文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、平成25年2月に、平成31年3月期を最終年度とする中期経営計画「シチズングローバルプラン2018」(以下「本中期経営計画」という。)を策定しました。
本中期経営計画におけるスローガンを「真のグローバル企業を目指して ~スピードと活力の溢れる企業グループへ~」と定め、以下の2項目を基本的な経営方針として、グローバルな市場において求められる「価値」を継続して提供できる「真のグローバル企業」を目指してまいります。
1)時計事業及び時計製造で培われた強みを生かせる領域にフォーカスし、カテゴリートップクラスのグローバル競争力を持つ事業の集合体を目指す。
2)高収益体質になるべく、製造革新を進め収益力強化を図る。
(2) 経営戦略等
本中期経営計画の前期3年間(平成26年3月期~平成28年3月期)では、筋肉質な経営体質の構築を図るため、徹底した構造改革と体質強化を行いました。後期3年間(平成29年3月期~平成31年3月期)では、より一層厳しさを増すグローバル競争に打ち勝つために、収益性の向上を目的として製造力の強化を更に推し進め、同時に積極的に成長投資を行うことで業績の拡大を図り、平成31年3月期のありたい姿である「真のグローバル企業」を目指してまいります。
後期3年間(平成29年3月期~平成31年3月期)では、当社が抱える経営課題を克服するべく、以下の4項目につきまして重点的に取り組んでおります。
1)徹底した体質強化と製造力の強化
前期3年間(平成26年3月期~平成28年3月期)では、構造改革を含めさまざまな施策に取り組みましたが、後期3年間(平成29年3月期~平成31年3月期)も製造革新による原価低減や資産の効率的運用を実践し、より一層取組みを強化しております。
2)事業成長に向けた積極的投資とマーケティング力の強化
前期3年間(平成26年3月期~平成28年3月期)の構造改革により創出した資金を積極的に成長投資へ振り向け、業績の拡大を目指すとともに、お客様の求める価値を継続的に把握、提供できるマーケティング力を強化してまいります。
3)製品・事業の選択と集中
前期3年間(平成26年3月期~平成28年3月期)では、事業ポートフォリオを明確にしました。後期3年間(平成29年3月期~平成31年3月期)は、事業や製品の選択と集中を推進し、事業ポートフォリオの実践を進めてまいります。
4)人の生産性改善と人材力強化
グローバル環境の中であらゆる変化に迅速に対応できるよう、求められる人材ビジョンを明確にし、人材育成と精鋭化集団としての組織力の強化に取り組んでおります。
本中期経営計画における事業別の戦略としましては、
1)時計事業
「製品からブランドへ」をスローガンに掲げ、シチズンブランド事業を成長の核とし、マルチブランド戦略を推し進めております。そして重点市場と位置付けた国内と北米市場での積極的な取り組みを継続してまいります。また、厳しい競争を勝ち抜くために、成長に向けた投資を加速し、多様化するニーズに対応すべく製造力の強化を推進し、収益性の向上を目指しております。
2)工作機械事業
時計部品の製造で培われた小型化技術及び精密加工制御技術に基づき、顧客のニーズを正確に捉えた新技術を搭載した製品の拡大と世界最先端の生産革新ソリューションを創造し、「新・モノづくり企業」のポジションを確立することで、自動盤トップシェアの地位を確固たるものとして邁進しております。
3)デバイス事業
当社グループの強みである金属部品や脆性材の加工技術を生かし、グローバルニッチ市場で勝てる小型精密部品事業の拡大を目指しております。LED製品については、当社グループ独自の強みである小型薄型化、高輝度化等を更に追求しつつ、日亜化学工業株式会社との資本・業務提携を通じて利益の安定・拡大を目指しております。その他のデバイス製品事業につきましても売上拡大よりも利益率の向上を目指し、収益の安定を優先してまいります。
4)電子機器事業
高品質・高信頼性の業務用プリンターとフォトプリンターを事業の核とし、グローバルニッチ市場を中心とした事業展開を図り、安定的な利益の創出を目指しております。また、開発、製造、販売において効率化を図り、利益率の向上を推進しております。
当期は、本中期経営計画後期3年間(平成29年3月期~平成31年3月期)の二年目となりますが、中核事業の時計市場の流通再編や中価格帯市場の回復の遅れにより業績は伸び悩んでおりますが、取組むべき施策は着実に実施されており、再び成長ステージに向かうべく強固な基盤づくりを継続し、更なる収益性の向上と売上の拡大を図ってまいります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社の連結子会社である、シチズン電子株式会社(以下「シチズン電子」)について、取引先企業との取決めにおいて、供給している製品の製造拠点を変更した場合には、取引先企業にその変更を申請することになっていたにもかかわらず、一部の取引先企業に対して、その変更申請を行わなかったことに起因し、それ以後、取引先企業と取り決めた従前の製造拠点で製造されたことを示すロット番号を印字したラベルを製品に貼付するなどして出荷を続ける不適切行為が判明しております。
当社としては、本件をコンプライアンス違反事象であると重く受け止め、平成29年11月10日に第三者委員会を設置し、徹底的な調査による事実解明と原因分析などを委ねました。
平成30年2月9日には、第三者委員会の調査報告書を受領し、本件不適切行為は、遅くとも平成22年4月から平成29年6月までの約7年2か月間にわたり続いていたことが認定されております。
これに加え、第三者委員会の調査により新たに判明した主な事象として、シチズン電子の照明用LED部品に関して、主に北米の取引先企業向けに、シチズン電子内に設置された認定試験所において発行する、寿命予測(光束の経年劣化)に関する試験結果を記載したレポートの一部が書き換えられ、提出されていたという不適正行為が行われていたことが記載されています。
上記課題に対する当社の対応については、「第4 提出会社の状況 6.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの状況 ③ リスク管理体制の整備の状況」をご参照ください。
(会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について)
(1) 基本方針の内容
当社グループはその名のとおり、世界の市民「CITIZEN」によりよい製品・サービスを提供することを使命とし、“市民に愛され市民に貢献する”という企業理念のもと、「市民に愛され親しまれるモノづくり」を通じて世界の人々の暮らしに貢献することによって、企業価値・株主共同の利益の確保・向上に努めてまいりました。当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、このような当社グループの企業理念や事業特性を理解したうえで、グループ経営戦略を中長期的視点に立って着実に実行し、当社が今後も持続的に企業価値・株主共同の利益を確保・向上させていくことを可能とする者でなければならないと考えております。
当社は、当社に対して大規模買付行為が行われた場合においても、これに応じるべきか否かは、最終的には株主の皆様の判断に委ねられるべきであると考えており、大規模買付行為であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。
しかしながら、現時点における法制度、金融環境を前提とした場合、その目的・手法等から見て、真摯に合理的な経営を目指すものではなく、会社に回復し難い損害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の株主や取締役会が買付けの条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提示するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との交渉を必要とするものなど、当社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも想定されます。
当社は、このような大規模買付行為を行う者は、例外的に、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当ではないと考えており、当社の企業価値・株主共同の利益に反する買付行為を抑止するための枠組みが必要不可欠であると考えております。
(2) 基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、多数の株主の皆様に、当社の企業価値をご理解いただいたうえで長期的に当社の株式を保有していただくために、様々な施策を実施してまいりました。
例えば、平成25年2月には、平成31年3月期を最終年度とする中期経営計画「シチズングローバルプラン2018」(以下、「本中期経営計画」といいます。)を策定し、平成28年2月に一部見直しを行いました。
本中期経営計画の前期3年間(平成26年3月期~平成28年3月期)では、筋肉質な経営体質の構築を図るため、徹底した構造改革と体質強化を行いました。
後期3年間(平成29年3月期~平成31年3月期)の2年目にあたる当期は、次のような施策を行いました。
・時計事業の主要ブランドを世界最大級のコレクションで展開する世界で初めてのフラッグシップストア「CITIZEN FLAGSHIP STORE TOKYO」を東京都中央区銀座の商業施設「GINZA SIX」1階にオープン。
・ムーブメントの基幹部品を製造する主要な拠点であるシチズン時計鹿児島株式会社に、需要の拡大に際して柔軟な増産対応を可能とする工場棟の増設を決定。
・工作機械事業の重要拠点の一つである欧州での売上拡大を目的に、イギリスにおける新たな営業拠点の開設とイタリアの本社及び営業拠点の拡大を決定。
・工作機械への旺盛な需要への対応と安定供給体制を構築するため、タイとベトナムにある製造拠点の増床及びフィリピンにある製造拠点の拡張による生産能力の拡大を決定。
・事業や製品の選択と集中の一環として、不採算となり、今後の収益改善が見込めない大型ドットプリンターから撤退。
(3) 基本方針に照らして不適切な者による支配を防止する取組み
当社は、平成25年5月23日開催の取締役会において、「当社株券等の大規模買付行為に関する対応方針」について、これを一部変更したうえで更新すること(以下、かかる変更後の方針を「旧方針」といいます。)を決定し、同年6月27日開催の第128期定時株主総会において、株主の皆様のご承認を受けました。
平成28年6月28日開催の第131期定時株主総会終結の時をもって旧方針の有効期間が満了することから、同年5月26日開催の取締役会において、上記(1)の基本方針を改めて決議するとともに、旧方針を一部変更したうえで更新することにつき、同年6月28日開催の第131期定時株主総会において、株主の皆様のご承認を受けております(以下、かかる変更後の方針を「本方針」といいます。)。
本方針の内容は以下のとおりであります。
① 対象となる買付
本方針の対象となる買付は、特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株式の買付行為等であります。
② 手続
大規模買付者が、事前に当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、当社取締役会による一定の評価期間が経過した後に大規模買付行為を開始することを手続として定めております。
③ 対抗措置の内容
大規模買付者が手続を守らない場合等には、当社取締役会は、独立委員会の勧告に基づいて、その時点のすべての株主の方に対して、新株予約権の無償割当てを行います。新株予約権の無償割当てを行う場合には、対抗措置としての効果を勘案した行使期間、行使条件及び取得条項を設けることがあります。
④ 対抗措置発動の要件
当社は、以下の場合に対抗措置としての新株予約権の無償割当てを行うことがあります。
1) 大規模買付者が手続を守らない場合
2) 真に当社の経営に参加する意思がないにもかかわらず、ただ株価をつり上げて株式を当社または当社関係者に高値で引き取らせる目的であると判断される場合
3) 当社の経営を一時的に支配し、当社または当社グループ会社の資産等を大規模買付者やそのグループ会社等に移譲させるなどの目的があると判断される場合
4) 当社の経営を支配した後、当社または当社グループ会社の資産を大規模買付者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する目的があると判断される場合
5) 当社の経営を一時的に支配して、資産の売却等によって一時的な高配当をさせ、あるいは一時的な高配当による株価の急上昇の機会を狙って当社株式の高値売り抜けを目的としていると判断される場合
6) 最初の買付で全株式の買付を勧誘せず、二段階目の買付条件を不利に設定し、あるいは明確にしないで公開買付等を行うなど、当社株主の皆様に当社株式の売却を事実上強要するおそれがある買付行為である場合
⑤ 対抗措置発動までのプロセス
独立委員会は、大規模買付者から大規模買付に関する意向表明書が提出された場合、10営業日以内に、大規模買付者から当初提供していただく情報のリストを交付します。なお、独立委員会が、当初提供していただいた情報だけでは不足していると判断した場合には、十分な情報が揃うまで追加的に情報提供をしていただくこともあります。また、独立委員会は、当社取締役会に対して60日を上限とする回答期間を定めて大規模買付行為に対する意見等を求めることがあります。独立委員会は、大規模買付者からの情報の提供及び当社取締役会による情報の提供が完了した後、60日以内(30日間を上限とする延長が可能です。)に評価、検討、交渉、意見形成を行います。
独立委員会は、これらの情報に基づいて、当社取締役会に対して、対抗措置を発動するか発動しないかの勧告を行い、当社取締役会は、独立委員会の勧告に基づいて、会社法上の機関としての決議を行います。また、独立委員会は、対抗措置の発動について株主総会に付議することが相当である旨の勧告を行う場合があり、この場合、当社取締役会は、株主総会を招集し、対抗措置の発動に関する議案を付議します。
⑥ 本方針の有効期間
本方針の有効期間は、平成28年6月28日開催の第131期定時株主総会終結の時から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとなっております。
(4) 上記(2)及び(3)の取組みについての取締役会の判断及びその理由
① 基本方針の実現に資する特別な取組みについて
上記(2)の取組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを直接目的とするものであり、結果として基本方針の実現に資するものです。従って、当該取組みは基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
② 基本方針に照らして不適切な者による支配を防止する取組みについて
当社は、以下の諸点を考慮し、織り込むことにより、基本方針に照らして不適切な者による支配を防止する取組みが、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
1) 買収防衛策に関する指針の要件を完全に充足していること等
本方針は、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を完全に充足するとともに、経済産業省の企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」並びにコーポレートガバナンス・コード原則1-5及び補充原則1-5①を踏まえたものです。
2) 株主意思を重視するものであること
当社は、平成28年6月28日開催の第131期定時株主総会において、本方針について株主の皆様のご承認を得ております。また、本方針には、その有効期間を約3年間とするサンセット条項が付されているほか、当社取締役の任期は1年となっていますので、たとえ本方針の有効期間中であっても、取締役の選任を通じて株主の皆様のご意向を示していただくことが可能です。
3) 独立性の高い社外役員の判断の重視と情報開示
当社は、取締役の恣意的判断を排除し、本方針の発動及び廃止等の運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として、独立委員会を設置しております。独立委員会委員は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社の社外役員の中から、当社取締役会が選任します。
当社株式に対して大規模買付等がなされた場合には、独立委員会が、独立委員会規則に従い、当該買付等が当社の企業価値・株主共同の利益を毀損するか否か等について取締役会への勧告を行い、当社取締役会はその判断を最大限尊重して新株予約権無償割当ての実施または不実施等に関する会社法上の機関としての決議を行います。
このように、独立委員会によって、取締役が恣意的に対抗措置の発動を行うことのないよう厳しく監視するとともに、独立委員会の判断の概要については株主の皆様に情報を開示し、当社の企業価値・株主共同の利益に資するべく本方針の透明な運営が行われる仕組みが確保されております。
なお、平成30年6月28日現在の独立委員会委員は、当社社外取締役の小松正明、寺坂史明の両氏と、当社社外監査役の窪木登志子氏であります。
4) 合理的な客観的要件の設定
本方針は、上記(3)④にて記載したとおり、合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しております。
5) 第三者専門家の意見の取得
大規模買付者等が出現すると、独立委員会は、当社の費用で、独立した第三者(フィナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を得ること等ができます。これにより、独立委員会による判断の公正さ・客観性がより強く担保される仕組みとしております。
6) デッドハンド型やスローハンド型の買収防衛策ではないこと
本方針は、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会によりいつでも廃止することができるものとされており、当社の株券等を大量に買い付けようとする者が、自己の指名する取締役を当社株主総会で選任し、かかる取締役で構成される取締役会により、本方針を廃止することが可能であります。従って、本方針は、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。
また、当社は、取締役任期を1年とし期差任期制を採用していないため、本方針はスローハンド型(取締役の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間がかかる買収防衛策)でもありません。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 当社グループの各事業のリスクについて
当社グループは、時計、工作機械、デバイス、電子機器等の製造販売を主な事業とし、全世界で事業展開を行っております。そして、ユーザーは一般個人のほか、多種多様な製造業にまで広範囲に渡っております。従って、当社グループの業績は、多岐に渡る変動要因の影響を受けます。その要因の主なものは以下のとおりです。
時計事業
時計事業においては、ウオッチでは国内競合メーカーのほか、スイス高級腕時計メーカー、中国製普及価格帯時計メーカー、スマートウオッチメーカー等との競争も激しく、また、携帯電話等の時計機能代替製品との競争も内在しております。ムーブメント事業においては、中国メーカーの台頭等に基因する競争環境の激化により単価下落の環境にあるものの、当社は価格競争とは一線を画す戦略の為、数量減少及びシェア低下の可能性があります。
工作機械事業
工作機械事業は、景気サイクルや企業の設備投資需要の影響を受けやすく、また競争環境においては国内メーカーとの競争の他、アジアメーカーとの競争も激しさを増しています。尚且つ、世界的に市場が活気を呈しており、工作機械部材の需給バランスが崩れ、部品調達が難しくなる可能性があります。また、製造およびサービスの人員不足に陥る可能性があります。
デバイス事業
デバイス事業は、技術革新が早く企業間競争も激しいことから、販売価格の下落や開発等の遅れ等が業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。精密加工部品においては、販売先であります自動車メーカーや携帯電話メーカーの動向に影響を受けます。オプトデバイスにおいては、シチズン電子による不適切行為の対象製品である照明用LED部品について、損失の発生等により業績に影響を及ぼす可能性があります。また、一部製品では、特許実施許諾の契約を結んでおりますが、何らかの事情により提携関係が解消され、特許の実施許諾が受けられない状態になった場合、当事業に影響を与える可能性があります。
電子機器事業
電子機器事業は、景気変動による設備投資、個人消費の影響を受けやすく、また、国内競合メーカーはもとより、中国等の電子機器メーカーとの競争が激しく、技術革新が早いことから、販売価格の下落や開発等の遅れ等が業績に影響を与える可能性があります。
② 海外売上依存度について
当社グループの製品の売上高における海外比率は高く、また、全世界に販売されております。このため、各地域における景気・消費動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当該地域の政治的・経済的な社会情勢が、同様に影響を及ぼす可能性があります。
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(単位:百万円) |
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(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
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売上高 |
構成比(%) |
売上高 |
構成比(%) |
|
|
日本 |
103,243 |
33.0 |
105,259 |
32.9 |
|
|
アジア |
102,675 |
32.8 |
99,565 |
31.1 |
|
|
アメリカ |
59,533 |
19.0 |
61,472 |
19.2 |
|
|
欧州 |
44,441 |
14.2 |
50,754 |
15.9 |
|
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その他 |
2,664 |
0.9 |
2,995 |
0.9 |
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|
海外合計 |
209,315 |
67.0 |
214,787 |
67.1 |
|
|
合計 |
312,559 |
100.0 |
320,047 |
100.0 |
③ 為替変動のリスクについて
上記②のとおり、当社グループの製品の売上高における海外比率は高いため、為替予約及び通貨オプション等によるリスクヘッジを行うとともに、海外生産の拡充・強化を推し進めておりますが、当社グループの業績は為替変動の影響を受けます。
④ 中国生産依存度について
当社グループの製品は、4割以上を海外拠点で生産しており、主な生産拠点は中国に有しております。そのため、中国において何らかのトラブルによる生産の支障及び、生産に支障をきたすような規制等が実施された場合、または人民元が大幅に切り上げられた場合等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑤ 減損損失について
当社グループの資産の時価が著しく下落した場合や事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。
⑥ 特許及びその他の知的財産について
当社グループが研究開発及び生産活動を行う中でさまざまな知的財産権にかかわる技術を使用しており、それらの知的財産権は当社グループが所有しているもの、あるいは適法に使用許諾を受けたものであると認識しておりますが、当社グループの認識の範囲外で第三者から知的財産権を侵害したと主張され、係争等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
特に一部製品において、特許実施許諾の契約を結んで製造を行っておりますが、何らかの事情により提携関係が解消され、特許の実施許諾が受けられない状態になった場合、当事業に影響を与える可能性があります。
⑦ 地震等の自然災害によるリスクについて
当社グループの本社・工場等の設備安全について火災・地震などの自然災害の発生時に、人的被害・工場などの設備破損が生じないよう、防災シミュレーション活動などを通じて管理体制の確立を行っております。しかしながら、想定以上の地震等が発生した場合、生産活動や商品供給に支障をきたしたり、復旧などにかかる費用などで業績及び財務状況に大きな影響が出る可能性があります。
⑧ M&A及び業務提携等に関するリスクについて
当社グループは、M&Aや業務提携等を通じた事業基盤の強化に取り組んでおります。これらを実行するにあたっては、対象企業の入念な調査、検討を行いますが、未認識債務の判明等や事業の展開等が計画どおりに進まない場合、当社グループの経営成績や財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 借入金のリスクについて
当社グループの借入金の一部は、取引先金融機関とシンジケート・ローン契約及びコミットメント・ライン契約を締結していますが、これらの契約の財務制限条項に抵触した場合には、借入金の繰上返済請求を受けることがあり、当社グループの財務状態に影響を与える可能性があります。
⑩ その他のリスクについて
上記以外でも、当社グループの業績は、急激な技術革新等による社会インフラや市場競争状態の変化、当社グループの財務的・経営的状況の変動、国内外の主要市場における貿易規制等各種規制、株式市場や債券市場の大幅な変動により多様な影響を受けます。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績
① 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況
当期における国内経済は、全般的に緩やかな回復傾向にはあるものの、力強さを欠く状況で推移しました。一方、米国経済は、雇用環境の改善が続く等、各経済指標は回復の兆しを示しております。欧州経済は、英国のEU離脱による見通し不透明感から景気に減速感がありました。アジア経済は、一部で一服感はあるものの、中国をはじめとして景気の持ち直し基調が見られました。
このような情勢のもと、当社グループは、平成25年2月に策定した中期経営計画「シチズングローバルプラン2018」のもと、製造革新を進め収益力強化を図るとともに、真のグローバル企業となるべく、時計事業を中心に新たな成長戦略を推進してまいりました。
当期の連結業績は、売上高は3,200億円(前期比2.4%増)、営業利益は249億円(前期比15.9%増)となり、増収増益となりました。また、経常利益は266億円(前期比21.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は193億円(前期比16.5%増)と、いずれも増益となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(時計事業)
ウオッチ販売のうち、“CITIZEN”ブランドの国内市場は、都市部を中心にインバウンド需要の回復が顕著でした。高価格帯のEco-Drive One、CAMPANOLAやThe CITIZENの限定モデルのほか、PROMASTERも好調に推移しました。しかしながら、当社の主力である中価格帯の需要は勢いを欠き、全体では減収となりました。
海外市場においては、市場により濃淡はあるものの、引き続き市場の緩やかな回復が続き、増収となりました。北米市場は、期初から続く大手流通の店舗整理や在庫調整の影響を受けたものの、下期を中心に回復を示したことから、増収となりました。欧州市場は、個人消費が冷え込む英国やイタリアでの売上が伸び悩む一方で、ドイツでの販売が堅調に推移し、円安の追い風もあり増収となりました。アジア市場は、経済活動の緩やかな拡大を背景に市場が徐々に力強さを取り戻し、特に中国は、オンライン流通、実店舗流通ともに、販売が拡大しました。
“BULOVA”ブランドは、主要市場である北米全体の流通再編等の影響がありましたが、新たな販売チャネルの獲得に努めた結果、横ばいとなりました。
“Q&Q”ブランドは、アメリカ市場で好調を維持し、増収となりました。
“Frederique Constant”ブランドは、アジア地域向けを中心に、堅調に推移しました。
ムーブメント販売は、市場の回復に力強さを欠いており、また、高付加価値商品の需要が伸び悩んでいる影響を受けて、減収となりました。
なお、腕時計の生産規模は、前連結会計年度比2.7%増加し、約1,603億円(販売価格ベース)でありました。
以上の結果、時計事業全体では、中価格帯の需要の回復が当社の想定よりも遅れている中、中期経営計画の施策であるマルチブランド戦略の効果等があり、売上高は1,637億円(前期比0.1%増)と、増収となりました。営業利益においては、重点施策の一つである高価格帯製品の販売が好調に推移したこと等による製品単価の上昇や製品ミックスによる収益性の改善もあり、161億円(前期比11.7%増)と、増益となりました。
(工作機械事業)
国内市場は、自動車関連及び半導体製造装置関連を中心に販売が堅調に推移し、増収となりました。
米州市場は、医療関連を中心に設備投資需要が旺盛となり、増収となりました。
欧州市場は、自動車関連を中心に堅調に推移したドイツや、優遇税制の後押しを受けたイタリアが市場全体を牽引し、増収となりました。
アジア市場は、中国で主要業種全般が堅調に推移したほか、アセアン地域でも自動車関連及び精密関連が底堅く推移し、増収となりました。
なお、工作機械の生産規模は、前連結会計年度比44.6%増加し、約689億円(販売価格ベース)でありました。
以上の結果、工作機械事業全体では、国内外の好調な市況と当社グループの独自技術であるLFV(低周波振動切削)搭載機が寄与し、売上高は640億円(前期比28.9%増)と、大幅な増収となりました。営業利益においては、好調な市況を背景とした大幅な売上増と高単価機種の伸長を受け、104億円(前期比63.0%増)と、大幅な増益となりました。
(デバイス事業)
精密加工部品のうち、自動車部品は、国内、北米、欧州及び中国向けでブレーキ部品を中心に堅調に推移しましたが、スマートフォン向けスイッチが大きく落ち込み、精密加工部品全体では減収となりました。
オプトデバイスのうち、チップLEDは、照明向けの競争環境が激化する中、車載向け及びアミューズメント向け等が堅調に推移しました。また、バックライトは、車載向け製品の売上が拡大したほか、照明ユニットも売上を伸ばし、オプトデバイス全体では増収となりました。
なお、オプトデバイスの生産規模は、前連結会計年度比12.4%増加し、約332億円(販売価格ベース)でありました。
その他部品については、水晶デバイスがIoT市場の拡大による需要増を受けて堅調に推移した一方で、強誘電性液晶マイクロディスプレイの需要が弱含んだ結果、その他部品全体では減収となりました。
以上の結果、デバイス事業全体では、オプトデバイスが売上を伸ばしたもののスイッチの落ち込みの影響を受け、売上高は655億円(前期比5.6%減)と、減収となりました。営業利益においては、売上の減少により、27億円(前期比30.2%減)と、減益となりました。
(電子機器事業)
情報機器は、フォトプリンターが大幅な増収となったほか、POSプリンター、ラベルプリンターも堅調に推移しましたが、大型ドットプリンターにおける市場規模の縮小と前期にあった特需の反動により、情報機器全体では減収となりました。なお、大型ドットプリンターについては、今後も収益改善が見込めない状況であることから、当期末をもって撤退することといたしました。
健康機器は、国内市場で血圧計が伸び悩んだほか、海外市場においては、中東向けが伸長したものの、米州向けと中国向けの販売が落ち込んだ結果、減収となりました。
以上の結果、電子機器事業全体では、注力するフォトプリンター、POSプリンター及びラベルプリンターが総じて堅調に推移したものの、大型ドットプリンターの大幅な落ち込みを補うには至らず、売上高は205億円(前期比5.5%減)と、減収となりました。営業利益においては、売上高は減収となったものの、収益改善に向けた取組みを進めた結果、5億円(前期比1.2%増)と、増益となりました。
(その他の事業)
宝飾製品は、国内消費マインドに回復の兆しが見られず、主力のマリッジリングが苦戦したほか、展示会においても売上を伸ばすことができませんでした。また、球機用機器事業からの撤退に伴う売上減の影響もあり、その他の事業全体で減収となりました。
以上の結果、その他の事業全体では、主に宝飾製品の伸び悩みにより、売上高は61億円(前期比23.8%減)と、減収となりました。営業利益においては、不振が続いていた球機用機器事業からの撤退により、一定の収益改善が図れたものの、宝飾製品の売上減により、3億円(前期比8.2%減)と減益となりました。
② 目標とする経営指標の達成状況
当社グループは、平成31年3月期を最終年度とする中期経営計画「シチズングローバルプラン2018」において、平成31年3月期の目標営業利益を400億円、ROA(総資産当期純利益率)6.0%以上を確保することを主要な経営指標目標として定めており、グローバル市場において求められる「価値」を継続して提供できる「真のグローバル企業」を目指してきました。
当連結会計年度の営業利益は249億円、ROAは4.8%となり、市場環境の変化を受け時計事業を中心に進捗に遅れが見られておりますが、成長に向けた販促活動や宣伝投資を加速させ、改善していく所存です。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は、広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様でなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことをしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績については、セグメント業績に関連付けて示しております。
(2)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ162億円増加し、4,121億円となりました。資産の内、流動資産は、現金及び預金が113億円、たな卸資産が62億円増加したこと等により、178億円の増加となりました。固定資産につきましては、投資有価証券が15億円、建設仮勘定が9億円増加した一方で、のれんが16億円、繰延税金資産が8億円、土地が8億円減少したこと等により、15億円の減少となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ、社債が100億円減少した一方で、長期借入金が49億円、未払法人税等が22億円、支払手形及び買掛金が14億円、短期借入金が10億円、電子記録債務が10億円増加したこと等により17億円増加し、1,484億円となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、為替換算調整勘定が10億円減少した一方で、利益剰余金が138億円、その他有価証券評価差額金が15億円増加したこと等により144億円増加し、2,637億円となりました。
当連結会計年度末の現金及び預金は大きく増加しておりますが、これは工作機械事業の増益による利益剰余金の増加と、不要となった設備の売却及び設備投資が比較的に少なかったことが主な理由です。また、たな卸資産が大きく増加しておりますが、工作機械事業の売上増加に伴う在庫増加と計画に対して売上が未達であった時計事業の在庫増加が主な理由です。
一方負債では長期借入金の増加のほか社債を一部償還しております。これは、100億円の社債の償還による支出を一部賄う為に長期借入金で新たに資金調達したものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度に比べ127億円増加し、当連結会計年度末には、906億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度と比べ2億円減少し325億円となりました。これは主にたな卸資産の増加額67億円、法人税等の支払額52億円等による減少要因がありました一方、税金等調整前当期純利益が274億円、減価償却費が137億円、仕入債務の増加額が26億円となりましたこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度と比べ199億円減少し、78億円の支出となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入52億円、投資有価証券の売却による収入21億円等がありました一方、有形固定資産の取得による支出が155億円となりましたこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度と比べ89億円減少し、117億円の支出となりました。これは主に長期借入れによる収入86億円等がありました一方、社債の償還による支出が100億円、配当金の支払額が54億円となりましたこと等によるものであります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益は前年度より増加したもののたな卸資産が増加したため、前年と同程度となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、比較的に設備投資が少なく、前年度は新規に買収した子会社があったことから前年対比で大きく減少しております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の償還による支出を賄うため長期借入金を増やしております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び部品等の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に生産設備投資であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。自己資金につきましては国内グループ会社間の資金効率を上げるためキャッシュマネージメントシステムを導入しております。設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入と債券市場からの社債等による調達を基本としております。
当連結会計年度末における有利子負債(リース債務含む)の残高は50,663百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は90,655百万円となっております。
不測の事態に備えて、金融機関との良好な関係の維持に努めるとともに、複数の金融機関との間で合計20,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。
技術援助を受けている契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
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シチズン電子㈱ |
日亜化学工業㈱(注1) |
日本 |
白色LEDランプ |
特許実施許諾 |
平成14年1月1日から 平成20年12月31日まで (以降1年毎に自動延長) |
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シチズン電子㈱ |
Cree, Inc. (注2) |
米国 |
LEDコンポーネント |
特許実施許諾 |
平成29年10月1日から 平成30年9月30日まで (疑義なしの場合、1年毎に自動延長) |
(注)1.ロイヤリティとして売上高の一定率を支払っております。
2.ロイヤリティを定額にて支払っております。
当社グループの研究開発活動は、グループ開発戦略に基づき、“市民に愛され市民に貢献する” という企業理念実現のため、将来を見据え、新たな顧客価値創出を担う研究開発体制を構築しております。
研究開発体制としては、研究開発センターが中央開発機能を持ち、経営方針に沿ってグループを俯瞰した研究開発を行っております。また、それぞれの事業に関わる製品開発、生産技術開発等は、時計開発本部、製品統括本部および各事業会社が担っております。
なお、研究開発費につきましては、各事業に配分できない基礎研究費用1,112百万円が含まれており、当連結会計年度中に投下した研究開発費は、7,161百万円であります。
主な研究開発活動
①研究開発センターにおける研究開発活動
研究開発センターにおいては、当社のもつ基盤技術をより深化させるとともに、マーケティング活動にも力を入れ、新たな顧客を創造し続けることができる新技術・新製品の開発を行っております。また、グループ各社からの材料解析依頼や各種技術相談に応じることで、グループ研究開発活動の支援も行っております。
②時計事業
当社では、要素部品の小型化、高性能化により、小型化・薄型のムーブメントを実現し、シチズンブランドの主力商品である光発電エコ・ドライブ電波時計、人工衛星から時刻情報を受信する光発電エコ・ドライブ衛星電波時計のラインアップの強化を推し進めています。
今後も、腕時計としての美しさと精度を追求し、グローバル展開を目指した環境に優しい「エコ・ドライブ」、「エコ・ドライブ電波腕時計」と、マニュファクチュール(自社一貫生産)としての実力を発揮した機械式時計の拡販に向け、表面処理・外装技術、精密加工技術、低消費電力技術、高感度受信技術、高密度実装技術、エネルギー源、通信技術の開発を継続し、「技術と美の融合」を実現していきます。
当事業に係わる研究開発費は2,080百万円であります。
③工作機械事業
シチズンマシナリー㈱では、グローバル化と情報化の進展による顧客ニーズの多様化に対応する革新的なモノづくり『個の量産』を提唱し、事業を推進しています。
メインとなる製品ブランドとして、主軸台移動形自動旋盤の「Cincom」と、主軸台固定形自動旋盤の「Miyano」の2つの工作機械商品群を展開しています。また、切削加工において切りくずの絡みつきを解消するLFV(低周波振動切削)技術、及び3台分の単軸旋盤を1台に集約したMC20(Multi Station Machining Cell)は、『個の量産』のコンセプトから開発された今までにない革新的技術であり、国内外の業界紙から表彰されるなど高い評価をいただいています。併せて、IoTを活用し多彩なソリューションを提供するalkapplysolution(アルカプリソリューション)も展開し、当社が蓄積した技術ノウハウ等を提供することで、お客さまの課題解決に役立てられています。
当事業に係わる研究開発費は905百万円であります。
④デバイス事業
シチズン電子㈱の主力市場であるLED照明市場は成熟期を迎え、市場要求は光の質の方向に多様化しております。これに対しては、当社配光制御技術やHigh intensity技術を生かした差別化製品のラインナップ拡充で応えてまいります。
また新規市場に向けては、発光スペクトル調整技術を応用して、例えば植物の育成に最適化した植物育成用LED等の開発を行ってまいります。
車載市場に向けては液晶ディスプレイ用途の小型・高効率・高信頼のLED開発を継続し、そのLEDを活用したバックライトモジュールの開発も並行して進めてまいります。
またスマートフォン市場に向けては、時計技術で培った精密加工技術を生かして小型・高信頼のスイッチ部品の開発、光学設計技術や精密加工技術を生かした生体認証用途等に向けた高付加価値赤外LEDデバイスの開発を行ってまいります。
シチズンファインデバイス㈱は、長年築き上げてきた独自の技術を活かして、事業拡大を図るべく、研究開発を行うとともに、市場ニーズを発掘して、新たな研究開発テーマを創出すべく、市場探索活動も積極的に行っております。
金属部品加工分野では、自動車部品を中心とした切削加工のほか、塑性加工、表面処理などを行うとともに、新たに高精度な穴加工を実現するための研削加工技術の開発にも取り組んでおり、金属部品加工分野における事業拡大に向けた動きを展開しています。
水晶デバイス分野では、業界最小クラスの超小型水晶片の開発を行っております。表示デバイス分野では、強誘電液晶パネルを使用した高精細電子ビューファインダーの開発および製造技術の開発に取り組み、解像度において業界最高レベルのUXGA(0.5インチ・576万画素相当)、小型高解像度の720p(0.24インチ・276万画素相当)を電子ビューファインダー及び急速な市場拡大が期待される車載用ヘッドアップディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイなどウェアラブル用途向けに開発し、当分野でのシェア拡大を目指しております。
セラミックス部品の分野では、DVDや光通信用LD及び照明用LEDに使用される薄膜サブマウントの開発、小型軸受用セラミックス部品など、各種用途向けに継続した開発を行っており、新たにサイアロンを素材とした部品の開発にも取り組み始めています。
また、材料技術に超精密加工技術や薄膜技術などを融合させることで、高精度な微細加工部品の開発にも取り組んでいます。
センサの分野では、重要な戦略製品と位置付け、継続した開発を行っている燃焼圧センサにおいて、高温でも圧電性を失わないランガテイト結晶を用いることにより、自動車の燃焼効率向上という要求の実現を目指しております。また、小型で大電流を非接触で測定可能とする光プローブ電流センサの開発にも取り組み始めました。
当事業に係わる研究開発費は2,246百万円であります。
⑤電子機器事業
シチズン・システムズ㈱では、業務用プリンター製品及び健康機器製品を中心に開発を行っております。
プリンター関連のうち、POSプリンター、モバイルプリンターなどの小型プリンターは、モバイル端末普及により多様化する使用環境への対応を進めております。ラベルプリンターは、POSと技術共有が可能なミドルレンジを強化するための開発を進めております。フォトプリンターは、高付加価値製品のシリーズ化と多様化する市場要求に対応した新製品の開発に取り組んでおります。健康機器関連のうち、主力の体温計、血圧計は基本的機能の向上と操作性改善への取組みに加え、他社にない差別化された製品の実現に向けた開発に取り組んでおります。
当事業に係わる研究開発費は815百万円であります。