当社は、「TOPCON WAY」を施行し、全ての社員がこの理念を理解して具体的に行動できるようにしております。
[TOPCON WAY]
[経営理念]
トプコンは「医・食・住」に関する社会的課題を解決し、豊かな社会づくりに貢献します。
[経営方針]
トプコンは先端技術にこだわり、モノづくりを通じ、新たな価値を提供し続けます。
トプコンは多様性を尊重し、グローバルカンパニーとして行動します。
トプコンはコンプライアンスを最優先し、全てのステークホルダーから信頼される存在であり続けます。
当社は、2019年度を初年度とする3か年の中期経営計画を下記の通り新たに策定して、当年度はその初年度として取り組みを進めて参りました。引き続き、下記課題の解決に向けて取り組んでいく方針です。
[中計基本方針]
2019年度から2021年度を第三次中期経営計画期間と定め、この3か年で成長戦略の推進加速をしてまいります。
[中計基本戦略]
1.成長市場での事業展開の加速を図る。
2.基盤事業での収益力の強化を図る。
3.潜在的な新市場の創出を図る。
当社は、当社グループの中期経営計画において、自己資本利益率(ROE)を重要指標としております。
2019年度第4四半期からの新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、世界各地での事業活動への直接的影響や、今後の世界的な経済環境への懸念が急速に拡大しております。
このような先行きの予断を許さない経営環境ではありますが、当社の事業領域である「医・食・住」、すなわち、眼科医療、IT農業、ICT自動化施工・インフラ整備等の事業領域は、いずれもインフラとして社会的に確固たるニーズと解決されるべき社会的課題のある事業領域であることから、現在進めております第三次中期経営計画のシナリオは基本的に不変と考えております。短期的には厳しい経営環境への機動的な対処を進めていくものの、新型コロナウイルスの収束後には、各事業領域とも継続的な需要と事業成長を見込んでおります。
具体的には、当社の各事業分野において、「医(Healthcare)」では、世界的な高齢化に伴う眼疾患の増加に対処すべく、当社のフルオートスクリーニング機を活用したスクリーニングビジネスの拡大に努め、疾患の早期発見と医療効率の向上を目指します。「食(Agriculture)」では、世界的な人口増加に伴う食糧不足に対処すべく、当社のIT農業機器や光学センサー技術を活用した「農業の工場化」の推進に努め、農業の生産性及び品質の向上を目指します。「住(Infrastructure)」では、世界的なインフラ需要増に伴う技術者不足に対処すべく、当社のICT自動化施工技術や3次元計測技術を活用した「建設工事の工場化」の推進に努め、建設現場における生産性向上と人手不足解消を目指します。
事業の状況、経理の状況等に関する事項で、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりであります。
当社グループは、主たる事業として、スマートインフラ事業、ポジショニング・カンパニー、アイケア事業の3つの事業を展開しております。製品に対する需要においては、それぞれの事業セグメントの属する市場動向(土木建設市場、農業市場、眼科・眼鏡市場等)の影響を受けるため、その市場に大きな変動があるような場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは海外売上高比率が高く、日本国内のほか、米国、欧州、アジア、中国等、世界に向けて販売していることから、各地域の経済状況は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、製品の輸出及び海外における現地生産等、広く海外活動を展開しております。このため、海外での政治や経済情勢の悪化や、貿易・外貨規制、法令・税制の改革、治安悪化、紛争テロ、戦争、災害等の発生は、海外での事業活動に支障をきたし、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、各事業において、同種の製品を供給する他社との競合が存在しております。競争優位に立てるよう、新製品の逸早い市場の投入や、新技術の開発、コスト削減等を推進しておりますが、新製品開発の遅延や新技術開発の長期化、原材料価格の高騰等が発生した場合には成長性や収益性を低下させ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、連結売上高に占める海外売上高比が高く、為替相場変動リスクに晒されているため、実需の範囲内での先物為替予約により適切な為替ヘッジを行っておりますが、急激な為替相場の変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、金融機関からの借入金については、金利変動のリスクに晒されており、金融市場の状況の変化により金利が著しく上昇した場合には、支払金利の増加により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、必要な資金の調達は金融機関からの借入、社債の発行等により行っております。今後、金融市場の悪化や当社経営成績等により、借入の継続および新規借入を行うことができない可能性があります。また、格付機関による当社グループの信用格付の引下げ等の事態が生じた場合、資金調達が制約されるとともに調達コストが増加する可能性があります。これらの事態が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、将来の成長のために新規事業への取り組みを随時検討しておりますが、新規事業は不確定要素が多く、計画通り達成できなかった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 企業買収等について
当社グループでは、事業の特性に応じて最適な事業形態を取れる体制の構築に努めており、事業拡大のため企業買収等を実施することがあります。しかしながら、市場環境や競争環境の著しい変化により、買収した事業が計画通りに進展しない場合や、効率的な経営資源の活用を行うことができなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、有形固定資産や企業買収等によって取得したのれん等の無形固定資産を保有しております。これらの固定資産について、収益性の低下や時価の下落等に伴い資産価値が低下した場合は、減損損失の発生や売却時での売却損の発生により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおける生産活動において、一部特殊な材料を使用する場合、外注先が限られているものや外注先の切替が困難なものがあります。これらについて供給遅延等が生じた場合には購入費用が増加したり、生産の遅延等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、製品の特性に応じて最適な品質が確保できるよう、全力をあげて品質管理に取り組んでいますが、予期せぬ事情によりリコール、訴訟等に発展する品質問題が発生する可能性が皆無とはいえず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、研究開発活動上様々な知的所有権を使用しており、それらは当社所有のものであるかあるいは適法に使用許諾を受けたものであると認識しておりますが、当社の認識の範囲外で第三者から知的所有権に関する侵害訴訟を提訴される可能性があります。知的所有権を巡っての係争が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの生産する製品のうちアイケア事業の一部製品は、医療用具として日本国の薬機法のほか、関係各国の医療用具に関する法的規制を受けており、これらの規制が変更された場合や、事業活動に必要な各国の許認可を適時に取得することができない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが事業展開している地域において、予期せぬ火災、地震、テロ、戦争、疫病等の人災、天災が発生した場合には、人的、物的損害や事業活動の停止等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(新型コロナウイルス感染拡大に伴うリスクについて)
2020年3月期において当社の事業活動・業績にも大きな影響を及ぼした新型コロナウイルス感染症により、今もなお世界各国で外出禁止・自粛対応が続いており、依然として当社グループの事業活動に制約が残っています。これに対し当社グループは、企業としての持続可能性強化及び収束後の事業成長を見据え、事業資金・運転資金の確保のための資金調達力増強を行う等の対応を行っております。しかしながら、収束までに長期を要することとなった場合は、需要低迷や物流・資材調達・製造面、また会計上の見積りへの悪影響等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの業績は、第4四半期に偏重する傾向があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当期における経済環境は、米国経済は好調な消費により底堅く推移しているものの、長期化する米中貿易摩擦や中国経済の成長鈍化、英国のEU離脱等の影響を受け、世界経済は減速基調で推移しました。
加えて、第4四半期に入り新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、世界各地で実施されたロックダウンの影響を強く受け、また日本国内においても移動自粛等による影響がありました。
このような経済環境にあって当社グループは、『「医・食・住」に関する社会的課題を解決し、豊かな社会づくりに貢献します。』を経営理念に掲げ、持続的な企業価値向上の実現に取り組んでまいりました。
こうした中で、当期の当社グループの[連結]業績は、次のようになりました。
売上高は、ICT自動化施工のOEM向け販売減や、中国・アジアにおけるインフラ需要の回復遅れの影響、また第4四半期での新型コロナウイルス感染拡大の影響により、138,916百万円(前年度と比べ△6.6%の減少)となりました。
利益面では、この売上高の減少や研究開発費等の先行投資、為替の影響等により、営業利益は5,381百万円の利益(前年度と比べ△60.4%の減少)となり、経常利益は2,895百万円(前年度と比べ△74.8%の減少)となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は935百万円(前年度と比べ△85.7%の減少)となりました。
セグメント毎の業績は、次のとおりであります。
スマートインフラ事業では、米中貿易摩擦や総選挙による需要回復遅れに伴い、中国・アジアを中心に販売が減少したのに加え、第4四半期に入り新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けました。また、第3四半期まで堅調に推移していた国内では、新型コロナウイルス感染防止のため移動自粛が広がる状況下、顧客の需要対応と売上確保に努め一定の成果による改善があったものの、売上高は対前年度減収となる33,398百万円(前年度と比べ△9.1%の減少)となりました。営業利益は、経費低減による改善があったものの売上高減少の影響が響き、5,027百万円の利益(前年度と比べ△21.4%の減少)となりました。
ポジショニング・カンパニーでは、ICT自動化施工のOEM向け販売が減少した一方、アフターマーケット向け販売は堅調に推移しましたが、一番の繁忙期である第4四半期に新型コロナウイルス感染症拡大の影響が直撃し、欧米を中心に営業活動や出荷業務に大きな制約を受けました。この厳しい事業環境下、稼働を止められない建設や農業顧客への製品・サービス提供を最優先に需要対応に努めたものの対前年度では減収となり、売上高は73,989百万円(前年度と比べ△4.8%の減少)となりました。営業利益は、売上が減速する中、販管費の削減に取り組みましたが、研究開発費の先行投資等もあり4,537百万円の利益(前年度と比べ△45.7%の減少)となりました。
アイケア事業では、主にスクリーニングビジネス及び急成長する中国市場の販売強化のため先行投資を行い、順調に販売が拡大しておりましたが、第4四半期に入り新型コロナウイルス感染拡大の影響を強く受け、注力市場の中国で旧正月以降のロックダウンにより事業活動が滞り、それに続き世界各国でも医療機関への営業活動や納品が困難となり、また眼鏡店においても世界的な需要減退と一時的な投資先送りが生じるなど事業機会が急速に縮小しました。この影響により、売上高は44,758百万円(前年度と比べ△6.2%の減少)となりました。営業利益は、売上減少による影響に加え、為替影響やスクリーニングビジネス及び中国事業拡大の先行投資等もあり136百万円の利益(前年度と比べ△95.3%の減少)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
当社は見込生産を主体としているため、受注実績の記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については、内部売上高を含めて表示しております。
2 上記の金額は、消費税等を含んでおりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社は2019年度から始まる第三次中期経営計画(2019-2021年度)のもと、重要指標であるROEの改善(2025年に15%以上を目標)を目指し、成長戦略の加速に取り組んでおります。当連結会計年度においては、第4四半期での新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け前年度と比べ減収減益となり、ROEは前年度末と比べ8.4%減少の1.4%となりました。しかしながら、スマートインフラビジネスとポジショニングカンパニーにおいては制約のある中でも必須事業として事業活動を継続し期末まで対応し、また、戦略の一つである「潜在的新市場創出」については、アイケアビジネスにおいて眼疾患スクリーニングビジネス向けに新規顧客を開拓を行ってまいりました。
第三次中期経営計画で掲げた経営ビジョン「医・食・住の成長市場において社会的課題を解決し事業を拡大する」については変更することなく、加えて、ソーシャルディスタンス対応、Essential Business(必須事業)、経済復興といった新たな社会的課題にも対応を続けていくことにより、中期経営計画の成長シナリオを遂行し、企業価値向上に引き続き取り組んで参ります。
(3) 財政状態
当年度末の資産は、前年度末に比べ1,433百万円増加し、161,721百万円となりました。流動資産は、「売上債権」の減少等はあったものの、「現金及び預金」や「たな卸資産」の増加等により、前年度末に比べ2,374百万円増加し、98,528百万円となりました。固定資産は、「有形固定資産」の増加等はあったものの、「無形固定資産」「投資有価証券」の減少等により、前年度末に比べ941百万円減少し、63,192百万円となりました。
当年度末の負債は、前年度末に比べ7,922百万円増加し、97,062百万円となりました。流動負債は、主に「短期借入金」及び「1年内償還予定の社債」の増加等により、前年度末に比べ24,006百万円増加し、68,366百万円となりました。固定負債は、主に「長期借入金」及び「社債」の減少等により、前年度末に比べ16,083百万円減少し、28,695百万円となりました。
当年度末の純資産合計は、「利益剰余金」や「自己株式」、「為替換算調整勘定」の減少等により、前年度末に比べ6,489百万円減少し、64,659百万円となりました。
当年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、たな卸資産の増加や固定資産、自己株式の取得等による「資金」の減少等があったものの、売上債権の減少や短期借入金の増加等による「資金」の増加により、前年度末に比べ、2,848百万円増加し、15,784百万円となりました。
当年度における営業活動による「資金」の増加は、7,944百万円(前年度は14,511百万円の増加)となりました。これは主に、たな卸資産の増加等による「資金」の減少があったものの、税金等調整前当期純利益、及び売上債権の減少等による「資金」の増加によるものであります。
当年度における投資活動による「資金」の減少は、6,806百万円(前年度は6,667百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産及び無形固定資産の取得による「資金」の減少によるものであります。
当年度における財務活動による「資金」の増加は、1,995百万円(前年度は7,797百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済や自己株式の取得、配当金の支払い等があったものの、短期借入金の増加等による「資金」の増加によるものであります。
当社は、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金を財源に、M&A投資、設備投資、開発投資等をしていくことを基本方針としておりますが、外部からの資金調達が必要な場合は、特定の手法に限定することなく、最適な資金調達手段を選択して対応してまいります。当連結会計年度におきましては、設備投資については、生産体制の整備や業務効率改善等、成長戦略推進と経営効率改善のために必要な投資を行いました。開発投資については、IoTビジネスの創出、新製品開発や次世代技術や新規事業領域に参入するための開発投資を積極的に行いました。これらの投資活動の財源としては、営業活動によるキャッシュ・フローで生成された資金により賄うことが出来ました。今後も成長分野におけるシェア拡大のために、新技術・新事業領域等への投資を継続してまいります。
資金の流動性につきましては、当社及び一部の連結子会社においてCMS(キャッシュマネジメント・サービス)を活用することにより、資金効率の向上を図っております。また、資金調達の機動性及び安定性の確保を目的として取引金融機関とコミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概要につきましては、前項「(4)キャッシュ・フロー」を参照ください。また、当社の配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。なお、連結財務諸表の作成にあたっては、一部の資産の評価等に会計上の見積りを用いて算定しているものがあり、特に下記に掲げる資産については、今後の前提条件の変化によっては当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると認められる将来減算一時差異について回収可能性があると判断し計上を行っております。その前提条件に、当社グループの納税主体毎の将来の課税所得の見積り等を用いていますが、経済条件の変動等により当該仮定に見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において繰延税金資産及び税金費用の金額に影響を与える可能性があります。
固定資産
当社グループは、固定資産については資産グループ毎に減損の兆候の有無を判定し、兆候がある場合は割引前将来キャッシュ・フローを回収可能価額として見積もったうえで、減損損失の要否を判断しております。回収可能価額の測定に際しては、資産グループ毎の将来の利益計画を用いて検討しておりますが、事業計画や市場環境の変動、また投資計画の変更等の要因により、当該見積もりに見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の影響
新型コロナウイルス感染症の影響については、主要な影響は2021年3月期の中盤まで続き、その後は徐々に収束に向けて回復していくと想定し、当連結会計年度末時点の会計上の見積りの前提条件としております。この前提条件は不確実性を多く含んでおり、仮に回復が大幅に遅れるなど異なる条件となった場合は、当該見積りの変更により資産の計上額に影響を生じ、結果、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、世界市場におけるVOC(Voice Of Customer、顧客の声)を捉え、本社、並びに米国・欧州における子会社の各技術部門等で、積極的な研究開発活動を行っております。また、新技術の早期確立のために、内外の外部研究機関との交流を活発に行っております。特に広帯域波長に対応できる光学応用技術、GNSS(Global Navigation Satellite System)技術やOCT(Optical Coherence Tomography)技術を含む計測・センシング技術、画像処理などの画像応用技術等のコアコンピタンス研究開発に注力するとともに、近年注目されているAI技術による新たな機能の開発やIoTの将来的な普及を見据えた、クラウドコンピューティング技術などのITソリューションによる事業領域拡大に向けた研究開発投資を行い、各事業分野における技術アドバンテージの強化を目指しております。
当年度におけるグループ全体の研究開発費は、
スマートインフラ事業は、自社保有技術の高度化・高機能化への研究開発を鋭意継続すると共に、他に類を見ない高付加価値差異化商品を他社に先駆け市場に投入すべく、新たな技術の研究開発と、そのIT応用に関する研究開発を行っております。
当年度における研究成果は次のとおりであり、当セグメントに係わる研究開発費は、
・世界初、回転式レーザースキャナーを搭載したトータルステーション『GTL-1000』を発売しました。今回発売した『GTL-1000』は、トータルステーションとスキャナーの作業を同時に行う事ができる為、点群計測の作業の時間と人員を1/2に削減でき大きな変革を起こす製品です。当社はこれからも、建設現場の生産性を向上する製品の開発・販売を通じ、建設業界の働き方改革促進に貢献してまいります。
・レイアウトナビゲーター(通称:杭ナビ)の2代目モデル『LN-150』を発売いたしました。土木・建築現場における測量作業の中で大きな比重を占める、杭打ち・墨出し作業を「誰でも簡単に1人で素早く」行うことをコンセプトとして、作業効率の大幅向上のみならず、手軽に3次元データを活用する事ができ、土木現場においてはi-Constructionの導入機として好評いただいています。従来機に比べ測定距離、並びに高さ方向の測定範囲を大幅に拡張しました。作業範囲は、従来比約5倍となります。操作はスマートフォンで、各ソフトメーカーの専用ソフトにも対応しておりますので現場用途に合わせてアプリケーションを選ぶことができます。
・3D点群データの処理サービスの業務内容を拡充し、新たに設計データの作成サービスを開始いたしました。国土交通省が推進する『i-Construction』で必要不可欠な3次元設計データの作成・処理は、専門的な知識や経験が必要であり、かつ多くの時間や手間が掛かる業務ですが、この業務をアウトソーシングすることにより、お客様の働き方改革にも貢献できると考え、トプコングループでは今後もサービスの拡充を図り、i-Constructionの普及に向け更なる支援を行ってまいります。
※「i-Construction」は、国土交通省国土技術政策総合研究所の登録商標です。
ポジショニング・カンパニーは、最先端のGNSSコア技術、マシンコントロール(MC)技術、IMU応用技術、精密農業(AG)技術、土地測量応用技術、ウェブ・クラウドコンピューティング技術を基幹として、各事業分野に幅広い製品とサービスを提供するために世界の18拠点で研究開発活動を展開しております。
当年度における研究成果は次のとおりであり、当セグメントに係わる研究開発費は、
・MC分野では、自動制御機能を搭載したマシンコントロールショベルシステムをリリース致しました。自動制御機能により熟練操作者の技量に頼ることなく、視界が悪い場所でも設計図通りの高精度施工を実現しました。また、建設現場をリアルタイムに施工管理するSiteLink3Dシステムに新たにダンプトラック運行管理機能を追加致しました。建設現場で稼働するダンプトラックをリアルタイム管理する事によりコスト削減と作業効率向上を実現しました。
引き続き、建設現場での生産性・安全性・品質の改善に貢献する製品の開発を行ってまいります。
・GNSS分野では、アンテナ一体型GNSS受信機『HiPer VR』『GRX3』を日本市場でリリース致しました。多彩な衛星測位システムに対応し、上空視界の狭い急峻な地形等の環境下であっても安定した測位で、作業の生産性を向上させます。また、測量土木のトータルソリューションソフトウェア『MAGNET』シリーズをバージョンアップしサービスの拡充を行いました。現場にいてもオフィスの設計データに容易にアクセスすることが可能となり作業効率を向上させます。
・AG分野では、トラクターなど農作業を行う農業機械のデータをクラウド上で一元管理できるプラットフォーム『TAP』に接続できるモデムCL10とCL55をリリースいたしました。CL10はトプコンディスプレイへの接続によるエントリーレベル用、CL-55はあらゆる農業機械ブランドに接続可能であり、自動データ収集だけではなく作業分析/工程管理といった包括的なIoTソリューションに対応いたします。今後も農業の効率を高め食糧安保を強化するために革新的な研究開発を続けています。
世界では人口増加と共に高齢化が急速に進展し、高齢化に伴う眼疾患の増加、医療コストの高騰、医師不足など様々な問題が発生しています。アイケア事業では、これらの課題を解決すべく、主に「検査」「診断」「治療」領域で、“人の目の健康への貢献”、特にQuality of Vision(見え方の質)の向上を目指し、眼科医向け及び眼鏡店向けの検査・診断用機器、治療機器、そのIT応用に関する研究開発を行っております。
当年度における研究成果は次のとおりであり、当セグメントに係わる研究開発費は、
・DRI OCT TritonのOCT Angiography機能において、画質の改良を行い、臨床の現場で重要となる定量化機能を搭載しました。OCT Angiographyは眼底の血管像を、造影剤を使用せず、非侵襲的に且つ表層や深層といった層ごとに観察することができます。疾患やその進行度によって、それぞれの層における血管の密度や形状が変化することが研究結果として報告されており、この変化を定性的ではなく定量的に評価することが可能となり、診断の材料にすることができるようになりました。
・スリットランプ SL-D4 LEDをリリースしました。 主に欧米地域で高評であるこのタイプのスリットランプにLED光源を採用することで照度が高く、これまでよりも更に明るい観察画像を得られることができ、特に前眼部の病変部分をより鮮明に捉えることが可能となりました。また、新光学系「ブルーフリーフィルタシステム」を搭載したことにより、角膜や涙液の状態観察の診断に加えて、症状の経過観察のための画像取得にも貢献します。
・レーザ光凝固装置 PASCAL Synthesis用スリットランプ SL-PA04をリリースしました。 PASCALはパターンスキャンニングレーザのパイオニアであり、独自のパターンスキャニング技術を搭載し、Precision Spotと呼ばれるパターンスキャンを行う為の合理的かつ画期的な独自技術により、均一性の高い光凝固を実現しています。今回の改良は、現行機種Synthesisのレーザーコンソールにトプコン独自の新光学系と新照明系を専用スリットランプとして組み合わせることで、更なるユーザビリティの向上を実現しました。