文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グルーブが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、これまで培ってきた事業基盤を最大限に活用し、グループの強みを活かし「精密分野でのカテゴリーNo.1の実現」に向け経営資源を集中し「RHYTHM」ブランド価値向上に努めてまいります。各事業とも、お客様との協創によりソリューションを提供し、長期的な視点で企業価値向上に努め、持続的な成長を図ってまいります。また、継続的な事業ポートフォリオの見直しや事業シナジー効果の見込めるM&A、構造改革の推進、将来を見据えた業務改革に取組み、安定した経営基盤の確立に向け取り組んでまいります。
(2)目標とする経営指標
(※2018年5月15日公表値)
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経 営 指 標 |
2015年度 |
2016年度 |
2017年度 |
2018年度 |
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(実績) |
(実績) |
(実績) |
(目標)※ |
|
|
売上高営業利益率(%) |
1.7 |
2.6 |
3.2 |
4.1 |
|
自己資本当期純利益率(ROE)(%) |
3.1 |
0.0 |
1.8 |
3.3 |
|
連結売上高(億円) |
333 |
333 |
315 |
330 |
|
海外売上高比率(%) |
32.8 |
36.4 |
36.8 |
40.0 |
※中期経営計画では、株主が期待する高収益で資本効率の良い会社をめざすため、収益力の強化とROEの改善を第一とし、最終年度である2018年度に売上高営業利益率5%、ROE5%を目標値として掲げておりましたが、経営環境の変化と構造改革を引き続き進めていくため、見直すことといたしました。
カテゴリーNo.1を目指す分野
時計事業:クロック・小型ファン・防災行政ラジオ
接続端子:接続端子・小型精密プレス部品
プレシジョン事業:精密金型・精密加工部品
電子事業:電子機器などのEMS・加飾複合品
(3)中長期的な会社の経営戦略
① 時計事業
国内外ともに収益の最大化を図り、新たな成長に向けた基盤づくりに取り組んでまいります。
「RHYTHM」ブランド戦略を一部見直し、引き続きグループ全体で「RHYTHM」ブランド認知度向上に取り組んでまいります。主力の国内クロック分野では、「RHYTHM」ブランドを基軸とした新型販売を強化するとともに、営業・商品・販促連動により長期的にギフト需要の拡大に努めてまいります。クロック以外の商品群については、小型ファンや防災行政ラジオに続く新製品の開発も進めてまいります。これらと並行して、商品ラインナップの再構築により収益の改善を図ってまいります。
海外販売におきましては、米国市場ではインターネット販売の拡大、中国をはじめとした重点市場では新型販売の強化やインターネット販売の新規開拓に努めてまいります。
生産面では、ベトナム工場と中国工場の連携を強化し、事業部一体となった運営により最適化生産を進め、生産性向上を図ってまいります。
② 接続端子事業
家電民生用機器の部品や自動車・二輪の成形・複合品等に強みのある当事業は、更なる営業活動強化、海外への自社部品の拡販に努め、売上拡大を図ってまいります。
営業面では、自動車の電装部品に強みを持つ当社グループは、ネットワークを活かし、日系企業のみならず、自動車や電気機器関連会社との取引拡大をめざし、技術力や製造力をアピールしながら各拠点の受注拡大に努めてまいります。
生産面では、人手不足や賃金アップ、原材料の高騰などへ対処するため、生産効率アップ、半自動化や自動化のための設備投資を進めてまいります。また、将来成長に向けた基盤づくりとして、人員増強と育成を進めてまいります。
③ プレシジョン事業
永年培ってきた高難度精密金型・成型技術は、ミクロン単位の精度まで向上してまいりましたが、拡大する市場の要望にあわせ、技術の更なるレベルアップに挑戦し、人材育成を進め、事業基盤づくりにも注力してまいります。
国内では、工作機械部品、車載カメラ部品等の売上拡大に取り組みます。特に工作機械部品は、年内に竣工する新工場の建設に注力し、製造工程の効率化による生産能力の最大化を進めてまいります。また、2019年度竣工予定の金型・成形工場の建設準備を進めてまいります。
海外では、ベトナムでの設備投資による生産力の早期拡大とコスト競争力強化による受注の拡大、中国での生産工程および品質管理制度の再強化を図り、新規取引の拡大を図ってまいります。
④ 電子事業
昨今の急激な受注環境の変化に対応するため、引き続き構造改革と新規受注活動強化に取り組んでまいります。
カテゴリーNo.1の商材におきましては、開発支援・金型・成形・加飾・回路実装を絡めた「電子機器などのEMS」、「加飾複合品」に特化してまいります。
国内では、生産体制のスリム化と生産効率向上を進め、コスト競争力を向上させてまいります。
海外では、ベトナムでの電子機器などのEMSの受注拡大、中国での加飾複合品の受注拡大に努めてまいります。
営業面では、重点活動として新規取引先の開拓を実施し、2019年からの成長軌道への転換に向け準備を進めてまいります。
株主還元につきましては、安定配当、概ね30%の配当性向を基本とし、自己株式の取得も継続的かつ機動的に実施してまいります。
また、当社グループ各社では、女性や外国人をはじめとする多様な人財が活躍できる環境づくりを従業員が主体となって推進しており、今ではグループ全体の役員に占める外国人の比率は2割を超えております。経営陣は多様な人財が最大限に活躍できる環境整備に努めてまいります。
さらに、適時コンプライアンスマニュアルの見直しを行い、全役員・従業員が参加するコンプライアンス研修を実施し、法令遵守を図ってまいります。
このように当社グループは、収益性を高める施策を積極的に展開し、企業価値、株主価値の向上に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①為替変動のリスクについて
当社グループの海外拠点における事業活動の拡大に伴い、外貨建取引の増加や外貨建債権債務残高の増大により為替レートの変動による影響を受けやすくなっております。そのため当社グループは為替予約及び通貨オプション等によるリスクヘッジを行うとともに、海外販売の強化を進めておりますが、為替レートの急激な変動により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②時計生産拠点の海外集中について
当社グループの時計事業の製品は、海外生産が中心であるため、海外において政治経済や法規制の変化など予期せぬ事象が発生した場合には、部品調達や工場操業に支障をきたすなど、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③減損リスクについて
当社グループの資産の時価が著しく下落した場合や、事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④M&A及び業務提携等に関するリスクについて
当社グループは、M&Aや業務提携等を通じた事業強化に取り組んでおります。実行にあたっては対象企業に対する詳細な調査を踏まえた検討を行いますが、事業展開が計画どおり進まない場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤地震等の自然災害によるリスクについて
世界各地に展開する当社グループの生産拠点・販売拠点及びそれら周辺地域において、大規模な自然災害が発生した場合には、生産活動や商品供給に支障をきたしたり、復旧費用等、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥その他のリスクについて
上記以外でも、国内外の主要市場における貿易規制、株式市場や債券市場の大幅な変動などにより当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度(平成29年4月1日から平成30年3月31日)における世界経済は、中国をはじめアジア新興国等の経済の先行き、政策に関する不確実性による影響、通商問題の動向、金融資本市場の変動の影響等はありますが、グローバル経済は堅調で緩やかな拡大基調を維持しております。
わが国経済は、個人消費がいまだ力強い回復軌道に乗らないながらも、五輪関連や生産性向上に関わる設備投資の増加や公共投資の執行、在庫循環の改善により、景気は緩やかな回復基調にあります。
このような状況のもと、当社グループは、平成28年5月に策定した中期経営計画のもと、精密分野でのカテゴリーNo.1の実現を目指し、取り組んでまいりました。売上高につきましては、接続端子事業およびプレシジョン事業が好調で増収となりましたが、時計事業と電子事業で減収となり、結果、全体では減収となりました。営業利益におきましては、接続端子事業・プレシジョン事業が好調に推移したことにより、全体で増益となりました。
以上のことから業績は次のとおりとなりました。
(単位:百万円)
|
|
|
平成29年3月期 連結会計年度 |
平成30年3月期 連結会計年度 |
増減額 |
増減率 |
|
売 上 高 |
時計事業 |
11,466 |
10,220 |
△1,245 |
△10.9% |
|
接続端子事業 |
8,063 |
8,984 |
921 |
11.4% |
|
|
プレシジョン事業 |
6,217 |
6,506 |
288 |
4.6% |
|
|
電子事業 |
7,235 |
5,435 |
△1,799 |
△24.9% |
|
|
その他 |
349 |
370 |
20 |
5.8% |
|
|
計 |
33,332 |
31,516 |
△1,815 |
△5.4% |
|
|
営 業 利 益 又 は 営 業 損 失 (△) |
時計事業 |
10 |
△52 |
△62 |
- |
|
接続端子事業 |
797 |
929 |
132 |
16.6% |
|
|
プレシジョン事業 |
383 |
701 |
317 |
82.9% |
|
|
電子事業 |
71 |
△259 |
△330 |
- |
|
|
その他 |
57 |
55 |
△1 |
△3.0% |
|
|
調整額 |
△469 |
△379 |
89 |
- |
|
|
計 |
851 |
995 |
144 |
17.0% |
|
|
経常利益 |
956 |
1,131 |
175 |
18.4% |
|
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
1 |
531 |
530 |
- |
|
これらをセグメント別に見てみますと次のとおりであります。
① 時計事業
時計事業におきましては、国内では、「RHYTHM」ブランドの認知拡大とギフト売上拡大に積極的に取り組んでおりますが、主力の量販店売上が減少、また、不採算商品の縮小により減収となりました。利益面につきましても、原価率の改善は進んでいるものの売上減少やブランド構築費の増加により減益となりました。
海外では、中国でのインターネット向け販売が好調だったものの、海外でウオッチ販売事業から撤退したことの影響により減収となりました。また、利益面につきましては、ベトナム工場において収益改善への取り組みが進んではいるものの、海外全体では販管費の増加等により営業損失となりました。
これらの結果、時計事業全体では減収、営業損失となりました。
② 接続端子事業
接続端子事業におきましては、国内では、家電・自動車・AV機器向けの部品の受注が好調で増収増益となりました。
海外では、原材料の高騰もありましたが、インドネシア・ベトナムでの自動車や二輪向け部品の受注が好調に推移したことに加え、中国工場の採算が改善したこともあり増収増益となりました。
これらの結果、接続端子事業全体では増収増益となりました。
③ プレシジョン事業
プレシジョン事業におきましては、国内では、工作機械部品の受注が引き続き好調に推移しました。また、車載カメラ部品など新領域の精密加工部品の受注も増加、生産ラインの合理化・効率化効果も寄与し、増収増益となりました。
海外では、ベトナムでの事務機器向けの精密加工部品の受注拡大と製造工程品質の向上成果により、増収増益となりました。
これらの結果、プレシジョン事業全体では増収増益となりました。
④ 電子事業
電子事業におきましては、国内では、美容機器などのEMSを新規受注・生産を開始しましたが、情報機器分野の想定以上の受注減少を埋めることができず減収、加えて、構造改革の一環として不採算ビジネスの対処費用を計上したことにより営業損失となりました。
海外では、ベトナムでの電子機器などのEMSの受注増により増収があったものの、中国での受注減少により減収、営業損失となりました。
これらの結果、電子事業全体では減収、営業損失となりました。
⑤ その他
物流事業その他事業につきましては、物流子会社におけるグループ外での受注が拡大したことにより増収となりましたが、前期の新倉庫建設に伴う費用増加により、営業利益は前期並みとなりました。
(2) 財政状態
① 資産
総資産は410億36百万円となり、前連結会計年度末445億21百万円に比べて34億85百万円減少しました。流動資産は、現金及び預金の減少等により、前連結会計年度末に比べ23億73百万円減少しました。固定資産は、償却進行等により、前連結会計年度末に比べ11億11百万円減少しました。
② 負債
負債合計は122億60百万円となり、前連結会計年度末132億58百万円に比べ9億97百万円減少しました。流動負債は、支払手形及び買掛金の減少等により前連結会計年度末に比べ6億63百万円減少しました。固定負債は長期借入金の減少等により、前連結会計年度末に比べ3億33百万円減少しました。
③ 純資産
純資産合計は、287億75百万円となり、自己株式の取得等により、前連結会計年度末に比べ、24億87百万円減少しました。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ15億43百万円減少し、当連結会計年度末には94億97百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の増加と、売上債権の減少等により、24億92百万円の資金の増加(前連結会計年度に比べ72百万円の資金の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、6億52百万円の資金の減少(前連結会計年度に比べ5億8百万円の資金の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出等により、32億41百万円の資金の減少(前連結 会計年度に比べ15億64百万円の資金の減少)となりました。
(4)生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
時計事業 |
7,389 |
93.9 |
|
接続端子事業 |
9,031 |
109.1 |
|
プレシジョン事業 |
6,351 |
99.9 |
|
電子事業 |
5,816 |
80.5 |
|
その他 |
- |
- |
|
合計 |
28,589 |
96.2 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度におけるセグメントごとの受注実績は次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
時計事業 |
1,084 |
114.8 |
592 |
86.0 |
|
接続端子事業 |
8,812 |
110.6 |
802 |
104.7 |
|
プレシジョン事業 |
4,548 |
102.7 |
81 |
58.9 |
|
電子事業 |
2,895 |
69.9 |
234 |
120.4 |
|
その他 |
- |
- |
- |
- |
|
合計 |
17,341 |
99.2 |
1,711 |
95.6 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
時計事業 |
10,220 |
89.1 |
|
接続端子事業 |
8,984 |
111.4 |
|
プレシジョン事業 |
6,506 |
104.6 |
|
電子事業 |
5,435 |
75.1 |
|
その他 |
370 |
105.8 |
|
合計 |
31,516 |
94.6 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
販売実績の総販売実績に対する割合が10%を上回っている相手先がないため、記載を省略しております。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当社は、シチズン時計株式会社と商標の使用に関する契約を以下のとおり締結しています。
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約 締結日 |
契約期間 |
契約内容 |
|
リズム時計工業 |
シチズン時計 |
日本 |
クロック |
平成29年4月1日 |
平成29年4月1日から 平成30年3月31日まで |
国内向けクロックの「CITIZEN」商標に使用に関する許諾 |
当社グループの研究開発活動は、時計事業分野と電子事業分野に大別されます。
時計事業分野における新製品開発活動は、IoT商材として離れて暮らす人の様子を表示し、簡単にコミュニケーションをとることのできる相互通信機能を持ったクロックの開発、Bluetooth4.2の相互通信機能とサーバーの時刻情報を使用して建物内の複数の時計の時刻を合わせるネットワーククロックの開発、導光板開発技術を生かした照明色の切替ができる夜間照明付きクロックの開発、デジタル放送に対応した防災行政ラジオの開発、新型ファンの開発、新分野商材として加湿器の開発を行っています。
電子事業分野における新製品開発活動は、情報関連機器として各種アミューズメント関連機器、環境に配慮したLED照明機器及び車載関連機器として自動車用アナログ時計やメーターパネル周りの新製品開発、映像関連機器として自動車や建設機器類の安全監視用カメラシステム、半導体製造装置向け検査用カメラシステムの開発を進めております。
なお、当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)における研究開発費の金額は1億31百万円であり ます。