(1)業績
当期における国内経済は、足元の市況は緩やかな回復基調にあるものの、上期の急速な円高や株安に加え、インバウンド需要の低迷の影響を受け、消費は伸び悩みました。海外においては、米国経済は、大統領選挙期間中の市況低迷に加え新政権発足後も政策の不確実性が増した一方で、雇用・所得環境の改善による景気回復期待が高まりました。欧州経済は、英国のEU離脱問題による混乱が限定的であったこともあり、総じて経済状況は安定して推移しました。アジア経済は、全般的に厳しい経済環境が続いているものの、中国を中心に回復の兆しも見えてまいりました。
このような情勢のもと、当社グループは、平成25年2月に中期経営計画「シチズングローバルプラン2018」を策定し、製造革新を進め収益力強化を図るとともに、真のグローバル企業となるべく、時計事業を中心に新たな成長戦略を推進してまいりましたが、円高や世界的な市況低迷の影響を受け、厳しい結果となりました。
当期の連結業績は、売上高は3,125億円(前期比10.3%減)、営業利益は215億円(前期比29.4%減)となり、円高の影響に加え、時計市場全体の落ち込みの影響を受け、減収減益となりました。また、営業利益が減益となったことにより、経常利益は219億円(前期比28.2%減)となったものの、資産の効率化を進めた結果、固定資産売却益及び投資有価証券売却益を計上したことで、繰延税金資産に対する評価性引当金額の戻し入れが発生し、税負担率が前期を下回り、親会社株主に帰属する当期純利益は165億円(前期比25.5%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 時計事業
ウオッチ販売のうち、“CITIZEN”ブランドの国内市場は、フラッグシップモデル「エコ・ドライブ ワン」やスマートフォンとリンクする「エコ・ドライブ Bluetooth」等の新商品が好調であったほか、男性向けブランドの「ATTESA」等で展開しているGPS衛星電波時計の市場シェアが拡大しました。また、女性向けブランドの「xC」は、当社独自の表面硬化技術による新色のサクラピンクモデルが好調な売れ行きとなり、国産女性ブランドNo.1の地位を確固たるものとしました。しかしながら、減少傾向が続くインバウンド需要の影響等により、国内時計市場が低迷する中、国内市場全体では減収となりました。
海外市場は、経済状況の緩やかな改善が見られた一部地域を除き、全体的に販売が伸び悩んだことに加え、年度中盤にかけての円高の影響を解消するには至らず、減収となりました。北米市場は、米国大統領選挙後に景気回復への期待が高まっているものの、時計市場への波及効果は限定的で、年末商戦では期待通りの結果を得られず、売上は伸び悩みました。欧州市場は、堅実な経済成長を続けるドイツや、EU離脱決定後の通貨安を背景にインバウンド需要が底堅く推移した英国を中心に年末商戦は全体的に好調な販売となりました。アジア市場は、年度終盤にかけて販売は安定感を取り戻したものの、年度前半の個人消費の落ち込み等による販売低迷を挽回するには至りませんでした。一方、経済が緩やかな回復基調にある中国ではオンライン流通を中心に販売を伸ばしました。
“BULOVA”ブランドは、世界初のカーブクロノムーブメントを搭載した新製品「CURV」が好調であったことや、新規流通を開拓したことにより販売を伸ばしたものの、円高の影響を受けて減収となりました。
“Q&Q”ブランドは、国内市場では新規顧客の開拓等により順調に販売を伸ばしたものの、海外市場において、円高の影響に加え、アジア新興国を中心に販売が低迷したことにより、全体では減収となりました。
“FREDERIQUE CONSTANT”ブランドは、平成28年7月に買収が完了し、当社グループに加わりました。世界的な需要の落ち込みの影響を受け、スイスの高級時計ブランドの多くが販売を大きく落とす中、欧州を中心に安定した販売で推移しました。
ムーブメント販売は、時計市場の縮小や円高の影響に加え、消費者のデザイン嗜好の変化や低単価商品の需要拡大により高付加価値商品の販売が減少した影響もあり、減収となりました。
なお、腕時計の生産規模は、前連結会計年度比10.7%減少し、約1,560億円(販売価格ベース)でありました。
営業利益においては、売上の減少と円高の影響により、大幅な減益となりました。
以上の結果、時計事業全体では、売上高は1,636億円(前期比9.7%減)、営業利益は144億円(前期比29.6%減)と、減収減益となりました。
② 工作機械事業
国内市場は、自動車関連及び半導体製造装置関連を中心に堅調に推移したものの、一部の顧客に設備投資を控える動きがあり、減収となりました。
米州市場は、政策動向に対する様子見から設備投資に慎重な姿勢が継続し、減収となりました。
欧州市場は、円高の影響があったものの、主要な市場であるドイツやイタリアでの販売が堅調に推移したことにより、売上は前年並みを維持しました。
アジア市場は、東アジア向けの大口受注の出荷が販売に大きく寄与したことに加え、中国の自動車関連を中心に足元の受注は底打ち感が見られ、増収となりました。
なお、工作機械の生産規模は、前連結会計年度比3.8%減少し、約494億円(販売価格ベース)でありました。
営業利益においては、全体では設備投資需要が減少し、売上が前年を下回った結果、減益となりました。
以上の結果、工作機械事業全体では、売上高は496億円(前期比3.5%減)、営業利益は64億円(前期比10.4%減)と、減収減益となりました。
③ デバイス事業
精密加工部品のうち、自動車部品は、各地域における新車販売が堅調に推移する中、既存顧客からの安定した受注に加え、新規顧客の開拓により、増収となりました。スマートフォン向けスイッチは、中国顧客を中心に売上が拡大しました。一方、前期から販売を開始した応用製品は需要が一巡したことで売上を落としており、精密加工部品全体では減収となりました。
オプトデバイスのうち、チップLEDは、世界的な省エネ意識の高まりにより、照明用途の市場が拡大しているものの、競争の激化による価格下落や円高の影響により、北米及び欧州の売上が伸び悩みました。照明以外の用途においては、車載向け及びゲーム機器向けの売上が堅調に推移しました。また、ユニット品は、車載向けバックライトの売上が拡大した一方で、スマートフォン向け製品の販売が落ち込み、オプトデバイス全体では減収となりました。
なお、オプトデバイスの生産規模は、前連結会計年度比2.1%減少し、約295億円(販売価格ベース)でありました。
その他部品のうち、主要製品である水晶デバイス及び強誘電性液晶マイクロディスプレイは、ともに低調な販売状況が継続しておりますが、その他部品全体では増収となりました。
営業利益においては、主要製品の販売は堅調に推移しているものの、全体の売上の減少及び円高の影響により、大幅な減益となりました。
以上の結果、デバイス事業全体では、売上高は694億円(前期比13.9%減)、営業利益は39億円(前期比42.1%減)と、減収減益となりました。
④ 電子機器事業
情報機器は、中国の徴税システム変更に伴う需要増により大型プリンターの販売が大きく伸びたものの、POSプリンター及びラベルプリンターの欧米向け販売が伸び悩んだことに加え、フォトプリンターにおいても顧客の在庫調整があり、情報機器全体では減収となりました。
健康機器は、国内市場では血圧計及び体温計の販売が好調に推移したものの、アジア市場及び中東市場での販売低迷を受け、健康機器全体では減収となりました。
営業利益においては、売上は減少したものの費用削減による収益性の改善に努めた結果、増益となりました。
以上の結果、電子機器事業全体では、売上高は217億円(前期比6.8%減)、営業利益は5億円(前期比47.9%増)と、減収増益となりました。
⑤ その他の事業
主要事業である宝飾製品は、消費者の購買意欲に回復の兆しが見られず、販売は低迷しました。また、球機用機器事業の撤退により、その他の事業全体では減収となりました。
営業利益においては、不振が続いていた球機用機器事業からの撤退により、損益が改善しました。
以上の結果、その他の事業全体では、売上高は80億円(前期比30.4%減)、営業利益は3億円(前期は5億円の営業損失)と減収増益となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度に比べ171億円減少し、当連結会計年度末には、778億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度と比べ28億円増加し、327億円となりました。これは主に法人税等の支払額41億円、仕入債務の減少額38億円等による減少要因がありました一方、税金等調整前当期純利益が224億円、減価償却費が125億円、たな卸資産の減少額が69億円となりましたこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度と比べ32億円増加し、278億円の支出となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入47億円、投資有価証券の売却による収入34億円等による増加要因がありました一方、有形固定資産の取得による支出が213億円、連結子会社株式の取得による支出が123億円となりましたこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度と比べ84億円増加し、206億円の支出となりました。これは主に短期借入金の減少額が147億円、配当金の支払額が54億円となりましたこと等によるものであります。
当社グループの生産・販売品目は、広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様でなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことをしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については、「1.業績等の概要」におけるセグメント業績に関連付けて示しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、平成25年2月に、平成31年3月期を最終年度とする中期経営計画「シチズングローバルプラン2018」(以下「本中期経営計画」という。)を策定しました。
本中期経営計画におけるスローガンを「真のグローバル企業を目指して ~スピードと活力の溢れる企業グループへ~」と定め、以下の2項目を基本的な経営方針として、グローバルな市場において求められる「価値」を継続して提供できる「真のグローバル企業」を目指してまいります。
1)時計事業及び時計製造で培われた強みを生かせる領域にフォーカスし、カテゴリートップクラスのグローバル競争力を持つ事業の集合体を目指す。
2)高収益体質になるべく、製造革新を進め収益力強化を図る。
(2) 中長期的な事業戦略と対処すべき課題
本中期経営計画の前期3年間(平成26年3月期~平成28年3月期)では、筋肉質な経営体質の構築を図るため、徹底した構造改革と体質強化を行いました。後期3年間(平成29年3月期~平成31年3月期)では、より一層厳しさを増すグローバル競争に打ち勝つために、収益性の向上を目的として製造力の強化を更に推し進め、同時に積極的に成長投資を行うことで業績の拡大を図り、平成31年3月期のありたい姿である「真のグローバル企業」を目指してまいります。
後期3年間(平成29年3月期~平成31年3月期)では、当社が抱える経営課題を克服するべく、以下の4項目につきまして重点的に取り組んでおります。
1)徹底した体質強化と製造力の強化
前期3年間(平成26年3月期~平成28年3月期)では、構造改革を含めさまざまな施策に取り組みましたが、後期3年間(平成29年3月期~平成31年3月期)も製造革新による原価低減や資産の効率的運用を実践し、より一層取組みを強化しております。
2)事業成長に向けた積極的投資とマーケティング力の強化
前期3年間(平成26年3月期~平成28年3月期)の構造改革により創出した資金を積極的に成長投資へ振り向け、業績の拡大を目指すとともに、お客様の求める価値を継続的に把握、提供できるマーケティング力を強化してまいります。
3)製品・事業の選択と集中
前期3年間(平成26年3月期~平成28年3月期)では、事業ポートフォリオを明確にしました。後期3年間(平成29年3月期~平成31年3月期)は、グループ各社が展開する事業や製品の選択と集中を強めるべく、事業毎に検討を重ね、注力する事業・製品を明確にしつつあります。
4)人の生産性改善と人材力強化
グローバル環境の中であらゆる変化に迅速に対応できるよう、求められる人材ビジョンを明確にし、人材育成と精鋭化集団としての組織力の強化に取り組んでおります。
本中期経営計画における事業別の戦略としましては、
1)時計事業
「製品からブランドへ」をスローガンに掲げ、シチズンブランド事業を成長の核とし、マルチブランド戦略を推し進めております。そして国内と北米は継続的に重点市場と位置付け、徹底的に攻略してまいります。また、厳しい競争を勝ち抜くために、徹底した製造力の強化を推進し、収益性の向上を目指しております。
2)工作機械事業
時計部品の製造で培われた小型化技術及び精密加工制御技術に基づき、顧客のニーズを正確に捉えた新技術を搭載した製品と世界最先端の生産革新ソリューションを創造し、「新・モノづくり企業」のポジションを確立することで、自動盤トップシェアの地位を確固たるものとすべく邁進しております。
3)デバイス事業
当社グループの強みである金属部品や脆性材の加工技術を生かし、グローバルニッチ市場で勝てる小型精密部品事業の拡大を目指しております。LED製品については、当社グループ独自の強みである小型薄型化、高輝度化等を更に追求しつつ、日亜化学工業株式会社との資本・業務提携を通じて利益の安定・拡大を目指しております。その他のデバイス製品事業につきましても売上拡大よりも利益率の向上を目指し、収益の安定を優先してまいります。
4)電子機器事業
高品質・高信頼性の業務用プリンターとフォトプリンターを事業の核とし、グローバルニッチ市場を中心とした事業展開を図り、安定的な利益の創出を目指しております。また、開発、製造、販売において効率化を図り、利益率の向上を推進しております。
当期は、本中期経営計画の後期3年間(平成29年3月期~平成31年3月期)の初年度にあたり、円高やインバウンド需要の減少により業績は一時停滞いたしましたが、再び成長ステージに向かう強固な基盤づくりを継続し、更なる収益性の向上と売上の拡大を図ってまいります。
(会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について)
(1) 基本方針の内容
当社グループはその名のとおり、世界の市民「CITIZEN」によりよい製品・サービスを提供することを使命とし、“市民に愛され市民に貢献する”という企業理念のもと、「市民に愛され親しまれるモノづくり」を通じて世界の人々の暮らしに貢献することによって、企業価値・株主共同の利益の確保・向上に努めてまいりました。当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、このような当社グループの企業理念や事業特性を理解したうえで、グループ経営戦略を中長期的視点に立って着実に実行し、当社が今後も持続的に企業価値・株主共同の利益を確保・向上させていくことを可能とする者でなければならないと考えております。
当社は、当社に対して大規模買付行為が行われた場合においても、これに応じるべきか否かは、最終的には株主の皆様の判断に委ねられるべきであると考えており、大規模買付行為であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。
しかしながら、現時点における法制度、金融環境を前提とした場合、その目的・手法等から見て、真摯に合理的な経営を目指すものではなく、会社に回復し難い損害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の株主や取締役会が買付けの条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提示するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との交渉を必要とするものなど、当社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも想定されます。
当社は、このような大規模買付行為を行う者は、例外的に、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当ではないと考えており、当社の企業価値・株主共同の利益に反する買付行為を抑止するための枠組みが必要不可欠であると考えております。
(2) 基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、多数の株主の皆様に、当社の企業価値をご理解いただいたうえで長期的に当社の株式を保有していただくために、様々な施策を実施してまいりました。
例えば、平成25年2月には、平成31年3月期を最終年度とする中期経営計画「シチズングローバルプラン2018」(以下、「本中期経営計画」といいます。)を策定し、平成28年2月に一部見直しを行いました。
本中期経営計画の前期3年間(平成26年3月期~平成28年3月期)では、筋肉質な経営体質の構築を図るため、徹底した構造改革と体質強化を行いました。
後期3年間(平成29年3月期~平成31年3月期)の初年度にあたる当期は、次のような施策を行いました。
・時計事業のマルチブランド戦略の一環として、Frederique Constant Holding SAを買収。
・時計事業を中核としたグループ全体の更なる成長と本社機能の強化を図るため、事業持株会社体制に移行。
・ムーブメント製造ラインの集約を目的に、長野県佐久市にムーブメントの組立工場を新設。
・不採算となっており、今後の回復が見込めない球機用機器事業から撤退。
・流通に対する更なるプレゼンスの向上とシナジーの最大化等を目的に、米国の時計販売子会社Citizen Watch Company of America Inc.とBulova Corporationを合併。
(3) 基本方針に照らして不適切な者による支配を防止する取組み
当社は、平成25年5月23日開催の取締役会において、「当社株券等の大規模買付行為に関する対応方針」について、これを一部変更したうえで更新すること(以下、かかる変更後の方針を「旧方針」といいます。)を決定し、同年6月27日開催の第128期定時株主総会において、株主の皆様のご承認を受けました。
平成28年6月28日開催の第131期定時株主総会終結の時をもって旧方針の有効期間が満了することから、同年5月26日開催の取締役会において、上記(1)の基本方針を改めて決議するとともに、旧方針を一部変更したうえで更新することにつき、同年6月28日開催の第131期定時株主総会において、株主の皆様のご承認を受けております(以下、かかる変更後の方針を「本方針」といいます。)。
本方針の内容は以下のとおりであります。
① 対象となる買付
本方針の対象となる買付は、特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株式の買付行為等であります。
② 手続
大規模買付者が、事前に当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、当社取締役会による一定の評価期間が経過した後に大規模買付行為を開始することを手続として定めております。
③ 対抗措置の内容
大規模買付者が手続を守らない場合等には、当社取締役会は、独立委員会の勧告に基づいて、その時点のすべての株主の方に対して、新株予約権の無償割当てを行います。新株予約権の無償割当てを行う場合には、対抗措置としての効果を勘案した行使期間、行使条件及び取得条項を設けることがあります。
④ 対抗措置発動の要件
当社は、以下の場合に対抗措置としての新株予約権の無償割当てを行うことがあります。
1) 大規模買付者が手続を守らない場合
2) 真に当社の経営に参加する意思がないにもかかわらず、ただ株価をつり上げて株式を当社または当社関係者に高値で引き取らせる目的であると判断される場合
3) 当社の経営を一時的に支配し、当社または当社グループ会社の資産等を大規模買付者やそのグループ会社等に移譲させるなどの目的があると判断される場合
4) 当社の経営を支配した後、当社または当社グループ会社の資産を大規模買付者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する目的があると判断される場合
5) 当社の経営を一時的に支配して、資産の売却等によって一時的な高配当をさせ、あるいは一時的な高配当による株価の急上昇の機会を狙って当社株式の高値売り抜けを目的としていると判断される場合
6) 最初の買付で全株式の買付を勧誘せず、二段階目の買付条件を不利に設定し、あるいは明確にしないで公開買付等を行うなど、当社株主の皆様に当社株式の売却を事実上強要するおそれがある買付行為である場合
⑤ 対抗措置発動までのプロセス
独立委員会は、大規模買付者から大規模買付に関する意向表明書が提出された場合、10営業日以内に、大規模買付者から当初提供していただく情報のリストを交付します。なお、独立委員会が、当初提供していただいた情報だけでは不足していると判断した場合には、十分な情報が揃うまで追加的に情報提供をしていただくこともあります。また、独立委員会は、当社取締役会に対して60日を上限とする回答期間を定めて大規模買付行為に対する意見等を求めることがあります。独立委員会は、大規模買付者からの情報の提供及び当社取締役会による情報の提供が完了した後、60日以内(30日間を上限とする延長が可能です。)に評価、検討、交渉、意見形成を行います。
独立委員会は、これらの情報に基づいて、当社取締役会に対して、対抗措置を発動するか発動しないかの勧告を行い、当社取締役会は、独立委員会の勧告に基づいて、会社法上の機関としての決議を行います。また、独立委員会は、対抗措置の発動について株主総会に付議することが相当である旨の勧告を行う場合があり、この場合、当社取締役会は、株主総会を招集し、対抗措置の発動に関する議案を付議します。
⑥ 本方針の有効期間
本方針の有効期間は、平成28年6月28日開催の第131期定時株主総会終結の時から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとなっております。
(4) 上記(2)及び(3)の取組みについての取締役会の判断及びその理由
① 基本方針の実現に資する特別な取組みについて
上記(2)の取組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを直接目的とするものであり、結果として基本方針の実現に資するものです。従って、当該取組みは基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
② 基本方針に照らして不適切な者による支配を防止する取組みについて
当社は、以下の諸点を考慮し、織り込むことにより、基本方針に照らして不適切な者による支配を防止する取組みが、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
1) 買収防衛策に関する指針の要件を完全に充足していること等
本方針は、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を完全に充足するとともに、経済産業省の企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」並びにコーポレートガバナンス・コード原則1-5及び補充原則1-5①を踏まえたものです。
2) 株主意思を重視するものであること
当社は、平成28年6月28日開催の第131期定時株主総会において、本方針について株主の皆様のご承認を得ております。また、本方針には、その有効期間を約3年間とするサンセット条項が付されているほか、当社取締役の任期は1年となっていますので、たとえ本方針の有効期間中であっても、取締役の選任を通じて株主の皆様のご意向を示していただくことが可能です。
3) 独立性の高い社外役員の判断の重視と情報開示
当社は、取締役の恣意的判断を排除し、本方針の発動及び廃止等の運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として、独立委員会を設置しております。独立委員会委員は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社の社外役員の中から、当社取締役会が選任します。
当社株式に対して大規模買付等がなされた場合には、独立委員会が、独立委員会規則に従い、当該買付等が当社の企業価値・株主共同の利益を毀損するか否か等について取締役会への勧告を行い、当社取締役会はその判断を最大限尊重して新株予約権無償割当ての実施または不実施等に関する会社法上の機関としての決議を行います。
このように、独立委員会によって、取締役が恣意的に対抗措置の発動を行うことのないよう厳しく監視するとともに、独立委員会の判断の概要については株主の皆様に情報を開示し、当社の企業価値・株主共同の利益に資するべく本方針の透明な運営が行われる仕組みが確保されております。
なお、平成29年6月29日現在の独立委員会委員は、当社社外取締役の小松正明、寺坂史明の両氏と、当社社外監査役の窪木登志子氏であります。
4) 合理的な客観的要件の設定
本方針は、上記(3)④にて記載したとおり、合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しております。
5) 第三者専門家の意見の取得
大規模買付者等が出現すると、独立委員会は、当社の費用で、独立した第三者(フィナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を得ること等ができます。これにより、独立委員会による判断の公正さ・客観性がより強く担保される仕組みとしております。
6) デッドハンド型やスローハンド型の買収防衛策ではないこと
本方針は、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会によりいつでも廃止することができるものとされており、当社の株券等を大量に買い付けようとする者が、自己の指名する取締役を当社株主総会で選任し、かかる取締役で構成される取締役会により、本方針を廃止することが可能であります。従って、本方針は、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。
また、当社は、取締役任期を1年とし期差任期制を採用していないため、本方針はスローハンド型(取締役の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間がかかる買収防衛策)でもありません。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 当社グループの各事業のリスクについて
当社グループは、時計、工作機械、デバイス、電子機器等の製造販売を主な事業とし、全世界で事業展開を行っております。そして、ユーザーは一般個人のほか、多種多様な製造業にまで広範囲に渡っております。従って、当社グループの業績は、多岐に渡る変動要因の影響を受けます。その要因の主なものは以下のとおりです。
時計事業
時計事業においては、ウオッチでは国内競合メーカーのほか、スイス高級腕時計メーカー、中国製普及価格帯時計メーカー、スマートウオッチメーカー等との競争も激しく、また、携帯電話等の時計機能代替製品との競争も内在しております。ムーブメント事業においては、中国メーカーの台頭等に基因する競争環境の激化により単価下落の環境にあるものの、当社は価格競争とは一線を画す戦略の為、数量減少及びシェア低下の可能性があります。
工作機械事業
工作機械事業は、景気サイクルや企業の設備投資需要の影響を受けやすく、また競争環境においては国内メーカーとの競争の他、アジアメーカーとの競争も激しさを増しています。尚且つ、世界的に市場が活気を取り戻しつつあるので、工作機械の部材調達に遅れが生じる可能性があります。
デバイス事業
デバイス事業は、技術革新が早く企業間競争も激しいことから、販売価格の下落や開発等の遅れ等が業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。精密加工部品においては、販売先であります自動車メーカーや携帯電話メーカーの動向に影響を受けます。オプトデバイスにおいては販売先であります携帯電話メーカーや照明メーカーの動向に影響を受けます。また、一部製品では、特許実施許諾の契約を結んでおりますが、何らかの事情により提携関係が解消され、特許の実施許諾が受けられない状態になった場合、当事業に影響を与える可能性があります。
電子機器事業
電子機器事業は、景気変動による設備投資、個人消費の影響を受けやすく、また、国内競合メーカーはもとより、中国等の電子機器メーカーとの競争が激しく、技術革新が早いことから、販売価格の下落や開発等の遅れ等が業績に影響を与える可能性があります。
② 海外売上依存度について
当社グループの製品の売上高における海外比率は高く、また、全世界に販売されております。このため、各地域における景気・消費動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当該地域の政治的・経済的な社会情勢が、同様に影響を及ぼす可能性があります。
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(単位:百万円) |
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(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
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売上高 |
構成比(%) |
売上高 |
構成比(%) |
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日本 |
113,785 |
32.7 |
103,243 |
33.0 |
|
|
アジア |
117,451 |
33.7 |
102,675 |
32.8 |
|
|
アメリカ |
68,951 |
19.8 |
59,533 |
19.0 |
|
|
欧州 |
45,581 |
13.1 |
44,441 |
14.2 |
|
|
その他 |
2,497 |
0.7 |
2,664 |
0.9 |
|
|
海外合計 |
234,482 |
67.3 |
209,315 |
67.0 |
|
|
合計 |
348,267 |
100.0 |
312,559 |
100.0 |
③ 為替変動のリスクについて
上記②のとおり、当社グループの製品の売上高における海外比率は高いため、為替予約及び通貨オプション等によるリスクヘッジを行うとともに、海外生産の拡充・強化を推し進めておりますが、当社グループの業績は為替変動の影響を受けます。
④ 中国生産依存度について
当社グループの製品は、4割以上を海外拠点で生産しており、主な生産拠点は中国に有しております。そのため、中国において何らかのトラブルによる生産の支障及び、生産に支障をきたすような規制等が実施された場合、または人民元が大幅に切り上げられた場合等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑤ 減損損失について
当社グループの資産の時価が著しく下落した場合や事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。
⑥ 特許及びその他の知的財産について
当社グループが研究開発及び生産活動を行う中でさまざまな知的財産権にかかわる技術を使用しており、それらの知的財産権は当社グループが所有しているもの、あるいは適法に使用許諾を受けたものであると認識しておりますが、当社グループの認識の範囲外で第三者から知的財産権を侵害したと主張され、係争等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
特に一部製品において、特許実施許諾の契約を結んで製造を行っておりますが、何らかの事情により提携関係が解消され、特許の実施許諾が受けられない状態になった場合、当事業に影響を与える可能性があります。
⑦ 地震等の自然災害によるリスクについて
当社グループの本社・工場等の設備安全について火災・地震などの自然災害の発生時に、人的被害・工場などの設備破損が生じないよう、防災シミュレーション活動などを通じて管理体制の確立を行っております。しかしながら、想定以上の地震等が発生した場合、生産活動や商品供給に支障をきたしたり、復旧などにかかる費用などで業績及び財務状況に大きな影響が出る可能性があります。
⑧ M&A及び業務提携等に関するリスクについて
当社グループは、M&Aや業務提携等を通じた事業基盤の強化に取り組んでおります。これらを実行するにあたっては、対象企業の入念な調査、検討を行いますが、未認識債務の判明等や事業の展開等が計画どおりに進まない場合、当社グループの経営成績や財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 借入金のリスクについて
当社グループの借入金の一部は、取引先金融機関とシンジケート・ローン契約及びコミットメント・ライン契約を締結していますが、これらの契約の財務制限条項に抵触した場合には、借入金の繰上返済請求を受けることがあり、当社グループの財務状態に影響を与える可能性があります。
⑩ その他のリスクについて
上記以外でも、当社グループの業績は、急激な技術革新等による社会インフラや市場競争状態の変化、当社グループの財務的・経営的状況の変動、国内外の主要市場における貿易規制等各種規制、株式市場や債券市場の大幅な変動により多様な影響を受けます。
技術援助を受けている契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
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シチズン電子㈱ |
日亜化学工業㈱ |
日本 |
白色LEDランプ |
特許実施許諾 |
平成14年1月1日から 平成20年12月31日まで (以降1年毎に自動延長) |
(注) 上記については、ロイヤリティとして売上高の一定率を支払っております。
当社グループの研究開発活動は、グループ開発戦略に基づき、“市民に愛され市民に貢献する” という企業理念実現のため、将来を見据え、新たな顧客価値創出を担う研究開発体制を構築しております。
研究開発体制としては、研究開発センターが中央開発機能を持ち、経営方針にリンクしグループを俯瞰した研究開発を行うとともに、それぞれの事業に関わる製品開発、生産技術開発等は、時計開発本部、製品統括本部および各事業会社が担っております。
なお、研究開発費につきましては、各事業に配分できない基礎研究費用1,679百万円が含まれており、当連結会計年度中に投下した研究開発費は、7,113百万円であります。
主な研究開発活動
①研究開発センターにおける研究開発活動
研究開発センターにおいては、当社のもつ基盤技術(金属材料・脆性材料とその加工技術、光学設計、コンピューターシミュレーションなど)をより深化させるとともに、グループの成長戦略に沿って将来を見据えた中長期の要素技術開発を行っております。また、グループ各社から、材料解析依頼や各種技術相談に応じることで、グループ研究開発活動の支援も行っております。
②時計事業
シチズン時計㈱では、要素部品の小型化、高性能化により、小型化・薄型のムーブメントを実現し、シチズンブランドの主力商品である光発電エコ・ドライブ電波時計、人工衛星から時刻情報を受信する光発電エコ・ドライブ衛星電波時計のラインアップの強化を推し進めています。
2017年3月に、プロフェッショナルスポーツウオッチとして好評を得ている『PROMASTER(プロマスター)』から、世界初の光発電1000m飽和潜水ダイバーウオッチを発表しました(2017年7月発売予定)。この「エコ・ドライブプロフェッショナルダイバー1000m」はISO/JIS規格に適合し、深海域での潜水作業を可能にする飽和潜水にも対応します。ケースの10時位置にヘリウムガス排気バルブを設けており、飽和潜水時に時計内部に侵入したヘリウムガスを排出する事により減圧時の時計の損傷を防ぐ事ができます。各パーツの接合が高圧にも耐えられるようにするため、シチズン独自の金属表面硬化技術デュラテクトを応用しており、りゅうずパイプ、排気バルブパイプの接合を原子レベルで行いました。また、外装の耐摩耗性とともに、耐衝撃性も飛躍的に向上させています。
今後も、腕時計としての美しさと精度を追求し、グローバル展開を目指した環境に優しい「エコ・ドライブ」、「エコ・ドライブ電波腕時計」と、マニュファクチュール(自社一貫生産)としての実力を発揮した機械式時計の拡販に向け、表面処理・外装技術、精密加工技術、低消費電力技術、高感度受信技術、高密度実装技術、エネルギー源、通信技術の開発を継続し、「技術と美の融合」を実現していきます。
当事業に係わる研究開発費は1,675百万円であります。
③工作機械事業
シチズンマシナリー㈱では、グローバル化による顧客ニーズの多様化に対応する新たなモノづくりの姿「個の量産」を提唱し、事業を推進しています。メインとなる製品ブランドとして、主軸台移動形自動旋盤の「Cincom」と、主軸台固定形自動旋盤の「Miyano」の2つの工作機械商品群を展開しています。また自動盤の高効率性を素形材領域において実現する「新・自動盤」シリーズも、ご好評にお応えし製販体制を拡充しています。
併せて、これらの製品に対し、当社の革新的な技術である「LFV technology」の搭載を拡大しており、「MultiStationMachiningCell」、「Ocean technology」と合わせた3つの技術ブランドと 、ネットワークをベースとしたサービスブランド「alkapplysolution」との組み合わせによって、それぞれの特長をより明確にし、差別化を図りながら、お客様価値の最大化に努めています。
当事業に係わる研究開発費は968百万円であります。
④デバイス事業
シチズン電子㈱では、世界的に照明のLED化が進む中、発光効率や光量において世界トップクラスの照明用LEDパッケージだけでなく、より自然光に近い高演色性パッケージや照射物をより鮮やかに映しだすVIVIDシリーズなど様々な顧客ニーズに対応できるよう、ラインナップを拡充しております。また、パッケージバリエーションとしてもCOBだけでなくミドルワットのPSMDや超小型のCSP、等の拡充を図っております。
また、スマートフォンのフラッシュLED用に照明のVIVID技術を応用した新しい製品の提案やウェアラブル端末向けにはマルチカラーLEDやサイドスイッチなど時計技術から生まれた軽薄短小技術を活かし、特色ある製品開発を行っております。
シチズンファインデバイス㈱は、長年築き上げてきた独自の技術を生かし、事業拡大を図るべく、研究開発を行っております。また、市場のニーズを発掘して、新たな研究開発テーマを創出すべく、市場探索活動も積極的に行っております。
金属部品加工分野では、自動車部品を中心とした切削加工のほか、塑性加工、表面処理などを行うとともに、難削材の加工技術開発も行っており、金属部品加工分野における事業拡大に向けた動きを展開しています。水晶デバイス分野では、業界最小クラスの超小型水晶片の開発を行っております。表示デバイス分野では、強誘電液晶パネルを使用した高精細電子ビューファインダーの開発および製造技術の開発に取り組んでおり、解像度において業界最高レベルのUXGA(0.5インチ・576万画素相当)、小型高解像度の720p(0.24インチ・276万画素相当)を電子ビューファインダー及び急速な市場拡大が期待される車載用ヘッドアップディスプレイやヘッドマウントディスプレイなどウェアラブル用途向けに開発しており、継続して当分野での大きなシェア確保を目指しております。光学デバイス分野では、DVDや光通信用のLD及び照明用のLEDに使用される薄膜サブマウントの開発、さらに、セラミックス部品分野では、小型軸受用セラミックス部品など各種用途向けに継続した開発を行っております。また、材料技術に超精密加工技術、薄膜技術などを融合させることで、高精度な微細加工部品の開発にも取り組んでいます。燃焼圧センサは重要な戦略製品と位置付け、継続して開発を行っております。燃焼圧センサは、高温でも圧電性を失わないランガテイト結晶を用いることにより、自動車の燃焼効率向上に向けた要求の実現を目指しております。
当事業に係わる研究開発費は2,167百万円であります。
⑤電子機器事業
シチズン・システムズ㈱では、業務用プリンター製品及び健康機器製品を中心に開発を行っております。
プリンター関連のうち、POSプリンター、モバイルプリンターなどの小型プリンターは、モバイル端末普及により多様化する使用環境(クラウド等)への対応を進めております。ラベルプリンターは、需要が見込まれる新興国での用途に適した開発を進めております。フォトプリンターは、高付加価値製品のシリーズ化と多様化する市場要求に対応した新製品の開発が完了しました。健康機器関連のうち、主力の体温計、血圧計は基本的機能の向上と操作性改善への取組みに加え、他社にない差別化された製品の実現に向けた開発に取り組んでおります。
当事業に係わる研究開発費は622百万円であります。
(1)当連結会計年度末の資産の状況
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ105億円減少し、3,958億円となりました。資産の内、流動資産は、現金及び預金が186億円、棚卸資産が48億円、受取手形及び売掛金が19億円減少したこと等により、287億円の減少となりました。固定資産につきましては、建設仮勘定が25億円減少した一方、建物及び構築物が75億円、投資有価証券が41億円、のれんが38億円増加したこと等により、181億円の増加となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ、短期借入金が115億円、事業再編整理損失引当金(短期)が30億円、長期借入金が28億円減少したこと等により223億円減少し、1,466億円となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、剰余金の配当が54億円発生した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益が165億円発生したこと等により117億円増加し、2,492億円となりました。なお、自己株式の消却により、利益剰余金及び自己株式がそれぞれ86億円減少しております。
(2)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より28億円収入が増加し327億円のキャッシュを得ております。これは主に法人税等の支払額41億円、仕入債務の減少額38億円等による減少要因がありました一方、税金等調整前当期純利益が224億円、減価償却費が125億円、たな卸資産の減少額が69億円となりましたこと等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より32億円支出が増加し、278億円の支出となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入47億円、投資有価証券の売却による収入34億円等による増加要因がありました一方、有形固定資産の取得による支出が213億円、連結子会社株式の取得による支出が123億円となりましたこと等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より84億円支出が増加し、206億円の支出となりました。これは主に短期借入金の減少額が147億円、配当金の支払額が54億円となりましたこと等によるものであります。
この結果、現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ171億円減少し、当連結会計年度末には、778億円となりました。
(3)当連結会計年度の経営成績の状況
当連結会計年度における売上高は、3,125億円(前連結会計年度比10.3%減)、売上総利益1,202億円(同10.8%減)、営業利益215億円(同29.4%減)、経常利益219億円(同28.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益165億円(同25.5%増)と、減収増益となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比55億円減の987億円となりました。
営業外収益は、持分法投資利益の減少等により、前連結会計年度比2億円減の29億円となりました。営業外費用は、為替差損の減少等により前連結会計年度比6億円減の25億円となりました。その結果、営業外収支は、前連結会計年度比で3億円増の4億円となりました。
特別利益は、投資有価証券売却益、固定資産売却益の増加等により、前連結会計年度比で36億円増加し48億円となりました。特別損失は、減損損失、事業再編整理損の減少等により、前連結会計年度比で48億円減少し44億円となりました。
法人税等につきましては、法人税、住民税及び事業税の減少等により30億円減少しました。
非支配株主に帰属する当期純利益は、4億円となりました。
なお、事業別の分析は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」の項目をご参照ください。