当社グループは、平成30年3月期~平成32年3月期におきまして、「グループの成長と質の向上」を基本コンセプトとした中期3カ年経営計画「Challenge 2019」に取り組んでいます。その初年度である平成30年3月期は、好調な外部環境と各事業領域における施策への取り組みにより、目標に掲げている売上規模の拡大、収益性の向上、資本効率の向上ともに目標達成に向けて、順調に進捗させることができました。
当社グループを取り巻く事業環境は、変化が激しく、スピードとイノベーションが求められるものの、常にビジネスチャンスは存在し、市場としても成長し続けるものと認識しております。このような中、当社グループの存在価値は、お客様にProcess Innovation の提供を通して、お客様や市場の価値を高めることにあると考えております。その存在価値を高めるべく、積極的な成長投資を継続して実施いたします。また各事業において市場平均以上の成長を果たし、持続的な利益創出を行い、株主還元の充実にも取り組んでまいります。
加えて当社グループでは、「未来共有」「人間形成」「技術追究」の企業理念に基づく行動原則を示し、全役員・従業員が心がけるべき行動規範を定めた「SCREENグループCSR憲章」を制定しております。コンプライアンス、人権の尊重、製品責任やサプライチェーンなどにおける行動指針として実践し、企業の社会的責任を果たしてまいります。また、国際連合が提唱する人権、労働、環境、腐敗防止の4分野10原則からなる「国連グローバル・コンパクト」に支持を表明し、平成28年10月より国連本部に記名登録されています。今後ともグローバル企業として成長し続けるためにグローバル・コンパクトの4分野10原則を尊重し、確実に実践していくことにより、社会の持続可能な発展に向けてグループを挙げて活動してまいります。
中期3カ年経営計画「Challenge 2019」(平成30年3月期~平成32年3月期)の内容、および初年度の進捗は、次のとおりであります。
1.基本コンセプト
「グループの成長と質の向上」
2.目標と進捗
①売上規模の拡大
単年度売上高3,000億円レベル → 初年度実績 3,393億円
②収益性の維持・向上
最終年度の営業利益率13%以上 → 同実績 12.6%
③資本効率の維持・向上
ROE15%レベル → 同実績 18.2%
※上記3項目の数値目標はオーガニック・グロースを前提としております。
3.主たる取り組み
①既存事業における損益分岐点売上高比率の改善
売上の変動に応じた損益分岐点売上高のコントロール
②装置ビジネスをベースとした周辺領域における収益基盤の確立
改造を含むポストセールス(印刷分野においては消耗品ビジネスも含む)のさらなる強化
③一定の財務規律を維持しながらも、積極的に成長投資を実行
効果的なM&Aの検討・実施。オープンイノベーション戦略としての研究機関、他社など
との協業、業務提携、ベンチャー企業への出資・支援などの検討・実施
④ESGに重点をおいたCSR経営の推進
E:「環境価値」を創造し、低炭素・循環型社会への貢献
S:ディーセント・ワーク(働き甲斐のある人間らしい仕事)の実現と、社会的価値の創造
G:守りと攻めのガバナンス体制の推進とESG情報の開示
*ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもの
⑤株主還元の充実
連結総還元性向 25%以上
上記における将来数値は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績などは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
SCREENグループCSR憲章
1. 社会に有益な製品・サービスの提供
2. 人権の尊重と働きやすい職場環境
3. 人と地球に優しい環境形成
4. 健全で効果的な企業統治
5. 法令・社会規範の順守
6. 情報・知的財産の適切な管理と活用
7. 企業情報の適切な開示
8. 良き企業市民としての社会貢献
9. 反社会的勢力の排除
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
(1)半導体・FPD市場の動向について
半導体・FPD市場は、急速な技術革新により大幅に成長する反面、需給バランスの悪化から市況が低迷するという好不況の波にさらされてきました。このような市場環境の中、当社グループは市況の下降局面においても確実に利益を生み出せるよう、損益分岐点売上高比率の改善に取り組んでいますが、予想を上回って市況が悪化した場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(2)特定顧客への取引集中について
当社グループは国内外の主要な半導体メーカーに製造装置を納入しておりますが、この業界では生産能力増強な らびに微細化対応に巨額の投資を必要とすることから一部の大手メーカーへの集約が進んできており、当社グループの売上も特定の顧客に集中する傾向にあります。したがって、これら特定顧客の設備投資動向や特定顧客からの受注動向によっては、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(3)生産拠点の集中について
当社グループの国内生産拠点は京滋地区に集中しており、この地区において大規模な地震等が発生した場合、大きな被害を受ける可能性があります。当社グループでは損失を最小限にとどめ、事業の継続または早期再開を図るため、事業継続マネジメント(BCM)を推進しておりますが、災害等により生産拠点の操業が停止するなどの不測の事態が生じた場合、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(4)製品の品質について
当社グループでは、品質マネジメントシステムの規格(ISO9001)に基づく品質管理体制を構築し、製品・サービスの品質向上に取り組んでいますが、万一、大規模なリコールや製造物賠償責任につながるような製品の欠陥が発生し顧客に損失をもたらした場合、多額の追加費用の発生や信頼低下による売上減少を招く恐れがあります。その場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(5)新製品の開発について
当社グループは、各事業戦略に沿った開発テーマの絞り込みや保有技術のグループ内での共有化、外部の技術資源の効率的活用などにより、開発力の強化・活性化に取り組んでおり、最新の技術を取り入れた製品をタイムリーに市場投入しシェアの拡大を図ることで収益体制の強化を目指しております。しかしながら、開発期間が長期化することにより新製品のリリースに遅れが生じた場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(6)知的財産権について
当社グループは、常に最新技術を取り入れた製品を長年にわたって市場に供給してきており、各事業部門において種々の独自技術を創出してきました。また、その技術を知的財産関連法および他社との契約上の規定の下で知的財産権として確立し保護する取り組みを行ってきました。しかし、最先端技術の分野においては知的財産をめぐる権利関係はますます複雑化してきており、将来知財紛争に巻き込まれるリスクがあります。その場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(7)情報管理について
当社グループは、事業遂行に関連して、多数の個人情報や顧客情報、技術情報を有しております。当社グループでは、「SCREENグループIT管理規定」を定め、社内情報システムのセキュリティ強化を図るとともに、グループの全役員・従業員が心がけるべき行動規範を定めた「SCREENグループCSR憲章」を制定し情報管理体制を強化しております。しかしながら、予期せぬ事態によりこれらの情報が流出した場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(8)企業買収、資本提携等について
事業戦略の一環として、企業買収、資本提携等を実施することがあります。具体的な実施にあたっては様々な角度から十分な検討を行ってまいりますが、買収および提携後の事業計画が当初計画通りに進捗しない場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(9)重要な訴訟等に係るリスクについて
当社グループの事業活動に関連し、様々な事由により訴訟等の対象となる可能性があり、重要な訴訟等が提起された場合、その結果によっては、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(10)為替レートの変動について
当社グループは海外売上高比率が高いため、輸出売上については為替リスクを回避するために積極的に円建て取引を行っておりますが、外貨建てによる取引も存在しております。当社グループは為替予約などによりリスクヘッジを行うことで、為替変動による業績への影響を小さくするよう努力しておりますが、急激な為替変動が起こった場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(11)金利変動について
当連結会計年度末における有利子負債残高は全て金利を固定しており、金利変動リスクに晒されておりませんが、新たな調達資金については、金利変動の影響を受け、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(12)資金調達について
当社の借入金に係る契約のうち一部の契約には、各年度の末日の連結純資産および各年度の連結経常損益に関する財務制限条項が付されております。これに抵触し、借入先金融機関の請求があった場合、当該借入金について期限の利益を喪失する可能性があります。この場合、当社の社債およびその他の借入金についても連動して期限の利益を喪失する可能性があります。当社が借入金等について期限の利益を喪失し、一括返済の義務を負った場合には、当社グループの財政状態に悪影響をもたらす可能性があります。なお、現在、財務制限条項が付されている契約に基づく借入金の残高はありません。
(13)退職給付債務について
当社グループの退職給付費用および債務は、割引率など数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、前提条件が変更された場合、または年金資産の運用利回りが低下した場合、将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。
当社グループでは、従来の適格退職年金制度からキャッシュバランスプランや確定拠出型制度に変更するなど、退職給付債務への影響を小さくするよう努めておりますが、予想を上回る運用利回りの悪化などが起こった場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(14)減損会計について
固定資産の減損会計により、今後の地価の動向や事業の将来の収益見通しによっては、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(15)繰延税金資産の回収可能性について
当社グループは、将来減算一時差異および税務上の繰越欠損金に対して、将来の課税所得を合理的に見積もった上で回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上しております。また、将来の課税所得については、経営環境の変化などを踏まえ適宜見直しを行っており、結果として繰延税金資産の全額または一部に回収可能性がないと判断し、繰延税金資産の取崩しが必要となった場合、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
(16)その他のリスクについて
上記のリスクの他、当社グループが事業を遂行していく上において、他社と同様に、世界および日本の政治情勢や経済環境、地震、洪水等の自然災害、戦争、テロ、疫病の流行、株式市場、商品市況、政府等による規制、仕入先の供給体制、雇用情勢などによる影響を受けます。それらの動向によっては、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、英国のEU離脱問題に伴う不透明感の高まりや米国の金融政策の影響が懸念されたものの、緩やかな景気の回復が続きました。米国では雇用や個人消費の改善が続き、設備投資も緩やかに増加するなど、景気は底堅く推移しました。欧州では個人消費が増加し、設備投資も徐々に増加するなど緩やかな景気回復が続きました。また、中国では安定成長を目指す政策効果もあり、景気は持ち直しの動きが続きました。わが国経済におきましては、企業収益や雇用の改善に加え、設備投資や個人消費が持ち直すなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
当社グループを取り巻く事業環境は、半導体業界では、データセンターの処理量増加やストレージのSSD化に伴うメモリー需要の増加により、メモリーメーカーにおける設備投資が拡大しました。また、高機能スマートフォン向けに、ファウンドリーにおいて微細化投資が継続するとともに、IoT関連のビッグデータ処理用データセンター向けの旺盛な需要を背景に、ロジックメーカーにおいても設備投資が活発化しました。FPD業界では、テレビ用ディスプレーの大型化・高精細化が進み、中国で大型液晶パネル向け投資が高水準で行われたことに加え、韓国や中国において、スマートフォン用の有機EL(OLED)ディスプレー向け投資が活発に行われました。
このような状況の中、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、売上債権やたな卸資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ655億3千3百万円(21.8%)増加し、3,661億9千3百万円となりました。
負債合計は、仕入債務が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ375億6千8百万円(23.8%)増加し、1,953億1千2百万円となりました。
純資産合計は、配当金の支払いや自己株式を取得した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や保有株式の時価上昇に伴うその他有価証券評価差額金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ279億6千4百万円(19.6%)増加し、1,708億8千万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、46.7%となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、売上高は3,393億6千8百万円と前連結会計年度に比べ391億3千4百万円(13.0%)増加しました。利益面につきましては、人件費などの固定費が増加したものの、売上の増加などにより、前連結会計年度に比べ、営業利益は89億9千3百万円(26.7%)増加の427億2千5百万円(営業利益率12.6%)、経常利益は413億2千9百万円となりました。また、特別利益において投資有価証券売却益を計上したことなどにより、税金等調整前当期純利益は419億5千2百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ43億3千8百万円(18.0%)増加の285億7百万円となりました。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
(半導体機器事業:SE)
半導体機器事業では、前連結会計年度に比べ、ファウンドリー向けの売上は減少したものの、メモリーメーカーやロジックメーカー向けの売上が増加しました。製品別では枚葉式洗浄装置の売上は減少しましたが、バッチ式洗浄装置やコーターデベロッパーの売上が増加しました。地域別では台湾向けの売上は減少しましたが、韓国や中国、北米向けを中心に売上が増加しました。その結果、当セグメントの売上高は2,271億8千4百万円(前期比10.2%増)となりました。営業利益は、人件費などの固定費が増加したものの、売上の増加や変動費率の改善などにより、前連結会計年度に比べ、69億8千6百万円増加の363億1百万円(前期比23.8%増)となりました。
(グラフィックアーツ機器事業:GA)
グラフィックアーツ機器事業では、CTP装置の売上は減少したものの、POD装置の売上が増加しました。また、インクなどの消耗品の売上増加も寄与したことから、当セグメントの売上高は534億1千4百万円(前期比16.5%増)となりました。営業利益は、売上の増加により、30億6千万円(前期比108.0%増)となりました。
(ディスプレー製造装置および成膜装置事業:FT)
ディスプレー製造装置および成膜装置事業では、国内向けの売上は減少したものの、中国向けの大型パネル用製造装置の売上や韓国、中国向けに有機ELディスプレー用製造装置の売上が増加したことから、当セグメントの売上高は452億5千2百万円(前期比18.8%増)となりました。営業利益は、変動費率の悪化に加え固定費が増加しましたが、売上が増加したことから、45億8千9百万円(前期比4.5%増)となりました。
(プリント基板関連機器事業:PE)
プリント基板関連機器事業では、高機能スマートフォンの需要増加を受け、韓国や台湾を中心に主力の直接描画装置の売上が増加したことから、当セグメントの売上高は121億9千3百万円(前期比36.7%増)となりました。営業利益は、会社分割に伴う一時的な費用負担の増加があったものの、売上が増加したことから、10億1千3百万円(前期比34.8%増)となりました。
(その他事業)
その他事業の外部顧客への売上高は16億2千3百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ58億9千4百万円増加し、508億1千7百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や仕入債務の増加などの収入項目が、売上債権の増加やたな卸資産の増加などの支出項目を上回ったことから、288億7千8百万円の収入(前期は490億2千4百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、研究開発設備等の有形固定資産を取得したことなどにより112億3千万円の支出(前期は58億6千万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済や配当金の支払い、自己株式の取得などにより、115億1千2百万円の支出(前期は274億7千9百万円の支出)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
半導体機器事業 |
189,428 |
+15.7 |
|
グラフィックアーツ機器事業 |
28,127 |
+17.7 |
|
ディスプレー製造装置および成膜装置事業 |
30,349 |
△7.1 |
|
プリント基板関連機器事業 |
3,860 |
△27.0 |
|
その他事業 |
214 |
+3.1 |
|
合計 |
251,980 |
+11.6 |
(注)1 金額は販売予定価格によっております。
2 上記金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
半導体機器事業 |
267,147 |
+18.5 |
110,374 |
+56.8 |
|
グラフィックアーツ機器事業 |
53,653 |
+16.5 |
5,090 |
+4.9 |
|
ディスプレー製造装置および成膜装置事業 |
63,327 |
+59.1 |
59,790 |
+43.3 |
|
プリント基板関連機器事業 |
14,001 |
+40.6 |
3,388 |
+114.3 |
|
合計 |
398,129 |
+23.9 |
178,643 |
+50.7 |
(注)上記金額には消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
半導体機器事業 |
227,184 |
+10.2 |
|
グラフィックアーツ機器事業 |
53,414 |
+16.5 |
|
ディスプレー製造装置および成膜装置事業 |
45,252 |
+18.8 |
|
プリント基板関連機器事業 |
12,193 |
+36.7 |
|
その他事業・調整額 |
1,323 |
+3.1 |
|
合計 |
339,368 |
+13.0 |
(注)1 各セグメントの金額には、セグメント間取引を含んでおります。
2 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の
とおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.,Ltd. |
71,859 |
23.9 |
48,131 |
14.2 |
3 上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成において採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成にあたって、会計上の見積りを必要とする繰延税金資産、貸倒引当金、製品保証引当金、たな卸資産の評価、固定資産の減損、退職給付に係る会計処理などについては、過去の実績や当該事象の状況を勘案して、合理的と考えられる方法に基づき見積りおよび判断をしております。ただし、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
a. 経営成績等
(売上高)
当連結会計年度における当社グループの売上高は3,393億6千8百万円と前連結会計年度に比べ391億3千4百万円(13.0%)増加しました。
セグメント別の売上高の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業利益)
人件費などの固定費が増加したものの、売上の増加などにより、前連結会計年度に比べ、89億9千3百万円(26.7%)増加の427億2千5百万円となりました。
(経常利益)
営業外費用において、為替差損が増加したものの、固定資産除却損が減少したことなどにより、営業外損益は前連結会計年度に比べ3億1千6百万円改善しました。
以上の結果、経常利益は93億9百万円増加の413億2千9百万円となりました。
(税金等調整前当期純利益)
特別利益に計上した保有株式の売却に伴う投資有価証券売却益は前連結会計年度より減少したものの、特別損失に計上した固定資産に係る減損損失が前連結会計年度より減少したことから、特別損益は前連結会計年度に比べ15億8千7百万円改善しました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は108億9千7百万円増加の419億5千2百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等合計は、税金等調整前当期純利益の増加や一部の連結子会社における繰越欠損金解消に伴う税負担率の上昇などにより、66億2百万円増加し、134億7千1百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、43億3千8百万円増加の285億7百万円となりました。
財政状態の分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c. 資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度の所要資金は、自己資金で賄いました。なお、将来の資金安定確保を目的として、総額300億円のコミットメントライン契約を複数の金融機関との間で締結しております。
また、平成30年5月24日開催の取締役会決議により、彦根地区における新棟建設などの生産増強・効率化に向けた設備投資や半導体製造装置事業での先端技術の開発による製品競争力の維持・拡大に向けた研究開発設備投資等を目的として、2022年満期ユーロ円建取得条項付転換社債型新株予約権付社債および2025年満期ユーロ円建取得条項付転換社債型新株予約権付社債を発行し、平成30年6月11日に払込が完了しております。本社債の概要につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な後発事象」に記載のとおりであります。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、平成30年3月期~平成32年3月期におきまして、中期3カ年経営計画「Challenge 2019」に取り組んでおります。なお、中期3カ年経営計画の進捗状況および指標の達成状況につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
e. セグメント別の経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
(半導体機器事業:SE)
半導体機器事業では、当連結会計年度は好調な半導体市況を背景に、売上高、営業利益ともに過去最高を更新いたしました。営業利益率についても通期で16.0%、第4四半期には19.6%まで引き上げることができました。
平成31年3月期は、コストに大きく影響する生産工程上流で設計の標準化を進めるとともに、リードタイムの短縮やサプライチェーンマネジメントの強化に取り組むことで、さらなる利益率の改善を目指してまいります。また、半導体市況が右肩上がりに成長する中、お客様へ製品を安定的に供給していくために、彦根事業所内に平成30年12月竣工予定で新工場を建設いたします。新工場では生産キャパシティを確保しつつ、自動化設備を導入し生産効率の向上を追求することで、競争力を高めてまいります。さらに、一部の設備については同じコンセプトのものを既存の工場において先行導入し、生産能力の増強を進めております。
平成31年3月期の事業環境につきましても、メモリー投資が市況を牽引し、ロジックやファウンドリーにおいても当期以上の伸びが期待できます。加えて、パワーデバイスも力強い需要があり、洗浄装置を中心に各アプリケーション向けの拡販に注力してまいります。地域別では、韓国・中国で販売が伸び、台湾も堅調を維持する見通しです。新製品・新事業領域の分野としては、熱処理装置の大きな伸びが期待できます。新製品を投入したフラッシュランプアニール装置に加え、レーザーアニール装置も平成31年3月期から本格的な事業展開に入ります。微細化が進む中、アニール(熱処理工程)の重要性が増すことにより、売上拡大が見込めると考えております。ポストセールスについても、性能向上、安定稼動、生産性向上などお客様にとってメリットのある提案を積極的に行うことにより、売上と利益を伸ばしてまいります。今後につきましても、必要な経営判断が遅れることなく、スピード重視で、製品力の強化、製品ポートフォリオの拡充に継続的に取り組んでまいります。
(グラフィックアーツ機器事業:GA)
グラフィックアーツ機器事業では、CTPの売上は減少したものの、海外でのPODの売上増加や、インク、保守契約など循環型ビジネス(ポストセールス)の強化により、前期比で増収増益となりました。
今後、成長分野のPODでは、特に伸長が見込めるパッケージ印刷で開発・販売強化を進めてまいります。また、循環型ビジネスの安定成長を目指すとともに、中でも、欧州、米国、日本で受賞するなどご好評いただいているSCインク(コート紙対応インク)について、より一層ビジネスに生かしてまいります。
平成31年3月期から、製品群ごとに開発と営業を統轄する事業統轄部制を導入いたしました。この体制でマーケットニーズにすばやく対応して売上を伸ばすとともに、循環型ビジネスでも収益を確保し、中期経営計画の最終年度には営業利益率10%を目指してまいります。
(ディスプレー製造装置および成膜装置事業:FT)
ディスプレー製造装置および成膜装置事業では、当連結会計年度は中国向けの大型パネル用製造装置や韓国・中国向けの有機ELディスプレー用製造装置の売上が増加したことから、前期比で増収増益となり、営業利益率も10%台を確保いたしました。また、リチウムイオン電池製造装置などの新規事業についても、売上が大幅に増加いたしました。
彦根事業所内に平成30年10月竣工予定で新工場を建設いたします。また、中国・常熟市においても新工場を建設いたします。新工場建設の一番の目的は、製造の構造改革を行うことであります。彦根工場では開発・設計やキーユニットの製造など付加価値の高い業務に特化して生産技術を高め、サイズが大きく比較的付加価値が低い部分については中国で生産し輸送費の削減を進めてまいります。
ディスプレー事業では、フレキシブルディスプレーの実現のために、液晶技術から有機EL技術へ変化していくという大きな潮流があります。平成31年3月期にはフレキシブルディスプレーに対応した有機EL製造装置や液晶ではG10以上の大型パネル向けの装置など、製品ラインアップをさらに拡充し、需要に対応してまいります。また、ディスプレー事業に加え新規事業も伸ばすことで、持続可能な事業ポートフォリオへの変革、ビジネス規模拡大を進めてまいります。
(プリント基板関連機器事業:PE)
プリント基板関連機器事業では、当連結会計年度は売上高が初めて100億円を超える121億円となり、営業利益においても10億円を達成いたしました。また、主力の直接描画装置の販売が好調で、特に韓国や台湾などのスマートフォンのメジャーサプライヤーへの納入が実現したことにより、市場でのプレゼンス向上も果たせたと考えております。
今後につきましては、IoTや車載向け、次世代移動通信システム(5G)のサービス開始を意識した基地局サーバー向けの大型基板需要などにより、市場拡大が続くと見込まれます。平成30年6月に次世代回路パターン形成対応の直接描画装置の新機種を投入いたしました。検査装置群においてもAI機能を付加した新機種や子会社化したTrivis社との共同開発による検査装置などを投入して製品ラインアップの拡充を図り、売上高比率を高めてまいります。また、ポストセールスも強化し、中期経営計画の最終年度には営業利益率10%台を目指してまいります。
(その他事業)
検査計測やライフサイエンスの分野につきましては、顧客基盤を固めながら、機能向上モデルやインクジェット式錠剤印刷機、検査計測機などの製品ラインアップの拡充などにより、売上拡大を目指してまいります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
該当事項はありません。
当社グループでは、株式会社SCREENホールディングスとグループ会社が密接に連携し、表面処理技術、直接描画技術、画像処理技術のコア技術を融合・展開させることで、基礎研究から商品開発に至るまで積極的な研究開発活動に取り組んでおります。
当連結会計年度は、半導体機器事業を中心とした既存事業の拡大・強化に向けた開発投資を行うとともに、エネルギー、検査計測、ライフサイエンスの各分野においても研究開発活動を積極的に推進し、208億3千7百万円の研究開発費を投入いたしました。
なお、当社グループの主な研究開発成果は次のとおりであります。
半導体機器事業では、半導体回路の超微細化技術の開発において、前期に引き続き海外研究機関と洗浄、ウエットエッチング、リソグラフィー(コーターデベロッパー)、レーザーアニール分野に関して、最先端の半導体プロセスの共同開発を行いました。また、安定性/生産性/経済性の向上や次世代プロセス対応などの顧客要求に応えるべく、枚葉洗浄装置「SU-3300」のさらなる高速化、高機能化に取り組みました。そのほか、ミリ秒単位で加熱温度プロファイルを高精度にコントロールし、最先端デバイスの特性改善に大きく貢献する熱処理装置「LA-3100」を開発いたしました。なお、当セグメントの研究開発費の金額は121億5千8百万円であります。
グラフィックアーツ機器事業では、前期に引き続き欧州企業と段ボール業界向けの高速インライン型デジタル印刷ソリューションの共同開発に取り組みました。また、多様な基材に対応でき食品パッケージ用ラベルの安全性を確保できるデジタルラベル印刷機「Truepress Jet L350UV+LM」を開発いたしました。なお、当セグメントの研究開発費の金額は29億9千7百万円であります。
ディスプレー製造装置および成膜装置事業では、ディスプレー分野において、有機ELパネル製造工程において発生するガス・薬液成分などの浮遊物による汚染や静電気を抑制し、安定した量産を可能とする有機ELパネルの製造に特化した第6世代基板対応の塗布現像装置「SK-E1500G/H」を開発いたしました。また、エネルギー分野において、車載用二次電池電極製造用途のロールtoロール幅広塗工技術を開発いたしました。なお、当セグメントの研究開発費の金額は12億6千5百万円であります。
プリント基板関連機器事業では、基板の高密度化・高精細化ニーズに応える、ハイエンドHDI基板向け光学式外観検査装置「MIYABI 7」を開発いたしました。また、メイン基板の小型化、微細化が進む中、次世代の回路パターン形成に対応し、高精細・高生産性を両立させた直接描画装置の開発に取り組みました。なお、当セグメントの研究開発費の金額は6億7千6百万円であります。
上記セグメント以外では、株式会社SCREENホールディングスにおいて基礎研究や新規事業領域の研究開発に取り組みました。その金額は37億3千9百万円であります。
検査計測分野では、変速機をはじめとする自動車の基幹部に使われ、安全性が重視される車載用冷間鍛造部品において数十マイクロメートル単位の微細な傷を自動検出することで、品質と生産性の向上に貢献できる外観検査装置「IM-5100」を開発いたしました。
ライフサイエンス分野では、生きたままの細胞を傷つけることなく撮像し3次元構造を観察計測できる光干渉式断層撮像システム「Cell3iMager Estier」を開発いたしました。また、錠剤自動検査・多色印刷を可能にした省スペース設計の次世代インクジェット式錠剤印刷機の開発に取り組みました。
(注) 基礎研究費用は、「セグメント情報」のセグメント利益又は損失の算出にあたり、原則として各報告セグメ ントに配分しております。