第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであ

ります。

 

(1)企業理念

 

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存在意義「人と技術をつなぎ、未来をひらく」に込めた思い

 「人」は、社員だけでなく、すべてのステークホルダーの皆さまを広く包含しています。「技術」は、これまで培ってきた独自の技術を中心に、他社技術とも積極的に融合し進化を続けてきたSCREENグループの技術の全体を指しています。また、蓄積してきたノウハウも技術の一つと捉えています。これら人と人、技術と技術、さらには人と技術を接続し新たな価値を創造するとともに、創業以来積み重ねてきた有形・無形の財産を未来へと伝承することも「つなぐ」に込めています。「未来をひらく」には、社会課題の解決を通じて、持続可能な未来への扉を開くことと、社会の発展へ挑み、未来への道を切り拓くという2つの意味を込めています。

 創業の精神である「思考展開」は、SCREENグループの創業155年歴史の中で人と技術を育み続ける礎、精神的支えとなった言葉として、将来にわたってもグループの存在意義の重要なベースを成します。

 

(2)企業理念の改定について

 近年、DXを意識した産業構造の変化が急速に進むとともに、環境面では、GXが注目されるなどエネルギー政策転換への検討が進んでいます。また、先進国では生産年齢人口が減少し、少子高齢化社会を迎えるなど、社会が直面するさまざまな課題に対し、企業としてイノベーションを起こし、解決に向けたソリューションを創出することが求められています。

 これらを実現しさらなる成長を図るには、私たちが何のために存在するのかという企業としての存在意義に立ち返り、社内外の誰もが共感し、共に歩んでいける共通の考え方が必要と考え、新たに存在意義を基軸とした企業理念に改定することとしました。

 当社は今後も、新しい価値を提供するソリューションクリエーター*として改定した企業理念をグループ全従業員に浸透させ、すべてのステークホルダーからの信頼と共感が得られるよう、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

*「ソリューションクリエーター」とは、社会的な課題・ニーズを解決する技術、製品、サービスなどを世界中のお客さまに提供し、社会の発展に寄与することによって、企業価値を高める企業体のことを指します。

 

(3)経営方針、経営環境及び対処すべき課題

 当社グループは「ソリューションクリエーター」として、社会的な課題・ニーズを解決する技術、製品、サービスなどを世界中のお客さまに提供し、社会の発展に寄与することによって、「Sustainable Value(社会的価値)」と「経済的価値」からなる「SCREEN Value(企業価値)」向上を目指し、持続的な利益創出や株主還元などを推進してまいります。

 

 当期(2023年3月期)の結果

 中期経営計画「Value Up 2023」(2021年3月期~2024年3月期)の3年目となる当期は、売上高4,608億円、営業利益率16.6%となり、計画当初に掲げた経済的価値の最終年度目標をすべて一年前倒しで達成し、株式会社日本格付研究所による「長期発行体格付」がA(見通し:安定的)に格上げとなりました。また、持続可能な社会の実現と社会的価値の向上を目指す中期計画「Sustainable Value 2023」については、2050年カーボンニュートラルを宣言し、TCFDに準拠したリスクシナリオの分析と情報開示を継続的に推進しました。また、リスクマネジメント運用における事業会社との連携強化による実効性の向上に取り組み、「健康経営優良法人2023~ホワイト500~」にも認定されました。

 

 次期(2024年3月期)の計画

 中期経営計画の最終年度となる2024年3月期は、「Sustainable Value(社会的価値)」と「2022年7月に上方修正した経済的価値」の最終年度目標を達成し、さらにワンランク上の企業となるべく、以下の経営課題に取り組んでまいります。

 

 (経営課題)

 1)企業理念の再構築と浸透

 2)事業の市場競争力の強化

 3)ROICと連動したゲンバKPI*の細分化

 4)ポートフォリオマネジメントと、イノベーションマネジメントの実運用

 5)人事領域のリクルート戦略の見直しと、ソリューションクリエーター施策の強化

 6)Sustainable Value 2023の未達項目への取り組み

 7)リスクマネジメントの実運用

 

* ゲンバKPI:ROICを分解し現場で管理できる形にした指標

 

 

 中期経営計画「Value Up 2023」の進捗状況

 中期経営計画「Value Up 2023」(2021年3月期~2024年3月期)の内容、および3年目の進捗状況は、次のとおりであります。

 

1.基本コンセプト

 「ソリューションクリエーターとしての業界でのプレゼンス確立」

 

2.主たる取り組み成果

 ①イノベーションの創出と持続的成長サイクルによる企業価値向上

a.半導体製造装置事業のマーケット競争力強化に向けた取り組みを強化

 技術開発を加速させるため、ベルギー・imecと共同開発契約を締結

 米国IBM社と次世代洗浄プロセスの共同開発契約を締結

 世界最高レベルの生産性と高い処理性能をもつ枚葉式洗浄装置「SU-3400」を発売

 

b.半導体製造装置の生産体制強化

 彦根事業所内で新工場「S³(エス・キューブ)-4」の操業を開始

 「S³(エス・キューブ)-5」の建設ならびに国内グループ会社3社への能力増強投資に着手

 

c.新規事業の創出へチャレンジ継続(ライフサイエンス、エネルギー、AI)

 ライフサイエンス事業の強化のため、株式会社AFIテクノロジーを子会社化

 水素エネルギー事業の強化のため、水素関連事業室の設置を決定(2023年4月1日新設)

 AI技術を活用した製造プロセス全体の高度化等に向け、株式会社Laboro.AIへ追加出資

 

 ②収益性と効率性を追求し、利益に見合うキャッシュを創出

a.DXによる経営指標の見える化を通じて、各事業の収益性・効率性の継続的な分析と改善活動を展開し、ROIC経営をさらに推進

 

b.「売上高成長率」「ROIC」の2軸による事業ポートフォリオマネジメントの全社展開により、持続的な成長を推進

 

c.営業キャッシュ・フロー(3年間の累計額)は、収益性・効率性の向上で2,128億円と営業利益の累計額を上回る水準であり、ネットキャッシュも大幅に増加

 

 ③サステナブル企業に向けたESGへの取り組み

 持続可能な社会の実現と社会的価値の向上を目指す中期計画「Sustainable Value 2023」を展開中。

   E(環境)    : 気候変動に対する取り組みと環境経営の実現

   S(社会)    : 働きがいのある職場の実現と社会的価値の創造

   G(ガバナンス) : リスクに強いガバナンス体制と組織づくり

 

3.経済的価値の目標と実績

 中期経営計画「Value Up 2023」における経済的価値の目標と実績は、以下のとおりとなります。

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*上記5項目の数値目標はオーガニック・グロースを前提としております。

 

4.社会的価値向上への取り組み状況

 中期経営計画「Value Up 2023」における社会的価値向上への取り組み状況は、次頁以降の「ESGに重点をおいたサステナブル経営の推進」をご覧ください。

 

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(4)セグメント別の取り組み

 中期経営計画「Value Up 2023」(2021年3月期~2024年3月期)の目標達成に向けた、セグメント別の取り組みは次のとおりです。

 

(半導体製造装置事業:SPE)

セグメント戦略

・洗浄装置マーケットシェア向上

・収益構造改革の継続

・ポストセールス強化

・サプライチェーンマネジメントの強化によるCCC*の改善

*キャッシュコンバージョンサイクル

 

 事業環境としては、パソコン、スマートフォンを中心とした消費財の需要減速や、データセンター向け投資の減少を受け、半導体前工程製造装置の市場は、2023年は前年比20%程度減少する見通しであります。アプリケーション別には、メモリー向けの投資減速が顕著で、回復タイミングを注視しています。一方で、当社が得意とするファウンドリーやロジックでは、投資する技術ノードを柔軟に調整しつつ、最先端の開発投資は継続、加えてレガシー(成熟)ノードへの投資は活発に行われる見込みであります。また、環境意識の高まりによって、電力消費を適切に管理するパワーデバイス向け需要は底堅く、欧州を中心に、日本・アジア・北米でも堅調に推移しております。

 このような環境の中、2023年1月に稼働した新工場S³(エス・キューブ)-4による生産増強を行うことで、多様なソリューションの提供と供給責任を果たし、過去最高業績を目指してまいります。また、新たな工場S³(エス・キューブ)-5を2024年1月に完成させ、来るべき次の市場成長、旺盛な半導体需要に応えてまいります。

 

(グラフィックアーツ機器事業:GA)

セグメント戦略

・商業印刷、パッケージ市場(軟包装など)向けインクジェット製品の拡充

・リカーリングビジネスの強化

 

 事業環境としては、米国を中心に多品種小ロットタイプのインクジェットデジタル印刷機であるPOD装置の需要が回復しております。

 このような環境の中、2022年5月末に英国子会社を譲渡し、PODを中核事業と置く商業印刷、パッケージ印刷へリソースの集中を図っております。部材不足や価格上昇などの供給面の制約影響はあるものの、コスト抑制を図りつつ、POD装置群の拡充・拡販に注力するとともに、インク販売を中心とするリカーリングビジネスの一層の拡大を目指してまいります。

 

(ディスプレー製造装置および成膜装置事業:FT)

セグメント戦略

・大型OLED向け装置の開発

 

 事業環境としては、ディスプレー業界は、足元では高精細のTV用液晶向け投資や、来年に向けては大型サイズのOLED向け投資の需要回復の兆しが見られるものの、2024年3月期も厳しい状況が続くと予想されます。

 これまでFTでは、製品ポートフォリオの入れ替えを進めるべく、次世代ディスプレー製造装置の開発に加え、来るべき脱炭素社会に向け、エネルギー分野において水素関連事業を育成してまいりましたが、同事業の開発については、2024年3月期よりインキュベーションとして株式会社SCREENホールディングスに移管いたしました。

 FTでは、ディスプレー事業にリソースを集中し、次世代製品の開発、収益性の改善に注力してまいります。

 

(プリント基板関連機器事業:PE)

セグメント戦略

・既存装置群のシェア向上

・新製品開発に取り組み、上市する

 

 事業環境としては、半導体市況の低迷を受け、プリント基板関連機器の需要に一服感がありますが、半導体市況の回復時期が来れば、さらなる成長が期待されます。

 このような環境の中、主力の直接描画装置(露光機)を中心に、新機種投入のための開発を続け、市況回復時の事業規模の拡大に備えております。また、収益性向上に寄与するポストセールス売上は安定的に推移しており、今後も継続的な伸長を図ってまいります。

 

 上記における将来数値は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績などは様々な要因により大きく異なる可能性があります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組は、次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであ

ります。

 

(1) サステナビリティ全般のガバナンスおよびリスク管理

 当社グループは、未来を見つめ、持続可能な社会の実現に貢献することが使命であると考え、経済的価値とともに「Sustainable Value(社会的価値)」の向上を目指し、社会の持続的な発展に貢献する存在となることを掲げています。また、社会的価値向上の中期計画「Sustainable Value 2023」を策定し、そのロードマップに沿った活動を展開しています。

 

Sustainable Value(社会的価値)向上に対する取り組み

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<ガバナンス>

 「Sustainable Value 2023」でESGそれぞれにおける課題を設定し、「グループリスク委員会」「CSR委員会」「グループEHS委員会」という3つのグループ委員会、および特定の課題や問題点について専門的に取り扱う傘下の分科会を通じて、実効性をもって「Sustainable Value 2023」を推進しています。グループ委員会には、対象となるSCREENグループ各社の責任者が参加し、情報共有と連携を図り、グループ横断的な取り組みを行っています。

 

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<リスク管理>

 SCREENグループの企業価値にマイナスの影響を及ぼす恐れのあるリスクを軽減するため、当社代表取締役 取締役社長を最高責任者とし、各グループ会社の社長等を各社のリスクマネジメント責任者とする全社横断的なリスクマネジメント体制としてグループリスク委員会を設置し、原則年2回開催しています。この委員会で議論されたリスク管理状況と必要な対策については、取締役会に報告しています。

 リスク管理の詳細は、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(2) 気候変動

 当社グループは、2020年4月に「Science Based Targets イニシアチブ(SBTi)」の認定を取得し、CO₂排出削減の取り組みを進めており、2021年12月には「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」による提言への賛同を表明しました。TCFD 提言に準じた情報開示を積極的に進め、2050年のカーボンニュートラル社会の実現を見据えた気候変動への取り組みを一層推進していきます。

 なお、気候変動関連の情報開示に際しては、外部専門家を交えたTCFDプロジェクトを立ち上げ、主要事業に対するシナリオ分析およびリスクと機会の再評価を進めています。2022年3月期は半導体製造装置事業、2023年3月期はディスプレー製造装置および成膜装置事業 とグラフィックアーツ機器事業の2事業を対象に、プロジェクトを展開しました。TCFD提言に関する取り組みの詳細は、ウェブサイトを参照ください。

(https://www.screen.co.jp/sustainability/environment/tcfd)

 

<ガバナンス>

 気候関連のリスクと機会については、当社代表取締役 取締役社長を最高責任者とする「グループリスク委員会」および「CSR委員会」で、リスク管理の方向性の策定や取り組みの進捗管理などを行っています。それぞれの委員会は半期に1回以上開催され、その場での決議内容は取締役会に報告されます。

 2023年3月期においては、気候変動関連では「TCFD対応プロジェクト」、「SBT目標の1.5℃対応への見直し・2050年カーボンニュートラル宣言」などを、経営会議および取締役会に報告しました。

 

<戦略>

 2022年3月期の半導体製造装置事業に続き、2023年3月期はディスプレー製造装置および成膜装置事業とグラフィックアーツ機器事業の2事業を対象に、気候関連の移行リスク・物理リスクを評価し、重要なリスクを特定。地球温暖化対策が進まない現状維持のシナリオである3℃シナリオと、地球温暖化対策が進む1.5℃シナリオを使用して、シナリオ分析を実施しました。気候関連の事業機会についても特定しています。

 中核事業である半導体製造装置事業においては、気候変動への意識の高まりから、製品稼働に伴う消費電力やCO₂排出量などに顧客の関心が集まっており、環境インパクトがより少ない半導体製造装置への要求が、今後ますます高まることが想定されます。また、特に地球温暖化対策が進む場合には、デジタル化社会とグリーン社会への投資ニーズから、関連する製品やサービスの需要が増加することが想定されます。

 このような想定のもと、当社グループでは、事業所のCO₂排出量の削減に加え、製品稼働時のCO₂排出量削減に取り組んでおり、エネルギー消費、水および薬液消費量のより少ない半導体製造装置や、省エネ化に貢献する先端半導体の製造を実現する半導体製造装置のニーズに応えるべく、研究開発に注力しています。当社グループ単独での取り組みに加えて、環境対応開発を一層加速させるため、業界他社や業界団体とも協働しています。

 

<リスク管理>

 2022年3月期に実施した半導体製造装置事業に続き、2023年3月期は、TCFDプロジェクト活動において、ディスプレー製造装置および成膜装置事業、グラフィックアーツ機器事業を対象に分析を行い、バリューチェーンにおける気候関連のリスクと機会を網羅的に抽出しました。各々のリスクと機会について、影響の大きさと発生可能性のマトリックスで評価し、事業にとって重要な気候関連のリスクと機会を特定するとともに、各事業における評価を基に、当社グループにおける重要な気候関連のリスクと機会も特定しました。

 重要と評価された気候関連のリスクと機会については、全社横断的なリスクマネジメント体制である「グループリスク委員会」でリスク管理を行い、取締役会による監督体制の下、当社グループにおける企業リスクの一つとして戦略に反映し対応します。

 

<指標及び目標>

 当社グループは、CO₂排出削減を行い、事業を通じて脱炭素社会の実現に貢献することが、気候関連リスクの低減と機会の増大につながると考えます。事業活動によるCO₂排出量(Scope1+Scope2)に加え、特に排出量が大きく顧客の関心も高い、販売した製品の使用によるCO₂排出量(Scope3 Cat.11)の削減に取り組んでいます。

 当社グループのCO₂排出量の削減目標と実績、および削減に向けた取り組みの詳細は、ウェブサイトを参照ください。(https://www.screen.co.jp/sustainability/environment/climate_change)

 

(3)人的資本多様性

 SCREENグループは、製品や技術開発を通じて社会課題の解決を図りながら、社会の持続的発展の一翼を担う企業体を目指しています。これを実現するため、中期経営計画「Value Up 2023」においては、「Sustainable Value(社会的価値)」と「経済的価値」の両輪から成る「SCREEN Value(企業価値)」の向上に努めてきました。デジタル化の進展・脱炭素化・働き方の変化・生産年齢人口減少などの環境変化に対応し、当社が「SCREEN Value」を発揮するためには、企業体・社員個人の双方が「ソリューションクリエーター」となることが必要です。経営戦略と連動した人事戦略を策定・実行していく中で、「ソリューションクリエーター」の形成を当社の重要施策と置き、人的資本の強化を進めていきます。

 人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針は以下のとおりであります。

<戦略>

①ソリューションクリエーターを生み出す人財戦略(人材育成方針)

 企業理念のもと10年後のありたい姿とSCREEN Valueを高めるための経営基本方針として「経営大綱」を定めています。2030年のビジョンとして「ひたむきな探求心と柔軟な発想を持って社会課題に立ち向かい、社会の持続的な発展に寄与する技術、製品、サービスなどの「新しい価値(CSV)」を事業を通じて世界中のお客様に提供する企業体および人」をソリューションクリエーターとし、各組織や社員一人ひとりが体現していくことを明記しています。その経営戦略を実現するべく、人材の「獲得」「育成」「リテンション」のサイクルを経て、あるべきグローバル人財ポートフォリオの実現を目指す人財戦略を立案しています。必要な人材、能力やスキルを特定し、組織の活性化と個人の成長による人材強化を行うことで、経営の持続的な成長を支えていきます。

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②人材育成の強化(社内環境整備方針)

 当社では、人材育成コンセプト・求める人材像・人材育成プラン基本方針を定め、「SCREEN BUSINESS SCHOOL」として教育・研修を体系化しています。プログラムを通して社員の成長を支援し、すべての階層における人材育成に取り組んでいます。例えば、ビジネススキルを学ぶ「SKIP(SCREEN’s Key learning for Innovative Process)」では、クリティカルシンキングやコーチングなど、ソリューションクリエーターとして必要とされる研修を実施しています。人財戦略と連動し、既存の概念にとらわれず、社会状況の変化を取り込みながら、プログラムの新設・改修を計画的に進めています。その結果、2023年3月期には延べ約2,400名が受講しています。

 

SCREEN BUSINESS SCHOOL

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施策の例

施策の例

目的

概要

技術者育成委員会

開発・技術分野の知見の向上

プロジェクトマネージャーの育成講座の開講

ビジネスリーダー

養成コース

次世代経営人材の育成

対象:管理職

約1年間のプログラムを17期実施。経営人材を輩出。

Jr.ビジネスリーダー

養成コース

次世代経営人材の育成

対象:管理職に登用される前の人材

約1年間のプログラムを6期実施。将来の経営者として自ら道を創り進む力を育成。

経営力伝承塾

経営経験者の成功や失敗の実体験を基に、経営判断の背景や実践的なノウハウを伝承

初年度である2022年は全社横断で開催。2回36名が参加。会長である垣内が講師を務める。本年度も数回実施予定。

新任リーダー層

キャリア研修

自律的なキャリア開発

新任リーダーのキャリア自律の意識醸成とその上司が自律性を引き出せるよう支援

公開講座

会社別、部門別の育成ニーズに対応

社内の講座以外に目的に資するものがあれば数百種類の講座から選択できる異業種交流型研修への参加が可能

 

 

③全社サーベイの実施

 2023年3月期に国内主要7社の約2,500名の社員を対象として、SCREENグループで働くことに対する満足度やソリューションクリエーターとしての意識などを明らかにすることを目的に、全社サーベイを実施しました。全社サーベイは、目指すべき姿と現状とのギャップを社員自らが把握できる「個人サーベイ」と、社員の生の声を聴く「組織サーベイ」で構成し、個人と組織の両面から課題を特定することを目指しました。サーベイの結果を踏まえ、主体的な能力開発、上長の支援強化、および各種制度の見直しなどの人材育成施策の強化を通じて、挑戦する企業風土の醸成を進めるとともに、継続的にソリューションクリエーターを育成してまいります。また、今後、エンゲージメント(従業員の満足度)に関する指標および目標の設定を行い、社員一人ひとりのエンゲージメント向上を図ってまいります。

 

<指標及び目標>

教育・研修費用の実績

項目

2021年3月期 実績

2022年3月期 実績

2023年3月期 実績

教育研修費用

0.7億円

1.3億円

2.0億円

1人当たりの研修費用

28,000円

53,000円

82,000円

※持株会社(提出会社)・事業会社・機能会社の7社の合計を記載しております。

事業会社:

株式会社SCREENセミコンダクターソリューションズ

株式会社SCREENグラフィックソリューションズ

株式会社SCREENファインテックソリューションズ

株式会社SCREEN PE ソリューションズ

株式会社SCREENアドバンストシステムソリューションズ

機能会社:

株式会社SCREEN IP ソリューションズ

※今後エンゲージメントに関する指標を目標化し、施策を進める予定です。

※2030年度には7社の管理職に占める女性の割合6%を目指し、女性の管理職登用を推進していきます。管理職に占める女性労働者の割合の実績については、「第1 企業の概況 5 従業員の状況」に記載のとおりであります。

 

 

3【事業等のリスク】

 当社グループでは、「SCREENグループリスクマネジメント要綱」および関連規定にもとづいて、ビジネスリスクの洗い出しとその軽減に向けた取り組みを行うとともに、持株会社(HD)がグループ全体のリスクマネジメント状況を把握する仕組みを運用しております。

 

<リスクマネジメント推進体制>

 SCREENグループの企業価値にマイナスの影響を及ぼす恐れのあるリスクを軽減するため、当社代表取締役 取締役社長を最高責任者とし、各グループ会社の社長等を各社のリスクマネジメント責任者とする全社横断的なリスクマネジメント体制を確立しています。

 具体的には、「グループリスク委員会」を設置し、企業価値毀損の未然防止・最小化の視点から、SCREENグループ全体に内在するリスクとその状態を把握し、年度ごとの経営環境の変化に応じたグループ重要リスクの特定により、リスク管理の方向性を定め、顕在化の予防に取り組んでいます。3つのディフェンスライン(事業会社系グループ会社等を第1ディフェンスライン、HDの管理部門と機能会社を第2ディフェンスライン、内部監査部門を第3ディフェンスライン)の考え方で、個々のリスク管理の担当と役割を定め、現場と経営層がリスク情報を共有するガバナンス体制を構築しています。また、グループリスクリストの中から特に影響が大きい(または大きくなる可能性の高い)リスクをグループリスク委員会にて協議の上、当期のグループ重要リスクとして選定し、HDの取締役会の決議を得て決定します。

 

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<事業等のリスク>

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)外部要因に関するリスク

①政治状況に関するリスク

 当社グループは、現時点では米中貿易摩擦による業績への影響は大きくないものの、中国向け売上の比率が20%を超えることから、今後米中間の関係悪化が進み、中国への製品の出荷が困難になる場合には、当社グループの売上減少により利益等に悪影響をもたらす可能性があります。

 また、ロシア・ウクライナ情勢に起因した国際情勢における緊迫感の高まり、長期化による世界的な景気の後退およびそれに伴う需要の縮小が生じた場合には、当社グループによる当該地域向けの取引は僅少なものの、間接的な影響による当社グループの売上減少により利益等に悪影響をもたらす可能性があります。

 

 

②為替・金利変動に関するリスク

 当社グループは、海外売上高比率が高いため、輸出売上については為替リスクを回避するために積極的に円建て取引を行っておりますが、外貨建てによる取引も存在しております。当社グループは為替予約などによりリスクヘッジを行うことで、為替変動による業績への影響を小さくするよう努力しておりますが、急激な為替変動が起こった場合には、当社グループの利益等に悪影響をもたらす可能性があります。

 また、当連結会計年度末における有利子負債残高はすべて金利を固定しており、金利変動リスクに晒されておりませんが、新たな調達資金については、金利変動の影響を受け、当社グループの利益等に悪影響をもたらす可能性があります。

 

(2)業界動向に関するリスク

①半導体・ディスプレー市場の動向に関するリスク

 半導体・ディスプレー市場は、急速な技術革新により大幅に成長する反面、需給バランスの悪化から市況が低迷するという好不況の波に晒されてきました。このような市場環境の中、当社グループは市況の下降局面においても確実に利益を生み出せるよう、ROIC経営を推進しており、その中で損益分岐点売上高比率の改善に取り組んでいますが、予想を上回って市況が悪化した場合には、当社グループの売上減少により利益等に悪影響をもたらす可能性があります。

 

②技術・製品に関するリスク

 当社グループは、各事業戦略に沿った開発テーマの絞り込みや保有技術のグループ内での共有化、外部の技術資源の効率的活用などにより、開発力の強化・活性化に取り組んでおり、最新の技術を取り入れた製品をタイムリーに市場投入しシェアの拡大を図ることで収益体制の強化を目指しております。しかしながら、開発期間が長期化することにより新製品のリリースに遅れが生じた場合には、当社グループの売上減少により利益等に悪影響をもたらす可能性があります。

 

③特定顧客への取引集中に関するリスク

 当社グループは、国内外の主要な半導体メーカーに製造装置を納入しておりますが、この業界では生産能力増強ならびに微細化対応に巨額の投資を必要とすることから一部の大手メーカーへの集約が進んできており、当社グループの売上も特定の顧客に集中する傾向にあります。したがって、これら特定顧客の設備投資動向や特定顧客からの受注動向によっては、当社グループの売上が減少し利益等に悪影響をもたらす可能性があります。

 当社グループでは、次世代デバイスの生産プロセス確立に寄与する競争優位性のある装置を開発・製造し、進化を続ける半導体業界に最適なソリューションを提供し続けることを目指してまいります。

 

④サプライチェーンに関するリスク

 当社グループは、大規模災害やサプライチェーンの障害事例から、国内・海外の生産拠点、部品の調達先を統括した生産補完体制を確立し、事業が大きなダメージを受けないためのシステム構築を推進しております。一方で、サプライヤーからの主要部材の調達等において、需給が逼迫し、適時に供給が得られなくなった場合や、部材、製造委託先の確保に障害が発生した場合には、当社グループの生産活動の中断や材料費の高騰などにより、当社グループの売上、利益等に悪影響をもたらす可能性があります。

 

(3)公正な取引順守に関するリスク

 当社グループは、企業理念に基づく行動原則、グループの全役員・従業員が心掛けるべき行動規範を定めた「SCREENグループCSR憲章・行動規範」の下、各国の法令や社会規範を順守し、公明正大に良識ある企業活動を展開しています。また、コンプライアンス担当役員を任命し、全グループのコンプライアンス意識の向上や浸透に取り組むとともに、法務・知財・コンプライアンス室が中心となり、国際的なルールや各国法令・規則の順守を推進、各種コンプライアンス教育に取り組んでいます。しかしながら、当社グループの事業活動に関連し、コンプライアンス違反や訴訟、権利侵害に伴う知財紛争等が発生した場合には、当社グループの利益等に悪影響をもたらす可能性があります。

 

(4)事業継続に関するリスク

①大規模自然災害・パンデミック等に関するリスク

 当社グループの国内生産拠点は京滋地区に集中しており、この地区において大規模な地震等の自然災害が発生した場合、生産設備等に大きな損害を受ける可能性があります。また、感染症によるパンデミックの発生により、営業・生産・調達・物流等の事業活動に悪影響を与える可能性があります。当社グループでは耐震補強等、災害発生時の損失を最小限にとどめる対策を講じるとともに、事業の継続または早期再開を図るため、ISO22301に基づく事業継続マネジメントシステム(BCMS)を推進しておりますが、災害等により生産拠点の操業が停止するなどの不測の事態が生じた場合、当社グループの事業継続に悪影響をもたらす可能性があります。

 

②資金調達に関するリスク

 当社グループの借入金に係る契約のうち一部の契約には、各年度の末日の連結純資産および各年度の連結経常損益に関する財務制限条項が付されております。現状、当社グループの財政状態は、財務制限条項に照らして問題のない水準にあるものの、これに抵触し、借入先金融機関の請求があった場合、当該借入金について期限の利益を喪失する可能性があります。この場合、当社グループの社債およびその他の借入金についても連動して期限の利益を喪失する可能性があります。当社グループが借入金等について期限の利益を喪失し、一括返済の義務を負った場合には、当社グループの事業継続に悪影響をもたらす可能性があります。

 

③情報セキュリティに関するリスク

 当社グループは、事業遂行に関連して、多数の個人情報や顧客情報、技術情報を有しております。当社グループでは、「SCREENグループIT管理規定」を定め、社内情報システムのセキュリティ強化を図るとともに、グループの全役員・従業員が心がけるべき行動規範を定めた「SCREENグループCSR憲章・行動規範」を制定するとともに、営業秘密管理規定を整備し、情報管理体制を強化しております。しかしながら、昨今の頻発・巧妙化・高度化するサイバー攻撃を当社およびサプライチェーンが受けた際には、予期せぬ被害によって情報流出や関連する情報システムに大規模な障害等の発生と影響が想定されます。この場合、社会的信用の低下や長期の事業停止等により、当社グループの事業継続にも悪影響をもたらす可能性があります。

 

(5)製品の品質と安全に関するリスク

 当社グループでは、品質マネジメントシステムの規格(ISO9001)に基づく品質管理体制を構築し、製品・サービスの品質および安全性の向上に取り組んでいますが、万一、大規模なリコールや製造物賠償責任につながるような製品の欠陥が発生し顧客に損失をもたらした場合、多額の追加費用の発生や信頼低下により、当社グループの売上、利益等に悪影響をもたらす可能性があります。

 

(6)人材に関するリスク

 企業の中長期的な成長と価値向上には、多様な人材によるイノベーションの創出が不可欠です。当社グループでは、社員が目指すべき姿を自律型人材「ソリューションクリエーター」と定義し、ソリューションクリエーターの獲得・育成・リテンションを軸とした取り組みを推進しております。中でも、各事業戦略に応じた人員数の拡充を図るとともに、高度専門人材、女性、外国人などの多様性の確保、次世代の経営人材の育成に努めております。一方で、優秀な人材の確保における競争は激しく、必要な人材を継続的に採用・維持できない場合や、後継者育成計画が滞り、ソリューションクリエーターの資質を持つ人材が不足した場合、当社グループの事業、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)環境負荷低減・気候変動への対応に関するリスク

 当社グループは、低環境負荷製品へのニーズの高まりや国際的な化学物質規制、環境関連規制の強化などを受け、地球環境に配慮した製品を提供するために、「製品によるCO₂排出抑制の貢献」「環境適合認定製品の拡大」「法規制への対応」に取り組んでおります。また、気候変動対応に関しては、「Science Based Targets (SBT)イニシアチブ」の認定を取得し、気温上昇を1.5℃以下に抑制するペースでCO₂排出量の削減に取り組むとともに、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言へ賛同し、積極的な情報開示に努めております。事業活動を通して地球環境への負荷を軽減し、脱炭素社会・循環型社会・自然共生社会の構築と持続的な発展に貢献すべく、2050年のカーボンニュートラル実現を目指して活動を推進しております。しかしながら、取り組みに遅れが生じ、製品が環境規制等に対応できない場合、当社グループの売上、利益等に悪影響をもたらす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、緩やかな持ち直しの動きが見られましたが、部材不足など供給面での制約や原材料価格の上昇、インフレ圧力の高まりに伴う世界的な金融引き締めなどにより、足元では景気回復のテンポに鈍化が見られました。

当社グループを取り巻く事業環境は、エレクトロニクス業界では、コロナ特需の反動によるスマートフォンやパソコンなどの需要減少に伴い一部の設備投資に縮小の動きが見られたものの、5G、AIの活用拡大を受けたIoT、DXの進展、GXを意識した微細化やパワー半導体、実装技術分野への投資は底堅く推移しました。一方で、米中の分断や安全保障問題への影響懸念がさらに高まりました。また、ディスプレーメーカーにおいては、パネル価格の下落などから、設備投資計画に見直しの動きが見られました。

このような状況の中、当連結会計年度の財政状態および経営成績は次のとおりとなりました。

 

a. 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、現金及び預金や棚卸資産が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ、1,035億1千万円(22.5%)増加し5,628億1千6百万円となりました。

負債合計は、転換社債型新株予約権付社債が減少した一方、契約負債や仕入債務が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ、513億7千2百万円(24.3%)増加し2,628億8千9百万円となりました。

純資産合計は、配当金の支払いの一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や転換社債型新株予約権付社債の転換による資本剰余金の増加や自己株式の減少などにより、前連結会計年度末に比べ、521億3千8百万円(21.0%)増加し2,999億2千6百万円となりました。

 以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、53.3%となりました。

 

b. 経営成績

当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、売上高は4,608億3千4百万円と前期に比べ、489億6千8百万円(11.9%)増加しました。利益面につきましては、売上の増加などにより、前期に比べ、営業利益は151億7千9百万円(24.8%)増加の764億5千2百万円、経常利益は179億5千4百万円(30.2%)増加の773億9千3百万円となりました。また、特別利益において、関係会社株式売却益等*を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は120億9百万円(26.4%)増加の574億9千1百万円となりました。

 

*2022年5月31日付でInca Digital Printers LTD.およびSCREEN GP IJC Ltd.の株式譲渡を行っております。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 

(半導体製造装置事業:SPE)

半導体製造装置事業では、前期に比べ、メモリー向けの売上は減少したものの、ファウンドリー向けやロジック向けが増加しました。地域別では、中国向けの売上は減少しましたが、台湾向けや欧州向けの売上が増加しました。その結果、当セグメントの売上高は3,709億3千4百万円(前期比16.1%増)となりました。営業利益は、売上の増加などにより、769億5千万円(前期比22.5%増)となりました。

 

(グラフィックアーツ機器事業:GA)

グラフィックアーツ機器事業では、装置売上やインクを中心とするリカーリングビジネスの売上が増加したことから、当セグメントの売上高は、456億9百万円(前期比5.3%増)となりました。営業利益は、売上の増加などにより、33億9千7百万円(前期比107.6%増)となりました。

 

(ディスプレー製造装置および成膜装置事業:FT)

ディスプレー製造装置および成膜装置事業では、顧客の設備投資低迷を受けディスプレー製造装置の売上が減少したことから、当セグメントの売上高は261億8千9百万円(前期比21.3%減)となりました。利益面では、売上の減少などにより、18億4千万円の営業損失(前期は5億8千7百万円の営業利益)となりました。

 

(プリント基板関連機器事業:PE)

プリント基板関連機器事業では、データセンター需要の拡大などを受け直接描画装置の売上が増加したことから、当セグメントの売上高は168億3千5百万円(前期比26.5%増)となりました。営業利益は、売上の増加などにより、33億5千8百万円(前期比61.9%増)となりました。

 

(その他事業)

その他事業の外部顧客への売上高は20億6千4百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、現金及び現金同等物に係る換算差額を含め、前連結会計年度末に比べ426億4千9百万円増加し1,736億6千万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益、その他流動負債の増加、仕入債務の増加などの収入項目が、法人税等の支払い、棚卸資産の増加、売上債権の増加などの支出項目を上回ったことから、739億6百万円の収入(前期は817億5千2百万円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、新工場建設に伴う支払いなどの支出項目が、関係会社株式の売却などの収入項目を上回ったことから、125億1千4百万円の支出(前期は99億5千2百万円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いや転換社債型新株予約権付社債の償還による支出などにより、209億6千1百万円の支出(前期は49億5千1百万円の支出)となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 生産実績は、販売実績と傾向が類似しているため、記載を省略しております。

b.受注実績

 受注実績は、短期での変動が大きく、中長期の市場動向や当社グループの事業の状況を表すための指標として適切ではないため記載しておりません。

c.販売実績

 販売実績は、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメント別の経営成績に関連付けて説明しております。

 

 なお、主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd.

72,307

17.6

100,786

21.9

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績

(売上高)

当連結会計年度における当社グループの売上高は、主に半導体製造装置事業(SPE)の伸長により、前連結会計年度に比べ、489億6千8百万円(11.9%)増加の4,608億3千4百万円となりました。

 

(営業利益)

成長に向け研究開発費や人件費など固定費が増加したものの、売上の増加、操業度の改善、円安に伴う為替影響などにより、営業利益は前連結会計年度に比べ、151億7千9百万円(24.8%)増加の764億5千2百万円となりました。

 

(経常利益)

営業外損益は、営業外費用において固定資産除却損が減少したことや営業外収益において固定資産売却益が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ27億7千5百万円改善しました。

以上の結果、経常利益は179億5千4百万円(30.2%)増加の773億9千3百万円となりました。

 

(税金等調整前当期純利益)

特別損益は、特別利益において関係会社株式売却益が増加したことや特別損失において企業年金基金脱退損失や投資有価証券評価損が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ37億8千9百万円改善しました。

以上の結果、税金等調整前当期純利益は217億4千3百万円(38.3%)増加の785億1千5百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

法人税等合計は、税金等調整前当期純利益が増加したことなどから、前連結会計年度より96億7千万円増加し、210億5千9百万円となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、120億9百万円(26.4%)増加の574億9千1百万円となりました。

 

 セグメント別の経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」および「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)セグメント別の取り組み」に記載のとおりであります。

 

b. 財政状態

財政状態の分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

c. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、2021年3月期~2024年3月期におきまして、中期経営計画「Value Up 2023」に取り組んでおります。なお、中期経営計画の進捗状況および指標の達成状況につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営方針、経営環境及び対処すべき課題」に記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当連結会計年度の所要資金は、自己資金で賄いました。なお、将来の資金安定確保を目的として、総額600億円のコミットメントライン契約を複数の金融機関との間で締結しております。

主な資金使途としまして、設備投資計画につきましては「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」、配当政策につきましては「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成において採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

また、連結財務諸表の作成にあたって、会計上の見積りを必要とする項目については、過去の実績や当該事象の状況を勘案して、合理的と考えられる方法に基づき見積りおよび判断をしております。ただし、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがあるものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

a. 固定資産の減損について

 減損会計の適用にあたり、当社グループは原則、各社を1グループ単位としてグルーピングを行っております。また、賃貸用資産および遊休資産については、個別物件単位でグルーピングを行っております。各資産グループの回収可能価額は、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額などの前提条件に基づいて測定しておりますが、今後の地価の動向や事業の将来の業績によっては、翌年度以降に減損損失が発生する可能性があります。

 

b. 退職給付債務について

 当社グループの退職給付費用および債務は、割引率など数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。この前提条件や年金資産の長期期待運用収益率が実際の結果と異なる場合、または変更された場合、翌年度以降において認識する退職給付費用および債務に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループでは、株式会社SCREENホールディングスとグループ会社が密接に連携し、表面処理技術、直接描画技術、画像処理技術のコア技術を融合・展開させることで、基礎研究から商品開発に至るまで積極的な研究開発活動に取り組んでおります。

 当連結会計年度は、半導体製造装置事業を中心とした既存事業の拡大・強化に向けた開発投資を行うとともに、エネルギー、検査計測、ライフサイエンス等の各分野においても研究開発活動を積極的に推進し、247億6千万円の研究開発費を投入いたしました。

 なお、当社グループの主な研究開発成果は次のとおりであります。

 半導体製造装置事業では、微細化・高集積化が進む先端デバイス、需要が高まる次世代パワーデバイスやIoT関連分野において、洗浄、塗布、熱処理をはじめとする各領域で更なる技術開発を進め、優れた洗浄性能と世界最高レベルの生産性を備えた枚葉洗浄装置「SU-3400」、高生産性と高解像度を両立したパターン付き外観検査装置「ZI-3600」を開発いたしました。また、CO2排出量算定・可視化クラウドサービス「zeroboard」の導入、半導体気候関連コンソーシアムへの参画など、様々な企業と連携しながらサステナブルな社会の実現に向けた技術開発に取り組んでおります。海外研究機関との共同研究につきましては、それぞれの分野での最先端プロセスに関連した研究を継続しています。

 グラフィックアーツ機器事業では、インクジェット印刷技術を発展させ、商業印刷向けに高品質、高機能の新製品を開発しています。パッケージ印刷向けには、軟包装インクジェット印刷機および紙包装インクジェット印刷機の開発を進めています。インクジェット印刷機の累積出荷台数は1,800台を超え、印刷工程の変革による環境負荷低減に貢献しています。

 ディスプレー製造装置および成膜装置事業では、塗布、成膜、乾燥などの技術の更なる向上に取り組みました。有機ELディスプレーサイズの大型化や高精細化に応えるため、第6世代(注1)向けEシリーズで培った技術を継承し、第8世代(注2)基板向けEシリーズ「SK-E2200G」・「SK-E2200H」を開発いたしました。また、フレキシブルディスプレー向け製造装置SK-Pシリーズにおいては、ポリイミドワニスの薄膜塗布に対応した技術を開発し、従来の第6世代(注1)基板向け製造装置の機能を向上した「SK-P1501G」、新たに第8世代(注2)基板に対応した「SK-P2200G」の2機種を開発いたしました。

 プリント基板関連機器事業では、通信関連やIoTインフラを中心に需要が拡大している大サイズ基板やメタルマスクなどの高精細なパターン形成に対応する、直接描画装置「Ledia 7F-L」を開発いたしました。また、今後需要の増加が益々期待されるハイエンドパッケージ基板に向けて、更なる高精細モデルとなる直接描画装置や光学式自動検査装置の開発を進めています。

 上記セグメント以外では、基礎研究や新規事業領域の研究開発を継続しています。ライフサイエンス分野では、オプション設定にてインクジェット式錠剤印刷機へのアップグレードが可能となる錠剤外観検査装置「STIMA」や、従来装置の機能は据え置き、ユーザービリティを追求しつつ、低価格化を実現した細胞形態解析イメージングシステムの新機種として「Cell3iMager NX」を開発いたしました。先端パッケージ業界向けには、直接描画装置「LeVina」の更なるラインナップ拡充として、「LeVina(2μm対応モデル)」を開発いたしました。

 

当連結会計年度におけるセグメントごとの研究開発費は次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

SPE

14,400

GA

2,024

FT

724

PE

728

上記セグメント以外

6,882

合計

24,760

(注1) 第6世代:1,500×1,850mm

(注2) 第8世代:2,200×2,500、2,250×2,600、2,290×2,620mm