第2 【事業の状況】

 

1  【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 会社の経営の基本方針

① 当社グループは半導体製造装置及び計測機器メーカーとして、顧客の生産性向上に寄与する最先端の製品開発とカスタマーサポートに注力しています。企業成長の必須条件である「安全・健康」、「品質」、「環境・省エネルギー」、「全員力」を行動指針として、これまで培ってきた精密測定技術と精密加工技術を活かし、優れた半導体製造装置と計測機器を開発・供給することを通じ、顧客、株主の皆様、従業員、地域社会、国際社会等広く社会に貢献していきます。

 

② 当社グループは、「世界中の優れた技術・知恵・情報を融合して世界No.1の商品を創り出し、皆様と共に大きく成長してゆく」ことを企業理念としています。「WIN-WINの仕事で世界No.1の商品を創ろう」をモットーに、コーポレートブランド「ACCRETECH」のもとで、当社の培ってきたコア・テクノロジーを応用することに加え、世界No.1の商品創りという共通の目的をもつ国内外の会社及び個人と“WIN-WIN”の関係を築くことにより、世界No.1の製品開発体制を構築して真のグローバル・カンパニーとなるべく努力しています。

 

③ 当社は経営体制として、半導体社、計測社、業務会社の三つの社内カンパニー制と執行役員制を採用しています。各カンパニーは、完結した組織として責任と権限を有し、それぞれの顧客に対し機動的かつ迅速に対応することにより、顧客満足の向上と業績拡大を目指しています。

 

(2) 目標とする経営指標

技術革新がハイレベルかつハイスピードで進行する事業環境の下、成長分野において最先端技術を駆使した世界No.1商品を提供し続けることにより高収益・高効率体質を確立することを目指しており、内部資金を有効に活用し成長のための投資を効果的に行うことで資本効率を維持向上させることに努めています。

当社グループは、一株当たり利益の長期的な上昇ひいては企業価値の長期的な上昇を実現することが経営上重要であると考えており、中期的な経営指標として、2025年3月期までに「ROE15%以上」「連結売上高1,700億円」「連結営業利益375億円」を達成することを目標としています。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

① 成長戦略の推進と業績の拡大

最先端技術を駆使した世界No.1商品を不断に提供し続けるため、品質向上と生産革新を継続的に推進し、高収益・高効率の企業体質確立に努めており、その成果も着実に顕れていますが、今後とも強化された企業体質を活かして成長戦略を進め、一層の業績拡大を図っていく所存です。

一方で、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により、世界各国の顧客の工場、製品、部材等の搬送、人の移動等に停滞、混乱が生じており、その影響を見極めるのは非常に困難な状況にあります。当社グループとしては、社員の感染防止に留意しつつ、通常通りの工場操業、営業所・サービスステーション業務等を維持しています。

 

② 継続的な利益還元

企業価値を高め、株主の皆様へ継続的に利益還元を図ることが経営の重要な課題と認識し、業績の更なる改善と安定化に努めていく所存です。

 

 

③ コーポレート・ガバナンスの充実

企業価値の向上には、国際社会から信頼される企業市民として公正で透明性の高い経営活動を展開していくためのコーポレートガバナンスの充実が不可欠と認識し、「コーポレートガバナンス基本方針」に以下の方針を掲げて、取り組んでいく所存です。

ⅰ 透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うため、取締役会の役割・責務の適切な遂行に努めます。

ⅱ 株主の権利を尊重し、株主の平等性の確保に努めます。

ⅲ 中長期的な株主利益を尊重する投資方針の株主との建設的な対話に努めます。

ⅳ 株主以外のステークホルダーとの適切な協働に努めます。

ⅴ 適切な情報開示と透明性の確保に努めます。

 

④ グローバルな経営体制の構築

海外子会社による現地営業が定着し、海外売上高が連結売上高の過半を占めるようになった中、中国、タイ等では現地生産も行われるようになりました。このような状況下、現地経営幹部の積極的登用、生産面における現地調達体制の確立、現地・本社間の経営情報の共有化等の方策を通じて、グローバル化に対応する経営体制の構築を図ることが経営の重要な課題であると認識し、その実現を目指していく所存です。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社は、業務執行に係るリスクの把握と管理を目的として「リスク管理規程」を定め、代表取締役社長を責任者とする「リスク管理委員会」を設置し、潜在的なリスクの発生予防と危機発生に備えた体制整備を行っています。また、リスクが発生したときは直ちに代表取締役社長を本部長とする「リスク対策本部」を設置し、リスクへの対応と速やかな収拾に向けた活動を行う体制を整えています。

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。当社グループにおいては、これらリスクの発生を防止又は分散、ヘッジすること等によりその回避ないし軽減を図っていますが、予想を超える事態が生じた場合には、当社グループの業績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(販売活動に係るリスク)

① 当社グループは、半導体製造装置と計測機器の事業を、日本・欧米・アジア等グローバルに展開していますが、各事業での需要と供給のバランスの崩壊や、各地域の経済環境の悪化により、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

② 海外への販売については基本的に日本円建てを原則としていますが、一部の顧客への決済は米ドル又はユーロ建てとなっています。また、連結財務諸表作成のための海外連結子会社の財務諸表は所在国通貨で作成されています。このため、為替レートに予期せぬ変動が生じた場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

③ 当社グループが海外へ販売する製品の一部は、日本の貿易管理令の定めるところにより輸出に際し許可を取得する必要があります。このため、貿易管理令対象製品の変更や関連法令の改正が行われた場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

④ 当社グループは海外売上高が過半を占めているため、日本と第3国、又は第3国間の貿易紛争により輸出入が困難となる事象が発生した場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(生産・開発活動に係るリスク)

① 当社グループの事業分野では技術進化が著しく、先端技術の開発とその製品化への努力は競争力の維持・強化のために必要不可欠ですが、これらの研究開発の努力が成功に結びつかなかった場合は、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

② 当社グループは、生産活動の中断による損害を最小限に抑えるため、製造設備の定期的な防災点検、設備保守、安全性を向上する設備投資、並びに事業継続計画に基づくグループ内の生産設備を使用した代替生産が可能な体制作り等を進めていますが、突発的な事象により製造設備等が想定外の損害を被った場合は、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

③ 当社グループは、顧客納期の遵守の観点から、十分な生産スペースの確保、設備投資による増床、部材等の安定在庫の確保に努めるとともに、製品の据付に係る従業員の整備等に努めています。しかしながら、製品需要の想定以上の拡大により、生産スペースや部材等の不足、並びに据付に係る従業員の不足等が発生した場合、納期の遅延が発生し、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

④ 当社グループの生産活動には、高品質の部材やサービス等が適時・適量に供給されることが必要であり、所要の在庫対応の他、安定調達のため極力複数の供給者からの購入体制をとっています。しかしながら、一部の基幹部品は、その特殊性から調達先が限定又は切り替えが困難なものが存在します。当該部品の供給不足・納入遅延等が発生した場合、当社グループの生産活動に支障が発生し、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

⑤ 当社グループは製品・サービスの品質や信頼性の向上に常に努力を払っていますが、予想し得ない当社製品の品質上の欠陥により直接的・間接的損害を生じさせた場合、当社グループの社会的信用の失墜、賠償責任の負担、対策費用の負担、更にはその影響による収益の減少等により当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

⑥ 生産・販売活動に係る部材やサービス等の価格高騰により、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

 (知的財産に係るリスク)

当社グループの製品の多くは最先端技術を搭載した製品であり、その技術関係の保護については特別の配慮をしています。特に特許関係の権利帰属、商標・ブランドの保護等については会社の利益が損なわれないように施策を講じていますが、日本及び海外において、やむを得ず第三者との権利関係をめぐる訴訟等が発生した場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(情報流出に係るリスク)

当社グループは、事業活動における顧客等の機密情報並びに当社グループの技術・営業・その他事業に関する機密情報を保有しています。当社グループは、「情報セキュリティ基本方針」に基づき、各国の法令に準拠しつつ、情報セキュリティ規程の整備、各種情報セキュリティ対策及び教育・訓練を実施する等、情報の取扱には細心の注意を払っていますが、過失や盗難、外部からの攻撃等による不測の事態により情報が外部流出もしくは改ざんされる可能性があります。万一このような事態が生じた場合には、当社グループの信用低下や影響を受けた方への補償等により、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(環境規制に係るリスク)

当社グループは、国内外において、水質汚濁防止、大気汚染防止、廃棄物規制、環境規制、エネルギー問題、地球温暖化対策及び製品含有化学物質管理等の環境に関する様々な規制の適用を受けています。当社グループは、環境に与える負荷を低減し、かつ関連規則を遵守するため、製品の開発や製造工程において様々な施策に取り組んでいます。しかし施策で期待した成果が得られなかった場合や、これらの規則や運用の厳格化等が行われた場合に、当社グループの生産活動に対する制約の発生、規則遵守対応に関する費用発生等によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(コンプライアンスに係るリスク)

当社グループの事業は、関連する各国の各種法的規制の適用を受けています。そのため、内部統制システムを整備するとともに、「コンプライアンス委員会」を設置し、法令遵守のみならず、役員・従業員が共有すべき倫理観、規範等を「ACCRETECHグループ行動規範」として制定し、当社グループにおける行動指針の遵守並びに法令違反等の予防に努めています。しかしながら、役職員個人による法令違反を含むコンプライアンス上の問題が発生した場合には、当社グループの社会的信用や業績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(新型コロナウィルス感染拡大に伴うリスク)

今般の新型コロナウィルス感染症の流行拡大は、世界的な規模で経済活動に影響を及ぼしています。当社グループでは、半導体製造装置と計測機器の両事業において、顧客及び調達先の操業停止に伴う販売、生産活動への影響を想定しています。当連結会計年度末現在では、これらの影響は軽微であると判断していますが、経済活動への影響が更に長期化する場合は、当社グループの業績に想定外の影響を及ぼす可能性があります。

 

(包括的なリスク)

① 当社グループは、全世界で事業活動を行っており、各国それぞれの法的規制の下、最適な事業活動を行っていますが、各国における予期せぬ法的規制の変更により、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

② 日本及び進出先各国で企業活動が停滞する水準の自然災害、テロ、戦争、伝染病等が発生した場合、営業活動、調達、生産、輸送、納入並びに間接処理が停滞し、結果として当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続きましたが、先進国中心にワクチン接種進展を踏まえて経済活動の再開に取り組んだことで、全体としては景気持ち直しの方向に進みました。一方で、物流停滞の継続や一部地域でのロックダウン実施に加え、米中貿易摩擦の長期化、部材の供給不足深刻化、資源・エネルギー価格上昇等が見られ、更にウクライナ情勢の緊迫化が加わり、予断を許さない情勢が続き先行きは不透明な状況でした。

このような状況下、当社を取り巻く環境は、半導体製造装置部門取引先である半導体やハイテク関連企業では引き続き好況が続いたほか、計測機器部門の取引先であるものづくり業界全般についても回復基調となり設備投資再開の動きが見られました。こうした中で、当社は、部材調達難や物流停滞の影響を受けつつも、高稼働の生産、出荷を維持しました。

その結果、当連結会計年度における業績は、半導体製造装置部門の伸長並びに計測機器部門の回復により、受注高、売上高、各利益ともに既往ピークを更新しました。

当連結会計年度の経営成績、売上高133,277百万円(前年同期比37.3%増)となり、利益面は、営業利益28,550百万円(同83.5%増)、経常利益29,390百万円(同85.2%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は21,441百万円(同76.1%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

 

半導体製造装置

半導体製造装置部門では、期を通じて5G、サーバ等の通信関連ロジックデバイス向け需要が堅調に推移したほか、半導体デバイス国産化を推進する中国からの需要が高水準を維持しました。また、当期後半はディスプレイドライバICやウェーハ増産向け需要も増加に転じたこと等から、当セグメントの受注高、売上高はともに既往ピークを更新しました。

中国向けでは検査工程向け装置、加工装置ともに堅調だったほか、検査工程向け装置は台湾、日本向け等で堅調に推移、加工装置は日本、東南アジア向け等で堅調に推移しました。このような状況下、当社としては、引き続き顧客のニーズを満たす製品の開発を進めたほか、生産キャパシティや部材調達先の拡充、消耗品販売促進等に努めました。

この結果、当連結会計年度における当セグメントの業績は、売上高103,360百万円(前年同期比44.1%増)、営業利益24,893百万円(同83.5%増)となりました。

 

計測機器

計測機器部門では、ものづくり業界全般における設備投資が回復に転じたことから、計測機器需要も緩やかに回復しました。こうした中で、機械部品・ロボット用途等に向けた計測需要の回復に加え、新規分野として注力していた半導体製造装置等の機械用途需要を新たに獲得することができました。また、主要ユーザーである自動車業界においては、三次元座標測定機等の汎用計測製品向け需要が増加し回復の兆しが見えました。これにより、当セグメントの受注高、売上高は前期比で増加しました。

このような状況下、当社としては、ものづくり全般の自動化ニーズに対応するソリューションの提供、NEVや医療・精密機械分野の開拓、受託測定サービスの強化等のほか、オンラインセミナー開催による顧客との関係強化等に努めました。

この結果、当連結会計年度における当セグメントの業績は、売上高29,917百万円(前年同期比18.0%増)、営業利益3,657百万円(同83.1%増)となりました。

 

 

次に当連結会計年度末時点の財政状態の概要を示すと次のとおりです。

 

当連結会計年度末時点の当社グループの財政状態は、資産合計190,188百万円(うち、流動資産133,785百万円、固定資産56,403百万円)に対し、負債合計59,202百万円、純資産合計130,986百万円となりました。

i.資産

好業績を受けて「現金及び預金」残高が大きく増加したことに加え、受注・売上増加により売掛債権、棚卸資産も増加したことが主な要因となり、当連結会計年度末の資産の総額は、前連結会計年度末に対し28,632百万円増加しました。

ⅱ.負債

生産の拡大に伴って仕入債務が増加したことが主な要因となり、当連結会計年度末の負債の総額は前連結会計年度末に対し14,423百万円増加しました。

ⅲ.純資産

2021年8月3日開催の取締役会決議に基づく自己株式取得に伴い「自己株式」が増加した一方で、「親会社株主に帰属する当期純利益」の計上により「株主資本」が大きく増加したことが主な要因となり、当連結会計年度末の純資産の総額は前連結会計年度末に対し14,208百万円増加しました。

この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ3.3ポイント減少し、68.1%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度中「現金及び現金同等物」は5,382百万円増加し、当連結会計年度末の「現金及び現金同等物」の残高は49,006百万円となりました。

 

以下、前連結会計年度末と比較して、その内容を営業、投資、財務の各活動別に示すと次のとおりです。

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、その入金超の金額が前連結会計年度22,062百万円から当連結会計年度末は24,062百万円へと増加しました。これは主に「税金等調整前当期純利益」が前連結会計年度の16,147百万円から当連結会計年度は29,746百万円へ増加したことのほか、法人税等の支払額7,648百万円、棚卸資産の増加7,148百万円、売上債権の増加6,575百万円、契約負債の増加6,192百万円、仕入債務の増加6,016百万円、減価償却費3,574 百万円等によるものです。

 

投資活動によるキャッシュ・フローは、その支出超の金額が前連結会計年度の5,191百万円から当連結会計年度9,036百万円へと増加しました。これは主に現在建設中である飯能工場の土地及び工事着手金等、有形固定資産の取得による支出9,367百万円等によるものです。

 

財務活動によるキャッシュ・フローは、その支出超の金額が前連結会計年度8,282百万円から当連結会計年度10,350百万円へと増加しました。これは主に配当金の支払額5,956百万円、自己株式の取得2,501百万円、長期借入金の返済2,000百万円等によるものです。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

半導体製造装置

98,738

+47.6

計測機器

25,744

+16.4

合計

124,483

+39.9

 

(注) 上記生産実績は販売価額によります。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

半導体製造装置

157,407

+68.9

104,666

+106.8

計測機器

33,667

+41.0

10,051

+59.5

合計

191,074

+63.2

114,717

+101.5

 

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

半導体製造装置

103,360

+44.1

計測機器

29,917

+18.0

合計

133,277

+37.3

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先別の販売実績が連結売上高の100分の10以上となる主要な販売先はないため記載を省略しています。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

① 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度末時点の財政状態の概要は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりですが、業容の拡大に伴い、資産及び負債が急速に増加する中では総資産回転率を向上させ、収益性の確保に努めることが肝要なことになると認識しています。

 

② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの営む半導体製造装置事業及び計測機器事業は、いずれも技術革新のテンポが早く、製品自体にも高度に技術的な要求が求められる競争の激しい事業です。また、特に半導体製造装置事業におけるユーザーの属する半導体業界等は好不況のサイクルが大きな振幅をもって循環的に訪れる業界であり、当社グループの業績も過去幾度となくその影響を受けてきました。このような事業環境の中にあっては継続的に製品開発を続け、市場動向の影響を最小限にとどめることのできるような競争力の強い製品群をつくり続けていくことが何よりも重要なことであると認識しています。

ⅰ.売上高

当連結会計年度の「売上高」は、半導体製造装置事業が103,360百万円(前年同期比44.1%増)、計測機器事業が29,917百万円(同18.0%増)、両事業合計で133,277百万円(同37.3%増)でした。

半導体製造装置事業は、5G通信の拡大に伴い、メタバースに代表される仮想空間技術の進化や、現実空間との融合が続くことで、関連するサーバ・データセンター向け半導体需要は、引き続き高水準で安定した推移が見込まれます。また、脱炭素社会の実現に向け、パワー半導体の生産拡大が見込まれるほか、自動運転や電装化の盛り上がりによる車載半導体においても中長期的な市場拡大を予想しています。

このような状況下、翌連結会計年度の半導体製造装置事業の業績は、受注高においては、製品納期の長期化に伴う一時的な調整はあるものの、過年度に比して引き続き高水準が続くと予想するほか、売上高については、部材の調達難や物流停滞などの問題に対応しつつ、累積した受注案件の出荷に注力することで、総じて堅調な推移を見込んでいます。当社グループは、調達網の多角化、生産キャパシティの拡大を進めるほか、顧客のカスタマイズ要求に応える製品並びにオプションの開発を進めていきます。

計測機器事業では、ものづくり業界全般で設備投資の回復が続き、当社主要ユーザーである自動車並びに工作機械関連業界での需要も緩やかな回復を想定しています。堅調な半導体製造装置に関連した計測需要や、自動化の進展に伴うロボット関連需要、EV化の進展による電池測定需要も増加傾向が続くと想定しています。

このような状況下、翌連結会計年度における当社グループの計測機器事業の業績も、緩やかな回復を見込んでいます。当社グループは、コア事業である三次元座標測定機、表面粗さ測定機、真円度測定機等の汎用計測機器と、マシンコントロールゲージやセンサ等の自動計測機器の製品群において、高精度化・高機能化・自動化の要請に応える製品開発により一層の需要取り込みを図るほか、EV化に対応する新たな製品領域である充放電試験システムについても、きめ細かくお客様のニーズを汲み上げ市場開拓を進めていきます。

ⅱ.売上原価、販売費及び一般管理費

当連結会計年度の「売上原価」は79,772百万円、「販売費及び一般管理費」は24,954百万円でした。

「売上高」に対する「売上原価」の比率は前連結会計年度の62.0%に対し当連結会計年度は59.9%、「販売費及び一般管理費」の比率は前連結会計年度の22.0%に対し当連結会計年度は18.7%でした。

ⅲ.営業損益

これらの結果、当連結会計年度の営業損益は28,550百万円(前年同期比83.5%増)の利益となりました。セグメント別の損益では、半導体製造装置事業が24,893百万円(同83.5%増)、計測機器事業が3,657百万円(同83.1%増)の利益でした。

当社グループは、当連結会計年度を最終年度とする中期経営計画において、連結営業利益22,000百万円を目標に掲げていましたが、売上高の拡大と利益率の向上という質量両面からのアプローチを進めてきた結果、この目標を達成することができました。

 

ⅳ.営業外収益、営業外費用

当連結会計年度の営業外収益は、「受取配当金」「為替差益」等により総額994百万円、営業外費用は「輸送事故による損失」「支払利息」等により総額154百万円でした。

ⅴ.経常損益

これらの結果、当連結会計年度の経常損益は29,390百万円(前年同期比85.2%増)の利益となりました。

ⅵ.特別利益、特別損失

当連結会計年度の特別利益は、在外関係会社を清算した際に生じた「関係会社清算益」等により390百万円、特別損失は「固定資産減損損失」等により34百万円でした。

ⅶ.税金等調整前当期純損益

これらの結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純損益は29,746百万円の利益となりました。

ⅷ.法人税等

当連結会計年度の「法人税等合計」の金額は8,247百万円で、「税金等調整前当期純利益」に対する割合は 27.7%でした。

ⅸ.非支配株主に帰属する当期純損益

当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純損益は57百万円の利益でした。

ⅹ.親会社株主に帰属する当期純利益

これらの結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は21,441百万円(前年同期比76.1%増)の利益となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりですが、営業活動によるキャッシュ・フローを入金超過に維持しつつ、その資金を投資及び財務活動キャッシュ・フローの出金超過分に使用できているものと考えています。また、こうして蓄積された資金については、新製品開発と生産能力拡充を継続的に推し進めていくための開発投資、設備投資等に有効に活用していきます。

なお、当社グループは、設備投資計画に基づく所要の長期的資金は自己資金の他、主として銀行借入により調達することを方針としており、安定的な資金の財源の確保のためには金融機関との良好な関係を維持していくことも重要なことと認識しています。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結会計年度末時点における資産及び負債並びに連結会計期間における収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いています。これらは過去の実績をもとに将来の予測を加味した上で、継続的かつ合理的、保守的な評価に重点を置き見積られたものとなっています。

なお、新型コロナウィルス感染症につきましては、当社グループの事業全体への大きな影響はなく、現時点では財政状態及び経営成績に与える影響は軽微であるとの仮定のもとに、会計上の見積りを行っています。

 

(固定資産の減損処理)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討していますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

<提出会社>

相互代理店契約

 

相手方の名称

契約内容

契約期間

CARL ZEISS社(ドイツ)

汎用計測機器製品に関する相互代理店契約

2020年10月1日より最長5年間

 

 

<連結子会社>

特記すべき事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動については、グループ内で主たる生産を受け持っている当社を中心に、半導体製造装置及び計測機器の各製品全般にわたって、現有製品の競争力向上のための製品改良、新型機種の開発並びに長期的成長を目指した基礎研究等を行っています。

当連結会計年度におけるグループ全体での研究開発費の総額は8,146百万円であり、セグメントごとにその具体的活動内容を示すと次のとおりです。

 

a 半導体製造装置

半導体製造装置の分野では半導体デバイスや電子部品の高精度化、高機能化並びに高信頼性を求めてユーザー各社の設備は多様化しています。また、電子回路の微細化、積層化の進展にともなう技術要求や、高効率の検査・加工要求も高まっています。当社グループはこれら市場ニーズに応えるための次世代装置のタイムリーな開発に努めています。

 当連結会計年度における主な研究開発のテーマは、前連結会計年度から引き続き、プロービングマシン、ウェーハダイシングマシン、並びにポリッシュ・グラインダ等の研削装置の性能向上でした。

なお、当連結会計年度における当セグメントの研究開発費の総額は6,728百万円でした。

 

b 計測機器

顧客の生産合理化・FA化が進む中で精密測定の高精度・高機能化・自動化の要請に加え、低価格化への要請も高まっており、これら市場ニーズに応えるため各種製品の開発、改良に努めています。

当連結会計年度における主な研究開発のテーマは、三次元座標測定機ハードウェアの性能向上、統合測定解析ソフトウェアの機能改良等でした。

なお、当連結会計年度における当セグメントの研究開発費の総額は1,418百万円でした。