文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、産業防災保安機器メーカーとして、「人々が安心して働ける環境づくり」を永久のテーマとして社会の発展に貢献することを経営理念とし、良き企業市民として、法令遵守と環境保全に努め社会的責任を果たすため、以下の5つの経営方針を掲げております。
・技術の開発と経営の合理性から、適正な利益を追求し、持続的な発展を目指す
・お客様には、高品質の製品と充実したサービスを提供し、安全な環境づくりに貢献する
・株主には、長期的視点に立った企業価値の向上をもって報いる
・取引先とは、安定した取引を目指し、共存共栄を図る
・従業員には、生活の安定と労働環境の向上をもって報いる
(2) 目標とする経営指標
事業活動における収益性の向上と同時に、資本効率の向上を図るため、営業利益及び自己資本当期純利益率(ROE)を重視しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
当社グループは、中長期的な目標として産業用ガス検知警報器分野で国内のトップメーカーから、世界のトップメーカーを目指し、①競争力(価格・技術・品質)の強化、②販売サービス体制の最適化を積極的に推進しております。
競争力強化の具体策としては、自社独自の技術による新製品の開発により、「多機能化」、「小型化」、「高信頼性」を実現する製品差別化戦略で、価格・技術・品質面での競争力の強化を目指します。
販売サービス体制の最適化につきましては、販売サービス体制の最適化については、ユーザーの工場の新設・移転等の事業環境の変化に対応するため、拠点の新設・統合等を含む柔軟かつ機動的な再配置、最適なサービス体制を目指し、運用面での技術指導から保守点検に至るまで万全なサービスネットを構築し、ユーザーニーズを素早くキャッチアップする体制づくりを推進しております。
今後は、海外市場シェア拡大の経営方針のもと、海外進出を加速させ、世界市場における当社シェアの拡大を目指します。
(4) 当面の対処すべき課題の内容
次期連結会計年度の見通しにつきましては、国内経済は、好調な企業業績や堅調な雇用・所得情勢により景気は緩やかな回復基調で推移するものと見込まれます。
産業防災保安機器業界におきましても同様の傾向と推察されますが、為替変動による企業の投資抑制や米国の通商政策などによる経営環境の変化は否めないものと考えられます。
このような状況のもと、当社グループは、防災保安機器メーカーとして品質管理体制並びにサービス体制の更なる充実、ユーザーニーズを的確にとらえた新製品の開発、生産体制の効率化と省力化による原価低減、一層徹底した経費削減に努めると同時に国内外での積極的な販売活動を展開し、全社をあげて今後の業績確保を図ってまいります。
現在の取組み状況は次のとおりです。
・海外市場シェア拡大に注力する経営方針のもと、北米市場におけるシェア拡大のため、平成29年3月31日付で北米市場における総代理店であるRKI Instruments,Inc.の株式を追加取得し、子会社化することで一層の販売力強化を図っております。
・欧州市場におけるシェア拡大および充実したアフターメンテナンスサービスの提供を目的として、ドイツに子会社RIKEN KEIKI GmbHを設立いたしました。
・平成28年4月に開始した本社新社屋建築工事(一期工事)が、平成29年9月に完了いたしました。今後、旧社屋解体・駐車場整備等を含めた外構工事(二期工事)を行い、平成30年9月に全工程が完了する予定です。
(5) 会社の支配に関する基本方針
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念や当社企業価値の様々な源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上させる者でなければならないと考えております。
一方、当社の株主は、一般に市場での自由な取引を通じて決まるものであるとともに、会社の方針の決定を支配する者も株主の皆さまの意思に基づき決定されるべきものと考えており、また、当社の支配権の移転を伴う大規模な買付行為や買付提案がなされた場合にこれに応じるか否かの判断も、最終的には株主の皆さま全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかしながら、株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、その目的等から見て対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損する恐れのある大規模な買付等を行う者は、例外的に当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切と考えております。
② 会社の支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み
当社では、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上のために、次のような取組みを実施しております。
(ⅰ)中長期的な企業価値・株主共同の利益向上への取組み
当社は、“人々が安心して働ける環境づくり”を経営理念として掲げ、各種爆発事故防止をはじめとし、排気ガス規制、CO2測定など環境保全ニーズにも幅広く対応したガスセンサー技術のパイオニアとして社会に貢献するとともに、「安全」を供給する企業としての責務を果たすべく、機器の販売のみならず、販売後の保守・点検及びガスを検知するセンサーの交換など定期的なメンテナンスにも積極的に取り組んでまいりました。その結果、現在、当社の主力製品である産業用ガス検知警報機器は、半導体・液晶、石油化学、建設、電力・ガス、鉄鋼、造船等の幅広い業種にてご利用いただいております。
また当社では、経営方針として、
a.技術の開発と経営の合理性から適正な利益を追求し、持続的な発展を目指す
b.お客様には、高品質の製品と充実したサービスを提供し、安全な環境づくりに貢献する
c.株主には、長期的視点に立った企業価値の向上をもって報いる
d.取引先には、安定した取引を目指し共存共栄を図る
e.従業員には、生活の安定と労働環境の向上をもって報いる
を掲げ、国内のトップメーカーから世界のトップメーカーへの飛躍を目標として日々邁進しております。
この目標を達成するため、(ア)競争力(価格・技術・品質)の強化、(イ)販売サービス体制の最適化という2つの観点から次の具体的施策を推進しております。
まず、(ア)競争力強化の具体策としては、自社独自の技術による新製品の開発により「多機能化・小型化」、「操作性・メンテナンス性の向上」、「高信頼性」を実現する製品差別化戦略を推進しており、これにより、価格・技術・品質面での競争力のさらなる強化を目指しております。
次に、(イ)販売サービス体制の最適化については、ユーザーの工場の新設・移転等の事業環境の変化に対応するため、拠点の新設・統合等を含む柔軟かつ機動的な再配置、最適なサービス体制を目指し、運用面での技術指導から保守点検に至るまで万全なサービスネットを構築し、ユーザーニーズを素早くキャッチアップする体制づくりを推進しております。
(ⅱ)コーポレート・ガバナンスの強化による企業価値・株主共同の利益向上への取組み
当社では、適切な企業集団の形成を図るため、次のとおりコーポレート・ガバナンス体制をとっております。
a.当社の取締役会は、9名の取締役からなり、迅速かつ適切な意思決定を行うため、定期的に取締役会を開催しております。また、執行役員制度を導入し、経営組織の効率化と責任の明確化を図っております。
b.社外取締役を除く全取締役及び執行役員で構成する経営企画会議を隔週で開催し、経営・研究開発・生産・販売・品質管理・情報管理を中心とした業務全般に亘る意思決定と業務執行の迅速な対応を図っております。
c.監査等委員会は監査等委員4名で構成されており、内3名は、社外取締役であります。監査等委員は取締役会、経営企画会議その他重要な会議に出席並びに重要文書の閲覧等厳正な監査を実施して、取締役の意思決定の過程及び取締役の職務執行状況についても常に監視し、また、会計監査人より会計監査の監査計画の説明、会計監査の監査実施状況並びに監査結果の報告を受けると同時に、適宜情報交換を行っております。
以上当社では、多数の投資家の皆様に長期的に当社への投資を継続していただくため、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させることに役員・社員一丸となって取り組んでおり、これらの取組みは、会社の支配に関する基本方針の実現に資するものと考えております。
(注)当社は、平成30年5月14日開催の取締役会において、「当社株式の大規模買付行為に関する対応策」(以下「本プラン」といいます。)の有効期限満了時をもって本プランを継続せず、廃止することを決議いたしました。なお、当社は、本プランの廃止後も引き続き、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に向けた取組みを進めてまいります。当社株式の大規模買付を行おうとする者に対しては、株主の皆様が大規模買付行為の是非を適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関連法令に基づき、適切な措置を講じてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 法的規制について
当社グループが取り扱うガス検知警報機器類の設置義務及び保守点検については、主に以下の法的規制があります。
新たな法規制や改廃は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 製品の欠陥について
当社グループは、品質管理の国際規格に基づく製品製造並びに内部基準による保守・点検業務を行っておりますが、製品の欠陥や製品設置時の調整ミス等に起因する誤作動により、ユーザーに物的・人的損害を与える可能性があります。
また、製造物及び完成作業リスクを対象とした総合賠償責任保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。
製造物責任賠償につながるような重大な製品の欠陥や調整作業ミスは、多額の費用や当社グループの評価に重大な影響を与え、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 研究開発について
当社グループは、電気・物理・化学など幅広い技術力をベースに、ガスセンサーの研究開発から、最先端技術を駆使した新製品の開発を最も重要な経営課題としております。
製品の開発には、ユーザーニーズにそった使用目的・使用場所に応じた新技術開発を行っておりますが、当社グループの経営成績に寄与する保証はありません。
(4) 設備投資動向の変動について
当社グループが取り扱うガス検知警報機器の需要は、主にエレクトロニクス・石油化学・船舶業界等の民間設備投資、電力・ガスを含む公共設備投資の動向に左右されます。
よって、経済環境の変化による設備投資の変動は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の売上高は、RKI Instruments,Inc.を子会社化したこと及び半導体業界を始めとした主要顧客の積極的な設備投資の結果、280億8千9百万円(前連結会計年度比20.3%増)となりました。
営業利益は、主としてRKI Instruments,Inc.を子会社化したことにより、44億1千5百万円(前連結会計年度比10.4%増)となりました。
営業外損益は、主として持分法による投資利益が9千4百万円減少した一方、為替差損が4千4百万円減少したことにより、前連結会計年度1億7千4百万円の利益(純額)から1億5千9百万円の利益(純額)となり、経常利益は45億7千5百万円(前連結会計年度比9.6%増)となりました。
特別損益は、主として前期発生の段階取得に係る差益11億1千2百万円が当期は発生しなかったことから、前連結会計年度10億7千万円の利益(純額)から当連結会計年度2千7百万円の損失(純額)となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は45億4千8百万円(前連結会計年度比13.3%減)と、減益となりました。
「法人税、住民税及び事業税」と「法人税等調整額」を合わせた税金費用は、前連結会計年度の11億1千8百万円から当連結会計年度は12億2千6百万円と、1億8百万円増加しました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は31億7千4百万円(前連結会計年度比23.1%減)となりました。
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末と比較して50億円増加し、535億1千9百万円(前連結会計年度末比10.3%増)となりました。
流動資産につきましては、現金及び預金が2億6千7百万円増加、受取手形及び売掛金が10億8千万円増加、電
子記録債権が5億3千4百万円増加、有価証券が10億1千8百万円増加、商品及び製品が2千1百万円減少、仕掛
品が4億3千7百万円増加しております。
固定資産につきましては、本社新社屋建物の完成、本社テクニカルセンターの売却等により、建物及び構築物が21億6千4百万円増加した一方、土地が2億7千5百万円減少、建設仮勘定が18億9千8百万円減少しております。
投資その他の資産につきましては、保有株式の含み益が増加したこと等により、投資有価証券が11億7百万円増
加しております。
負債につきましては、支払手形及び買掛金が13億4千万円増加したこと等により、前連結会計年度末と比較して16億2千1百万円増加し、109億9千2百万円(前連結会計年度末比17.3%増)となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して33億7千8百万円増加し、425億2千7百万円(前連結会計年度末比8.6%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、18億5千6百万円増加し、122億3千9百万円(前連結会計年度末比17.9%増)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益45億4千8百万円、減価償却費9億9千3百万円、仕入債務の増加額13億3千6百万円があった一方で、売上債権の増加額16億3百万円、法人税等の支払額12億4百万円があったこと等により、前連結会計年度と比べ収入が7億6千3百万円(18.5%)減少し、33億7千3百万円となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の償還による収入21億9千9百万円、有形固定資産の売却による収入8億5千2百万円、定期預金の払戻による収入8億3千万円があった一方で、有価証券の取得による支出20億6千3百万円、有形固定資産の取得による支出14億9千7百万円、定期預金の預入による支出8億1千6百万円があったこと等により、前連結会計年度と比べ支出が10億6千9百万円(68.3%)減少し、△4億9千5百万円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入4億円、社債の発行による収入2億9千6百万円があった一方で、配当金の支払額5億8千万円、長期借入金の返済による支出4億円、社債の償還による支出4億円、リース債務の返済による支出2億2千万円があったこと等により、前連結会計年度と比べ支出が7千2百万円(9.3%)増加し、△8億5千5百万円となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
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|
平成26年3月期 |
平成27年3月期 |
平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
平成30年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
79.3 |
79.4 |
79.6 |
78.7 |
77.4 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
58.2 |
78.7 |
55.1 |
81.0 |
100.7 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
1.0 |
1.2 |
0.8 |
0.7 |
0.8 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
66.8 |
59.0 |
92.1 |
128.9 |
115.0 |
自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
(注3)営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使
用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業は、各種産業用測定機器の製造・販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の状況につきましては、機種別の情報を記載しております。
|
機種別 |
生産高(千円) |
前連結会計年度比(%) |
|
定置型ガス検知警報機器 |
10,326,942 |
110.3 |
|
可搬型ガス検知警報機器 |
5,857,843 |
108.7 |
|
その他測定機器 |
1,123,963 |
110.8 |
|
合計 |
17,308,748 |
109.8 |
(注) 1.金額の表示は、販売価格換算で表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
|
機種別 |
受注高 |
前連結会計年度比 |
受注残高 |
前連結会計年度比 |
|
定置型ガス検知警報機器 |
19,304,989 |
128.9 |
2,993,686 |
141.6 |
|
可搬型ガス検知警報機器 |
8,297,815 |
114.1 |
677,971 |
98.6 |
|
その他測定機器 |
1,567,507 |
127.1 |
433,392 |
195.3 |
|
合計 |
29,170,312 |
124.2 |
4,105,050 |
135.8 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
|
機種別 |
販売高(千円) |
前連結会計年度比(%) |
|
定置型ガス検知警報機器 |
18,425,859 |
123.0 |
|
可搬型ガス検知警報機器 |
8,307,278 |
115.5 |
|
その他測定機器 |
1,356,015 |
114.0 |
|
合計 |
28,089,154 |
120.3 |
(注) 1.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計上見積りが必要なものにつきましては、合理的な基準に基づき見積りをしております。
当連結会計年度における世界経済は、北朝鮮をめぐる地政学リスクや米国の通商政策、中国の構造改革の行方など、景気の下振れ要因として引き続き注意が必要な情勢はあるものの、緩やかな拡大基調で推移いたしました。
わが国経済においても、好調な企業業績や堅調な雇用・所得情勢により景気は緩やかな回復基調が続いており、世界景気の拡大による輸出増や2020年に開催が予定されている東京五輪関連の建設需要などの堅調な内需に支えられ、景気は今後も緩やかな回復基調で推移するものと見込まれます。
当社グループの属する産業防災保安機器業界におきましても、半導体業界を始めとした主要顧客の積極的な設備投資によって需要は好調に推移いたしました。
このような情勢のなかで、当社グループは、生産の合理化による原価低減、徹底した経費削減、積極的な営業活動の展開、新製品開発への積極的な投資、品質管理体制及びサービス体制の充実に継続して取り組んで参りました。また、海外シェアの一層の拡大を視野に、従来は持分法適用関連会社であったRKI Instruments,Inc.(米国)を前連結会計年度末に子会社化いたしました。
これらの諸施策の結果、当連結会計年度の売上高は280億8千9百万円(前連結会計年度比20.3%増)、営業利益は44億1千5百万円(前連結会計年度比10.4%増)、経常利益は45億7千5百万円(前連結会計年度比9.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は31億7千4百万円(前連結会計年度比23.1%減)となりました。
当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、設備投資、法人税等の支払い、借入金の返済、配当金の支払い等であり、財源は主として自己資金(営業活動によるキャッシュ・フロー)または金融機関からの借入によっております。財務政策といたしましては、常に最適な財務比率と資金効率をバランスよく維持し、財務体質のより一層の健全化を図ることとしております。
当社グループの事業は、各種産業用測定機器の製造・販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容に代えて、以下に機種別の売上の概況を記載いたします。
定置型ガス検知警報機器
世界的に半導体メーカーによる設備投資が好調だったことから「スマートタイプガス検知部GD-70D」の販売が牽引し、売上高増加に寄与しました。また、中国リチウムイオン電池製造装置メーカー向けに「炉内セフティモニターSD-2500」も昨年度に引き続き、販売数を伸ばしました。
また、石油化学工場向けに開発した「信号変換器付ガス検知部SD-1」は海外工場向けの販売が牽引し、
販売数が堅調に推移しました。
一酸化炭素の漏洩リスクを防ぐ「小型一酸化炭素モニターEC-600」は鉄鋼市場向けに販売数を伸ばし
ました。
この結果、売上高は184億2千5百万円(前連結会計年度比23.0%増)となりました。
可搬型ガス検知警報機器
主力機種である「ポケッタブルマルチガスモニターGX-2009」は、国内需要は一服したものの、ブラ
ジルや欧州を中心とした海外需要を取り込み販売数が伸びました。同様に小型ガス検知器の03シリーズも海外向けに販売数を大きく伸ばしました。
また、可燃性ガスに加え毒性ガスも同時に検知可能である「ポータブルマルチガスモニターGX-600
0」は、リスクアセスメントの管理やケミカルタンカーなど船舶向けの需要が高く、好評でした。
新製品として本体とガスを検知するセンサをつなぐケーブルを巻取式にすることで利便性を高くした「投込式ポータブル酸素モニターOX-08」の販売を開始しました。発売当初から建設業界を中心に販売が好調に推移しています。
この結果、売上高は83億7百万円(前連結会計年度比15.5%増)となりました。
その他測定機器
ACシリーズ(「大気中光電子分光装置AC-2」「大気中光電子分光装置AC-3」)は、研究機関及
び東アジアの有機EL市場向けに販売が増加しました。
また、北米市場向けに燃料電池車用の水素検知器センサの需要が増加し、売上を伸ばしました。
この結果、売上高は13億5千6百万円(前連結会計年度比14.0%増)となりました。
該当事項はありません。
当社グループは、創立以来「人々が安心して働ける環境づくり」を永久のテーマとし、電気・物理・化学など幅広い技術力をベースに、センサーの研究開発から、最先端技術を駆使した新製品の開発を最も重要な経営課題としております。
製品の開発には、ユーザーニーズにそった使用目的・使用場所に応じた新技術開発を行っており、世界で最も信頼されるトップブランドとしての地位を維持し続けるように、積極的な研究開発活動を行っております。
(1) 研究開発目的
・ガスセンサーの高機能化(測定原理・対象ガス拡大・インテリジェント化)の研究開発
・産業災害(ガス爆発・ガス中毒・酸欠)を防止する製品・システムの開発
・環境汚染・公害を防止する製品・システムの開発
・各種センサーを応用した新市場向けの製品開発
・新技術・各種ソフトを取り入れた新分野向けの製品開発
(2) 主要課題
・高信頼性センサーの確立
・製品の小型化・多機能化の追求、操作性・メンテナンス性の向上
・新技術・新ソフト・各種通信技術の導入
(3) 研究開発体制
当社グループの研究開発は、当社の技術開発本部を中心に推進され、研究開発に係わるスタッフは総従業員数の17.0%に当たり、当連結会計年度における研究開発費は、18億8百万円(対売上高比6.4%)であります。
基礎研究については、理化学研究所をはじめ、大学等の研究機関との交流を行い、積極的に基礎技術の向上と先端技術の導入を図っております。
なお、ガスセンサー及びその他のセンサーの研究開発は当社研究部が担当し、新技術及び製品・部品・システムの研究開発は当社技術部が担当し、新製品の開発についてはプロジェクト体制により行っております。
(4) 研究開発成果
当連結会計年度における機種別の主な研究成果は、次のとおりであります。
① ポータブルガス検知警報機器
・鉄鋼市場向けに酸欠および一酸化炭素中毒事故を防止する2成分ポータブルガス検知警報機器CX-5を開発いたしました。鉄鋼市場で問題となる一酸化炭素濃度の水素ガス干渉を大幅に低減させております。
また、その機器を複数台一括で自動ガス校正を行うドッキングステーションSDM-5を同時開発いたしました。
・タンクやマンホール作業の酸欠事故防止用に連続使用が約20,000時間可能な本質安全防爆構造ポータブル酸素モニターOX-08を開発いたしました。
② 定置型ガス検知警報機器
・石油化学、電力、ガス、土木、各種プラント向け吸引式防爆可燃性検知器SD-D58シリーズに高濃度および低濃度レンジの検知を可能とさせたSD-D58(TYPE NP)、SD-D58(TYPE SP)を開発いたしました。
③ ガスセンサ
・半導体市場向けGD-70Dシリーズに搭載する非分散型赤外線式一酸化二窒素ガスセンサユニットを開発いたしました。従来機と比較しサイズ・重量・価格を大幅に低減させております。