第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 なお、経営環境につきましては、「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。

 

(1) 第6次中期経営計画(平成29年3月期~平成31年3月期)

当社は平成29年3月期を初年度とする第6次中期経営計画を策定し、推進中です。その内容は次のとおりです。

 

1.長期ビジョン

グループスローガン「時代とハートを動かすSEIKO」を踏まえて、当社グループが10年後の将来に向け長期的に目指す姿を次のように制定しました。

 

 

常に時代をリードする先進性と革新性を備え、お客さまの期待を超える製品と品質・サービスを提供し、世界中のステークホルダーと感動を分かち合えるグローバルな企業グループを目指す

 

 

2.基本方針

ウオッチ事業を中核とする高収益グループを目指し、「収益力の強化と成長への投資」を推進するとともに、「経営基盤の強化」を徹底する。

 

.収益力の強化と成長への投資

ウオッチ事業はグループの中核事業としてさらなる成長へ(収益の拡大)

電子デバイス事業はコアビジネスに経営資源を重点配分し、利益を創出(収益力の向上)

システムソリューション事業は第3の主柱事業として事業基盤を強化(収益力の強化)

その他の事業は安定した収益体質を継続(収益力の安定)

 

.経営基盤の強化

コーポレートコミュニケーションの強化

資本・財務政策の基本方針の継続

コーポレートガバナンスの強化

組織・グループ機能の強化、人事政策の基本方針の継続

 

5.第6次中期経営計画目標数値

 

① 連結損益計画                           (金額単位:億円)

 

 

実績

 

実績

 

第6次中期経営計画

 

2017年3月期

 

2018年3月期

 

2019年3月期

売上高

 

2,571

 

2,685

 

3,100

営業利益

 

74

 

108

 

170

経常利益

 

66

 

109

 

180

親会社株主に帰属

する当期純利益

 

53

 

115

 

125

② 事業別売上高                           (金額単位:億円)

 

 

実績

 

実績

 

第6次中期経営計画

 

2017年3月期

 

2018年3月期

 

2019年3月期

ウオッチ事業

 

1,345

 

1,401

 

1,900

電子デバイス事業

 

840

 

818

 

750

システムソリューション事業

 

202

 

274

 

250

その他

 

270

 

278

 

300

 

連結合計

 

2,571

 

2,685

 

3,100

 

③ 事業別営業利益                          (金額単位:億円)

 

 

実績

 

実績

 

第6次中期経営計画

 

2017年3月期

 

2018年3月期

 

2019年3月期

ウオッチ事業

 

76

 

79

 

170

電子デバイス事業

 

38

 

57

 

25

システムソリューション事業

 

12

 

16

 

15

その他

 

3

 

5

 

10

 

連結合計

 

74

 

108

 

170

 

④ 貸借対照表項目                          (金額単位:億円)

 

 

実績

 

実績

 

第6次中期経営計画

 

2017年3月期

 

2018年3月期

 

2019年3月期

総資産

 

3,288

 

3,075

 

3,400

純資産

 

1,071

 

1,051

 

1,200

自己資本比率

 

29.8%

 

33.8%

 

35%

ネット有利子負債

 

1,012

 

791

 

750

 

 

(2)当連結会計年度における経過

1. 収益力の強化と成長への投資

ウオッチ事業は、グループの中核事業としてさらなる成長を目指し、収益の拡大を図りました。国内は、「グランドセイコー」の独立ブランド化政策および高額品強化が順調に進み売上を拡大したほか、グローバルブランド強化戦略および市場での機械式時計の需要拡大に乗った「プレザージュ」「プロスペックス」も大きく伸長しました。海外は、グローバルブランドの販売に注力し、順調に売上を伸ばしました。特に中国では好調なEコマース販売によりセイコーの認知度・期待値が高まったほか、欧州やアジア向けの販売も堅調に推移しました。引き続き、「2020年に向けてSEIKOを真のグローバルブランドに成長させ、世界の時計市場においてリーディングカンパニーとなることを目指す」とともに、グローバルブランドを中心にブランド価値向上への投資を継続し、中期経営計画の最終年度の計画達成に向けた施策を強力に推進してまいります。

電子デバイス事業は、コアビジネスに経営資源を重点配分することで利益を創出し、収益力の向上に努めました。過去数年にわたり不採算事業の整理・改善に取り組んできた結果、半導体事業以外の事業においても収益力が向上しています。最終年度は半導体事業が持分法適用となり連結範囲から外れますが、半導体製造設備向けの高機能金属製品、POS端末用のサーマルプリンタやインクジェットプリントヘッド製品等の安定収益を確保し、計画達成を目指してまいります。

システムソリューション事業は、第3の主柱事業として事業基盤を強化しながら、収益力の強化に努めました。車載用やホームセキュリティ向けの各種モバイル無線通信機器、放送・通信を主としたネットワーク関連機器など既存事業が好調に推移したことに加え、コンピュータ性能管理ソフトウェアを展開する株式会社アイ・アイ・エムの取得により、売上が拡大しています。また機器やシステムの保守、決済中継センターや性能管理を中心としたソフトウェアサービスなど、持続的な収益が見込めるストック売上も増加し、売上高・営業利益ともに最終年度の計画を前倒しで達成することができました。

その他に含まれる事業は、安定した収益体質を継続すべく、収益力の安定化に努めました。クロック事業、和光事業および設備時計事業すべてが黒字化を達成しました。引き続き収益力の安定に努め、最終年度の計画達成に向けて課題に取り組んでまいります。

 

2. 経営基盤の強化

コーポレートコミュニケーションの強化については、「時代とハートを動かすSEIKO」のグループスローガンに基づき、スポーツ・音楽を通じたPR・CSR活動を継続しました。また、IR活動を充実させ、積極的に持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、株主・投資家との建設的な対話を強化しました。

資本政策については、基本方針である継続的・安定的な配当の実施を目指して、1株あたり中間配当7.5円、期末配当37.5円(株式併合前に換算すると年間15円に相当)を実施します。また、自己資本比率は33.8%と向上しましたが、計画の最終年度の目標値である35%に向けて、さらなる自己資本の改善を図ってまいります。財務政策については、有利子負債の圧縮に努めた結果、ネット有利子負債は791億円となりました。最終年度の目標値である750億円に向けて一層の削減努力を進めてまいります。

コーポレートガバナンスの強化については、社外役員が構成員の過半数を占めるコーポレートガバナンス委員会などを通じて、実効性のあるコーポレートガバナンス体制の構築を推進し、体制の強化に努めました。

組織・グループ機能の強化については、グループの経営方針の策定や戦略の実行を主導し、事業会社へのサポート強化に取り組んだ結果、課題事業に関わる収益性の改善やグループ内の構造改革などを推進することができました。また、人事政策の基本方針である多様な人財の育成については、グローバル人財や次世代を担う幹部候補生の育成とともに、全社員活躍推進へのさらなる取り組みや多様な働き方ができる労働環境の提供に向けた施策を積極的に進めています。

 

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下の事項があります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

(1) 景気変動等のリスク

 当社グループは、ウオッチ・クロックやデジタル商品向けの電子部品、高級宝飾・服飾・雑貨品など、一部、個人消費に直接関わる商製品を取り扱っております。このため連結業績は、最終的には国内・海外の景気動向、中でも個人消費の動向に強い影響を受けます。

 

(2) 特定の調達先への依存

 ウオッチの特定取引先への調達依存度が高く、ウオッチ事業の業績は同取引先との取引条件等の変更によって大きな影響を受ける可能性があります。

 

(3) 電子デバイス事業の経営環境

 電子デバイス事業の業績は、国内・海外の電子デバイス機器等の需要動向に影響を受けています。また同事業分野は、新技術の開発及びそれらの量産化の速度が速く、価格競争も激しいため、それらの市場環境の変化への対応の遅れが業績に大きな影響を与える可能性が高まっております。

 

(4) 海外製造拠点のカントリーリスク

 電子デバイス事業及びクロック事業は、タイ・中国に製造拠点を有しており、これら地域における政治・経済等による社会情勢変動が、同事業の生産活動に大きな影響を与える可能性があります。

 

(5) 主要顧客への依存

 電子デバイス事業の一部においては、主要顧客への売上依存が高い傾向にあり、これら顧客からの発注量の減少が、同事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 資材の高騰

原油、その他原材料となる資源が需給環境の変化に伴い高騰した場合、製造コストが上昇し業績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 品質問題と製造物責任

当社グループが製造販売する製品には、通常の使用において身体に影響を与える事故を発生させるものはありません。しかしながら製品事故に関する法的規制の強まりなど社会環境の変化あるいは事業環境の変化などにより、製品リコールや賠償責任など品質問題や製造物責任に関するコストが増加する可能性があります。

 

(8) 知的財産権

当社グループでは重要な独自開発技術の保護のため、特許権の取得や機密情報の保護などの措置を講じていますが、地域によっては十分な保護が実現しない可能性があります。更にそのような措置を講じた場合でも、第三者による当社グループ類似製品を効果的に排除することができず、当社グループ製品の優位性が損なわれる可能性があります。

また当社グループは新製品の開発に際して他社の知的財産権を侵害しないよう特許調査等の対策を講じていますが、あらゆる侵害の可能性を排除することは困難であり、他社の知的財産権を侵害した場合には、差止め請求もしくは損害賠償請求などにより業績に影響を受ける可能性があります

 

(9) 為替変動の影響

 当社グループは、主としてウオッチ事業、電子デバイス事業が海外市場向け事業展開を行っておりますが、うちウオッチ事業は外貨建売上と外貨建仕入が概ね相殺される状況にあり、ネットの為替リスクは限定的なものにとどまります。一方、一部の電子デバイス事業は、国内製造拠点から海外市場向けに事業を展開しており、為替の変動が、製品の価格等に影響を与える可能性があります。また、主として国内市場向け事業展開を行っているシステムソリューション事業及びクロック事業において、海外製造拠点からの調達を外貨で行っている部分については、為替の変動が調達コストに影響を与える可能性があります。さらに、在外子会社の損益及び資産等現地通貨建項目のすべては、連結財務諸表作成のために円換算されており、換算時の為替レートにより、現地通貨の円貨換算価値が影響を受ける可能性があります。特に、当社グループ売上の重要部分を占める米ドル及びユーロ等に対する円相場の変動は、在外子会社における純資産の部の換算に係る為替換算調整も含め、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(10) 金利変動の影響

 現在、当社グループと金融機関との関係は良好であり、海外も含めた事業展開上で必要とする資金は問題なく調達できております。しかしながら将来もひきつづき充分に調達可能であるという保証はありません。また、市場の金利水準が低い傾向にあるため、既存の長期借入金の金利につきましては、その80%超を固定化済みであります。大きな金利変動リスクはありませんが、将来の調達に関しては、金利動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(11) 保有資産の時価変動の影響

 当社グループは、有利子負債の更なる圧縮と株主資本の充実を図るため、非営業資産の処分にも取り組んでおりますが、処分予定の不動産、有価証券の時価が大きく変動した場合は、計画している業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(12) 環境問題について

 電子デバイス事業、クロック事業は、省エネルギー、大気・水質の汚染、化学物質の使用、廃棄物処理、リサイクル、製品含有化学物質および土壌・地下水汚染等を規制する様々な環境法令の適用を受けながら事業活動を展開しております。これらの事業は、環境保全活動を経営課題の一つとして、法規への対応はもとより、さらに厳しい自主的目標を掲げるなど、様々な環境保全活動を進めております。しかし、将来において規制強化への対応費用の増大、あるいは環境問題の発生から、損害賠償や対策費用を負担する可能性があります。

 

(13) 情報管理について

 システムソリューション事業では、事業上入手した個人情報や機密情報の保護・管理について、社内規定の策定、従業員教育等を通じ、情報流出の防止を行なっておりますが、予期せぬ事態により情報が流出する可能性は皆無ではありません。このような事態が生じた場合、当社グループの社会的信用の低下や対応のための多額な費用負担により、同事業の業績に影響をおよぼす可能性があります

 

(14) 自然災害の影響

地震・台風等の自然災害により、当社グループの国内外製造拠点及び諸施設が被害を受けた場合、製造の中断、営業・物流・調達機能の停滞等が発生し業績に影響を与える可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

財政状態及び経営成績の状況

平成29年度における世界経済は、米国経済や欧州経済が堅調に推移したほか、中国経済は安定成長を継続し、アジア経済も成長を加速させるなど、先進国と新興国でバランスのとれた景気回復が続きました。一方で、米国をはじめとする各国の利上げや保護主義の高まりによる世界経済の先行きへの不透明感が高まっています。

わが国の経済は、輸出・生産活動の回復に続き個人消費や雇用・所得情勢の改善を受け、景気は緩やかに回復しています。一方で、不安定な株式市場や為替相場の今後の動向に加え、北朝鮮情勢などの地政学リスクが懸念材料となっています。

このような経営環境のもと、当社グループは平成29年3月期を初年度とする第6次中期経営計画を策定し、ウオッチ事業を中核とする高収益グループを目指し、「収益力の強化と成長への投資」を推進するとともに、「経営基盤の強化」を徹底してまいりました。

この結果、当社の当連結会計年度の経営成績は、連結売上高2,685億円(前年度比4.4%増)、営業利益108億円(同44.7%増)、経常利益109億円(同63.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益115億円(同114.0%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

ウオッチ事業

ウオッチ事業の売上高は、前年度比55億円増の1,401億円(前年度比4.1%増)となりました。国内は、独立ブランド化した「グランドセイコー」が好調に推移したほか、新製品投入により「プレザージュ」「プロスペックス」の売上も前年度を上回りました。流通別では専門店、インターネットおよびアウトレット向けの売上が前年度と比較して増加しています。海外は、中国でのEコマース販売が好調に推移したほか、為替の追い風もありアジアや欧州向けの販売も堅調に推移しました。また、ウオッチムーブメントの外販は、一部製品の市況が回復しつつあり、前年度の売上を上回りました。

利益につきましても、売上高の増加により営業利益が79億円(同3.8%増)となりました。

 

電子デバイス事業

電子デバイス事業の売上高は、前年度比22億円減の818億円(前年度比2.6%減)となりました。平成30年1月に半導体事業が連結範囲から外れたことから売上高は減少しましたが、半導体製造設備向けの高機能金属製品やPOS端末用のサーマルプリンタなどが堅調に推移し、営業利益は57億円(同52.1%増)と前年度を19億円上回りました。

 

システムソリューション事業

システムソリューション事業は売上高274億円(前年度比35.1%増)、営業利益16億円(同25.1%増)となりました。コンピュータ性能管理ソフトウェアを展開する株式会社アイ・アイ・エムの取得に加えて、車載用やホームセキュリティ向けの各種モバイル無線通信機器、放送・通信を主としたネットワーク関連機器などの事業が好調に推移しました。

 

その他

その他の売上高は278億円(前年度比3.0%増)、営業利益5億円(前年度比81.0%増)となりました。その他に含まれる事業のうち、和光事業は前年度の売上高を上回りましたが、クロック事業は前年度から売上高が減少しました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は339億円となり、前連結会計年度末と比べて14億円の減少となりました。これは主に以下の要因によるものです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が158億円となり、減価償却費101億円、たな卸資産の減少19億円、仕入債務の増加93億円を加え、さらに事業譲渡損益△93億円、特別退職金の支払△22億円などの調整を行った結果、278億円のプラス(前年度は42億円のプラス)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出△69億円、長期前払費用の取得による支出△32億円、子会社株式の取得および売却による支出の合計△43億円などにより174億円のマイナス(前年度は132億円のマイナス)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、長短借入金の返済および借入がネットで△79億円となったことに加えて、配当金の支払△31億円などにより117億円のマイナス(前年度は57億円のプラス)となりました。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

ウオッチ事業

25,763

5.5

電子デバイス事業

53,576

△5.7

システムソリューション事業

13,593

52.9

その他

4,745

10.5

合計

97,678

3.4

(注)1.金額は、製造原価によって算出しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.連結消去後の金額で記載しております。

 

(b)受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

ウオッチ事業

1,270

13.6

60

△29.0

電子デバイス事業

16,664

△8.2

2,171

6.0

システムソリューション事業

10,553

△1.5

2,284

30.6

その他

5,427

33.0

1,273

26.1

合計

33,915

△0.4

5,790

18.3

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.連結消去後の金額で記載しております。

 

(c)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

ウオッチ事業

138,812

4.0

電子デバイス事業

78,171

△2.4

システムソリューション事業

26,765

33.9

その他

24,779

5.0

合計

268,529

4.4

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.連結消去後の金額で記載しております。

3.総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はないため、「主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合」の記載は行っておりません。

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり必要な見積りについては、合理的な基準に基づき実施しております。

なお、重要な会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

第6次中期経営計画の内容及び当連結会計年度における経過につきましては、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

(a) 経営成績の分析

当社の当連結会計年度の連結売上高は、前年度から114億円増加し、2,685億円(前年度比4.4%増)となりました。事業別では、ウオッチ事業、システムソリューション事業およびその他の売上高は前年度を上回りました。電子デバイス事業の売上高は半導体事業が連結範囲から外れた影響で前年度を下回りました。連結全体の国内売上高は1,430億円(同6.1%増)、海外売上高は1,254億円(同2.6%増)となり、海外売上高割合は46.7%でした。

利益面では、売上高の増加などにより営業利益は前年度から33億円増加し、108億円(同44.7%増)となりました。営業外収支が持分法による投資損益の改善や支払利息の減少など前年度から改善した結果、経常利益は前年度を42億円上回る109億円(同63.5%増)となりました。半導体事業の譲渡益93億円を特別利益に、賃借契約損失引当金繰入額21億円や事業構造改善費用19億円などを特別損失に計上し、法人税等および非支配株主に帰属する当期純利益控除後の親会社株主に帰属する当期純利益は前年度を61億円上回る115億円(同114.0%増)となりました。

 

(b) 財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の総資産は3,075億円となり、前連結会計年度末に比べて212億円の減少となりました。流動資産では、商品及び製品が51億円、仕掛品が29億円、売上債権が16億円減少したことなどにより、流動資産合計で前連結会計年度末より114億円減少し1,424億円となりました。固定資産では、有形固定資産が65億円減少し、繰延税金資産が59億円減少したことなどにより投資その他の資産が50億円減少した結果、固定資産合計で前連結会計年度末と比べ98億円減少し1,651億円となりました。

 

(負債)

負債につきましては、短期借入金が4億円増加し、1年内返済予定の長期借入金が85億円、長期借入金が139億円減少した結果、借入金合計で1,114億円となりました。そのほか、支払手形及び買掛金が37億円増加したことなどにより、負債合計では前連結会計年度末と比べ192億円減少し2,024億円となりました。

 

(純資産)

純資産につきましては、利益剰余金が84億円増加しましたが、非支配株主持分が78億円、その他有価証券評価差額金が33億円減少したことなどにより、合計で前連結会計年度末と比べ19億円減少し1,051億円となりました。

 

 

 

(c) キャッシュ・フローの分析

当該事項につきましては、(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。

指標 \ 決算年月

平成26年3月

平成27年3月

平成28年3月

平成29年3月

平成30年3月

自己資本比率(%)

17.1

27.1

28.7

29.8

33.8

時価ベースの自己資本比率(%)

23.2

37.5

28.0

28.5

34.5

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

12.6

8.1

8.3

31.7

4.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ

3.8

5.2

6.9

2.4

21.6

(注)1. 各指標の計算式

-自己資本比率:自己資本 / 総資産

-時価ベースの自己資本比率:株式時価総額(期末株価終値×期末発行済株式数) / 総資産

-キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債(短期・長期借入金) / 営業キャッシュ・フロー

-インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー / 利払い

(注)2. 計算に利用した数値のベース

各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

-利払い:連結キャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しております。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

当社グループでは、事業会社の事業計画に照らして必要な資金を主に銀行借入により調達しております。有利子負債の圧縮に努めた結果、当連結会計年度末のネット有利子負債は791億円となり前連結会計年度末と比べて220億円の減少となりました。

資金の流動性については、当社および国内の事業会社においてキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、グループ全体の資金効率化を図っております。当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は339億円となり、将来の資金需要に対し適正な水準を確保していると認識しております。

 

なお、セグメントごとの分析につきましては、(1)経営成績等の状況の概要 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

 

 

4【経営上の重要な契約等】

当社子会社であるセイコーインスツル株式会社(以下、SII)は、株式会社日本政策投資銀行(以下、DBJ)との間で、両社の共同出資による半導体事業会社であるエスアイアイ・セミコンダクタ株式会社(孫会社)のSII保有株式の一部をDBJに譲渡する株式譲渡契約を平成29年12月1日付で締結し、平成30年1月5日に譲渡いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

なお、エスアイアイ・セミコンダクタ株式会社は平成30年1月5日にエイブリック株式会社へ商号を変更しております。

 

 

5【研究開発活動】

当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は46億円であり、主として電子デバイス事業に係る研究開発活動を行っております。電子デバイス事業に係る研究開発費は34億円、電子デバイス事業以外に係る研究開発費は12億円であります。

主な研究開発活動は次のとおりであります。

 

(1) 電子デバイス事業

 ウオッチ製造のルーツとして培ってきた精密メカトロニクス技術、省エネルギー技術、マイクロデバイス技術を基盤技術に据え、市場の要求に迅速に対応し、かつ優位性を発揮できるよう技術の強化・継承を図ります。世の中より一歩進んだもの(=匠)を、ミニマムなサイズ・コストで(=小)、環境にやさしく効率よく生産する(=省)をSYOイズムとして研究開発活動の理念に掲げ、研究開発投資を行っています。

 

(2) 電子デバイス事業以外

 ウオッチ事業においては、ウオッチの完成品およびムーブメントの商品価値向上のための技術を追求しています。完成品については、外観のデザイン性や質感を高めユーザーの感性に訴求すべく、形状形成、彩色や仕上げなどの技術開発に取り組んでいます。ムーブメントについては、省エネルギー性やコストパフォーマンスに優れた製品を供給すべく、解析、材料、機構や加工・組立などの技術開発に取り組んでいます。

 システムソリューション事業においては、モバイル・次世代放送・インフラ関連等で要求されるネットワーク経由での高精度時刻配信技術の開発等に関連する研究開発投資を行っています。さらに、金融を中心とした新技術の利活用ニーズに向け、ブロックチェーンやクラウド・AIなどを用いた製品・サービスの開発を加速しています。

 その他に属する事業においては、クロックのムーブメントおよび完成品の開発、設計に研究開発投資を行っています。