第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

 (1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の状況

 当中間連結会計期間における世界経済は、底堅い成長を維持しているものの、米国トランプ政権の関税政策による景気下押しの懸念が増し、先行き不透明な状況が続いています。わが国においては、物価高の影響があるものの、建設や物流が堅調な推移となったため緩やかな回復傾向となっています。一方で、関税の影響を見極めるため、設備投資などの動きは弱まりをみせ、製造業の生産活動は一進一退の状況が継続しています。

 このような経営環境において、当社グループは中期経営計画「Mission G-second(2023年~2025年)」の最終年度として、顧客ニーズに応じた新製品を展開したほか、国内外での、地域別・需要別の拡販活動や展示会出展における技術力のPR等、受注の獲得に向けた取り組みを強化しました。また事業拡大戦略の一環として、インドのVulcanグループの子会社化を実施し、インド市場への展開を進めました。

 その結果、当中間連結会計期間の売上高は238億5千9百万円(前年同期比6.5%増)、営業利益は15億5百万円(前年同期比0.8%増)、経常利益は14億3千2百万円(前年同期比11.0%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は8億7千3百万円(前年同期比13.3%減)となりました。

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 ファスナー事業につきましては、主要取引先である自動車関連業界ではCASE関連におけるADAS(先進運転支援システム)向けを中心とした製品の需要増加がみられました。また、生成AIの利用拡大に伴うデータセンター向け需要が継続しているほか、ゲーム機向けの精密ねじも売上・利益の拡大に貢献しました。さらに、昨年から実施していた原材料、エネルギー高騰に係る価格転嫁についても効果がみられたほか、材料費・加工費の低減に関する取り組みも要因し利益率の伸長に寄与しました。

 このような状況のもと、堅調な国内市場に向けた展示会への出展を継続し、技術力・製品力の発信を行ったほか、海外子会社でも、業界動向に応じた拡販活動に努めました。

 この結果、売上高は177億2千7百万円(前年同期比10.5%増)、営業利益は9億1千3百万円(前年同期比32.3%増)となりました。

 産機事業につきましては、主な需要先である自動車関連業界においては、世界的なEV市場の鈍化傾向に加え、米国子会社では関税政策や資源価格高騰による価格競争力低下の影響を受けましたが、CASE関連製品における需要は増加するとともに、インドからの需要も増加し、ねじ締め機を中心に一定の受注を確保しました。さらにエネルギー関連においては、設備投資意欲の増進が見られました。一方で、昨年の大型設備受注の反動を受け、売上・利益ともに減少となりました。

 このような状況のもと、単軸ねじ締め機に超低推力モデルをラインナップしたほか、既存製品であるねじ締め機に、新たなオプション機能として「コンタミ対策ユニット」や「超高精度ねじ浮き検出機能」を追加し、製品の付加価値を高め、競争力を強化した受注拡大に努めました。

 この結果、売上高は27億8千8百万円(前年同期比11.2%減)、営業利益は4億1千8百万円(前年同期比22.4%減)となりました。

 制御事業につきましては、流量計は、船舶向け、生成AI需要の高まりによるデータセンター向け受注が高い水準で推移しています。省人化や環境負荷低減に向けたシステム製品は、人材不足やESGの取り組みの観点から需要が増加傾向にあります。また、分析装置は、PFAS(有機フッ素化合物)のスクリーニング分析が可能な自動試料燃焼装置の需要が欧州を中心に引き続き継続しています。利益面では、昨年の特需の反動を受け減少しましたが、引き続き原材料の価格高騰に係る価格転嫁を進め、減少幅の縮小に努めています。

 このような状況のもと、環境関連では、公定法に定められた小型蒸留装置の売上が伸長しているほか、水分計や自動試料燃焼装置のAQFシリーズに新たにラインナップを追加し拡販に努めました。

 この結果、売上高は32億8千8百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は2億3千万円(前年同期比29.9%減)となりました。

 メディカル事業につきましては、医師不足の解消に向け、医療機関の運営の効率化やAI診断、手術用ロボットの活用など多様な医療ニーズが高まっています。

 このような状況のもと、患者や医療従事者の負担軽減に繋がる「医療用生体内溶解性高純度マグネシウム材料」については、引き続き早期製品化に向けて準備を進めています。この他、医療機器開発や製造販売業許可による製造受託案件の獲得に向けたISO13485の認証取得を行い、生産体制の構築を進めました。また、戦略的な市場対応を目的とした製品ポートフォリオの再編に伴い、売上増加に繋がりました。

 この結果、売上高は5千5百万円(前年同期比847.6%増)、営業損失は5千6百万円(前年同期は営業損失6千3百万円)となりました。

 

②財政状態の状況

当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ9千1百万円減少し、555億1千3百万円となりました。これは主に、のれんが9億1百万円、原材料及び貯蔵品が5億5千8百万円増加したのに対し、電子記録債権が11億3千3百万円、受取手形及び売掛金が5億6千1百万円減少したことなどによるものです。

負債合計は、前連結会計年度末に比べ2億1千9百万円減少し、167億9千2百万円となりました。これは主に、短期借入金が11億8千2百万円、長期借入金が3億3千9百万円増加したのに対し、電子記録債務が17億4千6百万円、未払法人税等が8千4百万円減少したことなどによるものです。

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1億2千8百万円増加し、387億2千万円となりました。これは主に、利益剰余金が5億4百万円増加したのに対し、為替換算調整勘定が3億3千4百万円減少したことなどによるものです。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて4億7千万円減少し、91億3千4百万円(前年同期は85億8千4百万円)となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は、税金等調整前中間純利益、減価償却費、売上債権の減少などの収入項目が、棚卸資産の増加、仕入債務の減少、法人税等の支払額などの支出項目を上回り、15億7千3百万円の収入(前年同期は16億2千8百万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得や固定資産の取得などの支出項目が、固定資産の売却などの収入項目を上回り、22億8千1百万円の支出(前年同期は8億7百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金は、短期借入金の増加などの収入項目が、長期借入金の返済や配当金の支払いなどの支出項目を上回り、3億7千9百万円の収入(前年同期は4億8千2百万円の支出)となりました。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6)研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は4億5千2百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。