第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

尚、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、「計測・制御・監視技術の限界に挑戦し、産業の発展とより良い明日の社会の実現に貢献する」ことを企業の基本理念として掲げております。独創性のある技術とソリューションの創出を通じて、社会課題を解決し、「温度のチノー」として、株主・お客様・取引先・従業員・地域社会などさまざまなステークホルダーから信頼を得ながら中長期的な企業価値の向上に努め、豊かな社会の創造に貢献してまいります。

 

<創立90周年=2026年に向けた経営ビジョン>

共創 : 環境の変化を捉えながらステークホルダーと共に新しい価値を創造します

特長 : 卓越した技術によるループソリューションでお客様に感動をお届けします

信頼 : 信頼の“絆”を強め 情熱とチームワークで未来に向かって成長し続けます

 

(2)経営環境

 2025年度の経済環境は、米国経済の好調継続を背景におおむね安定して推移しておりましたが、年度末には中東情勢の緊迫化による原油価格の高騰や金融市場のボラティリティの高まりにより不確実性が増しており、先行きの不透明な状況が継続しました。

 このような状況の中、当社グループは、顧客価値創造と顧客増を目指す連携・共創の体制整備や仕組み作りをさらに進めるとともに、当社グループの製品・サービスの差別化と市場での競争力強化を図るため、温度を軸とした製品・技術・ノウハウを組み入れる「ループソリューション力」のさらなる高度化に取り組みました。また、需要が拡大している水素サプライチェーン構築関連分野における温度管理等に関係する受注活動を積極的に展開しました。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標

<チノーグループ中期経営計画2026>

 経営ビジョンの実現を目指し、「中期経営計画2026」(2021年度~2026年度)に掲げた4つの基本戦略を軸に、グループ一丸となって持続的成長軌道の構築と中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいります。

 

(サステナビリティ経営の推進)

 「脱炭素社会」並びに「安全・安心な社会」の実現にフォーカスしながら、環境・社会・経済の持続可能性への配慮により経済的価値と社会的価値を両立させ、事業のサステナビリティの向上に努めます。

 

(4つの基本戦略)

① 成長分野のさらなる開拓・拡大

 新たな成長分野に向けてグループシナジーを創出し、特長あるソリューションの開発と提供を加速させる

② コア事業の高度化と価値創造

 独自技術とサービスのインテグレーションによりコア事業を高度化し、お客様と新しい価値を創造する

③ 海外基盤の強化と事業拡大

 国内外事業のリレーションシップ強化と地域別戦略の展開により、グループ収益力を強化する

④ 経営基盤の強靭化

 企業価値の創造とイノベーション、スピード経営を支える人財・組織・ICT・ガバナンス・財務体質の強靭化を進める

 

 

(事業セグメント別の重点課題)

①計測制御機器

・事業環境変化にスピーディに対応した製品開発の推進

・定期校正&点検の提案活動によるサービス業務の拡大

・グローバル展開による生産体制の最適化

②計装システム

・制御構築技術/IoT技術/ソフトウェアの高度化による成長市場の開拓

・システム構築技術の集約による新しい付加価値の創造と充実したサービスの提供

・計装システムの海外現地生産・サービス体制構築の推進

・業務体制の変革による計装の組織力強化

③センサ

・新たな計測技術の創造による非接触センシングのシェア拡大とグローバルブランドへの進化

・高付加価値温度センサへの挑戦による新需要創出とグループ・協力会社とのシナジー最大化の追求

・校正サービス(標準技術)と校正装置の高度化

・成長市場や脱炭素社会の実現に向けた市場ニーズに対応した製品の開発

 

(財務戦略)

・最適資本構成の追求による財務健全性の確保

・投資効率を踏まえた積極的成長投資

・持続的な利益成長を通じた増配(2026年度の連結配当性向を40%まで引き上げていくことを目指す)

 

(中期経営計画 2026年度数値目標)

・売上高         :300億円

・営業利益        : 27億円

・営業利益率       :  9%

・海外売上高       : 70億円

・ROE(自己資本利益率) :  10%

・ROA(総資産営業利益率) :  8%

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、2021年度よりスタートした「中期経営計画2026」の基本戦略に則り、以下の重点施策に取組みます。

 

(2026年度執行方針)

 様々な事業環境の変化の中においても、柔軟かつ迅速な社会・顧客価値の創出を通じて成長を加速する

 ●共創・連携の活性化と高度化●人財・組織能力強化●生産性・利益向上・DX●グループシナジーの成果創出

 

[事業・機能戦略]

1.営業部門・開発部門・事業所の連携を通じて、営業戦略と製品戦略を一体で推進し、顧客価値創造と顧客維持・新規顧客獲得につながる“共創”の展開を加速する。

2.海外事業は、海外グループ会社との連携強化を進め、次なる成長につながる海外戦略を地域別・製品別に具現化することで、海外ビジネスの質と量の拡大を図る。

3.開発活動は、製品企画及び製品ロードマップに基づき、体制整備とともに、コア事業の深化と成長市場に向けた探索を推進する。

4.品質・コスト・納期の向上に向け、適正な材料調達・在庫、生産フローの最適化、自動化、現場改善、コンカレントエンジニアリングの高度化などを継続的に推進する。

5.計装システムは、内外協業の基盤をさらに強化・高度化し、技術力及び処理力の向上を図ることで、新たな顧客領域における課題解決に資するソリューション創出に取り組む。

 

[基盤戦略]

6.業務遂行のパフォーマンス力向上、環境マネジメント強化、安心・安全な製品づくりの実現に向け、課題設定・解決の活動を推進する。

7.サステナビリティ経営の重要性を事業活動を通じて理解・実践することで、社会的責任の遂行と持続的な企業価値の向上を図る。

8.継続的な「採用・育成」「組織能力強化」や「新たな人事諸制度の構築・移行」を通じて、誰もが活躍できる環境を整え、将来の成長を支える人的資本の強化を進める。

9.生産性向上に向け、RPAや生成AIなどのデジタル技術を業務に積極的に組み込んだDXを推進し、付加価値と利益の創出につなげる。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 チノーグループは、サステナビリティ基本方針を以下のように定め、取組みを推進しております。

 

[サステナビリティ基本方針]

チノーグループは、「計測・制御・監視技術の限界に挑戦し、産業の発展とより良い明日の社会の実現に貢献する」という企業理念に基づき、様々なステークホルダーとのエンゲージメントに努めながら、事業活動を通じて「持続可能な社会の実現」に貢献するとともに、私たち自らの「持続的な成長」と「企業価値の向上」を実現することを目指します。

 産業構造や社会経済は、グローバル化、デジタル化、脱炭素化の急速な進展により目覚ましく変化しております。当社グループはこうした社会課題の変化を成長・拡大の機会と捉え、水素利用技術、半導体・電子部品、次世代電池、新素材、ならびに医療医薬・食品管理、ロジスティクス等の市場を重要マーケットと位置づけ、安心・安全なサステナブル社会の実現にお応えすることで企業価値の向上を図ります。

 

[気候変動問題への対応]

 当社グループでは、気候変動をサステナビリティ経営上の最重要課題の一つと認識し、SDGsやパリ協定の長期目標に示された脱炭素社会への貢献に向け、幅広いステークホルダーとの協働を通して、気候変動に係るリスクへの適切な対応と成長機会の獲得に取り組んでおります。

 2022年5月に当社グループは気候変動関連情報開示の重要性を踏まえてTCFD提言への賛同を表明しました。同年に開示したシナリオ分析では、2℃以下シナリオを基に、気候変動に関連した重要なリスク・機会を抽出して定性的に分析し、それらに対する対策の検討と目標の設定を行いました。

 翌年以降は、気候変動がもたらす当社事業へのリスクと機会についての分析と対応、及びTCFD提言に沿った情報開示の拡充と更新を定期的に行っております。

2024年6月の開示より、2℃以下シナリオに加え、4℃シナリオを含む複数のシナリオを用いて、定性及び定量の両面から、気候変動に関連するリスク・機会による財務影響度と対策を改めて分析し、分析の対象期間も2030年と2050年に拡充しました。

 

<TCFD提言に基づく情報開示>

(1)ガバナンス

 当社グループでは、2022年1月に「気候変動への対応」を含むグループ全体のサステナビリティ経営に関わる基本方針や重要施策等を検討・審議する組織として、代表取締役社長を議長とする「サステナビリティ推進会議」を設置しました。

 「サステナビリティ推進会議」は毎年一定のサイクルで定期的に開催しております。気候変動を含むサステナビリティ課題に関する方針の策定、マテリアリティの特定や、対応の方向性の議論、GHG排出削減目標を含むKPIの設定及び取り組み状況のモニタリングをその実務担当組織である「サステナビリティ推進ワーキングチーム」と連動しながら行っております。審議・決定された内容を適宜取締役会に報告し、併せて「サステナビリティ企画室」を通じて経営層及び本社・各事業部門、グループ会社にも共有しております。

 また、経営戦略と人財・組織戦略が緊密に連動した人的資本経営を推進するため、2022年10月に代表取締役社長を委員長とし執行役員が委員を務める「人財・組織開発委員会」を設置しました。委員会では、人財マネジメントシステムの全体像を俯瞰した上で、人財育成や従業員のエンゲージメント向上策の方針決定、具体施策の検討及び進捗状況の確認を行い、企業価値の向上に資する人事戦略を推進しております。

 取締役会は、「サステナビリティ推進会議」及び「人財・組織開発委員会」で審議された内容の報告を受け、活動の基本方針及び重要施策等についての審議・監督を行っております。

 

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(2)戦略

 <気候変動への取組み>

 当社グループは、気候変動に伴うリスク及び機会を事業戦略上の重要な要素の一つと認識し、2022年にTCFD 提言に沿って定性的な分析を開始しました。2023年には、気候変動がもたらす事業へのリスクと機会及びそれらの財務影響度についての分析と対応を一層強化するために、詳細なシナリオ分析を実施し、以降、継続的にモニタリング及び更新を実施しております。

 

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 また、シナリオ分析実施時には環境省が発行した「TCFDを活用した経営戦略立案のススメ(2023年3月発行)」を参考に、下記手順に沿って定性・定量の両面から考察を行っております。

 

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■想定されるリスク・機会一覧

 上記シナリオ分析を通じて、気候変動に関連するリスク・機会が当社グループの事業に及ぼす財務影響度を大・中・小の三段階に分けて評価したうえで、当社グループのサステナビリティ経営に関連する基本方針や戦略等を鑑み、重要であると判断した事項について記載しております。

 2℃以下の「脱炭素シナリオ」においては、カーボンプライシング(炭素税)の導入及び原材料価格上昇による製造コストの増加、省エネ効率の高い空調、製造設備への更新による操業コストの増加などを重要な移行リスクとして特定しました。4℃の「温暖化進行シナリオ」においては、物理的リスクとして異常気象の激甚化による自社拠点を含むサプライチェーンの操業停止・停滞がとりわけ事業活動へ大きなインパクトを及ぼすことを想定しております。

一方、脱炭素社会への動き、とりわけ水素利活用の進展とモビリティの電動化及び再生可能エネルギーの需要拡大や低炭素技術の進展によるEVへのシフト、電力などのエネルギーの使用状況の監視に対する需要拡大等が、当社グループの技術を活かした課題解決・販売拡大の機会であるととらえております。また、平均気温が上昇した場合、異常気象の予測や環境の変化に伴う高精度の温度管理などに対する需要の拡大も、温度計測を中心とする当社グループの事業に対しての重要な成長機会であると想定しております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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[時間軸]短期:0~3年 中期:4~10年 長期:11年~

 

■リスク・機会項目の財務インパクトの試算

上記で特定したリスク・機会による財務影響度を大・中・小の三段階で定性的に評価したうえで、現時点で試算可能なリスク・機会項目について、外部パラメータと当社実績値を元に2030年以降の2℃以下シナリオ及び4℃シナリオを勘案し財務インパクトの試算を行いました。

尚、当社においては、国内主要拠点の電力について再生可能エネルギーへの切替えを進めていることから、現時点での財務インパクトは限定的と認識しております。一方で、グループ全体での影響については更なる分析が必要であることから、今後、前提条件の精査及び対象範囲の拡大を通じて、財務影響の把握に努めていきます。

 

■リスク・機会項目の財務インパクトの試算結果

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■特定したリスク・機会への対応

当社環境方針に沿って、上記リスク・機会への対応策を4つのカテゴリに区分し、各取り組みの方向性を検討し、全社的に進めていきます。

「GHG排出量削減」について、当社は国内主要拠点の購入電力を再生可能エネルギーに切り替えました。

また、2024年度には、ガソリンを使用する社有車のGHG排出削減に向け、従来のハイブリッド車化や燃料電池車の活用に加え、電気自動車(EV)の試験的な導入及び充電設備の整備を実施しました。2025年度より運用を開始しており、運用状況等を踏まえながらその有効性や運用面の課題について検証を進めるとともに、営業活動における公共交通機関の利用促進等を通じて、エネルギー効率の向上に資する取り組みを実施しております。併せて事業所や生産拠点設備の省エネルギー対応を進めるとともに、電力以外のエネルギー使用量の削減や廃棄物の最終処分量の削減などの「資源の有効活用」に関わる活動も推進してカーボンニュートラルに向けた取り組みを加速させております。

 また、経済産業省の「水素基本戦略」に掲げられた目標の実現に向け、当社は「環境イノベーションの促進」を環境方針の1つとして位置づけ、水素を含む再生可能エネルギーの活用領域で30年以上にわたり培ってきた技術で脱炭素社会の実現に貢献し続けていきます。

 さらに、物理的なレジリエンス性を保つため、当社は災害発生時に備えたBCP策定の高度化や、定期的な訓練の実施、グローバル調達体制の構築などを実施し、気候変動による被害や影響の極小化と早期復旧に努めております。

 

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<人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針>

 当社グループは、中期経営計画2026において、事業計画を達成し持続的な成長を支える力の源となる「人財育成」及び「強靭な組織づくり」を重要テーマとして推進しております。

 具体的には、創立90周年に向けた経営ビジョンを実現するため、人事戦略の基本として定めた「人財育成方針」及び「職場環境整備方針」に基づき、以下の3項目に重点的に取り組んでおります。

 

・経営ビジョンを実践するプロフェッショナル人財の確保と育成

・組織の活力向上を推進する働きがいのある職場環境の整備

・公平かつ生産性の向上につながる人事関連諸制度の再構築

 

◇人財育成方針

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◇職場環境整備方針

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(3)リスク管理

 当社グループでは、リスク管理の統轄機関として「リスクマネジメント委員会」を設置し、毎年一定のサイクルで定期的に開催しております。「リスクマネジメント委員会」は、代表取締役社長を委員長として、リスク対応方針の策定や環境課題を含めた全社経営リスクの継続的な識別と評価を行い、優先順位をつけて絞り込んだ重要リスクへの対策を決定するとともにその進捗状況をモニタリングしております。

 上記重要リスクのうち気候変動に関連したリスクについては、その時間軸や規模の特殊性を踏まえて「サステナビリティ推進会議」の中でより詳細に検討を行っております。「サステナビリティ推進会議」では、複数のシナリオを用いて、気候変動に関連したリスクによる財務影響度及び将来的な事業のレジリエンス性を定性と定量の両面から分析、評価した上で、対策と実行計画を検討・推進しております。その進捗状況を「リスクマネジメント委員会」と共有の上、最終的に取締役会へ報告しております。

その他にも、リスクマネジメントが適切に行われるように、「サステナビリティ推進会議」では、グループ全体における気候変動に関連するリスクの特定、評価、見直しを定期的に行い、「リスクマネジメント委員会」に共有しております。

 

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(4)指標及び目標

 当社はサステナビリティ基本方針で重要課題領域と定める「地球環境・エネルギー課題解決への貢献」にコミットするために、Scope1、2(当社の事業活動におけるGHG排出量)を指標として、「2026年度のGHG排出量実質ゼロ」「2040年度のGHG排出量完全ゼロ」という中長期目標を設定し、目標達成に向けて各種の取組みを進めております。

 2025年度には、Scope1及びScope2について、グループ全体での算定及び開示を実施するとともに、Scope3(当社の事業活動に関連するサプライチェーン全体を含めたGHG排出量)について、統合報告書において開示しました。今後は、グループ全体を対象とした目標値の再設定及び削減ロードマップの見直しを行うとともに、継続的なモニタリングを通じて、排出量削減の実効性向上に取り組んでまいります。加えて、Scope3についてもグループ全体での算定及び開示の充実を図り、排出量の網羅的な把握を進めることで、気候変動への対応方針及び対応可能性を明確化し、気候変動の緩和への貢献と当社グループの持続的な事業活動の両立を目指してまいります。

 

 

■目標及び当社の対応方針

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■温室効果ガス(GHG)排出量 (Scope1、2):当社単体0102010_013.png

 

 

<人財育成及び職場環境整備に関する指標>

 当社グループでは、従業員一人ひとりの意欲・能力・働きがいを高め、その力を事業の持続的成長と企業価値向上につなげていくことを目指し、3つの重点施策=「経営ビジョンを実践するプロフェッショナル人財の確保・育成」「組織の活力向上を支える働きがいのある職場環境の整備」ならびに「公平性と生産性の向上を両立する人事制度の再構築」を推進しております。

 

◇プロフェッショナル人財の確保と育成

 人財・組織基盤の強靭化に向けた施策の中核として、マネジメント層を対象とした選抜型幹部候補者育成プログラムを体系的に実施しております。各階層に求められる役割に応じて、経営視座の醸成、戦略構想力、意思決定力及び社内外との関係構築力の強化を図っております。

1)次世代役員候補人財の育成

 高い経営視座の醸成と事業戦略立案力(構想力)の強化、ならびに社内外のステークホルダーとの関係構築力の向上

2)中核幹部人財の育成

 経営に関する知識・思考力の深化と、組織横断的な連携・迅速な意思決定を推進するマネジメント力の強化

3)中核幹部候補人財の育成

 次代のビジネスリーダーに必要な基本資質の醸成、及び現場を牽引するための知識やスキルと関係構築力の習得

 

 また、従業員一人ひとりの主体的な学びを支援するため、時間や場所にとらわれず学習できるe-Learning環境を整備し、自律的な能力開発を促進しております。さらに、デジタル人財育成の一環として、AI・XRといった最先端技術に関する調査・研究やRPAによる業務効率化のトライアルを推進するとともに、各種システム勉強会を継続的に実施することで、デジタルリテラシーの底上げと実務における活用力の向上を図っております。

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◇働きがいのある職場環境の整備

 健康経営宣言に基づく健康管理と健康増進に係る啓発活動等、健康づくりの取組みをさらに推し進めるため、産業保健師を配置し病気やケガを未然に防ぐ「予防」に重点を置いた活動を行うとともに、職場に密着した健康指導の充実を推進しております。また、健康診断の受診促進、職場環境整備、飲食や運動等の日常の健康増進に対する啓発活動等に積極的に取り組み、健康企業宣言東京推進協議会から「金の認定」を4年連続で取得しました。

 組織開発においては、2022年からエンゲージメントサーベイを定期的に実施し、組織単位の課題の可視化とコミュニケーションの改善を中心としたアクションプランの計画・実行を通じて、組織改善のPDCAを推進しております。これにより、多様な人財が能力を最大限に発揮し、いきいきと活躍できる組織づくりに取り組んでおります。

 また、従業員一人ひとりのキャリア自律と持続的な能力開発を支援するため、新入社員から50代半ばまでの各年代層を対象としたキャリアデザイン研修を体系的に実施するとともに、受講者に対する個別面談によるフォローアップを行っております。さらに、国家資格キャリアコンサルタントが常駐するサポート室を設置し、従業員のキャリア自律を支援整備しております。加えて、テレワーク環境の整備や勤務間インターバルの導入等ワークライフマネジメント支援、休業者サポートシステムの活用による育児・介護休業者等との継続的なコミュニケーションの促進を通じて、多様で柔軟な働き方の実現と、従業員が安心して働き続けられる基盤の強化に取り組んでおります。

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◇人事関連諸制度の再構築

 人的資本の強化を支える土台となる仕組みの整備として、人事関連諸制度の改革を進めております。その中で、中期経営計画の第2フェーズ(24~26年度)では、社員一人ひとりの能力発揮と成長を促進し、組織全体の生産性向上及び競争力強化を実現する要の制度として、「等級」、「報酬」及び「評価」の基幹の抜本的な再構築に取り組んでおります。

 2025年度は、人事制度の基盤となる等級制度、報酬制度及び評価制度の設計を進めてまいりました。新制度では、社員に期待する役割や発揮能力を明確化し、成果及び役割発揮に応じた公平・公正な処遇の実現を目指しており、役割や専門性に応じた等級体系への見直しを進めるとともに、高度専門人財を対象とした「エキスパートコース」を新設し、専門性を活かした多様な機能発揮とキャリア形成を支援してまいります。

 また、2026年度より、社員の成果及び発揮能力を適切に評価反映し、人財育成に主眼を置いた新たな評価制度に移行するとともに、等級制度及び報酬制度の詳細設計を進め、2027年度から新制度へ全面移行するための準備を進めてまいります。

 これらにより、社員一人ひとりの成果及び役割発揮に対して、公平性・公正性及び納得性の高い評価・処遇を実現する仕組みを構築し、エンゲージメントの向上及び自律的なキャリア形成の促進を通じて人的資本の増強を図ってまいります。

 

 尚、当社では人財育成及び社内環境整備に関する指標を以下のとおり定めております。

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※目標、実績は、当社グループの開示が困難であるため、当社単体分を開示しております。

 

 

 

3【事業等のリスク】

(リスク管理態勢)

 当社は、実効性の高いリスクマネジメントを実践するために「リスクマネジメント基本方針」を定めるとともに、グループ全体のリスクマネジメント活動を統括する組織として、代表取締役社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設置しております。

 リスクマネジメント委員会では、経営に重大な影響を及ぼす内外のリスク項目を特定し、各部門・関係会社が実施するリスク管理の状況をモニタリングするとともに、リスクの早期発見に努め、その重要性を評価して適切・迅速にコントロールしております。

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(重要なリスク)

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 尚、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1)景気の悪化

 当社グループは、温度を中心とする計測と制御の専門企業集団として、様々な業種に製品を提供しておりますが、売上高全体のうち、その多くは製造業が占めております。また、当社グループの製品は国内販売比率が高く、主として設備投資関連や研究開発向けであるため、景気の悪化により、国内製造業の設備投資が著しく落ち込みますと、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)為替変動

 当社グループは、中期経営計画において、海外売上高の拡大を目標とし、諸施策を遂行しております。輸出の為替リスクを回避するため円建て取引を原則としておりますが、一部外貨建輸出もあり、その場合は先物為替予約等によって為替リスクヘッジを行うなど為替変動の影響を最小限にとどめるよう努めております。しかしながら、大幅な為替変動(円高)は価格競争力を低下させ、また海外の連結子会社の財務諸表を円換算して連結財務諸表を作成しておりますので、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)地政学リスク

 当社グループでは、中国等アジアを中心に生産・販売等の海外活動を展開しております。各々の地域における政治・経済情勢の悪化や、法令・税制・通商政策の変更、テロあるいは紛争等の発生により、海外の事業活動が制約を受けた場合、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)人権リスク

 当社グループでは、「チノーグループ人権方針」に基づき、すべての事業活動において人権を尊重する姿勢を明確にしております。しかしながら、当社グループ又は取引先において、強制労働、児童労働、差別、ハラスメント、不適切な労務管理等が発生した場合には、社会的信用の低下、人財流出、訴訟等により、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)他社との競合・競争

 当社グループでは、長年培った「計測・制御・監視」の技術で、計測制御機器、計装システム、温度センサ等の製品・サービスを提供する事業等を営んでおります。しかし、競合他社との品質・性能・価格等における競争が収益を圧迫した場合、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)材料・部品等の調達

 当社グループは、製品の生産活動において電気・電子部品及び金属、プラスチック等の材料部品を使用しており、半導体をはじめとする材料部品の供給不足による生産停止を招かないように複数購買先の確保や代替部材の検討等に努めております。

 しかし、これらについての供給の逼迫や遅延、価格変動が生じた場合、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)製造物責任

 当社グループでは、国内外の幅広い業種の顧客に対して製品を提供しており、その製品を生産する際、製品の評価試験、デザインレビュー(DR)、出荷前検査、受入検査等を行い、製品の品質維持と向上に努めております。

 しかし、製品の品質に関する重大な事象が発生した場合、対応のための費用、顧客への損害賠償、ブランド力の低下による売上の減少等により、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)人財の採用・確保と育成

 当社グループでは、当社の事業活動を担う人財の確保と育成のため、様々な施策を行っております。しかし、事業環境の変化等の要因により必要な人財の確保と育成が十分に行われなかった場合、事業活動に支障が生じ、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)情報セキュリティ

 当社グループは、事業活動上、機密情報や個人情報を保持し、これらを適切に管理するためのセキュリティ対策を実施しております。しかし、事業活動の基盤となるコンピュータ・システムの予期せぬ故障、想定した防御水準を上回る技術による攻撃手段による外部からの不正アクセス、コンピュータウイルスへの感染などにより、情報漏洩や重要データの喪失・改ざん、システム停止等の事象が発生した場合、当社グループの社会的信用が低下し、業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)取引先の財務状況悪化

 当社グループでは、定期的に取引先の信用状況を確認し、不良債権の発生防止に努めております。しかし、取引先の財務状況が著しく悪化し、売掛債権の回収が滞った場合、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)パンデミック

 当社グループでは、各種感染症対策を行い、事業活動への影響を低減しておりますが、想定以上に感染症が拡大した場合、当社グループにおいて、国内・海外の生産活動及び販売活動が停滞し、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)自然災害

 当社グループでは、自然災害等を想定したBCPを整備しておりますが、不測の大規模地震や台風等の自然災害により、生産設備への被害等が発生し、工場の操業や顧客への供給に支障が生じた場合、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)気候変動問題への対応

 第2[事業の状況]2[サステナビリティに関する考え方及び取組]に記載

 

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の経済環境は、米国経済の好調継続を背景におおむね安定して推移しておりましたが、年度末には中東情勢の緊迫化による原油価格の高騰や金融市場のボラティリティの高まりにより不確実性が増しており、先行きの不透明な状況が継続しております。

当社グループ事業全般に関係する製造業の設備投資は、先行きの不透明感から一部では慎重な動きも見られますが、堅調に推移しております。また、米国トランプ政権によるエネルギー・環境政策の見直しが世界全体の脱炭素化政策に影響を及ぼす懸念から、この分野における企業の設備投資は短期的には不確実性が増大しておりますが、中長期的には世界的な脱炭素化の流れは続くものと考えられます。

このような状況のなか、当社が推進中の中期経営計画(2021~2026年度)の5年目となる2025年度は、これまで注力してきた顧客価値創造と顧客増を目指す連携・共創の体制整備や仕組み作りをさらに進めるとともに、当社の製品・サービスの差別化と市場での競争力向上のため、温度を軸とした製品・技術・ノウハウを組み入れる「ループソリューション」のさらなる高度化を目指して活動を展開してまいりました。

当連結会計年度におきまして、売上高については、計装システムセグメント及びセンサセグメントが増加し、前期比で増収となりました。

受注高については、計装システムセグメントにおいて前年度に大型案件の受注を計上した影響により前期比減少となりましたが、センサセグメントの需要が大きく増加したことにより、全体では前期比で増加となりました。尚、計装システムセグメントの受注高・売上高の前期比の増減率は、大型案件の受注・納期のタイミングによって影響を受けます。

利益面では、計測制御機器セグメントにおいて減益となった一方で、計装システムセグメント及びセンサセグメントが前期実績を上回った結果、全体として前期比で増益となりました。

 以上により、当連結会計年度の受注高は30,239百万円(前期比1.7%増)、売上高は31,648百万円(前期比7.9%増)となりました。利益については、営業利益は3,225百万円(前期比12.0%増)、経常利益は3,326百万円(前期比9.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,042百万円(前期比2.5%増)となり、それぞれ過去最高を更新しました。特に売上高及び営業利益は6年連続の更新となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 税金等調整前当期純利益3,322百万円、減価償却費903百万円、棚卸資産の減少640百万円、仕入債務の増加518百万円等の資金増加が、売上債権の増加1,346百万円、法人税等の支払額1,084百万円等の資金減少を上回ったことにより、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、2,904百万円の資金増加(前期は2,543百万円の資金増加)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 有形・無形固定資産の取得による支出1,613百万円、定期預金の預入による支出338百万円等の資金減少が、定期預金の払戻による収入557百万円等の資金増加を上回ったことにより、当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,526百万円の資金減少(前期は667百万円の資金減少)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 長期借入れによる収入2,100百万円の資金増加が、配当金の支払額681百万円、長期借入金の返済による支出491百万円、自己株式の取得による支出456百万円等の資金減少を上回ったことにより、当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、293百万円の資金増加(前期は1,103百万円の資金減少)となりました。

 これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ1,705百万円増加し、9,281百万円となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

計測制御機器

6,939

△3.5

計装システム

11,189

13.8

センサ

8,851

8.8

その他

1,156

12.3

合計

28,137

7.4

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は、見込販売価額で示してあります。

 

b.受注状況

 当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

計測制御機器

9,338

5.1

計装システム

10,130

△12.6

センサ

9,788

17.2

その他

981

10.9

合計

30,239

1.7

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

計測制御機器

9,608

△1.4

計装システム

11,695

17.4

センサ

9,188

6.9

その他

1,155

12.3

合計

31,648

7.9

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 尚、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

 

<セグメント別の業績>

① 計測制御機器

 売上高は9,608百万円(前期比1.4%減)、セグメント利益は1,479百万円(前期比2.1%減)となりました。半導体・電子部品の製造設備や熱処理加工向け中心に引き続き堅調に推移しましたが、特定顧客向けOEM製品の需要が一時的に低迷したことにより前期比で減収となりました。

 利益は、主に減収の影響により、前期比で減益となりました。

 

② 計装システム

 売上高は11,695百万円(前期比17.4%増)、セグメント利益は1,663百万円(前期比7.2%増)となりました。自動車向けなどの燃料電池評価試験装置、水素エネルギー利用の研究・開発用途の水電解評価装置の売上が堅調であったことに加え、温室効果係数の低い自然冷媒に対応したコンプレッサ評価試験装置の売上が増加したことにより、前期比で増収となりました。

 利益は、主に増収の効果により、前期比で増益となりました。

 

③ センサ

 売上高は9,188百万円(前期比6.9%増)、セグメント利益は2,098百万円(前期比23.0%増)となりました。半導体・電子部品の製造設備向けの需要が堅調に推移したことに加えて、当社グループ会社の明陽電機株式会社が生産・販売を行う船舶向け温度センサ等の売上増加が継続したことにより、前期比で増収となりました。

 利益は、主に増収の効果により、前期比で増益となりました。

 

④ その他

 売上高は1,155百万円(前期比12.3%増)で、セグメント利益は317百万円(前期比25.9%増)となりました。

 前期比で増収増益となりました。

 

 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針」に記載しました(創立90周年=2026年に向けた経営ビジョン)の実現を目指し、中期経営計画の5年目となる当連結会計年度をグループ一丸となって持続的成長軌道の構築と中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいりました。

 

<経営成績の分析>

(売上高)

 当連結会計年度における売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

(営業利益)

 主に増収の効果により、営業利益は3,225百万円(前連結会計年度に比べ346百万円の増益)となりました。

 

 

 セグメント別の営業利益実績は、以下のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

計測制御機器

1,479

△2.1

計装システム

1,663

7.2

センサ

2,098

23.0

その他

317

25.9

全社費用(注)

△2,332

合計

3,225

12.0

(注) 全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

 

(経常利益)

 営業外収益につきましては、174百万円と前連結会計年度に比べ59百万円減少しました。

 営業外費用につきましては、73百万円と前連結会計年度に比べ4百万円減少しました。

 これらの結果、経常利益は3,326百万円(前連結会計年度に比べ291百万円の増益)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、2,042百万円(前連結会計年度に比べ50百万円の増益)となりました。

 

<経営戦略の現状と見通し>

 中期経営計画5年目(2025年度)における、4つの基本戦略に基づく活動の概要は下記のとおりであります。

1.成長分野の更なる開拓・拡大

・データセンター、電子部品、自動車部品及び脱炭素関連市場を重点領域として事業拡大を推進しました。特にデータセンター向けで、装置メーカーにおけるセンサ・放射温度計・機器の標準採用を拡大しました。

・電子部品・自動車部品分野では、熱処理設備向けの更新・校正需要を着実に獲得しました。

・脱炭素化関連では、水電解や燃料電池試験装置の需要が好調に推移しました。また、電動車の性能の安定性と省エネを目的とした熱マネジメントに関する営業活動を新たに展開しております。

2.コア事業の高度化と価値創造

・モノづくり現場における温度管理規制の強化や校正サービス需要の高まりを捉え、極低温から超高温まで対応する温度センサ・計測機器の技術力向上を推進しながら、受注の拡大に取り組んでおります。

・点検・校正とクラウドサービスを融合した独自のリカーリングビジネスモデルを企画・展開し、継続的な収益基盤の強化と顧客価値の向上に貢献します。

3.海外事業の基盤強化と拡大

・グローバルサービス体制の強化を推進し、国内主要顧客が海外現地法人向けに進めるAI関連分野及び環境配慮型成長市場への投資案件に対応した設備・装置の受注を獲得しました。

・海外現地法人との情報連携を強化し、特定市場のニーズを反映した製品開発を推進することでグローバル展開を加速させました。さらに、中国生産品のグループ内取引拡大を通じて収益基盤を強化しております。

4.経営基盤の強靭化

・人的資本関連は、新評価制度の設計及び事業所別説明会の実施等2026年4月以降の運用開始に向けた準備を完了させるとともに、2027年度導入予定の新等級・新報酬制度の検討と影響分析を行い、人事制度再構築の取組みを進めました。また、組織改善サーベイに基づく職場単位のPDCA活動により、2023年の取組み開始以降、従業員エンゲージメントが継続的に改善しております。

・事業別ROICの検討・導入等資本コスト経営の強化、増配や自社株買い等株主還元の充実、女性取締役の追加登用とグループ内部統制体制の継続整備、CDPスコアの改善、DX人財の育成とICT基盤の強化など、各領域で経営基盤の強靭化を加速させました。

 

 当社グループを取り巻く経済環境については、エネルギー価格の高止まりや物価の高騰、不安定な為替相場などに加え、米国における関税政策の影響等、先行きの不透明感は増しておりますが、2026年度は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載しました(2026年度重点施策)を推進し、「成長の加速」を推進いたします。

 

<財政状態の分析>

(資産)

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて3,344百万円増加し、41,109百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べて2,310百万円増加し、29,579百万円となりました。主な増減要因は、現金及び預金の増加1,494百万円、売上債権の増加1,368百万円、棚卸資産の減少611百万円であります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて1,033百万円増加し、11,529百万円となりました。主な増減要因は、土地の増加682百万円、投資有価証券の増加439百万円、退職給付に係る資産の増加316百万円、繰延税金資産の減少269百万円であります。

(負債)

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,792百万円増加し、14,524百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて332百万円増加し、9,723百万円となりました。主な増減要因は、仕入債務の増加558百万円、前受金の減少224百万円であります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて1,460百万円増加し、4,801百万円となりました。主な増加要因は、長期借入金の増加1,548百万円であります。

(非支配株主持分)

連結子会社のアーズ㈱、明陽電機㈱、上海大華-千野儀表有限公司、千野測控設備(昆山)有限公司、韓国チノー株式会社及びCHINO Coporation (Thailand)Limitedの非支配株主持分であります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,551百万円増加し、26,585百万円となりました。主な増減要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の増加2,042百万円、その他の包括利益累計額(その他有価証券評価差額金)の増加297百万円、配当金の支払による減少680百万円、自己株式の取得による減少456百万円であります。

 

<キャッシュ・フローの分析>

 当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローは2,904百万円の資金増加、投資活動によるキャッシュ・フローは1,526百万円の資金減少となり、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)は、1,378百万円となりました。

 

(フリー・キャッシュ・フロー)

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 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 運転資金は自己資金を基本としつつ、必要に応じて短期資金は、金融機関からの短期借入により調達し、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入により調達することとしております。

 尚、当連結会計年度末における有利子負債の残高は4,194百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は9,281百万円となっております。

5【重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

  当社グループの研究開発体制は、「イノベーションセンター」、各事業所及びグループ会社の開発部門が連携 し、計測・制御に関する基盤技術、応用技術ならびに多様化・複雑化する市場ニーズに対応した製品、システム及びソリューションの開発を推進しております。

 「藤岡事業所」及び「久喜事業所」の開発部門では、各種センサ、計測制御機器、計装システム等の開発を行うとともに、個別用途向けに対応したカスタム製品・システム開発を推進しております。

 尚、「山形事業所」の開発部門においては、センサ素子の開発を行うとともに、当該センサ素子を応用した民生機器の開発を行っております。

 当連結会計年度における各セグメント別の研究開発の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであり、その総額は1,344百万円となっております。

 

(1)計測制御機器

  計測制御機器分野においては、温度計測・制御技術、湿度計測技術及び水素ガスなどの濃度計測技術に関する開発を推進するとともに、高精度化、高機能化、及びクラウド連携対応製品の開発に取り組んでおります。

  調節計、記録計、監視機器などの各種計測制御機器については、操作性、視認性、保守性及び信頼性の向上を進めるとともに、各種産業分野における自動化、省人化及び品質安定化ニーズへの対応を推進しております。

  医療・医薬、ならびに物流分野においては、温度監視用途への対応を強化するとともに、クラウドを活用した監視・データ管理サービス、遠隔監視及びデータ活用など、ソリューション型サービスの事業化に向けた技術開発及び関連投資に取り組んでおります。

  また、水素をはじめとする各種ガス濃度監視やエネルギー効率向上、脱炭素対応に向け、設備・熱プロセスの最適制御及びエネルギー監視に関する技術開発を推進しております。

  当セグメントに係る研究開発費は、773百万円であります。

 

(2)計装システム

  計装システム分野においては、各種製造設備・評価試験装置、ならびにプラント向け監視制御システムの開発ならびにシステムの高信頼化、高機能化を推進しております。

  生産性向上及び品質安定化に向け、IoT、データ収集・解析技術、各種ソフトウェア技術を活用したシステム開発を進めるとともに、設備稼働状況の見える化、省人化及び予兆保全など、顧客課題の解決につながるソリューション開発に取り組んでおります。

  また、集録・監視パッケージシステム「CISAS 5」を中心として、各種計測機器・設備データの集中監視、分析及びエビデンス管理に対応したシステム開発を推進するとともに、トレンド監視、帳票作成、監査証跡、電子署名などの機能強化を進めております。

  医療・医薬分野においては、電子記録・電子署名への対応、クラウド連携、遠隔監視及びデータ管理機能の強化を進めるとともに、Part11など各種規制対応に取り組んでおります。

  当セグメントに係る研究開発費は、282百万円であります。

 

(3)センサ

  センサ分野においては、温度センサをはじめ、湿度センサ、ガスセンサなどのセンシングデバイスに関する材料技術、素子技術、実装技術の開発を推進しております。

  極低温領域から高温領域までの幅広い温度域に対応した高精度・高信頼センサの開発をはじめ、高耐久化、高応答化、小型化及び高環境耐性化に取り組んでおります。

  放射温度計測分野においては、高精度二色放射温度計、高速熱画像計測装置など、高度化を進めるとともに、半導体、電子材料、熱処理分野など、先端製造プロセス向け用途への対応を推進しております。

  また、標準温度計、校正装置、黒体炉等を含めた校正技術及びトレーサビリティ確保技術の高度化を進めるとともに、高精度校正、省力化及び校正品質向上に対応した製品・システム開発に取り組んでおります。

  当セグメントに係る研究開発費は、288百万円であります。