第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度の経済情勢は、海外におきましては米国における安定的な景気回復の一方で、中国経済の成長鈍化や英国のEU離脱問題等により総じて先行き不透明な状況でした。わが国経済においても特定業種において企業の設備投資に回復の動きがみられるものの、総じて慎重姿勢が続き足踏み状態で推移しました。

このような経済環境の中で創立80周年を迎えた当社グループは、年度初に「東日本支店」の発足と「営業ブロック制」の導入により販売体制を強化し、エリアごとの特性を踏まえて顧客ニーズを深耕する営業活動を進めてまいりました。海外市場に関しては、中国、韓国、インド等の現地生産の拡充ならびに特定業種や製品別の拡販を一層推進しました。また、本部機構を改正して成長分野の開拓に積極的に取り組むとともに、前年度に続き生産性向上・コストダウン活動に注力した結果、売上原価率は前期比で1.6ポイント改善しました。

 当連結会計年度の連結業績につきましては、受注高は18,421百万円(前期比4.1%減)、売上高は主に第1四半期における受注減の影響により18,569百万円(前期比4.7%減)となりました。このうち国内売上高は14,919百万円(前期比5.0%減)、海外売上高は3,650百万円(前期比3.9%減)となりました。

 品目別の売上高は、『計測制御機器』は7,139百万円(前期比1.0%増)、『計装システム』は6,425百万円(前期比13.3%減)、『センサ』は4,402百万円(前期比1.2%減)、修理・サービス、付属品等の『その他』は601百万円(前期比7.2%増)となりました。

 利益面につきましては、売上高の減少による影響を売上原価率の改善により補いましたが、研究開発費等販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は566百万円(前期比9.3%減)、経常利益は637百万円(前期比4.2%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、373百万円(前期比23.1%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益645百万円、減価償却費868百万円等のプラスに対し、売上債権の増加429百万円、仕入債務の減少132百万円、法人税等の支払額111百万円等のマイナスの結果、収支は840百万円のプラス(前連結会計年度は1,956百万円のプラス)となりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得346百万円及び無形固定資産の取得110百万円等の資金流出があり244百万円のマイナス(前連結会計年度は693百万円のマイナス)となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増加102百万円、長期借入金の純増加232百万円および配当金の支払342百万円等により141百万円のマイナス(前連結会計年度は1,043百万円のマイナス)となっております。

 これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ439百万円増加し、3,843百万円となりました。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

計測制御機器

5,571,645

△2.0

計装システム

6,044,583

△6.4

センサ

3,571,226

+0.3

その他

428,573

+30.2

合計

15,616,029

△2.6

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、見込販売価額で示してあります。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

計測制御機器

7,078,775

△0.3

計装システム

6,252,356

△12.1

センサ

4,460,823

+0.9

その他

629,788

+9.9

合計

18,421,743

△4.1

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

計測制御機器

7,139,909

+1.0

計装システム

6,425,842

△13.3

センサ

4,402,532

△1.2

その他

601,703

+7.2

合計

18,569,986

△4.7

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、「特長・信頼・連帯」を基本理念に掲げ、計測・制御・監視の領域を軸とする独創性のある技術を追求してまいりました。

 この基本理念に基づき、グループの戦略的方向性統一のため、経営ビジョンとして①温度ソリューションにおいて、グローバルナンバーワンを目指す、②現場に密着したエンジニアリング活動により、顧客に感動される企業を目指す、③すべてのステークホルダーを尊重し、企業価値の向上と持続的成長を目指す、の3項目を定めました。

 「温度のチノー」として、株主、お客様、取引先、従業員、社会などあらゆるステークホルダーの信頼を得るとともに、持続可能な社会の発展に貢献してまいります。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標

 当期の当社グループを取り巻く経営環境は、IoT社会の到来、自動車および航空機産業の軽量化ニーズの高まりによる素材産業の活性化などがある一方、中国経済の成長鈍化、地政学リスクの高まりがあります。

 このような状況の下、当社グループは温度を軸とした計測・制御・監視技術を生かし、「温度のチノー」としてのブランドを確固たるものにすべく、次の3点を中長期の経営方針と定めました。

・成長分野(半導体・電子部品、二次電池、先端素材、医療医薬管理等)に向けた温度ソリューションの開発による、新たな収益源の確保。

・金属熱処理等の基盤分野における、現場密着型のエンジニアリング活動による安定した収益源の確保。

・業績伸展を支える経営基盤の強化。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 次期の経済環境は、米国新政権の政策動向や中国経済の減速ならびに地政学的リスクの高まりなど不安要素はあるものの、米国を中心に先進国が景気の下支え役を担い、グローバルでは緩やかな回復が続くものと見込まれます。

 このような環境のなか、当社グループでは2020年をゴールとする新たな中期経営計画を策定し、持続的な成長軌道の構築と企業価値の向上を目指してまいります。具体的には新たな成長分野である二次電池、新素材などの市場に向けて特長のある温度ソリューションの開発と提案を進め、生販一体で業容の拡大に取り組みます。また、グループをあげてさらなるコスト構造の改善と人財開発を中心とした経営基盤の強化に注力するとともに、各国の経済状況や成長性を踏まえてエリアごとに販売・サービス・生産体制を見直し、海外展開を加速してまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

 なお、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)景気の悪化による影響

 当社グループは温度を中心とする計測と制御の専門企業集団として、様々な業種に商品を提供しておりますが、売上高全体の80%弱は製造業が占めております。また、当社グループの商品は国内販売比率が高く、主として設備投資関連や研究開発向けであるため、景気の悪化により、製造業の設備投資が著しく落ち込みますと、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(2)外国為替の変動による影響

 当社グループは、海外への売上高比率を高めるべく、諸施策を遂行しております。輸出の為替リスクを回避するため円建て取引を原則としておりますが、一部外貨建輸出もあり、その場合は先物為替予約等によって為替リスクヘッジを行うなど為替変動の影響を最小限にとどめるよう努めております。しかしながら、大幅な為替変動(円高)は価格競争力を低下させ、また海外の連結子会社の財務諸表を円換算して連結財務諸表を作成しておりますので、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

  当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発体制は、「技術開発センター」を中心に、計測・制御の基礎開発、応用技術の開発を行うとともに、グループの開発部門と連携し、市場ニーズに対応したカスタム商品の開発を行っております。また「機器開発センター」では「技術開発センター」の要素技術をベースに機器商品の開発を行うとともに、ユニットの共通化によるVA開発も進めております。

  なお、「山形事業所」の開発部門においては、センサ素子の開発を行うとともに、そのセンサ素子を応用した民生機器商品の開発を行っております。

  これらの活動により、当社グループにおける当連結会計年度の研究開発費の総額は、863百万円となります。

  セグメントごとの研究開発費は、『計測制御機器』は594百万円、『計装システム』は110百万円、『センサ』は158百万円であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 この連結財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末における資産、負債の金額、及び連結会計期間における収益、費用の金額に影響を与える重要な会計方針及び各種引当金等の見積り方法(計上基準)につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上高

 当連結会計年度における売上高につきましては、「1.業績等の概要(1)業績」をご参照ください。

② 営業利益

 売上原価は、12,830百万円と前連結会計年度より957百万円減少、売上原価率は69.1%と1.6ポイント減となりました。また、販売費及び一般管理費は前連結会計年度より90百万円増加し、5,173百万円となりました。

 その結果、営業利益は566百万円と前連結会計年度に比べ9.3%の減益となり、売上高営業利益率は3.0%と前連結会計年度より0.2ポイント減少しました。

③ 経常利益

 営業外収益につきましては、148百万円と前連結会計年度に比べ17百万円減少しました。主な要因は受取利息の減少によるものです。

 営業外費用につきましては、76百万円と前連結会計年度に比べ47百万円減少しました。主な要因は為替差損の減少によるものです。

 これらの結果、経常利益は637百万円と前連結会計年度に比べ4.2%の減益となりました。

④ 親会社株主に帰属する当期純利益

 投資有価証券売却益11百万等の特別利益、固定資産処分損4百万円の特別損失があり、税金等調整前当期純利益は645百万円と前連結会計年度に比べ15.3%の増益となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、373百万円と前連結会計年度比23.1%の増益となりました。

 

(3)経営戦略の現状と見通し

 産業構造の変化とグローバルな競争の激化がますます強まっております。これらの状況に対処して、当社グループは相互に連携して環境、食品、物流、安全などの市場開拓に注力しております。また、これに伴い、新しい発想による適合商品の開発、他社商品の活用などにも積極的に取り組んでおります。一方、グローバル化の進展については、海外事業を強化するとともに生産事業所と連携し、国際市場に通用する商品の拡充、海外販売力の強化を図り、変貌する需要に応えてまいります。

 

(4)財政状態及び資金の流動性についての分析

① 資産の状況

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ282百万円増加し、24,229百万円となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末に比べ726百万円増加し、15,986百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の増加439百万円、受取手形及び売掛金の増加394百万円であります。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ444百万円減少し、8,243百万円となりました。このうち有形固定資産は223百万円の減少により4,657百万円となりました。投資その他の資産は投資有価証券の増加190百万円、繰延税金資産の減少106百万円等により2,782百万円となりました。

② 負債の状況

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ250百万円増加し、9,773百万円となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ77百万円増加し、6,749百万円となりました。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ172百万円増加し、3,023百万円となりました。

③ 非支配株主持分

 連結子会社のアーズ㈱、上海大華-千野儀表有限公司、千野測控設備(昆山)有限公司、韓国チノー株式会社及びCHINO Coporation (Thailand)Limitedの非支配株主持分であります。

 

④ 純資産の状況

 当連結会計年度末の純資産合計は14,456百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加373百万円、その他有価証券評価差額金の増加112百万円、剰余金の配当342百万円による利益剰余金の減少等の結果であります。

⑤ 営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益645百万円、減価償却費868百万円等のプラスに対し、売上債権の増加429百万円、仕入債務の減少132百万円、法人税等の支払額111百万円等のマイナスの結果、収支は840百万円のプラス(前連結会計年度は1,956百万円のプラス)となりました。

⑥ 投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得346百万円及び無形固定資産の取得110百万円等の資金流出があり244百万円のマイナス(前連結会計年度は693百万円のマイナス)となりました。

⑦ 財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増加102百万円、長期借入金の純増加232百万円および配当金の支払342百万円等により141百万円のマイナス(前連結会計年度は1,043百万円のマイナス)となっております。

 これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ439百万円増加し、3,843百万円となりました。