「新規事業創出戦略」、経営基盤強化戦略として「製造BCL戦略」「人事財務強化戦略」「DX推進戦略」「サステナビリティ推進戦略」の8つの戦略を掲げ、既存事業の変革と社会の課題を解決するイノベーションの実現を目指し、各戦略を推進、実行してまいりました。その結果、2年目の2024年3月期は売上高143億円、経常利益15.7億円、親会社株主に帰属する当期純利益11.0億円、ROE7.7%となり、いずれも2023年8月10日に修正開示を行った2025年3月期の計画を上回る進度で好調に進捗いたしました。よって、これまで取り組んできた施策は中長期的な企業価値の向上に一定の成果はあったものと認識しており、現行の取り組みを一層強化し今後も進めてまいることといたします。

また、中長期経営ビジョンにおいては、2032年3月期には、売上高200億円、経常利益20.5億円、親会社株主に帰属する当期純利益は12.8億円を計画しており、少しでも前倒ししてこの目標を達成できるよう、当企業グループの総力を挙げて、今後も取り組んでまいります。

 

④ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響をおよぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります

 

イ 棚卸資産の評価

商品及び製品ならびに仕掛品は、取得原価で評価しておりますが、正味売却価額が取得原価より低下しているときには、取得原価を正味売却価額まで切り下げております。正味売却価額の見積りには、将来の追加製造原価および販売直接経費の予測が必要となりますが、その見積りには不確実性を伴い、実際の結果が見積りと異なる場合には、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

ロ 繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産の計上にあたっては、将来の税金負担額を軽減する効果を有するか回収可能性を判断しております。この判断については、主に収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を満たしているかどうかにより判断しております。この判断において、当社および一部の子会社の事業計画を利用する場合がありますが、実績は、将来の不確実な経済条件の変動によって計画と異なる場合があります。その場合、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

ハ 固定資産の減損

当企業グループは、国内および海外で実施した投資活動や事業買収の結果、有形固定資産、無形固定資産(含むのれん)を連結貸借対照表に資産として計上しております。

これらの投資を行う際には、投資の経済性、超過収益力、成長性、シナジー効果、リスク等を見積り、投資の合理性を評価しております。

しかし、経営環境や競合状況の変化等により予想通りの成果が得られないと判断される場合には、当該資産の将来の回収可能額を見積り、当該資産について減損損失を計上する可能性があります。

その場合は、当企業グループの経営成績および財政状態に悪影響をおよぼす可能性があります。

減損損失を認識するかどうかの判定および使用価値の算定には、将来キャッシュ・フローの見積りが、正味売却価額の算定には、資産または資産グループの時価および処分費用見込額の見積りを行う必要があります。

当該見積りについて、将来の不確実な経済状況の変動等により見直しが必要となる場合、追加の減損損失が発生する可能性があります。また、将来における実績値に基づく結果が、これらの見積りとは異なる可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

 

(1)業務・資本提携契約

2009年11月16日東京計器株式会社との間に、業務および資本提携契約を締結しております。

 

(2)ライセンス契約

2023年2月24日にAnton Paar GmbH(以下「Anton Paar」といいます。)との間で、コリオリ流量計及び電磁流量計(以下「対象製品」といいます。)に係るライセンス契約(以下「本ライセンス契約」といいます。)を締結しております。本ライセンス契約の概要は以下のとおりであります。

当社は、2023年2月24日から10年間、対象製品の製造、日本を除く地域での販売等について当社が保有する知的財産をAnton Paarにライセンスすることとしております。

本ライセンス契約の対価として、当社は、Anton Paarから契約一時金のほか、Anton Paarの販売額に応じてランニングロイヤリティを受け取ることとしております。

なお、当社は対象製品に関する知的財産権を引き続き保有し、全世界における対象製品の製造、販売等を行う権利を引き続き保有いたしますので、本ライセンス契約によって、当社によるグローバルな事業展開が制限されることはありません。

 

6 【研究開発活動】

当企業グループは<流れに価値を加えます>を企業メッセージとし、顧客満足を常に念頭において事業展開し、センシング技術、エレクトロニクス技術等の技術基盤の強化を図り、またグローバル化を志向した高精度・高信頼性・高機能の流量センサによる市場拡大を図るため、水素等の新エネルギー産業、自動車や船舶産業および計測新分野への展開や、省力化、省エネルギー化、効率化、データの見える化等に資する無線技術を活用した電池駆動IoTセンサ関連製品の創出を行い、流量管理、精度管理、省エネ管理等に貢献できる研究開発に取り組んでおります。

研究開発は、次世代製品を担う基礎研究と、リニューアルおよび既存製品の応用展開を推進する応用・改良開発とを融合化して、将来を見据えた総合研究開発を行っております。また、知的財産についても、国内、海外において戦略的に権利化を行っております。

当企業グループは、計測機器等の製造・販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。また、研究開発活動は計測機器事業およびこれに付帯する事業全体に関連し、その成果を各部門で共有しているため、部門別にも記載しておりません。

当連結会計年度は、「ローリー車向け無線電磁ロックシステム」を開発しました。このシステムは、ローリー車運転手の作業負担を軽減するものであり「物流の2024年問題」への対策となるだけでなく、従来ワンウェイプラスチックが使用されていた封印の置き換えとなるため、地球環境の保全にも貢献するものです。このように、計測機器の供給以外の側面からも、環境問題を含む社会問題全般の解決に向けた研究開発活動を推進しております。

 

なお、当連結会計年度における研究開発費は519百万円であります。