第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

 (1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の状況

 当第1四半期連結累計期間における世界経済は、インフレの長期化に伴う金融引き締めの継続や中国経済の減速、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化による資源価格への影響懸念等、依然として先行き不透明な状況が続いております。わが国においては、インバウンド消費の増加や雇用環境の改善等により景気に持ち直しの動きが見られる一方で、海外経済の減速や物価上昇による実質賃金の伸び悩み等により力強さを欠く状況となりました。

 このような経営環境において、当社グループは、持続可能な成長重視の4つの戦略(事業拡大戦略・環境戦略・人財戦略・財務戦略)を掲げた中期経営計画「Mission G-second(2023年~2025年)」のもと、事業拡大戦略の一環として、インドの冷間圧造部品メーカの買収を決定しました。また、環境戦略に基づくCO排出量の削減、人財戦略に基づく従業員の健康増進、財務戦略に基づく有利子負債の削減等、当社グループを取り巻く課題に対して積極的に取り組みました。

その結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は107億1千7百万円(前年同期比1.8%減)、営業利益は6億5千5百万円(前年同期比3.0%減)、経常利益は7億1千1百万円(前年同期比4.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4億7千2百万円(前年同期比7.4%増)となりました。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 ファスナー事業につきましては、主な需要先である自動車関連業界向けの受注は堅調に推移したものの、コロナ禍の巣ごもり需要が一巡し、ゲーム機関連の受注が大幅に減少するとともに、欧州・中国の消費低迷、東南アジアでの日系家電メーカの低迷により厳しい状況となりました。

 このような状況のもと、自動車のCASE、EV関連機器向けにゆるみ止めねじ「ギザタイト」や締結切粉飛散防止ねじ「CPグリップ」等の拡販や、自動車関連業界を中心に評価が高い「ジョイスタッド」の用途別ラインナップの拡充に努めるとともに、座金組込みボルトからの置き換えで軽量化とコスト低減を実現するゆるみ止めボルト「カップボルト」を市場投入しました。また、輸送および生産効率の向上、CO排出量の削減を図るため、生産工場を中心とする事業環境の集約を推進しました。

この結果、売上高は77億1千6百万円(前年同期比3.3%減)、営業利益は3億2千8百万円(前年同期比20.0%減)となりました。

 産機事業につきましては、自動車のEV関連設備で受注回復の動きが見られるものの、原材料価格の高騰を背景とする需要先の設備投資の抑制により、標準機の受注が低迷し、売上・利益とも大幅に減少しました。

 このような状況のもと、欧州市場からの需要を見据え、協働ロボット用ねじ締めユニット「PD400」シリーズの一部機種をCEマーキング対応仕様にアップデートする等、特定国や地域に焦点を当てた製品ラインアップの拡充を図るとともに、変動費の見直しによる環境負荷の低減とコストの削減に取り組みました。

この結果、売上高は13億2千万円(前年同期比17.1%減)、営業利益は1億5千4百万円(前年同期比39.9%減)となりました。

 制御事業につきましては、流量計とシステム製品は、需要回復の動きが見られるものの低調に推移しました。また、地盤調査機「ジオカルテ」は、建築資材高騰による戸建住宅着工件数の減少に伴い、厳しい状況となりました。一方、分析関連機器は、国内ではエネルギー業界向け硫黄分析装置の特需が、また海外では欧米を中心とした環境分野向け分析装置等の旺盛な需要が、増収増益に寄与しました。

 このような状況のもと、生産管理システムの見直しや加工部品の内製化による安定的かつ低コストな生産体制の確立に努めました。

この結果、売上高は16億8千万円(前年同期比26.5%増)、営業利益は2億5百万円(前年同期比567.1%増)となりました。

 メディカル事業につきましては、医療機器業界においては、団塊世代の高齢化により、緩やかに市場が拡大する一方で、就業世代の人口は減少を続けており、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保が課題となっております。

 

 このような状況のもと、医療機関や臨床試験機関への拡販活動を行うとともに、「医療用生体内溶解性高純度マグネシウム材料」の早期製品化に向け、引き続き一貫製造設備の整備と非臨床試験に向けた試料の製作、性能試験に取り組みました。

この結果、売上高は10万円(前年同期比99.0%減)、営業損失は3千2百万円(前年同期は営業損失2千1百万円)となりました。

 

②財政状態の状況

当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ2億5千8百万円増加し、536億3百万円となりました。これは主に、棚卸資産が4億8百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が1億4千5百万円減少したことなどによるものです。

負債合計は、前連結会計年度末に比べ2億2千9百万円減少し、167億1千2百万円となりました。これは主に、賞与引当金が2億6千万円増加した一方で、未払法人税等が2億7千9百万円、電子記録債務が1億4千万円、退職給付に係る負債が8千5百万円減少したことなどによるものです。

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4億8千8百万円増加し、368億9千万円となりました。これは主に、利益剰余金が1億3千7百万円、為替換算調整勘定が1億9千3百万円増加したことなどによるものです。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当連結会社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1億7千1百万円であります。

なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

 当社は、2024年2月22日開催の取締役会において、インドのVulcan Forge Private Limitedの株式を取得し、Vulcan Forge Private LimitedおよびVulcan Cold Forge Private Limitedを子会社化することを決議し、同日に株式譲渡契約を締結いたしました。

 詳細は、「第4 経理の状況 1.四半期連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。