(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、英国のEU離脱選択や中国経済の下振れ懸念などから一部にやや弱さが見られたものの、全体としては緩やかな回復基調で推移しました。米国では雇用や個人消費の改善に加え、設備投資が持ち直すなど、景気回復が続きました。欧州でも緩やかな景気回復が続きましたが、雇用の改善に頭打ちが見られるなどやや弱含みで推移しました。また、中国では安定成長を目指す政策効果もあり、景気の減速は緩やかなものとなりました。わが国経済におきましては、企業収益や雇用の改善に加え、設備投資や個人消費に持ち直しの動きが見られるなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
当社グループを取り巻く事業環境は、半導体業界では、高機能スマートフォンやIoT関連のビッグデータ処理用データセンター向けの旺盛な需要を背景に、ファウンドリーにおいて微細化投資が活発化しました。また、サーバーやストレージ向けなど、メモリーメーカーにおいても高水準の設備投資が続きました。FPD業界では、中国での大型液晶パネル向け投資に続き、国内や中国・台湾において、中小型液晶パネル向けに活発な設備投資が行われました。
このような状況の中、当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、売上高は3,002億3千3百万円と前期に比べ405億5千8百万円(15.6%)増加しました。利益面につきましては、研究費の増加や海外拠点の強化に伴う人件費の増加があったものの、売上の増加などにより、営業利益は、前期に比べ101億7千4百万円(43.2%)増加し、337億3千1百万円(営業利益率11.2%)となりました。また、営業外費用において固定資産除却損、特別利益において投資有価証券売却益、特別損失において固定資産に係る減損損失などを計上しました。以上の結果、経常利益は、前期に比べ88億4千1百万円(38.1%)増加の320億1千9百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べ53億5千3百万円(28.5%)増加の241億6千8百万円となりました。
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
(セミコンダクターソリューション事業:SE)
セミコンダクターソリューション事業では、ファウンドリー向けの売上が、前期に比べ、大幅に増加するとともに、メモリーメーカー向けの売上も堅調に推移しました。製品別では、顧客の微細化投資を受け枚葉式洗浄装置の売上が大幅に増加するとともに、バッチ式洗浄装置の売上も堅調に推移しました。地域別では、国内や北米向けは減少しましたが、アジアにおいて台湾や中国向けを中心に売上が大幅に増加しました。これらの結果、当セグメントの売上高は2,060億9千7百万円(前期比24.3%増)となりました。利益面では、研究費や海外拠点の強化に伴う人件費の増加があったものの、売上の増加により、営業利益は293億1千5百万円(前期比56.6%増)となりました。
(グラフィックアンドプレシジョンソリューション事業:GP)
グラフィックアンドプレシジョンソリューション事業では、印刷関連機器については、POD装置の市場浸透を進めたものの、期中の円高影響を受け、海外の売上が減少したことに加え、国内の売上も低調であったことから、前期に比べ売上が減少しました。またプリント基板関連機器の売上は前期並みとなりました。これらの結果、当セグメントの売上高は547億4千8百万円(前期比10.7%減)となりました。利益面につきましては、変動費の低減を進めたものの売上減少の影響が大きく、営業利益は22億2千4百万円(前期比29.8%減)となりました。
(ファインテックソリューション事業:FT)
ファインテックソリューション事業では、前期に比べ、中国向けの大型パネル用製造装置の売上は減少しましたが、国内や中国・台湾向けの中小型パネル用製造装置の売上が増加しました。これらの結果、当セグメントの売上高は381億4百万円(前期比20.6%増)、営業利益は43億9千1百万円(前期比59.8%増)となりました。
(その他事業)
その他事業の外部顧客への売上高は14億5千2百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ147億6千6百万円増加し、449億2千2百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の減少、仕入債務の増加、前受金の増加などの収入項目が、たな卸資産の増加などの支出項目を上回ったことから、490億2千4百万円の収入(前期は147億2千万円の収入)と大幅に改善いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、研究開発設備等の有形固定資産を取得したことなどにより58億6千万円の支出(前期は25億5千7百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の償還や長期借入金の返済、配当金の支払い、自己株式の取得などにより、274億7千9百万円の支出(前期は28億4千5百万円の支出)となりました。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
セミコンダクターソリューション事業 |
163,746 |
+15.1 |
|
グラフィックアンドプレシジョンソリューション事業 |
29,176 |
△4.5 |
|
ファインテックソリューション事業 |
32,680 |
+23.9 |
|
その他事業 |
208 |
△26.2 |
|
合計 |
225,811 |
+13.2 |
(注)1 金額は販売予定価格によっております。
2 上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
セミコンダクターソリューション事業 |
225,408 |
+39.5 |
70,411 |
+37.8 |
|
グラフィックアンドプレシジョンソリューション事業 |
55,997 |
△5.1 |
6,431 |
+24.1 |
|
ファインテックソリューション事業 |
39,815 |
△8.7 |
41,714 |
+4.3 |
|
合計 |
321,221 |
+21.6 |
118,558 |
+23.1 |
(注)上記金額には消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
セミコンダクターソリューション事業 |
206,097 |
+24.3 |
|
グラフィックアンドプレシジョンソリューション事業 |
54,748 |
△10.7 |
|
ファインテックソリューション事業 |
38,104 |
+20.6 |
|
その他事業・調整額 |
1,283 |
+27.8 |
|
合計 |
300,233 |
+15.6 |
(注)1 各セグメントの金額には、セグメント間取引を含んでおります。
2 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の
とおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.,Ltd. |
35,337 |
13.6 |
71,859 |
23.9 |
3 上記金額には消費税等は含まれておりません。
(1)経営方針、経営環境及び対処すべき課題
当社グループは、平成27年3月期~平成29年3月期の3カ年におきまして中期3カ年経営計画「Challenge2016」に取り組んでまいりました。この間、セミコンダクターソリューション事業では、スマートフォンの需要拡大を背景にした継続した最先端投資やIoTに代表される新しい領域の拡大による追い風と、絶え間ない収益構造改革により、売上・収益とも拡大することができました。グラフィックアンドプレシジョンソリューション事業では、一定の売上規模の拡大は見られたものの、デジタル印刷機市場の競争激化などにより、収益性が低迷する結果となりました。また、ファインテックソリューション事業では、中国市場での設備投資意欲が旺盛な中、時宜を得た活動と新規分野への取り組みにより、当初予想を上回る好業績を残すことができました。
このような背景から、計画で目標に掲げた、①「収益構造改革を完遂し、高収益体質へ」として、最終年度において営業利益率10%以上、②「新規領域での事業化」、③「財務体質の強化」として、最終年度末において自己資本比率50%以上、に対して新規領域での事業化に関しては遅れはあるものの、一定の成果を出すことができました。
われわれを取り巻く事業環境は、変化が激しく、スピードとイノベーションが求められるものの、常にビジネスチャンスは存在し、市場としても成長し続けるものと認識しております。そのような環境の下、今年度から3年間で新たに取り組む、中期3カ年経営計画「Challenge 2019」では、前中期経営計画で確立した収益構造と財務基盤を維持するとともに、「グループの成長と質の向上」を目指し、持続的な利益創出や株主還元などを推進してまいります。また、次の成長に向けた積極的なアクションとして、成長に向けたリソースの配分およびオープンイノベーション、M&Aも選択肢として取り組んでまいります。
中期3カ年経営計画「Challenge 2019」(平成30年3月期~平成32年3月期)
1.基本コンセプト
「グループの成長と質の向上」
2.目標
①売上規模の拡大
単年度売上高3,000億円レベル
②収益性の維持・向上
最終年度の営業利益率13%以上
③資本効率の維持・向上
ROE15%レベル
※上記3項目の数値目標はオーガニック・グロースを前提としております。
3.主たる取り組み
①既存事業における損益分岐点売上高比率の改善
売上の変動に応じた損益分岐点売上高のコントロール
②装置ビジネスをベースとした周辺領域における収益基盤の確立
改造を含むポストセールス(印刷分野においては消耗品ビジネスも含む)のさらなる強化
③一定の財務規律を維持しながらも、積極的に成長投資を実行
効果的なM&Aの検討・実施。オープンイノベーション戦略としての研究機関、他社など
との協業、業務提携、ベンチャー企業への出資・支援などの検討・実施
④ESGに重点をおいたCSR経営の推進
E:「環境価値」を創造し、低炭素・循環型社会への貢献
S:ディーセント・ワーク(働き甲斐のある人間らしい仕事)の実現と、社会的価値の創造
G:守りと攻めのガバナンス体制の推進とESG情報の開示
⑤株主還元の充実
連結総還元性向 25%以上を目指す
上記における将来数値は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績などは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
*ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもの
(2)セグメント別の今後の取り組みについて
当社グループは、中期3カ年経営計画「Challenge 2019」の下、セグメント別に以下の取り組みを進めてまいります。
セミコンダクターソリューション事業では、前期はパソコン、スマートフォンのみならず自動車などへとますますその用途が拡大する半導体市場の成長を背景に、リードタイムの短縮など継続的に取り組む施策も計画通りに進め、過去最高の売上高と営業利益を達成することができました。また、主力製品の枚葉式洗浄装置において、高生産性と微細化対応技術を備えた新製品「SU-3300」のリリースをはじめ、熱処理装置、後工程の直接描画装置などの分野で新製品を投入し、事業領域および製品ポートフォリオの拡充を図りました。当期は、強化されたビジネス基盤を活用することで継続的な売上拡大・シェア拡大を目指してまいります。新中期3カ年経営計画期間となる3カ年においては、半導体業界は年率5%以上の伸びが予想されております。成長著しいNANDフラッシュメモリー、微細化が継続するロジック、用途数量共に拡大するセンサーなど、幅広いデバイス領域でのポジション強化を図り、更には投資拡大が期待される中国市場も取り込むべく、競争力のある製品群の準備を進めてまいります。また、重点施策の一つとして組織強化を挙げております。お客様の高い要望を短時間で実現するためには、全社員で課題を共有し取り組むことが必要となります。そのため、事業全体を見渡せるビジネス本部を立ち上げ、必要に応じて、臨機応変に人材を投入できる体制を作ることで、お客様の要望に応えてまいります。
グラフィックアンドプレシジョンソリューション事業では、前期、印刷関連機器はPOD装置の市場浸透を進めたものの、円高影響を受け海外の売上が減少し、国内の売上も低調であったことから、3期続いた増収増益から減収減益という厳しい結果となりました。印刷関連機器では、CTPの市場が縮小する一方、POD市場は商業印刷分野に拡大し、年率10%以上伸びていくという予測があります。そこで、CTPに関してはOEM先を増やし売上を維持していくとともに、これから訪れる商業印刷分野におけるPODへの移行を機に、欧米などで販売力を強化してまいります。前期は欧州においても小森コーポレーション社との戦略的事業契約を締結し、POD装置の自社ブランド販売網を拡大いたしましたが、当期も引き続き、自社ブランド製品の売上アップを目指してまいります。併せて、自社ブランドのPOD装置には、インクなどの消耗品や部品販売、サポートサービスなどのポストセールス(循環型ビジネス)が期待できるため、販売台数を増やすとともに、循環型ビジネスの売上も伸ばしていく計画であります。高収益企業への転換という目標は、当期も継続課題となります。そのため、前期より取り組んでおります収益構造改革を目指した事業会社社長直轄のプロジェクトチームで、在庫抑制や設計変更などによるコストダウンを推し進め、高収益体質への変革を目指してまいります。
なお、プリント基板関連機器事業については、電子デバイス市場が大きく変化していく中、より洗練された先進のソリューションを提供し、顧客満足度のさらなる向上を図るため、平成29年4月1日付で株式会社SCREEN PE ソリューションズとして分社いたしました。当期は、スマートフォンの高機能機への買い替え需要や自動車、通信、データストレージ等でのIoT需要の増加により、プリント基板市場が拡大する中、直接描画装置や検査装置の新製品を投入し、売上拡大を目指してまいります。
ファインテックソリューション事業では、前期は中国向けの大型パネル用製造装置の売上は減少しましたが、国内や中国・台湾向けの中小型パネル用製造装置の売上が大幅に増加いたしました。また、リチウムイオンバッテリー関連などの新規事業で売上高20億円を突破することができました。ディスプレー分野では、液晶テレビの大型化・高精細化、中小型を中心とした有機ELディスプレー(OLED)化という大きな流れがあります。当社では、スマートフォンやウェアラブルデバイスなどを中心に、用途の広がりを見せるOLED化に一早く対応し、前期には、フレキシブルディスプレー用基板となる素材ポリイミドの塗布装置を発売いたしました。今後は、液晶ディスプレー向けのみならず、OLEDをはじめとするフレキシブルディスプレーや車載用など、新たなアプリケーション向けに競争力の高い新製品をリリースし、シェア拡大を目指してまいります。さらに、新規事業としては成膜分野に注力し、ウェット成膜ではリチウムイオンバッテリーや燃料電池関連製造装置などへの応用展開を進め、ドライ成膜でも多様なアプリケーションへの展開を進めるなど、売上拡大を目指してまいります。また、収益構造の改善という点では、中国での製造拠点づくりなど、サプライチェーン全般での見直しを進め、収益力を高めていきたいと考えております。
新規事業では、ライフサイエンス市場での創薬、再生医療、iPS細胞の研究開発投資、自動車業界、検査・計測市場での鍛造部品等の目視検査の自動化ニーズが増加する中、当社の製品を評価していただくため、評価機としてお客様への装置の納入を進めてまいりました。当期は、成長市場をターゲットにさらなる製品ラインナップの拡充や営業力の強化を行い、装置評価フェーズから、売上増加フェーズへの移行を目指してまいります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
(1)半導体・FPD市場の動向について
半導体・FPD市場は、急速な技術革新により大幅に成長する反面、需給バランスの悪化から市況が低迷するという好不況の波にさらされてきました。このような市場環境の中、当社グループは市況の下降局面においても確実に利益を生み出せるよう、損益分岐点売上高比率の改善に取り組んでいますが、予想を上回って市況が悪化した場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(2)特定顧客への取引集中について
当社グループは国内外の主要な半導体メーカーに製造装置を納入しておりますが、この業界では生産能力増強な らびに微細化対応に巨額の投資を必要とすることから一部の大手メーカーへの集約が進んできており、当社グループの売上も特定の顧客に集中する傾向にあります。したがって、これら特定顧客の設備投資動向や特定顧客からの受注動向によっては、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(3)生産拠点の集中について
当社グループの国内生産拠点は京滋地区に集中しており、この地区において大規模な地震等が発生した場合、大きな被害を受ける可能性があります。当社グループでは損失を最小限にとどめ、事業の継続または早期再開を図るため、事業継続マネジメント(BCM)を推進しておりますが、災害等により生産拠点の操業が停止するなどの不測の事態が生じた場合、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(4)製品の品質について
当社グループでは、品質マネジメントシステムの規格(ISO9001)に基づく品質管理体制を構築し、製品・サービスの品質向上に取り組んでいますが、万一、大規模なリコールや製造物賠償責任につながるような製品の欠陥が発生し顧客に損失をもたらした場合、多額の追加費用の発生や信頼低下による売上減少を招く恐れがあります。その場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(5)新製品の開発について
当社グループは、各事業戦略に沿った開発テーマの絞り込みや保有技術のグループ内での共有化、外部の技術資源の効率的活用などにより、開発力の強化・活性化に取り組んでおり、最新の技術を取り入れた製品をタイムリーに市場投入しシェアの拡大を図ることで収益体制の強化を目指しております。しかしながら、開発期間が長期化することにより新製品のリリースに遅れが生じた場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(6)知的財産権について
当社グループは、常に最新技術を取り入れた製品を長年にわたって市場に供給してきており、各事業部門において種々の独自技術を創出してきました。また、その技術を知的財産関連法および他社との契約上の規定の下で知的財産権として確立し保護する取り組みを行ってきました。しかし、最先端技術の分野においては知的財産をめぐる権利関係はますます複雑化してきており、将来知財紛争に巻き込まれるリスクがあります。その場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(7)情報管理について
当社グループは、事業遂行に関連して、多数の個人情報や顧客情報、技術情報を有しております。当社グループでは、「ネットワークシステム管理規定」を定め、社内情報システムのセキュリティ強化を図るとともに、グループの全役員・従業員が心がけるべき行動規範を定めた「SCREENグループCSR憲章」を制定し情報管理体制を強化しております。しかしながら、予期せぬ事態によりこれらの情報が流出した場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(8)企業買収、資本提携等について
事業戦略の一環として、企業買収、資本提携等を実施することがあります。具体的な実施にあたっては様々な角度から十分な検討を行ってまいりますが、買収および提携後の事業計画が当初計画通りに進捗しない場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(9)重要な訴訟等に係るリスクについて
当社グループの事業活動に関連し、様々な事由により訴訟等の対象となる可能性があり、重要な訴訟等が提起された場合、その結果によっては、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(10)金利変動について
当連結会計年度末における有利子負債残高は全て金利を固定しており、金利変動リスクに晒されておりませんが、新たな調達資金については、金利変動の影響を受け、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(11)資金調達について
当社の借入金に係る契約のうち一部の契約には、各年度の末日の連結純資産および各年度の連結経常損益に関する財務制限条項が付されております。これに抵触し、借入先金融機関の請求があった場合、当該借入金について期限の利益を喪失する可能性があります。この場合、当社の社債およびその他の借入金についても連動して期限の利益を喪失する可能性があります。当社が借入金等について期限の利益を喪失し、一括返済の義務を負った場合には、当社グループの財政状態に悪影響をもたらす可能性があります。なお、現在、財務制限条項が付されている契約に基づく借入金の残高はありません。
(12)為替レートの変動について
当社グループは海外売上高比率が高いため、輸出売上については為替リスクを回避するために積極的に円建て取引を行っておりますが、外貨建てによる取引も存在しております。当社グループは為替予約などによりリスクヘッジを行うことで、為替変動による業績への影響を小さくするよう努力しておりますが、急激な為替変動が起こった場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(13)退職給付債務について
当社グループの退職給付費用および債務は、割引率など数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、前提条件が変更された場合、または年金資産の運用利回りが低下した場合、将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。
当社グループでは、従来の適格退職年金制度からキャッシュバランスプランや確定拠出型制度に変更するなど、退職給付債務への影響を小さくするよう努めておりますが、予想を上回る運用利回りの悪化などが起こった場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(14)減損会計について
固定資産の減損会計により、今後の地価の動向や事業の将来の収益見通しによっては、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(15)繰延税金資産の回収可能性について
当社グループは、将来減算一時差異および税務上の繰越欠損金に対して、将来の課税所得を合理的に見積もった上で回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上しております。また、将来の課税所得については、経営環境の変化などを踏まえ適宜見直しを行っており、結果として繰延税金資産の全額または一部に回収可能性がないと判断し、繰延税金資産の取崩しが必要となった場合、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(16)その他のリスクについて
上記のリスクの他、当社グループが事業を遂行していく上において、他社と同様に、世界および日本の政治情勢や経済環境、地震、洪水等の自然災害、戦争、テロ、疫病の流行、株式市場、商品市況、政府等による規制、仕入先の供給体制、雇用情勢などによる影響を受けます。それらの動向によっては、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
該当事項はありません。
当社グループでは、株式会社SCREENホールディングスとグループ会社が密接に連携し、「フォトリソグラフィー」をコア技術として洗浄技術や塗布技術、画像情報処理技術、光学システム技術、検査・計測技術など、多様な技術を融合・展開させることで、基礎研究から商品開発に至るまで積極的な研究開発活動に取り組んでおります。
当連結会計年度は、セミコンダクターソリューション事業を中心とした既存事業の拡大・強化に向けた開発投資を行うとともに、ライフサイエンス、検査計測、プリンテッドエレクトロニクスの各分野において新規事業の事業化を目指した研究開発活動を積極的に推進し、177億9千4百万円の研究開発費を投入いたしました。
なお、当社グループの主な研究開発成果は次のとおりであります。
セミコンダクターソリューション事業では、半導体回路の超微細化技術の開発において、前期に引き続き海外研究機関と洗浄、ウエットエッチング、リソグラフィー(コーターデベロッパー)、レーザーアニール分野に関して、最先端の半導体プロセスの共同開発を行いました。また、安定性/生産性/経済性の向上や次世代プロセス対応などの顧客要求に応えるべく、微細なパターン倒壊抑制、微小パーティクル除去などの課題をクリアする性能と、さらなるトータルコスト低減を実現した枚葉洗浄装置「SU-3300」を開発いたしました。そのほか、半導体チップの積層化、Fan-Out化に対応し半導体後工程のFOPLP(Fan-Out Panel Level Package)向けに世界最高水準の解像度を実現し最適露光を可能にした大型パネル用直接描画露光装置「DW-3000 for PLP」を開発いたしました。なお、当セグメントの研究開発費の金額は90億6千8百万円であります。
グラフィックアンドプレシジョンソリューション事業では、印刷関連機器において、欧州企業と段ボール業界向けの高速インライン型デジタル印刷ソリューションの共同開発に取り組みました。また、プリント基板関連機器においては、直接描画装置のラインナップ拡充を図るべく高生産性・高精細化製品の開発に取り組みました。なお、当セグメントの研究開発費の金額は38億1百万円であります。
ファインテックソリューション事業では、エネルギー分野において、燃料電池の電解質膜に電極触媒を直接塗工・乾燥する技術を開発いたしました。この技術を搭載し、生産性の大幅な向上と生産コストの低減が実現可能な、触媒層付き膜をロールtoロール方式で連続生産できる燃料電池製造装置「RTシリーズ」を開発いたしました。なお、当セグメントの研究開発費の金額は12億1千4百万円であります。
上記セグメント以外では、株式会社SCREENホールディングスにおいて基礎研究や新規事業領域の研究開発に取り組みました。その金額は37億9百万円であります。
ライフサイエンス分野では、手術用臓器模型を効率良く製造できるシステムの開発に取り組みました。また、iPS/ES細胞由来の神経細胞や心筋細胞を使用した創薬スクリーニング・薬効評価に貢献するハイスループット細胞外電位記録システム「MED64 Presto」を開発いたしました。
検査計測分野では、変速機をはじめとする自動車の基幹部に使われ、安全性が重視される車載用冷間鍛造部品において数十マイクロメートル単位の微細な傷を自動検出することで、品質と生産性の向上に貢献できる外観検査技術を開発いたしました。
プリンテッドエレクトロニクス分野では、前期に引き続きさまざまな線幅が混在する複雑な電子回路において容易に一括形成を可能とする製版技術の開発に取り組みました。
なお、当社はソフトウエア開発関連事業のさらなる拡大に向けて、平成28年10月1日に当社の当該事業を分社し、株式会社SCREENアドバンストシステムソリューションズとして活動を開始いたしました。
(注) 基礎研究費用は、「セグメント情報」のセグメント利益又は損失の算出にあたり、原則として各報告セグメ ントに配分しております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成において採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成にあたって、会計上の見積りを必要とする繰延税金資産、貸倒引当金、製品保証引当金、たな卸資産の評価、固定資産の減損、退職給付に係る会計処理などについては、過去の実績や当該事象の状況を勘案して、合理的と考えられる方法に基づき見積りおよび判断をしております。ただし、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度における当社グループの売上高は3,002億3千3百万円と前連結会計年度に比べ405億5千8百万円(15.6%)増加しました。
セミコンダクターソリューション事業の売上高は、2,060億9千7百万円(前期比24.3%増)となりました。グラフィックアンドプレシジョンソリューション事業の売上高は、547億4千8百万円(前期比10.7%減)となりました。ファインテックソリューション事業の売上高は、381億4百万円(前期比20.6%増)となりました。その他事業の外部顧客への売上高は14億5千2百万円となりました。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
売上高原価率は、研究費が増加した一方で売上が増加したことにより、前連結会計年度と同じく68.8%となりました。販売費及び一般管理費は、研究費の増加や海外拠点の強化に伴う人件費の増加などにより、前連結会計年度に比べ23億7千4百万円(4.1%)増加し、598億1千5百万円となりました。売上高販管費比率は販売費及び一般管理費は増加したものの、売上の増加により、前連結会計年度の22.1%から19.9%となりました。
以上の結果、営業利益は101億7千4百万円増加の337億3千1百万円となりました。
③ 営業外損益
営業外費用において、有利子負債の削減に伴い支払利息が減少したものの、固定資産除却損を計上したことに加え、営業外収益において、助成金収入が減少したことなどにより、営業外損益は前連結会計年度に比べ13億3千2百万円悪化しました。
以上の結果、経常利益は88億4千1百万円増加の320億1千9百万円となりました。
④ 特別損益
保有株式の売却に伴う投資有価証券売却益を特別利益として計上したものの、固定資産に係る減損損失を計上したことから、特別損益は前連結会計年度に比べ17億2千8百万円悪化しました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は71億1千2百万円増加の310億5千5百万円となりました。
法人税等合計は、法人税、住民税及び事業税を計上したことなどから、68億6千8百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、53億5千3百万円増加の241億6千8百万円となりました。
また、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度に比べ、115円21銭増加し、511円96銭となりました。なお、平成28年10月1日付で普通株式5株につき1株の割合で株式併合を実施したため、前連結会計年度の期首に当該株式併合が行われたと仮定し、1株当たり当期純利益金額を算定しております。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況」「4 事業等のリスク」に記載のとおりです。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
・財政状態
資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の資産合計は、受取手形及び売掛金が減少した一方で、現金及び預金やたな卸資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ305億6千6百万円(11.3%)増加し、3,006億5千9百万円となりました。
負債合計は、有利子負債が減少した一方で、仕入債務や前受金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ79億3千8百万円(5.3%)増加し、1,577億4千3百万円となりました。有利子負債につきましては、社債の償還などにより、前連結会計年度末に比べ220億4千9百万円(55.6%)減少し、175億8千6百万円となりました。また、有利子負債から現金及び預金を除いた純有利子負債は、大幅なプラスとなった営業キャッシュ・フローなどにより、前連結会計年度末に比べ385億1千万円減少し、312億4千5百万円のマイナス(ネットキャッシュポジション)となりました。
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加やその他有価証券評価差額金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ226億2千7百万円(18.8%)増加し、1,429億1千5百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、47.5%となりました。
・キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの分析は「第2 事業の状況」の「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。