当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであ
ります。
(1)企業理念
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存在意義「人と技術をつなぎ、未来をひらく」に込めた思い 「人」には、社員だけでなく、すべてのステークホルダーの皆様を広く包含しています。「技術」とは、これまで培ってきた独自技術を中心に、他社技術との積極的な融合により進化を続けるSCREENグループの技術全体を指しています。また、蓄積してきたノウハウも技術の一つとして捉えています。これら人と人、技術と技術、さらには人と技術を接続することで新たな価値を創造するとともに、設立以来積み重ねてきた有形・無形の財産を未来へ伝承することも「つなぐ」に込めています。「ひらく」には、社会課題の解決を通じて持続可能な未来への扉を開くことと、社会の発展へ挑み、未来への道を切り拓くという2つの意味を込めています。 さらに、創業の精神である「思考展開」は、SCREENグループ創業157年の歴史において人と技術を育み続ける礎、精神的な支えとなった言葉として、将来にわたって存在意義の重要なベースを成します。 |
(2)経営大綱
経営大綱は、10年後のありたい姿とSCREEN Value(企業価値)を高めるための基本指針として2014年に策定し、中期経営計画ごとに改定を行ってきました。
今回の経営大綱は、企業理念をもとに10年後のありたい姿を「Be a Solution Creator -共に歩む人たちと、世界が求める存在に-」と定め、その実現に向けマテリアリティの解決とSCREEN Value(企業価値)を高めるための方針と戦略を策定したものです。
(3)経営方針、経営環境及び対処すべき課題
当社グループは「ソリューションクリエーター*」として事業を通じて社会課題を解決し、社会的価値と経済的価値を共に実現する共通価値(CSV)を創出することで、「SCREEN Value(企業価値)」をさらに高め、持続的な利益創出や株主還元などを推進してまいります。
*「ソリューションクリエーター」とは、経営大綱で定められた10年後のありたい姿として、ひたむきな探求心と柔軟な発想を持って社会課題に立ち向かい、社会の持続的な発展に寄与する技術、製品、サービスなどの「新しい価値(CSV)」を事業を通じて世界中のお客さまに提供する企業体および人を指します。
Ⅰ.中期経営計画「Value Up Further 2026」
中期経営計画「Value Up Further 2026」(2025年3月期〜2027年3月期)の概要および主な取り組みは、次のとおりであります。
1.基本コンセプト
「ソリューションクリエーターとして一人ひとりの成長と競争力の強化によりさらなるプレゼンス向上」
2.全体概要
中期経営計画「Value Up Further 2026」は、前中期経営計画「Value Up 2023」で高めた成長性と収益性を維持しつつ、将来を見据えた成長投資を強化する「長期の成長を支える経営基盤を構築する3年間」と位置付け、「事業成長戦略」、「経営基盤強化戦略」、「共通戦略*」の実行により、「SCREEN Value」のさらなる向上を目指してまいります。
*共通戦略:事業成長・経営基盤強化を包含する戦略
基本戦略
基本戦略に基づく具体的な取り組みは以下のとおりです。
① 事業成長戦略の主な取り組み
・ポートフォリオ戦略においては、成長性とROICの2軸にて各事業の現在位置を見える化し、それぞれのあるべき姿に向け、オペレーションの改善に加え事業構造の強化・変革に取り組んでいます。半導体製造装置事業を中心に、事業の強化、選択と集中の観点からM&Aを検討するほか、競争力強化および資本効率の向上を目的とした組織改編を進めるなど、成長性、効率性の向上に取り組んでいます。
・事業の成長戦略について、主力の半導体製造装置事業においては、要素技術と製品開発力の強化を目指し、米国・ニューヨーク州に研究開発拠点として「ATCA(SCREEN Advanced Technology Center of America, LLC)」を設立いたしました。これにより、彦根事業所や洛西事業所内の研究開発拠点とのシナジーを最大化し、顧客との協業や研究機関、取引先とのコラボレーションを推進してまいります。
・新規事業の創出や既存事業の強化につながるソリューションの創出を目指し、イノベーションマネジメントに取り組んでいます。中でも、注力領域と位置付けているアドバンスドパッケージ分野では、2025年9月にウエハー接合技術に関する研究開発事業を譲受いたしました。2026年4月には、アドバンスドパッケージ事業室をディスプレー製造装置および成膜装置事業(FT)に機能移管し、開発・製造・販売・サービスを一体化した製販体制の整備を進めています。
・知的財産に関する戦略的な議論をグループ横断的に行う知財戦略委員会を設置し、知財・無形資産の維持・強化に取り組んでいます。
② 経営基盤強化戦略の主な取り組み
・人財戦略においては、組織の活性化と個の成長を掲げ、経営戦略、事業戦略とリンクした人財ポートフォリオの充足に取り組むとともに、従業員エンゲージメントの向上を図っています。
・財務戦略においては、自己資本比率とROICの向上の両立に取り組む中、着実な利益の積み上げにより、自己資本比率が67.4%に改善しました。また、収益性の改善やキャッシュ・フロー創出力の持続的な向上等が評価され、株式会社日本格付研究所の「長期発行体格付」はA+(見通し:安定的)を維持しております。
・情報戦略(IT)に基づき、DX推進や情報セキュリティマネジメントシステムの強化に取り組んでいます。情報セキュリティについては、2025年度にSEMI*から業界標準として公開されたSSCA(Standardized Semiconductor Cybersecurity Assessment)に準拠してまいります。
*SEMI:Semiconductor Equipment and Materials Internationalの略で半導体・電子機器製造産業のための国際的な業界団体のこと。
・ファシリティ戦略においては、次期中期経営計画における成長を支えるため、半導体製造装置事業の生産能力拡大と拠点機能の最適化など、中長期的な視点で効率的、機動的に取り組んでいます。併せて、将来の事業拡大を見据え、滋賀県野洲市における用地取得を戦略的に進め、地域社会との共存・共栄、各拠点とのシナジー創出、R&D機能の強化など成長投資を実行していきます。
③ 共通戦略の主な取り組み
・共通戦略におけるサステナビリティ戦略については、次項目の「Ⅱ.サステナブル経営の推進」をご覧ください。
3.財務/非財務目標
① 財務目標 ※下記4項目の数値目標はオーガニック・グロースを前提としております。
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Value Up Further 2026 目標 (2025年3月期〜2027年3月期) |
2025年3月期 |
2026年3月期 |
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売上高 |
累計 1.8兆円以上 |
6,252億円 |
6,057億円 |
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営業利益率 |
通算 19%以上 |
21.7% |
20.2% |
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ROIC |
最終年度 15%以上 |
24.7% |
20.0% |
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株主還元方針 |
連結配当性向 30%以上 |
30.1% |
30.1% |
② 非財務目標
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Value Up Further 2026 目標 (2025年3月期〜2027年3月期) |
2025年3月期 |
2026年3月期 |
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従業員エンゲージメントスコアの向上*1 |
好意的回答率 70%以上 |
65% |
74% |
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事業活動によるGHG排出(Scope1&2) |
70%以上削減 |
56.6% |
70.1%(速報値)*2 |
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※2019年3月期比(排出総量) |
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販売製品によるGHG排出(Scope3) |
48%以上削減 |
55.7% |
59.3%(速報値)*2 |
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※2019年3月期比 (売上総利益原単位) |
|||
*1 「企業が目指す姿や方向性を、従業員が理解・共感し、その達成に向けて自発的に貢献しようという意識」についての従業員
サーベイ。調査結果のうち、5段階中上位2項目を好意的回答としております。
*2 外部専門機関による第三者保証の手続を実施中のため、速報値として記載しております。
Ⅱ.サステナブル経営の推進
当社グループは、事業を通じて社会課題を解決し、社会的価値と経済的価値を共に実現する新しい価値(CSV)の創出によって「SCREEN Value」をさらに高め、持続的な成長を実現するサステナブル経営を推進しています。
具体的には、環境・社会・ガバナンスの課題解決に向けた取り組みを「Sustainable Value 2026」として策定し、バリューチェーン全体でグローバルに展開することで、多様なステークホルダーの期待と信頼に応え、社会の持続的発展に貢献します。
<ESGに関する主な取り組み>
E(環境)
・GHG排出削減計画(Scope1・2、3)において、中期経営計画「Value Up Further 2026」の中間目標を達成
・TCFD文書を年次更新/Scope1・2脱炭素ロードマップを「移行計画」として再定義
当社グループの環境の取り組みの詳細は、ウェブサイトを参照ください。(https://www.screen.co.jp/sustainability/environment)
S(社会)
・学校法人立命館と連携・協力に関する協定を締結
・健康経営優良法人(ホワイト500)に4年連続で認定、健康経営銘柄に3年連続で選定
・障がい者の雇用機会拡大に向けた取り組みを推進
当社グループの社会の取り組みの詳細は、ウェブサイトを参照ください。(https://www.screen.co.jp/sustainability/social)
G(企業統治)
・当社グループのCSR憲章に対応する9つの個別方針を開示
・「知財・無形資産ガバナンス表彰」特別賞を初受賞
当社グループのガバナンスの取り組みの詳細は、ウェブサイトを参照ください。(https://www.screen.co.jp/sustainability/governance)
<主なトピックス>
健康経営
代表取締役 取締役社長が健康経営の最高責任者となり、従業員と職場両面から心身の健康づくりを推進することで、業務パフォーマンスを向上させることに取り組んでいます。
・優良な健康経営を実践している法人として「健康経営優良法人 ~ホワイト500~」に
2023年度より4年連続で認定
・ホワイト500に認定されている東京証券取引所上場企業の中から、
特に優れた取り組みを実践している企業として、「健康経営銘柄」に3年連続で選定
※令和7年度健康経営度調査に回答した上場企業(1,317社)のうち、「健康経営銘柄」に
選定されている企業は44社
当社グループの健康への取り組みの詳細は、ウェブサイトを参照ください。(https://www.screen.co.jp/sustainability/social/wellness)
社会貢献活動
国、地域、大学・教育機関と連携し、社会に貢献するさまざまな活動を行っています。
・天才アートKYOTO(NPO法人 障碍者芸術推進研究機構)と2022年に協定を締結
事業所における所属作家の作品展示を着実に拡大
・滋賀県で44年ぶりに開催された「第79回国民スポーツ大会」に協賛
開会式では、当社グループの従業員がボランティアとして受付および会場内のルール監視を実施

当社グループ会社事業所の入口に 開会式で選手が入場行進する様子
展示されている様子
当社グループの社会貢献活動の取り組みの詳細は、ウェブサイトを参照ください。
(https://www.screen.co.jp/sustainability/social/initiative)
(4)セグメント別の取り組み
中期経営計画「Value Up Further 2026」(2025年3月期~2027年3月期)の目標達成に向けた、セグメント別の取り組みは次のとおりです。
(半導体製造装置事業:SPE)
①セグメント戦略
・洗浄装置マーケットシェアの向上
・生産キャパシティの拡大
・事業基盤の強化
②3カ年累計目標と実績
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売上高 |
1兆5,000億円以上 |
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営業利益率 |
23~25% |
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1年目実績 |
売上:5,195億円、営業利益率:26.4% |
|
2年目実績 |
売上:4,859億円、営業利益率:25.2% |
(注)上記項目の数値目標はオーガニック・グロースを前提
事業環境としては、2025年の半導体前工程製造装置市場(WFE)は、AI活用の急速な拡大に伴うデータセンター向け高性能半導体需要の高まりによって堅調な成長を見せました。2026年もAI向け半導体への設備投資は継続し、大手ファウンドリーやメモリーメーカーの先端向け投資を中心に、WFEは更に大きな成長が見込まれます。中国においても、自国内でのAI半導体生産を目指した比較的先端向けの投資が継続する見込みです。
このような事業環境の中、生産効率の改善を図りながら増産体制構築を推進し、大きく成長するWFE投資を確実に取り込む体制を構築します。また、米国に設立した研究開発拠点 ATCA(SCREEN Advanced Technology Center of America, LLC)によって開発力を高めさらに競争力を上げていくとともに、基幹システムの刷新を軸にDX化を推進し、将来の更なる成長に向けた体制・基盤の強化を進めています。
(グラフィックアーツ機器事業:GA)
①セグメント戦略
・POD装置販売の拡大
・リカーリングビジネスの拡大
・パッケージ印刷ビジネスの確立
②3カ年累計目標と実績
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売上高 |
1,500億円以上 |
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営業利益率 |
6~9% |
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1年目実績 |
売上:530億円、営業利益率:8.1% |
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2年目実績 |
売上:574億円、営業利益率:6.3% |
(注)上記項目の数値目標はオーガニック・グロースを前提
事業環境としては、環境負荷低減や社会的価値向上への意識の高まり、デジタル化による変容(DX・スマートファクトリー化)の必要性が高まる中で、従来の刷版を前提とした大量印刷から代わり、POD装置の新機種売上が好調に推移しました。一方、利益については、米国の関税政策による影響を受け、業績は増収減益となりました。
今後もPODを中核事業と置き、商業印刷およびパッケージ印刷へリソースの集中を図り、装置の販売拡大に取り組むとともに、インク販売を中心とするリカーリングビジネスの一層の拡大により、安定的な売上、利益を生み出してまいります。
(ディスプレー製造装置および成膜装置事業:FT)
①セグメント戦略
・ディスプレービジネスの収益性向上
・“塗工”技術強化と応用分野拡大
・製品製造の受託事業の拡大
②3カ年累計目標と実績
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売上高 |
1,000億円以上 |
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営業利益率 |
3~5% |
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1年目実績 |
売上:358億円、営業利益率:8.5% |
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2年目実績 |
売上:447億円、営業利益率:19.2% |
(注)上記項目の数値目標はオーガニック・グロースを前提
事業環境としては、中国における家電製品買い替え補助金政策などを背景に、OLEDだけでなくLCDディスプレーへの需要が増加し、それに伴い中国を中心としたディスプレーメーカーの設備投資も活況でした。
このような環境の中、売価改善や原価管理活動も奏功し、前期比で大きな増収増益となりました。
今後は、パネルレベル関連のアドバンスドパッケージ事業機能をセグメント内に組み入れ、製品ポートフォリオを拡充し、更にビジネスエリアを広げていきます。
(プリント基板関連機器事業:PE)
①セグメント戦略
・直接描画露光装置の業界プレゼンス向上
・直接描画アプリケーションの拡大探索
②3カ年累計目標と実績
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売上高 |
500億円以上 |
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営業利益率 |
12~15% |
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1年目実績 |
売上:141億円、営業利益率:7.5% |
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2年目実績 |
売上:145億円、営業利益率:2.6% |
(注)上記項目の数値目標はオーガニック・グロースを前提
事業環境としては、プリント基板機器関連の投資の停滞が継続していましたが、2026年3月期の終盤より、韓国、中国でのパッケージ向け投資が回復しました。
このような環境の中、売上が増加したものの、固定費の増加などにより、増収減益の結果となりました。今後につきましても、ミドル、ハイエンド向け直接描画露光機製品群の量産フェーズへの移行や安定稼働を確実に進め、堅調なポストセールス売上を維持しつつ、投資回復を受けた売上拡大を進めてまいります。
上記における将来数値は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績などは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組は、次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであ
ります。
(1) サステナビリティ全般のガバナンスおよびリスク管理
当社グループは、経営大綱においてマテリアリティの解決とSCREEN Value(企業価値)を高める戦略を掲げております。中期経営計画では、ESGの各分野における活動を「サステナビリティ戦略」として展開し、社会の持続的な発展に貢献してまいります。
<ガバナンス>
SCREENグループは、ESG課題への取り組みについて実効性を持って進めるため、経営会議のもとに設置された「サステナビリティ委員会」「グループリスク委員会」という2つのグループ委員会、および特定の領域を専門的に取り扱う傘下の分科会を通じて、中期経営計画を推進しております。グループリスク委員会において特定・評価されたリスク、およびサステナビリティ委員会において分析されたリスクと機会は、経営会議において統合的に把握・管理しております。サステナビリティ委員会は、サステナビリティ戦略本部長を委員長、代表取締役 取締役社長を責任者とし、SCREENグループ各社の責任者および監査役(オブザーバー)が出席のうえ、原則年3回開催しております。サステナビリティ戦略の推進状況については、委員長から経営会議へ、責任者から取締役会へ、それぞれ年2回報告しております。また、2026年4月より取締役副会長がサステナビリティ戦略本部を管掌する体制とし、取締役会による監督の実効性を高めております。
<リスク管理>
SCREENグループの企業価値にマイナスの影響を及ぼす恐れのあるリスクを軽減するため、代表取締役 取締役社長を最高責任者とし、各グループ会社の社長等を各社のリスクマネジメント責任者とする全社横断的なリスクマネジメント体制としてグループリスク委員会を設置し、原則年2回開催しております。この委員会で議論されたリスク管理状況と必要な対策については、経営会議および取締役会に報告しております。
リスク管理の詳細は、「
(2) 気候変動
当社グループは、気候変動・環境対応として、提供する技術・製品・サービスの開発・製造・販売など全ての事業活動および販売先での環境負荷を低減し持続的な社会の発展に貢献することを目指し、GHG排出削減の取り組みを進めております。また、GHG削減目標に関して「Science Based Targets イニシアチブ(SBTi)」より1.5℃水準に整合的な目標としての認定を得ております。2021年12月には「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」による提言への賛同を表明しました。TCFD提言に準じた情報開示を積極的に進め、2050年のカーボンニュートラル社会の実現を見据えた気候変動への取り組みを一層推進していきます。
気候変動関連の情報開示に際し、当社グループでは2021年度より、外部専門家を交えたプロジェクトを立ち上げ、主要事業に対して、シナリオ分析およびリスクと機会の評価、対応策等の検討・見直しを行っています。
2026年3月期は、サステナビリティ開示基準(以下、「SSBJ基準」という。)への対応を見据え、短期・中期・長期の各時間軸でリスクと機会の再評価を行うとともに、使用シナリオの見直し(1.5℃/4℃シナリオへの移行)等の検討を進めました。今後は引き続きプロジェクト活動を通じて、SSBJ基準などによる要請への対応を含め、気候関連情報の開示充実を進めていきます。
(https://www.screen.co.jp/sustainability/environment/tcfd)
<ガバナンス>
当社グループでは、グループ委員会の運営によってグループ全体のコーポレート・ガバナンスの強化を図っており、各委員会では目的に応じたモニタリングや議論を行い、適宜、経営会議および取締役会など定められた機関に報告しております。
2026年3月期、SSBJ基準への対応を見据えたマテリアリティ評価やリスクと機会の再評価等の取り組み状況、および開示に向けた今後の課題について、経営会議および取締役会に報告しました。
<戦略>
気候関連の移行リスク・物理リスクを評価し、重要なリスクを特定するにあたり、地球温暖化対策が進まない現状維持のシナリオである3℃シナリオと、地球温暖化対策が進む1.5℃シナリオを使用して、シナリオ分析を実施しました。気候関連の事業機会についても特定しております。
中核事業である半導体製造装置事業においては、気候変動への意識の高まりから、製品稼働に伴う消費電力やGHG排出量などに顧客の関心が集まっており、環境インパクトがより少ない半導体製造装置への要求が、今後ますます高まることが想定されます。また、特に地球温暖化対策が進む場合には、デジタル化社会とグリーン社会への投資ニーズから、関連する製品やサービスの需要が増加することが想定されます。
このような想定のもと、当社グループでは、事業所のGHG排出量の削減に加え、製品稼働時のGHG排出量削減に取り組んでおり、エネルギー消費、水および薬液消費量のより少ない半導体製造装置や、省エネ化に貢献する先端半導体の製造を実現する半導体製造装置のニーズに応えるべく、研究開発に注力しております。当社グループ単独での取り組みに加えて、環境対応開発を一層加速させるため、業界他社や業界団体とも協働しております。
<リスク管理>
バリューチェーンにおける気候関連のリスクと機会を網羅的に抽出しました。各々のリスクと機会について、影響の大きさと発生可能性のマトリックスで評価し、事業にとって重要な気候関連のリスクと機会を特定するとともに、各事業における評価を基に、当社グループにおける重要な気候関連のリスクと機会も特定しました。
重要と評価された気候関連のリスクと機会については、全社横断的なリスクマネジメント体制であるグループリスク委員会でリスク管理を行い、取締役会による監督体制の下、当社グループにおける企業リスクの一つとして戦略に反映し対応します。
<指標及び目標>
当社グループは、GHG排出削減を行い、事業を通じて脱炭素社会の実現に貢献することが、気候関連リスクの低減と機会の増大につながると考えます。事業活動によるGHG排出量(Scope1+Scope2)に加え、特に排出量が大きく顧客の関心も高い、販売した製品の使用によるGHG排出量(Scope3 Cat.11)の削減に取り組んでおります。
当社グループのGHG排出量の削減目標と実績、および削減に向けた取り組みの詳細は、ウェブサイトを参照ください。
(https://www.screen.co.jp/sustainability/environment/climate_change)
(3) 人的資本
人的資本につきましては、「
(4) 健康経営
当社グループでは、従業員一人ひとりが心身共に健康であり、職場がそれを支えることがすべての基盤であるという考えに基づき、健康づくりを推進しています。
健康経営の取り組みを通じて、従業員の生活習慣の改善、メンタルタフネス度の向上、適切な治療の促進、上司・同僚からのサポート強化を図ることで、健康管理良好者や身体良好者の割合を増やし、ワークエンゲージメント(仕事への活力・熱意・没頭をどれほど持っているかを測る指標)および業務パフォーマンスを向上させていきます。
<ガバナンス>
代表取締役 取締役社長が健康経営の最高責任者となり、サステナビリティ委員会の傘下に健康経営の専属組織「健康管理分科会」を設置しています。
本分科会が中心となり、グループ各社の健康経営推進担当者との連携を図り、労働組合や健康保険組合とも協働して健康経営の施策を企画・推進し、従業員一人ひとりへの浸透に取り組んでいます。
<戦略>
当社グループでは、労働生産性の高い従業員の増加、健康課題起因による長期休職のない従業員の増加を目指し、健康経営戦略マップに則り、従業員と職場の両面から心と身体の健康づくりを推進しています。
各種健康施策は、健康増進のための9項目「いきいき9」に基づき実施しており、心の健康に関しては、各組織のラインにおける支援を推進するとともに、eラーニングや階層別セミナーの実施など、メンタルヘルス施策を強化しています。身体の健康に関しては、従業員の主体的な健康づくりを支援するために、自身の健康課題に即したコースを選択し健康行動を実践する「MY健康チャレンジ」や、ウォーキングイベントなどの健康行動促進施策を推進しています。

<健康経営の成果>
健康関連施策を推進する上では、目標となる指標を設定し、モニタリングを通じた改善を図っています。特に、主要指標(アブセンティーズム※1・プレゼンティーズム※2・ワークエンゲージメント)の改善に向けた、健康づくりの施策を進めており、プレゼンティーズムに関しては、健康関連施策への参加、および心身の健康状態の改善を通じて、数値が向上しています。
これらの取り組み・成果が評価され、健康経営を実施する上場企業の中から、特に優れた取り組みを実践している企業として、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「健康経営銘柄」に3年連続で選定されました。また、優良な健康経営を実践している法人として「健康経営優良法人 ~ホワイト500~」に4年連続で認定されました。
※1 従業員の所定労働日数合計に対する、疾病休業日数の合計の割合を算出(数値が高いほど状況が悪い)
※2 病気やけがないときに発揮できる仕事のパフォーマンスを100%としたときの、過去4週間の仕事の出来を
算出(数値が高いほど状況が良い)
当社グループでは、「SCREENグループリスクマネジメント要綱」および関連規定にもとづいて、ビジネスリスクの洗い出しとその軽減に向けた取り組みを行うとともに、持株会社(HD)がリスクマネジメント推進体制を構築し、グループ全体のリスクマネジメントを運用しております。
<リスクマネジメント推進体制>
当社グループの企業価値にマイナスの影響を及ぼす恐れのあるリスクを軽減するため、当社代表取締役 取締役社長を最高責任者とし、各グループ会社の社長などを各社のリスクマネジメント責任者とする全社横断的なリスクマネジメント体制を確立しております。
その中核に「グループリスク委員会」をおき、リスクマネジメントの運営および方針を策定し、企業価値毀損の未然防止•最小化の視点から、グループ全体に内在するリスクとその状態を把握しております。また、年度ごとの経営環境の変化に応じたグループ重要リスクの設定により、リスク管理の方向性を定め、顕在化の予防に取り組んでおります。
なお、グループ重要リスクは、グループリスクリストをもとに、委員会での協議によって重要と考えられるリスクを当期のグループ重要リスクとして選定し、最高責任者の承認を得た上でHDの経営会議で審議し、HDの取締役会の決議を得て決定しております。さらに、3つのディフェンスライン*の考え方で、個々のリスク管理の担当と役割を定め、現場と経営層がリスク情報を共有するガバナンス体制を構築しております。
(*第1ディフェンスライン:事業会社系グループ会社等、第2ディフェンスライン:HD管理部門・機能会社、第3ディフェンスライン:HD内部監査部門)
<事業等のリスク>
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)外部要因に関するリスク
①政治状況に関するリスク
当社グループは、現時点では米中貿易摩擦による業績への影響は大きくないものの、今後米中間の関係悪化が更に進み、輸出入に関する諸規制の強化等により、中国への製品の出荷が制約を受ける場合には、当社グループの売上減少により利益等に悪影響をもたらす可能性があります。
また、米国向けに輸出する一部の製品等に追加関税等が課されております。現時点では業績への影響は大きくないものの、今後の動向によっては利益等に悪影響をもたらす可能性があります。
このほか、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢に起因した地政学リスクの高まりの長期化による世界的な景気の後退、およびそれに伴う需要の縮小が生じた場合には、当社グループによる当該地域向けの取引は僅少なものの、間接的な影響による当社グループの売上減少により利益等に悪影響をもたらす可能性があります。
②為替・金利変動に関するリスク
当社グループは、海外売上高比率が高いため、輸出売上については為替リスクを回避するために積極的に円建て取引を行っておりますが、外貨建てによる取引も存在しております。当社グループは為替予約などによりリスクヘッジを行うことで、為替変動による業績への影響を小さくするよう努力しておりますが、急激な為替変動が起こった場合には、当社グループの利益等に悪影響をもたらす可能性があります。
また、当連結会計年度末における有利子負債残高はすべて金利を固定しており、金利変動リスクに晒されておりませんが、新たな調達資金については、金利変動の影響を受け、当社グループの利益等に悪影響をもたらす可能性があります。
(2)業界動向に関するリスク
①半導体・ディスプレー市場の動向に関するリスク
半導体・ディスプレー市場は、急速な技術革新により大幅に成長する反面、需給バランスの悪化から市況が低迷するという好不況の波に晒されてきました。このような市場環境の中、当社グループは市況の下降局面においても確実に利益を生み出せるよう、ROIC経営を推進しております。しかしながら、市況が予想と乖離した場合には、当社グループの売上、利益等に悪影響をもたらす可能性があります。
②技術・製品に関するリスク
当社グループは、各事業戦略に沿った開発テーマの絞り込みや保有技術のグループ内での共有化、外部の技術資源の効率的活用などにより、開発力の強化・活性化に取り組んでおり、最新の技術を取り入れた製品をタイムリーに市場投入しシェアの拡大を図ることで収益体制の強化を目指しております。こうした取組みの一環として、新たな海外研究開発拠点の設立、および当該拠点と他の研究開発拠点との連携強化により、適時な開発体制を構築するとともに、社外パートナーとの協業を通じて開発の効率化を図ることなどにより、新製品の適時投入を推進しております。しかしながら、開発期間が長期化することにより新製品のリリースに遅れが生じた場合には、当社グループの売上、利益等に悪影響をもたらす可能性があります。
③特定顧客への取引集中に関するリスク
当社グループは、国内外の主要半導体メーカーに製造装置を納入しておりますが、同業界では巨額の投資を背景に顧客の集約が進み、当社グループの売上が特定顧客に集中する傾向があります。したがって、これら特定顧客の設備投資動向や特定顧客からの受注動向によっては、当社グループの売上、利益等に悪影響をもたらす可能性があります。
当社グループでは、次世代デバイスの生産プロセス確立に寄与する競争優位性のある装置を開発・製造し、進化を続ける半導体業界に最適なソリューションを提供し続けることを目指してまいります。
④サプライチェーンに関するリスク
当社グループは、大規模災害やサプライチェーンの障害事例から、国内・海外の生産拠点、部品の調達先を統括した生産補完体制を確立し、事業が大きなダメージを受けないためのシステム構築を推進しております。一方で、サプライヤーからの主要部材の調達等において、需給が逼迫し、適時に供給が得られなくなった場合や、部材、製造委託先の確保に障害が発生した場合には、当社グループの生産活動の中断や材料費および人件費の高騰などにより、当社グループの売上、利益等に悪影響をもたらす可能性があります。
(3)公正な取引順守に関するリスク
当社グループは、企業理念に基づく行動原則、グループの全役員・従業員が心掛けるべき行動規範を定めた「SCREENグループCSR憲章・行動規範」、およびコンプライアンスに関する行動方針を定めた「コンプライアンス方針」のもと、各国の法令や社会規範を順守し、公明正大に良識ある企業活動を展開しています。また、コンプライアンス担当役員および法務担当役員主導のもと、全グループのコンプライアンス意識の向上や浸透に取り組むとともに、法務室およびコンプライアンス室が中心となり、国際的なルールや各国法令・規則の順守の推進、そのための各種教育に取り組んでいます。しかしながら、当社グループの事業活動に関連し、コンプライアンス意識の欠如・低下により、法令等への違反や訴訟、紛争等が発生した場合には、当社グループの利益等に悪影響をもたらす可能性があります。
(4)財務報告に係る内部統制に関するリスク
当社グループは、内部統制の体制整備およびその適切な運用に努めており、その運用状況について適宜点検を行っております。しかしながら、内部統制には固有の限界があるため、内部統制が有効に機能しなかった場合や無効化された場合には、法令等に抵触する事態や不正・不適切な行為等が発生し、当社グループの利益等に悪影響をもたらす可能性があります。
(5)事業継続に関するリスク
①大規模自然災害・パンデミック等に関するリスク
当社グループの国内生産拠点は京滋地区に集中しており、この地区において大規模な地震等の自然災害が発生した場合、生産設備等に大きな損害を受ける可能性があります。また、感染症によるパンデミックの発生により、営業・生産・調達・物流等の事業活動に悪影響を与える可能性があります。当社グループではオフィスや生産現場の耐震補強や感染リスク低減等、災害およびパンデミック発生時の損失を最小限にとどめる対策を講じるとともに、事業の継続または早期再開を図るため、ISO22301に基づく事業継続マネジメントシステム(BCMS)を推進し、リスク低減に関する取り組みを展開しておりますが、災害・パンデミック等により生産拠点の操業が停止するなどの不測の事態が生じた場合、当社グループの事業継続に悪影響をもたらす可能性があります。
②資金調達に関するリスク
当社グループの借入金に係る契約のうち一部の契約には、各年度の末日の連結純資産および各年度の連結経常損益に関する財務制限条項が付されております。これに抵触し、借入先金融機関の請求があった場合、当該借入金について期限の利益を喪失する可能性があります。この場合、当社グループの社債およびその他の借入金についても連動して期限の利益を喪失する可能性があります。当社グループが借入金等について期限の利益を喪失し、一括返済の義務を負った場合には、当社グループの事業継続に悪影響をもたらす可能性があります。なお、現在、財務制限条項が付されている契約に基づく借入金の残高はありません。
③情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、事業遂行に関連して、多数の個人情報や顧客情報、技術情報を有しております。当社グループでは、「SCREENグループIT管理規定」を定め、社内情報システムのセキュリティ強化を図っております。また、グループの全役員・従業員が心がけるべき行動規範を定めた「SCREENグループCSR憲章・行動規範」を制定するとともに、営業秘密管理規定を整備し、情報管理体制を強化しております。しかしながら、昨今の頻発・巧妙化・高度化するサイバー攻撃を当社またはサプライチェーンが受けた際には、予期せぬ被害によって情報流出や関連する情報システムに大規模な障害等の発生と影響が想定されます。この場合、社会的信用の低下や長期の事業停止等により、当社グループの事業継続に悪影響をもたらす可能性があります。
(6)製品の品質と安全に関するリスク
当社グループでは、品質マネジメントシステムの規格(ISO9001)に基づく品質管理体制を構築し、製品・サービスの品質および安全性の向上に取り組んでいますが、万一、大規模なリコールや製造物賠償責任につながるような製品の欠陥が発生し顧客に損失をもたらした場合、多額の追加費用の発生や信頼低下により、当社グループの売上、利益等に悪影響をもたらす可能性があります。
(7)人材に関するリスク
企業の中長期的な成長と価値向上には、多様な人材によるイノベーションの創出が不可欠です。当社グループでは、社員が目指すべき姿を自律型人材「ソリューションクリエーター」と定義し、ソリューションクリエーターの獲得・育成・リテンションを軸とした取り組みを推進しております。中でも、各事業戦略に応じた人員数の拡充を図るとともに、高度専門人材、女性、外国人などの多様性の確保、次世代の経営人材の育成に努めております。一方で、優秀な人材の確保における競争は激しく、必要な人材を継続的に採用・維持できない場合や、後継者育成計画が滞り、ソリューションクリエーターの資質を持つ人材が不足した場合、当社グループの事業、業績に悪影響をもたらす可能性があります。
(8)環境負荷低減・気候変動への対応に関するリスク
当社グループは、低環境負荷製品へのニーズの高まりや国際的な化学物質規制、環境関連規制の強化などを受け、地球環境に配慮した環境適合認定製品の拡大に取り組んでおります。また、脱炭素や水を含む資源の持続可能性、自然共生といった環境課題の解決に向けて、製品ライフサイクル全体で地球環境に配慮した製品やサービスの開発・提供、およびグリーン調達に努めております。しかしながら、取り組みに遅れが生じ、製品が環境規制等に対応できない場合、当社グループの売上、利益等に悪影響をもたらす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、中国など一部の地域において足踏みが見られるものの、全体として緩やかに回復基調で推移しました。一方、米国の通商政策の影響や中東地域の地政学リスクの高まりなどにより、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く環境は、半導体業界では、生成AIの活用拡大を支える半導体の微細化や、チップレット化を含む先端パッケージングなどの省エネ高速半導体開発の重要性が高まっております。その結果、先端ロジックやメモリー向け投資が堅調に推移し、今後も引き続き好調な動きが見込まれます。FPD業界では、ディスプレー需要が持ち直し、パネルメーカーの設備投資意欲に回復が見られました。
このような状況の中、当連結会計年度の財政状態および経営成績は次のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、棚卸資産が減少した一方で、有価証券(譲渡性預金)、売上債権、現金及び預金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ、511億3千3百万円(7.6%)増加し、7,224億2千1百万円となりました。
負債合計は、契約負債や未払法人税等が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ、148億5千6百万円(5.9%)減少し、2,357億3千6百万円となりました。
純資産合計は、配当金の支払いや自己株式取得の一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ、659億9千万円(15.7%)増加し、4,866億8千4百万円となりました。なお、当連結会計年度において、自己株式の消却・処分を行っております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 ③ 連結株主資本等変動計算書」をご参照ください。
以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、67.4%となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、売上高は6,057億4千8百万円と前期に比べ、195億2千1百万円(3.1%)減少しました。利益面につきましては、固定費の増加や売上の減少などにより、前期に比べ、営業利益は131億6千1百万円(9.7%)減少の1,225億2千2百万円、経常利益は139億4千1百万円(10.1%)減少の1,243億2千3百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は74億6千3百万円(7.5%)減少の920億3百万円となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(半導体製造装置事業:SPE)
半導体製造装置事業では、前期に比べ、ポストセールスの売上やDRAM向けの装置売上が増加した一方で、ファウンドリー向けの装置売上が減少しました。地域別では、台湾向けの売上が増加しましたが、中国や米国向けの売上が減少しました。その結果、当セグメントの売上高は、4,859億8千2百万円(前期比6.5%減)となりました。営業利益は、ポストセールスの売上増加などにより採算性は改善しているものの、売上の減少や固定費の増加などにより、1,227億7百万円(前期比10.4%減)となりました。
(グラフィックアーツ機器事業:GA)
グラフィックアーツ機器事業では、装置売上やインクを中心とするリカーリングビジネスの売上が増加したことから、当セグメントの売上高は、574億9千4百万円(前期比8.5%増)となりました。営業利益は、売上が増加したものの、固定費の増加や米国関税の影響などにより、36億2百万円(前期比16.1%減)となりました。
(ディスプレー製造装置および成膜装置事業:FT)
ディスプレー製造装置および成膜装置事業では、OLED向け装置売上が増加したことから、当セグメントの売上高は、447億5千5百万円(前期比24.9%増)となりました。営業利益は、採算性の改善や売上の増加などにより、86億5百万円(前期比181.8%増)となりました。
(プリント基板関連機器事業:PE)
プリント基板関連機器事業では、ポストセールスの売上が増加したことから、当セグメントの売上高は145億4千5百万円(前期比2.6%増)となりました。営業利益は、売上が増加したものの、固定費の増加などにより、3億8千3百万円(前期比64.2%減)となりました。
(その他事業)
その他事業の外部顧客への売上高は81億1千8百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、現金及び現金同等物に係る換算差額等を含め、前連結会計年度末に比べ、272億5千5百万円増加し2,257億3千4百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益、減価償却費、棚卸資産の減少などの収入項目が、法人税等の支払い、契約負債の減少、売上債権及び契約資産の増加などの支出項目を上回ったことから、927億7百万円の収入(前期は712億3千4百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、研究開発設備等の有形固定資産の取得などにより、297億8百万円の支出(前期は217億7千2百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いや自己株式の取得などにより、401億9千9百万円の支出(前期は464億6千6百万円の支出)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
生産実績は、販売実績と傾向が類似しているため、記載を省略しております。
b.受注実績
受注実績は、短期での変動が大きく、中長期の市場動向や当社グループの事業の状況を表すための指標として適切ではないため記載しておりません。
c.販売実績
販売実績は、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメント別の経営成績に関連付けて説明しております。
なお、主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
|
相手先 |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd. |
89,703 |
14.3 |
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
|
相手先 |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd. |
88,507 |
14.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
(売上高)
当連結会計年度における当社グループの売上高は、主に半導体製造装置事業(SPE)の売上減少により、前連結会計年度に比べ、195億2千1百万円(3.1%)減少の6,057億4千8百万円となりました。
(営業利益)
成長に向けた研究開発費や人件費などの固定費の増加や売上の減少などにより、営業利益は前連結会計年度に比べ、131億6千1百万円(9.7%)減少の1,225億2千2百万円となりました。
(経常利益)
営業外損益は、営業外収益において受取利息が増加したものの、営業外費用における損害賠償金の発生や為替差損の増加などにより、前連結会計年度に比べ、7億8千1百万円悪化しました。
以上の結果、経常利益は139億4千1百万円(10.1%)減少の1,243億2千3百万円となりました。
(税金等調整前当期純利益)
特別損益は、特別利益において関係会社株式売却益が減少したものの、投資有価証券売却益が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ、16億7千8百万円改善しました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は122億6千3百万円(8.8%)減少の1,267億4千3百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等合計は、税金等調整前当期純利益が減少したことなどから、前連結会計年度より47億9千7百万円減少し、347億3千6百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、74億6千3百万円(7.5%)減少の920億3百万円となりました。
セグメント別の経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」および「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)セグメント別の取り組み」に記載のとおりであります。
b. 財政状態
財政状態の分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
c. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2025年3月期~2027年3月期におきまして、新中期経営計画「Value Up Further 2026」に取り組んでおります。なお、中期経営計画の進捗状況および指標の達成状況ならびに新中期経営計画の指標につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営方針、経営環境及び対処すべき課題」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度の所要資金は、自己資金で賄いました。なお、将来の資金安定確保を目的として、総額600億円のコミットメントライン契約を複数の金融機関との間で締結しております。
主な資金使途としまして、設備投資計画につきましては「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」、配当政策につきましては「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成において採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成にあたって、会計上の見積りを必要とする項目については、過去の実績や当該事象の状況を勘案して、合理的と考えられる方法に基づき見積りおよび判断をしております。ただし、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがあるものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
その他の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は以下のとおりであります。
a. 固定資産の減損について
減損会計の適用にあたり、当社グループは原則、各社を1グループ単位としてグルーピングを行っております。ただし、株式会社SCREENホールディングスにおける事業については、事業単位でグルーピングを行っております。なお、賃貸用資産および遊休資産については、個別物件単位でグルーピングを行っております。各資産グループの回収可能価額は、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額などの前提条件に基づいて測定しておりますが、今後の地価の動向や事業の将来の業績によっては、翌年度以降に減損損失が発生する可能性があります。
b. 退職給付債務について
当社グループの退職給付費用および債務は、割引率など数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。この前提条件や年金資産の長期期待運用収益率が実際の結果と異なる場合、または変更された場合、翌年度以降において認識する退職給付費用および債務に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
該当事項はありません。
当社グループでは、株式会社SCREENホールディングスとグループ会社が密接に連携し、基礎研究から商品開発に至るまで積極的な研究開発活動に取り組んでおります。またコア技術である「界面制御技術」および「画像技術」、ならびにこれらを有機的に結びつける「システム化技術」を基盤として、半導体市場、印刷市場、ディスプレー市場、プリント基板市場に向けたソリューションを展開しております。
当連結会計年度は、半導体製造装置事業を中心とした既存事業の拡大・強化に向けた開発投資を行うとともに、
半導体先端パッケージ・ライフサイエンス・水素関連の新規事業分野においても研究開発活動を積極的に推進し、
377億7千7百万円の研究開発費を投入いたしました。
なお、当社グループの主な研究開発成果は次のとおりであります。
半導体製造装置事業では、近年のAI半導体の急速な進化を背景に需要が拡大している半導体先端パッケージ市場向けに、世界最高水準の高解像度を実現した直接描画露光装置「DW-3100」を開発いたしました。また、先端デバイス分野やIoT関連分野においても、洗浄、乾燥、塗布、熱処理をはじめとした各領域でさらなる技術開発を推進しております。特に先端デバイス分野においては、IBM社と次世代洗浄プロセス開発に関する追加契約を締結したほか、imec(Interuniversity Microelectronics Centre)やその他の海外研究機関と連携した研究を継続しております。
グラフィックアーツ機器事業では、商業印刷・DM印刷・出版印刷市場向けに、用紙幅560mmに対応した高速連帳デジタルインクジェット印刷機「Truepress JET 560HDX」をリリースし、北米を中心に出荷して、お客様より高い評価をいただいています。また、パッケージ印刷向け軟包装インクジェット印刷機「Truepress PAC 830F」は国内顧客サイトでの立ち上げを完了し、お客様による実運用を開始いたしました。
ディスプレー製造装置および成膜装置事業では、半導体先端パッケージ業界で多様化する基板サイズに対応するため、半導体先端パッケージ専用の塗布乾燥装置「Lemotia(レモーティア)」に、新たに300×300mmおよび310×310mmサイズのパネル基板に対応した新モデルを開発いたしました。
プリント基板関連機器事業では、AI技術の普及を背景に需要が増加しているミドルレンジ領域のパッケージ基板において、品質安定性と生産効率向上の要望に応えるべく、ミドルレンジパッケージ基板向け直接描画装置「LUPIOS(ルピオス)」を開発いたしました。また、プリント基板の微細化・大型化・多層化に伴い基板の製造難易度や品質要求が高まり、より高水準での歩留まり改善要望に応えるべく、基板リペア装置「SpairD(スペアード)」を開発いたしました。
上記セグメント以外では、基礎研究や新規事業領域の研究開発を継続しています。ライフサイエンス分野では、当社、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社、株式会社VitroVoとの3社にて、高密度CMOS-MEAを活用したMEAシステムを共同開発し、試験提供を開始いたしました。
基礎研究領域では、半導体製造装置事業における製品競争力の強化を目的として、2025年12月に米国に研究開発拠点として「SCREEN Advanced Technology Center of America, LLC」を設立いたしました。これにより、当社グループがトップシェアを誇る洗浄領域だけでなく、熱処理、半導体先端パッケージなどの先端技術領域における要素技術・装置開発に要する期間を短縮し、製品競争力の強化と付加価値向上を見込んでいます。
また、半導体先端パッケージ分野において、株式会社ニコンのウエハー接合技術に関する研究開発事業を譲受いたしました。株式会社ニコンの超高精度接合技術やノウハウと当社の既存技術を融合し、世界最高水準の接合技術の実現を目的に、当該分野でのプレゼンス確立を図ります。
当連結会計年度におけるセグメントごとの研究開発費は次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
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SPE |
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GA |
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FT |
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|
PE |
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上記セグメント以外 |
10,825 |
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合計 |
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