当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
尚、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「計測・制御・監視技術の限界に挑戦し、産業の発展とより良い明日の社会の実現に貢献する」ことを企業の基本理念として掲げております。独創性のある技術とソリューションの創出を通じて、社会課題を解決し、「温度のチノー」として、株主・お客様・取引先・従業員・地域社会などさまざまなステークホルダーから信頼を得ながら中長期的な企業価値の向上に努め、豊かな社会の創造に貢献してまいります。
<創立90周年=2026年に向けた経営ビジョン>
共創 : 環境の変化を捉えながらステークホルダーと共に新しい価値を創造します
特長 : 卓越した技術によるループソリューションでお客様に感動をお届けします
信頼 : 信頼の“絆”を強め 情熱とチームワークで未来に向かって成長し続けます
(2)経営環境
2022年度の経営環境は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和され経済活動の正常化が進んだものの、半導体をはじめとする部材供給不足、長期化するウクライナ情勢等によるエネルギー価格高騰、各国の金融政策変更に伴う景気の減速懸念や不安定な為替相場など不透明な状況となりました。
そのような状況の中、当社グループに関連する事業環境につきましては、部材価格の高騰やエネルギーコストの上昇等の影響はありましたが、製造業の設備投資が堅調に推移し、また、脱炭素関連分野として水素の使用やエネルギー利用の研究・開発に関する需要が拡大しました。
(3)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
<チノーグループ中期経営計画2026>
経営ビジョンの実現を目指し、「中期経営計画2026」(2021年度~2026年度)に掲げた4つの基本戦略を軸に、グループ一丸となって持続的成長軌道の構築と中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいります。
(サステナビリティ経営の推進)
「脱炭素社会」並びに「安全・安心な社会」の実現にフォーカスしながら、環境・社会・経済の持続可能性への配慮により経済的価値と社会的価値を両立させ、事業のサステナビリティの向上に努めます。
(4つの基本戦略)
① 成長分野のさらなる開拓・拡大
新たな成長分野に向けてグループシナジーを創出し、特長あるソリューションの開発と提供を加速させる
② コア事業の高度化と価値創造
独自技術とサービスのインテグレーションによりコア事業を高度化し、お客様と新しい価値を創造する
③ 海外基盤の強化と事業拡大
国内外事業のリレーションシップ強化と地域別戦略の展開により、グループ収益力を強化する
④ 経営基盤の強靭化
企業価値の創造とイノベーション、スピード経営を支える人財・組織・ICT・ガバナンス・財務体質の強靭化を進める
(事業セグメント別の重点施策)
①計測制御機器
・事業環境変化にスピーディに対応した製品開発の推進
・定期校正&点検の提案活動によるサービス業務の拡大
・グローバル展開による生産体制の最適化
②計装システム
・制御構築技術/IoT技術/ソフトウェアの高度化による成長市場の開拓
・システム構築技術の集約による新しい付加価値の創造と充実したサービスの提供
・計装システムの海外現地生産・サービス体制構築の推進
・業務体制の変革による計装の組織力強化
③センサ
・新たな計測技術の創造による非接触センシングのシェア拡大とグローバルブランドへの進化
・高付加価値温度センサへの挑戦による新需要創出とグループ・協力会社とのシナジー最大化の追求
・校正サービス(標準技術)と校正装置の高度化:新たなサービス創出と収益拡大
・成長市場や脱炭素社会の実現に向けた市場ニーズに対応した製品の開発
(財務戦略)
・最適資本構成の追求による財務健全性の確保
・投資効率を踏まえた積極的成長投資
・連結配当性向30%を目安とする安定配当の継続
(中期経営計画 2026年度数値目標)
・売上高 :300億円
・営業利益 : 27億円
・営業利益率 : 9%
・海外売上高 : 70億円
・ROE(自己資本純利益率) : 10%
・ROA(総資産営業利益率) : 8%
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、2021年度よりスタートした「中期経営計画2026」の基本戦略に則り、以下の重点施策に取組みます。
(2023年度重点施策)
様々な変化が激しい中、「顧客や社会の発展に貢献する」ために、全社一体の連携・共創による顧客価値の把握と提供を効果的に展開し、当社の企業価値向上と持続的成長の基盤を築く
① 販売部門は、顧客起点の情報獲得から製品戦略・営業戦略までを練る横断的な仕組み作りと体制を整備し、顧客への価値の発信と提供により業績拡大につなげていく
② 海外事業は、現法との連携により、マーケティング・製品企画・生産・販売・サービス等に係る現法の機能や役割を具体的に定めて分担し、売上・利益拡大に向けたシナジー効果を追求する
③ 開発は、販売部門との連携を強化し、ターゲット市場の顧客課題を解決するための技術・製品ロードマップをブラッシュアップし、最適な開発体制で新製品の上市をスピードアップさせる
④ 生産は、基幹システムの課題解決/調達・生産プロセス最適化/生産性向上/コンカレントエンジニアリング等、関係部門が連携し調達から販売までのサプライチェーン機能を向上させる
⑤ 計装は、変化する市場におけるシェア拡大に向け、組織一体となって技術・体制や取引先・販売部門との連携などに係る問題・課題を解決しながら顧客の課題解決活動を展開する
⑥ 企業価値向上に資する製品・業務の品質向上と環境マネジメント強化は、品質本部が主体となり各部門との連携を密にして具体的に問題・課題を抽出し、解決に向けての活動を推進する
⑦ 持続的成長と企業価値向上に向け、ESG/SDGs視点の課題に立脚した事業活動を通じて社会的責任を果たすために、経営管理本部が中心となり具体的な指標に基づいたCSR経営を促進する
⑧ 人事部門は現場と連携の上、健康な個人の活躍と組織の活性化を目指し、「人財育成」「組織開発」の取組みの充実と関連諸制度の再構築を通じ、成長基盤となる人的資本の形成を推進する
チノーグループは、サステナビリティ基本方針を以下のように定め、取組みを推進しております。
[サステナビリティ基本方針]
チノーグループは、「計測・制御・監視技術の限界に挑戦し、産業の発展とより良い明日の社会の実現に貢献する」という企業理念に基づき、様々なステークホルダーとのエンゲージメントに努めながら、事業活動を通じて「持続可能な社会の実現」に貢献するとともに、私たち自らの「持続的な成長」と「企業価値の向上」を実現することを目指します 。
産業構造や社会経済は、グローバル化、デジタル化、脱炭素化の急速な進展により目覚ましく変化しております。当社グループはこうした社会課題の変化を成長・拡大の機会と捉え、水素利用技術、半導体・電子部品、次世代電池、新素材、ならびに医療医薬・食品管理、ロジスティクス等の市場を重要マーケットと位置づけ、安心・安全なサステナブル社会の実現にお応えすることで企業価値の向上を図ります。
当社グループでは、気候変動をサステナビリティ経営上の最重要課題の一つと認識し、SDGsやパリ協定の長期目標に示された脱炭素社会への貢献に向け、幅広いステークホルダーとの協働を通して、気候変動に係るリスクへの適切な対応と成長機会の獲得に取り組んでおります。
2022年5月に当社グループは気候変動関連情報開示の重要性を踏まえてTCFD提言への賛同を表明しました。今後、これを契機に気候変動がもたらす事業へのリスクと機会についての分析と対応を一層強化するとともに、TCFD提言に沿った情報開示の拡充を進めてまいります。
(1)ガバナンス
当社グループのサステナビリティ経営に関わる基本方針や重要施策等を検討・審議する組織として、2022年1月に代表取締役社長を議長とする「サステナビリティ推進会議」を設置しました。当会議ではサステナビリティ経営を推進するうえでのESG(環境・社会・ガバナンス)それぞれの領域における重要課題(マテリアリティ)を経営層全員で共有し、その実行計画の策定と進捗レビューを行っております。
マテリアリティに対するミドルアップの検討・提言を行う機関として、脱炭素市場に向けたマーケティングとソリューション提案を担う「脱炭素化プロジェクト」と気候変動対応を中心にマテリアリティに対する業務活動の深化を担う「CSR推進プロジェクト」を設置しております。
また、経営戦略と人財・組織戦略が緊密に連動した人的資本経営を推進するため、2022年10月に社長を委員長とし執行役員が委員を務める「人財・組織開発委員会」を設置しました。委員会では、人財マネジメントシステムの全体像を俯瞰した上で、人財育成や従業員のエンゲージメント向上策の方針決定、具体施策の検討及び進捗状況の確認を行い、企業価値の向上に資する人事戦略を推進しております。
取締役会は、「サステナビリティ推進会議」及び「人財・組織開発委員会」で審議された内容の報告を受け、活動の基本方針及び重要施策等についての監督を行っております。
(2)戦略
<気候変動への取組み>
当社グループは、気候変動に伴うリスク及び機会を事業戦略上の重要な要素の一つと認識し、2℃以下シナリオを考慮したリスク・機会の抽出と対応策の検討・策定を進めております。
その結果、移行リスクとしてカーボンプライシング(炭素税)の導入及び価格上昇による製造コストの増加、物理的リスクとして異常気象の激甚化による自社拠点を含むサプライチェーンの操業停止・停滞がとりわけ事業活動へ大きなインパクトを及ぼすことが想定されます。
一方、脱炭素社会への動き、とりわけ水素利活用の進展とモビリティの電動化及び再生可能エネルギーの需要拡大等が、当社グループの技術を活かした課題解決・販売拡大の機会であるととらえております。
尚、事業に及ぼす財務影響度については、現時点では定量評価が難しいため大・中・小の三段階で、定性的に把握しております。今後は継続的にシナリオ分析を進めることで財務影響度の精度を高めながら気候変動に伴うリスクと機会への対応力を強化し、当社グループのサステナビリティ経営のレベルアップに努めてまいります。
<人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針>
当社グループは、2026年をターゲットとする中期経営計画において、事業計画を達成し持続的な成長を支える力の源である人財の育成と強靭な組織づくりを推進するため、創立90周年に向けた経営ビジョンである「共創、特長、信頼」に連動した人事戦略として「人財育成方針」及び「職場環境整備方針」に沿って次の3項目に取り組んでおります。
・経営ビジョンを実践するプロフェッショナル人財の確保と育成
・組織の活力向上を推進する働きがいのある職場環境の整備
・公平かつ生産性の向上につながる人事関連諸制度の再構築
◇人財育成方針
◇職場環境整備方針
(3)リスク管理
当社グループでは、リスク管理の統轄機関として「リスクマネジメント委員会」を設置しております。「リスクマネジメント委員会」は、代表取締役社長を委員長として、リスク対応方針の策定や環境課題を含めた全社経営リスクの継続的な識別と評価を行い、優先順位をつけて絞り込んだ重要リスクへの対策を決定するとともにその進捗状況をモニタリングしております。
上記重要リスクのうち気候変動に関連したリスクについては、その時間軸や規模の特殊性を踏まえて「サステナビリティ推進会議」の中でより詳細に検討し実行計画に落とし込み、その進捗状況を「リスクマネジメント委員会」と共有の上、最終的に取締役会へ報告しております。
(4)指標及び目標
<気候変動への取組み>
当社では、事業活動のカーボンニュートラルに向け、Scope1,2 について「2026年度のGHG排出量実質ゼロ」「2040年度のGHG排出量完全ゼロ」という中長期目標を設定し、目標達成に向けて各種の取組みを進めております。
具体的な取組みとして、2022年7月までに本社及び国内主要生産拠点の購入電力を100%再生可能エネルギーに転換しました。これにより、2020年度比で70%、年間約2,300tの温室効果ガス排出削減を見込んでおります。
今後は、連結子会社を含めたグループ全体の指標及び目標の策定、Scope3 (当社の事業活動に関連するサプライチェーン全体を含めたGHG排出量)のデータ収集及び削減対策の取組みに精力的に取り組んでまいります。
<人財育成及び社内環境整備に関する指標>
当社グループでは従業員一人ひとりの意欲と能力、働きがいを高めるとともにそのことを組織としての力につなげていくことを企図し、「経営ビジョンを実践するプロフェッショナル人財の確保と育成」及び「組織の活力向上を推進する働きがいのある職場環境の整備」の取組みを推進しております。
◇人財の確保と育成
事業継続性と企業価値の向上を目的として、マネジメント層を対象とした選抜型幹部候補者育成プログラムにより、経営マインドの涵養と事業戦略スキル、人間関係構築力の修得を企図した次世代役員候補人財の育成を行っております。また、IoTやAIを活用したサービスの提供及び社内業務改革などを牽引する人財を育成すべく、DX人財育成研修を実施しております。さらには、従業員が学びたい時にいつでも学べる仕組みとしてe-Learningシステムを導入し一人ひとりのニーズに即した自己啓発をサポートしております。
◇働きがいのある職場環境の整備
健康経営宣言に基づく健康管理と健康増進に係る啓発活動等、全社で健康づくりの取組みを推進し、2022年12月に健康企業宣言東京推進協議会から「金の認定」を取得しました。また、従業員一人ひとりのキャリア自律を支援する研修や個別面談の機会の提供、組織の活力向上の取組みを強化することを目的としたエンゲージメントサーベイの実施、ワークライフマネジメントの充実に向けたテレワークや勤務間インターバルの導入等を進めており、従業員が生き生きと働ける基盤づくりを推進しております。
尚、当社では人財育成及び社内環境整備に関する指標を以下のとおり定めております。
|
指標 |
2023年度目標(※) |
2022年度実績(※) |
|
一人当たりのトレーニング(能力開発)実施時間 |
9.5時間 |
8.5時間 |
|
年次有給休暇取得率 |
65.0% |
62.6% |
|
定期健康診断 再検診の受検率 |
50.0% |
37.0% |
※目標、実績は、当社グループの開示が困難であるため、当社単体分を開示しております。
(リスク管理態勢)
当社は、実効性の高いリスクマネジメントを実践するために「リスクマネジメント基本方針」を定めるとともに、グループ全体のリスクマネジメント活動を統括する組織として、代表取締役社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設置しております。
リスクマネジメント委員会では、経営に重大な影響を及ぼす内外のリスク項目を特定し、各部門・関係会社が実施するリスク管理の状況をモニタリングするとともに、リスクの早期発見に努め、その重要性を評価して適切・迅速にコントロールしております。
<リスクマネジメント体制>
<リスクマネジメント基本方針>
当社は、グループを取り巻くリスクの正しい認識と適切なリスク対応を経営の最重要事項の一つと位置づけ、ステークホルダーからの信頼性と企業価値の向上を図るために、次に示す方針のもと全社を挙げてリスクマネジメントに取り組んでまいります。
・教育や研修・訓練の実施と情報の共有化により、役職員一人ひとりの法令遵守の徹底とリスク感性の醸成に努めます。
・全ての組織でリスクの識別・評価とコントロール活動の継続的改善に取り組み、総合的なリスク対応力の強化を図ります。
・危機発生時には、ステークホルダーの安全・健康を第一義に経営資源の保全、被害の極小化と速やかな回復を図るために責任ある行動をとります。
・リスクマネジメントプロセスの妥当性と有効性を日常的にモニタリングし、事業の継続的発展に努めます。
・リスク情報を適切に社会に開示するとともに、リスクに関連する社会的要請をリスクマネジメントに反映します。
(重要なリスク)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
尚、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)景気の悪化
当社グループは、温度を中心とする計測と制御の専門企業集団として、様々な業種に製品を提供しておりますが、売上高全体のうち、その多くは製造業が占めております。また、当社グループの製品は国内販売比率が高く、主として設備投資関連や研究開発向けであるため、景気の悪化により、国内製造業の設備投資が著しく落ち込みますと、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)為替変動
当社グループは、中期経営計画において、海外売上高の拡大を目標とし、諸施策を遂行しております。輸出の為替リスクを回避するため円建て取引を原則としておりますが、一部外貨建輸出もあり、その場合は先物為替予約等によって為替リスクヘッジを行うなど為替変動の影響を最小限にとどめるよう努めております。しかしながら、大幅な為替変動(円高)は価格競争力を低下させ、また海外の連結子会社の財務諸表を円換算して連結財務諸表を作成しておりますので、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)地政学リスク
当社グループでは、中国等アジアを中心に生産・販売等の海外活動を展開しております。各々の地域における政治・経済情勢の悪化や、テロあるいは紛争等の発生により、海外の事業活動が制約を受けた場合、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)他社との競合・競争
当社グループでは、長年培った「計測・制御・監視」の技術で、計測制御機器、計装システム、温度センサ等の製品・サービスを提供する事業等を営んでおります。しかし、競合他社との品質・性能・価格等における競争が収益を圧迫した場合、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)材料・部品等の調達
当社グループは、製品の生産活動において電気・電子部品及び金属、プラスチック等の材料部品を使用しており、半導体をはじめとする材料部品の供給不足による生産停止を招かないように複数購買先の確保や代替部材の検討等に努めております。
しかし、これらについての供給の逼迫や遅延、価格変動が生じた場合、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)製造物責任
当社グループでは、国内外の幅広い業種の顧客に対して製品を提供しており、その製品を生産する際、製品の評価試験、デザインレビュー(DR)、出荷前検査、受入検査等を行い、製品の品質維持と向上に努めております。
しかし、製品の品質に関して欠陥が発生する可能性はゼロとは言えず、重大な事象が発生した場合、対応のための費用、顧客への損害賠償、ブランド力の低下による売上の減少等により、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)人財の採用・確保と育成
当社グループでは、当社の事業活動を担う人財の確保と育成のため、様々な施策を行っております。しかし、事業環境の変化等の要因により必要な人財の確保と育成が十分に行われなかった場合、事業活動に支障が生じ、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)情報セキュリティ
当社グループは、事業活動上、機密情報や個人情報を保持し、これらを適切に管理するためのセキュリティ対策を実施しております。しかし、事業活動の基盤となるコンピュータ・システムの予期せぬ故障、想定した防御水準を上回る技術による攻撃手段による外部からの不正アクセス、コンピュータウイルスへの感染などにより、情報漏洩や重要データの喪失・改ざん、システム停止等の事象が発生した場合、当社グループの社会的信用が低下し、業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)取引先の財務状況悪化
当社グループでは、定期的に取引先の信用状況を確認し、不良債権の発生防止に努めております。しかし、取引先の財務状況が著しく悪化し、売掛債権の回収が滞った場合、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(10)パンデミック
当社グループでは、新型コロナウイルスの流行への対応として、各種感染症対策を行い、事業活動への影響を低減してまいりましたが、新型コロナウイルスの再拡大や他の感染症が拡大した場合、当社グループにおいて、国内・海外の生産活動及び販売活動が停滞し、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)自然災害
当社グループでは、自然災害等を想定したBCPを整備しておりますが、不測の大規模地震や台風等の自然災害により、生産設備への被害等が発生し、工場の操業や顧客への供給に支障が生じた場合、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12)気候変動問題への対応
第2[事業の状況]2[サステナビリティに関する考え方及び取組み]に記載
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の経済環境は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和され経済活動の正常化がすすんだものの、半導体をはじめとする部材供給不足、長期化するウクライナ情勢によるエネルギー価格の高騰、各国の金融政策変更に伴う景気の減速懸念や不安定な為替相場など不透明な状況が続きました。
一方、当社グループ事業全般に関係する製造業の設備投資につきましては総じて堅調に推移し、加えて脱炭素化に向けた世界的な流れが加速する中で、各国政府の後押しも受けて、企業の研究開発や設備投資が拡大する動きが活発化しました。
このような状況の中、当社グループは、生産・開発の現場で不可欠な高機能温度計測・制御・監視用の製品、システムに併せて、電子部品や新素材等の成長分野における課題を解決するソリューションの提供に注力しました。また、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて国主導の温室効果ガス(GHG)対策が加速し、代替エネルギーの開発や水素サプライチェーン構築関連での需要が急拡大している中、それらの分野における受注活動を積極的に展開しました。
販売面では、受注高が好調に推移し、国内及び中国を主とするアジア地域への売上高が増加しましたが、半導体をはじめとする部材の供給不足が未だに解消されておらず、一部製品の出荷への影響が継続しております。
利益面では、部材価格の高騰やエネルギーコストの上昇等の影響が避けられない中、原価低減の取組みを継続的に推進するとともに、当社の企業努力だけで吸収することが困難な部分についてはお客様のご理解のもと販売価格の見直しに取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の受注高は27,829百万円(前期比8.9%増)、売上高は23,793百万円(前期比8.6%増)となりました。利益については、増収効果に加え、継続的な原価低減の取組み及び販売価格の見直しにより、営業利益は2,018百万円(前期比34.6%増)、経常利益は2,294百万円(前期比31.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,536百万円(前期比46.2%増)となり、売上高、各利益とも過去最高となりました。
② キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益2,305百万円、減価償却費785百万円、仕入債務の増加744百万円等の資金増加が、棚卸資産の増加1,937百万円等の資金減少を上回ったことにより、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,619百万円の資金増加(前期比260百万円の資金減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形・無形固定資産の取得による支出572百万円等の資金減少が、保険積立金の払戻による収入122百万円等の資金増加を上回ったことにより、当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、564百万円の資金減少(前期比13百万円の資金増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入れによる収入1,500百万円の資金増加が、配当金の支払389百万円、長期借入金の返済による支出375百万円等の資金減少を上回ったことにより、当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、655百万円の資金増加(前期比1,633百万円の資金増加)となりました。
これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ1,781百万円増加し、7,603百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
計測制御機器 |
6,342 |
6.6 |
|
計装システム |
6,801 |
4.9 |
|
センサ |
6,565 |
8.0 |
|
その他 |
510 |
10.1 |
|
合計 |
20,218 |
6.6 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、見込販売価額で示してあります。
b.受注状況
当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
|
計測制御機器 |
8,497 |
△2.0 |
|
計装システム |
11,126 |
21.5 |
|
センサ |
7,481 |
5.7 |
|
その他 |
724 |
10.7 |
|
合計 |
27,829 |
8.9 |
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
計測制御機器 |
8,617 |
8.2 |
|
計装システム |
7,131 |
13.2 |
|
センサ |
7,124 |
4.7 |
|
その他 |
919 |
10.0 |
|
合計 |
23,793 |
8.6 |
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
尚、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
<セグメント別の業績>
① 計測制御機器
売上高は8,617百万円(前期比8.2%増)、セグメント利益は1,226百万円(前期比5.0%増)となりました。半導体・電子部品の製造設備や熱処理装置向けを中心に需要は引き続き高い状態で推移し、グラフィックレコーダ、調節計、サイリスタレギュレータ等の受注・売上が増加しました。また、海外市場においても、中国、韓国、インド等の地域で需要が好調に推移しました。
② 計装システム
売上高は7,131百万円(前期比13.2%増)、セグメント利益は1,015百万円(前期比110.9%増)となりました。脱炭素化関連分野として、燃料電池評価試験装置や、水素のエネルギー利用の研究・開発用途の水電解評価装置の需要の拡大を受けて、受注・売上の増加が継続しました。
前年度に主要顧客の設備投資の減少により売上減となったコンプレッサー評価試験装置については、温室効果の低い自然冷媒対応機器の需要獲得に向けた受注活動を展開した効果が出て、売上が回復しました。
③ センサ
売上高は7,124百万円(前期比4.7%増)、セグメント利益は1,304百万円(前期比0.1%減)となりました。放射温度計、温度センサともに半導体関連の製造装置向けを中心に需要が引き続き好調です。また、AMS規格(航空宇宙産業における特殊工程の規格)対応の温度センサの需要も堅調に推移しました。
部材価格の高騰等の影響を受けて期中は増収減益で推移いたしましたが、放射温度計の売上の進展、原価低減への取組み及び販売価格の見直し等により、年度を通じた利益は前期と同水準を確保しました。
④ その他
売上高は919百万円(前期比10.0%増)で、セグメント利益は232百万円(前期比19.7%増)となりました。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針」に記載しました(創立90周年=2026年に向けた経営ビジョン)の実現を目指し、中期経営計画の2年目となる当連結会計年度をグループ一丸となって持続的成長軌道の構築と中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいりました。
<経営成績の分析>
(売上高)
当連結会計年度における売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業利益)
原価低減の取り組みにより、売上原価率は66.9%と0.8ポイント改善しました。また、販売費及び一般管理費は前連結会計年度より274百万円増加し、5,851百万円となりました。
その結果、営業利益は2,018百万円と前連結会計年度に比べ34.6%の増益となり、売上高営業利益率は8.5%と前連結会計年度より1.7ポイント増加しました。
セグメント別の営業利益実績は、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
計測制御機器 |
1,226 |
5.0 |
|
計装システム |
1,015 |
110.9 |
|
センサ |
1,304 |
△0.1 |
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その他 |
232 |
19.7 |
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全社費用(注) |
△1,760 |
- |
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合計 |
2,018 |
34.6 |
(注) 全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
(経常利益)
営業外収益につきましては、323百万円と前連結会計年度に比べ22百万円増加しました。
営業外費用につきましては、46百万円と前連結会計年度に比べ9百万円減少しました。
これらの結果、経常利益は2,294百万円と前連結会計年度に比べ31.5%の増益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益は2,305百万円と前連結会計年度に比べ34.1%の増益となり、また親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、1,536百万円と前連結会計年度比46.2%の増益となりました。
<経営戦略の現状と見通し>
中期経営計画2年目(2022年度)における、4つの基本戦略に基づく活動概要は下記のとおりであります。
1.成長分野の更なる開拓・拡大
・成長分野に向けて、半導体製造装置向け温度センサや放射温度計の拡販、電子部品の分野では性能/品質評価試験用に耐熱熱画像装置を開発し新たなデータ計測/分析手法の提案を実施
・脱炭素社会の実現に向けた水素利用技術については、急増する燃料電池/水電解評価装置の需要に対応すべく生産体制の強化、設計/製造の効率化などを推進
・CCUSや次世代エネルギー分野など脱炭素化に欠かせない各種センサの潜在需要の創出、製品開発/市場開拓に挑戦
2.コア事業の高度化と価値創造
・校正事業の中核となるJCSS校正の対応体制を強化するため、山形事業所がJCSS校正事業所の認定を取得。各種規制強化に伴う校正需要に対して、久喜事業所と共に2拠点で対応
・変化する顧客ニーズへの対応としてメンテナンス/出張サービス体制の整備、DX化による情報の共有、業務改善を推進
・「極低温高精度温度計測装置」の開発に取り組み、「温度のチノー」として社会に貢献できる技術の高度化、価値創造に挑戦
3.海外事業の基盤強化と拡大
・国内外の営業とサービスエンジが一体となって、グローバルにサービス提供することで海外へ進出している顧客の満足が得られる体制に変更
・海外マーケティング戦略室をマーケティング部として、国内外の営業情報を一元化して取り込み、グローバルニッチで需要に合致した製品企画が出来る体制に変更
・2023年度は、海外子会社を「自立」から「自律」に進化させ、海外子会社間の取引による「地産地消の拡大」で更なる収益拡大を推進
4.経営基盤の強靭化
・人的資本の充実に向け「人財・組織開発委員会」の議論を経て定めた人財育成方針と職場環境整備方針に従いe-learningシステムの導入や組織改善サーベイ等新たな施策を展開
・ICT基盤はあらゆる領域でデジタルによる業務プロセスの変革を進めると共に、体系的なDX人財育成プログラムを構築
・引き続きガバナンスと財務体質の強化に努める一方で、社会からの認知度向上を目指してTCFD情報開示、CSR報告書の刷新、IR活動の充実等を推進
当社グループを取り巻く経済環境については、半導体をはじめとする部材の供給不足やエネルギー価格高騰の影響は継続しており、各国の金融政策変更に伴う景気の減速懸念や世界的な金融不安等により、先行きの不透明感は増しておりますが、2023年度は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載しました(2023年度重点施策)を推進し、「成長の基礎固め」を着実に実行いたします。
<財政状態の分析>
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,744百万円増加し、36,289百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ4,641百万円増加し、26,322百万円となりました。主な増加要因は、棚卸資産の増加1,998百万円、現金及び預金の増加1,844百万円、売上債権の増加686百万円であります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ102百万円増加し、9,967百万円となりました。主な増減要因は、繰延税金資産の増加140百万円、投資有価証券の増加56百万円、退職給付に係る資産の減少120百万円であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ3,320百万円増加し、14,715百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ2,272百万円増加し、10,489百万円となりました。主な増加要因は、仕入債務の増加806百万円、前受金の増加804百万円、賞与引当金の増加195百万円、未払法人税等の増加153百万円であります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ1,048百万円増加し、4,225百万円となりました。主な増加要因は、長期借入金の増加1,040百万円であります。
(非支配株主持分)
連結子会社のアーズ㈱、明陽電機㈱、上海大華-千野儀表有限公司、千野測控設備(昆山)有限公司、韓国チノー株式会社及びCHINO Coporation (Thailand)Limitedの非支配株主持分であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ1,423百万円増加し、21,574百万円となりました。
<キャッシュ・フローの分析>
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、当期は、営業活動によるキャッシュ・フロー1,619百万円が、投資活動によるキャッシュ・フロー564百万円を上回り、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)は、1,054百万円となりました。
(フリー・キャッシュ・フロー)
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金は自己資金を基本としつつ、必要に応じて短期資金は、金融機関からの短期借入により調達し、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入により調達することとしております。
尚、当連結会計年度末における有利子負債の残高は3,399百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は7,603百万円となっております。
該当事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発体制は、当社「イノベーションセンター」を中心に、計測・制御の基礎開発、応用技術の開発を行うとともに、グループの開発部門と連携し、市場ニーズに対応したカスタム商品の開発を行っております。また「藤岡事業所」の開発部門では「イノベーションセンター」の要素技術をベースに機器商品の開発を行うとともに、ユニットの共通化によるVA開発も進めております。
尚、「山形事業所」の開発部門においては、センサ素子の開発を行うとともに、そのセンサ素子を応用した民生機器商品の開発を行っております。
これらの活動により、当社グループにおける当連結会計年度の研究開発費の総額は、
セグメントごとの研究開発費は、「計測制御機器」は