第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な
変更があった事項は、次のとおりです。本事項は第2四半期連結会計期間に変更したものです。

 なお、文中における将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものです。

 

(1)訴訟に係るリスク

 当社の連結子会社である Olympus (China) Co., Ltd.が保有する中国・深圳市にある当社の中国現地法人 Olympus (Shenzhen) Industrial Ltd.(OSZ)は、深圳市安平泰投资发展有限公司(安平泰)から2016年12月23日付で訴訟を提起され、2018年7月30日付で判決が出されております。当社はこの第一審判決を不服として2018年8月17日付で控訴しておりました。2020年7月1日付で広東省高級人民法院から、安平泰側が請求の根拠とする事実関係が不明確であるなどとして、第一審判決を取り消し、本案の審理を差し戻す裁定が下されましたが、今後の経過によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。


 上記を除き、当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 第2四半期連結会計期間において、当社は、日本産業パートナーズ株式会社(以下、「JIP」)が設立した特別目的会社であるOJホールディングス株式会社との間に映像事業の譲渡に関する株式譲渡契約を締結いたしました。これに伴い、第2四半期連結累計期間より、映像事業を非継続事業に分類しております。詳細については、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 17.非継続事業」をご参照ください。

 これにより、非継続事業からの利益は、要約四半期連結損益計算書上、継続事業と区分して表示しております。これに伴い、売上高、営業損益は、非継続事業を除いた継続事業の金額を表示し、四半期損益及び親会社の所有者に帰属する四半期損益は、継続事業及び非継続事業の合算を表示しております。なお、対応する前第3四半期連結累計期間についても同様に組替えて比較分析を行っております。

 また、当社グループは、「内視鏡事業」、「治療機器事業」、「科学事業」、「映像事業」、「その他事業」の5事業を報告セグメントとしておりましたが、本株式譲渡契約の締結に伴い「映像事業」を非継続事業に分類したため、第2四半期連結累計期間より、当社グループの報告セグメントは「内視鏡事業」、「治療機器事業」、「科学事業」、「その他事業」の4事業を報告セグメントとして変更しております。

 

(1)業績の状況

[全般]

(単位:百万円)

 

前第3四半期累計

当第3四半期累計

増減額

前年同期比

売上高

561,335

513,584

△47,751

△8.5%

営業損益

84,680

64,734

△19,946

△23.6%

継続事業からの四半期損益

65,545

53,932

△11,613

△17.7%

非継続事業からの四半期損益

△6,404

△52,287

△45,883

四半期損益

59,141

1,645

△57,496

△97.2%

親会社の所有者に

帰属する四半期損益

59,138

1,624

△57,514

△97.3%

為替レート(円/米ドル)

108.67

106.11

△2.56

為替レート(円/ユーロ)

121.05

122.38

1.33

為替レート(円/人民元)

15.60

15.44

△0.16

 

 当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の大流行の影響により、経済活動の再開は段階的に進められているものの、感染再拡大の傾向が見られるなど、依然として厳しい状況となりました。わが国経済においても、輸出において持ち直しの動きがみられ、企業収益への影響も縮小しつつあるものの、新型コロナウイルス感染症の影響により、世界経済と同様に厳しい状況となりました。

 こうした環境下にあるものの、当社グループは、2019年に真のグローバル・メドテックカンパニーへの飛躍を目指した企業変革プラン「Transform Olympus」と、それに基づいた中長期の経営戦略を発表しており、当経営戦略に沿って、持続的な成長に向けた取り組みを推し進めております。

 その中で、当社は「事業ポートフォリオの選択と集中」を、当経営戦略の事業の成長・収益性向上のためのコア要素のひとつに位置付けております。その施策として2020年9月30日には、当社が新たに設立する当社の完全子会社(以下、「映像新会社」)に対して、吸収分割により当社の映像事業を承継させたうえで、映像新会社の株式の95%を日本産業パートナーズ株式会社(以下、「JIP」)が設立した特別目的会社であるOJホールディングス株式会社に譲渡することに係る最終契約を同社と締結いたしました。本契約に基づき、当社は2021年1月1日に当該株式の譲渡を完了いたしました。また、2020年12月18日には、厳しい外部環境の下で当経営戦略を実現するべく、(ⅰ)社外で自らの力を発揮することを希望する社員への支援、(ⅱ)変革を推進する人材の適所適材への採用と登用、(ⅲ)グローバル・メドテックカンパニーに相応しい収益性の達成を目的として、社外転進支援制度の実施を発表いたしました。

 当社グループの当第3四半期連結累計期間における継続事業の売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、販促活動に制約が生じたこと等によって、全事業で減収となり、5,135億84百万円(前年同期比8.5%減)となりました。継続事業の営業損益については、販売費及び一般管理費は減少したものの、全事業で減収となったことにより、647億34百万円(前年同期比23.6%減)となりました。継続事業及び非継続事業の合算からなる親会社の所有者に帰属する四半期損益は、営業利益の減少に加え、映像事業の譲渡契約締結に伴う損失及び関連する事業構造改革費用として約500億円を計上したことで、16億24百万円(前年同期比97.3%減)となりました。

 なお、新型コロナウイルス感染症による当第3四半期連結累計期間における当社連結業績への影響は、継続事業の売上高で約390億円、継続事業の営業利益で約30億円程度と認識しております。

 為替相場は前年同期と比べ、対ユーロは円安となった一方、対米ドル及び人民元は円高で推移いたしました。期中の平均為替レートは、1米ドル=106.11円(前年同期は、108.67円)、1ユーロ=122.38円(前年同期は、121.05円)、1人民元=15.44円(前年同期は、15.60円)となり、売上高では、前年同期比84億25百万円の減収要因、営業利益では、前年同期比56億39百万円の減益要因となりました。

 

[内視鏡事業]

(単位:百万円)

 

前第3四半期累計

当第3四半期累計

増減額

前年同期比

売上高

315,123

294,489

△20,634

△6.5%

営業損益

91,580

76,753

△14,827

△16.2%

 

 内視鏡事業の連結売上高は、2,944億89百万円(前年同期比6.5%減)、営業利益は、767億53百万円(前年同期比16.2%減)となりました。

 2020年4月に欧州と一部アジア地域、7月に日本において、主力の内視鏡システム新製品「EVIS X1(イーヴィス・エックスワン)」を導入したものの、新型コロナウイルス感染症の影響により、医療機関など顧客先への訪問の制限や商談の延期・中止など、販促活動に制約が生じたことや、各学会から消化器内視鏡検査の延期、中止が推奨され症例数が減少したことで、内視鏡事業の売上は減収となりました。

 内視鏡事業の営業損益は、費用の効率化を進めたものの、減収及び第2四半期連結会計期間に内視鏡製品の自主回収に関する費用を、売上原価に計上したこと等により、減益となりました。

 

[治療機器事業]

(単位:百万円)

 

前第3四半期累計

当第3四半期累計

増減額

前年同期比

売上高

163,589

146,142

△17,447

△10.7%

営業損益

22,537

20,332

△2,205

△9.8%

 

 治療機器事業の連結売上高は、1,461億42百万円(前年同期比10.7%減)、営業利益は、203億32百万円(前年同期比9.8%減)となりました。

 新型コロナウイルス感染症の影響により、各学会から手術の延期、中止が推奨され症例数が減少したことや、医療機関など顧客先への訪問の制限や商談の延期・中止など、販促活動に制約が生じたことで、治療機器事業の売上は減収となりました。

 治療機器事業の営業損益は、費用の効率化を進めたものの、減収や新型コロナウイルス感染症の影響に伴う生産拠点における操業度低下に加え、当第3四半期連結累計期間に処置具の自主回収に関する費用を、売上原価に計上したこと等により、減益となりました。

 

[科学事業]

(単位:百万円)

 

前第3四半期累計

当第3四半期累計

増減額

前年同期比

売上高

76,636

66,941

△9,695

△12.7%

営業損益

8,009

2,956

△5,053

△63.1%

 

 科学事業の連結売上高は、669億41百万円(前年同期比12.7%減)、営業利益は、29億56百万円(前年同期比63.1%減)となりました。

 中国における電子部品及び半導体市場については、回復基調となりましたが、全体としては、新型コロナウイルス感染症の影響により、航空機産業等で設備投資意欲の減退が見られたことに加え、顧客先への訪問の制限や商談の延期・中止など、販促活動に制約が生じたことで、科学事業の売上は、減収となりました。

 科学事業の営業損益は、費用の効率化を進めたものの、減収及び新型コロナウイルス感染症の影響に伴う生産拠点における操業度低下等により、減益となりました。

 

[その他事業]

(単位:百万円)

 

前第3四半期累計

当第3四半期累計

増減額

前年同期比

売上高

5,987

6,012

25

0.4%

営業損益

△1,924

△1,531

393

 

 その他事業の連結売上高は、60億12百万円(前年同期比0.4%増)、営業損失は、15億31百万円(前年同期は、19億24百万円の営業損失)となりました。

 新型コロナウイルス感染症の影響により、販促活動等に制約が生じたことで、動物関連及び映像コンポーネントの事業で減収となったものの、2020年11月に子会社化したFH ORTHO SASの売上6億56百万円が加わったことにより、増収となりました。

 その他事業の営業損益は、一部の開発テーマが終了したことに伴い費用が減少し、損益が改善いたしました。

 

 

(2)財政状態の状況

 当第3四半期連結会計期間末は、資産合計が、前連結会計年度末に比べ895億58百万円増加し、1兆1,052億21百万円となりました。預け入れ期間が3ヶ月超の定期預金の預け入れ等により流動資産のその他の金融資産が441億94百万円増加、子会社を取得した影響等によりのれん346億10百万円増加したことが主な要因です。一方で、売上債権の減少等により流動資産の営業債権及びその他の債権が130億85百万円減少、また第1四半期連結会計期間において、当社グループの英国所在の主要な年金制度にて年金バイイン(Buy-in)を実施した影響等により退職給付に係る資産が109億23百万円減少しております。なお、年金バイインにより、保有していた制度資産の一部を保険会社に対して拠出し、保険会社との間で、将来にわたって年金受給者への年金給付に相当する金額の受領を保証する保険契約を締結しております。

 負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,056億79百万円増加し、7,493億84百万円となりました。新型コロナウイルス感染症による業績への影響を鑑み、手元流動性を確保するために長期借入金及び社債による資金調達を行った影響等により非流動負債の社債及び借入金が1,332億75百万円増加したことが主な要因です。一方、仕入債務が減少した影響等により営業債務及びその他の債務が120億85百万円減少、コマーシャル・ペーパーの償還を行った影響等により流動負債の社債及び借入金が546億99百万円減少しております。

 資本合計は、前連結会計年度末に比べて161億21百万円減少し、3,558億37百万円となりました。親会社の所有者に帰属する四半期利益を計上した一方で、剰余金の配当及び第1四半期連結会計期間において、当社グループの英国所在の主要な年金制度にて年金バイイン(Buy-in)を実施した影響等により、利益剰余金が170億97百万円減少したことが主な要因です。

 以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の36.5%から32.1%となりました。

 なお、当社は、第2四半期連結会計期間において、日本産業パートナーズ株式会社が設立した特別目的会社であるOJホールディングス株式会社との間に映像事業の譲渡に関する株式譲渡契約を締結いたしました。これにより、第2四半期連結会計期間より当社の映像事業に関する資産および負債を売却目的保有に分類される処分グループに分類しております。本影響等により、売却目的で保有する資産が187億53百万円増加、売却目的で保有する資産に直接関連する負債が208億6百万円増加しております。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比較して249億69百万円増加し、1,876億86百万円となりました。当第3四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当第3四半期連結累計期間において営業活動により増加した資金は、890億22百万円(前第3四半期連結累計期間は1,057億39百万円の増加)となりました。非継続事業からの損失520億83百万円や法人所得税の支払206億45百万円等の減少要因がある一方で、税引前四半期利益の計上619億18百万円、減価償却費及び償却費444億91百万円や映像事業譲渡関連損失446億56百万円等の非支出項目の調整等により増加しております。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当第3四半期連結累計期間において投資活動により減少した資金は、1,150億10百万円(前第3四半期連結累計期間は450億37百万円の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出269億76百万円、無形資産の取得による支出142億61百万円、定期預金の預入による支出400億4百万円、子会社の取得による支出400億75百万円になります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当第3四半期連結累計期間において財務活動により増加した資金は、519億71百万円(前第3四半期連結累計期間は289億60百万円の減少)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入991億80百万円、社債の発行による収入497億57百万円等になります。一方で減少要因として、コマーシャル・ペーパーの償還を行った影響等による短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの減少719億68百万円、配当金の支払128億56百万円等があります。なお、長期借入れによる収入及び社債発行による収入は、新型コロナウイルス感染症による業績への影響を鑑み、手元流動性を確保するために資金調達を行ったことによるものです。

 

(4)事業上および財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した当社グループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。なお、当第3四半期連結累計期間において、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について、変更はありません。

 

 

(5)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間において、非継続事業を除いた継続事業の研究開発活動の金額は、586億1百万円です。なお、第3四半期連結累計期間において、その他事業で、一部の開発テーマを終了しておりますが、継続事業に係るその他の研究開発活動の状況について、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した内容から、重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間における経営上の重要な契約等は、以下の通りです。

 

(映像事業の譲渡に関する契約)

 当社は、2020年9月30日付で、日本産業パートナーズ株式会社が設立した特別目的会社であるOJホールディングス株式会社との間に締結した、映像事業の譲渡に関する株式譲渡契約に基づき、2020年10月9日に映像新会社を設立し、当社の映像事業を映像新会社へ承継させるための吸収分割契約を2020年11月6日に締結いたしました。映像事業の譲渡取引は、2021年1月1日付で完了しています。詳細は、「第4 経理の状況 要約四半期連結財務諸表注記 20.後発事象 (映像事業の譲渡)」に記載のとおりです。

 

(重要な営業の譲渡)

 当社は、2020年8月6日に米国における治療機器の製造拠点Olympus Surgical Technologies Americaの一つであるノーウォーク工場(以下、同工場)を、NISSHA株式会社(以下、NISSHA)の100%子会社Nissha Medical Technologiesに譲渡することについて、NISSHAとの間で契約を締結し、同工場の譲渡が2020年11月2日で完了いたしました。

 

(FH ORTHO SASの取得)

 当社は、2020年11月2日付でFH ORTHO SASの発行済株式の全てを、当社の連結子会社であるOlympus Europa Holding SEを通じて取得しました。詳細は、「第4 経理の状況 要約四半期連結財務諸表注記 18.企業結合 (FH ORTHO SASの取得)」に記載のとおりです。

 

(Veran Medical Technologies,Inc.の取得)

 当社は、2020年12月29日付でVeran Medical Technologies, Inc.の発行済株式の全てを、当社の連結子会社であるOlympus Corporation of the Americasを通じて取得しました。詳細は、「第4 経理の状況 要約四半期連結財務諸表注記 18.企業結合 (Veran Medical Technologies,Inc.の取得)」に記載のとおりです。