【連結財務諸表注記】
1 報告企業
株式会社リコー(以下、当社)は日本に所在する企業であります。当社の連結財務諸表は、当社及び連結子会社(以下、当社グループ)、並びに当社の関連会社に対する持分により構成されております。当社グループは、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ及びその他のセグメントにおいて、開発、生産、販売・サービス等の活動を展開しております。各分野の内容については、注記5 事業セグメント に記載しております。
2 作成の基礎
(1)連結財務諸表が国際会計基準に準拠している旨の記載
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表された国際会計基準に準拠して作成しております。当社は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」という)第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たしているため、同第312条の規定を適用しております。
(2)測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、注記3 重要性がある会計方針 に記載のとおり、公正価値で測定されている特定の金融商品、退職後給付に係る資産又は負債等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3)機能通貨及び表示通貨
当社グループ各社の財務諸表に含まれる項目は、当社グループ各社がそれぞれ営業活動を行う主たる経済環境の通貨(以下、「機能通貨」という。)を用いて測定しております。連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を四捨五入して表示しております。
(4)新基準書の適用
当社グループは、当連結会計年度より以下の基準書を適用しております。
上記基準書の適用が当社グループの連結財務諸表に与える影響は軽微であります。
(5)新基準書の早期適用
早期適用した基準書等はありません。
(6)見積り及び判断の利用
国際会計基準に準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定をすることが義務付けられております。ただし、実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの改定は、見積りが改定された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。
当社グループは、米国の新たな関税政策の導入による影響については、今後の動向や影響期間の予測は困難な状況であるため、翌連結会計年度までの関税費用の増加、及び生産・商物流、価格政策等の対策の効果、需要の減少による業績影響のみを見込んでおります。
見積り及び仮定のうち、当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える事項は、有形固定資産、無形資産及びのれんの減損、及び繰延税金資産の認識であります。当社グループは、見積り及びその基礎となる仮定に基づいて将来の事業計画を設定した上で、のれん及び固定資産の減損テストや繰延税金資産の回収可能性の評価を行っております。詳細につきましては、注記13 減損損失(有形固定資産、無形資産及びのれんの減損)及び注記22 法人所得税(繰延税金資産の認識)をそれぞれご参照ください。
なお、上述の事項以外に翌連結会計年度において重要な修正をもたらすリスクのある仮定及び見積りの不確実性に関する事項は以下のとおりです。
注記14 リース(リース期間の見積り)
注記19 引当金(債務を決済するために必要となる支出の見積り)
注記23 従業員給付(確定給付制度債務の現在価値等の見積り)
注記26 金融商品及び関連する開示(貸倒引当金、金融商品の公正価値の見積り)
注記28 売上高(収益の認識における変動対価の見積り)
3 重要性がある会計方針
① 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。のれんは、取得日時点で移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額、及び段階取得の場合には取得日以前に保有していた被取得企業の資本持分の取得日公正価値の合計額から、取得日時点の識別可能な取得資産及び引受負債の純認識額を控除した額で、測定しております。この差額が負の金額である場合には即時に純損益として認識しております。企業結合が生じた期間の末日までに企業結合の当初の会計処理が完了していない場合には、暫定的な金額で会計処理を行い、取得日から1年以内の測定期間において、暫定的な金額の修正を行います。発生した取得費用は損益として処理しております。
共通支配下における企業結合取引、すなわち、すべての結合企業又は結合事業が最終的に企業結合の前後で同じ当事者によって支配され、その支配が一時的なものではない企業結合取引については、帳簿価額に基づき会計処理しております。
② 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、企業に対するパワーによりそのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合、当社グループはその企業を支配しています。
子会社の財務諸表は、支配を獲得した日から支配を喪失する日までの間、当社の連結財務諸表に含まれております。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表の調整を行っております。
連結財務諸表の作成にあたり、連結会社間の債権・債務及び連結会社間の取引は、消去しております。
支配が継続する子会社に対する当社の持分変動は、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、当社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しております。
支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得及び損失は純損益で認識しております。
③ 関連会社
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配をしていない企業をいいます。
関連会社(以下、持分法適用会社)への投資は、持分法を用いて会計処理しており、取得時に取得原価で認識しております。当社グループの投資には、取得時に認識したのれんが含まれております。
連結財務諸表には、重要な影響が開始した日から終了する日までの持分法適用会社の収益・費用及び持分の変動に対する当社持分が含まれております。持分法適用会社の会計方針は、当社グループが適用する会計方針と整合させるため、必要に応じて修正しております。
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日における為替レートで当社グループの各機能通貨に換算しております。期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算しております。公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に再換算しております。
再換算及び決済により発生した換算差額は、その期間の純損益で認識しております。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債は、取得により発生したのれん及び公正価値の調整額を含め、期末日の為替レートで換算しております。また、在外営業活動体の収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、期中の平均レートで換算しております。為替レートに著しい変動がある場合には、取引日の為替レートが使用されます。
換算差額はその他の包括利益で認識しております。在外営業活動体を処分し、支配、重要な影響力を喪失する場合には、この在外営業活動体に関連する換算差額の累積額は、処分に係る利得又は損失の一部として純損益に振り替えられます。
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に一定の金額に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のうちいずれか低い方の金額で測定しております。棚卸資産の取得原価には、購入原価及び加工費が含まれており、主として総平均法に基づいて算定されております。加工費は、固定及び変動製造間接費の適切な配賦額を含んでおります。
正味実現可能価額は、通常の事業過程における予想売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除した金額であります。
継続的使用ではなく、主に売却取引により帳簿価額が回収される非流動資産(又は処分グループ)は、売却目的保有として分類しております。
非流動資産(又は処分グループ)を売却目的保有へ分類するためには、現状のままで直ちに売却することが可能であり、かつ、経営者が非流動資産(又は処分グループ)の売却計画の実行を確約し、売却が1年以内に完了する見込みである場合に限っており、その売却の可能性が非常に高いと言えることを条件としております。
売却目的保有へ分類した後には、非流動資産(又は処分グループ)を帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のいずれか低い方の金額で測定し、減価償却を行っておりません。
非流動資産(又は処分グループ)の測定について、当社グループは、売却コスト控除後の公正価値までの当初又は事後の評価減にかかる減損損失を純損益で認識しており、利得を認識する場合には過去に認識した減損損失累計額を超えない金額を上限としております。
① 認識及び測定
有形固定資産については、原価モデルを適用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、資産の解体・除去等に係る費用の見積り額が含まれております。
有形固定資産の構成要素の耐用年数が構成要素ごとに異なる場合は、それぞれ別個の有形固定資産項目として計上しております。
② 取得後の支出
通常の維持及び補修に係る支出については発生時に費用として処理し、主要な取替及び改良に係る支出については、その支出により将来当社グループに経済的便益がもたらされることが見込まれる場合に限り資産計上しております。
③ 減価償却
土地及び建設仮勘定以外の有形固定資産は、主として見積耐用年数にわたる定額法で減価償却を行っております。主な有形固定資産の見積耐用年数は建物及び構築物が2年から60年、機械装置及び運搬具が1年から20年、工具器具及び備品が1年から20年であります。減価償却方法、耐用年数及び残存価額は、連結会計年度期末日ごとに見直しを行い、必要に応じて改定しております。
① のれん
のれんの当初認識時における測定は、「(1) 連結の基礎 ① 企業結合」に記載しております。のれんについては償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除して測定しております。
② 無形資産
当社グループは、無形資産の測定において原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
(ⅰ)自社利用ソフトウエア
当社グループは、自社利用ソフトウエアの取得及び開発に際し発生した内部及び外部向けの一定の原価を資産計上しております。これはアプリケーション開発段階及びソフトウエアのアップグレードや機能性を付加する増強の際に発生するもので、概ね2年から10年にわたり定額法で償却しております。
(ⅱ)開発資産
当社グループの開発活動(又は内部プロジェクトの開発局面)で発生した費用は、以下のすべての条件を満たしたことを立証できる場合にのみ、資産計上しております。
・使用又は売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
・無形資産を完成させ、さらにそれを使用又は売却するという企業の意図
・無形資産を使用又は売却できる能力
・無形資産が蓋然性の高い将来の経済的便益を創出する方法
・無形資産の開発を完成させ、さらにそれを使用又は売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及び
その他の資源の利用可能性
・開発期間中の無形資産に起因する支出を、信頼性をもって測定できる能力
これらの開発資産の償却は、当該プロジェクトの終了の後、量産が開始される時点より償却され、当該開発資産が正味のキャッシュ・インフローをもたらすと期待される2年から10年の見積耐用年数にわたって定額法により行っております。なお、上記の資産計上の要件を満たさない開発費用及び研究活動に関する支出は、発生時に費用処理しております。
(ⅲ)その他の無形資産
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。企業結合の一部として取得し、のれんと区別して認識された無形資産は、当初認識時に取得日時点の公正価値で測定しております。
(ⅳ)償却(開発資産を除く)
耐用年数の確定できる無形資産については、経済的耐用年数にわたって償却し、減損の兆候がある場合には減損の有無を判定しております。耐用年数が確定できる無形資産は、主にソフトウエア、顧客関係及び商標権からなっており、その見積耐用年数にわたり定額法で償却しております。その見積耐用年数は1年から20年です。耐用年数が確定できない無形資産又は未だ使用可能ではない無形資産は償却を行わず、耐用年数が明らかになるまで減損テストを行っております。
当社グループは、棚卸資産及び繰延税金資産を除く非金融資産の帳簿価額について、報告期間の末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額に基づく減損テストを実施しております。のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能ではない無形資産については、減損の兆候の有無に関わらず毎年減損テストを実施しております。
減損テスト実施の単位である資金生成単位については、他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成させるものとして識別される資産グループの最小単位としております。のれんの資金生成単位については、内部管理目的でモニターされている最小の単位で、集約前における事業セグメントの範囲内となっております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値及び将来キャッシュ・フローの見積りにおいて考慮されていない当該資産に固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いております。
全社資産は独立したキャッシュ・インフローを生成しないため、全社資産に減損の兆候がある場合、当該全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額に基づき減損テストを実施しております。
減損損失は、資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合に認識しております。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に当該単位内のその他の資産に対し、各資産の帳簿価額の比に基づき配分しております。
過去の期間に減損損失を認識した資産又は資金生成単位については、過去の期間に認識した減損損失の戻し入れの兆候の有無を判断しております。減損損失の戻し入れの兆候が存在する資産又は資金生成単位については、回収可能価額を見積り、回収可能価額が帳簿価額を上回る場合に減損損失の戻し入れを行っております。減損損失の戻し入れ後の帳簿価額は、減損損失を認識しなかった場合に戻し入れが発生した時点まで減価償却又は償却を続けた場合の帳簿価額を上限としております。なお、のれんに関連する減損損失は戻し入れをしておりません。
① 借手としてのリース
当社グループは、リースの契約時に、当該契約がリース又はリースを含んだものであるのか否かを判定しております。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判定しております。
原資産が不動産である場合、契約の対価を、独立価格の比率に応じてリース構成部分と非リース構成部分に配分しております。また、原資産が不動産以外である場合、リース構成部分と非リース構成部分を区別せずに、単一のリース構成部分として会計処理をすることを選択しております。契約がリースであるか又はリースを含んでいる場合、当社グループはリースの開始日において使用権資産及びリース負債を認識しております。
リース負債は、リース料総額の未決済分を開始日における借手の追加借入利子率を用いて割り引いた現在価値で測定しております。使用権資産は、リース負債の当初測定額に前払リース料等を調整した額で当初の測定を行っております。
使用権資産については、原価モデルを適用し、見積耐用年数又はリース期間のいずれか短い方の期間にわたって定額法により減価償却しております。リース料は、実効金利法に基づき、金利費用とリース負債の返済額とに配分しております。金利費用は連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示しております。ただし、リース期間が12か月以内の短期リース及び原資産が少額のリースについては、使用権資産及びリース負債を認識せず、当該リースに関連したリース料を、リース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
② 貸手としてのリース
契約により、実質的にすべてのリスク及び経済的便益が借手に移転するリースは、ファイナンス・リースとして分類しております。ファイナンス・リース以外のリースはオペレーティング・リースに分類しております。
製造業者又は販売業者としての貸手となる場合、ファイナンス・リースに係る販売損益は、物品販売と同様の会計方針に従って認識しております。金融収益については、リース期間の起算日以降実効金利法に基づき認識しております。製造業者又は販売業者としての貸手にならない場合、金融収益について、リース期間の起算日以降実効金利法に基づき認識しております。計算利子率は、最低受取リース料総額と無保証残存価値を合計した現在価値を、リース資産の公正価値と貸手の当初直接コストの合計額と等しくする割引率で算定しております。
オペレーティング・リースに係る収益は、リース期間にわたり定額法で認識しております。
引当金は、当社グループが過去の事象の結果として現在の債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益をもつ資源の流出が必要となる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。
貨幣の時間的価値の影響が重要である場合、引当金は当該債務に特有のリスクを反映させた割引率を用いた現在価値により測定しております。
資産除去債務は、資産の解体・除去費用、原状回復費用、並びに資産を使用した結果生じる支出に関して引当金を認識するとともに、当該資産の取得原価に加算しております。将来の見積費用及び適用された割引率は毎年見直され、修正が必要と判断された場合は当該資産の帳簿価額に加算又は控除し、会計上の見積りの変更として処理しております。
製品保証引当金は、製品のアフターサービスに対する費用支出に備えるため、保証期間内のサービス費用見積額に基づき計上しております。なお、製品保証引当金繰入額は、連結損益計算書上、売上原価に含めて表示しております。
政府補助金は、その補助金交付に付帯する諸条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られた時に公正価値で認識しております。収益に関する補助金は、補助金により保証される期間にわたって、純損益として認識しています。純損益として認識された補助金については主に関連する費用から控除しております。また、資産の取得に対する補助金は、繰延収益として認識し、補助金の対象設備の耐用年数にわたって、純損益で認識しております。
① 退職後給付
当社グループは、確定給付型年金制度及び確定拠出型年金制度を採用しています。
確定給付型年金制度に関連する純債務は、制度ごとに従業員が過年度及び当連結会計年度において獲得した将来給付額の現在価値から制度資産の公正価値を差し引くことにより算定しています。確定給付型年金制度から生じる数理計算上の差異はその他の包括利益で認識し、発生時にその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えています。また、過去勤務費用は発生時に純損益として認識しています。
確定拠出型年金制度の拠出は、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として認識しています。
② 短期従業員給付
短期従業員給付は、関連するサービスが提供された時点で費用として認識しています。当社グループが従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的及び推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合、支払われると見積られる額を負債として認識しています。
当社グループは、持分決済型の株式報酬制度及び現金選択権付きの株式報酬制度を採用しております。
持分決済型の株式報酬制度において、受け取ったサービスの対価は、付与した資本性金融商品の付与日における公正価値を参照して測定し、付与日から権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。
現金選択権付きの株式報酬制度において、企業に現金または他の資産で決済する負債が発生している場合にはその範囲で現金決済型の取引として、そのような負債が発生していない場合には、その範囲で持分決済型の取引として処理しております。持分決済型の取引に該当する部分については、付与した資本性金融商品の付与日における公正価値を参照して測定し、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。現金決済型の取引に該当する部分については、受け取ったサービス及び発生した負債を、当該負債の公正価値によって見積り、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を負債の増加として認識しております。
当社グループは、非デリバティブ金融資産及び金融負債をそれぞれ、(ⅰ)償却原価で測定する金融資産、(ⅱ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品、(ⅲ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品、(iv)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産、(v)償却原価で測定する金融負債、(vi)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しております。
① 当初認識及び測定
当社グループは、営業債権及びその他の債権を発生日に当初認識しております。通常の方法で売買される金融資産は決済日に当初認識しております。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は公正価値で当初認識しております。償却原価で測定する金融資産、並びに、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品及び資本性金融商品は、取得に直接起因する取引コストを公正価値に加算した金額で当初認識しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない売上債権は、取引価格で当初測定しております。
② 分類及び事後測定
(ⅰ)償却原価で測定する金融資産
当社グループが保有する金融資産のうち、以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
当初認識後、実効金利法を用いて算定し、必要な場合には減損損失を控除した金額で測定しております。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得又は損失は、当期の純損益で認識しております。
(ⅱ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品
当社グループが保有する金融資産のうち、以下の要件をともに満たす場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方を目的とする事業モデルに基づいて保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
当初認識後は公正価値で測定し、事後的な変動のうち、為替差損益、減損利得又は減損損失、利息収益は純損益に認識し、その他の変動は、その他の包括利益に含めて認識しております。認識を中止した場合には、その他の包括利益の累積額を純損益に振り替えております。
(ⅲ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品以外の金融資産のうち、当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益で表示するという取消不能な選択をした資本性金融商品については、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に分類しております。
当初認識後は公正価値で測定し、その変動額はその他の包括利益として認識しております。当該金融資産の公正価値が著しく下落した場合、又は認識を中止した場合にはその他の包括利益の累積額を利益剰余金に直接振り替えております。
なお、当該金融資産からの配当金については、純損益として認識しております。
(iv)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産、又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品及び資本性金融資産以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しております。
(v)償却原価で測定する金融負債
当社グループが保有する社債及び借入金、営業債務及びその他の債務については公正価値から金融負債の発行に直接帰属する取引費用を控除して当初認識しております。
当初認識後は、これらの金融負債は償却原価で測定しております。
(vi)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債以外の金融負債は、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しております。
当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しております。
③ 非デリバティブ金融資産及び非デリバティブ金融負債の認識の中止
金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は、当該金融資産の所有に係るリスク及び便益を実質的にすべて移転する取引において金融資産を譲渡する場合に、当該金融資産の認識を中止しております。
金融負債は、契約上の義務が免責、取消、又は失効となった場合に、認識を中止しております。
④ 非デリバティブ金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産等に係る減損につきましては、当該金融資産に係る予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しております。当社グループは、事業年度の末日ごとに、金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しております。信用リスクが著しく増大しているか否かの判断は、債務不履行が発生するリスクの変化に基づいており、その判断にあたっては、一定の期日経過情報や取引先の財政状態悪化等の客観的情報を考慮しております。
金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を12ヶ月の予想信用損失と同額で測定しております。金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない売上債権等については、単純化したアプローチにより貸倒引当金を測定しております。
金融商品の予想信用損失は、以下のものを反映する方法で見積もっております。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、連結会計期間の末日時点で過大なコストや
労力をかけずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
当該測定に係る金額は、純損益として認識しております。減損損失認識後に減損損失を減額する事象が発生した場合は、減損損失の減少額を純損益として戻し入れております。
⑤ 資本
(ⅰ)普通株式
当社が発行した資本性金融商品の発行に直接関連する費用は、資本の控除項目として認識しております。
(ⅱ)自己株式
当初発行後に再取得した自己の資本性金融商品(自己株式)は、支払対価(株式の取得に直接起因する取引コストを含む)を、資本の控除項目として認識しております。自己株式を売却した場合、受取対価を資本の増加として認識しております。
⑥ デリバティブ及びヘッジ活動
当社グループは為替、金利に係る市場リスクを管理するためにデリバティブを利用しております。グループ内規定に基づき、売買目的及び投機目的のデリバティブは保有しておりません。当社グループはすべてのデリバティブを連結財政状態計算書に公正価値で認識しております。当社グループはデリバティブの契約を締結する際に、当該デリバティブがヘッジ関係の一部として適格であるか否かの判定を行っております。当社グループはヘッジ会計が適用されるデリバティブを、(ⅰ) 連結財政状態計算書に計上された資産又は負債の公正価値の変動をヘッジするための公正価値ヘッジ、(ⅱ) 連結財政状態計算書に計上された資産又は負債に付随する受払い及び可能性が非常に高い予定取引に関連するキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのキャッシュ・フロー・ヘッジのいずれかとして指定しております。
当社グループはリスク管理の目的や様々なヘッジ取引の戦略とあわせて、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係について正式に文書化しております。このプロセスには、公正価値ヘッジ又はキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されるすべてのデリバティブと、連結財政状態計算書の特定の資産及び負債又は特定の確定約定あるいは可能性が非常に高い予定取引との関連付けが含まれております。
(ⅰ)公正価値ヘッジ
公正価値ヘッジとして指定されるデリバティブについては公正価値評価され、デリバティブの公正価値の変動による純損益と、ヘッジ対象の公正価値の変動による純損益を相殺しております。
(ⅱ)キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されるデリバティブについては、ヘッジが有効である部分の公正価値の変動額をその他の包括利益に含めて表示し、ヘッジされた取引が純損益に影響を与える時点で純損益に組替えております。キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジの有効でない部分については直ちに純損益に計上しております。
(ⅲ)ヘッジ会計が適用されないデリバティブ
ヘッジ会計が適用されないデリバティブは公正価値で計上し、公正価値の変動額は当期の純損益に計上しております。
当社グループは、以下の5ステップアプローチに基づき収益の認識及び測定を行っています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
具体的な収益認識の基準は注記28 売上高 に記載しております。
金融収益は主に受取配当金、受取利息及び為替差益から構成されております。受取配当金は当社グループの受領権が確定した日に認識しております。受取利息は実効金利法を用いて発生時に認識しております。
金融費用は主に支払利息及び為替差損から構成されております。支払利息は実効金利法を用いて発生時に認識しております。
法人所得税費用は当期税金費用と繰延税金費用から構成されております。これらは、その他の包括利益又は資本で直接認識する項目から生じる場合、及び企業結合から生じる場合を除き、純損益で認識しております。
当期税金は、期末日時点において施行又は実質的に施行される法定税率及び税法を使用して算定する当期の課税所得又は損失に係る納税見込額あるいは還付見込額の見積りに、前連結会計年度までの納税見込額あるいは還付見込額の調整額を加えたものです。
繰延税金資産及び負債は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務基準額との一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しております。企業結合以外の取引で、かつ取引時に会計上の利益にも課税所得(税務上の欠損金)にも影響を及ぼさない取引における資産又は負債の当初認識に係る差異については、繰延税金資産及び負債を認識しておりません。さらに、のれんの当初認識において生じる将来加算一時差異についても、繰延税金負債を認識しておりません。ただし、単一の取引から資産と負債の両方を同額で認識する特定の取引については、認識される資産に係る将来加算一時差異に対し繰延税金負債を、認識される負債に関する将来減算一時差異に対し繰延税金資産を、それぞれ当初認識する方法を採用しています。
子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異について繰延税金負債を認識しております。ただし、一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合には認識しておりません。子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異から発生する繰延税金資産は、一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得があり、予測可能な将来に解消される可能性が高い範囲でのみ認識しております。
繰延税金資産及び負債は、期末日時点において施行又は実質的に施行される法律に基づいて、資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率を用いて測定しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、又は、異なる納税主体に課されているものの、これらの納税主体が当期税金資産及び負債を純額で決済することを意図している場合、もしくはこれら税金資産を実現させると同時に負債を決済することを予定している場合に相殺しております。
繰延税金資産は、未使用の税務上の欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産は毎期末日に再査定し、税務便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲内で、繰延税金資産の帳簿価額を減額しております。
基本的1株当たり利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、各算定期間の自己株式を調整した普通株式の加重平均発行済株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり利益は、加重平均発行済株式数の算定において、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を考慮しております。
事業セグメントとは、他の事業セグメントとの取引を含む、収益を稼得し費用を発生させる事業活動の構成単位の1つです。すべての事業セグメントの事業の成果は、個別にその財務情報が入手可能なものであり、かつ各セグメントへの経営資源の配分及び業績の評価を行うために、マネジメントが定期的にレビューしております。
4 適用されていない基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、2025年3月31日現在において当社グループが適用していない主なものは、以下のとおりです。IAS第21号「外国為替レート変動の影響」の改定及びIFRS第19号「公的説明責任のない子会社:開示」の新設については、当社グループの連結財務諸表に重要な影響はないと判断しております。それ以外の新設・改訂による当社グループへの影響は検討中であります。
5 事業セグメント
当社グループにおける事業の種類別セグメントは、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ、その他で構成されております。
事業の種類別セグメントの主な事業内容は以下のとおりです。
(注)事業セグメントとしてのデジタルサービスはオフィスサービス事業及びオフィスプリンティングの販売を主とした事業に限定した事業セグメントであり、当社グループが目指す「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」への変革、として掲げるデジタルサービスすべてを網羅しているものではありません。当社グループが「デジタルサービスの会社」として掲げる「デジタルサービス」は、事業セグメントではデジタルサービスの他、すべてのセグメントの事業内容に含まれております。
セグメント損益は、営業利益で表示しており、当社の経営者により経営資源の配分の決定や業績の評価の目的に使用されております。セグメント損益に含まれない項目としては、主にセグメント間取引における棚卸資産・固定資産の未実現利益の消去となります。
前連結会計年度及び当連結会計年度における事業の種類別セグメント及び地域別情報は以下のとおりです。セグメント間取引は独立企業間価格で行っております。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、連結売上高の 10%以上を占める重要な単一顧客はありません。
セグメント間の売上高は、主にデジタルプロダクツからデジタルサービスに対する売上です。
消去又は全社には、国内でのセカンドキャリア支援制度の実施に伴う一時費用を含みます。
前連結会計年度及び当連結会計年度のセグメントごとの構造改革費用は以下のとおりです。
本社又は全社には、国内でのセカンドキャリア支援制度の実施に伴う一時費用を含みます。
前連結会計年度及び当連結会計年度のセグメントごとの資産合計、資本的支出、減価償却費及び無形資産償却費は以下のとおりです。
各資産は、その資産から主に利益を享受する事業の種類別セグメントに割り当てられております。
本社又は全社に含まれる資産の主なものは、特定のセグメントに属さない現金及び現金同等物、その他の金融資産、持分法で会計処理されている投資、繰延税金資産です。
(2) 製品別売上高情報
製品別の外部顧客に対する売上高は以下のとおりです。
(3) 地域別情報
顧客の所在地別売上高、地域別非流動資産(有形固定資産、使用権資産、のれん及び無形資産)残高は以下のとおりです。
6 企業結合及び非支配持分の取得
(前連結会計年度)
(PFH Technology Group Unlimited Company)
(1) 企業結合の概要
① 被取得企業の名称及び事業の内容
被取得企業の名称:PFH Technology Group Unlimited Company(以下、PFH)
事業の内容 :ITインフラストラクチャ、クラウド、マネージドワークプレイスサービス等
② 株式の取得の理由
当社の100%連結子会社であるRICOH EUROPE HOLDINGS PLCは、デジタルサービスの拡大に向けて、アイルランドにおけるITインフラストラクチャ、クラウド、マネージドワークプレイスサービス等の大手プロバイダーであるPFHの全ての株式を取得し、同社を連結子会社としました。本株式取得により、欧州ビジネスのハブかつIT産業の集積地であるアイルランドを拠点にITサービスを展開し、お客様のDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現することで、当社が事業ポートフォリオマネジメントにおいて成長加速領域と位置づけるオフィスサービス事業を汎欧州で拡大させます。
③ 企業結合日
2023年6月1日
④ 取得した議決権比率
100%
(2) 取得対価及びその内訳
(注) 条件付対価は、PFHの業績目標の達成状況に応じて合意された条件に基づいて算定され、23.16百万ユーロを支払う可能性があります。
(3) 取得関連費用
企業結合に係る取得関連費用として 188百万円が連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上されております。
(4) 取得資産及び引受負債の公正価値、のれん
のれんは、主に超過収益力及び既存事業とのシナジー効果を反映しております。この取得は取得法を適用して会計処理し、取得価額は取得資産及び引受負債の見積公正価値に基づいて配分しております。第3四半期連結会計期間においては、取得価額の取得した資産及び負債への配分が確定しておらず、暫定的な会計処理を行っておりましたが、前第4四半期連結会計期間に確定しております。この暫定的な会計処理の確定に伴い、取得資産及び引受負債の公正価値、及びのれんの金額は、上記のとおり変動しております。取得日以降の営業成績は連結財務諸表に含まれております。
(5) 当社グループの業績に与える影響
当企業結合に係る取得日以降の損益情報及び当企業結合が期首に実施されたと仮定した場合の損益情報は、連結損益計算書に与える影響額に重要性が乏しいため、記載を省略しております。
なお、上記以外の企業結合については個別にも全体としても重要性がないため、記載を省略しております。
(当連結会計年度)
(合弁会社「エトリア株式会社」の組成)
当社と東芝テック株式会社(以下、東芝テック)は、両社の複合機等の開発・生産に関する事業を統合(以下、本事業統合)するに当たっての諸条件を定めた契約を2023年5月19日に締結しました。これに基づき、当社と東芝テックは、2024年7月1日付で、両社の複合機等の開発・生産に関する事業を統合し、両社を株主とするリコーテクノロジーズ株式会社を母体とした複合機等の開発・生産を担う合弁会社 「エトリア株式会社」(以下、ETRIA)の組成を完了しました。これにより、ETRIAは、当社の連結子会社となり、当社は東芝テックの複合機等の開発・生産に関する事業を取得しました。
(1) 企業結合の概要
① 取得事業の内容
東芝テックの複合機、オートIDシステム並びにそれらの関連商品の開発、製造等
② 企業結合の目的
当社は、使命と目指す姿に「“はたらく”に歓びを」を掲げ、持続的な成長とさらなる発展を目指してデジタルサービスの会社への変革に取り組んでいます。お客様に寄り添い、各種エッジデバイスと最適なアプリケーションを組み合わせてお客様の業務プロセスの変革と新たな価値創造に貢献しています。東芝テックは、経営理念である「ともにつくる、つぎをつくる。」を実践し、お客様やパートナーとともに新たな価値と社会課題解決のためのソリューションを共創するプラットフォーマーとして「グローバルトップのソリューションパートナー」になることを目指しております。
両社は、オフィスプリンティング市場の環境変化に対応するために、複合機等の開発・生産を担う合弁会社を組成し、オフィスプリンティング分野のものづくりの競争力・事業基盤の強化及び両社の技術・リソースを活用した新たな現場ソリューションの共同企画・開発を実現していきます。
両社は、共創により生み出した競争力のある高品質・高付加価値な製品を、それぞれのブランドで、それぞれの会社のユニークなユーザーエクスペリエンスを追求した製品として世界市場向けに提供します。それぞれの販売チャネルを通じて、様々なソフトウエアやサービスと組み合わせたソリューションとして提供し、顧客基盤や強みを生かしてお客様の業務ごとのニーズに寄り添ったデジタル化やワークフロー改善による生産性の向上に貢献します。そして、お客様が取り組むオフィスや現場のDX実現を支援することで、社会課題の解決に貢献します。
③ 企業結合日
2024年7月1日
④ ETRIAに対する議決権比率
85%
(2) 本事業統合及び本吸収分割の要旨
① 本事業統合及び本吸収分割の方式
本事業統合の範囲は、両社の国内・海外の複合機等の開発・生産に関する事業です。両社の対象事業をETRIAに承継させるため、主として吸収分割の方法により、本事業統合を実施しました。当社の吸収分割は、当社を吸収分割会社、ETRIAを吸収分割承継会社とする吸収分割です。東芝テックの吸収分割は、東芝テックを吸収分割会社、ETRIAを吸収分割承継会社とする吸収分割です。
② 本吸収分割に係る割当の内容
ETRIAは、当社の吸収分割の効力発生により承継する権利義務の対価として、当社に対してETRIAが新たに発行するその普通株式55株を、東芝テックの吸収分割の効力発生により承継する権利義務の対価として、東芝テックに対してETRIAが新たに発行するその普通株式45株を、それぞれ割当て交付しました。この結果、当社が保有するETRIA株式は従前保有していた普通株式と合わせて255株となり、ETRIAへの出資比率は、当社が85%、東芝テックが15%となりました。
(3) 取得対価及びその内訳
ETRIA株式 23,800百万円
(4) 取得関連費用
企業結合に係る取得関連費用として 202百万円が連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上されております。
(5) 取得資産及び引受負債の公正価値、非支配持分及びのれん
非支配持分は、被取得企業の識別可能な純資産の認識金額に対する非支配株主の持分割合で測定しております。のれんは、主に超過収益力及び既存事業とのシナジー効果を反映しております。この取得は取得法を適用して会計処理し、取得価額は取得資産及び引受負債の見積公正価値に基づいて配分しております。中間連結会計期間末においては、取得価額の取得した資産及び負債への配分が確定しておらず、暫定的な会計処理を行っておりましたが、当第4四半期連結会計期間に確定しております。この暫定的な会計処理の確定に伴い、取得資産及び引受負債の公正価値、非支配持分及びのれんの金額は、上記のとおり変動しております。取得日以降の営業成績は連結財務諸表に含まれております。
(6) 当社グループの業績に与える影響
当企業結合に係る取得日以降に生じた売上高及び当期利益はそれぞれ 66,614百万円及び 1,618百万円であります。また、当企業結合が期首に実施されたと仮定した場合における、当社グループの当連結会計年度の売上高及び当期利益(プロフォーマ情報)は、対象事業を旧会社から吸収分割で承継していることから、当該金額の正確な区分把握が困難であるため、記載を省略しております。
(7) 非支配持分との取引による親会社の所有持分の変動
ETRIA組成により、ETRIAの母体となったリコーテクノロジーズ株式会社及び当社が吸収分割によりETRIAに承継させた事業に対する当社の所有持分は100%から85%となりました。持分の譲渡対価 23,800百万円と増加した非支配持分の帳簿価額 17,197百万円との差額である 6,603百万円を資本剰余金の増加として処理しております。
なお、上記以外の企業結合については個別にも全体としても重要性がないため、記載を省略しております。
(株式会社PFUの完全子会社化)
当社は2025年3月7日付で株式会社PFUの発行済み株式数の20%を追加取得し、当社の完全子会社としました。追加取得の対価として、22,670百万円の現金が非支配株主に支払われ、非支配株主に付与していたPFU株式の売建プット・オプションに係る金融負債を取り崩しております。また、追加取得に際して非支配持分 18,305百万円を資本剰余金に振り替えております。
7 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は以下のとおりです。
8 営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は以下のとおりです。
上記のうち、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、12ヶ月を超えて回収される営業債権及びその他の債権の金額に重要性はありません。
9 棚卸資産
棚卸資産の内訳は以下のとおりです。
費用として認識された棚卸資産の評価減の金額は以下のとおりであり、連結損益計算書の「売上原価」に含まれています。
10 売却目的で保有する資産
(前連結会計年度)
前連結会計年度において、車載ステレオカメラやプロジェクター用光学レンズモジュール等の開発・製造・販売を行うオプティカル事業を譲渡することを決議し、株式譲渡契約を締結しました。この結果、1年以内に売却が見込まれることにより、IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に基づき、オプティカル事業に関する資産及び負債を「売却目的で保有する資産」及び「売却目的で保有する資産に直接関連する負債」に組替えています。また、組替え時に帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い方で測定しており、帳簿価額での組替えを実施しています。当該資産及び負債は、セグメント上、インダストリアルソリューションズに含まれております。
売却目的で保有する資産及び直接関連する負債の内訳は、以下のとおりです。
(当連結会計年度)
該当事項はありません。
11 有形固定資産
有形固定資産の帳簿価額の増減、取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額は以下のとおりです。
〔帳簿価額〕
〔取得原価〕
〔減価償却累計額及び減損損失累計額〕
12 のれん及び無形資産
のれん及び無形資産の帳簿価額の増減、取得原価、償却累計額及び減損損失累計額は以下のとおりです。
〔帳簿価額〕
〔取得原価〕
〔償却累計額及び減損損失累計額〕
開発資産の償却費は連結損益計算書の「売上原価」に、その他の無形資産の償却費は連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」にそれぞれ含めております。
13 減損損失
(1) 減損損失を認識した資産のセグメント別及び資金生成単位(グループ)別内訳
減損損失を認識した資産のセグメント別及び資金生成単位(グループ)別内訳は、以下のとおりです。
(2) 減損損失を認識した資産の種類別内訳
減損損失を認識した資産の種類別内訳は、以下のとおりです。
減損損失は、前連結会計年度の連結損益計算書の「売上原価」に 28百万円、「販売費及び一般管理費」に 1,023百万円、「のれんの減損」に 619百万円、当連結会計年度の「売上原価」に 21百万円、「販売費及び一般管理費」に 699百万円、「のれんの減損」に 1,311百万円、それぞれ含まれております。
(3) 認識した減損損失及び認識に至った事象及び状況
(前連結会計年度)
当社グループは前連結会計年度において、重要な減損損失は計上しておりません。
(当連結会計年度)
当社グループは当連結会計年度において、重要な減損損失は計上しておりません。
(4) のれんの減損テスト
(前連結会計年度)
のれんの減損テストの回収可能価額は、主に使用価値に基づき算定しております。使用価値は、主として経営者が承認した事業計画と事業計画期間後の成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて計算しております。成長率は、資金生成単位又は資金生成単位グループが属する市場の長期期待成長率を参考に決定しております(△3%~2%)。割引率は、各資金生成単位又は資金生成単位グループの税引前の加重平均資本コストを基礎に算定しております(12%~18%)。事業計画は5年を限度としており、市場の長期期待成長率を超過する成長率は用いておりません。
なお、注記2 作成の基礎 (6)見積り及び判断の利用に記載のとおり、見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの改定は、見積りが改定された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。
翌連結会計年度中にのれんの帳簿価額に重要な修正を生じるリスクがある資金生成単位又は資金生成単位グループとしては、オフィスプリンティング(欧州販売グループ)があります。オフィスプリンティング(欧州販売グループ)における回収可能価額は、使用価値により測定しており、帳簿価額を十分に上回っております。使用価値の見積りにおいて、事業計画におけるオフィスプリンティング事業の複合機等の販売台数やプリント出力量及び販売価格、関連コスト、事業計画期間後の成長率、並びに割引率を重要な仮定と認識しております。これらの仮定には、オフィスプリンティング市場が成熟フェーズに移行していることやコスト環境の変化等の影響を踏まえた上で、付加価値販売等のプライシングコントロール等の効果を考慮しております。
上記含めてのれんが配分されている資金生成単位又は資金生成単位グループは、回収可能価額の基礎となっている主要な仮定(成長率、割引率等)に合理的に起こりうる変化があっても、帳簿価額は回収可能価額を超える可能性は低いと考えております。
(当連結会計年度)
のれんの減損テストの回収可能価額は、主に使用価値に基づき算定しております。使用価値は、主として経営者が承認した事業計画と事業計画期間後の成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて計算しております。成長率は、資金生成単位又は資金生成単位グループが属する市場の長期期待成長率を参考に決定しております(△2%~2%)。割引率は、各資金生成単位又は資金生成単位グループの税引前の加重平均資本コストを基礎に算定しております(12%~18%)。事業計画は5年を限度としており、市場の長期期待成長率を超過する成長率は用いておりません。
なお、注記2 作成の基礎 (6)見積り及び判断の利用に記載のとおり、当社グループは、米国の新たな関税政策の導入による影響については、今後の動向や影響期間の予測は困難な状況であるため、翌連結会計年度までの関税費用の増加、及び生産・商物流、価格政策等の対策の効果、需要の減少による業績影響のみを見込んでおります。
翌連結会計年度中にのれんの帳簿価額に重要な修正を生じるリスクがある資金生成単位又は資金生成単位グループとしては、オフィスプリンティング(欧州販売グループ)があります。オフィスプリンティング(欧州販売グループ)における回収可能価額は、使用価値により測定しており、帳簿価額を十分に上回っております。使用価値の見積りにおいて、事業計画における複合機などの販売台数やプリント出力量及び販売価格、関連コスト、事業計画期間後の成長率、並びに割引率を重要な仮定と認識しています。これらの仮定には、オフィスプリンティング市場が成熟フェーズに移行していることやコスト環境の変化等の影響を踏まえた上で、効率的なMIFマネジメント・顧客ターゲティングの徹底により収益維持・改善等の効果を考慮しています。
上記含めてのれんが配分されている資金生成単位又は資金生成単位グループは、回収可能価額の基礎となっている主要な仮定(成長率、割引率等)に合理的に起こりうる変化があっても、帳簿価額は回収可能価額を超える可能性は低いと考えております。
また、減損損失認識後ののれんの帳簿価額の資金生成単位又は資金生成単位グループごとの内訳は、以下のとおりです。
(注)「デジタルイメージング」はPFUの一部にかかるものです。
14 リース
(1) 貸手側
リース債権はその他の金融資産に含まれております。
当社グループは、主に当社グループの製品のリース事業を行っております。これらのリース取引は、そのほとんどがファイナンス・リースに分類されます。
当社グループの製品に関する中古流通市場の存在や、顧客との契約延長等の販売上の手段を有しているため、リース機器の残存価値リスクに重要なものはありません。
①ファイナンス・リース
当社グループが保有するファイナンス・リースに基づく将来の受取額は以下のとおりです。
連結損益計算書に含まれるファイナンス・リースに係る損益及び収益は以下のとおりです。
②オペレーティング・リース
当社グループが保有するオペレーティング・リースに基づく将来の受取額は以下のとおりです。
連結損益計算書に含まれるオペレーティング・リースに係る収益は以下のとおりです。
(2) 借手側
当社グループは、土地、建物、機械装置、器具備品を含む多くの資産をリースしています。当社グループが借手となるリースの情報は以下のとおりです。
①使用権資産
使用権資産の帳簿価額の内訳は以下のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度における使用権資産の増加額はそれぞれ 34,982百万円及び 44,002百万円です。
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるリースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額は、それぞれ 32,547百万円及び 39,511百万円です。
②使用権資産に関連する損益
使用権資産に関連する損益は以下のとおりです。
変動リース料、サブリース収入、及びセール・アンド・リースバック取引から生じた利得又は損益は重要ではありません。
リース負債に係る金利費用については注記31 金融収益及び金融費用、リース負債の満期分析については注記26 金融商品及び関連する開示 (4)流動性リスク管理 に記載しております。
③延長オプション及び解約オプション
当社グループにおいては、各社がリース契約の管理に責任を負っており、リース条件は個々に交渉され、幅広く異なる契約条件となっております。延長オプション及び解約オプションは、主に営業所及び倉庫に係る不動産リースに含まれております。これらのオプションは、リース契約主体が不動産を事業に活用する上で、必要に応じて使用されております。
15 その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は以下のとおりです。
16 その他の投資
その他の投資の内訳は以下のとおりです。
17 営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は以下のとおりです。
18 社債及び借入金
社債及び借入金の内訳は以下のとおりです。
すべての普通社債は、各々の引受契約に規定されているいくつかの条件により当社グループの任意で償還できます。
普通社債には、引受契約に規定されている追加担保借入制限等いくつかの条件がありますが、当社グループは2025年3月31日現在、それらの条件を遵守しております。
短期借入金の内訳は以下のとおりです。
(注)加重平均年利については、借入金等の期末残高に対する利率を記載しております。
財務活動に係る負債の変動は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (百万円)
(注1)1年内返済及び償還予定の残高を含んでおります。
(注2)連結キャッシュ・フロー計算書に記載している長期借入債務による調達及び長期借入債務の返済には、3か月超1年未満の借入債務の調達及び返済金額を含んでおります。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) (百万円)
(注1)1年内返済及び償還予定の残高を含んでおります。
(注2)連結キャッシュ・フロー計算書に記載している長期借入債務による調達及び長期借入債務の返済には、3か月超1年未満の借入債務の調達及び返済金額を含んでおります。
19 引当金
当連結会計年度における引当金の増減は以下のとおりです。
資産除去債務は、主に賃借事業所・建物等に対する原状回復義務及び固定資産に関連する有害物質の除去に関するものです。将来において経済的便益の流出が予測される時期は、主に連結会計年度期末日より1年を経過した後の時期であることが見込まれておりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
製品保証引当金は、製品が合意された仕様に従っているという保証に対する費用支出に備えるため、保証期間内の費用見積額に基づき計上しております。なお、製品保証引当金繰入額は、連結損益計算書上、「売上原価」に含めて表示しております。
構造改革費用引当金は、さらなる競争力強化のために固定費の削減を進める等、構造改革活動に対する費用支出に備えるために計上しております。支払時期は、主に翌連結会計年度に支払われることが見込まれておりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
その他の引当金には、訴訟損失引当金等が含まれております。
20 その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は以下のとおりです。
21 政府補助金
政府補助金は、主として、オフィスプリンティング分野において、開発拠点における設備の投資案件に関連して発生したものです。政府補助金は、補助金の対象設備の耐用年数にわたって均等に連結損益計算書において純損益として認識されます。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における政府補助金の残高は、3,621百万円及び 3,378百万円であり、連結財政状態計算書の「その他の流動負債」「その他の非流動負債」に繰延収益として含まれております。
繰延収益として認識された政府補助金に付随する未履行の条件もしくはその他の偶発事象はありません。
22 法人所得税
繰延税金資産及び繰延税金負債の主な内訳は以下のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度の繰延税金資産及び繰延税金負債の純額の増減内容は以下のとおりです。
当社グループは、繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除の一部又は全部が将来課税所得に対して利用できる可能性が高いかどうかを考慮しております。最終的な繰延税金資産の実現は、一時差異が控除可能な期間及び繰越欠損金が利用できる期間における将来の課税所得の発生に依存します。当社グループは、実現可能性の評価にあたり、繰延税金負債の実現予定時期、予想される将来の課税所得及び税務戦略を考慮しております。過去の課税所得の水準及び一時差異が控除可能な期間及び繰越欠損金が利用できる期間における将来の課税所得見込みに基づき、当社グループは当連結会計年度末現在の認識された繰延税金資産は実現する可能性が高いと考えております。繰延期間における将来の見積課税所得が減少した場合には、実現する可能性が高いと考えられる繰延税金資産は減少することになります。
なお、注記2 作成の基礎(6)見積り及び判断の利用に記載のとおり、見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの改定は、見積りが改定された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。当社グループは、米国の新たな関税政策の導入による影響については、今後の動向や影響期間の予測は困難な状況であるため、翌連結会計年度までの関税費用の増加、及び生産・商物流、価格政策などの対策の効果、需要の減少による業績影響のみを見込んでおります。当社グループは、日本国内においてグループ通算制度を適用しており、認識された繰延税金資産の大部分は通算グループに係る繰延税金資産であります。将来の通算グループの課税所得の見積りにおいて、事業計画におけるオフィスサービス事業の売上高、オフィスプリンティング事業の複合機やトナー等の消耗品の販売価格と販売数量、及び関連コスト等を重要な仮定と認識しております。これらの仮定には、オフィスプリンティング市場が成熟フェーズに移行していることを踏まえた上で、オフィスサービス事業の成長及びオフィスプリンティング事業の効率的なMIFマネジメント・顧客ターゲティングの徹底により収益維持・改善等の効果を考慮しております。
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金及び将来減算一時差異、繰越外国税額控除は以下のとおりです。
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の金額と繰越期限は以下のとおりです。
上記にはグループ通算制度の適用外である、地方税(住民税及び事業税)にかかる繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の金額を含めておりません。前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の地方税(住民税及び事業税)にかかる繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の金額は、それぞれ住民税分 1,778百万円及び 2,624百万円、事業税分 41,634百万円及び 45,100百万円です。
前連結会計年度又は当連結会計年度において税務上の欠損金が発生しており、かつ繰延税金資産の回収可能性が将来の課税所得の有無に依存している当社又は一部の子会社について、繰延税金負債を超過する繰延税金資産を前連結会計年度及び当連結会計年度において 37,811百万円及び 36,154百万円認識しております。これは当社及び各子会社が繰越欠損金、繰越外国税額控除及び将来減算一時差異を使用できるだけの課税所得を稼得する可能性が高いとする判断に基づいております。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、通算グループにおいて税務上の欠損金が生じているため、通算グループに関する繰延税金資産を含めております。
当期税金費用及び繰延税金費用の内訳は以下のとおりです。
税金費用には、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除又は過去の期間の一時差異から生じた便益の額が含まれております。これに伴う前連結会計年度及び当連結会計年度における税金費用の減少額はそれぞれ 2,525百万円及び 1,724百万円であります。
当社及び国内の連結子会社は、所得に対する種々の税金を課せられております。前連結会計年度及び当連結会計年度における法定実効税率は 31%です。
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月に公布されたことに伴い、当連結会計年度の繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用した標準法定実効税率は、前連結会計年度の 31%から、2026年4月1日以降に開始する連結会計年度に解消が見込まれる一時差異等については 32%に変更されております。
標準法定実効税率と実効税率との差異は以下のとおりです。
当社は、国内子会社で発生した未分配利益については、国内税法により国内子会社からの配当金がほぼ無税であるため、繰延税金負債を計上しておりません。また、海外子会社における前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の投資に係る将来加算一時差異 525,816百万円及び 515,878百万円について、当社が一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高いと認められるため、当該一時差異に関連する繰延税金負債を認識しておりません。
2023年3月、当社が所在する日本国の政府は、2024年4月1日以降に開始する事業年度から適用される第2の柱の税法を制定しました。この法律の下では、親会社は、実効税率が15%未満である子会社の利益に対して課税されるトップアップ税を、日本国で支払うことが要求されます。当社グループでは、2024年4月1日から開始される事業年度から適用されていますが、これらの課税が当社グループの連結財務諸表へ与える影響は軽微であります。なお、当該税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して、認識及び情報開示に対する例外を適用しております。
23 従業員給付
(1)確定給付型制度
当社グループは、確定給付型制度として確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を採用しております。給付額は、従業員の勤続年数や給与水準等に基づき算定されております。上記の年金制度への拠出額は、賃金及び給与の一定の比率により年金数理計算され、将来の年金給付に備えて積み立てられております。
当社及び一部の連結子会社は、年金規約に基づく規約型年金制度を設けております。当社及び一部の連結子会社は、従業員の同意を得て、受給資格、給付内容・方法、掛金負担等年金制度の内容を規定したリコーグループ企業年金規約を定め、年金規約について厚生労働大臣の承認を受けております。掛金の払込み及び積立金の管理等に関して信託銀行や保険会社等と契約を締結し制度を運営しております。契約を締結した信託銀行等は、年金資産の管理・運用を行うとともに、年金数理計算や年金・一時金の支給業務を行います。
当社及び一部の連結子会社は、法令、法令に基づく厚生労働大臣の処分及び規約を遵守し、加入者等のため忠実にその業務を遂行しなければならず、自己又は加入者等以外の第三者の利益を図る目的をもって資産管理運用契約を締結すること及び積立金の運用に関し特定の方法を指図することは禁止されております。
前連結会計年度及び当連結会計年度の確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の変動は以下のとおりです。
(注)1 前連結会計年度及び当連結会計年度の数理計算上の差異は主に財務上の仮定の変化により生じた差異です。
2 制度資産に係る収益には利息収益を含んでおりません。
3 前連結会計年度末及び当連結会計年度末の確定給付負債の純額に含まれる退職給付に係る資産は、それぞれ 26,636百万円及び 35,140百万円であり、連結財政状態計算書の「その他の非流動資産」に含まれております。
確定給付制度債務の現在価値の算定に使用した重要な数理計算上の仮定(加重平均)は以下のとおりです。
他の仮定に変更がないとして、以下に示された割合で割引率が変動した場合、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における確定給付制度債務は以下のとおり変動します。感応度分析はその他の仮定に変更がないことを前提としておりますが、実際には他の仮定の変化が感応度分析に影響する可能性があります。なお、給与水準の予想上昇率については変動を見込んでおりません。
前連結会計年度の制度資産の公正価値は以下のとおりです。
(注)海外制度の活発な市場における公表価格があるものは、主に金利変動やインフレ等による確定給付制度債務の現在価値の変動に制度資産を連動させるため、主にLiability Driven Investment(LDI)により運用しております。
当連結会計年度の制度資産の公正価値は以下のとおりです。
(注)海外制度の活発な市場における公表価格があるものは、主に金利変動やインフレ等による確定給付制度債務の現在価値の変動に制度資産を連動させるため、主にLiability Driven Investment(LDI)により運用しております。
当社グループの投資の目標は、特定のリスク管理方針のもとに収益を最大化することにあります。当社グループのリスク管理方針では、投資信託、負債有価証券及び持分有価証券に投資することを認めておりますが、デリバティブ金融商品について投機的に取引することは認めておりません。当社グループは国内外の確定利回り証券や国内外の持分証券に投資する投資信託へ投資することにより、資産の多様性を確保しております。これらの投資信託は支払いが必要となった退職給付債務の支払いに充てるために、随時売却することが可能です。当社グループの国内制度の資産ポートフォリオは、大きく3つの資産区分に分類されます。約40%を持分証券で運用し、約35%を負債証券で運用し、生保一般勘定等のその他の資産で約25%を運用しております。当社グループの海外制度の投資政策は、国ごとに異なっておりますが、長期的な投資の目的及び政策は以下のように一貫しております。約15%を持分証券で運用し、約65%を負債証券で運用し、生保一般勘定等のその他の資産で約20%を運用しております。
翌連結会計年度の制度資産への予想拠出額は 15,500百万円です。
当連結会計年度末における確定給付制度債務の加重平均デュレーションは 9年です。
(2)確定拠出型制度
当社グループでは、確定拠出年金制度を採用しております。前連結会計年度及び当連結会計年度における確定拠出年金制度にかかる年金費用はそれぞれ 13,838百万円及び 14,454百万円です。
(3)従業員給付費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれる従業員給付費用の合計額は、それぞれ 746,516百万円及び 791,860百万円です。
24 株式に基づく報酬
当社における役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託を用いた株式報酬制度
(a) 株式報酬制度の内容
当社は、当社取締役及び執行役員等(社外取締役を除く。以下、「取締役等」という。)を対象に、株主の皆様との利益・リスク共有意識を強化するとともに、持続的な成長と適切な株主還元も含めた株主価値の向上へのコミットメントを示すことを目的として、(ア)業績連動型株式報酬制度を導入しております。同制度は、2019年に導入した(イ)株価条件付株式報酬制度を一部変更したものです((ア)及び(イ)を総称して「両制度」という。)。
両制度では役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託を用いております。当社が拠出する金銭を原資として当社株式が本信託を通じて取得され、当社が定める「株式交付規程」に従い、当社が各取締役等に付与するポイント数に相当する数の当社株式が各取締役等に交付されます。なお、両制度の詳細については「第4 提出会社の状況」の「1 株式等の状況 (8)役員・従業員株式所有制度の内容」及び「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」に記載しております。
両制度は、持分決済型及び現金選択権付きの株式報酬として会計処理しております。
(b) 期中に付与されたポイント数及びポイントの加重平均公正価値
ポイントの付与日における公正価値は、当社株式の市場価値を、予想配当利回りを考慮に入れて修正し算定しております。期中に付与されたポイント数及びポイントの加重平均公正価値は、以下のとおりであります。
(c) 株式に基づく報酬費用
本制度に係る費用計上額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ 314百万円及び 280百万円であり、連結損益計算書上、「販売費及び一般管理費」に計上しております。
25 資本金及びその他の資本項目
(1) 資本金
当社の発行可能株式総数及び発行済株式総数は以下のとおりです。
発行済株式総数の減少は、自己株式の消却によるものです。
(2) 剰余金
①資本剰余金
会社法では、株式の発行に対しての払込又は給付に係る額の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれる資本準備金に組み入れることが規定されております。資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
②利益剰余金
会社法では、剰余金の配当により減少する剰余金の額の10分の1を、資本準備金及び利益剰余金に含まれる利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されております。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。
当社における会社法上の分配可能額は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成された親会社の会計帳簿上の利益剰余金の金額に基づいて算定されております。
また、会社法は分配可能額の算定にあたり一定の制限を設けております。当社の会計帳簿上、その他利益剰余金として記帳されている金額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ 123,720百万円及び 61,652百万円であり、上記の制約を受けておりません。
(3) 自己株式
発行済株式総数に含まれる自己株式数は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ 6,339,595株及び 582,794株です。なお、当社は、役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託を設定しており、当該信託が保有する当社株式(前連結会計年度末 314,000株及び当連結会計年度末 492,200株)を、自己株式に含めております。
(前連結会計年度)
当社は、2024年2月6日開催の取締役会決議に基づき自己株式を取得しております。当連結会計年度に取得した自己株式は、以下のとおりです。
(1)取得対象株式の種類 当社普通株式
(2)取得した株式の総数 5,941,800 株
(3)取得価額の総額 7,543,089,784 円
(4)取得期間 2024年2月7日~2024年3月31日
(5)取得方法 東京証券取引所における市場買付
(ご参考)
2024年2月6日開催の当社取締役会における決議内容
(1)取得対象株式の種類 当社普通株式
(2)取得し得る株式の総数 36,000,000 株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する比率 5.9%)
(3)株式の取得価額の総額 300 億円(上限)
(4)取得期間 2024年2月7日~2024年8月30日
(5)取得方法 東京証券取引所における市場買付
(当連結会計年度)
当社は、2024年2月6日開催の取締役会決議に基づき自己株式を取得しております。当連結会計年度に取得した自己株式は、以下のとおりです。なお、当該自己株式の取得は2024年9月3日(受渡ベース)をもって終了しております。
(1)取得対象株式の種類 当社普通株式
(2)取得した株式の総数 16,590,800 株
(3)取得価額の総額 22,456,788,464 円
(4)取得期間 2024年4月1日~2024年9月3日(受渡ベース)
(5)取得方法 東京証券取引所における市場買付
(ご参考)
2024年2月6日開催の当社取締役会における決議内容
(1)取得対象株式の種類 当社普通株式
(2)取得し得る株式の総数 36,000,000 株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する比率 5.9%)
(3)株式の取得価額の総額 300 億円(上限)
(4)取得期間 2024年2月7日~2024年8月30日
(5)取得方法 東京証券取引所における市場買付
また、当社は、2024年9月5日開催の取締役会決議に基づき以下のとおり自己株式を消却しております。
(1)消却した株式の種類 当社普通株式
(2)消却した株式の総数 22,532,600 株
(3)消却実施日 2024年9月30日
当社は、2024年12月2日開催の取締役会決議に基づき自己株式を取得しております。当連結会計年度に取得した自己株式は、以下のとおりです。
(1)取得対象株式の種類 当社普通株式
(2)取得した株式の総数 17,256,200 株
(3)取得価額の総額 29,999,903,700 円
(4)取得日 2024年12月3日
(5)取得方法 東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による買付
(ご参考)
2024年12月2日開催の当社取締役会における決議内容
(1)取得対象株式の種類 当社普通株式
(2)取得し得る株式の総数 17,256,200 株
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する比率 2.94%)
(3)株式の取得価額の総額 29,999,903,700 円
(4)取得日 2024年12月3日
(5)取得方法 東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による買付
また、当社は、2024年12月2日開催の取締役会決議に基づき以下のとおり自己株式を消却しております。
(1)消却した株式の種類 当社普通株式
(2)消却した株式の総数 17,256,200 株
(3)消却実施日 2025年1月31日
(4) 配当金
①配当金支払額
(注) 2023年6月23日株主総会決議による配当金の総額には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託が保有する当社株式に対する配当金6百万円が含まれております。
また、2023年11月8日取締役会決議による配当金の総額には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託が保有する当社株式に対する配当金6百万円が含まれております。
また、2024年6月20日株主総会決議による配当金の総額には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託が保有する当社株式に対する配当金6百万円が含まれております。
また、2024年11月8日取締役会決議による配当金の総額には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託が保有する当社株式に対する配当金6百万円が含まれております。
②基準日が当期に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌期となるもの
2025年6月24日開催の定時株主総会の議案として、次のとおり付議する予定です。
(注) 配当金の総額には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託が保有する当社株式に対する配当金9百万円が含まれております。
26 金融商品及び関連する開示
(1) 資本リスク管理
当社グループの資本管理は、当社グループの持続的な成長と企業価値増大を実現するため、事業発展に充分な資金を確保できる堅固な財務体質維持と効率的な資本構成の両立を方針としております。
当社グループは有利子負債から現金及び預金を控除したネット有利子負債及び親会社の所有者に帰属する持分、D/Eレシオを管理対象としており、各数値は以下のとおりです。また、経営管理上は、販売金融の負債負担を除いたネット有利子負債も対象としております。
(2) 市場リスク管理
① 為替リスク
(a) 為替リスク管理
当社グループは、生産活動及び販売活動の相当部分を日本以外の米国、欧州、並びに中国等その他地域で行っており、外貨建の業績、資産・負債は為替レートの変動の影響を受ける可能性があります。
当社グループは、外貨建の資産及び負債に対する外国為替レートの変動リスクを軽減することを目的として為替予約等を締結しております。
(b) 為替予約等
為替予約等の詳細は以下のとおりです。
為替予約等
(c) 為替感応度分析
各連結会計年度において、当社グループが保有する金融商品が米ドル、ユーロに対して日本円が1円円高となった場合の連結損益計算書の税引前利益に与える影響は以下のとおりです。計算にあたり残高や金利等は変動しないものと仮定しております。
② 金利リスク
当社グループの有利子負債は、主に固定金利により調達している社債及び借入金であり、現在の金利リスクは当社グループにとって重要なものではないと考えております。
重要性が乏しいため、金利感応度分析の開示は省略しております。
(3) 信用リスク管理
① 企業の有する金融資産の信用リスク
当社グループの営業活動から生じる債権は取引先の信用リスクにさらされております。
信用リスクとは、取引先が契約上の義務を果たすことができなかった場合に当社グループに生じる財務上の損失リスクです。
当該リスクに関して、当社グループは、与信限度額の設定、継続した与信調査及び取引先のモニタリングを行っております。また、信用リスクの集中等の潜在的リスクを最小限に抑える必要があると考えているため、モニタリングの結果によって、信用供与の程度を調整しております。これらの財務情報のほか、将来の経済状況等も考慮して予想信用損失の認識や測定を実施しております。
当社グループでは、支払期限の超過等による回収可能性の変動等が観察できた場合に当該金融資産の信用リスクが著しく増大したものと判断しております。また、概ね180日を超過するような大幅な支払期限の超過に加えて取引先の著しい財務状況の悪化等が観察できた場合に当該金融資産が信用減損しているものと判断しております。また、法的に債権が消滅する場合等、債権の回収が合理的に見込めない場合には、金融資産の帳簿価額を直接償却しております。
デリバティブ取引の利用にあたっては、信用度の高い金融機関に限定しているため、信用リスクは僅少であると認識しております。
金融資産の帳簿価額の合計額は信用リスクの最大エクスポージャーを表しております。
(i) 営業債権及びリース債権の予想信用損失の測定
営業債権及びリース債権には単純化したアプローチを採用しているため、債権が回収されるまでの全期間の予想信用損失を用いて貸倒引当金を算定しております。
(ⅱ) 貸付金及びその他の債権の予想信用損失の測定
期末日時点で、貸付金及びその他の債権に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合、当社グループでは過去の貸倒実績及び経済状況等の将来予測情報に基づき、将来12ヶ月の予想信用損失を見積もることにより当該金融商品に係る貸倒引当金を算出しております。なお、貸付等の取引にあたっては与信調査を実施し、与信限度額の設定及び信用状況を定期的にモニタリングすることにより、取引先の信用状況に応じて適切な管理を行っているため、信用リスクは僅少であると判断しております。
② 予想信用損失から生じた金額に関する定量的・定性的情報
営業債権及びリース債権に係る貸倒引当金は以下のとおりです。
債権残高及び貸倒引当金の期日別分析は以下のとおりです。
(4) 流動性リスク管理
当社グループは、事業資金を金融機関からの借入金又は社債発行等により調達しております。このため、資金調達環境の悪化等により債務を履行できなくなるリスクにさらされております。
当社及び一部の連結子会社は金融機関と借入枠並びに当座借越についての契約を締結しており、コマーシャルペーパー発行プログラムを保有しております。また当社グループは、各地域に設置している金融子会社を中心にグループ企業間で手元流動性を有効活用するグループ内の資金融通の制度を構築しております。流動性リスクに対しては、資金調達手段の多様化を図り、複数の金融機関との間でコミットメント・ラインを設定しております。
保証債務以外の金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は以下のとおりです。
当社及び一部の連結子会社は金融機関と借入枠及び当座借越についての契約を締結しております。また当社及び一部の連結子会社はコマーシャルペーパーの発行プログラムを保有しております。これらの信用枠の合計及び使用状況は以下のとおりです。
(5) 金融商品の公正価値
金融商品の帳簿価額と公正価値は、以下のとおりです。
(注)1 現金及び現金同等物、定期預金、営業債務及びその他の債務
これらの勘定は短期間で決済されるので、帳簿価額と公正価値が近似しております。そのため、上記の表中には含めておりません。
2 営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権のうち、短期間で決済される債権については、帳簿価額と公正価値が近似しているため上記の表中には含めておりません。なお、重要性の乏しい債権については上記の表中に含めておりません。
3 リース債権
リース債権については、一定の期間ごとに区分した債権ごとに、債権額を満期までの期間及び信用リスクを加味した利率により割り引いた現在価値に基づいて算定しております。観察不能なインプットを含む評価技法に基づき公正価値を算定しているため、レベル3に分類しております。
4 デリバティブ
デリバティブには、為替予約等が含まれており、金融機関より入手した見積価格や利用可能な情報に基づく適切な評価方法により公正価値を算定しているため、レベル2に分類しております。
5 株式及び出資持分、社債
株式及び出資持分、社債には、市場性のある株式及び社債、非上場の株式及び出資持分が含まれております。市場性のある株式及び社債は、活発な市場における同一資産の市場価格で公正価値を算定しており、観察可能であるためレベル1に分類しております。非上場の株式及び出資持分は、類似企業の市場価格等の観察可能な指標と観察不能な指標を用いた評価技法に基づき公正価値を算定しているため、レベル3に分類しております。
6 社債及び借入金
社債及び借入金のうち、12ヶ月以内に償還及び返済される部分については、帳簿価額と公正価値が近似しているため上記の表中には含めておりません。
社債及び借入金については、契約ごとの将来キャッシュ・フローから、類似の満期日の借入金に対して適用される期末借入金利を用いて割り引いた現在価値に基づいて算定しております。観察可能な市場データを利用して公正価値を算定しているため、レベル2に分類しております。
7 条件付対価
条件付対価については、被取得企業の将来の業績や支払額等を考慮して公正価値を算定しているため、レベル3に分類しております。
8 非支配持分に係る売建プット・オプション負債
非支配持分に係る売建プット・オプション負債の公正価値として記載している金額は、将来キャッシュ・フローを行使時点までの期間及び期末日時点の信用リスクを加味した利率で割り引く方法により算定しております。観察可能な市場データを利用して公正価値として記載している金額を算定しているため、レベル2に分類しております。
9 各金融資産及び金融負債の事後測定方法
IFRS第9号「金融商品」に基づく各金融資産及び金融負債の測定方法は、以下のとおりです。
償却原価で測定:営業債権、リース債権、社債(負債)及び借入金、非支配持分に係る売建プット・オプション負債
純損益を通じて公正価値で測定:デリバティブ資産、株式及び出資持分、デリバティブ負債、条件付対価
その他の包括利益を通じて公正価値で測定:株式及び出資持分、社債(資産)
当社グループは、取引関係の維持・強化を目的として保有する資本性金融商品に対する投資について、その保有目的に鑑み、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に対する投資の主な銘柄ごとの公正価値は次のとおりです。
当社グループは、資産の効率的活用や業務上の関係の見直し等により、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の一部を売却により処分し、認識を中止しております。期中で売却した銘柄の売却時における公正価値、売却に係る累積利得又は損失及び受取配当金の合計額は以下のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度における、期末日時点で保有しているその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産より認識された受取配当金はそれぞれ 907百万円及び 555百万円です。
当社グループでは、その他の資本の構成要素として認識していたその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の累積利得又は損失は、当該金融資産の公正価値が著しく下落した場合、又は認識を中止した場合にその他の包括利益の累積額から利益剰余金に振り替えております。前連結会計年度及び当連結会計年度における利益剰余金へ振り替えたその他の包括利益の累積利得又は損失はそれぞれ △1,073百万円及び 1,015百万円です。
(6) 連結財政状態計算書において認識された公正価値の測定
以下は金融商品を当初認識した後、公正価値で測定された金融商品の分析です。分析に使用する公正価値ヒエラルキーは、以下のように定義付けられております。
なお、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、振替を生じさせた事象又は状況の変化が生じた日に認識しております。
公正価値により測定された金融商品
(注)1 デリバティブ
デリバティブには、為替予約等が含まれており、金融機関より入手した見積価格や利用可能な情報に基づく適切な評価方法により算定しているため、レベル2に分類しております。
2 株式及び出資持分、社債
株式及び出資持分、社債には、市場性のある株式及び社債、非上場の株式及び出資持分が含まれております。市場性のある株式及び社債は、活発な市場における同一資産の市場価格で公正価値を算定しており、観察可能であるためレベル1に分類しております。非上場の株式及び出資持分は、類似企業の市場価格等の観察可能な指標と観察不能な指標を用いた評価技法に基づき公正価値を算定しているため、レベル3に分類しております。
3 条件付対価
条件付対価については、被取得企業の将来の業績や支払額等を考慮して公正価値を算定しているため、レベル3に分類しております。
レベル3に分類されている金融商品について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に重要な公正価値の変動は見込まれておりません。
レベル3に分類された金融資産の期首残高から期末残高への調整表
(注)1 純損益
純損益に含まれている利得及び損失は、報告期間期末時点に保有する純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであります。連結損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれております。
2 その他の包括利益
その他の包括利益に含まれている利得及び損失は、報告期間期末時点に保有するその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであります。連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動」(注記32 その他の包括利益 を参照)に含まれております。
レベル3に分類された金融負債の期首残高から期末残高への調整表
(7) デリバティブ及びヘッジ活動
当社グループは為替、金利に係る市場リスクを管理するためにデリバティブを利用しております。グループ内規定に基づき、売買目的及び投機目的のデリバティブは保有しておりません。当社グループはすべてのデリバティブを連結財政状態計算書に公正価値で認識しております。当社グループはデリバティブの契約を締結する際に、当該デリバティブがヘッジ関係の一部として適格であるか否かの判定を行っております。
当社グループはヘッジ会計が適用されるデリバティブを、連結財政状態計算書上に計上された資産又は負債の公正価値の変動をヘッジするための公正価値ヘッジ、連結財政状態計算書上に計上された資産又は負債に付随する受払い及び可能性が非常に高い予定取引に関連するキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのキャッシュ・フロー・ヘッジのいずれかとして指定しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジについて、キャッシュ・フローが発生すると見込まれる期間及び純損益に影響を与えることになると見込まれる期間は1年以内です。
前連結会計年度及び当連結会計年度における連結損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれるヘッジ会計が適用されないデリバティブの評価損益は、それぞれ 1,921百万円(評価損)及び 1,022百万円(評価益)です。なお、上記の評価損益は主に為替から生じたものです。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末においてキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定したヘッジ手段はありません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金の残高はありません。
27 その他の収益
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるその他の収益は、以下のとおりです。
(注) 当連結会計年度に、当社の中国子会社が提起した仲裁申立の仲裁判断に伴い、過年度に受領していた土地の立退補償金のうち提携協議書解除に伴う違約金への充当分を計上しております。
28 売上高
(1) 収益の分解
当社グループは、注記5 事業セグメント に記載のとおり、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ、その他の5つを報告セグメントとしております。また、売上高は顧客の所在地を基礎とし、地域別に分解しております。これらの分解した売上高と各報告セグメントの売上高との関係は以下のとおりです。
(注)1 セグメント間の内部売上高を除いた金額を表示しております。
2 その他の源泉から認識した収益には、IFRS第16号に基づくリース収益等が含まれています。
(注)1 セグメント間の内部売上高を除いた金額を表示しております。
2 その他の源泉から認識した収益には、IFRS第16号に基づくリース収益等が含まれています。
収益認識の時期は以下のとおりです。
(注)上記収益にはIFRS第15号以外のその他の源泉から認識した収益が含まれており、主にIFRS第16号に基づくリース収益等が含まれています。
当社グループの事業は、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ、その他より構成されており、各事業において製品販売及び役務の提供を行っております。
売上高は顧客との契約において約束された対価から値引き、購入量に応じた割戻し等を控除した金額で測定しております。変動性がある値引き、割戻し等を含む変動対価については、過去、現在及び予想を含む合理的に利用可能なすべての情報を用いて当社グループが権利を得る対価の金額を見積り、重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ収益を認識しております。
デジタルサービスやその他において、当社グループが代理人として商品の販売に関与している場合には、純額で収益を認識しております。
なお、製品保証に関しては、顧客が当該保証を独立して購入するオプションを有しておらず、製品が合意された仕様に従っているという保証に加えて顧客にサービスを提供していないことから、引当金として会計処理しております。返品及び返金の義務並びにその他の類似の義務に重要なものはありません。
デジタルサービス(複合機、プリンター、パソコン、サーバー等の機器)、デジタルプロダクツ(複合機、プリンターのOEM、スキャナ等機器)、グラフィックコミュニケーションズ(プロダクションプリンター、インクジェットヘッド、作像システム、産業プリンター等)の製品は、通常機器が設置され、顧客の受け入れが得られた時点で、また、関連消耗品は、物品の引渡時点において顧客に製品の法的所有権、物理的占有、製品の所有に伴う重大なリスク及び経済価値が移転し、履行義務が充足されると判断していることから、それぞれ当該時点で収益を認識しております。
インダストリアルソリューションズ(サーマルペーパーや産業用光学部品等)及びその他の主要な製品の販売の収益は、通常物品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断していることから、当該物品の引渡時点で収益を認識しております。
デジタルサービスのオフィスプリンティング事業及びグラフィックコミュニケーションズの商用印刷事業においては顧客の機器の使用量に応じた従量料金、固定料金、又は基本料金に加えて使用量に応じた従量料金を請求する製品のメンテナンス契約による収益を認識しております。当社グループは、メンテナンス契約の履行義務を、契約に基づき、機器を常時利用可能な状態を顧客に提供することと判断しており、これらの収益を、関連する履行義務を充足するにつれて一定期間にわたり認識しております。固定料金のメンテナンス契約については顧客との契約に係る取引額を契約期間にわたり均等に収益認識しております。機器の使用量に応じた従量料金及び基本料金に加えて使用量に応じた従量料金を請求するメンテナンス契約については、顧客への請求金額により収益を認識しております。
デジタルサービスのオフィスサービス事業におけるソフトウエアサービス等の販売については、主にライセンス提供型及びその保守サービスとクラウド型サービスの2種類に分かれます。ライセンス提供型については、顧客仕様に応じたソフトウエアが提供され、顧客の受け入れが確認できた時点で履行義務が充足されたと判断して収益を認識しております。他方、保守サービスについては、一定の期間にわたり製品のメンテナンスやサポート業務等を実施するものであり、一定期間にわたって履行義務が充足されるため、時の経過に応じて収益を認識しております。またクラウド型サービスについては顧客仕様に応じたアプリケーションを通じてサービスを一定期間にわたり提供しており、同様に時の経過に応じて収益を認識しております。
割賦販売契約に基づく債権は割賦払い期間にわたって月次で請求されるため、金融要素について調整しております。それ以外の契約では取引の対価は履行義務を充足してから主として1年以内に受領しており、重大な金融要素は含まれておりません。
(2) 契約残高
顧客との契約から生じた債権及び顧客との契約から生じた負債は以下のとおりです。
連結財政状態計算書において、契約負債は、「その他の流動負債」及び「その他の非流動負債」に含まれています。契約負債は主に、メンテナンス契約に関する顧客からの前受金に関連するものであります。
認識された収益について、期首時点で契約負債に含まれていた金額は、前連結会計年度と当連結会計年度において、それぞれ 48,072百万円及び 65,016百万円であります。また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
個別の契約期間が1年を超える契約における、未充足の履行義務に配分した取引価格は前連結会計年度と当連結会計年度において、それぞれ 231,720百万円及び 263,915百万円であります。当該取引価格は、主に顧客に販売される機器のメンテナンス契約に係るものであり、固定料金契約、また、従量料金契約の基本料金部分が含まれております。なお、従量料金契約の従量料金部分は含まれておりません。当該取引価格が収益として認識されると見込まれる期間は、概ね1年から5年であります。なお、実務上の便法を適用しており、個別の契約期間が1年に満たない契約においては開示を省略しております。
(4) 顧客との契約の獲得のためのコストから認識した資産
当社グループは、顧客との契約獲得のための増分コストのうち、回収可能であると見込まれる部分について資産として認識しており、連結財政状態計算書上は「その他の流動資産」及び「その他の非流動資産」に計上しています。契約獲得のための増分コストとは、顧客との契約を獲得するために発生したコストで、当該契約を獲得しなければ発生しなかったであろうものです。
当社グループにおいて資産計上されている契約獲得のための増分コストは、主に顧客を獲得するために発生した販売員に対する手数料等です。当該資産については見積契約期間に基づき均等償却を行っております。
顧客との契約の獲得のためのコストから認識した資産から生じた償却費は、前連結会計年度と当連結会計年度において、それぞれ 5,008百万円及び 4,763百万円であります。
29 販売費及び一般管理費
前連結会計年度及び当連結会計年度における販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりです。
30 研究開発費
前連結会計年度及び当連結会計年度における研究開発費は、以下のとおりです。
31 金融収益及び金融費用
金融収益及び金融費用の内訳は以下のとおりです。
32 その他の包括利益
その他の包括利益の構成は以下のとおりです。
非支配持分を含むその他の包括利益に含まれる税効果調整額は以下のとおりです。
33 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益は以下のとおりです。
(1)基本的1株当たり当期利益
(2)希薄化後1株当たり当期利益
(注)役員向け株式交付信託及び執行役員向け株式交付信託が所有する当社株式を自己株式として処理していることから、基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定においては、当該信託が所有する当社株式を期中平均普通株式数から控除して算出しております。
34 関連当事者
(1) 関連当事者との取引
関連当事者との取引(連結財務諸表において消去されたものを除く)については、重要な取引等がないため記載を省略しております。
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
主要な経営幹部(取締役)に対する報酬は以下のとおりです。
35 資本的支出契約及び偶発事象
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、決算日以降の有形固定資産及びその他の資産の取得に係る既契約額は、それぞれ 16,256百万円及び 14,942百万円です。
また、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、金額的重要性のある債務保証はありません。
36 グループ企業
当社の重要な連結子会社は「第1 企業の概況 4 関係会社の状況 (連結子会社)」に記載のとおりです。
37 関連会社
(1) 重要な関連会社
当社グループにおける重要な関連会社は、リコーリース株式会社(以下、リコーリース)(報告日3月31日)であります。
リコーリースは、日本国内を中心に総合リース業を営んでおり、当社製品のリース及びレンタル等を行っております。
リコーリースの要約連結財務諸表と当社グループの持分の帳簿価額との調整表は以下のとおりです。
2020年4月のリコーリースの支配喪失時点において、重要な影響力に対するプレミアムを反映して、残余投資を公正価値評価しております。そのため、当社グループの持分の帳簿価額には、重要な影響力に対するプレミアムが反映されております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において当社グループが保有するリコーリースの株式数に同日の株式市場における相場価格を乗じて算定した金額は、それぞれ 55,325百万円及び 56,882百万円です。
(2) 個々に重要性のない関連会社
個々に重要性のない関連会社に対する当社グループの持分の帳簿価額は、以下のとおりです。
個々に重要性のない関連会社における包括利益合計に対する持分は、以下のとおりです。
38 後発事象
該当事項はありません。
39 連結財務諸表の承認
2025年6月20日に、連結財務諸表は当社代表取締役社長執行役員 大山晃及び取締役コーポレート専務執行役員 川口俊によって承認されております。