文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)経営方針
当社グループは、「『特長・信頼・連帯』を軸に、計測・制御・監視技術の限界に挑戦し、産業の発展とよりよい明日の社会の実現に貢献する」ことを経営の基本理念として掲げています。独創性のある技術とソリューションの創出を通じ、社会課題を解決し、「温度のチノー」として、株主、お客様、取引先、従業員、社会などあらゆるステークホルダーの信頼を得ながら中長期的な企業価値の向上に努め、社会の発展に貢献してまいります。
(コア・バリュー)
特長:他にない商品・技術で世界No.1を目指す
信頼:信頼性の高い商品・サービス、信頼される仕事で信頼される人になる
連帯:全社の活動のベクトルを1つにして、チームワークで仕事をする
(2020年に向けた経営ビジョン)
①温度ソリューションにおいて、グローバルナンバーワンを目指す
②現場に密着したエンジニアリング活動により、顧客に感動される企業を目指す
③すべてのステークホルダーを尊重し、企業価値の向上と持続的成長を目指す
(2)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
チノーグループ中期経営計画2020
経営ビジョンの実現に向けた「中期経営計画2020」(2018年4月~2021年3月)を推進し、さまざまなステークホルダーの期待に応える企業グループを目指してまいります。
(基本戦略)
持続的な成長軌道の構築、中長期的な企業価値の向上を目指し、4つの基本戦略を実行する。
①新たな成長分野の開拓・拡大
新たな成長分野(半導体・電子部品、二次電池、新素材、航空機/自動車、医療医薬管理等)の開拓に向けて、特長あるソリューションの開発と提供を進める
②既存コア事業の着実な伸展
事業セグメントごとに市場動向とお客様ニーズを見極めてミッションを定め、既存コア事業における競争力と収益力を強化する
③海外事業の徹底強化
現地に根付いた経営体制の整備を進めるとともに、エリアごとの課題とニーズに即した市場開拓と地産地消化を展開する
④より強固な経営基盤の確立
人財・組織力、ICT、ガバナンスを中心に事業戦略の遂行を支える経営基盤の整備と強化を進める
(事業セグメント別重点施策)
①計測制御機器
・顧客対応マーケティングとマスカスタマイゼーション化の推進
・無線技術を活用したIoTソリューション機器の開発・提供
・市場動向に即応する柔軟な調達・生産管理体制の構築
②計装システム
・水素インフラ等先端技術関連装置の開発促進
・お客様と協創する仕組みの高度化
・コストマネジメントの強化による利益率の向上
③センサ
・放射温度計、熱画像計測装置及び水分・厚み計のラインアップ強化
・高付加価値製品を中心とした成長市場向け温度センサの開発
・標準技術のブランド化と校正試験サービスの範囲拡大
(財務戦略)
キャッシュフロー・マネジメントを強化し、「成長投資」「財務健全性」「株主還元(配当等)」の最適バランスを追求して事業を持続的に成長させる。
・成長投資
原則として、戦略投資・定常投資は、営業キャッシュフローにより賄う
・財務健全性
持続的成長力を下支えするために資金調達力、リスク対応力を向上させる
・株主還元
安定配当を継続するとともに、利益に連動した株主還元を進める
(中期経営計画の数値目標)
・売上高 :240億円
・営業利益 :17憶円
・売上高営業利益率:7%
・海外売上高比率 :25%
(3)中期経営計画の進捗状況等
(ⅰ)2019年度の活動状況
当社グループは、販売部門特販チーム等が中心となって事業機会拡大のための活動を展開し、特に5GやIoTに向けて動きが進んでいる半導体や電子部品・新素材の市場、製造場所から消費者まで安全・安心を確保するために温度管理が求められる食品・医薬品等の市場、規制・規格に基づき品質管理が厳格な自動車や航空機関連部材の市場などに向けて、製品・システムの開発を積極的に進めました。
基本戦略における活動状況は下記の通りです。
①新たな成長分野の開拓・拡大
半導体・電子部品 :極低温から超高温計測まで各種温度計測・監視ソリューションを幅広く提案
二次電池 :二次電池の素材から生産工程向け制御機器及び無線温湿度計測システムの提供
新素材 :新素材高度熱処理用計測・制御・記録システム提案 超高温計測向け2色温度計の提供
航空機/自動車 :AMS2750・IATF16949の特殊熱処理工程対応の機器開発の促進
医療医薬管理 :医療分野の温湿度監視需要拡大と医薬品の適正流通ガイドライン対応需要の獲得
②既存コア事業の着実な伸展
・販売部門特販チームが中心となった、成長分野の重点客先への需要拡大活動と成功事例の水平展開販促
・次世代開発情報の収集
・月次の代理店出先別会議等を通じたエンドユーザ動向のきめ細かな把握と個別販促手法の具体化
・新SFA及びCRMの導入による顧客管理システムの構築
・自動化設備の導入や現場改善による生産効率と収益性及び品質の向上
③海外事業の徹底強化
北米 :戦略市場・製品の整備と販売体制の強化構築
中国 :滅菌装置市場、半導体前工程装置市場、新エネルギー市場の開拓の推進
韓国 :放射温度・成分計市場の開拓強化とグリーン産業分野の計装需要開拓
インド :新素材産業への放射温度計拡販と日系企業への深耕
タイ :ISO17025認証取得と校正サービスビジネスの展開
④より強固な経営基盤の確立
・人事戦略機能の強化(人事企画準備室を新設し、育成プログラムと組織開発の仕組みづくりを推進)
・生産管理システムの全社最適化とICTコミュニケーションインフラの整備及び情報セキュリティの強化
・資本構成の最適化を通じた積極的な設備投資と安定配当の継続
・各ステークホルダーの期待と要請を踏まえたCSR重要課題の設定と啓発活動の展開
(ⅱ)2019年度によるその他の取り組み
①明陽電機株式会社を持分法適用会社化
2019年7月に明陽電機株式会社(以下「明陽電機」)の株式を追加取得し持分法適用会社としました。(2020年4月に株式を追加取得し、2020年度より当社の連結子会社となっております)
明陽電機の関係会社化により、ICT化が進む船舶用市場へ当社計測制御機器・センサ全般の拡販を見込むとともに、同社が培ってきた高耐震・高温耐久性の技術や高信頼性を陸上の産業分野に活かすことによって当社グループの事業拡大を目指します。
②新型コロナウイルス感染症対策製品の生産活動
第4四半期後半より、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大し社会に多大な影響を及ぼしております。その感染拡大防止対策として、赤外線技術を用いて非接触で体表面温度を測定することにより発熱の疑いのある対象者を発見する体表面温度監視カメラや体表面温度チェッカ等の当社製品に対する需要が急増しており、その安定供給に向け増産体制の整備に注力しました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、中期経営計画の最終年度である2020年度において、以下に掲げた経営基本方針に基づき、お客さまが現場で抱える問題・課題を迅速に解決するソリューション活動を一層進めてまいります。
<経営基本方針>
①経営環境が大きく変化する中、成長分野に向けて開発から提案までの活動を展開するとともに中長期的発展の基盤を構築する
②事業環境の変化を素早く察知しながら機敏に活動できる体制を整え、外部とのコラボレーションやアライアンスでレバレッジ効果を生み出す
③営業部門が市場動向を的確に把握し、生販開の総合力を発揮し、既存顧客の維持・深耕と新規顧客の創造を促進する組織的な活動を展開する
④開発部門・生産部門・営業部門・間接部門の全部門で、仕事の質と生産性を向上させる改善・改革活動を継続的に推進し、顧客価値と利益の向上に努める
⑤海外事業は、国・エリア毎のターゲット市場を定め、顧客のニーズを的確に把握して経済状況及び今後の成長性に応じた販売・サービス・生産体制の整備を進め、海外売上比率の向上を図る
(基本施策)
事業環境の変化を捉え、成長分野における顧客現場の課題やニーズの把握と提供すべき付加価値情報を生産・販売・開発・エンジニアリング・サービスで共有し、役割分担を明確にして顧客創造の活動を推進します。
①中長期的発展のための既存顧客維持と顧客創造のセンサ・機器・システム開発は、市場開発部門と各製品開発部門で製品や要素技術等のロードマップを明確にして、イノベーションセンターと各事業所開発部門が連携して推進する
②計装は、他社と差別化する特長あるシステム提案や成功事例の水平展開、受注から出荷までのQCDを管理する質の向上など、組織活動を改善・改革しながら売上拡大と利益向上を図る
③販売部門は、変化する顧客や市場における情報の獲得に努め、販売戦略の具体化を進め、効率的かつ効果的な販促活動を確実に展開して需要拡大を図る
④海外事業は、海外グループ会社及び海外代理店と各国エリア毎の市場動向や個社動向を共有化し、計画必達のためのキープロセスと指標を定めて業績拡大を目指す
⑤生産改革本部の基本活動方針の下、各事業所が連携してQCDS向上のための生産課題を深掘りして具体的な対策を示し、全社最適を目指す改善・改革活動を継続して促進する
⑥製品・サービスの品質不良撲滅のため、源流設計デザインレビュー/過去のトラブル情報の反映/信頼性手法による原因追及などで、本質的且つ具体的な未然防止・再発防止活動を品質本部が中心となって各事業所・各部門と連携して計画的に推進する
⑦企業価値を一層高めていくために、ガバナンスの強化・社会貢献・社会的責任の遂行等の経営課題に対して具体的な目標に基づいたCSR経営を経営管理本部が中心となって推進する
⑧各事業部門や各層及び各個人に期待する人財像を明確にしながら事業環境の変化と人財の多様化に適合した「人財育成」と「組織開発」の仕組みを構築し、当社の発展を支える人財基盤の強化を図る
(方針)
当社は、グループ全体のリスクマネジメント活動を統括する組織として「リスクマネジメント委員会」を設置し、委員長を代表取締役社長が務めています。
リスクマネジメント委員会では、経営に重大な影響を及ぼす内外のリスク項目を特定し、各部門・関係会社が実施するリスク管理の状況をモニタリングするとともにリスクの早期発見に努め、その重要性を評価して適切・迅速にコントロールしています。
<リスクマネジメント体制>
<リスクマネジメント基本方針>
当社は、グループを取り巻くリスクの正しい認識と適切なリスク対応を経営の最重要事項の一つと位置づけ、ステークホルダーからの信頼の確保と企業価値の向上を図るために、次に示す方針のもと全社を挙げてリスクマネジメントに取り組んでまいります。
・教育や研修・訓練の実施と情報の共有化により、役職員一人ひとりの法令遵守の徹底とリスク感性の醸成に努めます。
・全ての組織でリスクの識別・評価とコントロール活動の継続的改善に取り組み、総合的なリスク対応力の強化を図ります。
・危機発生時には、ステークホルダーの安全・健康を第一義に経営資源の保全、被害の極小化と速やかな回復を図るために責任ある行動をとります。
・リスクマネジメントプロセスの妥当性と有効性を日常的にモニタリングし、事業の継続的発展に努めます。
・リスク情報を適切に社会に開示するとともに、リスクに関連する社会的要請をリスクマネジメントに反映します。
(重要なリスク)
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)景気の悪化
当社グループは、温度を中心とする計測と制御の専門企業集団として、様々な業種に製品を提供しておりますが、売上高全体のうち、その多くは製造業が占めております。また、当社グループの製品は国内販売比率が高く、主として設備投資関連や研究開発向けであるため、景気の悪化により、国内製造業の設備投資が著しく落ち込みますと、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)為替変動
当社グループは、中期経営計画において、海外売上高比率の向上を目標とし、諸施策を遂行しております。輸出の為替リスクを回避するため円建て取引を原則としておりますが、一部外貨建輸出もあり、その場合は先物為替予約等によって為替リスクヘッジを行うなど為替変動の影響を最小限にとどめるよう努めております。しかしながら、大幅な為替変動(円高)は価格競争力を低下させ、また海外の連結子会社の財務諸表を円換算して連結財務諸表を作成しておりますので、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)カントリーリスク
当社グループでは、中国等アジアを中心に生産・販売等の海外活動を展開しております。この海外活動に関するリスクとして政治・経済情勢の悪化、テロあるいは紛争等の発生による事業活動の制約、海外事業の業績悪化、事業継続に支障をきたし、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)財務リスク
当社グループの財務に関するリスクとして、経済情勢悪化に伴う取引先信用不安の増大、資金調達に際しての金利上昇や金融機関の貸し渋り等が考えられます。これらの事象は、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)自然災害
不測の大規模地震や台風等の自然災害により、生産設備への被害等が発生するリスクが考えられます。これらの事象は、工場の操業や顧客への供給に支障が生じ、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)パンデミック
新型コロナウイルス等の感染症の拡大により、当社グループにおいて、国内・海外の生産活動及び販売活動が停滞し、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社は、赤外線技術を用いて非接触で体表面温度を測定する体表面温度監視カメラや体表面温度チェッカを製造しており、これらの製品は、発熱者の早期発見、感染拡大の予防に役立っております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、米中貿易摩擦の長期化の影響により、全般的に成長の鈍化が見られ、わが国経済においても、企業収益や個人消費の伸び悩みにより、製造業を中心に設備投資に慎重な姿勢が顕在化しました。直近では、新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりを受け、人や物の移動制限、生産・経済活動の停滞により、世界経済の急激な減速が懸念されています。
当社グループに関連する事業環境につきましては、電子部品関連や自動車関連向けを中心に受注環境が厳しい状況が継続し、需要面では全体として軟調に推移しました。
このような環境のもと、当社グループは2020年度をゴールとする中期経営計画の2年目となる当連結会計年度の施策として、販売部門特販チーム等が中心となって事業機会拡大のための活動を展開しており、特に5Gインフラ整備や社会のIoT化を支える半導体や電子部品・新素材の市場、製造場所から消費者まで安全・安心を確保するために温度管理が求められる食品・薬品等の市場、規制に基づき品質管理が厳格な自動車や航空関連部材の市場などに向けて、市場ニーズに即応した付加価値の高い製品・システムの開発を積極的に進めてまいりました。
また、第4四半期は、新型コロナウイルス感染症対策として、体表面温度発熱監視カメラや体表面温度チェッカ等の製品に対する需要が急増し、その増産体制の整備に注力しました。
この結果、当連結会計年度の業績は、受注高は20,628百万円(前期比7.0%減)、売上高は20,582百万円(前期比6.4%減)となりました。このうち国内売上高は16,013百万円(前期比6.1%減)、海外売上高は4,568百万円(前期比7.8%減)となりました。
利益面につきましては、営業利益は1,026百万円(前期比40.3%減)、明陽電機株式会社の持分法による投資利益574百万円を営業外収益に計上し、経常利益は1,683百万円(前期比3.8%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は1,218百万円(前期比9.3%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,674百万円、減価償却費843百万円、たな卸資産の減少332百万円等のプラスに対し、持分法による投資利益574百万円、法人税等の支払額518百万円等のマイナスの結果、収支は1,149百万円のプラス(前連結会計年度は1,659百万円のプラス)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得1,104百万円、有価証券及び投資有価証券の取得621百万円等の資金流出があり1,523百万円のマイナス(前連結会計年度は955百万円のマイナス)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入1,200百万円に対し、短期借入金の純減少492百万円、長期借入金の返済485百万円及び配当金の支払380百万円等により245百万円のマイナス(前連結会計年度は81百万円のマイナス)となっております。
これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ662百万円減少し、4,800百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前期比(%) |
|
計測制御機器 |
6,083,842 |
△4.2 |
|
計装システム |
7,247,884 |
△5.2 |
|
センサ |
3,756,899 |
△9.3 |
|
その他 |
527,971 |
+3.5 |
|
合計 |
17,616,596 |
△5.5 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、見込販売価額で示してあります。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注状況
当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前期比(%) |
|
計測制御機器 |
7,213,961 |
△8.1 |
|
計装システム |
8,225,860 |
△5.6 |
|
センサ |
4,519,548 |
△7.9 |
|
その他 |
669,467 |
△7.4 |
|
合計 |
20,628,838 |
△7.0 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前期比(%) |
|
計測制御機器 |
7,677,052 |
△8.4 |
|
計装システム |
7,674,900 |
△4.5 |
|
センサ |
4,352,215 |
△7.8 |
|
その他 |
877,890 |
+2.0 |
|
合計 |
20,582,059 |
△6.4 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末における資産、負債の金額、及び連結会計期間における収益、費用の金額に影響を与える重要な会計方針及び各種引当金等の見積り方法(計上基準)につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく、将来の業績予測等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っております。
a.退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
b.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
セグメント別の業績
① 計測制御機器
売上高は7,677百万円(前期比8.4%減)、セグメント利益(営業利益)は1,153百万円(前期比25.6%減)となりました。特に、温度調節計とサイリスタレギュレータについて、前年度好調であった電子部品関連の製造装置向けをはじめ全般的に需要が低迷しました。記録計についても、世界的な新型コロナウイルス感染症の広がりにより顧客の生産活動の停止・縮小の影響が発生しています。
② 計装システム
売上高は7,674百万円(前期比4.5%減)、セグメント利益(営業利益)は648百万円(前期比10.4%減)となりました。前年度好調であった電子部品関連の製造装置向けの売上が大幅に減少したことが当セグメント全体の売上及び利益を押し下げました。一方、燃料電池試験装置は自動車関連向けを中心に好調であり、コンプレッサー評価試験装置は環境負荷の小さいCO2など自然冷媒用に需要が拡大しています。また、医薬品の保管・輸送に関わる温度管理システムの売上は引き続き順調に伸長しています。
③ センサ
売上高は4,352百万円(前期比7.8%減)、セグメント利益(営業利益)は652百万円(前期比26.5%減)となりました。放射温度計、温度センサともに半導体関連の製造装置向けの売上が減少し、安全監視の用途についても、鉄鋼関連の投資が見送りされたこと等による影響を受けました。
④ その他
売上高は877百万円(前期比2.0%増)で、セグメント利益(営業利益)は209百万円(前期比0.3%増)となりました。
当社グループでは、「第2 事業の状況 (1)経営方針」に記載しました(2020年に向けた経営ビジョン)を目指し、安定・確実な成長と優れた価値の創出を目標に事業活動を展開してまいりました。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業利益)
主に売上高の減少に伴い、売上原価が14,227百万円と前連結会計年度より592百万円減少する一方で、売上原価率は69.1%と1.7ポイント悪化(粗利益率の低下)しました。国内外事業における収益性向上に向けた取り組みを継続しましたが、事業環境の悪化に加え、当社の中で付加価値率が相対的に高く、かつ全セグメントに共通する電子部品関連製造装置向けの売上が大幅に減少したことが、利益率の低下の要因となりました。また、販売費及び一般管理費は前連結会計年度より132百万円減少し、5,328百万円となりました。
その結果、営業利益は1,026百万円と前連結会計年度に比べ40.3%の減益となり、売上高営業利益率は5.0%と前連結会計年度より2.8ポイント減少しました。
セグメント別の営業利益実績は、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前期比(%) |
|
計測制御機器 |
1,153,567 |
△25.6 |
|
計装システム |
648,920 |
△10.4 |
|
センサ |
652,812 |
△26.5 |
|
その他 |
209,439 |
+0.3 |
|
(調整額)(注) |
△1,638,348 |
- |
|
合計 |
1,026,390 |
△40.3 |
(注) (調整額)は報告セグメントに帰属しない費用であります。
(経常利益)
営業外収益につきましては、733百万円と前連結会計年度に比べ579百万円増加しました。主な要因は、明陽電機株式会社の持分法による投資利益574百万円によるものです。
営業外費用につきましては、77百万円と前連結会計年度に比べ46百万円減少しました。
これらの結果、経常利益は1,683百万円と前連結会計年度に比べ3.8%の減益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
固定資産処分損12百万円の特別損失があり、税金等調整前当期純利益は1,674百万円と前連結会計年度に比べ3.5%の減益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、1,218百万円と前連結会計年度比9.3%の増益となりました。
経営戦略の現状と見通し
当社グループは、中期経営3カ年計画の最終年度にあたる2020年度においても事業環境の変化を捉え、成長分野における顧客現場の課題やニーズの把握と提供すべき付加価値情報を生産・販売・開発・エンジニアリング・サービスの各部門が共有し、顧客創造の活動を推進してまいります。
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により先行きの不透明感は増しておりますが、2020年度は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載しました(基本施策)を着実に推進致します。
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ694百万円減少し、26,708百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,477百万円減少し、17,421百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の減少812百万円(設備投資、明陽電機株式会社の株式追加取得が主因)、受取手形及び売掛金の減少111百万円(売上高減少が主因)であります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ783百万円増加し、9,286百万円となりました。このうち有形固定資産は、建物設備更新や生産効率化等の設備投資が減価償却費を超過し、183百万円の増加となりました。投資その他の資産は投資有価証券の増加725百万円、繰延税金資産の減少38百万円等により4,200百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,065百万円減少し、10,389百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,983百万円減少し、7,063百万円となりました。仕入債務の減少及び短期借入金の一部返済によるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ918百万円増加し、3,326百万円となりました。主に長期借入金について、一部返済を行った一方で、新規の借入を実行したことにより増加しました。
(非支配株主持分)
連結子会社のアーズ㈱、上海大華-千野儀表有限公司、千野測控設備(昆山)有限公司、韓国チノー株式会社及びCHINO Coporation (Thailand)Limitedの非支配株主持分であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は16,318百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益による増加1,218百万円、その他有価証券評価差額金の減少230百万円、剰余金の配当381百万円による減少等の結果であります。
キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、当期は、投資活動によるキャッシュ・フロー(設備投資<建物設備更新、生産効率化設備等>、明陽電機株式会社の株式取得等)1,523百万円が、営業活動によるキャッシュ・フロー1,149百万円を上回り、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)は、△373百万円となりました。
<フリー・キャッシュ・フロー>
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金は自己資金を基本としつつ、必要に応じて短期資金は、金融機関からの短期借入により調達し、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入により調達することにしております。
当連結会計年度においては、生産効率化設備の導入、藤岡事業所計装新棟建設、明陽電機株式会社の株式取得を目的として12億円の借入を行いました。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は2,834百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,800百万円となっております。
当社は、2020年3月10日開催の取締役会において、当社持分法適用関連会社である明陽電機株式会社の株式を追加取得して子会社化することを決議し、2020年4月1日に株式を取得しました。これにより明陽電機株式会社は当社の連結子会社に該当することになります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発体制は、「イノベーションセンター」を中心に、計測・制御の基礎開発、応用技術の開発を行うとともに、グループの開発部門と連携し、市場ニーズに対応したカスタム商品の開発を行っております。また「藤岡事業所」の開発部門では「イノベーションセンター」の要素技術をベースに機器商品の開発を行うとともに、ユニットの共通化によるVA開発も進めております。
なお、「山形事業所」の開発部門においては、センサ素子の開発を行うとともに、そのセンサ素子を応用した民生機器商品の開発を行っております。
これらの活動により、当社グループにおける当連結会計年度の研究開発費の総額は、
セグメントごとの研究開発費は、『計測制御機器』は