第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の状況

当社グループは、2023年4月より第21次中期経営戦略をスタートし、当連結会計年度はその最終年度となります。

当社グループの使命と目指す姿である「“はたらく”に歓びを」の実現に向けて、中長期目標として「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」となることを目指して取り組みを進めています。

当社グループが注力している領域は、はたらく人を単純作業から解放するプロセスオートメーション、創造性を高めるワークプレイスエクスペリエンス、そしてワークプレイスの基盤となる環境を構築するITサービスの3つです。この注力領域において、グローバルの顧客基盤や顧客の課題把握力・提案力に優れた販売・サービス体制、そして魅力的な自社IP*といった強みを活かしながら、変容するワークプレイスにおいて一貫したサービスをグローバルに提供しています。

*自社IP(Intellectual Property):企業が自らの努力で生み出した知的財産で、ライセンス使用料等収益の源泉となる等の経済価値を有するもの

 

当連結会計年度は、付加価値の高いストック契約の獲得等、オフィスサービス事業での利益成長を図るとともに、オフィスプリンティング事業においては2024年7月に組成した東芝テック株式会社(以下、東芝テック)との合弁会社「エトリア株式会社」(以下、エトリア)による複合機等の開発・生産でのシナジー効果の創出、及び効率的なMIFマネジメント・顧客ターゲティングの販売施策の徹底により収益維持・改善に取り組みます。また企業価値向上プロジェクトの活動を確実に実行することに加え、組織力を強化し環境変化への対応力を高めながら、デジタルサービスの会社として相応しい収益構造へと変革を進めていきます。米国の新たな関税政策の導入に対しては、生産・商物流・投入商品・価格政策・販売チャネル等の各軸で対策を機動的に実行し、影響の軽減に取り組みます。

 

世界経済は、緩やかな回復基調を維持したものの、ロシア・ウクライナ情勢及び中東情勢の長期化や世界的な金融政策の不確実性に加え、米国の通商政策の変化が引き続き下押し要因となっています。

当中間連結会計期間において、日本では、米国の関税政策や円安の影響を受けながらも企業業績は底堅く、個人消費も回復基調を維持する等、景気は緩やかな回復を継続しました。

米国では、関税政策が企業収益を圧迫し、これが雇用情勢や個人消費へも波及する形で景気は減速傾向にあります。欧州では、外需の減退が景気を下押ししたものの、インフレ圧力の緩和等により緩やかな拡大を維持しました。その他の地域では、中国において個人消費の回復が遅れており、停滞感が続いています。

 

主要通貨の平均為替レートは、対米ドルが 146.07円(前中間連結会計期間に比べ 6.65円の円高)、対ユーロが 168.14円(同 2.13円の円安)となりました。

 

このような状況の中、当中間連結会計期間の売上高は 12,224億円となり、前中間連結会計期間に比べ 1.7%増加しました(為替影響を除くと 2.8%の増加)。オフィスプリンティング事業ではノンハードの弱含みに加え、米国の関税政策の影響を受けハードの売上が減少しましたが、エトリアから東芝テックへの製品販売の貢献、及びオフィスサービス事業の成長等もあり前中間連結会計期間に比べ増収となりました。

地域別では、国内はオフィスサービス事業を中心に売上が増加しました。セキュリティや働き方改革関連のサービスに加え、自治体向けソリューションの伸長や、パソコンの買い替えに伴う導入・構築・運用保守等のサービスの獲得も寄与し、ITサービスが伸長しました。また、それらの需要を活用し、アプリケーションサービスも増収となりました。さらに、オフィスプリンティング事業のハードの販売増加や、エトリアから東芝テックへの製品販売により、前中間連結会計期間と比べ 12.5%の増加となりました。

海外では、米州においては、関税政策の影響による先行き不透明感から企業の投資が弱含み、オフィスプリンティング事業や商用印刷事業においてハードを中心に売上が減少しました。オフィスサービス事業では2022年9月に買収したCenero,LLC.(以下、Cenero)の貢献等により売上が増加しましたが、円高の影響もあり、前中間連結会計期間比 7.2%の減少となりました(為替影響を除くと 2.9%の減少)。欧州・中東・アフリカにおいては、米国の関税政策による景況悪化懸念等から、オフィスプリンティング事業のハード・ノンハードの需要が鈍化し、また、オフィスサービス事業においてもITインフラ投資を様子見する動きが見られ、売上は前中間連結会計期間に比べ 2.3%の減少となりました(同 3.6%の減少)。その他の地域は、2024年9月に完了したオプティカル事業の譲渡の影響等により、前中間連結会計期間に比べ 3.3%の減少となりました(同 0.4%の減少)。以上の結果、海外売上高全体では前中間連結会計期間に比べ 4.6%の減少となりました。なお、為替変動による影響を除いた試算では、海外売上高は前中間連結会計期間に比べ 2.8%の減少となります。

 

売上総利益は、オフィスサービス事業の成長や企業価値向上プロジェクトの効果はあったものの、オフィスプリンティング事業や商用印刷事業の売上減少、円高の影響等により、前中間連結会計期間に比べ 0.8%減少4,197億円となりました。

 

販売費及び一般管理費は、事業成長やインフレによる人件費等の経費増加、及び欧州での基幹システム統合に伴う一時費用の計上による増加があったものの、前中間連結会計期間に実施した企業価値向上プロジェクトの費用が減少したことや、その効果等により、前中間連結会計期間に比べ 7.5%減少3,873億円となりました。

 

以上の結果、営業利益は前中間連結会計期間に比べて 286億円増加354億円となりました。

 

金融収益及び金融費用は、為替差益の減少等により、前中間連結会計期間に比べ金融収益が減少しました。持分法による投資損益は、持分法適用会社の利益減少により、前中間連結会計期間に比べ減少しました。

 

税引前中間利益は、前中間連結会計期間に比べて 242億円増加374億円となりました。

 

法人所得税費用は、前中間連結会計期間に比べて 78億円増加しました。

 

以上の結果、親会社の所有者に帰属する中間利益は、前中間連結会計期間に比べ 153億円増加245億円となりました。

 

中間包括利益は、中間利益や在外営業活動体の換算差額の増加等により、前中間連結会計期間に比べて増加し 581億円となりました。

 

上述の国内・海外別売上高は以下のとおりです。

(単位:百万円)

区分

前中間連結会計期間

自 2024年4月1日

至 2024年9月30日

当中間連結会計期間

自 2025年4月1日

至 2025年9月30日

増減

金額

構成比(%)

金額

構成比(%)

金額

伸び率(%)

国内

439,930

36.6

494,881

40.5

54,951

12.5

 

米州

337,350

28.1

313,194

25.6

△24,156

△7.2

 

欧州・中東・アフリカ

312,987

26.0

305,732

25.0

△7,255

△2.3

 

その他

112,321

9.3

108,644

8.9

△3,677

△3.3

 

 

 

 

 

 

 

 

海外

762,658

63.4

727,570

59.5

△35,088

△4.6

合計

1,202,588

100.0

1,222,451

100.0

19,863

1.7

 

 

 

事業の種類別セグメントの業績は次のとおりです。

                    (単位:百万円)

 

 

 

前中間連結会計期間

自 2024年4月1日

至 2024年9月30日

当中間連結会計期間

自 2025年4月1日

至 2025年9月30日

増減

 

 

 

金額

構成比(%)

金額

構成比(%)

金額

伸び率(%)

デジタルサービス

売上高

923,703

100.0

939,871

100.0

16,168

1.8

 外部顧客向け

923,703

 

939,871

 

16,168

1.8

営業損益

3,004

0.3

11,755

1.3

8,751

291.3

デジタルプロダクツ

売上高

275,409

100.0

272,176

100.0

△3,233

△1.2

 外部顧客向け

64,379

 

80,234

 

15,855

24.6

営業損益

14,033

5.1

17,376

6.4

3,343

23.8

グラフィック

コミュニケーションズ

売上高

140,238

100.0

132,337

100.0

△7,901

△5.6

 外部顧客向け

140,238

 

132,337

 

△7,901

△5.6

営業損益

10,847

7.7

5,852

4.4

△4,995

△46.0

インダストリアル

ソリューションズ

売上高

58,198

100.0

51,118

100.0

△7,080

△12.2

 外部顧客向け

57,445

 

51,010

 

△6,435

△11.2

営業損益

△1,905

△3.3

1,253

2.5

3,158

その他

売上高

25,415

100.0

26,281

100.0

866

3.4

 外部顧客向け

16,823

 

18,999

 

2,176

12.9

営業損益

△2,952

△11.6

△267

△1.0

2,685

消去又は全社

営業損益

△16,218

△521

15,697

 

 

デジタルサービスの売上高は、前中間連結会計期間に比べ 1.8%増加9,398億円となりました。

オフィスサービス事業では、国内において、セキュリティや働き方改革関連のサービスに加え、自治体向けソリューションの伸長や、パソコンの買い替えに伴う導入・構築・運用保守等のサービスの獲得も寄与し、ITサービスが伸長しました。また、それらの需要を活用し、アプリケーションサービスの増収にもつながりました。サイボウズ株式会社と共同開発したクラウド型の業務改善プラットフォーム「RICOH kintone plus」の契約数も引き続き伸長しています。米州においては、Ceneroの貢献等によりワークプレイスエクスペリエンスの売上は増加しましたが、BPS*の売上の減少や円高の影響もあり、売上が減少しました。欧州・中東・アフリカでは、買収会社とのシナジーにより既存顧客へのITサービスの導入や新規顧客の獲得が進みました。また、「DocuWare」のクラウドサービスの成長がけん引役となり、アプリケーションサービスも伸長しました。一方で、米国の関税政策等による景況悪化懸念等の影響から、ITインフラ関連の需要が弱含み、売上は減少しました。

オフィスプリンティング事業では、ハードについては日本において販売台数増加や売価マネジメントの強化等により売上が増加しましたが、海外では減少しました。ノンハードについては、欧州を中心に需要の低迷が続いており、売上は減少しました。

営業利益については、オフィスプリンティング事業のノンハードの利益減少に加え、米国の関税政策の影響や欧州における基幹システムの統合に伴う一時費用の計上等、複数の下押し要因がありました。一方で、オフィスサービス事業の成長、売価マネジメント定着によるオフィスプリンティング事業のハードの収益性向上、企業価値向上プロジェクトの効果に加えて、前中間連結会計期間に構造改革費用を計上していた反動もあり、デジタルサービス全体の営業利益は 117億円となり、前中間連結会計期間に比べ 87億円増加しました。

*BPS(Business Process Services):専門業者の外部委託を通して、企業のビジネスプロセスに関する業務課題を解決するサービス

 

デジタルプロダクツの売上高は、前中間連結会計期間に比べ 24.6%増加802億円となりました(セグメント間売上高を含む売上高では 1.2%減少2,721億円)。エトリアから東芝テックへの製品販売等により売上が増加した一方で、米国の関税政策の影響を受け主に米州向けの売上が減少し、セグメント間売上高を含む売上高は減少しました。売上減少に伴う利益の減少はあったものの、前連結会計年度に実施した構造改革や継続して取り組む生産・開発の体質強化等の効果もあり、デジタルプロダクツ全体の営業利益は 173億円となり、前中間連結会計期間に比べ 33億円増加しました。

 

グラフィックコミュニケーションズの売上高は、前中間連結会計期間に比べ 5.6%減少1,323億円となりました。商用印刷事業において、プロダクションプリンターのノンハードは引き続き堅調に推移しましたが、ハードは米国を中心に関税政策の影響による投資控えが見られ、売上が減少しました。経費の抑制や前連結会計年度に実施した構造改革の効果はあったものの、開発資産償却費の増加や売上の減少による利益減少により、グラフィックコミュニケーションズ全体の営業利益は 58億円となり、前中間連結会計期間に比べ 49億円減少しました。

 

インダストリアルソリューションズの売上高は、前中間連結会計期間に比べ 11.2%減少510億円となりました。サーマル事業において、日本や欧州では堅調に推移した一方で、米州における物流需要減少の影響を受けたことや、前連結会計年度に実施したオプティカル事業の譲渡の影響により、売上が減少しました。売上は減少したものの、コストダウンやプライシングコントロールの継続に加え、前中間連結会計期間にオプティカル事業の譲渡に伴う一時費用を計上していた反動もあり、インダストリアルソリューションズ全体の営業利益は 12億円となり、前中間連結会計期間に比べ利益が 31億円増加しました。

 

その他の売上高は、前中間連結会計期間に比べ 12.9%増加189億円となりました。カメラ事業が新製品の貢献により好調で、増収増益となりました。新規事業創出のための先行投資により、その他全体の営業損益は 2億円(損失)となりましたが、前中間連結会計期間に比べ 26億円改善しました。

 

消去又は全社の配賦不能費用には、上記セグメントに帰属しない損益を計上しております。前中間連結会計期間に国内でのセカンドキャリア支援制度の実施に伴う一時費用を計上していた反動等により、営業損益が 156億円改善しました。

 

(注)事業セグメントとしてのデジタルサービスはオフィスサービス事業及びオフィスプリンティングの販売を主とした事業に限定した事業セグメントであり、当社グループが目指す「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」への変革、として掲げるデジタルサービスすべてを網羅しているものではありません。当社グループが「デジタルサービスの会社」として掲げる「デジタルサービス」は、事業セグメントではデジタルサービスの他、すべてのセグメントの事業内容に含まれております。

 

②財政状態の状況

資産合計は、前連結会計年度末に比べ 461億円増加24,032億円となりました。為替影響を除いた試算では 71億円の減少となります。主要通貨の当中間期末日レートは、対米ドルが 148.88円(前連結会計年度末に比べ 0.64円の円高)、対ユーロが 174.47円(同 12.39円の円安)となりました。

資産の部では、現金及び現金同等物が 136億円減少しました。また、前連結会計年度末に計上した債権の回収等により営業債権及びその他の債権が 119億円減少しました。一方で、下期の販売に向けた在庫形成や米国関税の影響等により棚卸資産が 338億円増加しました。

負債合計は、前連結会計年度末に比べ 6億円増加13,030億円となりました。負債の部では、社債及び借入金が流動負債と非流動負債を合わせ 281億円増加しました。一方で、前連結会計年度末に計上した債務の支払等により営業債務及びその他の債務が 214億円減少しました。

資本合計は、前連結会計年度末に比べ 454億円増加11,002億円となりました。資本の部では、主に対ユーロ円安により在外営業活動体の換算差額が 295億円増加しました。

結果として親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末に比べ 460億円増加10,761億円となりました。親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末に比べ 1.1ポイント増加し 44.8%となりました。

 

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、前中間連結会計期間に比べ現金収入が 227億円減少294億円の収入となりました。前中間連結会計期間に比べ、棚卸資産の増加や、前連結会計年度に実施した国内のセカンドキャリア支援制度の退職加算金の支払い等があり、結果として現金収入が減少しました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前中間連結会計期間に比べ現金支出が 84億円増加357億円の支出となりました。前中間連結会計期間においては、エトリア組成に伴う東芝テックからの現預金受入やオプティカル事業の売却による収入等があり、結果として現金支出が減少しておりました。

以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計となるフリー・キャッシュ・フローは、前中間連結会計期間に比べ現金支出が 312億円増加63億円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前中間連結会計期間に比べ現金支出が 174億円増加107億円の支出となりました。当中間連結会計期間では、前中間連結会計期間と比べ借入債務による調達が減少したこと等により現金支出が増加しました。

以上の結果、当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ 156億円減少1,662億円となりました。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、新たに発生した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

当社グループでは開発投資の一部について資産化を行い、無形資産に計上しております。無形資産に計上された開発費を含む当中間連結会計期間の研究開発投資は 36,551百万円です。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【重要な契約等】

当中間連結会計期間において、重要な契約等の決定又は締結等はありません。