第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」からの変更があった事項は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクの項目番号に対応しております。)

 

① 事業の特殊な環境・事情

映像事業の主要製品であるデジタルカメラの市場は、地域毎の景気変動の影響を受け、大きく変動する可能性があります。また、他のデジタル機器等、競合製品の市場拡大によりデジタルカメラの需要がさらに減少する可能性があります。

精機事業が扱うFPD露光装置の需要は、フラットパネル市場の動向に依存していますが、フラットパネルが供給過剰となった場合には価格下落が発生し、急激に露光装置の需要も落ち込む可能性があります。また、半導体露光装置の対象市場としている半導体産業は、ビジネスサイクルの変動が大きい産業として特徴付けられております。近年最終製品の多様化によってその傾向は弱まってはいるものの、市場において半導体デバイスが供給過剰となった際には、半導体メーカーの設備投資抑制による露光装置需要の減少という事態が生じるリスクがあり、その時期、期間、変動幅の正確な予測は困難であります。これに加え、当業界の顧客行動の特徴として、発注後も繰延べやキャンセルを行うといったことがあり、需要の減退期にはたな卸資産増となりやすい構造を抱えております。

ヘルスケア事業においては、顕微鏡市場がほぼ飽和状態であり、業界再編等により競争構造が変化する可能性があります。

産業機器・その他の事業のうちの産業機器事業は半導体・電気・電子部品・自動車・工作機械等さまざまな産業の景気、設備動向に影響を受けやすい構造となっております。

こうした事業環境の変化は、結果として当社グループの収益と財政状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 特定顧客への依存

精機事業の顧客であるフラットパネル業界では、各社の競争が激しさを増しており、業界再編の動きも現れています。また、半導体業界では、拡大する設備投資規模と多彩化する技術開発に対応するため、合併・提携等の動きが進んでおります。さらに、保有する技術力や製造するデバイスの特性によって、各社における競争状況の優劣が明確になり、淘汰が進み、特定の顧客への依存度が高くなりつつあります。このような状況において、当社グループの主要顧客が設備投資計画を変更し、急激に発注量を減少させたり競合他社へ転注させた場合、または、何らかの事情により顧客の債務支払いに支障が生じた場合には、当社グループの収益と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 新製品開発力及び開発投資負担

当社グループの主力事業は厳しい競争下にあり、高度な研究開発の継続による新製品の開発が常に求められております。そのため、当社グループの収益の変動にかかわらず、製品開発のための投資を常に継続する必要があります。

映像事業においては、デジタルカメラを取り巻く技術的環境の進歩は速く、高度化・多様化も進み、新技術・新製品の開発には継続した投資が必要となります。しかし、投資の成果が十分に上がらず新製品、次世代技術の開発や市場投入がタイムリーに行えない場合や、より高機能なデジタル機器への急激な需要シフト等の変化がある場合、収益が減少する可能性があります。また、競合他社に新技術の特許を取得されることにより、生産・販売の停止や、ロイヤリティー支払いによる利益率低下の危険性があり、収益に影響が生じる可能性があります。

精機事業においては、新製品、次世代技術の開発や市場投入がタイムリーに行えない場合や当社グループが開発した技術が市場に受け入れられなかった場合、収益が減少する可能性があります。また、競合他社に新技術の特許を取得されることにより、生産・販売の停止や、ロイヤリティー支払いによる利益率低下の危険性があり、あるいは競合他社装置の新技術採用が、当社装置価格の低下を招くといった可能性もあります。FPD露光装置において新たな企業参入や新技術の導入があった場合、さらなる競争激化が予想され、収益に影響が生じる可能性があります。

また、ヘルスケア事業においては、新規分野への先行投資を継続的に行う必要がありますが、成果が十分に上がらない場合や、開発した技術・製品が収益の向上に結びつかない可能性があります。

 

⑤ 価格競争の激化

映像事業の主要製品であるデジタルカメラは、市場の成熟化に伴い、競合他社が低価格攻勢に出てくる可能性があります。  

FPD露光装置及び半導体露光装置においては、先端技術開発が進む一方で競合他社が低価格攻勢に出てくる可能性があります。

ヘルスケア事業においては、顕微鏡市場の成熟化に伴い、商品の差別化競争が一層進むとともに、特に中低級機市場では価格競争が厳しくなる傾向にあり、急激な価格下落が起こった場合は、当社グループの収益と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

2 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本四半期報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。なお、前第3四半期連結累計期間との比較の記載にあたっては、第153期第3四半期に開示した日本基準の数値をIFRSに組替えて行なっております。

第2四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 5.事業セグメント」に記載のとおりであります。前第3四半期連結累計期間との比較にあたっては、前第3四半期連結累計期間の数値を変更後のセグメント区分に組替えて行なっております。

 

(1) 経営成績の分析

当第3四半期連結累計期間(2017年4月1日~2017年12月31日)は、映像事業においては、レンズ交換式デジタルカメラ市場は縮小傾向が続き、コンパクトデジタルカメラ市場も低調に推移しました。精機事業においては、FPD関連分野及び半導体関連分野ともに、設備投資は好調に推移しました。ヘルスケア事業においては、バイオサイエンス分野は海外の政府予算執行遅延の影響等により低調に推移した一方、眼科診断分野では網膜画像診断機器市場が堅調に推移しました。

このような状況の下、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上収益は5,252億62百万円前年同期比408億62百万円7.2%)の減少となりましたが、映像事業と精機事業における増益により、営業利益は414億91百万円前年同期比229億2百万円123.2%)の増加税引前四半期利益は403億37百万円前年同期比188億97百万円88.1%)の増加親会社の所有者に帰属する四半期利益は223億9百万円、前年同期比80億69百万円56.7%)の増加となりました。

 

セグメント情報は次のとおりです。

 

映像事業では、レンズ交換式デジタルカメラ及びコンパクトデジタルカメラの販売台数が減少し前年同期比で減収となりましたが、昨年9月に発売した、高精細な描写と高速連続撮影を両立させたデジタル一眼レフカメラ「D850」が好評を博し、営業利益は大幅な増益となりました。

精機事業では、FPD露光装置分野では、中小型パネル用装置の販売台数減少により減収減益となりましたが、第10.5世代プレートサイズに対応した超大型パネル用装置の初号機を計画通り販売しました。半導体露光装置分野では、構造改革関連費用を計上した前年同期との比較では、大幅に収益を改善しました。これらの結果、事業全体としては減収となったものの、営業利益は増益となりました。

ヘルスケア事業では、バイオサイエンス分野では、海外の政府予算執行の遅れの影響により、全体の売上げは前年同期並みに留まりました。眼科診断分野では、超広角走査型レーザー検眼鏡の販売が欧米を中心に堅調に推移し、増収となりました。これらの結果、事業全体としては増収となったものの、新事業への先行投資等の影響により、赤字幅が拡大しました。

 

(2) 当第3四半期連結会計期間末の財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末における資産の残高は、前連結会計年度末に比べて1,136億82百万円増加し、1兆1,320億33百万円となりました。これは主に、現金及び現金同等物が676億9百万円、売上債権及びその他の債権が122億42百万円、棚卸資産が287億42百万円及び非流動資産のその他の金融資産が株式の時価上昇等により102億3百万円それぞれ増加したためです。

当第3四半期連結会計期間末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べて768億27百万円増加し、5,570億29百万円となりました。これは主に、仕入債務及びその他の債務が78億円、未払法人所得税が93億11百万円及び前受金が726億99百万円それぞれ増加した一方、前連結会計年度末に計上していた希望退職者への退職加算金等に関する未払費用が、当第3四半期連結累計期間中に支払われたことで、その他の流動負債が168億8百万円減少したためです。

当第3四半期連結会計期間末における資本の残高は、前連結会計年度末に比べて368億54百万円増加し、5,750億4百万円となりました。これは主に、親会社の所有者に帰属する四半期利益の計上により利益剰余金が139億3百万円、在外営業活動体の換算差額の増加や保有する株式の時価上昇等によりその他の資本の構成要素が227億10百万円それぞれ増加したためです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、前期に実施した構造改革に伴う希望退職による割増退職金等の支払及び中国の生産子会社の操業停止に係る割増退職金等の支払があった一方、税引前四半期利益403億37百万円の計上に加え、高水準なFPD露光装置の受注により前受金が724億16百万円増加したことにより927億50百万円の収入(前年同期は891億14百万円の収入)となりました。

当第3四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出により234億87百万円の支出(前年同期は376億98百万円の支出)となりました。

当第3四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、主に短期借入金の返済や配当金の支払により95億1百万円の支出(前年同期は160億6百万円の収入)となりました。

また、現金及び現金同等物に係る換算差額は78億47百万円の増加となりました。
 この結果、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ676億9百万円増加し、3,866億55百万円となりました。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

当社グループは開発投資の一部について資産化を行っており、研究開発投資には無形資産に計上された開発費を含んでおります。無形資産に計上された開発費を含む当第3四半期連結累計期間の研究開発投資は423億66百万円であります。