第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

親会社株主に帰属する当期純利益又は

親会社株主に帰属する当期純損失(△)

(百万円)

1株当たり

当期純利益又は

当期純損失(△)

(円)

当連結会計年度

804,578

104,464

90,898

62,594

182.90

前連結会計年度

764,671

90,962

72,782

△8,737

△25.53

増減率

5.2%

14.8%

24.9%

 

 当期における世界経済は、米国においては好調な経済状況が続いたことで昨年12月に米FRBが利上げを行うなど金融政策が正常化に向かい、欧州でも緩やかに景気が回復しつつあるものの、中国を始めとした新興国での景気後退や資源価格の下落の影響などにより、減速感が強まりました。わが国経済は、企業業績や雇用情勢の改善がみられるものの、中国経済の下振れリスクや2月以降の急激な円高進行などにより、先行き不透明な状況となりました。
 このような経営環境の中、当社グループは平成25年3月期を初年度とする「中期ビジョン」(中期経営計画)の基本戦略である「事業ポートフォリオの再構築と経営資源の最適配分」「コスト構造の見直し」「財務の健全化」「ガバナンスの再構築」を引き続き強力に推し進めました。また、平成27年4月に実施したグループ再編に伴う新組織体制のもと、平成29年3月期を初年度とする新たな中期経営計画を見据え、急激な事業環境変化への対応力強化や効率的な経営資源配分といった取り組みを進めてまいりました。
 医療事業においては、主力である消化器内視鏡分野において国内外で引き続き好調な販売を維持したほか、外科分野および処置具分野においてもセールス強化を始めとした積極的な成長投資の成果により売上を伸ばしました。科学事業においては商品群別から顧客群別への戦略転換に向けて組織改革を進めるとともに、製造原価低減を始めとしたコスト削減により収益性を大きく改善しました。映像事業においては、商品ラインおよび重点販売地域の絞り込みによる効率化を実施したことに加え、費用削減などの構造改革を一段と推し進めました。
 これらの取り組みを行った結果、当社グループの連結売上高は、医療事業が増収となり、8,045億78百万円(前期比5.2%増)となりました。営業利益については、医療事業および科学事業の増益に加え、映像事業の損失が縮小したことにより、1,044億64百万円(前期比14.8%増)となりました。経常利益については、営業利益の増益に加え、支払利息等の営業外費用が減少したことにより、908億98百万円(前期比24.9%増)となりました。また、米国反キックバック法等関連損失等の特別損失を224億67百万円計上したほか、法人税等が81億49百万円発生しました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は625億94百万円(前期は87億37百万円の損失)と前期から大きく損益を改善しました。
 また、当期においては、814億15百万円の研究開発費を投じるとともに、644億45百万円の設備投資を実施しました。
 為替相場は前期と比べ、対米ドルは円安となった一方、対ユーロは円高で推移しました。期中の平均為替レートは、1米ドル=120.14円(前期は109.93円)、1ユーロ=132.58円(前期は138.77円)となり、売上高では前期比192億88百万円の増収要因、営業利益では前期比113億23百万円の増益要因となりました。
 なお、当連結会計年度より、従来「映像事業」に区分されていた新規事業(映像事業で培った光学技術及び電子映像技術、ネットワーク技術、製造技術をもとに医療、科学の領域とも融合を図りながら拡大を目指す事業横断的な新規事業領域)を「その他事業」に変更しておりますので、下記および「2 生産、受注及び販売の状況」の前期比については、前期の数値を変更後の事業区分に組替えた数値との比較になっています。

 

セグメントの業績は次のとおりです。

 

売上高

セグメント利益又はセグメント損失(△)

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減率

(%)

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減率

(%)

医療

558,348

608,927

9.1

124,894

140,220

12.3

科学

103,880

101,608

△2.2

6,837

8,482

24.1

映像

79,437

78,284

△1.5

△11,710

△2,064

その他

23,006

15,759

△31.5

970

△5,800

小計

764,671

804,578

5.2

119,051

140,838

18.3

消去又は全社

△28,089

△36,374

連結計

764,671

804,578

5.2

90,962

104,464

14.8

(注) 製品系列を基礎として設定された事業に、販売市場の類似性を加味してセグメント区分を行っています。

 

医療事業
 医療事業の連結売上高は6,089億27百万円(前期比9.1%増)、営業利益は1,402億20百万円(前期比12.3%増)となりました。
 消化器内視鏡分野において、主力の内視鏡基幹システム「EVIS EXERA Ⅲ(イーヴィス エクセラ スリー)」および「EVIS LUCERA ELITE(イーヴィス ルセラ エリート)」の売上がいずれも好調に推移しました。また、外科分野においては、内視鏡外科手術をサポートする内視鏡統合ビデオシステム「VISERA ELITE(ビセラ・エリート)」および3D内視鏡システムが堅調に推移したほか、バイポーラ高周波と超音波の統合エネルギーデバイス「THUNDERBEAT(サンダービート)」が引き続き売上を伸ばしました。処置具分野では、膵胆管等の内視鏡診断・治療に使用するディスポーザブルガイドワイヤ「VisiGlide 2(ビジグライド・ツー)」などが売上を伸ばしました。この結果、全分野が増収となり、医療事業の売上は増収となりました。
 医療事業の営業利益は、増収により増益となりました。

 

科学事業
 科学事業の連結売上高は1,016億8百万円(前期比2.2%減)、営業利益は84億82百万円(前期比24.1%増)となりました。
 ライフサイエンス分野では、研究施設の予算執行遅れの影響により、研究用途の機器を中心に減収となりました。産業分野では、電子部品の製造工程に使用される測定顕微鏡「STM7」シリーズを始めとした工業用顕微鏡が販売を伸ばしたものの、原油等の資源価格下落の影響を受けて非破壊検査機器等の製品がやや減収となりました。その結果、科学事業全体の売上は減収となりました。
 科学事業の営業利益は、原価低減や販売拠点の統合等による効率化を進めた結果、増益となりました。

 

映像事業
 映像事業の連結売上高は782億84百万円(前期比1.5%減)、営業損失は20億64百万円(前期は117億10百万円の営業損失)となりました。
 ミラーレス一眼カメラの分野において、OM-Dシリーズや「OLYMPUS PEN-F」などが販売を伸ばしたほか、ラインアップを5種類に拡充した高性能の交換レンズ「M.ZUIKO DIGITAL PRO」シリーズも販売に寄与しました。一方、コンパクトカメラの分野において、市場の縮小に合わせて販売台数を絞り込んだことにより、映像事業全体の売上は減収となりました。
 映像事業の営業損益は、費用の圧縮を進めたことなどにより、損失幅が縮小しました。

 

その他事業
 その他事業の連結売上高は157億59百万円(前期比31.5%減)、営業損失は58億円(前期は9億70百万円の営業損失)となりました。
 事業ドメインへの経営資源の集中を進めるべく非事業ドメインの整理を行ったことにより、その他事業の売上高は減収となりました。
 その他事業の営業損益は、医療領域や映像技術領域での新事業創出に向けた投資を行ったことにより、損失幅が拡大しました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減

(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

66,811

48,621

△18,190

投資活動によるキャッシュ・フロー

△39,612

△52,897

△13,285

財務活動によるキャッシュ・フロー

△70,185

△33,870

36,315

現金及び現金同等物期末残高

209,809

166,323

△43,486

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比較して434億86百万円減少し、1,663億23百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動により増加した資金は486億21百万円(前連結会計年度は668億11百万円の増加)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益708億円の計上、米国反キックバック法等関連損失188億14百万円、及び減価償却費399億12百万円、のれん償却額98億67百万円、証券訴訟関連損失20億72百万円等の非資金項目の損益の調整によるものです。主な減少要因は、証券訴訟関連損失の支払額139億75百万円、反キックバック法等関連損失の支払額724億55百万円等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動により減少した資金は528億97百万円(前連結会計年度は396億12百万円の減少)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得504億22百万円、無形固定資産の取得59億87百万円等によるものです。主な増加要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入32億14百万円等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動により減少した資金は338億70百万円(前連結会計年度は701億85百万円の減少)となりました。主な減少要因は、長期借入金の返済による支出782億40百万円、短期借入金の純増減額238億20百万円等によるものです。主な増加要因は、長期借入による収入738億86百万円等によるものです。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

医療

571,934

0.9

科学

94,314

△2.5

映像

73,327

△10.4

その他

4,192

△35.8

743,767

△1.1

(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。

2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

(2) 仕入実績

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前期比(%)

医療

-

-

科学

-

-

映像

-

-

その他

9,880

△27.4

9,880

△27.4

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていません。

(3) 受注実績

 当社グループの製品は見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しています。

(4) 販売実績

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

医療

608,927

9.1

科学

101,608

△2.2

映像

78,284

△1.5

その他

15,759

△31.5

804,578

5.2

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しています。

2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

3【対処すべき課題】

 今後の世界経済は、中国を始めとした新興国の成長減速、資源価格の下落などの影響により、景気の下振れ懸念は強まっていくと思われます。また、わが国経済は、世界経済の減速や円高進行の影響による企業業績の悪化リスクや、それに伴う個人消費マインドの落ち込み懸念など、先行き不透明な状況が続くと思われます。

 このような状況のもと、当社グループは、平成29年3月期をスタートとする5カ年の中期経営計画「2016経営基本計画(16CSP)」を新たに策定しました。基本的な考え方である「"Business to Specialist" Company」および「One Olympus」に基づき、持続的な発展を実現するための足下固めと攻めの事業ポートフォリオ構築を着実に推し進めていきます。

 医療事業では、「消化器科呼吸器科」「外科」「泌尿器科婦人科」「耳鼻咽喉科」「医療サービス」の各事業ユニットに対して積極的な投資を行い、「早期診断」および「低侵襲治療」の価値提供を軸として事業規模の更なる拡大を目指します。また、消化器内視鏡分野の圧倒的な競争力を維持しながら処置具・外科分野の飛躍的成長を図り、ディスポーザブル・デバイスビジネスの強化により収益性の向上を図ります。科学事業では、顧客群別の戦略推進により収益基盤を確立し、製品とソリューションのポートフォリオ拡大を目指します。映像事業では、更なる事業構造の改革により安定的に利益を確保できる体制の構築を図るとともに、市場変化への対応力向上および在庫リスクの更なる低減を進めます。

 また、当社グループにおいて引き続きコンプライアンス強化を推進するとともに、グローバルグループ経営に対応したコーポレートガバナンス体制の充実を図ります。

 株主の皆さまにおかれましては、一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申しあげます。

 

 株式会社の支配に関する基本方針については以下のとおりです。

 当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務および事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆さまの利益を継続的かつ持続的に確保・向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。

 この考えに基づき、平成28年4月から5ヵ年の中期経営計画となる「2016経営基本計画(16CSP)」において、「“Business to Specialist”Company」「One Olympus」を基本的な考え方とし、永続的な成長を通じて、全てのステークホルダーの期待に高い次元で応えるとともに、良き企業市民として行動し、世界の人々の健康・安心と心の豊かさの実現を通して社会に貢献していきます。

 この中期経営計画の中で、当社は以下の6つの重点戦略を定めています。

 ・事業成長に向けた積極的取り組み

 ・必要経営資源の適時確保・最大活用

 ・持続的成長を可能とする将来に向けた仕込み

 ・更なる事業効率の追求

 ・グローバル・グループ連結経営の深化に向けた体制強化

 ・品質・製品法規制対応、内部統制の強化、コンプライアンスの徹底

 こうした取り組みにより、創立100周年(平成31年)の節目を超えて、持続的な発展を実現するための、足下固めと攻めの事業ポートフォリオを構築し、企業価値の向上に努めてまいります。

 また、当社は、当社株式の大量買付であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものでもありません。株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるか否かの判断は、最終的には株主全体の意思に基づき行われるものと考えています。

 しかしながら、株式の大量買付の中には、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。当社株式の大量買付を行う者が、当社の企業価値の源泉を理解し、これらを中長期的に確保し、向上するのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。当社は、このような当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株式の大量買付を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による当社株式の大量買付に対しては、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保するため、必要かつ十分な情報提供を要求するほか、適時適切な情報開示を行い、株主の皆さまがこれに応じるべきか否かを適切に判断するために必要な情報や時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他の法令および定款の許容する範囲内において、適切な措置を講じていきます。

 なお、上記の取り組みは当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

4【事業等のリスク】

 当社グループの業績は、今後起こりうる様々な要因によって大きな影響を受ける可能性があります。以下において、当社グループの経営意思決定以外の要因で、業績変動を引き起こす要因となり得る、事業展開上の主なリスク要因を記載しています。当社グループはこれらリスク発生の可能性を認識した上で、発生の予防および発生した場合の対応に努める方針です。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)販売活動に係るリスク

① 医療事業では、医療制度改革による予測できない大規模な医療行政の方針変更その他医療業界に係る変化が発生し、その環境変化に対応できない場合や、事業活動に必要な各国の許認可を適時に取得することができない場合、収益確保に影響を及ぼす可能性があります。

② 科学事業では、各国の国家予算による研究に対するシステム供給が占める収益割合が高く、マクロ経済の変動により各国の国家予算が縮小された場合には、収益確保に影響を及ぼす可能性があります。

③ 映像事業のデジタルカメラ分野では、市場環境が厳しさを増しており、予想を超える急激な市場の縮小が生じた場合には、当社グループが進めている事業再編施策が売上減少に追いつかず、収益確保に影響を及ぼす可能性があります。

(2)生産・開発活動に係るリスク

① 映像事業では、その生産拠点の中心を中国およびベトナムに置いているため、為替変動等の影響によってはコスト増となり、収益確保に影響を及ぼす可能性があります。また、中国における反日活動など国情の不安定化、治安の悪化によっては、生産活動に影響を及ぼす可能性があります。

② 当社グループ内で開発・生産できない製品および部品については、特定の供給元へ開発から生産までを依存しています。その供給元の都合により、調達に制約を受けた場合には、生産および供給能力に影響を及ぼす可能性があります。

③ 外部の生産委託先を含め、厳格な品質基準により製品の生産を行っていますが、万一、製品の不具合等が発生した場合にはリコール等、多額のコストが発生するだけでなく、当社グループの信頼が損なわれ、収益確保に影響を及ぼす可能性があります。

④ 最先端の技術を用いた製品の開発を継続的に進めていますが、技術的な進歩が速く、市場の変化を充分に予測できず、顧客のニーズに合った新製品をタイムリーに開発できない場合には、収益確保に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 研究開発および生産活動を行う中ではさまざまな知的財産権を使用しており、それらは当社グループが所有しているもの、あるいは適法に使用許諾を受けたものであると認識していますが、当社グループの認識の範囲外で第三者から知的財産権を侵害したと主張され、係争等が発生した場合には、収益確保に影響を及ぼす可能性があります。

(3)業務提携および企業買収等に係るリスク

① 技術および製品開発に関して、業界の先進企業と長期的な戦略的提携関係を構築していますが、これらの戦略的パートナーと、財務上その他の事業上の問題の発生、目標変更等により提携関係を維持できなくなることで、当社グループの事業活動に支障が出る可能性があります。

② 事業拡大のため、企業買収等を実施することがありますが、買収等の対象事業を当社グループの経営戦略に沿って統合できない場合や、既存事業および買収等の対象事業について効率的な経営資源の活用を行うことができなかった場合は、当社グループの事業に影響を受けるほか、のれんの減損や、事業再編等に伴う事業売却損、事業清算損その他これに伴う費用の発生等により、業績、財政状態に影響を受ける可能性があります。

③ 当社グループは、業務提携の円滑な実施等の政策投資目的で、上場株式を678億71百万円、非上場株式等を13億24百万円、それぞれ平成28年3月31日時点で保有しています。上場株式については、株価は市場原理に基づき決定されるため、市場経済の動向によっては株式の価額が下落する可能性があります。また、非上場株式等についても、投資先の財政状態等によりその評価額が下落する可能性があります。こうした価額の変動により、投資有価証券評価損を計上する等、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4)資金調達に係るリスク

 当社グループは、金融機関等からの借入による資金調達を行なっていますが、金融市場環境に変化があった場合、当社グループの資金調達に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの業績悪化等により資金調達コストが上昇した場合、当社グループの資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5)情報の流出に係るリスク

 当社グループは、技術情報等の重要な機密情報や、顧客その他関係者の個人情報を保有しております。これらの情報の外部への流出を防止するため、社内規程の整備や社員教育の徹底、セキュリティシステムの強化等さまざまな対策を講じておりますが、不測の事態によりこれらの情報が漏洩した場合、当社グループの企業価値の毀損、社会的信用の失墜、流出の影響を受けた顧客その他関係者への補償等により、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(6)過去の損失計上先送りに係るリスク

 過去に当社が1990年代ころから有価証券投資等にかかる損失計上の先送りを行っており、Gyrus Group PLCの買収に際しファイナンシャルアドバイザーに支払った報酬や優先株の買戻しの資金ならびに国内三社(株式会社アルティス、NEWS CHEF株式会社および株式会社ヒューマラボ)の買収資金が、複数のファンドを通す等の方法により、損失計上先送りによる投資有価証券等の含み損を解消するためなどに利用されていたことについて、当社の不適切な財務報告の結果、当社に対して当社株主等が損害賠償を求め、または訴訟を提起しており、当社グループの業績および財政状態に影響が及ぶ可能性があります。当有価証券報告書提出日現在において係属中の訴訟の訴額の合計は769億74百万円であり、そのうち主な訴訟は以下のとおりです。

 

 なお、当社は、当連結会計年度末において、係属中の訴訟のうち、訴訟の進行状況等に鑑み、5億67百万円を訴訟損失引当金として流動負債に計上しています。

 

① ティーチャーズ・リタイアメント・システム・オブ・ステート・オブ・イリノイほか、当社株主の海外機関投資家および年金基金等、合計49社(うち1社が訴状送達前に訴えを取り下げ)が、平成24年6月28日付(当社への訴状送達日は平成24年11月12日)で当社に対し、損害賠償請求訴訟を提起しています。その後、請求の趣旨変更申立ておよび複数原告による訴えの取り下げにより、現時点で原告は45社、損害賠償請求金額は208億28百万円およびこれに対する平成23年11月8日から支払済みまで年5分の割合による金員に変更されています。

  なお、本件損害賠償訴訟については平成27年3月27日に裁判外の和解が原告らを含む投資家等との間で成立し、下記③と合計で最大110億円の和解金を支払うことで合意し、うち、104億33百万円については決算発表日現在で支払い済みです。

 カリフォルニア・パブリック・エンプロイーズ・リタイアメント・システムほか、当社株主の海外機関投資家等、合計68社が、平成24年12月13日付(当社への訴状送達日は平成25年3月29日)で当社に対し、損害賠償請求訴訟を提起しています。その後、訴状訂正申立書および複数原告による訴えの取り下げにより、現時点で原告は59社、損害賠償請求金額は57億49百万円およびこれに対する平成23年10月14日から支払済みまで年5分の割合による金員に変更されています。

③ カリフォルニア・ステート・ティーチャーズ・リタイアメント・システムほか、当社株主の海外機関投資家および年金基金等、合計43社が、平成25年6月27日付(当社への訴状送達日は平成25年7月16日)で当社に対し、損害賠償請求訴訟を提起しています。その後、原告による訴えの取り下げおよび原告らの吸収合併により、現時点で原告は40社、損害賠償請求金額は167億99百万円およびこれに対する平成23年11月8日から支払済みまで年5分の割合による金員に変更されています。

  なお、本件損害賠償訴訟については平成27年3月27日に裁判外の和解が原告らを含む投資家等との間で成立し、上記①と合計で最大110億円の和解金を支払うことで合意し、うち、104億33百万円については決算発表日現在で支払い済みです。

④ 三菱UFJ信託銀行株式会社ほか信託銀行5行、合計6行が、平成26年4月7日付(当社への訴状送達日は平成26年4月17日)で当社に対し、279億15百万円および各株式について発生した損害額に対する当該株式の取得約定日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払いを求める損害賠償請求訴訟を提起しています。

 

(7)内部統制に係るリスク

 当社グループは、財務報告の適正性と信頼性ならびに業務の有効性と効率性を確保するための体制を整備し、運用するとともに、継続的な改善を図っています。しかしながら、いかに有効な内部統制システムを構築したとしても、従業員等の悪意あるいは重大な過失に基づく行動、もしくはシステム構築当時には想定していなかった事業環境等の変化など、様々な要因によりシステムが機能しなくなる可能性は皆無ではありません。したがって、将来的に法令違反等の問題が発生する可能性があり、その場合、行政処分による課徴金や刑事訴訟による罰金、民事訴訟による損賠賠償金等の支払いが生じ、加えて当社の社会的信用の失墜により事業に悪影響が生じるなど、当社の業績に影響が及ぶ可能性があります。

(8)法的規制に係るリスク

 当社グループでは規制業種である医療事業を含む各種事業を世界各地で展開しており、本邦の法律に加え各国・地域における医療に関する法律や独占禁止法の他、米国海外腐敗行為防止法(「FCPA」)の贈賄禁止条項や英国反贈収賄法を始めとした各国・地域の贈収賄禁止に関する法律の適用を受けています。また、不当景品類及び不当表示防止法、米国反キックバック法や米国虚偽請求取締法を含む、ヘルスケア事業に関連する様々な不正防止法の規制対象にあります。
 医療事業においては全世界的に政府系の医療制度が発達しており、当社グループ及び当社グループの販売店、供給者の多くが政府系の企業、政府系の医療機関および公務員と取引を行っています。一方で当社グループ及び当社グループの販売店、供給者は過去に贈収賄が発生した国・地域で事業を行っており、一定の状況においては現地の実務慣行が上記の贈収賄禁止法の厳格な適用に抵触する可能性があります。また、ヘルスケア事業に関連する様々な不正防止法の法的規制は多岐にわたり、解釈や適用指針の変更によって当社グループの販売や営業習慣が制限される可能性があります。
 法的規制への違反は罰金や課徴金、禁固刑、特定の国における医療制度への参加禁止などの処罰の対象となりえます。更に、当社グループの顧客の多くが公的医療保険その他、政府による医療制度から医療費を補助されており、法的規制への違反によって制度への参加を制限された場合には当社グループの製品の需要やそれを使用した手術の症例数に対して悪影響を与える可能性があります。
 当社グループではこれらの法的規制への遵守徹底を図っていますが、違反する行為を行った場合、違反の意図の有無にかかわらず、当社グループの事業、財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況および株価に影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社の海外子会社は、過去の医療事業関連活動に関する米国反キックバック法、米国虚偽請求取締法及びFCPAの違反容疑について平成28年2月に米国司法省との間で訴追の留保に関する協定の締結に合意しております。今後、これらの法的規制に違反する行為を行った場合、当該違反に係る制裁を受けるだけでなく、訴追の留保の対象となった過去の事案についても訴追が行われ、当社グループの事業、財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況及び株価に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)米国における十二指腸内視鏡に係るリスク

 平成27年3月および8月に米国司法省が当社グループが製造・販売している十二指腸内視鏡に関する情報の提供を求める旨の召喚状を当社の子会社であるオリンパスメディカルシステムズ株式会社宛てに発行しました。また、当有価証券報告書提出日現在、当社グループの十二指腸内視鏡によって被害を受けたと主張する民事訴訟が当社グループに対して米国で提起されています。これらの今後の経過によっては、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)熊本地震に係るリスク

 平成28年4月に発生した熊本地震において、当社の取引先企業が被災したため、今後、主に映像事業にかかわる一部の部品調達に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)その他、包括的なリスク

 当社は、国内外の子会社や関連会社等を通じて、各種事業を世界各地で展開しており、これらについては随時国内外当局の各種調査の対象となったり、法令遵守の観点から当局との協議・報告(例えば、独占禁止法や医薬品医療機器等関連法の遵守状況に関する検査への対応、あるいは米司法省へのFCPA遵守に関する自発開示)を行うことがあり、これらの調査や協議の結果によっては、収益確保に影響を及ぼす可能性があります。また、自然災害、疾病、戦争、テロ等が発生した場合や予想を超える金利の上昇、為替レートの変動が発生した場合にも、収益確保に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

(提携契約)

契約会社名

相手先

国名

契約内容

契約期間

オリンパス㈱

テルモ㈱

日本

医療機器分野における開発・販売の提携

平成13年4月25日より1年、但し毎年自動延長

オリンパス㈱

ソニー㈱

日本

医療事業における合弁会社の設立及び映像事業における業務提携の検討・実施

平成24年9月28日以降、期間の定めなし

オリンパス㈱

ソニー㈱

日本

ソニー㈱によるオリンパス㈱への出資

平成24年9月28日より上記ソニー㈱との提携契約の終了日まで

 

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、生活者として社会と融合し、価値観を共有しながら事業を通して新しい価値を提案し、人々の健康と幸せな生活を実現するという経営理念「Social IN」を実現すべく、研究開発活動を行っています。

 平成28年3月に発表した「中期経営計画(16CSP)」においては、「技術開発機能戦略」を策定し、経営目標の達成に向けて医療を中心とする各事業戦略を技術的側面から支援するとともに、当社のコア技術を継続的に強化し続けていくことを目標としています。

 当連結会計年度中に投下した研究開発費は前期比9.9%増の814億円であり、売上高に対する比率は前期から0.4ポイント上昇し10.1%となりました。

○ 医療事業

 内視鏡ビデオスコープシステムや内視鏡処置具、手術用エネルギーデバイスなど、病気の早期発見と患者の負担の少ない低侵襲治療に貢献する医療機器の研究開発を主に行っています。

 当期の主な成果としては、高精細な映像で手術をサポートする4K技術搭載の外科手術用内視鏡システム

「VISERA 4K UHD」や、大腸がんなどの検査・治療において細径・高画質・広い視野角で病変の早期発見に貢献する消化器内視鏡「PCF-H290ZL/I」、内視鏡下で早期がんを切除する「内視鏡的粘膜下層剥離術」の手術時間短縮に貢献する送水機能付きディスポーザブル高周波ナイフ2種類「DualKnifeJ™(デュアルナイフジェイ)」「HookKnifeJ™(フックナイフジェイ)」などを開発しました。

 当事業領域に係わる研究開発費は、前期比5.4%増の457億円です。

 

○ 科学事業

 医学・生命科学の研究を支援する生物顕微鏡や、非破壊検査領域で社会インフラの安心と安全を支える工業用顕微鏡、工業用内視鏡、超音波探傷器などの研究開発を主に行っています。

 当期の主な成果としては、細胞培養の観察を容易にする倒立顕微鏡「CKX53」、迅速で確実に細胞数をカウントする自動セルカウンター「Cell Counter model R1や、持ち運びしやすい小型軽量の工業用内視鏡「シリーズC」などを開発しました。

 当事業領域に係わる研究開発費は、前期比7.6%増の101億円です。

 

○ 映像事業

 ミラーレス一眼を中心としたデジタルカメラやカメラ用の交換レンズ、ICレコーダーを始めとしたオーディオ製品などの研究開発を主に行っています。

 当期の主な成果としては、新技術「5軸シンクロ手ぶれ補正」による最強の補正性能と小型軽量・防塵防滴の圧倒的な機動性を有する超望遠レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」や、自分だけの表現と作品づくりを追求する方に最適なレンジファインダースタイルのミラーレス一眼カメラ「OLYMPUS PEN-F」などを開発しました。

 当事業領域に係わる研究開発費は、前期比23.6%減の52億円です。

 

○ その他事業及び全社共通

 医療事業を主とした当社の主力事業のさらなる発展を目指し、様々な分野における研究開発を行っています。

 当期の主な成果としては、早期診断・観察機能向上を実現する光学技術や画像処理技術、低侵襲治療を実現するためのデバイス技術・精密制御技術の開発、および内視鏡や処置具をはじめとした医療事業新製品の高機能化、低コストを実現するシミュレーション技術開発や材料技術開発、高精度レンズ量産化の加工技術開発や、生産設備開発などの生産技術に関する取り組みなどです。

 当事業領域に係わる研究開発費は、前期比39.9%増の204億円です。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針および見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、連結会計年度末における資産・負債および収益・費用の計上、偶発債務の開示に関連して、種々の見積りを行っています。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループは、重要な会計方針の適用において以下のとおり見積りを行っています。

① 貸倒引当金

 当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失及び特定の未収債権の貸倒損失の見積り額について、貸倒引当金を計上しています。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性がありますが、重要な顧客に対する債権について、早期回収のための取組みを行っています。

② 製品保証引当金

 当社グループは、収入を認識する時点で、アフターサービス費用の見積額を計上しています。広範囲にわたる品質管理プログラムを実施していますが、当グループの製品保証債務は、製品不良率および製品不良を修理する際に発生する修理コストの影響を受けます。アフターサービス費用の見積りは、過去の実績に基づいていますが、実際の製品不良率またはコストが見積りと異なる場合、適宜アフターサービス費用の見積額の見直しを実施しています。

③ 訴訟損失引当金

 当社グループは、訴訟の進行状況等に鑑み、訴訟等に係る損失に備えるため、必要と認められる金額を合理的に見積り、損失負担見込額を計上しています。実際の訴訟の進行状況等が見積りと異なる場合、適宜損失負担見込額の見直しを実施しています。

④ 米国反キックバック法等関連引当金

 医療事業に関して、米国司法省の米国反キックバック法及び米国虚偽請求取締法に基づく調査の進行状況等に鑑み、将来の損失見込み額を計上しています。実際の調査の進行状況等が見積りと異なる場合、適宜損失負担見込額の見直しを実施しています。

⑤ たな卸資産

 当社グループは、市場価格を基に算定した時価の見積額が、たな卸資産の取得価額を下回った場合、その差額を評価減として計上しています。実際の販売価格の推移が見積りと異なる場合、適宜評価減の見積額の見直しを実施しています。

⑥ 投資有価証券

 当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の取引先および金融機関に対する少数持分を投資有価証券として所有しています。これらの株式には価格変動性が高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれています。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、投資の減損を計上しています。公開会社の株式への投資については、時価が取得原価に対して50%以上下落したもの、および30%以上50%未満下落したもののうち回復可能性が乏しいと総合的に判断した場合、また非公開会社への投資については、それらの会社の実質価額が50%超下落し、下落が一時的でないと判断した場合、それぞれ減損を計上しています。将来の市況悪化または投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。

⑦ 繰延税金資産

 当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得および、慎重かつ実現可能性の高い継続的な税務計画により、回収可能性を検討した上で、繰延税金資産の全部または一部について回収可能性がないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を税金費用として計上します。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることになります。

 

⑧ 退職給付費用

 退職給付費用および退職給付債務は、数理計算において想定される前提条件に基づいて算出されています。具体的には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づく死亡率および年金資産の長期期待運用収益率などがその前提条件となります。これらの前提条件の内、特に割引率と長期期待運用収益率については、それらが変動することにより退職給付費用や退職給付債務の額に大きな影響を与えます。親会社および国内子会社の退職給付制度では、従業員の平均残存勤務期間に近似する残存期間を持つ優良社債の期末時点の利回りを用いて割引率を算出しています。長期期待運用収益率は、年金資産の種類毎の長期期待運用収益率を加重平均することで計算されます。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は「未認識数理計算上の差異の費用処理額」として将来にわたり規則的に費用認識されるため、将来に計上される退職給付費用に影響を及ぼします。例えば、退職給付債務の算出基礎となる割引率が低下した場合、あるいは年金資産の運用利回りが長期期待運用収益率に満たない場合などには、当社グループの将来の退職給付費用は増加することになります。

⑨ デリバティブ

 当社グループは、デリバティブ取引の時価の算定方法として、為替予約取引については先物為替相場に基づいて算出し、通貨オプション取引については通貨オプション契約を締結している金融機関から提示された価格に基づき算定しています。なお、当社グループはヘッジ会計の方法として繰延ヘッジ処理を採用しています。また為替予約が付されている外貨建金銭債権債務については振当処理を行い、金利スワップについては、特例処理の要件を満たしているものについては、特例処理を採用しています。外貨建金銭債権債務の予定取引、借入金をヘッジ対象に、為替予約取引、金利スワップ取引、通貨オプション取引、通貨スワップ取引をヘッジ手段として利用した上で、ヘッジ対象の相場変動、キャッシュ・フローとヘッジ手段の間に高い相関関係があることを確認し、有効性の評価としています。

⑩ 固定資産の減価償却

 固定資産の償却は主として経済的耐用年数の予測に基づいて決定した所定の耐用年数によって行っています。

⑪ 固定資産(のれんを含む)の減損

 事業資産については、主としてセグメントの区分ごと、処分予定資産においては廃棄・売却等により処分が予定されている資産ごと、遊休資産については個別単位に資産をグルーピングしています。事業資産については、経営環境の変化により将来キャッシュ・フローの見積期間にわたって回収可能性が認められなくなった場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額しています。なお、回収可能価額は、使用価値と正味売却価額のいずれか高い金額とし、不動産鑑定評価等に基づく正味売却価額、または、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値として測定しています。

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

「1 〔業績等の概要〕 (1) 業績」に記載のとおりです。

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 「4 〔事業等のリスク〕」に記載のとおりです。

(4) 資本の財源および資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フロー

「1 〔業績等の概要〕 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

② 資金需要

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料および部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費および広告・販売促進費等のマーケティング費用です。当社グループの研究開発費は様々な営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めています。

 

③ 契約債務

 当社グループの平成28年3月31日現在の契約債務の概要は下記の通りです。

(単位:百万円)

 

契約債務

返済期限

合計

1年以内

1年超

2年以内

2年超

3年以内

3年超

4年以内

4年超

5年以内

5年超

短期借入金

6,656

6,656

長期借入金

259,482

20,000

55,000

53,663

81,804

49,015

社債

55,000

30,000

25,000

 

契約債務

返済期限

合計

1年以内

1年超

ファイナンス・リース

9,619

3,253

6,366

オペレーティング・リース

5,628

1,619

4,009

 

④ 財務政策

 当社グループは現在、運転資金および設備等投資資金については、内部資金、借入または社債により資金を調達しています。このうち、運転資金の借入については期限が一年以内の短期借入金で、各々の連結会社が運転資金として使用する現地通貨で調達することが一般的です。平成28年3月31日現在、短期借入金の残高は66億56百万円で、3種類の通貨の銀行借入金から成っており、うち主な通貨は米ドルです。これに対して、設備等の投資に用いる長期資金は、原則として固定金利の長期借入金または社債で調達しています。平成28年3月31日現在、長期借入金の残高は2,594億82百万円(1年以内返済予定分を含む)、社債の残高は550億円(1年以内返済予定分を含む)で、大部分は固定金利での調達です。

 当社グループは、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出し、契約債務を十分に完済できるとともに、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金および設備等投資資金を調達することが可能と考えています。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。