1 会社の経営の基本方針
当社グループは、「たゆみない創造と革新を続け、豊かで楽しい安全な社会づくりに貢献する」を基本理念として定め、当社グループが求め、向かう企業像を明示しております。
現在の厳しい経営環境の中、更なる持続的発展のため、2020年10月1日をもって当社を存続会社、リズム協伸株式会社及び東北リズム株式会社を消滅会社とする合併を行う予定です。
この組織再編により「新しい真のRHYTHMへ」を将来ビジョンとし、事業領域を拡大・成長させていくことを念頭に置き、当社の商号を「リズム時計工業株式会社」から「リズム株式会社」に変更いたします。
国内基幹3社の合併によるシナジーを最大限に生かして、より高い付加価値をもたらす競争力のある商品・サービスの創造とあわせ「RHYTHM」ブランドの価値向上に努め、より一層の発展を遂げることをめざしてまいります。また、基本理念の実現に向け、グループガバナンス強化のための継続的な取り組みに加えて、収益力強化に向けて全力で取り組んでまいります。
企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、株主をはじめとする様々なステークホルダーと良好な関係を築き、社会動向などを踏まえ、透明・公正な意思決定を行い、適時必要な施策を実施し、株主価値向上に努めてまいります。
2 中長期的な会社の経営戦略、対処すべき課題及び目標とする経営指標
当社グループは、中期的な視点で経営を行うため2019年度から2021年度まで3年間の中期経営計画を策定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症による影響と3社合併を考慮し、2019年5月に公表した中期経営計画の方策及び目標値の見直しを検討しています。しかしながら、感染症の収束時期も、収束後の環境も不確実性が高く合理的な計画を立案することが困難なため、現時点では未定とさせていただきます。
≪経営指標と目標値≫
<新中期経営計画の経営方針>
(1)グループガバナンスの強化
「事業間の連携強化と経営幹部の育成」を中期経営計画の根幹とし、事業の垣根を越え、業務上の問題を早期に検出し、問題に対して実効的に対応できる組織・仕組みづくりを目指してまいります。また、経営幹部の任命基準を設定し、評価・研修制度を整え、ジョブローテーションも行いながら経営幹部の育成を行ってまいります。これらの施策の実行により株主の皆様をはじめとするすべてのステークホルダーの皆様からの信頼回復に努めてまいります。
(2)収益力の強化
本中期経営計画でも引き続き、強みの部分に経営資源を集中し、接続端子事業とプレシジョン事業は、グループの成長エンジンとしての事業拡大をねらい、時計事業は赤字体質からの脱却を最優先に全力で取り組んでまいります。
(3)リズムブランド価値向上 ~ステークホルダーとの関係強化~
株主・投資家の皆様、お客様、地域・社会、従業員、当社をとりまくすべてのステークホルダーに信頼され、社会にとって必要不可欠な会社を目指してまいります。
(4)ROAの改善 ~営業利益率改善と資産効率化~
接続端子・プレシジョン事業の成長分野への重点投資と資産の効率化や有利子負債の圧縮等による財務体質強化を基本方針とし、「事業利益確保」「資産効率化」を両輪に財務体質強化とROA改善を推進してまいります。
① 時計事業
国内販売につきましては、クロック市場の縮小が進む中、商品内容の集中と選択を進め採算の改善と効率的な商品政策を行い、当社の強みである「販売と製造の相乗効果」を生かして利益を創出してまいります。また、非クロック分野は将来に向けての売上の大きな柱とすべく土台作りの為に新規得意先拡大に向けた体制作り、さらに売上拡大に繋げてまいります。費用・在庫についても削減を推進し利益創出の取り組みを強化してまいります。
海外販売につきましては、アジア圏では、商品の集約・販売資源を集中し販売を強化するとともに、在庫削減を図り利益創出してまいります。米国は、採算性を重視した販売活動へ移行し、収益確保を目指してまいります。
生産面につきましては、海外生産の中国への集約が完了し、効率化を進め製造の安定化、コスト改善により利益創出に貢献してまいります。
② 接続端子事業
自動車・二輪の成形・複合品や家電民生用機器の部品等に強みのある当事業は、グループのネットワークを活かし、各拠点の受注拡大に繋げてまいります。営業力、技術力、品質管理力、業務管理力、製造力の強化を推進し、各種管理手法の共通化を進め、グループ全体のレベルアップに取り組んでまいります。営業面では、既存の業種・取引先以外への活動や、新規部品の提案や開発提案を強化してまいります。
生産面では、品質管理や不具合情報の共有による改善を進めながら、将来に向けた技術革新、新技術へのチャレンジへ取り組んでまいります。
③ プレシジョン事業
高難度・高品質の金型及び成形部品の売上拡大を事業の柱として、収益拡大に努めてまいります。国内では、コスト競争力強化を推進し新規受注の獲得へ取り組んでまいります。プレシジョン事業に統合した旧電子事業は、事業構造改革を進め採算化を目指すとともに部品の生産から組立てまでの一気通貫型新規ビジネスへの受注活動に努め事業の再構築を図ります。また、新工場における“クリーン成形”を最大限アピールし受注強化に繋げてまいります。
海外では、ベトナムでの既存品の継続的な拡大に加えて、生産工程の改善を進めコスト競争力強化に取り組んでまいります。また、中国においては引き続き生産工程・品質管理プロセスの再構築による工程能力改善で、お客様にさらにご満足いただける品質の確保と新規受注拡大に努めてまいります。
※2020年4月1日、プレシジョン事業は電子事業を統合いたしました。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①為替変動のリスクについて
当社グループの海外拠点における事業活動の拡大に伴い、外貨建取引の増加や外貨建債権債務残高の増大により為替レートの変動による影響を受けやすくなっております。そのため当社グループは為替予約及び通貨オプション等によるリスクヘッジを行うとともに、海外販売の強化を進めておりますが、為替レートの急激な変動により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②時計生産拠点の海外集中について
当社グループの時計事業の製品は、海外生産が中心であるため、海外において政治経済や法規制の変化など予期せぬ事象が発生した場合には、部品調達や工場操業に支障をきたすなど、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③減損リスクについて
当社グループの資産の時価が著しく下落した場合や、事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④M&A及び業務提携等に関するリスクについて
当社グループは、M&Aや業務提携等を通じた事業強化に取り組んでおります。実行にあたっては対象企業に対する詳細な調査を踏まえた検討を行いますが、事業展開が計画どおり進まない場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤地震等の自然災害や感染症等によるリスクについて
世界各地に展開する当社グループの生産拠点・販売拠点及びそれら周辺地域において、大規模な自然災害が発生した場合には、生産活動や商品供給に支障をきたしたり、復旧費用等、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、2020年3月期第4四半期に顕在化した新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、国内外における決算業務および監査手続きの遅れが生じ、2020年3月期の決算発表延期および第94期定時株主総会を継続会とする等の影響を受けております。この感染症が今後も終息することなく世界経済に影響し続けた場合、当社グループの経営成績や財政状態にさらなる悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥その他のリスクについて
上記以外でも、国内外の主要市場における貿易規制、株式市場や債券市場の大幅な変動などにより当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績
当連結会計年度(2019年4月1日から2020年3月31日)における世界経済は緩やかな回復基調にありましたが、年度末に新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し、生産活動・消費活動が停滞し急速に減速する状況となっています。
一方、わが国経済は、輸出や生産に弱さがあるも緩やかに回復していましたが、新型コロナウイルス感染症の流行による東京オリンピック・パラリンピックの延期発表やその後の外出自粛の影響もあり、個人消費を中心に大幅に悪化し厳しい状況が続いています。
このような状況のもと、当社グループは、2019年4月よりスタートした中期経営計画の実現に向け、収益力強化の取り組みを推進しております。
売上高につきましては、電子事業が海外で増収も、堅調だった接続端子事業・プレシジョン事業が米中貿易摩擦の影響や自動車関連の受注減少により、減収となりました。その結果、海外は増収となりましたが国内では減収となり、全体では減収となりました。
営業利益につきましては、接続端子事業・プレシジョン事業が受注減少の影響で減益、再建活動中の時計事業、及び電子事業においては、原価率改善の遅れなどにより営業損失となり、全体では営業損失となりました。
以上のことから業績は次のとおりとなりました。
(単位:百万円)
これらをセグメント別に見てみますと次のとおりであります。
① 時計事業
時計事業につきましては、国内では、モバイルファンや防災行政ラジオなどの非クロック分野は堅調に推移しましたが、主力のクロックは、百貨店、ギフト店の低調やインターネット販売ルートでの受注減少など市場の縮小に歯止めがきかず、減収となりました。
海外では、アジア地域では長期間の香港デモ活動、米中貿易摩擦、新型コロナウイルス感染症の流行により、米国は、インターネット販売ルートの売上が大きく減少となり、減収となりました。
利益面につきましては、海外生産会社での原価改善の遅れやベトナム工場からの撤退に伴い発生した費用などにより営業損失となりました。これらの結果、時計事業全体では減収、営業損失となりました。
② 接続端子事業
接続端子事業につきましては、国内では、米中貿易摩擦の影響と自動車・設備関連など全般的な受注減少により減収となりました。利益面につきましては、受注減少により減益となりました。
海外では、東南アジアでの自動車や二輪向け部品の受注が減少しましたが、家電向け部品が堅調に推移し、若干の増収となりました。利益面につきましては、受注減少により減益となりました。これらの結果、接続端子事業全体では減収減益となりました。
③ プレシジョン事業
プレシジョン事業につきましては、国内では、自動車分野の大幅な受注減少及び産業機械分野が米中貿易摩擦の影響を大きく受けたことにより、減収となりました。利益面につきましては、受注減少の影響で減益となりました。
海外では、ベトナム及び中国の受注停滞により、減収となりました。利益面につきましては、ベトナムでは、製品構成の変化や合理化の効果などで増益となりましたが、中国での受注減少の影響により減益となりました。これらの結果、プレシジョン事業全体では減収減益となりました。
④ 電子事業
電子事業につきましては、国内では、情報機器製品の受注が大きく落ち込み、自動車関連製品、EMS製品も売上が減少し、減収となりました。利益面につきましては、受注減少及び原価率の悪化などにより、営業損失となりました。
海外では、引き続きベトナムのEMS製品が好調に推移し、増収となりましたが、中国及びベトナム工場の原価率の悪化などにより営業損失となりました。これらの結果、電子事業全体では増収、営業損失となりました。
⑤ その他
その他の事業につきましては、物流子会社は堅調でしたが、物流以外の事業でインバウンドの需要が大きく落ち込んだ影響で全体では減収減益となりました。
(2) 財政状態
①資産
総資産は371億17百万円となり、前連結会計年度末398億12百万円に比べて26億95百万円減少しました。流動資産は、受取手形及び売掛金や有価証券の減少等により、前連結会計年度末に比べ29億69百万円減少しました。固定資産は、建物及び構築物の増加等により、前連結会計年度末に比べ2億73百万円増加しました。
②負債
負債合計は111億47百万円となり、前連結会計年度末118億5百万円に比べ6億58百万円減少しました。
流動負債は、1年内返済予定社債の増加等により、前連結会計年度末に比べ13億87百万円増加しました。固定負債は社債の減少等により、前連結会計年度末に比べ20億45百万円減少しました。
③純資産
純資産合計は、259億70百万円となり、その他有価証券評価差額金の減少等により、前連結会計年度末に比べ、20億37百万円減少しました。
(3)資本の財源及び資金の流動性について
キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5億7百万円減少し、当連結会計年度末には96億21百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権やたな卸資産の減少等により、16億75百万円の資金の増加(前連結会計年度に比べ7億37百万円の資金の減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、19億11百万円の資金の減少(前連結会計年度に比べ5億35百万円の資金の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により、2億8百万円の資金の減少(前連結会計年度に比べ2億94百万円の資金の増加)となりました。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要は、日々の運転資金の他、事業計画に照らして必要な資金として、設備投資、研究開発投資などがあります。設備投資、研究開発投資などの投資資金需要に対しては、主に自己資金を充当し必要に応じて金融機関からの借入または社債の発行等により資金を調達することを基本方針としております。当連結会計年度の設備投資の総額は、28億50百万円、研究開発投資の総額は1億17百万円となり、全額自己資金により充当いたしました。その結果、当連結会計年度末の有利子負債は57億59百万円となり前連結会計年度末と比べて3億31百万円の増加となりました。資金の流動性につきましては、当社グループにおける余剰資金の有効活用に努めるほか、金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、急な資金需要や不測の事態にも備えております。なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は96億21百万円となっており、当社グループの事業活動を推進していくうえで十分な流動性を確保していると考えております。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されて
おります。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸
表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成に際し、当連結会計年度末日における資産・負債の報告数値及び当連結会計年度における収
益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去の実績や当社グループを取り巻く環境等に応じて合理的と考え
られる方法により計上しておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。
また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表
等 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
(6)生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度におけるセグメントごとの受注実績は次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
前連結会計年度は、割合が10%未満のため、記載を省略しております。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(1)当社は、シチズン時計株式会社と商標の使用に関する契約を以下のとおり締結しています。
(2)連結子会社の吸収合併
当社は、2020年4月23日開催の取締役会において、当社の完全子会社である東北リズム株式会社およびリズム協伸株式会社を、吸収合併することを決議し、2020年5月22日付で合併契約を締結いたしました。
なお、本合併は、当社の完全子会社を対象とする吸収合併です。
詳細は、「第5〔経理の状況〕-2〔財務諸表等〕-〔注記事項〕」の(重要な後発事象)をご参照ください。
当社グループの研究開発活動は、時計事業分野と電子事業分野に大別されます。
時計事業分野における新製品開発活動は、アミューズクロックの商品力強化のための高音質新音源開発、キャラクタークロック商品力強化のためのからくり時計・3D目覚まし時計・キャラクターデジタル時計の開発、大音量目覚ましの開発、デジタル放送に対応した行政防災ラジオの開発、新型モバイルファンの開発、新型加湿器の開発を行っております。
電子事業分野における新製品開発活動は従来製品の自動車メーターパネル回りの製品開発、船舶関連機器の開発、工場設備関連機器の開発を行っております。
なお、当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)における研究開発費の金額は