文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)経営方針
当社グループは、「計測・制御・監視技術の限界に挑戦し、産業の発展とより良い明日の社会の実現に貢献する」ことを企業の基本理念として掲げています。独創性のある技術とソリューションの創出を通じて、社会課題を解決し、「温度のチノー」として、株主・お客様・取引先・従業員・地域社会などさまざまなステークホルダーから信頼を得ながら中長期的な企業価値の向上に努め、豊かな社会の創造に貢献してまいります。
<創立90周年=2026年に向けた経営ビジョン>
共創 : 環境の変化を捉えながらステークホルダーと共に新しい価値を創造します
特長 : 卓越した技術によるループソリューションでお客様に感動をお届けします
信頼 : 信頼の“絆”を強め 情熱とチームワークで未来に向かって成長し続けます
(2)経営環境
2021年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は継続しましたが、経済活動の再開が進み、景気回復の動きが見られました。一方で、米中貿易摩擦の長期化、資源価格の上昇、半導体をはじめとする部材の供給不足に加え、足元ではウクライナ情勢等が景気減速の懸念材料となっており、先行きは依然不透明な状況が続いています。
当社グループに関連する事業環境につきましては、半導体をはじめとする部材の供給不足による影響はあるものの、主要顧客である自動車や電子部品等の主要関連分野において設備投資の回復基調が維持されました。
(3)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
<チノーグループ中期経営計画2026>
経営ビジョンの実現を目指し、「中期経営計画2026」(2021年4月~2026年3月)に掲げた4つの基本戦略を軸に、グループ一丸となって持続的成長軌道の構築と中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいります。
(サステナビリティ経営の推進)
「脱炭素社会」並びに「安全・安心な社会」の実現にフォーカスしながら、環境・社会・経済の持続可能性への配慮により経済的価値と社会的価値を両立させ、事業のサステナビリティの向上に努めます。
(4つの基本戦略)
① 成長分野のさらなる開拓・拡大
新たな成長分野に向けてグループシナジーを創出し、特長あるソリューションの開発と提供を加速させる
② コア事業の高度化と価値創造
独自技術とサービスのインテグレーションによりコア事業を高度化し、お客様と新しい価値を創造する
③ 海外基盤の強化と事業拡大
国内外事業のリレーションシップ強化と地域別戦略の展開により、グループ収益力を強化する
④ 経営基盤の強靭化
企業価値の創造とイノベーション、スピード経営を支える人財・組織・ICT・ガバナンス・財務体質の強靭化を進める
(事業セグメント別の重点施策)
①計測制御機器
・事業環境変化にスピーディに対応した製品開発の推進
・定期校正&点検の提案活動によるサービス業務の拡大
・グローバル展開による生産体制の最適化
②計装システム
・制御構築技術/IoT技術/ソフトフェアの高度化による成長市場の開拓
・システム構築技術の集約による新しい付加価値の創造と充実したサービスの提供
・計装システムの海外現地生産・サービス体制構築の推進
・業務体制の変革による計装の組織力強化
③センサ
・新たな計測技術の創造による非接触センシングのシェア拡大とグローバルブランドへの進化
・高付加価値温度センサへの挑戦による新需要創出とグループ・協力会社とのシナジー最大化の追求
・校正サービス(標準技術)と校正装置の高度化 ~新たなサービス創出と収益拡大~
・成長市場や脱炭素社会の実現に向けた市場ニーズに対応した製品の開発
(財務戦略)
・最適資本構成の追求による財務健全性の確保
・投資効率を踏まえた積極的成長投資
・配当性向30%以上を目安とする安定配当の継続
(中期経営計画 2026年度数値目標)
・売上高 :300億円
・営業利益 : 27億円
・営業利益率 : 9%
・海外売上高 : 70億円
・ROE(自己資本純利益率) : 10%
・ROA(総資産営業利益率) : 8%
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、2021年度よりスタートした「中期経営計画2026」の基本戦略に則り、以下の重点施策に取組みます。
(2022年度重点施策)
経済や社会情勢の様々な変化に伴う顧客の課題を迅速に把握し、全社一体の連携・共創による顧客価値やソリューションの提供を通じてサステナブル社会の実現に貢献すると共に当社の持続的成長の基盤を築く
① 販売部門は、顧客・市場情報の収集・共有化・分析・活用までの営業プロセスのデジタル化に創意工夫を重ね、情報とデータを駆使した顧客価値創造に資する活動の具体化により実績拡大を目指す
② 海外事業は、中期経営計画達成のため、現地法人とのリレーションシップによりマーケティング・製品企画・販売・生産を中心に海外事業戦略を具体的に定めて展開するなど、グローバル経営を革新していく
③ センサ・機器・システム開発活動は、顧客価値を把握した上で、コア事業の高度化及び成長分野開拓のための製品戦略(ロードマップ)と技術戦略を整備し、全社一丸で顧客創造の活動を推進する
④ 生産は、基幹システムに係る課題解決、最適地生産の検討、自動化や改善活動による生産性向上、生産技術部門によるコンカレントエンジニアリングの推進等、関係部門が連携してQCDS向上を進める
⑤ 計装システムは新体制で、顧客のイノベーションへの対応や顧客価値を創出する特長あるシステム作りに様々なステークホルダーとの共創を視野に取り組み、脱炭素化・DX社会実現に貢献して実績を拡大する
⑥ 品質向上活動は、品質本部の旗振りによる関係各部門の連携の下、顧客感動を目指した一気通貫の活動を展開し、ブランド向上に資する組織的活動を本格的に推進する
⑦ 持続的成長と企業価値向上に向け、ESG視点の社会課題に立脚した事業活動を通じて社会的責任を果たすために、経営管理本部が中心となり具体的な指標に基づいたCSR経営を全社で推進する
⑧ 人事部門は、事業環境の変化と人財の多様化に適合した「スキル向上」「組織開発」「コンピテンシー形成」のための学習と実践の機会の充実等を軸に、現場ときめ細かく連携して人財基盤を強化する
(方針)
当社は、グループ全体のリスクマネジメント活動を統括する組織として「リスクマネジメント委員会」を設置し、委員長を代表取締役社長が務めています。
リスクマネジメント委員会では、経営に重大な影響を及ぼす内外のリスク項目を特定し、各部門・関係会社が実施するリスク管理の状況をモニタリングするとともにリスクの早期発見に努め、その重要性を評価して適切・迅速にコントロールしています。
<リスクマネジメント体制>
<リスクマネジメント基本方針>
当社は、グループを取り巻くリスクの正しい認識と適切なリスク対応を経営の重要事項の一つと位置づけ、ステークホルダーからの信頼の確保と企業価値の向上を図るために、次に示す方針のもと全社を挙げてリスクマネジメントに取り組んでまいります。
・教育や研修・訓練の実施と情報の共有化により、役職員一人ひとりの法令遵守の徹底とリスク感性の醸成に努めます。
・全ての組織でリスクの識別・評価とコントロール活動の継続的改善に取り組み、総合的なリスク対応力の強化を図ります。
・危機発生時には、ステークホルダーの安全・健康を第一義に経営資源の保全、被害の極小化と速やかな回復を図るために責任ある行動をとります。
・リスクマネジメントプロセスの妥当性と有効性を日常的にモニタリングし、事業の継続的発展に努めます。
・リスク情報を適切に社会に開示するとともに、リスクに関連する社会的要請をリスクマネジメントに反映します。
(重要なリスク)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)景気の悪化
当社グループは、温度を中心とする計測と制御の専門企業集団として、様々な業種に製品を提供しておりますが、売上高全体のうち、その多くは製造業が占めております。また、当社グループの製品は国内販売比率が高く、主として設備投資関連や研究開発向けであるため、景気の悪化により、国内製造業の設備投資が著しく落ち込みますと、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)為替変動
当社グループは、中期経営計画において、海外売上高の拡大を目標とし、諸施策を遂行しております。輸出の為替リスクを回避するため円建て取引を原則としておりますが、一部外貨建輸出もあり、その場合は先物為替予約等によって為替リスクヘッジを行うなど為替変動の影響を最小限にとどめるよう努めております。しかしながら、大幅な為替変動(円高)は価格競争力を低下させ、また海外の連結子会社の財務諸表を円換算して連結財務諸表を作成しておりますので、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)カントリーリスク
当社グループでは、中国等アジアを中心に生産・販売等の海外活動を展開しております。この海外活動に関するリスクとして政治・経済情勢の悪化、テロあるいは紛争等の発生による事業活動の制約、海外事業の業績悪化、事業継続に支障をきたし、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)他社との競合・競争
当社グループでは、長年培った「計測・制御・監視」の技術で、計測制御機器、計装システム、温度センサ等の製品・サービスを提供する事業等を営んでおります。しかし、競合他社との品質・性能・価格等における競争が収益を圧迫した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)材料・部品等の調達
当社グループは、製品の生産活動において電気・電子部品及び金属、プラスチック等の材料部品を使用しており、半導体をはじめとする材料部品の供給不足による生産停止を招かないように複数購買先の確保や代替部材の検討等に努めております。
しかし、これらについての供給の逼迫や遅延、価格変動が生じた場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)製造物責任
当社グループでは、国内外の幅広い業種の顧客に対して製品を提供しており、その製品を生産する際、製品の評価試験、デザインレビュー(DR)、出荷前検査、受入検査等を行い、製品の品質維持と向上に努めております。
しかし、製品の品質に関して欠陥が発生する可能性はゼロとは言えず、重大な事象が発生した場合、対応のための費用、顧客への損害賠償、ブランド力の低下による売上の減少等により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)人財の採用・確保と育成
当社グループでは、当社の事業活動を担う人財の確保と育成のため、様々な施策を行っております。しかし、事業環境の変化等の要因により必要な人財の確保と育成が十分に行われなかった場合、事業活動に支障が生じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)情報セキュリティ
当社グループは、事業活動上、機密情報や個人情報を保持し、これらを適切に管理するためのセキュリティ対策を実施しております。しかし、事業活動の基盤となるコンピュータ・システムの予期せぬ故障、想定した防御水準を上回る技術による攻撃手段による外部からの不正アクセス、コンピュータウイルスへの感染などにより、情報漏洩や重要データの喪失・改ざん、システム停止等の事象が発生した場合、当社グループの社会的信用が低下し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)取引先の財務状況悪化
当社グループでは、取引の前に取引先の信用状況を確認し、不良債権の発生防止に努めております。しかし、取引先の財務状況が著しく悪化し、売掛債権の回収が滞った場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(10)パンデミック
新型コロナウイルス等の感染症の拡大により、当社グループにおいて、国内・海外の生産活動及び販売活動が停滞し、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社は、赤外線技術を用いて非接触で体表面温度を測定する体表面温度監視カメラや体表面温度チェッカを製造しており、これらの製品は、発熱者の早期発見、感染拡大の予防に役立っております。
(11)自然災害
不測の大規模地震や台風等の自然災害により、生産設備への被害等が発生するリスクが考えられます。これらの事象は、工場の操業や顧客への供給に支障が生じ、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12)気候変動問題への対応
当社グループでは、気候変動をサステナビリティ経営上の最重要課題の一つと認識し、SDGsやパリ協定の長期目標に示された脱炭素社会への貢献に向け、幅広いステークホルダーとの協働を通して、気候変動に係るリスクへの適切な対応と成長機会の獲得に取り組んでいます。
2022年5月、当社グループは気候変動関連情報開示の重要性を踏まえてTCFD提言への賛同を表明しました。今後、これを契機に気候変動がもたらす事業へのリスクと機会についての分析と対応を一層強化するとともに、TCFD提言に沿った情報開示の拡充を進めてまいります。
<TCFD提言に沿った情報開示>
①ガバナンス
当社グループのサステナビリティ経営に関わる基本方針や重要施策等を検討・審議する組織として、2022年1月に代表取締役社長を議長とする「サステナビリティ推進会議」を設置しました。当会議では、「気候変動への対応」をサステナビリティ経営の最重要課題(マテリアリティ)であることを経営層全員で共有し、その実行計画の策定と進捗レビューを行っています。また、この課題に対するミドルアップの検討・提言を行う機関として、脱炭素市場に向けたマーケティングとソリューション提案を担う「脱炭素化プロジェクト」と気候変動対応を中心にマテリアリティに対する業務活動の深化を担う「CSR推進プロジェクト」を設置しています。
取締役会は、「サステナビリティ推進会議」で審議された内容の報告を受け、活動の基本方針及び重要施策等についての監督を行っています。
■サステナビリティ推進体制図
②戦略
当社グループは、気候変動に伴うリスク及び機会を事業戦略上の重要な要素の一つと認識し、2℃以下シナリオを考慮したリスク・機会の抽出と対応策の検討・策定を進めています。
その結果、移行リスクとしてカーボンプライシング(炭素税)の導入及び価格上昇による製造コストの増加、物理的リスクとして異常気象の激甚化による自社拠点を含むサプライチェーンの操業停止・停滞がとりわけ事業活動へ大きなインパクトを及ぼすことが想定されます。
一方、脱炭素社会への動き、とりわけ水素利活用の進展とモビリティの電動化および再生可能エネルギーの需要拡大等が、当社グループの技術を活かした課題解決・販売拡大の機会であるととらえています。
なお、事業に及ぼす財務影響度については、現時点では定量評価が難しいため大・中・小の三段階で、定性的に把握しています。今後は継続的にシナリオ分析を進めることで財務影響度の精度を高めながら気候変動に伴うリスクと機会への対応力を強化し、当社グループのサステナビリティ経営のレベルアップに努めてまいります。
■ 主要なリスク・機会及び当社の対応方針
③リスク管理
当社グループでは、リスク管理の統轄機関として「リスクマネジメント委員会」を設置しています。「リスクマネジメント委員会」は、代表取締役社長を委員長として、リスク対応方針の策定や環境課題を含めた全社経営リスクの継続的な識別と評価を行い、優先順位をつけて絞り込んだ重要リスクへの対策を決定するとともにその進捗状況をモニタリングしています。
上記重要リスクのうち気候変動に関連したリスクについては、その時間軸や規模の特殊性を踏まえて「サステナビリティ推進会議」の中でより詳細に検討を行い実行計画に落とし込み、その進捗状況を「リスクマネジメント委員会」と共有化の上、最終的に取締役会へ報告しています。
④指標と目標
当社では、Scope1,2(当社の事業活動におけるGHG排出量)について「2026年度のGHG排出量実質ゼロ」「2040年度のGHG排出量完全ゼロ」という中長期目標を設定し、目標達成に向けて各種の取組みを進めてまいります。
今後は、連結子会社を含めたグループ全体の指標及び目標の策定、Scope3 (当社の事業活動に関連するサプライチェーン全体を含めたGHG排出量)のデータ収集及び削減対策の検討等に精力的に取り組んでまいります。
■事業活動のカーボンニュートラルに向けたロードマップ
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は継続しましたが、先進国を中心にワクチン接種が進展したことにより、経済活動の再開が進み、景気回復の動きが見られました。一方で、米中貿易摩擦の長期化、資源価格の上昇、半導体をはじめとする部材の供給不足に加え、足元ではウクライナ情勢等が景気減速の懸念材料となっており、先行きは依然不透明な状況が続いています。
当社グループに関連する事業環境につきましては、半導体をはじめとする部材の供給不足による影響はあるものの、主要顧客である自動車関連分野や電子部品関連分野等における生産活動の回復が進み、拡大基調が継続しました。
また、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、国主導の温室効果ガス(GHG)対策が加速し、代替エネルギーの開発や水素サプライチェーン構築関連需要が急拡大しました。
このような状況のなか、当社グループは、生産・開発の現場で不可欠な高機能温度計測・制御・監視用の製品、システムはもとより、電子部品や新素材等の成長分野における課題を解決するソリューションの提供に注力いたしました。
この結果、当連結会計年度の受注高は25,557百万円(前期比24.3%増)、売上高は21,908百万円(前期比3.9%増)となりました。顧客の設備投資の拡大に加えて、部材の長納期化を見越した発注時期前倒しの動きもあり、受注高は過去最高となりました。売上高においては、部材調達先の拡大や代替品の採用等を通じて部材逼迫による生産への影響をできる限り避け、前期比で増加を確保しました。
利益については、増収効果および原価低減の取組みにより、営業利益は1,499百万円(前期比32.0%増)、経常利益は1,744百万円(前期比35.9%増)と前期比で増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益は1,050百万円(前期比18.5%減)となりましたが、これは、前年同期に明陽電機株式会社の連結子会社化に伴う特別利益として負ののれん発生益557百万円を計上した影響によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益1,719百万円、減価償却費795百万円、仕入債務の増加821百万円等の資金増加が、棚卸資産の増加987百万円等の資金減少を上回ったことにより、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,880百万円の資金増加(前期比460百万円の資金減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形・無形固定資産の取得による支出910百万円等の資金減少が、保険積立金の払戻による収入302百万円等の資金増加を上回ったことにより、当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、578百万円の資金減少(前期比169百万円の資金増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払381百万円、長期借入金の返済による支出272百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出222百万円等の資金減少により、当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、978百万円の資金減少(前期比9百万円の資金減少)となりました。
これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ390百万円増加し、5,821百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
計測制御機器 |
5,946 |
6.7 |
|
計装システム |
6,480 |
△0.1 |
|
センサ |
6,078 |
0.4 |
|
その他 |
463 |
△4.5 |
|
合計 |
18,969 |
2.0 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、見込販売価額で示してあります。
b.受注状況
当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
|
計測制御機器 |
8,669 |
29.3 |
|
計装システム |
9,156 |
37.4 |
|
センサ |
7,077 |
8.2 |
|
その他 |
654 |
1.4 |
|
合計 |
25,557 |
24.3 |
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
計測制御機器 |
7,965 |
15.1 |
|
計装システム |
6,302 |
△6.7 |
|
センサ |
6,804 |
3.7 |
|
その他 |
836 |
△1.0 |
|
合計 |
21,908 |
3.9 |
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
<セグメント別の業績>
① 計測制御機器
売上高は7,965百万円(前期比15.1%増)、セグメント利益は1,168百万円(前期比31.6%増)となりました。前期は新型コロナウイルス感染症の広がりにより顧客の生産活動の停滞、設備投資の先送りの影響を大きく受けた記録計は主に海外向け、特に中国を中心としたアジア地域において需要が伸長し、調節計とサイリスタレギュレータは、大口顧客の売上が順調に推移しました。
前期に特需が発生した、コロナウイルス感染症拡大対策向けの体表面温度チェッカの売上高は大きく減少しましたが、監視システム用の無線ロガーや温湿度計等の拡販にも注力し、当セグメントの売上高は増加しました。
② 計装システム
売上高は6,302百万円(前期比6.7%減)、セグメント利益は481百万円(前期比18.7%減)となりました。前年度後半から需要が回復した電子部品関連の製造装置向けの売上が引き続き順調に推移しました。また脱炭素関連として、自動車関連向けなどの燃料電池評価試験装置や、水素のエネルギー利用の研究・開発用途の水電解評価装置の需要拡大により売上が増加し、来期以降も拡大傾向が期待されます。
一方で、コンプレッサー性能試験装置は需要の低迷が継続したことが主因となり、当セグメントは前期比減収減益となりました。
③ センサ
売上高は6,804百万円(前期比3.7%増)、セグメント利益は1,304百万円(前期比14.6%増)となりました。放射温度計、温度センサともに半導体関連の製造装置向けに海外の需要が好調であり、国内においても輸出向けの需要が堅調です。また、放射温度計は鉄鋼関連の設備更新、温度センサはAMS(航空宇宙材料に関わる高度な規格)対応製品やバイオマス関連の需要も堅調に推移しました。
④ その他
売上高は836百万円(前期比1.0%減)で、セグメント利益は194百万円(前期比27.3%増)となりました。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針」に記載しました(創立90周年=2026年に向けた経営ビジョン)の実現を目指し、中期経営計画の初年度となる当連結会計年度をグループ一丸となって持続的成長軌道の構築と中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいりました。
<経営成績の分析>
(売上高)
当連結会計年度における売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業利益)
原価低減の取り組みにより、売上原価率は67.7%と2.1ポイント改善しました。また、販売費及び一般管理費は前連結会計年度より349百万円増加し、5,576百万円となりました。
その結果、営業利益は1,499百万円と前連結会計年度に比べ32.0%の増益となり、売上高営業利益率は6.8%と前連結会計年度より1.4ポイント増加しました。
セグメント別の営業利益実績は、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
計測制御機器 |
1,168 |
31.6 |
|
計装システム |
481 |
△18.7 |
|
センサ |
1,304 |
14.6 |
|
その他 |
194 |
27.3 |
|
全社費用(注) |
△1,649 |
- |
|
合計 |
1,499 |
32.0 |
(注) 全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
(経常利益)
営業外収益につきましては、301百万円と前連結会計年度に比べ73百万円増加しました。
営業外費用につきましては、55百万円と前連結会計年度に比べ24百万円減少しました。
これらの結果、経常利益は1,744百万円と前連結会計年度に比べ35.9%の増益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益は1,719百万円と前連結会計年度に比べ6.5%の減益となり、また親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、1,050百万円と前連結会計年度比18.5%の減益となりました。これらの主な要因は、前連結会計年度に負ののれん発生益557百万円の特別利益を計上したことによるものです。
<経営戦略の現状と見通し>
中期経営計画初年度(2021年度)においての4つの基本戦略と活動概要は下記の通りです。
1.成長分野の更なる開拓・拡大
・成長分野をターゲットに分野別開拓プロジェクトチームを設置し、市場ニーズの収集・分析から製品開発へ展開
・脱炭素社会の実現に向け水素利用技術支援として特長のある計装システム・温度計測技術を提供
2.コア事業の高度化と価値創造
・『温度標準』『赤外線計測』『湿度・ガス計測』等の技術及び製品・システムのロードマップを整備
・JCSS校正(温度校正事業の中核)に関して各種規制強化に伴う需要増加を見込み組織体制を強化
3.海外事業の基盤強化と拡大
・国内外の営業連携を強化し、国内顧客の海外プロジェクトへ参画することでグローバルなサービスを提供
・中国・韓国を中心にアジア地域向け製品売上を拡大するため、マーケティング機能を強化
・海外グループ会社の「自立・自律」をテーマに地域別戦略を策定し、本社・海外グループ会社一体となり推
進
4.経営基盤の強靭化
・人的資本の向上に向け、教育研修制度を整備・充実するとともに全社の組織開発活動を推進
・ICTインフラ面について、営業・サービス活動の変革を支えるデジタルツールの導入等DXの取組みを強化
・指名・報酬諮問委員会の発足、役員報酬制度の見直し、取締役会実効性評価の実施等を通じガバナンスを高
度化
足元では資源価格の上昇、半導体をはじめとする部材の供給不足、ウクライナ情勢等が景気減速の懸念材料となっており、先行きは依然不透明な状況が続いていますが、2022年度は、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載しました(2022年度重点施策)を推進し、「成長の基礎固め」を着実に実行いたします。
<財政状態の分析>
当連結会計年度末は、明陽電機株式会社の子会社化を主因として、資産、負債及び純資産が増加しました。
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,146百万円増加し、31,545百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,382百万円増加し、21,681百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加340百万円、売上債権の増加47百万円、棚卸資産の増加1,051百万円であります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ235百万円減少し、9,864百万円となりました。主な要因は、投資有価証券の減少155百万円であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ497百万円増加し、11,394百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ941百万円増加し、8,216百万円となりました。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ443百万円減少し、3,177百万円となりました。
(非支配株主持分)
連結子会社のアーズ㈱、明陽電機㈱、上海大華-千野儀表有限公司、千野測控設備(昆山)有限公司、韓国チノー株式会社及びCHINO Coporation (Thailand)Limitedの非支配株主持分であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ648百万円増加し、20,150百万円となりました。
<キャッシュ・フローの分析>
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、当期は、営業活動によるキャッシュ・フロー1,880百万円が、投資活動によるキャッシュ・フロー(設備投資<建物設備更新、生産効率化設備等>)578百万円を上回り、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)は、1,301百万円となりました。
(フリー・キャッシュ・フロー)
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金は自己資金を基本としつつ、必要に応じて短期資金は、金融機関からの短期借入により調達し、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入により調達することにしております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は2,260百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,821百万円となっております。
当社は、2022年1月14日開催の取締役会において、連結子会社である明陽電機株式会社の株式を追加取得するこ
とを決議し、2022年2月1日に株式を取得しました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1) 連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関
係)」に記載のとおりであります。
当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発体制は、当社「イノベーションセンター」を中心に、計測・制御の基礎開発、応用技術の開発を行うとともに、グループの開発部門と連携し、市場ニーズに対応したカスタム商品の開発を行っております。また「藤岡事業所」の開発部門では「イノベーションセンター」の要素技術をベースに機器商品の開発を行うとともに、ユニットの共通化によるVA開発も進めております。
なお、「山形事業所」の開発部門においては、センサ素子の開発を行うとともに、そのセンサ素子を応用した民生機器商品の開発を行っております。
これらの活動により、当社グループにおける当連結会計年度の研究開発費の総額は、
セグメントごとの研究開発費は、「計測制御機器」は