(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、堅調な個人消費に支えられた米国を中心に緩やかな景気の回復傾向が続きました。欧州では、継続的な金融緩和策実施の効果などにより、景気の持ち直し傾向が続きました。一方、中国では、不動産市況の悪化や金融市場の混乱などから景気の減速感が強まり、新興国では、資源安の影響などから景気低迷の長期化が懸念されるなど、世界経済の先行き不透明感が強まりました。わが国経済におきましては、期の後半において、マイナス金利の導入や円高・株安による景気への影響が懸念されたものの、企業収益の改善や個人消費の緩やかな回復を背景に、景気は回復基調で推移しました。
当社グループを取り巻く事業環境は、半導体業界においては、大量データを扱うサーバー需要の増加などを背景にメモリーメーカーの設備投資は堅調に推移しました。加えて、車載向けなどのIoT関連デバイスの需要増加により、200mm以下のウエハーに対応した装置市場においても需要拡大の動きが見られました。印刷関連機器においては、国内市場で需要回復の動きが続きました。FPD業界においては、中国でのテレビ用大型液晶パネルの投資に加え、台湾や国内でも中小型液晶パネルの投資が増加しました。
このような状況の中、当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、売上高は2,596億7千5百万円と前期に比べ220億2千9百万円増加しました。利益面につきましては、研究費や人件費の増加などにより固定費が増加したものの、売上の増加や変動費率の改善効果などにより、前期に比べ、営業利益は63億8千9百万円増加の235億5千7百万円となり、経常利益は70億8千2百万円増加の231億7千8百万円となりました。また、特別利益において、保有株式の売却に伴う投資有価証券売却益を計上したことなどにより、税金等調整前当期純利益は239億4千2百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べ、66億9千3百万円増加の188億1千5百万円となりました。
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
(セミコンダクターソリューション事業:SE)
セミコンダクターソリューション事業では、前期に比べ、ロジックメーカー向けやファウンドリー向けの売上は減少しましたが、メモリーや画像素子メーカー向けの売上は増加しました。製品別では、バッチ式洗浄装置の販売が好調に推移したことにより、洗浄装置全体の売上が増加しました。加えて、200mm以下のウエハーに対応したコーターデベロッパーの売上も増加しました。地域別では、欧米向けは減少しましたが、台湾向けや国内向けは増加しました。その結果、当セグメントの売上高は、1,658億1百万円(前期比5.3%増)となりました。営業利益は、研究費や人件費の増加などにより固定費が増加した一方で、変動費率の改善や売上が増加したことなどにより、187億1千5百万円(前期比18.9%増)となりました。
(グラフィックアンドプレシジョンソリューション事業:GP)
グラフィックアンドプレシジョンソリューション事業では、印刷関連機器については、POD装置の市場浸透を進めたことにより、国内の売上が増加したことや、為替が円安に推移したことなどにより、前期に比べ、売上が増加しました。プリント基板関連機器については、主力の直接描画装置の売上が国内で減少したものの、中国での売上が増加したことなどにより、前期並みの水準となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は、612億7千9百万円(前期比10.0%増)となりました。営業利益は、製品構成の変化による変動費率の上昇や、研究費や人件費などの固定費が増加した一方で、売上の増加による増益により、31億6千9百万円(前期比11.6%増)となりました。
(ファインテックソリューション事業:FT)
ファインテックソリューション事業では、台湾や国内向けの中小型パネル用製造装置の売上が大幅に増加したことから、当セグメントの売上高は、前期に比べ、78億1千5百万円増加し、315億8千9百万円(前期比32.9%増)となりました。営業利益は、売上が増加したことなどにより、27億4千8百万円(前期は3億3千9百万円の営業利益)と大幅に増加しました。
(その他事業)
その他事業の外部顧客への売上高は10億8千4百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ81億6千6百万円増加し、301億5千6百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益、仕入債務の増加、前受金の増加などの収入項目が、売上債権の増加、たな卸資産の増加などの支出項目を上回ったことから、147億2千万円の収入(前期は14億9千2百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券を売却した一方で、研究開発設備等の有形固定資産を取得したことなどにより25億5千7百万円の支出(前期は63億1千7百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いや自己株式の取得などにより、28億4千5百万円の支出(前期は38億2千2百万円の支出)となりました。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
セミコンダクターソリューション事業 |
142,302 |
+17.6 |
|
グラフィックアンドプレシジョンソリューション事業 |
30,562 |
△3.4 |
|
ファインテックソリューション事業 |
26,374 |
+38.9 |
|
その他事業 |
282 |
+12.1 |
|
合計 |
199,521 |
+16.1 |
(注)1 金額は販売予定価格によっております。
2 上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
セミコンダクターソリューション事業 |
161,599 |
+0.6 |
51,100 |
△7.6 |
|
グラフィックアンドプレシジョンソリューション事業 |
58,976 |
+3.2 |
5,182 |
△30.8 |
|
ファインテックソリューション事業 |
43,610 |
+38.0 |
40,003 |
+43.0 |
|
その他事業 |
- |
- |
- |
- |
|
合計 |
264,185 |
+6.0 |
96,287 |
+6.1 |
(注)上記金額には消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
セミコンダクターソリューション事業 |
165,801 |
+5.3 |
|
グラフィックアンドプレシジョンソリューション事業 |
61,279 |
+10.0 |
|
ファインテックソリューション事業 |
31,589 |
+32.9 |
|
その他事業・調整額 |
1,004 |
+46.3 |
|
合計 |
259,675 |
+9.3 |
(注)1 各セグメントの金額には、セグメント間取引を含んでおります。
2 当連結会計年度における主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとお
りであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.,Ltd. |
30,217 |
12.7 |
35,337 |
13.6 |
3 上記金額には消費税等は含まれておりません。
当社グループは、平成27年3月期~平成29年3月期の3カ年におきまして、以下に記載しております中期3カ年経営計画「Challenge2016」に取り組んでおります。
中期3カ年経営計画「Challenge2016」(平成27年3月期~平成29年3月期)
1.目標
①収益構造改革を完遂し、高収益体質へ
最終年度において営業利益率10%以上
②新規領域での事業化
それぞれの新規事業領域において最終単年度での黒字化
・エネルギー分野 ・検査計測分野
・ライフサイエンス分野 ・プリンテッドエレクトロニクス分野
③財務体質の強化
最終年度末において自己資本比率50%以上
2.基本方針
①持株会社体制による収益力の強化
持株会社体制による執行スピードアップと独立採算の強化徹底
②高収益事業ポートフォリオの構築
コアコンピタンスの活用とオープンイノベーション戦略の実施により高収益事業ポートフォリオの構築
③バランスシート経営の推進
財務体質の強化に向けバランスシートにより軸足をおいた経営の推進
④CSR経営の推進
グループにおけるCSR意識の醸成と事業を通じた社会貢献
最終年度である平成29年3月期におきましては、従前から取り組んでおります変動費削減や固定費抑制を一層進め、重点テーマとして設定している営業利益率10%以上を達成し、収益構造改革の完遂を目指します。また、財務体質の強化につきましては、資産効率を高め、自己資本比率の向上を進めてまいります。加えて、今後の成長に向けた新規領域での事業化につきましては、それぞれの領域で投入しました新製品の実績を積み重ね、市場での確固たる地位の確立を図るとともに、オープンイノベーション戦略のもと他社との提携などを積極的に進め、事業化を加速してまいります。
また、中期3カ年経営計画の取り組みを通して、ROEを安定的に高め、フリーキャッシュ・フローを最大化させるとともに、株主還元方針である連結総還元性向25%を目標に株主の皆様への利益還元を図り、企業価値向上に努めてまいります。
なお、次期中期経営計画につきましては、現中期3カ年経営計画の進捗を踏まえ検討し、内容が確定次第、お知らせいたします。
なお、上記における将来数値は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
株式会社の支配に関する基本方針
Ⅰ 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、株式を上場している者として、大規模買付者の行う大規模買付行為であっても、株主がこれを受け容れて大規模買付行為に応じるか否かは、最終的に株主の判断に委ねられるべきものであると考えております。しかしながら、大規模買付行為は、それが成就すれば、当社グループの経営に直ちに大きな影響を与えうるだけの支配権を取得するものであり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に重大な影響を及ぼす可能性を内包しております。それだけに、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は当社の企業価値の源泉を理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続的に確保、向上させていくことができる者であることが必要であると認識しております。このため、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として相応しくない者が現れた場合に対する一定の備えを設ける必要があると考えております。
Ⅱ 当社の企業価値の源泉および基本方針の実現に資する特別な取り組み
1.当社の企業価値の源泉について
当社は、設立以来、写真製版用ガラススクリーンの製造で培われてきた『フォトリソグラフィー(写真現像技術を応用して微細なパターンを形成する技術)』を応用展開することで、印刷関連機器分野から半導体製造装置やFPD製造装置などのエレクトロニクス分野へ事業展開を果たしてまいりました。そして、創業の印刷関連分野における印刷版出力装置をはじめ、半導体分野でのシリコンウエハー洗浄装置、FPD分野での大型ガラス基板対応の製造装置など、複数の製品において世界トップシェアの地位を得るに至っております。現在では、フォトリソグラフィー技術を進展させ、「表面処理技術」「直描技術」「画像処理技術」をコア技術として確固たるものとしています。
また、当社は、「未来共有(未来をみつめ社会の期待と信頼に応える)」「人間形成(働く喜びを通じて人をつくる)」「技術追究(独自技術の追究と技術の融合を推進する)」の企業理念のもと、当社グループのあるべき姿とそれに向けたグランドデザインを定めた「経営大綱」に則り、既存事業領域においては優位性を維持しつつ、新規事業領域においても存在感を発揮し、グループ全体の企業価値向上を目指しております。
このように、当社の企業価値は、グループとして、中長期的な視点に立ちつつ、時代の環境変化に素早く対応し、コア技術をもとに社会から求められる製品群を開発、製造してきた総合的な技術力によって確保、向上されるべきものであり、また、それを支える顧客、取引先、従業員等の一体性こそが、当社の企業価値の源泉であると考えております。
2.企業価値向上のための取り組みについて
当社グループは、平成27年3月期を初年度とする中期3カ年経営計画「Challenge2016」に取り組んでおります。
2年目である当期は、変動費削減や固定費抑制など従前からの継続した収益構造改革への取り組みが功を奏し、増収増益を継続することができ、重点テーマとして設定している営業利益率は前期に比べ改善しました。一方、自己資本比率に関しては、自己資本は着実に増加しましたが、総資産も増加したため、前期末と同水準となりました。
また、新規領域での事業化の取り組みにつきましては、製品開発を進め、新製品の市場投入を加速するとともに、オープンイノベーション戦略のもと他社との販売契約締結や共同研究に加えて、企業買収を行いました。
中期3カ年経営計画最終年度に向けては、持株会社体制における経営と執行の分離をさらに推し進め、迅速な意思決定と執行責任の明確化を進めてまいります。また収益構造改革を完遂するとともに、財務体質の強化を図り、更なる成長への足掛かりを確かなものにしてまいります。
さらに、中期3カ年経営計画の遂行により、ROEを安定的に高め、フリーキャッシュ・フローを最大化させるとともに、株主還元方針である連結総還元性向25%を目標に株主の皆様への利益還元を図り、企業価値向上に努めてまいります。
3.コーポレート・ガバナンスの強化について
当社は、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組むことにより、企業経営における透明性、健全性、効率性を追求し、すべてのステークホルダーの利益の確保を目指しております。重要な経営課題と位置づける内部統制機能や環境、安全(EHS)経営の充実を「CSR推進室」を中核として全社的に推進しております。
当社は、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制を構築するために取締役の任期を1年とし、経営の客観性を維持するために社外取締役を選任しております。経営の効率性と業務執行機能の強化を目的として、執行役員制を導入し、さらに平成27年3月期には持株会社化により従前の社内カンパニーを独立した子会社とする等の施策を実施しております。
また、当社は、監査役制度を採用しており、監査役は、取締役会などの重要な会議への出席のほか、各事業所やグループ会社の監査を行うことにより、取締役の業務執行の適法性、妥当性について確認、検討を行っております。
Ⅲ 会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み(本施策)
当社は、平成19年6月27日開催の第66回定時株主総会にて株主の皆様のご承認にもとづき導入いたしました「大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」につき、平成21年6月25日開催の第68回定時株主総会、平成23年6月28日開催の第70回定時株主総会および平成26年6月26日開催の第73回定時株主総会において、その内容を一部変更して継続導入しております。
本施策は、特定株主グループの議決権保有割合を20%以上とすることを目的とする、または結果として同割合が20%以上となる当社株券等の大規模買付行為が当社の企業価値に重大な影響を及ぼす場合において、当社の企業価値を確保しまたは向上させるため、大規模買付行為に適切な対応を行うことを目的としております。当社は、本施策をもって、大規模買付ルールおよび大規模買付対抗措置について、以下のとおり定めております。
(1)大規模買付ルールの概要
・大規模買付者は、事前に大規模買付行為に関する情報を当社取締役会に提供すること
・当社取締役会による検討、交渉、意見形成および代替的提案を行う期間を設定すること
・独立委員会を設置し、同委員会の勧告を最大限尊重したうえで、当社取締役会としての意見を公表すること
・独立委員会の勧告があった場合、株主意思確認総会において株主意思の確認を行うこと
・当社取締役会による大規模買付対抗措置の発動または不発動の決議は、独立委員会の勧告を最大限尊重し、株主意思確認総会の決定に従って行うこと
・当社取締役会は、大規模買付対抗措置の発動を決議した後または発動後においても、独立委員会の勧告を最大限尊重し、中止または発動の停止に関する決議を行うことができること
(2)大規模買付対抗措置の概要
・大規模買付者が大規模買付ルールに定める手続きを順守しない場合または大規模買付行為によって当社の企業価値が著しく毀損される場合に、当社取締役会は大規模買付対抗措置を決議できること
・当社取締役会は、具体的な大規模買付対抗措置として、特定株主グループに属さないことなどの行使条件を付した新株予約権の無償割当のほか、法令および定款が認める相当な措置を決議することができること
・当社取締役会が具体的な大規模買付対抗措置発動を決議するにあたっては、独立委員会の意見、勧告を最大限尊重し、当社監査役会の賛同を得るものとし、株主意思確認総会の決定がある場合には当該決定に従うこと
(3)本施策の有効期間ならびに廃止および変更
・有効期間は平成26年6月26日開催の当社定時株主総会から平成29年6月に開催予定の当社定時株主総会終結の時まで
・本施策の有効期間満了前であっても、定時株主総会または臨時株主総会において本施策を廃止または変更する旨の決議が行われた場合、または当社取締役会において本施策を廃止または変更する旨の決議が行われた場合には、本施策は廃止または変更されること
本施策の詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイト(http://www.screen.co.jp/ir/)に掲載しております平成26(2014)年5月7日付「大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の継続導入のお知らせ」をご覧ください。
Ⅳ 本施策の合理性について
1.本施策が基本方針に沿うものであること
本施策は、大規模買付ルールおよび大規模買付対抗措置について定めるものです。
本施策は、大規模買付者が大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供すること、および取締役会評価期間が経過した後にのみ大規模買付行為を開始することを求め、大規模買付ルールを順守しない大規模買付者に対して当社取締役会が対抗措置を発動することがある旨を明記しております。
また、大規模買付ルールが順守されている場合であっても、大規模買付者の大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうものと当社取締役会が判断した場合には、大規模買付者に対して当社取締役会は当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守るために適切と考える対抗措置を発動することがある旨を明記しております。
このように本施策は、基本方針の考え方に沿うものであるといえます。
2.本施策が当社株主の共同の利益を損なうものではないこと
前記Ⅰで述べたとおり、基本方針は、当社株主の共同の利益を尊重することを前提としております。本施策は、基本方針の考え方に沿って設計され、株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や当社取締役会の意見の提供、代替案の提示を受ける機会の提供を保障することを目的としております。本施策によって、当社株主および投資家の皆様は適切な投資判断を行うことができますので、本施策が当社株主の共同の利益を損なうものではなく、むしろその利益に資するものであると考えております。
さらに、株主の皆様の承認を本施策の発効の条件としていることに加え、当社の取締役の任期は1年ですので、本施策の有効期間中であっても、取締役の選任を通じて株主の皆様の意向を示していただくことも可能です。また、本施策はデッドハンド型の買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させても、なお廃止できず、また発動を阻止できないため、株主の権利行使が不当に制限される買収防衛策)やスローハンド型の買収防衛策(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないことにより、廃止するまたは発動を阻止するために時間を要する買収防衛策)ではありません。このように、株主の皆様が望めば本施策の廃止も可能であることは、本施策が当社株主の共同の利益を損なわないことを担保していると考えております。
3.本施策が当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと
本施策は、大規模買付行為を受け入れるか否かが最終的には株主の皆様の判断に委ねられるべきであることを大原則としながら、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守るために必要な範囲で大規模買付ルールの順守の要請や大規模買付対抗措置の発動を行うものです。本施策は当社取締役会が大規模買付対抗措置を発動する条件を事前かつ詳細に開示しており、当社取締役会による大規模買付対抗措置の発動は本施策の規定に従って行われます。当社取締役会は、単独で本施策の発効、延長を行うことはできず、株主の皆様の承認を要します。
また、大規模買付行為に関して当社取締役会が大規模買付対抗措置をとる場合など、本施策にかかる重要な判断に際しては、必要に応じて外部専門家等の助言を得るとともに、当社の業務執行を行う経営陣から独立している委員で構成される独立委員会へ諮問し、当社取締役会は、同委員会の勧告を最大限尊重するものとしています。さらに、必要に応じて、株主の皆様の意思を尊重するため、株主意思の確認手続を行うことができるものとしています。本施策には、当社取締役会による適正な運用を担保するための手続きを盛り込んでおります。
以上から、本施策が当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかであると考えております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
(1)半導体・FPD市場の動向について
半導体・FPD市場は、急速な技術革新により大幅に成長する反面、需給バランスの悪化から市況が低迷するという好不況の波にさらされてきました。このような市場環境の中、当社グループは市況の下降局面においても確実に利益を生み出せる収益構造改革に取り組んでいますが、予想を上回って市況が悪化した場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(2)特定顧客への取引集中について
当社グループは国内外の主要な半導体メーカーに製造装置を納入しておりますが、この業界では生産能力増強な らびに微細化対応に巨額の投資を必要とすることから一部の大手メーカーへの集約が進んできており、当社グループの売上も特定の顧客に集中する傾向にあります。したがって、これら特定顧客の設備投資動向や特定顧客からの受注動向によっては、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(3)生産拠点の集中について
当社グループの国内生産拠点は京滋地区に集中しており、この地区において大規模な地震等が発生した場合、大きな被害を受ける可能性があります。当社グループでは損失を最小限にとどめ、事業の継続または早期再開を図るため、事業継続マネジメント(BCM)を推進しておりますが、災害等により生産拠点の操業が停止するなどの不測の事態が生じた場合、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(4)製品の品質について
当社グループでは、品質マネジメントシステムの規格(ISO9001)に基づく品質管理体制を構築し、製品・サービスの品質向上に取り組んでいますが、万一、大規模なリコールや製造物賠償責任につながるような製品の欠陥が発生し顧客に損失をもたらした場合、多額の追加費用の発生や信頼低下による売上減少を招く恐れがあります。その場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(5)新製品の開発について
当社グループは、各事業戦略に沿った開発テーマの絞り込みや保有技術のグループ内での共有化、外部の技術資源の効率的活用などにより、開発力の強化・活性化に取り組んでおり、最新の技術を取り入れた製品をタイムリーに市場投入しシェアの拡大を図ることで収益体制の強化を目指しております。しかしながら、開発期間が長期化することにより新製品のリリースに遅れが生じた場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(6)知的財産権について
当社グループは、常に最新技術を取り入れた製品を長年にわたって市場に供給してきており、各事業部門において種々の独自技術を創出してきました。また、その技術を知的財産関連法および他社との契約上の規定の下で知的財産権として確立し保護する取り組みを行ってきました。しかし、最先端技術の分野においては知的財産をめぐる権利関係はますます複雑化してきており、将来知財紛争に巻き込まれるリスクがあります。その場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(7)情報管理について
当社グループは、事業遂行に関連して、多数の個人情報や顧客情報、技術情報を有しております。当社グループでは、「ネットワークシステム管理規定」を定め、社内情報システムのセキュリティ強化を図るとともに、グループの全役員・従業員が心がけるべき行動規範を定めた「SCREENグループCSR憲章」を制定し情報管理体制を強化しております。しかしながら、予期せぬ事態によりこれらの情報が流出した場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(8)企業買収、資本提携等について
事業戦略の一環として、企業買収、資本提携等を実施することがあります。具体的な実施にあたっては様々な角度から十分な検討を行ってまいりますが、買収および提携後の事業計画が当初計画通りに進捗しない場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(9)重要な訴訟等に係るリスクについて
当社グループの事業活動に関連し、様々な事由により訴訟等の対象となる可能性があり、重要な訴訟等が提起された場合、その結果によっては、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(10)金利変動について
当連結会計年度末における有利子負債残高は全て金利を固定しており、金利変動リスクに晒されておりませんが、新たな調達資金については、金利変動の影響を受け、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(11)資金調達について
当社の借入金に係る契約のうち一部の契約には、各年度の末日の連結純資産および各年度の連結経常損益に関する財務制限条項が付されております。これに抵触し、借入先金融機関の請求があった場合、当該借入金について期限の利益を喪失する可能性があります。この場合、当社の社債およびその他の借入金についても連動して期限の利益を喪失する可能性があります。当社が借入金等について期限の利益を喪失し、一括返済の義務を負った場合には、当社グループの財政状態に悪影響をもたらす可能性があります。
(12)為替レートの変動について
当社グループは海外売上高比率が高いため、輸出売上については為替リスクを回避するために積極的に円建て取引を行っておりますが、外貨建てによる取引も存在しております。当社グループは為替予約などによりリスクヘッジを行うことで、為替変動による業績への影響を小さくするよう努力しておりますが、急激な為替変動が起こった場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(13)退職給付債務について
当社グループの退職給付費用および債務は、割引率など数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、前提条件が変更された場合、または年金資産の運用利回りが低下した場合、将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。
当社グループでは、従来の適格退職年金制度からキャッシュバランスプランや確定拠出型制度に変更するなど、退職給付債務への影響を小さくするよう努めておりますが、予想を上回る運用利回りの悪化などが起こった場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(14)減損会計について
固定資産の減損会計により、今後の地価の動向や事業の将来の収益見通しによっては、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(15)繰延税金資産の回収可能性について
当社グループは、将来減算一時差異および税務上の繰越欠損金に対して、将来の課税所得を合理的に見積もった上で回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上しております。また、将来の課税所得については、経営環境の変化などを踏まえ適宜見直しを行っており、結果として繰延税金資産の全額または一部に回収可能性がないと判断し、繰延税金資産の取崩しが必要となった場合、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(16)その他のリスクについて
上記のリスクの他、当社グループが事業を遂行していく上において、他社と同様に、世界および日本の政治情勢や経済環境、地震、洪水等の自然災害、戦争、テロ、疫病の流行、株式市場、商品市況、政府等による規制、仕入先の供給体制、雇用情勢などによる影響を受けます。それらの動向によっては、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
該当事項はありません。
当社グループでは、株式会社SCREENホールディングスとグループ会社が密接に連携し、「フォトリソグラフィー」をコア技術として洗浄技術や塗布技術、画像情報処理技術、光学システム技術、検査・計測技術など、多様な技術を融合・展開させることで、基礎研究から商品開発に至るまで積極的な研究開発活動に取り組んでおります。
平成27年4月1日に新規事業領域における事業化スピードを加速するため、株式会社SCREENホールディングス内に開発、営業、マーケティングの機能を持つ新たな組織を発足させ、開発拠点のホワイトカンバス洛西に集約いたしました。
当連結会計年度は、セミコンダクターソリューション事業を中心とした既存事業の拡大・強化に向けた開発投資を行うとともに、ライフサイエンス、検査計測、プリンテッドエレクトロニクス、エネルギーの各分野において新規事業領域の事業化を目指した研究開発活動を積極的に推進し、151億6千6百万円の研究開発費を投入いたしました。
なお、当社グループの主な研究開発成果は次のとおりであります。
セミコンダクターソリューション事業では、半導体回路の線幅7nm以下の超微細化技術の開発において、前期に引き続き海外研究機関と洗浄、ウエットエッチング、リソグラフィー(コーターデベロッパー)分野に関して、最先端の半導体プロセスの共同開発を行いました。また、生産性向上や次世代プロセス対応などの顧客要求に応えるべく、枚葉洗浄装置「SU-3200」のさらなる高速化、高機能化に取り組みました。そのほか、IoT、パワーデバイスが注目される中、200mmウエハープロセスをターゲットとしたフロンティアプロジェクト活動により、各種センサーやインバーター、アナログデバイスに対応した装置の開発を行いました。なお、当セグメントの研究開発費の金額は71億1千5百万円であります。
グラフィックアンドプレシジョンソリューション事業では、印刷関連機器において、バリアブル印刷に対応したロール式インクジェット印刷機の高速化、高精細化、高機能化の開発に取り組みました。また、プリント基板関連機器においては、直接描画装置のラインナップ拡充を図るべく製品開発に取り組みました。なお、当セグメントの研究開発費の金額は38億8千5百万円であります。
ファインテックソリューション事業では、有機ELディスプレーをはじめとした高品質なフレキシブルディスプレーの量産化に対応し、最大第6世代サイズ(1,500mm×1,850mm)のベース基板に、気泡やごみの混入を抑制し、高粘度なポリイミド材料を薄く均一に高速塗布できる塗布装置「SK-Pシリーズ」を開発いたしました。また、独自のLIAプラズマ真空成膜技術を応用し、さまざまな素材への防傷や防汚、装飾加工など、新たな価値を付加する高機能膜の成膜技術を搭載した真空CVD装置「VCシリーズ」ならびに真空スパッタリング装置「VSシリーズ」を製品化いたしました。なお、当セグメントの研究開発費の金額は9億8千万円であります。
上記セグメント以外では、株式会社SCREENホールディングスで行っている基礎研究や新規事業領域の研究開発に取り組みました。その金額は31億8千5百万円であります。
ライフサイエンス分野の事業展開として、創薬研究・再生医療の分野で細胞増殖や形態変化の定量分析と生物顕微鏡に迫る高精細な観察性能を兼ね備え、検査試薬が不要で平面培養/3次元培養に対応した細胞形態解析イメージングシステム「Cell3iMager duos(スリー・ディー・セル・イメージャー・デュオス)」を開発いたしました。また、国立の研究開発機関等と共に、移植治療を目的とした摘出臓器の長期保存および機能蘇生を可能にする、次世代臓器灌流培養システムの装置化に関する共同研究を本格始動いたしました。さらに、iPS細胞由来の心筋細胞や神経細胞を使って医薬品候補材料の安全性試験などを行う細胞外電位測定システムを手掛ける、アルファメッドサイエンティフィック株式会社の株式を取得し、ライフサイエンス事業の拡充に取り組んでおります。
検査計測分野の事業展開として、混流生産による多様なパターンの組立品に対して、組み付け部品の有無や異品検出を自動で全数検査する組立品自動外観検査装置の開発に取り組みました。
プリンテッドエレクトロニクス分野の事業展開として、グラビアオフセット印刷をベースに当社独自の技術を応用し、さまざまな線幅が混在する複雑な電子回路においても、複数回の印刷を行うことなく容易に一括形成を可能とする製版技術を確立いたしました。その技術をもとに、超精密グラビアオフセット印刷用平版と、超精密グラビアオフセット枚葉式印刷装置「UP-5000S」を開発いたしました。
なお、当社はソフトウエア開発関連事業のさらなる拡大に向けて、平成28年10月1日に当該事業を分社化する予定であります
(注) 基礎研究費用は、「セグメント情報」のセグメント利益又は損失の算出にあたり、原則として各報告セグメ ントに配分しております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成において採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成にあたって、会計上の見積りを必要とする繰延税金資産、貸倒引当金、製品保証引当金、たな卸資産の評価、固定資産の減損、退職給付に係る会計処理などについては、過去の実績や当該事象の状況を勘案して、合理的と考えられる方法に基づき見積りおよび判断をしております。ただし、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度における当社グループの売上高は2,596億7千5百万円と前連結会計年度に比べ220億2千9百万円(9.3%)増加しました。
セミコンダクターソリューション事業の売上高は、1,658億1百万円(前期比5.3%増)となりました。グラフィックアンドプレシジョンソリューション事業の売上高は、612億7千9百万円(前期比10.0%増)となりました。ファインテックソリューション事業の売上高は、前期に比べ、78億1千5百万円増加し、315億8千9百万円(前期比32.9%増)となりました。その他事業の外部顧客への売上高は10億8千4百万円となりました。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
人件費や研究費などの固定費が増加した一方で、売上の増加や収益改善に向けた変動費削減効果などにより原価率が改善したことから、売上高原価率は前連結会計年度の69.5%から68.8%となりました。販売費及び一般管理費は、支出の抑制に努めたものの、研究費や人件費が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ21億5千3百万円(3.9%)増加し、574億4千万円となりました。売上高販管費比率は販売費及び一般管理費は増加したものの、売上の増加により、前連結会計年度の23.3%から22.1%となりました。
以上の結果、営業利益は63億8千9百万円増加の235億5千7百万円となりました。
③ 営業外損益
営業外費用において、為替差損が減少したことに加え、営業外収益において、助成金収入や受取補償金が増加したことなどにより、営業外損益は前連結会計年度に比べ6億9千2百万円改善しました。
以上の結果、経常利益は70億8千2百万円増加の231億7千8百万円となりました。
④ 特別損益
保有株式の売却に伴う投資有価証券売却益を特別利益として計上したことなどから、特別損益は前連結会計年度に比べ10億7千9百万円改善しました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は81億6千1百万円増加の239億4千2百万円となりました。
法人税等合計は、法人税、住民税及び事業税を計上したことなどから、49億9千9百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、66億9千3百万円増加の188億1千5百万円となりました。
また、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度に比べ、28円28銭増加し、79円35銭となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況」「4 事業等のリスク」に記載のとおりです。
(4)経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しについては「第2 事業の状況」「3 対処すべき課題」に記載のとおりです。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
・財政状態
資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の資産合計は、投資有価証券などが減少した一方で、受取手形及び売掛金、現金及び預金などが増加したことから、前連結会計年度末に比べ、205億7千7百万円(8.2%)増加し、2,700億9千3百万円となりました。
負債合計は、仕入債務、前受金の増加などにより118億1百万円(8.6%)増加し、1,498億5百万円となりました。有利子負債につきましては、前連結会計年度末に比べ、4千万円(0.1%)減少し、396億3千6百万円となりました。有利子負債から現金及び預金を除いた純有利子負債は、前連結会計年度末に比べ、67億7千2百万円減少し、72億6千4百万円となりました。
純資産合計は、保有株式の時価下落や円高の影響などにより、その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定がそれぞれ減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ、87億7千5百万円(7.9%)増加し、1,202億8千8百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、44.3%となりました。
・キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの分析は「第2 事業の状況」の「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、中期3カ年経営計画「Challenge2016」の下、セグメント別に以下の取り組みを進めてまいります。
セミコンダクターソリューション事業では、洗浄装置全体の売上が増加したことに加え、200mm以下のウエハーに対応したフロンティア製品のラインアップ、特にコーターデベロッパーの売上が増加いたしました。営業利益は、継続的に取り組んでいる設計・モノ作りの改革などによって変動費率を改善し、前期比18.9%増の187億円(営業利益率11.3%)となりました。平成29年3月期は、コア事業である洗浄をはじめ、コーターデベロッパーや熱処理の領域それぞれに新製品を投入する予定であります。また、最先端の微細化量産に対応する製品も準備しております。今後、お客様が直面している技術やコスト面での課題に対し、適切なソリューション提案をし続けることがますます重要となります。こうした取り組みこそが、洗浄を中心に培ってきた当社のノウハウや技術力に裏打ちされた強みだと考えております。収益性の向上に関しては、装置の標準化率向上に一層注力し、開発面では開発サイクルの短縮化に注力していくことに加え、今期末を目処に世界すべての地域で立ち上げ搬入作業の現地化に完全対応できる見込みです。また、開発成果を最大化するために、お客様のニーズに基づいて先を見通した開発を行い、戦略的かつ効率的な開発体制を構築することで、提案型の事業運営にシフトし、競争力を強化してまいります。お客様第一の共通認識を社員一人ひとりに浸透させることで、お客様からの信頼のもと、収益性の高い事業体制を強化してまいります。
グラフィックアンドプレシジョンソリューション事業では、プリント基板関連機器については前期並みの売上であったものの、印刷関連機器についてはCTP、PODともに売上が増加したことにより、営業利益も増益となり、3期連続の増収増益を達成いたしました。しかしながら、営業利益の伸びは弱かったと認識しており、収益性の向上が継続課題となっております。コストダウンの施策としては、組織横断型のプロジェクトチームで重要項目の指標を見直し、その管理を徹底することで、さらなる変動費、固定費の削減を進めてまいります。また、売上拡大も課題と認識しております。印刷関連機器事業では、デジタル化しつつあるパッケージ印刷やシールラベル印刷への進出を加速させてまいります。循環型ビジネス(インクなどの消耗品や部品販売、サポートサービスなどのポストセールス)、他社との販売提携や製品開発も継続して強化してまいります。また、プリント基板関連機器では、需要の増大が見込まれる車載向け装置の新製品を投入し、販路の拡大を目指してまいります。このように、今後の成長のカギとなる時代の流れや、将来のニーズの先読みを強く意識しながら、様々なパートナーと共に製品開発や販路の拡大を、スピード感を持って進めてまいります。
ファインテックソリューション事業では、主に液晶関連事業が好調に推移し、売上高は前期に比べ、78億円増加し、315億円(前期比32.9%増)となりました。営業利益は、売上の増加などにより27億円(前期は3億円の営業利益)と大幅に増加いたしました。平成29年3月期は、収益構造改革と成長戦略を経営の両輪として進めてまいります。収益性の向上としては、製品納入時においてお客様のサイトで組み立てる方法が大きなコストダウンにつながっており、これをさらに進めるとともに、生産拠点の見直しも行う予定であります。売上面では、ビジネスパートナーとも共同で、現在量産化に期待が寄せられている有機ELをはじめとするフレキシブルディスプレーや、ディスプレー製造プロセスの後半工程へ進出してまいります。また、成膜技術を中心とした新規事業への取組みを加速させ、営業利益率10%を目指すことはもとより、恒常的に10%以上を出せる仕組みを構築いたします。ドライ成膜事業においては、平成28年3月に独自のLIAプラズマ真空成膜技術を応用した新たな高機能膜の成膜技術を確立いたしました。この技術を搭載した装置を製品化し、建材分野をはじめ新たな市場に展開してまいります。
新規事業では、4つの各分野(エネルギー、ライフサイエンス、検査計測、プリンテッドエレクトロニクス)で製品をリリースし、ラインアップを拡充するとともに、量産に対応できるレベルに、お客さまとともにブラッシュアップしていく段階に入りました。今期はさらに、製品のアプリケーションを増やすことで付加価値を高めながら、市場へのアピールを強化し、用途の拡充を図ってまいります。また、将来の事業の拡大・創出に向けて、M&Aなどの経営手法に加え、新しいビジネスチャンスを逃さないようマーケティング機能を強化してまいります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。