第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営理念体系

 

創業の精神

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思考展開

 

 

常に「自社の技術や製品にどう結びつくのか」、「何が不足しているか」を考え、新しい事業や製品の創造に果敢に挑む強い精神

 

企業理念

未来共有

人間形成

技術追求

未来をみつめ社会の期待と信頼に応える

働く喜びを通じて人をつくる

独自技術の追究と技術の融合を推進する

 

経営大綱

SCREENグループが展開する事業のあるべき姿とその実現に向けたグランドデザイン。

 「Innovation for a Sustainable World」のキャッチフレーズのもと、その実現にあたる。

 

CSR憲章・行動規範

 

企業理念にもとづく行動原則を示し、SCREENグループの全役員・従業員が心がけるべき基準を「行動規範」として定めたもの。

 

 

(2)経営方針、経営環境及び対処すべき課題

 当社グループは、2018年3月期~2020年3月期におきまして、「グループの成長と質の向上」を基本コンセプトとした中期3カ年経営計画「Challenge 2019」に取り組んできました。本中期3カ年経営計画におきましては、半導体需要拡大を受け半導体製造装置が売上をけん引し、売上高3,000億円規模の事業基盤を確立することができました。一方で、2年目以降、変動費率の上昇や海外拠点の強化・増産に伴う人件費等の固定費増加などにより収益性は後退し、加えて、キャッシュ・フローの創出にも課題を残す結果となりました。

 これらの課題に加え、社会の課題やニーズの変化にも対応することで、社会的価値と経済的価値を追求すべく、具体的な施策を推進してまいります。社会的価値としましては、国際環境イニシアチブSBT*(Science Based Targets)への参画により環境保護への取り組みを強化するなど、SDGs*(持続可能な開発目標)に即して、ESG*(環境、社会、ガバナンス)経営をさらに推進してまいります。経済的価値としましては、既存事業のさらなる強化を図りながら、収益性と効率性を高めるべく、ROIC指標を導入するなど、継続して経済的価値を創出できる体制を進めてまいります。

 さらに新型コロナウイルス感染症の収束後は、市場環境や社会構造に大きな変化が生まれる可能性が予測される中、当社グループとしましてその変化を捉えた事業ポートフォリオの構築を進めるとともに、社内においてはオペレーションの見直しや社員の新たな働き方の検討を進めてまいります。社会的な課題やニーズを解決する技術、製品、サービスなどを世界中のお客様に提供し、社会の持続的な発展に貢献することで、企業価値の向上を目指してまいります。

 

* SBT  : 産業革命時期からの気温上昇を2℃以内に収めるため、企業に対して「科学的根拠にもとづき各業種ごとに実現すべきCO₂排出量削減の目標を立てて実践する」ことを求める国際イニシアチブ

* SDGs : 全世界が持続可能な発展を維持するために、2015年9月に「国連サミット」で採択された2030年までに達成すべき国際社会共通の目標

* ESG  : 環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもの

 

中期3カ年経営計画「Challenge 2019」(2018年3月期~2020年3月期)の目標と結果

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今後の主要な取り組み

 

1.既存事業における収益性と効率性の追求

  既存事業における収益性と効率性の改善によるキャッシュ・フローの創出(ROIC指標の活用)

 

2.市場環境・ニーズに対応した事業ポートフォリオの構築

  既存事業のすそ野拡大や新規事業創出への継続的なチャレンジ

 

3.ESG経営の推進

  SBT(Science Based Targets)への参画、リスクマネジメントの強化、社員が成長を実感できる企業へ

 

 現在2021年3月期を初年度とする新中期3カ年経営計画の策定を進めておりますが、新型コロナウイルス感染症による影響を考慮する必要があるため、開示が可能になった段階で公表いたします。

 なお、セグメント別の今後の取組みにつきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 a. 経営成績」に記載しております。

(3)ESGに重点をおいたCSR経営の推進

 

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2【事業等のリスク】

 当社グループでは、「SCREENグループリスクマネジメント要綱」および関連規定にもとづいて、SCREENグループ各社でビジネスリスクの洗い出しとその軽減に向けた取り組みを行うとともに、持株会社がグループ全体のリスクマネジメント状況を把握する仕組みを運用しております。さらに、「グループリスク委員会」を設置し、グループ全体に共通するリスクの洗い出しと、重要リスクの特定を行い、リスク管理の方向性を定める取り組みを行っております。

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)外部要因に関するリスク

①政治状況に関するリスク

 当社グループは、現時点では米中貿易摩擦による業績への影響は大きくないものの、中国向け売上の比率が20%を超えることから、今後米中間の関係悪化が進み、中国への製品の出荷が困難になる場合には、当社グループの売上減少により利益等に悪影響をもたらす可能性があります。

 

②為替・金利変動に関するリスク

 当社グループは海外売上高比率が高いため、輸出売上については為替リスクを回避するために積極的に円建て取引を行っておりますが、外貨建てによる取引も存在しております。当社グループは為替予約などによりリスクヘッジを行うことで、為替変動による業績への影響を小さくするよう努力しておりますが、急激な為替変動が起こった場合には、当社グループの利益等に悪影響をもたらす可能性があります。

 また、当連結会計年度末における有利子負債残高はすべて金利を固定しており、金利変動リスクに晒されておりませんが、新たな調達資金については、金利変動の影響を受け、当社グループの利益等に悪影響をもたらす可能性があります。

 

(2)業界動向に関するリスク

①半導体・FPD市場の動向に関するリスク

 半導体・FPD市場は、急速な技術革新により大幅に成長する反面、需給バランスの悪化から市況が低迷するという好不況の波に晒されてきました。このような市場環境の中、当社グループは市況の下降局面においても確実に利益を生み出せるよう、損益分岐点売上高比率の改善に取り組んでいますが、予想を上回って市況が悪化した場合には、当社グループの売上減少により利益等に悪影響をもたらす可能性があります。

 

②技術・製品に関するリスク

 当社グループは、各事業戦略に沿った開発テーマの絞り込みや保有技術のグループ内での共有化、外部の技術資源の効率的活用などにより、開発力の強化・活性化に取り組んでおり、最新の技術を取り入れた製品をタイムリーに市場投入しシェアの拡大を図ることで収益体制の強化を目指しております。しかしながら、開発期間が長期化することにより新製品のリリースに遅れが生じた場合には、当社グループの売上減少により利益等に悪影響をもたらす可能性があります。

 

③特定顧客への取引集中に関するリスク

 当社グループは国内外の主要な半導体メーカーに製造装置を納入しておりますが、この業界では生産能力増強ならびに微細化対応に巨額の投資を必要とすることから一部の大手メーカーへの集約が進んできており、当社グループの売上も特定の顧客に集中する傾向にあります。したがって、これら特定顧客の設備投資動向や特定顧客からの受注動向によっては、当社グループの売上が減少し利益等に悪影響をもたらす可能性があります。

 

(3)公正な取引順守に関するリスク

 当社グループは、企業理念に基づく行動原則、グループの全役員・従業員が心掛けるべき行動規範を定めた「CSR憲章・行動規範」の下、各国の法令や社会規範を順守し、公明正大に良識ある企業活動を展開しています。また、コンプライアンス担当役員を任命し、全グループのコンプライアンス意識の向上や浸透に取り組むとともに、法務・コンプライアンス室が中心となり、国際的なルールや各国法令・規則の順守を推進、各種コンプライアンス教育に取り組んでいます。しかしながら、当社グループの事業活動に関連し、コンプライアンス違反や訴訟、権利侵害に伴う知財紛争等が発生した場合には、当社グループの利益等に悪影響をもたらす可能性があります。

 

(4)事業継続に関するリスク

①災害等に関するリスク

 当社グループの国内生産拠点は京滋地区に集中しており、この地区において大規模な地震等が発生した場合、大きな被害を受ける可能性があります。当社グループでは損失を最小限にとどめ、事業の継続または早期再開を図るため、事業継続マネジメント(BCM)を推進しておりますが、災害等により生産拠点の操業が停止するなどの不測の事態が生じた場合、当社グループの事業継続に悪影響をもたらす可能性があります。

 

②資金調達に関するリスク

 当社グループの借入金に係る契約のうち一部の契約には、各年度の末日の連結純資産および各年度の連結経常損益に関する財務制限条項が付されております。これに抵触し、借入先金融機関の請求があった場合、当該借入金について期限の利益を喪失する可能性があります。この場合、当社グループの社債およびその他の借入金についても連動して期限の利益を喪失する可能性があります。当社グループが借入金等について期限の利益を喪失し、一括返済の義務を負った場合には、当社グループの事業継続に悪影響をもたらす可能性があります。なお、現在、財務制限条項が付されている契約に基づく借入金の残高はありません。

 

③パンデミックに関するリスク

 当社グループは、日本国政府より指定感染症に指定された新型コロナウイルス(COVID-19)による感染症について、取締役社長を本部長とする災害対策本部を当社本社内に立ち上げ、また国内外拠点に現地対策本部を設置し、社員関係者の感染状況の確認をはじめとした情報収集に努め、現在も対応を進めております。

 なお、新型コロナウイルス感染症が業績に与える影響は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 e. 新型コロナウイルス感染症の影響について」に記載しております。

 

④情報セキュリティに関するリスク

 当社グループは、事業遂行に関連して、多数の個人情報や顧客情報、技術情報を有しております。当社グループでは、「SCREENグループIT管理規定」を定め、社内情報システムのセキュリティ強化を図るとともに、グループの全役員・従業員が心がけるべき行動規範を定めた「SCREENグループCSR憲章」を制定し情報管理体制を強化しております。しかしながら、予期せぬ不正アクセス等によりこれらの情報が流出した場合や社内情報システムに障害等が発生した場合には、社会的信用の低下や長期の事業停止等により、当社グループの事業継続に悪影響をもたらす可能性があります。

 

(5)製品の品質と安全に関するリスク

 当社グループでは、品質マネジメントシステムの規格(ISO9001)に基づく品質管理体制を構築し、製品・サービスの品質向上に取り組んでいますが、万一、大規模なリコールや製造物賠償責任につながるような製品の欠陥が発生し顧客に損失をもたらした場合、多額の追加費用の発生や信頼低下により、当社グループの売上、利益等に悪影響をもたらす可能性があります。

 

(6)環境負荷低減に関するリスク

 当社グループは、低環境負荷製品へのニーズの高まりや国際的な環境規制の強化、製品の大型化による作業安全リスクの増大などを受け、安全性と地球環境に配慮した製品を提供するために、「製品によるCO2排出抑制の貢献」「環境適合認定製品の拡大」「製品安全エキスパート養成」「製品法規制への対応」に取り組んでおります。しかしながら、取り組みに遅れが生じ、製品が環境規制等に対応できない場合、当社グループの売上減少により利益等に悪影響をもたらす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題に伴う不透明感の高まりから、企業の設備投資に対する慎重な姿勢が見られるなど、景気の減速感が強まりました。また、期末にかけて、新型コロナウ
イルス感染症の影響により経済活動が大幅に縮小するなど、景気は急速に減速しました。わが国経済におきましても、輸出や生産が弱含むなど、回復の動きに足踏みが見られる中、期末にかけて新型コロナウイルス感染症の影響
により、さらに景気は下押しされ、厳しい状況となりました。

当社グループを取り巻く事業環境は、半導体業界では、5G対応機器などの需要拡大を受け、ファウンドリーやロジックメーカーの先端投資は堅調であったものの、データセンターやスマートフォン向け需要の低迷などを背景にメモリーメーカーの設備投資抑制が継続しました。その結果、全体として前期に比べ設備投資は減少しました。FPD業界では、大型液晶パネル向け投資やスマートフォン用の中小型ディスプレー向け投資に抑制傾向が見られました。

このような状況の中、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a. 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、現金及び預金が増加した一方で、売上債権やたな卸資産が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ、329億5千万円(8.7%)減少し3,479億6千4百万円となりました。

負債合計は、短期借入金が増加した一方で、仕入債務が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ、
279億5千9百万円(13.9%)減少し1,738億2千2百万円となりました。

純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上の一方で、配当金の支払いや保有株式の時価下落に伴う
その他有価証券評価差額金の減少、円高に伴う為替換算調整勘定の減少などにより、前連結会計年度末に比べ、49
億9千1百万円(2.8%)減少し1,741億4千2百万円となりました。

 以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、50.0%となりました。

 

b. 経営成績

当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、売上高は3,232億4千9百万円と前期に比べ、409億8千5百万円(11.3%)減少しました。利益面につきましては、固定費の削減を進めたものの、売上の減少などにより、前期に比べ、営業利益は170億8千3百万円(57.6%)減少の125億6千1百万円、経常利益は176億4千2百万円(60.3%)減少の116億3千6百万円となりました。また、特別損失として、投資有価証券評価損や固定資産に係る減損損失を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は130億4千8百万円(72.3%)減少の50億1千万円となりました。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 

半導体製造装置事業:SPE)

半導体製造装置事業では、前期に比べ、ファウンドリー、ロジックおよび画像素子向けの売上は増加したものの、メモリー向けの売上が減少しました。地域別では、台湾向けや北米向けの売上は増加しましたが、中国向けや
韓国向けの売上が減少しました。その結果、当セグメントの売上高は2,305億1百万円(前期比8.7%減)となりました。営業利益は、売上の減少などにより、161億3千5百万円(前期比37.6%減)となりました。

 

(グラフィックアーツ機器事業:GA)

グラフィックアーツ機器事業では、インクなどのポストセールスの売上は堅調であったものの、CTP装置やPOD装置の売上が減少したことから、当セグメントの売上高は、455億5千3百万円(前期比5.5%減)となりまし
た。営業利益は、売上は減少したものの、固定費の削減などにより、14億4千9百万円(前期比27.2%増)となりました。

 

(ディスプレー製造装置および成膜装置事業:FT)

ディスプレー製造装置および成膜装置事業では、大型パネル用製造装置の売上は増加したものの、中小型パネル用製造装置の売上が減少したことなどから、当セグメントの売上高は351億7千9百万円(前期比28.6%減)となり
ました。利益面では、売上の減少や変動費率の上昇などにより、25億6千9百万円の営業損失(前期は37億7千4百万円の営業利益)となりました。

 

(プリント基板関連機器事業:PE)

プリント基板関連機器事業では、直接描画装置の売上が減少したことなどから、当セグメントの売上高は100億5千4百万円(前期比18.6%減)となりました。利益面では、売上の減少などにより、2億5千8百万円の営業損失(前
期は7億7千万円の営業利益)となりました。

 

(その他事業)

その他事業の外部顧客への売上高は20億7百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ45億9千7百万円増加し355億1千9百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の減少やたな卸資産の減少、減価償却費、税金等調整前当期純利益などの収入項目が、仕入債務の減少などの支出項目を上回ったことから、118億1千1百万円の収入(前期は375
億3千4百万円の支出)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、研究開発設備等の有形固定資産を取得したことなどにより112億9千3百万円の支出(前期は190億2千万円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いの一方で、短期借入金による資金調達を行ったことなどから、49億2千7百万円の収入(前期は367億6千万円の収入)となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

170,049

△21.7

GA

16,609

△27.0

FT

27,522

△24.0

PE

3,159

△13.0

その他事業

△100.0

合計

217,340

△22.4

(注)1 金額は販売予定価格によっております。

   2 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

230,330

+1.7

84,129

△0.2

GA

46,599

△1.8

5,390

+24.1

FT

41,568

+28.9

49,183

+14.9

PE

10,674

+10.0

1,364

+83.3

合計

329,172

+4.2

140,068

+6.0

(注)上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

230,501

△8.7

GA

45,553

△5.5

FT

35,179

△28.6

PE

10,054

△18.6

その他事業・調整額

1,961

+3.0

合計

323,249

△11.3

(注)1 各セグメントの金額には、セグメント間取引を含んでおります。

     2 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の

       とおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd.

40,593

11.1

57,717

17.9

Intel Corporation

30,132

8.3

34,218

10.6

3 上記金額には消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績

(売上高)

当連結会計年度における当社グループの売上高は3,232億4千9百万円と前連結会計年度に比べ、409億8千5百万円(11.3%)減少しました。

 

(営業利益)

固定費の削減を進めたものの、売上の減少などにより、営業利益は前連結会計年度に比べ、170億8千3百万円(57.6%)減少の125億6千1百万円となりました。

 

(経常利益)

営業外損益は、営業外費用において固定資産除却損が減少したものの、営業外収益において固定資産売却益が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ5億5千9百万円悪化しました。

以上の結果、経常利益は176億4千2百万円(60.3%)減少の116億3千6百万円となりました。

 

(税金等調整前当期純利益)

特別損失に投資有価証券評価損や固定資産に係る減損損失を計上したことなどから、特別損益は前連結会計年度に比べ15億8百万円悪化しました。

以上の結果、税金等調整前当期純利益は191億5千1百万円(69.1%)減少の85億7千9百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

法人税等合計は、税金等調整前当期純利益が減少したことなどから、前連結会計年度より60億8千1百万円減少し、35億9千5百万円となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、130億4千8百万円(72.3%)減少の50億1千万円となりました。

 

 セグメント別の経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は以下のとおりであります。

 

(半導体製造装置事業:SPE)

半導体製造装置事業では、2020年3月期は、ファウンドリーやロジックメーカーの投資は堅調であったものの、メモリーメーカーの投資が減少したことにより売上が減少しました。利益面では、変動費率の改善などに取り組んでまいりましたが、売上の減少などにより前期比で減益となりました。

事業環境としては、5GやIoT、サーバー向けなどの需要拡大を背景に、ファウンドリーやロジックでは高水準の投資が続いており、投資が抑制されていたメモリーについても年後半以降に回復すると見込んでおります。

このような環境の中、SPE事業としては、利益率とキャッシュ・フローの改善が大きな課題と認識しております。利益改善の施策としては、海外調達の拡大も含めたサプライヤーの見直しなどによる仕入れコストの低減や、最新の半導体製造装置工場「S3-3(エス・キューブ スリー)」の稼働率向上による生産性の改善を図ってまいります。また、ROICの考え方を取り入れることで設備投資や研究開発投資予定を精査し、投資効率を上げてまいります。

半導体業界では環境負荷軽減や安全への取組みが重視されています。当社としても省エネコンセプトの装置開発を通じて、自社はもとよりお客様先での消費電力削減や水の消費量低減などに貢献してまいります。

 

(グラフィックアーツ機器事業:GA)

グラフィックアーツ機器事業では、2020年3月期は、POD装置の売上の回復が見られたものの、新型コロナウイルス感染症の影響もあり前期比で減収となりました。一方で、インク関連の売上が伸長し、「循環型ビジネス(ポストセールス)」の対売上高比率を40%以上に高めることができたことは大きな成果と考えております。

大量印刷の需要が減少する中、CTP装置の減少が想定より加速し、多品種小ロットへの対応が可能なPOD装置へのシフトが起きています。中でも、持続的な需要が見込めるパッケージ印刷が有望で、ここにリソースを投入してPODビジネスを伸長させたいと考えております。

2021年3月期より、印刷機にさまざまな工程を連携させ、新たな付加価値を創出することを狙い「サービス&ソリューション統轄部」を新設いたしました。お客様の多彩な製品と我々のハードウエアとの連携を強め、機器の稼働率向上や魅力的なソリューションの実現を重点施策として進めてまいります。また、「循環型ビジネス」のさらなる拡大にも努め、対売上高比率50%を目指してまいります。

(ディスプレー製造装置および成膜装置事業:FT)

ディスプレー製造装置および成膜装置事業では、2020年3月期は、比較的収益性の高い案件が翌期へスライドしたことに加え、採算性の悪い第10.5世代の液晶パネル製造装置の売上比率が高かったことやリチウムイオン電池向け塗工乾燥装置を中心とする新規事業の売上比率が上がったことにより前期比で減収減益となりました。

ディスプレー市場は、液晶テレビ向けの投資は縮小してきており、今後は有機EL(以下、OLED)テレビに向かうと想定されます。当社が優先すべき課題は、OLED用製造装置のコストダウンであり、中国の常熟市に設立した工場の活用による製造コスト削減に加え、調達から設計・組立・検査の全工程でコストダウン比率を割り付ける取り組みや品質マネジメントシステム(QMS)の再構築によるものづくりの変革も進めてまいります。

 

(プリント基板関連機器事業:PE)

プリント基板関連機器事業では、2020年3月期は、車載向けの需要は堅調であったものの、スマートフォン関連投資の停滞により装置売上が低迷し、売上、利益ともに前期を下回る結果となりました。

2021年3月期は5G関連の端末や基地局のサーバー向け投資が活発化することが想定されますが、課題は業界での当社のプレゼンス向上と認識しております。そのため、特長ある製品の開発を行うことに加え、お客様へソリューションを提供していくことが重要と考えております。今後高度化するプリント基板製造において、お客様から要求される高解像、高精度のパターニングを実現するための新製品を投入し、売上の拡大を目指すとともに、グループ内で培ったノウハウを付加したホストオンラインシステムサービスを提案するなど、お客様の製造管理面でも業界を主導していきたいと考えております。

 

b. 財政状態

財政状態の分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

c. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、2018年3月期~2020年3月期におきまして、中期3カ年経営計画「Challenge 2019」に取り組みました。なお、中期3カ年経営計画の進捗状況および指標の達成状況につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営方針、経営環境及び対処すべき課題)」に記載のとおりであります。

 

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当連結会計年度におきまして、当社は、短期借入金120億円(純額)を調達し、運転資金に充当いたしました。また、将来の資金安定確保を目的として、総額300億円のコミットメントライン契約を複数の金融機関との間で締結しております。

なお、新型コロナウイルス感染症により先行きが不透明な中、当面はキャッシュアウトを抑えつつ、厚めの手元流動性を維持する方針としており、未使用の上記コミットメントライン300億円に加え、影響の長期化に備えた追加の300億円のコミットメントライン契約を2020年6月11日に取引銀行と締結いたしました。

主な資金使途としまして、配当政策につきましては「第4 提出会社の状況 3 配当政策」、設備投資計画につきましては「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。

 

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成において採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

また、連結財務諸表の作成にあたって、会計上の見積りを必要とする項目については、過去の実績や当該事象の状況を勘案して、合理的と考えられる方法に基づき見積りおよび判断をしております。ただし、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目は、以下のとおりであります。

 

a. たな卸資産の評価について

 たな卸資産については、原則として、正味売却価額が取得原価を下回った場合に評価損を計上しておりますが、製造開始から一定期間を経過した在庫のうち将来の販売可能性が不確実な在庫については、営業循環過程から外れた滞留在庫として収益性の低下の事実を反映するように、転用可能性を加味した処分見込価額まで帳簿価額を切り下げる方法を採用しております。なお、直近の営業活動の状況を踏まえ、正味売却価額の見積りを行うとともに、滞留在庫については販売可能性および転用可能性を検討しておりますが、当社グループが事業を行っている半導体業界は需要の変動が激しく、これらの見直しが必要になった場合、翌年度以降のたな卸資産評価損計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

b. 繰延税金資産の回収可能性について

 当社グループは、将来減算一時差異および税務上の繰越欠損金に対して、将来の課税所得を合理的に見積もった上で回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上しております。当該見積りについて、将来の不確実な経済状況の変動等により見直しが必要となった場合、翌年度以降において認識する繰延税金資産および法人税等調整額の計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

c. 固定資産の減損について

 減損会計の適用にあたり、当社グループは原則、各社を1グループ単位としてグルーピングを行っております。また、事業の用に供していない遊休資産については、個別物件単位でグルーピングを行っております。当資産グループの回収可能価額は、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額などの前提条件に基づいて測定しておりますが、今後の地価の動向や事業の将来の業績によっては、翌年度以降に減損損失が発生する可能性があります。

 

d. 退職給付債務について

 当社グループの退職給付費用および債務は、割引率など数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。この前提条件や年金資産の長期期待運用収益率が実際の結果と異なる場合、または変更された場合、翌年度以降において認識する退職給付費用および債務に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

e. 新型コロナウイルス感染症の影響について

 新型コロナウイルス感染症の財務諸表への影響については、現時点で今後の経済全体への波及や収束時期等を合理的に予想することは困難ですが、当社の主力事業である半導体製造装置事業においては、装置の生産・出荷は安定的に行えており、装置の据付、調整についても可能な限り各国の現地要員で対応していることから、軽微であると見込んでおります。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の流行が深刻化、長期化し、装置の生産や据付等の遅延が拡大した場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。

 

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループでは、株式会社SCREENホールディングスとグループ会社が密接に連携し、表面処理技術、直接描画技術、画像処理技術のコア技術を融合・展開させることで、基礎研究から商品開発に至るまで積極的な研究開発活動に取り組んでおります。

 当連結会計年度は、半導体製造装置事業を中心とした既存事業の拡大・強化に向けた開発投資を行うとともに、エネルギー、検査計測、ライフサイエンスの各分野においても研究開発活動を積極的に推進し、215億2千5百万円の研究開発費を投入いたしました。

 なお、当社グループの主な研究開発成果は次のとおりであります。

 半導体製造装置事業では、最先端の半導体プロセスに関して、海外研究機関との共同開発を引き続き行いました。また、デバイスの先端化に伴う構造・材料変化に対する洗浄および乾燥技術の開発、IOT・AI技術の装置への展開に向けた研究およびシステム開発等に取り組みました。そのほか、メモリー、ロジック、ファウンドリーなどさまざまな顧客に応じた次世代プロセスに向けた開発や、ウエハー洗浄装置、コーターデベロッパー、熱処理装置、直接描画装置などのさらなる安定性・生産性・経済性の向上に取り組みました。

 グラフィックアーツ機器事業では、年々増加を続けるラベル・シール業界に向けて、より豊かな色表現を可能にするラベル印刷機「Truepress Jet L350UV SAI」を開発いたしました。また、高速連帳インクジェット印刷機「Truepress Jet520HDシリーズ」において、従来機よりも乾燥性能を向上させた「Truepress Jet520HD AD」を開発いたしました。そのほか、欧州企業と段ボール業界向けの高速インライン型デジタル印刷ソリューションの共同開発に引き続き取り組みました。

 ディスプレー製造装置および成膜装置事業では、液晶やOLEDといったディスプレー製造装置や、リチウムイオン2次電池、燃料電池向けの製造装置の性能向上に向けた開発を継続いたしました。

 プリント基板関連機器事業では、露光装置Lediaシリーズ、検査装置MIYABIシリーズなどの性能向上に向けた開発を継続いたしました。

 上記セグメント以外では、基礎研究や新規事業領域の研究開発に取り組みました。ライフサイエンス分野において、臓器灌流移植に用いる「灌流移植用カニューレ」および、移植時における臓器の温度上昇を抑制する「遮熱バッグ」について、大学と共同で開発いたしました。

 

当連結会計年度におけるセグメントごとの研究開発費は次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

SPE

12,673

GA

3,227

FT

1,166

PE

910

上記セグメント以外

3,547

合計

21,525