文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「特長・信頼・連帯」を基本理念に掲げ、計測・制御・監視の領域を軸とする独創性のある技術を追求してまいりました。
この基本理念に基づき、グループの戦略的方向性統一のため、経営ビジョンとして①温度ソリューションにおいて、グローバルナンバーワンを目指す、②現場に密着したエンジニアリング活動により、顧客に感動される企業を目指す、③すべてのステークホルダーを尊重し、企業価値の向上と持続的成長を目指す、の3項目を定めました。
「温度のチノー」として、株主、お客様、取引先、従業員、社会などあらゆるステークホルダーの信頼を得るとともに、持続可能な社会の発展に貢献してまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
当期の当社グループを取り巻く経営環境は、台頭する保護主義や地政学リスクの高まりなど不透明感が生じましたが、わが国経済は、雇用や所得の改善などにより、総じて緩やかな景気拡大が続きました。
このような状況の下、当社グループは温度を軸とした計測・制御・監視技術を生かし、「温度のチノー」としてのブランドを確固たるものにすべく、次の3点を中長期の経営方針と定めました。
・成長分野(半導体・電子部品、二次電池、先端素材、医療医薬管理等)に向けた温度ソリューションの開発による、新たな収益源の確保。
・金属熱処理等の基盤分野における、現場密着型のエンジニアリング活動による安定した収益源の確保。
・業績伸展を支える経営基盤の強化。
以上の取組みを通じ、2020年度をゴールとする中期経営計画における数値目標である「連結売上高240億円」、「売上高営業利益率7%以上」の達成を目指します。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループといたしましては、先に発表した2020年度をゴールとする新たな中期経営計画に基づき、経営ビジョンの実現に向け、持続的な成長軌道の構築と企業価値の向上に努めてまいります。
中期経営計画の初年度にあたる平成31年3月期の主な基本方針は次のとおりです。
① 経営環境が大きく変化する中、半導体・電子部品、二次電池、先端素材、医療医薬管理市場等を成長分野と捉え、開発から提案までの攻めの活動を展開するとともに中長期的発展の基盤を構築する
② 営業部門が市場動向を的確に把握し、生販開一体で既存顧客の維持・深耕(個社戦略)と新規顧客の創造を促進する組織的な活動を展開する
③ 事業戦略の遂行を支える経営基盤のより強固な確立を目的に、人財・組織力・ガバナンスを中心に整備と強化を進める
④ 海外事業は、国・エリア毎のターゲット市場・顧客を明確化して経済状況および今後の成長性に応じた販売・サービス・生産体制の整備を進め、海外売上比率の向上を図る
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)景気の悪化による影響
当社グループは温度を中心とする計測と制御の専門企業集団として、様々な業種に商品を提供しておりますが、売上高全体の80%弱は製造業が占めております。また、当社グループの商品は国内販売比率が高く、主として設備投資関連や研究開発向けであるため、景気の悪化により、製造業の設備投資が著しく落ち込みますと、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)外国為替の変動による影響
当社グループは、海外への売上高比率を高めるべく、諸施策を遂行しております。輸出の為替リスクを回避するため円建て取引を原則としておりますが、一部外貨建輸出もあり、その場合は先物為替予約等によって為替リスクヘッジを行うなど為替変動の影響を最小限にとどめるよう努めております。しかしながら、大幅な為替変動(円高)は価格競争力を低下させ、また海外の連結子会社の財務諸表を円換算して連結財務諸表を作成しておりますので、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、好調な企業収益を背景に企業の成長分野に対する設備投資が本格化するなか、緩やかな回復基調で推移しました。海外経済については、地政学的リスク要素は一部で残るものの、米国では雇用拡大や所得環境の改善により景気拡大が持続し、欧州や中国においても景気が堅調であり、比較的安定した成長が続きました。
このような環境の下、当連結会計年度の連結業績につきましては、年間を通じ好調に推移し、受注高は21,628百万円(前期比17.4%増)、売上高は20,745百万円(前期比11.7%増)となりました。このうち国内売上高は16,608百万円(前期比11.3%増)、海外売上高は4,136百万円(前期比13.3%増)となりました。
利益面につきましては、売上高の増加に加えて収益性拡大等に向けた取り組みの効果により、営業利益は1,303百万円(前期比130.2%増)、経常利益は1,368百万円(前期比114.5%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は832百万円(前期比123.0%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
計測制御機器
売上高は7,275百万円(前期比1.9%増)、セグメント利益(営業利益)は1,160百万円(前年同期比7.2%増)となりました。熱処理向け記録計、調節計およびサイリスタレギュレータが総じて好調でした。具体的には、国内では航空機部品の熱処理用真空炉向けおよび電子部品製造装置向け調節計、サイリスタレギュレータが好調で、海外では欧州および中国における熱処理向け記録計が堅調に推移しました。
計装システム
売上高は8,168百万円(前年同期比27.1%増)、セグメント利益(営業利益)は847百万円(前年同期比136.2%増)となりました。当セグメントの売上増大および案件管理の強化による原価率の大幅改善が、全社の利益拡大を牽引しました。売上先の主な業種は、自動車、電子部品、半導体、ケミカル、家電等であり、国内では特に自動車関連の燃料電池評価試験装置の売上が大きく増加した他、電子部品焼成炉制御盤についても高水準で推移しました。海外では、欧州におけるカーエアコン用試験装置および中国等におけるケミカル向け成分計が好調でした。また、医薬品等の温湿度監視システムの案件も増加しており、顧客対応力の一層の強化を目指し、昨年12月1日付けでライフサイエンス事業部を発足しました。
センサ
売上高は4,508百万円(前年同期比2.4%増)、セグメント利益(営業利益)は765百万円(前年同期比15.4%増)となりました。分野別では、半導体関連、鉄鋼関連、エネルギー関連および農事向けが堅調でした。具体的には、国内の半導体製造工程における温度制御用の放射温度計、製鋼所における監視用の熱画像計測装置および農事用サイロケーブルの販売が伸び、海外では中国における半導体製造工程、金属熱処理工程向けの放射温度計が好調でした。
その他
売上高は792百万円(前年同四半期比31.8%増)で、セグメント利益(営業利益)は136百万円(前年同四半期比42.4%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,374百万円、減価償却費810百万円等のプラスに対し、たな卸資産の増加22百万円、法人税等の支払額259百万円等のマイナスの結果、収支は2,814百万円のプラス(前連結会計年度は840百万円のプラス)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得391百万円及び無形固定資産の取得97百万円等の資金流出があり729百万円のマイナス(前連結会計年度は244百万円のマイナス)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純減少322百万円および配当金の支払298百万円等により1,080百万円のマイナス(前連結会計年度は141百万円のマイナス)となっております。
これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ1,011百万円増加し、4,855百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前期比(%) |
|
計測制御機器 |
5,676,410 |
+1.9 |
|
計装システム |
7,802,168 |
+29.1 |
|
センサ |
3,701,254 |
+3.6 |
|
その他 |
467,809 |
+9.2 |
|
合計 |
17,647,643 |
+13.0 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、見込販売価額で示してあります。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注状況
当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前期比(%) |
|
計測制御機器 |
7,647,537 |
+8.0 |
|
計装システム |
8,741,781 |
+39.8 |
|
センサ |
4,518,889 |
+1.3 |
|
その他 |
720,548 |
+14.4 |
|
合計 |
21,628,756 |
+17.4 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前期比(%) |
|
計測制御機器 |
7,275,258 |
+1.9 |
|
計装システム |
8,168,684 |
+27.1 |
|
センサ |
4,508,205 |
+2.4 |
|
その他 |
792,874 |
+31.8 |
|
合計 |
20,745,022 |
+11.7 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末における資産、負債の金額、及び連結会計期間における収益、費用の金額に影響を与える重要な会計方針及び各種引当金等の見積り方法(計上基準)につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
当社グループでは3つの経営ビジョン
・温度ソリューションにおいて、グローバルナンバーワンを目指す
・現場に密着したエンジニアリング活動により、顧客に感動される企業を目指す
・すべてのステークホルダーを尊重し、企業価値の向上と持続的成長を目指す
を掲げ、安定・確実な成長と優れた価値の創出を目標に事業活動を展開してまいりました。
また、中長期的な要素技術と新技術開発の体制強化を目的に平成30年2月1日付でイノベーションセンターを設置し、成長市場において有用なソリューションを提供する技術として、赤外線応用計測システム、電気加熱システム、温湿度センサ、広域無線システム、IoTシステム、試験・検査システム、予防保全監視システムに関わる開発を進めてまいります。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業利益)
売上原価は、14,166百万円と前連結会計年度より1,336百万円増加、売上原価率は68.3%と0.8ポイント減となりました。また、販売費及び一般管理費は前連結会計年度より101百万円増加し、5,275百万円となりました。
その結果、営業利益は1,303百万円と前連結会計年度に比べ130.2%の増益となり、売上高営業利益率は6.3%と前連結会計年度より3.3ポイント増加しました。
(経常利益)
営業外収益につきましては、155百万円と前連結会計年度に比べ6百万円増加しました。主な要因は受取配当金の増加によるものです。
営業外費用につきましては、90百万円と前連結会計年度に比べ13百万円増加しました。主な要因は為替差損の増加によるものです。
これらの結果、経常利益は1,368百万円と前連結会計年度に比べ114.5%の増益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
固定資産売却益26百万円等の特別利益、固定資産処分損11百万円等の特別損失があり、税金等調整前当期純利益は1,374百万円と前連結会計年度に比べ112.9%の増益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、832百万円と前連結会計年度比123.0%の増益となりました。
経営戦略の現状と見通し
産業構造の変化とグローバルな競争の激化がますます強まっております。これらの状況に対処して、当社グループは相互に連携して環境、食品、物流、安全などの市場開拓に注力しております。また、これに伴い、新しい発想による適合商品の開発、他社商品の活用などにも積極的に取り組んでおります。一方、グローバル化の進展については、海外事業を強化するとともに生産事業所と連携し、国際市場に通用する商品の拡充、海外販売力の強化を図り、変貌する需要に応えてまいります。
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,167百万円増加し、26,396百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,070百万円増加し、18,057百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の増加1,011百万円、受取手形及び売掛金の増加986百万円であります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ96百万円増加し、8,339百万円となりました。このうち有形固定資産は190百万円の減少となりました。投資その他の資産は投資有価証券の増加682百万円、繰延税金資産の減少168百万円等により3,266百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,263百万円増加し、11,036百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,592百万円増加し、8,342百万円となりました。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ329百万円減少し、2,694百万円となりました。
(非支配株主持分)
連結子会社のアーズ㈱、上海大華-千野儀表有限公司、千野測控設備(昆山)有限公司、韓国チノー株式会社及びCHINO Coporation (Thailand)Limitedの非支配株主持分であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は15,360百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益による増加832百万円、その他有価証券評価差額金の増加333百万円、剰余金の配当297百万円による減少等の結果であります。
キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金を基本とし、必要に応じて金融機関からの短期借入により調達することにしており、設備投資や長期運転資金につきましては、自己資金を基本とし、必要に応じて金融機関からの長期借入により調達することにしております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は2,295百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,855百万円となっております。
該当事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発体制は、「イノベーションセンター」を中心に、計測・制御の基礎開発、応用技術の開発を行うとともに、グループの開発部門と連携し、市場ニーズに対応したカスタム商品の開発を行っております。また「機器開発センター」では「イノベーションセンター」の要素技術をベースに機器商品の開発を行うとともに、ユニットの共通化によるVA開発も進めております。
なお、「山形事業所」の開発部門においては、センサ素子の開発を行うとともに、そのセンサ素子を応用した民生機器商品の開発を行っております。
これらの活動により、当社グループにおける当連結会計年度の研究開発費の総額は、963百万円となります。
セグメントごとの研究開発費は、『計測制御機器』は696百万円、『計装システム』は100百万円、『センサ』は167百万円であります。