1 【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】

名称     TK株式会社

所在地    東京都千代田区丸の内二丁目1番1号明治安田生命ビル11階

 

2 【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】

(1) 普通株式

(2) 2021年6月25日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第7回新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)(行使期間は、2024年4月1日から2029年3月31日)

(3) Citibank, N.A.(以下「本預託銀行」といいます。)により米国で発行されている当社株式に係る米国預託証券(以下「本米国預託証券」といいます。以下、当社株式、本新株予約権及び本米国預託証券を総称して「当社株券等」といいます。)が表章する本預託銀行に預託された米国預託株式(以下「本米国預託株式」といいます。)に係る当社株式

(注1) 本預託銀行が2022年6月22日付で米国証券取引委員会に提出した本米国預託証券に係る届出書(Form F-6EF)(以下「本米国預託証券届出書」といいます。)によれば、当社株式については本米国預託証券が発行されていますが、本米国預託証券の発行には、当社は関与しておりません。本公開買付けにおいては、当社株式の全ての取得を目指していることから、公開買付者は、法第27条の2第5項及び金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号。その後の改正を含みます。以下「令」といいます。)第8条第5項第3号の規定に従い、当社の発行する全ての株券等について売付け等の申込みの勧誘を行う必要があるため、買付け等をする株券等の種類に本米国預託証券を含めているとのことです。一方で、本米国預託証券は、米国で発行されている証券であるところ、日本国の居住者である公開買付者が米国外で実施される本公開買付けにおいてその取得をするにあたり、実務上、公開買付代理人としてその取扱いを行うことができる金融商品取引業者等が存在しないため、本公開買付けにおいて公開買付者が本米国預託証券自体の取得を行うことは困難であることが判明しているとのことです。そのため、本公開買付けにおいては、当社株式及び本新株予約権の応募のみの受付けを行い、本米国預託証券自体の応募の受付けは行わず、本米国預託証券が表章している本米国預託株式に係る当社株式の応募の受付けを行うことにしたとのことです。従いまして、本公開買付けへの応募を希望する本米国預託証券の保有者の皆様においては、事前に、本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、ご応募ください。なお、本米国預託証券届出書によれば、本米国預託株式1株は当社株式1株に相当するものとされているとのことです。

 

3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】

(1) 意見の内容

当社は、2025年3月28日開催の取締役会において、下記「(2) 意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様及び本新株予約権の所有者(以下「本新株予約権者」といいます。)の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨し、本米国預託証券の所有者(以下「本米国預託証券保有者」といいます。)の皆様に対しては事前に本米国預託証券を預託銀行に引き渡し、本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をしておりました。

上記取締役会において、本公開買付けが開始される際に、当社が本公開買付けに関連して設置した本戦略特別委員会(下記「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅱ) 公開買付者と当社との協議、公開買付者による意思決定の過程等」において定義します。)に対して、本戦略特別委員会が2025年3月28日付けで当社取締役会に対して提出した答申書の意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、従前の意見に変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しておりました。

 

当社は、2025年7月24日、公開買付者から、国内外の競争法並びに国外の投資規制法令等に基づく必要な手続及び対応(以下「本クリアランス手続」といい、本クリアランス手続につき、法令上の待機期間が存在する場合における当該待機期間の満了、及び、司法・行政機関等の判断等が必要な場合におけるその判断等を、以下「本クリアランスの取得」といいます。)について、現地法律事務所との更なる協議を踏まえエジプト及びアラブ首長国連邦の競争法に係るクリアランス手続が必要とならないことを確認し、また、EU、ベトナム、アルバニア及びウクライナにおける競争法並びに日本、アメリカ合衆国、イタリア、及びスペインにおける対内直接投資に係る本クリアランス手続(以下、総称して「未取得クリアランス」といいます。)を除き、2025年7月29日までに本クリアランスの取得が完了し、当社が2025年3月28日付で公開買付者、公開買付者親会社(下記「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」において定義します。)及びKKRファンド(下記「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」において定義します。)との間で締結した公開買付契約(以下「本公開買付契約」といいます。)に基づく本公開買付けを開始する各前提条件(注1)(以下「本前提条件」といいます。)が、本クリアランスの取得を除き、2025年7月29日までに全てを充足されることが確実であること、並びに、未取得クリアランスの取得により必要となる本公開買付けに係る公開買付届出書の訂正届出書の提出によっても、法第27条の8第8項に基づく本公開買付期間の延長が必要とならない期限である2025年8月26日までに全ての未取得クリアランスの取得が完了することが見込まれたことから、本公開買付けが開始可能な状態になったと判断し、本前提条件のうち未取得クリアランスの取得について、当社と合意の上で放棄し、本公開買付けを2025年7月29日より開始したい旨の連絡を受領しました。その後、当社は、公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンドとの間で、2025年7月28日付けで、本前提条件のうち未取得クリアランスに係る本クリアランスの取得について放棄する旨の合意をしております。

その後、2025年7月28日、本戦略特別委員会は、当社に対して、2025年3月28日以後、本取引(下記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」において定義されます。以下同じとします。)に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、上記諮問事項について検討を行った結果、2025年3月28日以後、2025年7月28日までの事情を勘案しても2025年3月28日付の答申書(以下「2025年3月28日付答申書」といいます。)及び2025年4月16日付の追加答申書(以下「2025年4月16日付追加答申書」といいます。)の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年7月28日に、委員全員の一致の決議により、当社の取締役会に対して、上記の両答申内容を変更する必要はないものと考える旨の追加答申書(以下「2025年7月28日付追加答申書」といいます。)を提出しました。その上で、当社は、本戦略特別委員会から提出された2025年7月28日付追加答申書の内容を最大限尊重しながら、当社の業況や本取引を取り巻く環境を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2025年7月28日現在においても、2025年3月28日及び2025年4月16日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断しました。

 

(注1) ①当社取締役会が、本公開買付けに賛同する旨の意見(以下「本賛同意見」といいます。)並びに当社の株主及び本新株予約権の保有者に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見(以下「本応募推奨意見」といいます。)を表明することを決議し、その内容が当社によって公表されており、これが変更又は撤回されていないこと、②本取引に関して設置された本戦略特別委員会(下記「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅱ) 公開買付者と当社との協議、公開買付者による意思決定の過程等」において定義します。以下同じです。)が、当社取締役会に対して、本賛同意見を表明することは相当である旨の答申(以下「本賛同答申」といいます。)及び本応募推奨意見を表明することは相当である旨の答申(以下「本応募推奨答申」といいます。)を行い、当該答申が変更又は撤回されていないこと、③本取引を制限又は禁止することを求める旨のいかなる訴訟等も司法・行政機関等に係属しておらず、本取引のいずれかを制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等もなされておらず、かつ、これらの具体的なおそれもないこと、④本公開買付契約に定める当社による表明及び保証(注2)がいずれも重要な点において真実かつ正確であること、⑤本公開買付契約に定める本公開買付けの開始日までに履行又は遵守すべき当社の義務(注3)が、全ての重要な点において履行又は遵守されていること、⑥本公開買付契約に定める本公開買付けの撤回等が認められるべき事情(注4)が生じていないこと、⑦当社に係る業務等に関する重要事実(法第166条第2項に定めるものをいいます。)で当社が公表(同条第4項に定める意味を有します。)していないもの、又は、当社の株券等の公開買付け等の実施に関する事実及び中止に関する事実(法第167条第2項に定める意味を有します。)で公表(同条第4項に定める意味を有します。)されていないものが存在しないこと、及び⑧全ての本クリアランスの取得が完了していること(注5)。

(注2) 本公開買付契約に基づく当社による表明及び保証の内容については、下記「(7) 公開買付者と自社株主・取締役等との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「① 本公開買付契約」をご参照ください。

(注3) 本公開買付契約に定める本公開買付けの開始日までに履行又は遵守すべき当社の義務の内容については、下記「(7) 公開買付者と自社株主・取締役等との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「① 本公開買付契約」をご参照ください。

(注4) 本公開買付契約に定める本公開買付けの撤回等が認められるべき事情は、法第27条の11第1項但書に定める当社又はその子会社の業務若しくは財産に関する重要な変更その他の公開買付けの目的の達成に重大な支障となる事情(令第14条第1項第1号イ乃至ヌ及びワ乃至ツ、第3号イ乃至チ及びヌ((ⅰ)当社が過去に提出した法定開示書類について、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けていることが判明した場合であって、公開買付者が当該虚偽記載等があることを知らず、かつ、相当な注意を用いたにもかかわらず知ることができなかった場合、及び(ⅱ)当社の重要な子会社に同号イ乃至トに掲げる事実が発生した場合をいいます。)並びに同条第2項第3号乃至第6号に定める事項のいずれかが生じた場合に限り、本公開買付契約において企図されている事情を除きます。)とのことです。

(注5) 公開買付者は、現地法律事務所による法的助言を踏まえ、本クリアランスの取得の完了に向けて、国内外(日本、米国、EU、ベトナム、モロッコ、台湾、トルコ、アルバニア、エジプト、ドイツ、ウクライナ、アラブ首長国連邦、ブラジル、オーストラリア及びオーストリア)の競争法並びに国内外(日本、アメリカ合衆国、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、カナダ及び英国)の対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応を履践したとのことです。

 

以上より、当社は、2025年7月28日開催の取締役会において、公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンドとの間で、同日付けで、本前提条件のうち未取得クリアランスに係る本クリアランスの取得について放棄する旨の合意をする旨決議をするとともに、改めて、審議及び決議に参加した取締役(取締役全10名のうち、江藤氏を除く取締役9名)の全員一致で本公開買付けに対して賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨し、本米国預託証券保有者の皆様に対しては事前に本米国預託証券を預託銀行に引き渡し、本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。また、当該取締役会に出席した監査役4名(うち社外監査役2名)の全員が、当該決議につき異議がない旨の意見を述べております。

 

なお、上記の各取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により、決議されております。

 

 

(2) 意見の根拠及び理由

本「(2) 意見の根拠及び理由」の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。

 

① 本公開買付けの概要

公開買付者は、本公開買付けを通じ当社株式及び本新株予約権を取得及び所有し、本公開買付け成立後に、当社の事業活動を支配及び管理することを主たる事業として2025年3月25日に設立された株式会社であり、本書提出日現在、その発行済株式の全てを2025年3月26日に設立された株式会社であるTKホールディングス株式会社(以下「公開買付者親会社」といいます。)が所有しているとのことです。また、本書提出日現在、米国デラウェア州設立の投資顧問会社であるKohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.(関係会社及び関連ファンドを含め、以下「KKR」といいます。)によって間接的に運営されている、カナダ国オンタリオ州法に基づき2025年3月7日に設立されたリミテッド・パートナーシップであるTK Investment L.P.(以下「KKRファンド」といいます。)が、公開買付者親会社の発行済株式の全てを所有しているとのことです。なお、公開買付者、公開買付者親会社、KKR及びKKRファンドは、本書提出日現在、当社株式を所有していないとのことです。

KKRは、1976年に設立された、プライベート・エクイティ投資を含み全世界で約6,010億ドルの運用資産を持つ国際的投資会社であり、ニューヨーク証券取引所に株式を上場しているとのことです。KKRは、経営陣とのパートナーシップに基づく長期的な視点での投資を志向する投資哲学を掲げており、優れた事業基盤及び潜在力を持つ企業・経営陣のパートナーとして、KKRの持つ様々な経営資源、知見及びネットワークの活用による業界のリーディング・カンパニーの創造を目指しているとのことです。

KKRは、2006年の東京オフィス開設以降、日本市場における投資活動を積極的に拡大しており、日本国内の商慣行を熟知し、様々なバックグラウンドを有する社員により運営されているとのことです。特に、公開買付けに関しては、2024年に公表した、本邦ITサービス領域における過去最大のM&Aである富士ソフト株式会社(買付総額:6,015億円)を始めとして、2022年における国内最大規模のM&A案件であった株式会社日立物流(現ロジスティード株式会社)(買付総額:4,492億円)、2017年にはカルソニックカンセイ株式会社(現マレリ株式会社)(買付総額:3,455億円)、日立工機株式会社(現工機ホールディングス株式会社)(買付総額:882億円)及び株式会社日立国際電気(現株式会社KOKUSAI ELECTRIC。以下「KE」といいます。)(買付総額:1,439億円)への公開買付けを実現するなど、KKRのグローバル・ネットワークの強みを活かし、本邦におけるプライベート・エクイティ・ファンドとして有数の執行実績を有していると考えているとのことです。中でもKEに関しては、非上場化後、会社分割を経て、KKRとのパートナーシップの下、半導体製造装置専業メーカーとして、前工程の成膜装置及びトリートメント装置の製造・販売を手掛け、特にバッチALD装置領域では世界シェアNo.1(2023年)(出典:TechInsights Inc.(VLSI) “TI_ALD Tools_YEARLY” 2024 (April))を誇る等盤石の経営基盤を確立したとのことです。その後、半導体サイクルの回復に加え、半導体デバイスの微細化/複雑化が加速する業界環境の中でKEの強みとする成膜/トリートメント技術の需要は今後も継続的に拡大することが見込まれる市場環境を踏まえ、2023年10月に株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場への再上場を実現しているとのことです。KEへの支援案件はまさに「KKRの持つ様々な経営資源、知見及びネットワークの活用による業界のリーディング・カンパニーの創造」を体現する事例であると考えているとのことです。

 

KKRは、当社の営む事業と関連するアイケア分野を含むヘルスケア分野を重点的な投資テーマと位置づけており、グローバルでの豊富な投資実績と知見・ネットワークを有していると考えているとのことです。2024年4月には欧州において眼鏡・補聴器等を販売するアイケア・ヒアリングケアサービス企業のNexteye、2024年1月にはベトナム最大の眼科医院チェーンのMedical Sigon Group、2021年5月にはインド最大のオムニチャネル(注1)・アイウェア企業であるLenskart、2014年2月には米国最大の眼鏡・コンタクトレンズ小売チェーンのNational Visionといった、当社との取引関係を有する又は今後のシナジーが見込まれる先への投資を実行しているとのことです。また、KKRはヘルスケア領域においてグロース投資を行うHealthcare Strategic Growth Fundを保有しており、眼科領域の新興企業への成長投資も行っているとのことです。2019年2月には、Falcon Visionという眼科領域に特化した投資プラットフォームを立ち上げ、これまで6件を超える新興企業への投資を実行したとのことです。製造業への投資においても、2023年に米国のフロー制御製品製造を行うCIRCOR International、2018年に米国の地盤維持管理サービス企業であるGeoStabilizationといった企業への投資経験を有しているとのことです。

また、KKRは、2010年の総合人材サービスを提供する株式会社インテリジェンスへの投資を皮切りに、2014年にパナソニックヘルスケア株式会社(以下「PHC」といいます。)のパナソニック株式会社からの独立支援、2015年にパイオニア株式会社の一事業部であったDJ機器事業(現Pioneer DJ株式会社)への投資、2016年にPHCによるBayer Aktiengesellschaftとその子会社であるBayer HealthCare傘下の糖尿病ケア事業の買収、2019年にThermo Fisher Scientific, Inc.の解剖病理事業(現Epredia)の買収及び三菱ケミカルホールディングス株式会社傘下の国内臨床検査大手・株式会社LSIメディエンス、2021年にWalmart Inc.傘下のスーパー大手である株式会社西友の買収、2022年には業務ソフトウェアを提供する弥生株式会社の買収を実現する等、日本市場における投資活動を積極的に拡大し、KKRがグローバルに有する知見、ベストプラクティス、ネットワークを活用してオーガニック(既存の経営資源を活用した手法)及びインオーガニック(他社との提携・他社の買収等による手法)双方での成長戦略並びに収益力や業務効率の改善を促進することで、投資先企業の事業成長及び企業価値向上の支援に取り組んでいるとのことです。

(注1) 「オムニチャネル」とは、実店舗やECを含むオンラインなどのあらゆる顧客接点を融合・連携させ、販売促進につなげるマーケティング手法をいいます。

 

公開買付者は、2025年3月28日に公表した「MBOの実施の一環としてのTK株式会社による株式会社トプコン(証券コード:7732)に対する公開買付けの開始予定並びにKKR及びJICCの資本参画に関するお知らせ」(以下「2025年3月28日付公開買付者プレスリリース」といい、2025年4月16日に公表した「(変更)「MBOの実施の一環としてのTK株式会社による株式会社トプコン(証券コード:7732)に対する公開買付けの開始予定並びにKKR及びJICCの資本参画に関するお知らせ」の一部変更について」と併せて、以下「本予告プレスリリース」といいます。)にてお知らせしておりましたとおり、本公開買付けについては、本クリアランス手続に一定期間を要することから、本前提条件が全て充足又は放棄されていること(但し、放棄することが法令等上許容される場合に限られ、また、本前提条件①及び②(但し、本賛同意見及び本賛同答申に限ります。)並びに⑧について放棄する場合は、当社の同意が必要とされております。)を条件として、当社の株主を公開買付者のみとし、東京証券取引所のプライム市場に上場している当社株式を非公開化することを目的とした一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、当社株式の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。以下同じです。)、本新株予約権の全て及び本米国預託証券の全てを対象とする本公開買付けを実施することを決定し、本前提条件が充足又は放棄された日から10営業日以内の日で、本公開買付契約の当事者が別途合意する日、具体的には、当該手続に関する現地法律事務所との協議も踏まえ、2025年7月末頃を目途に本公開買付けを開始することを目指していたとのことです。

 

その後、公開買付者は、現地法律事務所との更なる協議を踏まえエジプト及びアラブ首長国連邦の競争法に係るクリアランス手続が必要とならないことを確認し、また、2025年7月24日、未取得クリアランスを除き、2025年7月29日までに本クリアランスの取得が完了し、同日までに本クリアランスの取得を除く本前提条件の全てを充足することが確実であること、また、各国における審査状況を踏まえ現地法律事務所と確認し、EUの競争法に係る本クリアランス手続については2025年8月中旬から下旬頃、ベトナムの競争法に係る本クリアランス手続については2025年7月末から8月初旬頃、アルバニアの競争法に係る本クリアランス手続については2025年7月末から8月初旬頃、ウクライナの競争法に係る本クリアランス手続については2025年8月初旬頃、日本の対内直接投資に係る本クリアランス手続については2025年8月初旬頃、アメリカ合衆国の対内直接投資に係る本クリアランス手続については2025年8月初旬頃、イタリアの対内直接投資に係る本クリアランス手続については2025年7月末から8月初旬頃、スペインの対内直接投資に係る本クリアランス手続については2025年8月初旬頃、それぞれ本クリアランスの取得が完了する見込みであり、未取得クリアランスの取得により必要となる本公開買付けに係る公開買付届出書の訂正届出書の提出によっても、法第27条の8第8項に基づく本公開買付期間の延長が必要とならない期限である2025年8月26日までに全ての未取得クリアランスの取得が完了することが見込まれたことから、本公開買付けが開始可能な状態になったと判断し、本前提条件のうち未取得クリアランスの取得について、当社と合意の上で放棄し、本公開買付けを2025年7月29日より開始したい旨、当社に連絡したとのことです。その後、公開買付者は、2025年7月25日(現地時間)付けでアルバニアの競争法に係る本クリアランス手続について、2025年7月30日(現地時間)付けでベトナムの競争法に係る本クリアランス手続について、2025年7月29日(現地時間)付けでイタリア、及びスペインにおける対内直接投資に係る本クリアランス手続について、それぞれ本クリアランスの取得が完了したとのことです。なお、未取得クリアランス(アルバニア、及びベトナムの競争法に係る本クリアランス手続並びにイタリア、及びスペインにおける対内直接投資に係る本クリアランス手続を除きます。)の取得が完了した場合には、法第27条の8第2項に基づき、直ちに公開買付届出書の訂正届出書を提出するとのことです。

その後、公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンドは、2025年7月28日付けで、当社との間で、本前提条件のうち未取得クリアランスの取得について放棄する旨の合意をしたとのことです。

以上の経緯を経て、公開買付者は、2025年7月28日、本前提条件(公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンド並びに当社の合意により放棄された未取得クリアランスの取得を除きます。)の全てが充足されたことを確認し、本公開買付けを2025年7月29日より開始することとしたとのことです。なお、当社が所有する自己株式数の変動に伴う買付予定数の下限の変更を除き、公開買付価格を含めた公開買付価格を含め、本予告プレスリリースで公表した主要な買付条件に変更はないとのことです。

 

本公開買付けに際し、KKRファンドは、2025年3月28日付けで、当社の代表取締役社長 CEOである江藤隆志氏(以下「江藤氏」といいます。)との間で、本取引後の当社の経営等に関して規定する経営委任契約の主要条件に関する合意書(以下「本合意書(江藤氏)」といいます。)を締結しているとのことです。その後、公開買付者は、2025年7月28日付けで、江藤氏との間で、本取引後の当社の経営等に関して規定する経営委任契約書(以下「本経営委任契約」といいます。)を締結しているとのことです。本経営委任契約の概要につきましては、下記「(7) 公開買付者と自社株主・取締役等との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「③ 本経営委任契約」をご参照ください。また、KKRファンドは、2025年3月28日付けで、江藤氏が所有する当社株式(但し、本譲渡制限付株式(下記にて定義します。)44,000株は除きます。)の全てについて、本公開買付けに応募する意向であることを確認しており、江藤氏との間で、江藤氏が公開買付者親会社の株式を引き受け、本公開買付けへの応募により取得した対価の範囲内で、その一部を公開買付者親会社に再出資すること(以下「本再出資」といいます。)に合意しておりますが、本再出資の条件、時期等の詳細については、現時点では未定です。(注2)(注3)。なお、以上より、本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)に該当するとのことです。

 

 

また、KKRファンドは、JICキャピタル株式会社(以下「JICC」といいます。)との間で、JICCが、その管理・運営するファンドを通じて、公開買付者親会社のA種優先株式及びB種優先株式を直接又は間接に引き受ける方法により、合計金950億円の出資を、それぞれ、全て本公開買付けの成立の翌営業日以降本公開買付けに係る決済開始の前営業日までに行うこと(以下「本出資」といいます。)(注4)(注5)に合意し、2025年3月28日付けで、JIC PE ファンド1号投資事業有限責任組合及びJIC PE 共同投資ファンド1号投資事業有限責任組合(以下「JICC ファンド」と総称します。)から本出資に係るエクイティ・コミットメントレター(以下「本ECL(JICC)」といいます。)を取得しているとのことです。また、KKRは、2025年3月28日付けで、JICCとの間で、本出資の条件、A種優先株式及びB種優先株式の概要、本取引後の公開買付者親会社、公開買付者及び当社の運営並びに公開買付者親会社の株式の取扱い等に関して規定する株主間契約の主要条件に関する合意書(以下「本合意書(JICC)」といいます。)を締結しているとのことです。なお、本出資が普通株式ではなく、A種優先株式及びB種優先株式による出資となったのは、必要な資金の量的補完・信用補完を行いつつも、長期的な視点にて当社の事業の成長を支援するという本出資の目的に適合するよう、民間ファンドによる普通株式を用いた出資とは異なる時間軸・リターンに基づく設計を行う必要があったためとのことです。その後、公開買付者は、2025年7月28日付けで、JICCファンドとの間で、本出資の条件、A種優先株式及びB種優先株式の概要、本取引後の公開買付者親会社、公開買付者及び当社の運営並びに公開買付者親会社の株式の取扱い等に関して規定する株主間契約書(以下「本株主間契約」といいます。)を締結したとのことです。本株主間契約の概要につきましては、「(7) 公開買付者と自社株主・取締役等との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「② 本株主間契約」をご参照ください。

さらに、KKRファンドは、2025年3月17日にKKRと当社の株主であるValueAct Japan Master Fund, L.P.(同日時点における所有株式数:9,754,700株、所有割合(注6):9.25%)、及びValueAct Strategic Master Fund II, L.P.(同日時点における所有株式数:5,671,100株、所有割合:5.37%。)との間で秘密保持契約を締結した上で、本公開買付けの成立の可能性を高める目的で、VAC(以下にて定義します。以下同じです。)との間で、VACが所有する当社株式(15,425,800株、所有割合:14.62%。以下「本応募合意株式」といいます。)の本公開買付けへの応募に関する交渉を開始し、その後、VACが中長期的に当社株式を所有しており、当社の事業や企業価値向上策について一定の知見を有しているものと考えられたことから、KKRとしてもVACからそのような知見の共有を受けられることを考慮し、本応募合意株式の一部の不応募やKKRファンドに対する再出資に関しても協議を開始したとのことです。その後、公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンドは、2025年4月16日、VACとの間で、①VACが、本応募合意株式の全部を本公開買付けに応募すること、及び、②本公開買付けの成立を条件として、VACが、本公開買付けの決済開始日において、金28,050,000,000円を上限としてVACが決定する額をKKRファンドに対して出資し、KKRファンドのリミテッド・パートナー持分を取得すること(以下「本LP持分取得」といいます。)を内容とする契約(以下「本応募契約(VAC)」といいます。)を締結したとのことです。

その後、ValueAct Strategic Master Fund II, L.P.の所有する当社株式283,152株(所有割合:0.27%)が、ValueAct Strategic Master Fund IV, L.P.に譲渡される予定となったことから、公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンド並びにVACは、2025年6月3日にValueAct Strategic Master Fund IV, L.P.を本応募契約(VAC)の当事者に追加すること等を内容とする本応募契約(VAC)の変更覚書及び同月30日に本LP持分取得に係る契約(以下「本LP持分取得契約(VAC)」といいます。」)の締結時期を変更する覚書を締結したとのことです。さらに、KKRファンド、そのジェネラル・パートナーであるTK Investment GP LLC及びKKRがKKRファンドのリミテッド・パートナーとして新たに設立するTK Investment Capital L.P.(以下「KKRファンド2」といいます。)は、2025年7月27日付けで、ValueAct Japan Master Fund, L.P.、ValueAct Strategic Master Fund IV, L.P.及びValueAct Strategic Global Master Fund, L.P.(以下、ValueAct Japan Master Fund, L.P.、ValueAct Strategic Master Fund II, L.P.、ValueAct Strategic Master Fund IV, L.P.及びValueAct Strategic Global Master Fund, L.P.を併せて「VAC」といいます。)との間で本LP持分取得契約(VAC)を締結しております。本応募契約(VAC)及び本LP持分取得契約(VAC)の概要につきましては、下記「(7) 公開買付者と自社株主・取締役等との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「④ 本応募契約及び本LP持分取得契約(VAC)」をご参照ください(注2)(注7)。

 

(注2) 本再出資における公開買付者親会社の株式1株当たりの払込価額及び本LP持分取得におけるKKRファンドのリミテッド・パートナー持分の払込価額を決定する前提となる当社株式の評価は、公開買付価格の均一性規制(法第27条の2第3項)の趣旨に抵触しないよう、本公開買付価格と同一の価格である3,300円(但し、本スクイーズ・アウト手続(以下に定義します。以下同じです。)として実施する本株式併合(下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「② 株式併合」において定義します。以下同じです。)における当社株式の併合の割合に基づき形式的な調整を行う予定です。)にする予定であり、当該金額より低い評価額による発行、すなわち本公開買付価格より低い価格による発行は行わない予定とのことです。

(注3) 公開買付者親会社が江藤氏から本再出資を受ける理由は、江藤氏は、本取引後も当社の代表取締役社長 CEOとして、当社の経営方針や資本政策、海外戦略の策定・推進、重要取引先との連携・取引関係の深耕においても責任ある役割を担いながら、当社グループの長期的な成長に向けて経営全般を継続的に主導していくことが予定されており、このような立場の江藤氏に対して、本取引後も、当社の企業価値向上に向けた共通のインセンティブを有してもらうことを企図したものとのことです。江藤氏による本再出資は、江藤氏による本公開買付けへの応募の可否とは独立して検討されたものであることから、公開買付価格の均一性規制(法第27条の2第3項)の趣旨に反するものではないと考えているとのことです。

(注4) 本出資における公開買付者親会社のA種優先株式及びB種優先株式1株当たりの払込価額を決定する前提となる当社株式の評価は、公開買付価格の均一性規制(法第27条の2第3項)の趣旨に抵触しないよう、本公開買付価格と同一の価格である3,300円(但し、本スクイーズ・アウト手続として実施する本株式併合における当社株式の併合の割合に基づき形式的な調整を行う予定です。)にする予定であり、当該金額より低い評価額による発行、すなわち本公開買付価格より低い価格による発行は行わない予定とのことです。

(注5) 公開買付者親会社がJICCファンドから本出資を受ける理由は、JICCは、当社の持続的な事業の発展及び長期的な企業価値向上を図り、当社の中長期的な成長戦略の実現のために、当社の事業に対して継続的な支援をいただくことを考慮したものとのことです。

(注6) 「所有割合」とは、(ⅰ)当社が2025年6月26日に提出した第132期有価証券報告書(以下「当社有価証券報告書」といいます。)に記載された2025年3月31日現在の当社の発行済株式総数(108,382,642株)から、(ⅱ)当社有価証券報告書に記載された2025年3月31日現在当社が所有する自己株式数(2,970,630株)を控除した株式数(105,412,012株)に、(ⅲ)当社から本書提出日現在残存するものと報告を受けた本新株予約権(1,000個)の目的となる株式数(100,000株)を加算した数(105,512,012株、以下「潜在株式勘案後株式総数」といいます。)に占める割合(なお、小数点以下第三位を四捨五入しております。)をいうとのことです。以下同じです。

(注7) KKRファンドがVACから本LP持分取得を受ける理由は、VACが中長期的に当社株式を所有しており、KKRとしてもその知見の共有を受けられることを考慮したものとのことです。このように、VACによる本LP持分取得は、VACによる本公開買付けへの応募の可否とは独立して検討されたものであることから、公開買付価格の均一性規制(法第27条の2第3項)の趣旨に反するものではないと考えているとのことです。

 

 

公開買付者は、本公開買付けにおいて52,861,519株(所有割合(注7):50.10%)を買付予定数の下限として設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限(52,861,519株)に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、公開買付者は、当社株式の全て、本新株予約権の全て及び本米国預託証券の全てを取得し、当社株式を非公開化することを目的としているため、本公開買付けにおいて、買付予定数の上限は設けておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限である52,861,519株以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。買付予定数の下限を52,861,519株に設定した理由について、公開買付者は、2019年6月28日に経済産業省により公表された「公正なM&Aの在り方に関する指針」において「特に近年の我が国の資本市場動向としてパッシブ・インデックス運用ファンド(注8)の規模が拡大しているところ、その中には、取引条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けへの応募を行わない投資家も存在する」と指摘されているとおり、公開買付者は、当社株式を所有するパッシブ・インデックス運用ファンドの中にも、公開買付けの条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けへの応募は行わないものの、その後のスクイーズ・アウト手続における株主総会においては株式併合に係る議案に対して賛成の議決権行使を行う方針の者が存在していると認識しているとのことです。これらを背景に、過去の非公開化事例においてもパッシブ・インデックス運用ファンドが所有する株式数を買付予定数の下限から控除した事例は複数存在しており、このうち、公開買付け成立後の公開買付者の議決権所有割合が3分の2未満でありながら、スクイーズ・アウト手続における株主総会において株式併合に係る議案を可決している事例が複数存在することを確認しているとのことです。そのため、本取引においても、本公開買付けにより取得する当社株式の数及び当社の取締役が保有する本譲渡制限付株式(注9)の数(151,200株)の合計数に係る議決権数に加えて、パッシブ・インデックス運用ファンドが所有する当社株式の数に係る議決権数を合算することで、当社の総株主の総議決権数の3分の2以上とすることができれば、本臨時株主総会(下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」において定義します。以下同じです。)において本株式併合に係る議案が可決される蓋然性は高く、公開買付者としては、本公開買付けの成立の確実性を高めつつ、本公開買付け成立後の本臨時株主総会において株式併合に係る議案が可決されない事態が生じる可能性を低下させることが可能と考えたとのことです。また、公開買付者が、2025年7月8日に当社より共有を受けた、当社が実施した2025年3月31日基準の当社株主の機関投資家判明調査の内容を確認した結果、国内パッシブ・インデックス運用ファンドに限定したとしても、当該時点で合計16,774,800株(所有割合:15.90%)の当社株式がパッシブ・インデックス運用ファンドにより所有されていることを認識しているとのことです。そのため、公開買付者は、本公開買付けの条件を含む本取引の条件が適切であるか否かの判断に従って本公開買付けに応募するか否かを決定する当社の株主が所有する当社株式は、100%から取締役が保有する本譲渡制限付株式の所有割合0.14%を減じた99.86%から、上記15.90%を減じた83.96%程度に留まると考えており、そのような中で、公開買付者の所有割合が3分の2となるような下限を設定すると、本公開買付けの条件を含む本取引の条件が適切であると判断する当社の株主の所有割合が3分の2を超える場合であっても、結果として本取引が成立せずに当社の株主の皆様に、本公開買付けに係る公開買付届出書の「公開買付け等の概要」の「(4) 買付け等の価格の算定根拠等」の「算定の基礎」の要素を総合的に考慮し、当社との協議及び交渉を経て決定した経済条件での合理的な売却機会を提供出来なくなる可能性があると考えているとのことです。

以上のような考えの下、公開買付者は、当社の非公開化という本公開買付けの目的を達成する可能性を最大化しつつ、当社の一般株主の応募判断の結果を尊重すべく、本公開買付けの下限を設定すべきであると判断したとのことです。

なお、公開買付者は、本株式併合に係る議案の可決に必要な議決権数を検討するにあたっては、過去の当社の定時株主総会における議決権行使比率(注10)を参考にして、本公開買付け成立後、公開買付者が所有する株式数(その場合想定される最低値は所有割合にして50.10%)、取締役が保有する本譲渡制限付株式数(同0.14%)及びパッシブ・インデックス運用ファンドが所有する株式数(同15.90%)を合計した株式数(同66.14%)に照らせば、本臨時株主総会の議決権行使比率が過去の議決権行使実績を大幅に上回る99.21%程度以上にならない限り、本株式併合に係る議案の可決が可能な水準となると考えているとのことです。

 

(注8) 「パッシブ・インデックス運用ファンド」とは、株式をはじめとする投資対象資産の市場のベンチマークとなる株価指数等の指数(インデックス)と投資成果が連動することを目的として運用することにより、市場平均並みの収益率を確保することを目指すファンドを意味します。

(注9) 譲渡制限付株式報酬として当社の取締役に付与された当社の譲渡制限付株式(以下「本譲渡制限付株式」といいます。)に関しては、譲渡制限が付されていることから本公開買付けに応募することができませんが、2025年3月28日開催の当社取締役会において、当社株式の非公開化を前提とした本公開買付けに賛同する意見を表明することを決議しており、本公開買付けが成立した後、本臨時株主総会(下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に定義します。以下同じです。)において本株式併合に係る議案が付議された場合には、同議案への賛成の議決権行使を行う見込みであると考えておりますので、買付予定数の下限を考慮するにあたって、取締役が保有する本譲渡制限付株式151,200株(所有割合:0.14%)に係る議決権の数を控除しているとのことです。

(注10) 当社が2025年6月26日に提出した第132期有価証券報告書によれば、2025年6月開催の第131期定時株主総会の基準日における議決権の数は1,053,712個でしたが、2025年6月27日に提出した臨時報告書によれば、実際に行使された議決権は全議案平均729,774個(小数点以下を四捨五入しています。)であり、行使された議決権は議決権の数全体に対して約69.26%(小数点以下第三位を四捨五入しています。以下、議決権行使比率の計算について他に取扱いを定めない限り同じです。)に相当します。同様に議決権行使比率を算定すると第131期定時株主総会は約85.38%、第130期定時株主総会は約79.21%となり、当社の直近3期の定時株主総会における議決権行使比率の最大値は約85.38%となります。

 

公開買付者は、本公開買付けに係る決済に要する資金を、金融機関からの借入れ並びに公開買付者親会社からの出資(本出資により、JICCファンドから公開買付者親会社に対して払い込まれた金額を充当することを含みます。)により賄うことを予定しているとのことです。

 

公開買付者は、本公開買付けにより当社株券等の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、当社の株主を公開買付者のみとするための一連の手続(以下「本スクイーズ・アウト手続」といいます。詳細については、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」をご参照ください。)を実施する予定とのことです。

 

<本公開買付け及びその後の想定されている各手続のストラクチャー概要図>

以下は、本公開買付け及びその後の想定されている各手続のストラクチャーの概要を図示したものです。

 

Ⅰ.現状(本書提出日現在)

 


 

 

Ⅱ.本公開買付け(2025年7月29日~2025年9月9日)

 


 

Ⅲ.本公開買付け成立後(2025年9月上旬)

 

① 本出資

 


 

 

② 本LP持分取得

 


 

③ (本出資及び本LP持分取得の実施後)本スクイーズ・アウト手続

 


 

 

④ (本スクイーズ・アウト手続の完了後)本再出資

 


 

⑤ 本再出資実施後

 


 

 

② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針
(ⅰ) 当社を取り巻く経営環境等

当社は、1932年9月に測量機の国産化を目的に陸軍省の要請で、服部時計店精工舎(現、セイコーグループ株式会社)の測量機部門を母体に東京光学機械株式会社として設立されました。その後、1989年に現在の社名である株式会社トプコンに社名変更しました。当社は、1949年5月に東京証券取引所及び大阪証券取引所に上場し、1986年9月に東京証券取引所市場第一部及び大阪証券取引所市場第一部に指定され、2009年3月に大阪証券取引所への上場を廃止した後、2022年4月の東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所プライム市場に移行し、現在に至ります。本書提出日現在、当社は連結子会社59社、持分法適用会社5社及び非連結子会社1社からなる企業グループ(以下「当社グループ」といいます。)で構成されております。

当社グループは、グループグローバルで共有する最上位の価値観を「TOPCON WAY」(注1)として明文化し、「医・食・住」に関する社会的課題を解決し、豊かな社会づくりに貢献することを経営理念に掲げています。社会の価値観の多様化が進むなか、事業活動を通じて、持続的な社会の実現に向けて取り組むことを推進するために、社会的課題の解決に資する製品・サービスの提供を行っていくと同時に、当社グループに関連する全ての多様なステークホルダーを重視した経営を行うことを経営方針として、主に以下の事業を展開しております。

(注1) 「TOPCON WAY」とは、当社が事業活動を通じて、「医(Healthcare)・食(Agriculture)・住(Infrastructure)」に関する社会的課題を解決し、豊かな社会づくりに貢献すること、そのために、先端技術にこだわりモノづくりを通じて新たな価値を提供し続けること、多様性を尊重しグローバルカンパニーとして行動すること、コンプライアンスを最優先し全てのステークホルダーから信頼される存在であり続けることを指します。

 

(1) ポジショニング事業

ポジショニング事業は、建設業者(土木・建物)、農家、建機・農機メーカー向けに、建機や農機を自動制御するマシンコントロール製品やGNNS(注2)製品を提供しております。当社としては建設における世界的なインフラ需要増に伴う技能者の不足、農業における世界的な人口増加に伴う食糧不足、高齢化や熟練者の減少といった社会的課題があると考えており、これらを解決すべく、当社のICT自動化施工技術(注3)や精密三次元位置計測(注4)やセンシング(注5)といったコア技術をベースに、建設分野におけるICT自動化施工や、農業分野におけるデジタル化や自動化を実現するIT農業ソリューション(注6)を通して、建設や農業の現場における生産性向上・品質向上、技能者不足解消に貢献します。

これを実現するための当社独自の技術を活用した製品群として、スマートインフラ事業(注7)が有する高度な光学技術を活用した測量機器、レーザー製品等、ポジショニング・カンパニー(注7)が有する最先端のGNSS受信機、建機や農機を自動化するマシンコントロール製品等と、関連ソフトウェアやクラウドソリューション(注8)を展開しております。

(注2) 「GNSS」とは、Global Navigation Satellite System(全球測位衛星システム)を指します。

(注3) 「ICT自動化施工技術」とは、情報通信技術を活用して、建設現場における建設機械による施工の自動化・効率化を行う技術を指します。

(注4) 「精密三次元位置計測」とは、対象物の寸法や形状、位置関係等を三次元空間において精密に測定する技術を指します。

(注5) 「センシング」とは、センサーを用いて対象物の状態や情報を収集する技術を指します。

(注6) 「IT農業ソリューション」とは、具体的には、IT技術を活用して、農機を自動運転すること等により、農業における自動化・効率化を目指すソリューションを指します。

(注7) 「スマートインフラ事業」「ポジショニング・カンパニー」とは、ポジショニング事業を構成する従来の報告セグメントを指します。

(注8) 「関連ソフトウェアやクラウドソリューション」とは、具体的には、建設現場において建機等の稼働状況や建設の進捗状況等のデータ管理、農業において農機等の稼働状況や作物の生育状況等のデータ管理を行うことができるクラウドデータ管理サービスを指します。

 

 

(2) アイケア事業

アイケア事業は、眼科医、眼鏡店等向けに、眼科検査・診断機器及び関連サービスを提供しているとのことです。当社としては、世界的な高齢化の進行や生活習慣の変化による眼疾患の増加、医療コストの高騰、医師不足といったヘルスケアにおける社会的課題があると考えており、これらを解決すべく、当社独自のフルオートスクリーニング機器(注9)やデジタル検眼システムにより、診断に必要な眼底画像や検査データを簡単に取得し、更に取得した画像や検査データをクラウドを活用したデータマネジメントシステム(注10)で統合管理を行う新たな仕組みを構築することで、眼疾患の早期発見と早期治療に貢献します。

これを実現するための当社独自の技術を活用した製品群として、眼科医や眼鏡店等向けの各種検眼機器、フルオートの眼底カメラやOCT(注11)といった検査・診断機器、及び、関連ソフトウェアやクラウドソリューションを展開しております。

(注9) 「フルオートスクリーニング機器」とは、使用者が熟練者でなくても、ボタンを押すだけ等の簡単な操作のみで自動で検査することが可能な眼科検査・検眼機器を指します。

(注10) 「クラウドを活用したデータマネジメントシステム」とは、具体的には眼底等の画像を含む眼科検査データをクラウド上で管理できるデータ管理ソリューションTopcon Harmony等を指します。

(注11) 「OCT」とは、Optical Coherence Tomography(光干渉断層計:近赤外光を照射して得た反射光から網膜の断層像を撮影する医療機器)を指します。

 

また、当社グループでは、創業より培ってきた当社の各事業共通のコア技術である光学技術を活かし、最先端の宇宙・防衛産業向けの光学製品及びデバイス製品を設計・製造・販売しています。具体例では、当社グループは小型月着陸実証機(SLIM)に搭載されたLIDAR用光学ユニット(注12)、新型宇宙ステーション補給機(HTV-X)に搭載されるFlash LIDAR用光学ユニット(注13)、陸上自衛隊が運用する戦車に搭載される直接照準装置や、海上自衛隊が運用する哨戒機に搭載される赤外線探知装置用光学ユニット等の研究・開発・製造を行っております。当社の宇宙・防衛事業は、外国為替及び外国貿易法において、日本国の国家安全保障の観点で、外国人投資家による当社への投資を制限する目的で、事前届出が必要な指定業種(国の安全を損ない、公の秩序の維持を妨げ、又は公衆の安全の保護に支障を来すことになるおそれがある対内直接投資等に係る業種)に指定されております。

(注12) 「LIDAR用光学ユニット」とは、LIDAR(レーザー光を使用して物体までの距離を測定し、周囲の環境の3Dマップを生成する技術)に用いられる光学部品を指します。

(注13) 「Flash LIDAR用光学ユニット」とは、Flash LIDAR(カメラのフラッシュのように一度に広範囲を照射し、その反射光をセンサーで受け取ることで、周囲の環境の3Dマップを瞬時に生成する技術)に用いられる光学部品を指します。

 

2032年には創業100周年を迎える当社は、「持続成長する100年ベンチャーに挑む」をビジョンとして掲げ、当社グループの競争力の源泉は以下の2点にあることを認識して、これをさらに加速させています。

① メーカーとしてのモノづくりの強みを守りつつ、同時に、ソリューションビジネスの拡大をグローバルで追求

ハードウェア製品を中心とする日本の製品開発・製造機能と、米国を中心にマーケットに即して発展する新しいソリューションビジネスの開発・展開機能を適切に組み合わせた組織として、日本及び米国相互のシナジーを最大化する。

② 各事業領域での持続的な事業成長を狙い、新規事業創出への適切な先行投資と再投資を継続

将来の成長事業となる新規事業の創造、新規テクノロジーの研究開発に対する適切な投資を継続し、各事業に対し最大限の事業成長を計画・実行する。

 

現在、当社グループは、2023年度を初年度とする3カ年の「中期経営計画2025」に沿って、顧客に必要とされる企業であり続けるための「顧客指向の深化」、効率的な組織を確立し収益力を強化するための「基盤改革」、次の成長事業を創出し続けるための「DX加速」の3つの柱を掲げて、各事業の持続成長を推進しています。

 

一方で、当社グループを取り巻く経営環境は、欧米を中心とした各国の金融引締め長期化と金融緩和期待の後退、また地政学的リスク等の影響を受け、先行き不透明な状況が続いていると当社としては認識しております。アイケア事業は引き続き、北米及び欧州地域を中心に順調に推移しておりますが、当社としては中国における病院経営の悪化や腐敗防止による入札減少等による影響が続くと考えており、ポジショニング事業は、当社としては、世界的なインフレ及び穀物価格下落の長期化による農機メーカー各社の投資抑制の終息が当面見込めないと考えていること、米国における新政権の発足に伴う貿易・金融・産業政策等に関する不透明感から、投資が手控えられている状況が継続と考えていることから、今後も不安定な状況が続く見通しであります。

このような経営環境に加え、ポジショニング事業においては、当社としては、今後大手メーカーの内製化によるOEMやアフターマーケット市場の成長減速、新興メーカーの台頭による製品のコモディティ化及び価格競争の激化が見込まれると考えており、こうした事業環境と市場変化を踏まえて、中小型建機向けの製品やミドルレンジ製品の新規開発・投入、一層の構造改革を通じた収益力の改善と安定化への取組みを、また、アイケア事業においては、迅速な新規サービスの開発と新規市場の開拓に向けた成長投資のさらなる加速等を中長期的な企業価値向上に向けた経営課題と認識しております。

 

(ⅱ) 公開買付者と当社との協議、公開買付者による意思決定の過程等

上記のような経営課題にかかる認識を踏まえ、当社はこれまでも様々な成長戦略の実現に向けた施策を検討・実施してまいりましたが、当社のさらなる成長及び企業価値向上を実現するためには、長期的・持続的な事業変革の推進が必要であると考えるようになりました。従来の事業変革にかかる施策を超える抜本的な取組を加速させるべく、当社株式の非公開化を含む当社の資本政策を検討した結果、当社グループが直面している経営課題を解決するためには、長期的にみれば当社の企業価値向上が期待できるものの、継続的・長期的な投資が必要となることに加え、特に新たなビジネスを創造する上では、事業遂行上の不確定リスクも存在するため、短期的には当社グループの収益及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があるとの考えに至りました。こうした施策を当社が上場を維持したまま実施すれば、短期的には資本市場から十分な評価が得られず、当社株式の市場価格の下落といったマイナスの影響を及ぼし、当社の現在の株主に不利益を与える可能性を否定できないと考えたことから、2024年7月頃から、当社を非公開化して資本市場から距離を置くとともに、株主構成を刷新し、機動的かつ柔軟な意思決定が可能となる株主と経営陣が一体となった強固かつ安定した経営体制を構築した上で、当社独自の経営努力に加え、外部の経営資源も活用しながら、上記の経営課題に取り組むことが有力な選択肢と考えるに至りました。なお、当社は、一般に、株式の非公開化に伴うデメリットとして、①資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、②知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを以後享受できなくなることが挙げています。もっとも、①の面では、本取引の実行後であっても当社の現在の財務状況等を考慮すると、自己資金及び金融機関からの借入れによって資金を確保することが可能であり、少なくとも当面の間その必要性は高くないと考えられ、②の面では、当社が長らく上場企業として事業を営んでおり、取引先との関係でも既に十分な知名度や社会的信用を有していることからすれば、上場廃止による影響は限定的であると考えられることから、非公開化により期待されるメリットは、非公開化を行うことによるデメリットを上回るものと判断いたしました。

 

さらに、上述のように今後当社を取り巻く事業環境が変化していく中で、当社グループがそれに対応していくためには、当社の代表取締役社長CEOである江藤氏が、当社の経営方針や資本政策、海外戦略の策定・推進、重要取引先との連携・取引関係の深耕においても責任ある役割を担いながら、当社グループの長期的な成長に向けて経営全般を継続的に主導していくことが有益であり、仮に当社を非公開化する場合には、江藤氏が非公開化後も公開買付者と利益を共通にし、一定期間引き続き経営に関与するマネジメント・バイアウト(MBO)が有力な選択肢であるとの考えに至り、当社の江藤氏以外の経営に携わる主要なメンバー及び一部の社外取締役とも協議を重ねた結果、2024年7月中旬頃、これらの考えが一致いたしました。そこで、当社は、マネジメント・バイアウト(MBO)を含む多角的かつ長期的な企業価値向上策の具体的な検討を開始するべく、その独立性に問題がないことを確認の上、同月、企業価値向上策の検討に係る当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、JPモルガン証券株式会社(以下「JPモルガン証券」といいます。)を、長島・大野・常松法律事務所を当社の法務アドバイザーとして、それぞれ選任するとともに、長期的な企業価値向上を推進するパートナーとして当社株式に係る資本取引の可能性を含めた当社の成長戦略について、KKRを含む国内外において豊富な実績を有する3社の投資ファンドとの間で協議を重ねてまいりました。加えて、当社は、2024年7月30日開催の当社の取締役会において、長期的な企業価値向上のための経営上の選択肢を検討するに当たっては、検討プロセスの公正さと透明性を確保することが重要であり、かつ、仮に非公開化の選択をする場合にはマネジメント・バイアウト(MBO)の方法により行われることも視野に入れ、スクイーズ・アウトを伴う取引となることを前提に、公開買付者、その他の関係会社その他有価証券上場規程施行規則(東京証券取引所)(以下「施行規則」といいます。)で定める者からの独立性及び取引の成否からの独立性がいずれも認められる当社の社外取締役5名(社外取締役山崎直子氏(ファナック株式会社社外取締役、文部科学省宇宙開発利用部会第12期(科学技術・学術審議会臨時委員))、社外取締役稲葉善治氏(ファナック株式会社取締役会長)、社外取締役日髙直輝氏(住友商事株式会社元代表取締役兼副社長執行役員、ブラザー工業株式会社社外取締役)、社外取締役寺本克弘氏(ナブテスコ株式会社元代表取締役社長)、社外取締役中井元氏(みずほ証券株式会社元常務執行役員、セントラル硝子株式会社元代表取締役専務執行役員))によって構成される、戦略特別委員会(以下「本戦略特別委員会」といいます。)を設置することを決議いたしました。また、本戦略特別委員会は、同日に開催した戦略特別委員会において、潜在的な当社のパートナー候補先及び本取引から独立した、本取引に係る当社の法務アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所を、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、JPモルガン証券の選任を承認いたしました。なお、本戦略特別委員会は、下記「③ 当社における意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ) 当社における検討・交渉の経緯」に記載のとおり、2024年11月27日に開催された戦略特別委員会において、独自の法務アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を選任いたしました。

また、当社は、当社の更なる企業価値の向上及び当社の株主の利益最大化の観点から、当社株式の取得に関心を示すと考えられる複数の候補先を対象とする入札手続を実施した上でパートナーを決定することが望ましいと判断し、2024年7月30日の本戦略特別委員会で審議し、その方針について承認を得ました。これを踏まえ、当社は、同年8月中旬、当社にとって望ましいパートナーを選定することを目的として、江藤氏が非公開化後も公開買付者と利益を共通にし、一定期間引き続き経営に関与するマネジメント・バイアウト(MBO)を前提とした当社の公開買付けを通じた非公開化取引への参加につき、KKRを含む国内外において豊富な実績を有する3社の投資ファンド(以下、総称して「本候補者」といいます。)を招聘した入札手続(以下「非公開化プロセス」といいます。)の実施を決定し、当該プロセスを開始いたしました。なお、本候補者の選定にあたっては、初期的に投資ファンド及び事業会社を含む50社を超える潜在的候補者をリストアップした上で、有力な候補者との面談や、日本の製造業への投資実績、当社の成長戦略の柱としているヘルスケア領域やグローバルに事業展開している企業への投資実績等の一定の選定基準に基づき絞り込みを行った結果、3社を選定いたしました。

 

 

一方で、KKRは、2024年7月上旬、外部の経営資源も活用しながら経営課題に取り組むことを検討する当社より、当社の財務や事業などに関する戦略などについての相談を受け、2024年7月上旬以降複数回にわたり、事業成長の加速や将来の成長に向けた企業価値向上に資する施策について、当社と継続的に議論を重ねてきたとのことです。同年8月中旬、KKRは、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるJPモルガン証券より非公開化プロセスへの参加の打診を受け、非公開化プロセスへの参加の是非についての検討を始めたとのことです。KKRは、グローバルアイケア領域(注1)及びインダストリアル領域における有数の投資経験を有しており、これまでの当社との議論を通じて、KKRのグローバル・ネットワークを活用した当社の事業成長の加速や将来の成長に向けた企業価値向上の余地は大きいとの考えを強める中において、2024年8月中旬に非公開化プロセスに参加することを決定したとのことです。その後、非公開化プロセスの検討を進めるために、2024年8月13日にKKRと当社の間で締結された秘密保持契約書に基づき、当社から開示された当社グループ全体及びセグメント別の売上高や営業利益、主要キャッシュ・フロー項目の過去実績及び将来計画、当社の資産・負債の状況及び各種公開情報等に基づく初期的な検討を行い、当社の情報提供に基づくデュー・ディリジェンスを実施する前の段階ではあるものの、当社が属する事業セグメント別の市場の業界特性・成長性や、事業セグメント別の市場において当社が確立している競争優位性、当社の成長戦略の方向性や企業価値及び株式価値の向上に向けた潜在的な可能性について理解を深め、当社がアイケア事業を中心に強固な競争力・成長力と高い潜在性を有していると考えるようになり、同年9月13日、JPモルガン証券に対して、法的拘束力を有しない提案書(以下「非公開化プロセス9月13日付提案書」といいます。)を提出したとのことです。KKRは非公開化プロセス9月13日付提案書において、当社株式1株当たり3,000円を公開買付価格とし、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格を、当該公開買付価格と本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額とする当社の非公開化取引の実施を提案したとのことです。なお、非公開化プロセス9月13日付提案書における公開買付価格は、2024年9月13日の前営業日である2024年9月12日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2024年8月13日から2024年9月12日まで)、直近3ヶ月(2024年6月13日から2024年9月12日まで)、及び直近6ヶ月(2024年3月13日から2024年9月12日まで)の終値の単純平均値(小数点以下四捨五入。以下、単純平均値の計算において同じです。)(1,459.5円、1,496円、1,636円及び1,695円。)に対していずれもプレミアム(105.55%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、100.53%、83.37%及び76.99%)が付与されているとのことです。

(注1) 「グローバルアイケア領域」とは、世界規模での眼科医療の提供に関する事業・支援活動を含む分野をいいます。

 

その後、KKRは、2024年9月中旬から11月下旬にかけて、当社の経営陣との間で、当社の企業価値の最大化に資する事業戦略についての建設的な議論を継続してきたとのことです。そして、これまでの当社の経営陣との議論の内容を踏まえ、KKRは、同年11月26日に、当社取締役会及び本戦略特別委員会宛に、当社株式の非公開化を前提とした公開買付価格についての記載を含む法的拘束力を有さない提案書(以下「非公開化プロセス11月26日付提案書」といいます。)を提出したとのことです。KKRは非公開化プロセス11月26日付提案書において、当社株式1株当たり3,200円を公開買付価格とし、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格を、当該公開買付価格と本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額とする提案したとのことです。なお、非公開化プロセス11月26日付提案書における公開買付価格は、2024年11月26日の前営業日である2024年11月25日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2024年10月28日から2024年11月25日まで)、直近3ヶ月(2024年8月26日から2024年11月25日まで)、及び直近6ヶ月(2024年5月27日から2024年11月25日まで)の終値の単純平均値(1,564.0円、1,553円、1,547円及び1,614円。)に対していずれもプレミアム(104.60%、106.05%、106.85%及び98.27%)が付与されているとのことです。

 

その後、KKRは、2024年11月下旬から2025年1月上旬にかけて、当社の経営陣との間で、引き続き当社の企業価値の最大化に資する事業戦略についての建設的な議論を継続してきたとのことです。そして、これまでの当社の経営陣との議論の内容を踏まえ、KKRは、2025年1月6日に、当社取締役会及び本戦略特別委員会宛に、当社株式の非公開化を前提とした公開買付価格についての記載を含む法的拘束力を有さない提案書(以下「非公開化プロセス1月6日付提案書」といいます。)を提出したとのことです。KKRは非公開化プロセス1月6日付提案書において、当社株式1株当たり3,800円を公開買付価格とし、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格を、当該公開買付価格と本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額とする提案をしたとのことです。なお、非公開化プロセス1月6日付提案書における公開買付価格は、2025年1月6日の前営業日である2024年12月30日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2024年12月2日から2024年12月30日まで)、直近3ヶ月(2024年10月1日から2024年12月30日まで)、及び直近6ヶ月(2024年7月1日から2024年12月30日まで)の終値の単純平均値(2,838.5円、2,459円、1,868円及び1,731円。)に対していずれもプレミアム(33.87%、54.53%、103.43%及び119.53%)が付与されており、また、当社株価の変動のきっかけとなった、一部の報道機関における当社がKKRを含む複数の投資ファンドを招聘した本非公開化プロセスを行っている旨の憶測報道(以下「本非公開化プロセスに関する憶測報道」といいます。)がなされた2024年12月10日の前営業日である2024年12月9日の当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2024年11月10日から2024年12月9日まで)、直近3ヶ月(2024年9月10日から2024年12月9日まで)、及び直近6ヶ月(2024年6月10日から2024年12月9日まで)の終値の単純平均値(1,756.5円、1,587円、1,567円及び1,608円。)に対していずれもプレミアム(116.34%、139.45%、142.50%及び136.32%)が付与されているとのことです。

その後、KKRは、2025年1月下旬から2月下旬にかけて、当社の2025年1月30日公表の業績計画下方修正も踏まえた事業・財務・法務等に関するデュー・ディリジェンス、当社の経営陣との事業戦略に関するマネジメントインタビュー等を実施し、改めて当社株式の取得について、検討を進めたとのことです。そして、KKRとしては、当社が属する事業セグメント別の業界特性・成長性や、事業セグメント別の市場において当社が確立している競争優位性、当社の中長期的な成長戦略の方向性や、企業価値・株式価値の向上に向けた潜在的な可能性に関する更なる理解の深化に加えて、当社の中長期的成長・将来ビジョンに対する理解をより一層深化させるとともに、当社株式を非公開化することで、高度な技術、豊富な人的資本力及び強固な顧客基盤を有していると考える当社と潤沢な人的・資本的リソース、アイケア・インダストリアル領域双方における実績及びグローバル・ネットワークを有していると考えるKKRが戦略的なパートナーシップを組むことにより、特にアイケア領域において、KKRの投資先である大手アイケアリテール及び眼科医院チェーンとの協業による販売チャネルの拡大や、同領域の豊富な知見を有するグローバル専門家ネットワークの活用によるシナジーが期待でき、他方、本取引によるディスシナジーは見込まれないことから、本取引によって当社の更なる飛躍的成長が可能であると考えるに至り、同年2月25日、当社の事業及び財務の状況を多面的・総合的に分析の上、当社と事業内容、事業規模、収益の状況等において比較的類似する複数の上場会社の市場株価と収益性等との比較を通じて当社株式の株式価値を分析し、当社に対して、公開買付価格についての記載を含む法的拘束力を有さない提案書(以下「非公開化プロセス2月25日付提案書」といいます。)を提出したとのことです。KKRは非公開化プロセス2月25日付提案書において、当社株式1株当たり3,100~3,300円を公開買付価格とし、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格を、当該公開買付価格と本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額とする提案をいたしました。なお、非公開化プロセス2月25日付提案書における公開買付価格は、2025年2月25日の前営業日である2025年2月21日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2025年1月22日から2025年2月21日まで)、直近3ヶ月(2024年11月22日から2025年2月21日まで)、及び直近6ヶ月(2024年8月22日から2025年2月21日まで)の終値の単純平均値(2,848.0円、2,858円、2,574円及び2,052円。)に対していずれもプレミアム(8.85~15.87%、8.47~15.47%、20.44~28.21%及び51.07~60.82%)が付与されており、また、当社株価の変動のきっかけとなった、本非公開化プロセスに関する憶測報道がなされた2024年12月10日の前営業日である2024年12月9日の当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2024年11月10日から2024年12月9日まで)、直近3ヶ月(2024年9月10日から2024年12月9日まで)、及び直近6ヶ月(2024年6月10日から2024年12月9日まで)の終値の単純平均値(1,756.5円、1,587円、1,567円及び1,608円。)に対していずれもプレミアム(76.49~87.87%、95.34~107.94%、97.83~110.59%及び92.79~105.22%)が付与されているとのことです。

 

KKRは、その後当社から、非公開化プロセス2月25日付提案書において提案した公開買付価格の見直しを含めて、2025年2月28日までに提案の再提出をすべき旨の依頼を受けたことから、同日に、当社取締役会及び本戦略特別委員会宛に、当社株式の非公開化を前提とした公開買付価格についての記載を含む法的拘束力を有さない改訂提案書(以下「非公開化プロセス2月28日付提案書」といいます。)を提出したとのことです。KKRは非公開化プロセス2月28日付提案書において、当社株式1株当たり3,300円を公開買付価格とし、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格を、当該公開買付価格と本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額とする提案をしたとのことです。非公開化プロセス2月28日付提案書における公開買付価格は、2025年2月28日の前営業日である2025年2月27日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2025年1月28日から2025年2月27日まで)、直近3ヶ月(2024年11月28日から2025年2月27日まで)、及び直近6ヶ月(2024年8月28日から2025年2月27日まで)の終値の単純平均値(2,827.5円、2,845円、2,656円及び2,088円。)に対していずれもプレミアム(16.71%、15.99%、24.25%及び58.05%)が付与されており、また、当社株価の変動のきっかけとなった、本非公開化プロセスに関する憶測報道がなされた2024年12月10日の前営業日である2024年12月9日の当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2024年11月10日から2024年12月9日まで)、直近3ヶ月(2024年9月10日から2024年12月9日まで)、及び直近6ヶ月(2024年6月10日から2024年12月9日まで)の終値(1,756.5円、1,587円、1,567円及び1,608円。)に対していずれもプレミアム(87.87%、107.94%、110.59%及び105.22%)が付与されているとのことです。

その後、2025年3月3日、KKRは当社より本取引に関する独占交渉権の付与の連絡を受け、同年3月上旬から3月下旬にかけて、国内外の競争当局及び対内直接投資を所管する当局における手続等の完了に向けて必要となる当社の事業・財務情報の連携等の本取引の実施に向けた実務対応に関する継続的な協議を当社と重ねた後、同年3月26日に、当社取締役会及び本戦略特別委員会宛に、当社株式の公開買付価格を当社株式1株当たり3,300円(以下「本公開買付価格」といいます。)とし、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格(以下「本新株予約権買付価格」といいます。)を本公開買付価格と本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額とする、本取引に係る法的拘束力ある最終提案書を提出いたしました。そして、2025年3月28日、KKRは、当社との間で、本公開買付価格を3,300円、本新株予約権買付価格を193,400円、本米国預託証券に係る当社株式1株の買付価格(以下、「本米国預託証券買付価格」といいます。)を、本公開買付価格と同額とすることで、本取引を実施することで合意に至ったことから、公開買付者は本公開買付けを実施することを決定したとのことです。

さらに、KKRファンドは、2025年3月17日にKKRと当社の株主であるVACとの間で秘密保持契約を締結した上で、本公開買付けの成立の可能性を高める目的で、VACとの間で、本応募合意株式の本公開買付けへの応募に関する交渉を開始し、その後、VACが中長期的に当社株式を所有しており、当社の事業や企業価値向上策について一定の知見を有しているものと考えられたことから、KKRとしてもVACからそのような知見の共有を受けられることを考慮し、本応募合意株式の一部の不応募やKKRファンドに対する再出資に関しても協議を開始したとのことです。その後、公開買付者親会社及びKKRファンドは、2025年4月16日、VACとの間で、①VACが、本応募合意株式の全部を本公開買付けに応募すること、及び、②本公開買付けの成立を条件として、VACが、本公開買付けの決済開始日において金28,050,000,000円を上限としてVACが決定する額をKKRファンドに対して出資し、KKRファンドのリミテッド・パートナー持分を取得することを内容とする本応募契約(VAC)を締結したとのことです。本応募契約(VAC)の概要につきましては、下記「(7) 公開買付者と自社株主・取締役等との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「④ 本応募契約及び本LP持分取得契約(VAC)」をご参照ください。

 

その後、公開買付者は、2025年7月24日、未取得クリアランスを除き、2025年7月29日までに本クリアランスの取得が完了し、同日までに本クリアランスの取得を除く本前提条件の全てを充足することが確実であること、及び、各国における審査状況を踏まえ現地法律事務所と確認し、EUの競争法に係る本クリアランス手続については2025年8月中旬から下旬頃、ベトナムの競争法に係る本クリアランス手続については2025年7月末から8月初旬頃、アルバニアの競争法に係る本クリアランス手続については2025年7月末から8月初旬頃、ウクライナの競争法に係る本クリアランス手続については2025年8月初旬頃、日本の対内直接投資に係る本クリアランス手続については2025年8月初旬頃、アメリカ合衆国の対内直接投資に係る本クリアランス手続については2025年8月初旬頃、イタリアの対内直接投資に係る本クリアランス手続については2025年7月末から8月初旬頃、スペインの対内直接投資に係る本クリアランス手続については2025年8月初旬頃、それぞれ本クリアランスの取得が完了する見込みであり、未取得クリアランスの取得により必要となる本公開買付けに係る公開買付届出書の訂正届出書の提出によっても、法第27条の8第8項に基づく本公開買付期間の延長が必要とならない期限である2025年8月26日までに全ての未取得クリアランスの取得が完了することが見込まれたことから、本公開買付けが開始可能な状態になったと判断し、本前提条件のうち未取得クリアランスの取得について、当社と合意の上で放棄し、本公開買付けを2025年7月29日より開始したい旨、当社に連絡したとのことです。その後、公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンドは、2025年7月28日付けで、当社との間で、本前提条件のうち未取得クリアランスに係る本クリアランスの取得について放棄する旨の合意をしたとのことです。以上の経緯を経て、公開買付者は、上記「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本前提条件(公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンド並びに当社の合意により放棄された未取得クリアランスの取得を除きます。)の全てが充足されたことを確認したことから、2025年7月28日、本公開買付けを2025年7月29日より開始することとしたとのことです。なお、公開買付者は、2025年3月28日付公開買付者プレスリリースを公表した2025年3月28日から2025年7月28日時点までの状況を考慮しても、本公開買付価格の決定に際して考慮された諸要素に特段の変化はないと考えられることから、2025年3月28日に決定した本公開買付価格の変更は不要であると判断したとのことです。

 

(ⅲ) 本公開買付け後の経営方針

本取引後、KKRは、当社の役職員とともに、今まで当社が築き上げてきた確固たる事業基盤を活かしつつ、KKRが有するグローバルの人的・資本的リソース、ノウハウ、ネットワークを活用し、オーガニック(既存の経営資源を活用した手法)及びインオーガニック(他社との提携・他社の買収等による手法)双方での成長戦略の推進を通じて、当社の更なる事業成長及び企業価値の向上を目指すとのことです。KKRは、本取引完了後、当社の経営陣と最適なポートフォリオ戦略を議論の上、当社の売上成長及び収益性改善施策を実施することを検討しているとのことです。公開買付者は、現時点においては、経営の効率化を図るために、本取引完了後に、KKRが指名する取締役を当社の取締役に就任させることを考えているとのことですが、その具体的な人数、時期及び候補者等については、現時点では未定とのことです。また、本取引完了後の経営体制や取締役会の構成等に関しても、現時点では、公開買付者としての具体的な想定及び希望はないとのことです。なお、公開買付者は、当社の役職員に対してストックオプション等のインセンティブ・プランの導入を予定しており、公開買付者及び当社の役職員及び従業員が一丸となって、当社の長期的な企業価値の向上を図る体制を構築する予定とのことです。なお、具体的なインセンティブ・プランの内容や導入時期は未定とのことです。

 

 

③ 当社における意思決定の過程及び理由
(ⅰ) 当社における検討・交渉の経緯

当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、これまでも事業会社及びKKRを含む投資ファンドとの間で資本取引も含めた戦略的な選択肢にかかる協議を行ってまいりました。KKRとは、2024年7月上旬から8月上旬にかけて複数回にわたり、当社の事業成長の加速や将来の成長に向けた企業価値向上に資する施策について、継続的に議論を重ねてまいりました。このような中、当社は、2024年8月中旬より、当社の更なる企業価値の向上及び当社の株主の利益最大化の観点から、当社株式の取得に関心を示すと考えられる当社にとって望ましいパートナーを選定することを目的として、本各候補者との間で秘密保持契約を締結したうえで非公開化プロセスを開始し、同年9月13日に各本候補者より法的拘束力を有さない初期的な提案書(以下、総称して「本初期提案書」といいます。)を受領いたしました。このうち、KKRから提示された本初期提案書である非公開化プロセス9月13日付提案書においては、当社株式1株当たり3,000円を公開買付価格とし、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格を、当該公開買付価格と本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額とするもので、当該公開買付価格は、2024年9月13日の前営業日である2024年9月12日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2024年8月13日から2024年9月12日まで)、直近3ヶ月(2024年6月13日から2024年9月12日まで)、及び直近6ヶ月(2024年3月13日から2024年9月12日まで)の終値の単純平均値(小数点以下四捨五入。以下、単純平均値の計算において同じです。)(1,459.5円、1,496円、1,636円及び1,695円。)に対していずれもプレミアム(105.55%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、100.53%、83.37%及び76.99%)が付与されております。

当社及び本特別戦略委員会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上させるか、また提案の実現可能性等の観点から各本初期提案書における提案内容の精査を行いました。他方で、江藤氏としては、当該時点ではマネジメント・バイアウト(MBO)を前提とした当社の非公開化が当社の企業価値向上に資する最善の施策であるとの最終的な結論には至っていなかったこと、及び、本初期提案書はあくまでも限定的な情報を元に作成されたものであり、詳細につき更なる協議の余地があったことから、当社は、その段階で直ちに候補者を選定することはせず、各本候補者との間で本初期提案書を踏まえた当社の企業価値の最大化に資する事業戦略についての協議を継続いたしました。

その後、当社は、2024年11月上旬から下旬にかけて、KKRを含む本候補者2社から本初期提案書の内容を更新する法的拘束力を有しない提案を受領いたしました。このうち、KKRからは、非公開化プロセス11月26日付提案書を受領いたしました。非公開化プロセス11月26日付提案書においては、当社株式1株当たり3,200円を公開買付価格とし、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格を、当該公開買付価格と本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額とするもので、当該公開買付価格は、2024年11月26日の前営業日である2024年11月25日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2024年10月28日から2024年11月25日まで)、直近3ヶ月(2024年8月26日から2024年11月25日まで)、及び直近6ヶ月(2024年5月27日から2024年11月25日まで)の終値の単純平均値(1,564.0円、1,553円、1,547円及び1,614円。)に対していずれもプレミアム(104.60%、106.05%、106.85%及び98.27%)が付与されております。

 

当社及び本戦略特別委員会は、本候補者から受領した提案を当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上させるかという観点から慎重に比較検討を行うとともに、各本候補者との間で更に協議を継続いたしました。このような中、江藤氏は、引き続き当社の現状の株主構成の下で上場を維持しつつ企業価値向上策を講じた場合における、長期的にみれば当社の企業価値向上が期待できるものの、短期的には当社グループの収益及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があり、資本市場から十分な評価が得られないようなシナリオとの比較において、長期的な戦略実行のための経営の安定性確保及び当社の強みを伸ばせる組織構造の追求の観点からは、やはりマネジメント・バイアウト(MBO)を前提とした当社の非公開化が当社の企業価値向上に資する最善の施策であるとの最終的な結論に至り、当社の経営に携わる主要なメンバー及び社外取締役全員とも協議を行った結果、かかる考えが一致したため、江藤氏は、2024年11月中旬、マネジメント・バイアウト(MBO)を前提とした当社の非公開化を進める旨の意向を本特別戦略委員会において表明いたしました。かかる表明を受けて、本戦略特別委員会は、非公開化プロセスの検討における構造的な利益相反状況のもと、本戦略特別委員会がより直接的に専門家のサポートを得られる体制を確保すべく、2024年11月27日に開催された本戦略特別委員会において、本戦略特別委員会の独自の法務アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を選任いたしました。

その後、当社及び本戦略特別委員会は、2024年12月から2025年1月上旬にかけて、KKRを含む本候補者2社から本初期提案書の内容を更新する法的拘束力を有しない提案を受領いたしました。このうち、KKRからは、非公開化プロセス1月6日付提案書を受領いたしました。非公開化プロセス1月6日付提案書においては、当社株式1株当たり3,800円を公開買付価格とし、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格を、当該公開買付価格と本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額とするもので、当該公開買付価格は、2025年1月6日の前営業日である2024年12月30日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2024年12月2日から2024年12月30日まで)、直近3ヶ月(2024年10月1日から2024年12月30日まで)、及び直近6ヶ月(2024年7月1日から2024年12月30日まで)の終値の単純平均値(2,838.5円、2,459円、1,868円及び1,731円。)に対していずれもプレミアム(33.87%、54.53%、103.43%及び119.53%)が付与されており、また、当社株価の変動のきっかけとなった、本非公開化プロセスに関する憶測報道がなされた2024年12月10日の前営業日である2024年12月9日の当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2024年11月10日から2024年12月9日まで)、直近3ヶ月(2024年9月10日から2024年12月9日まで)、及び直近6ヶ月(2024年6月10日から2024年12月9日まで)の終値の単純平均値(1,756.5円、1,587円、1,567円及び1,608円。)に対していずれもプレミアム(116.34%、139.45%、142.50%及び136.32%)が付与されております。

上記のような検討の過程を踏まえ、当社は、本戦略特別委員会の意見も確認のうえ、2025年1月、マネジメント・バイアウト(MBO)を前提とした当社の非公開化を実施する前提で、各候補者に対して当社の企業価値及び株式価値をより精緻に算定・検証するために必要な情報を提供するとともに、最終的な候補者を確定させる観点から、事業・財務・法務等に関するデュー・ディリジェンス及び当社の経営陣との事業戦略に関するマネジメントインタビュー(以下「本デュー・ディリジェンス」といいます。)を含む第2次入札手続(以下「本最終入札手続」といいます。)を実施することを決定し、当該手続を開始いたしました。なお、当社は全ての本候補者に対して本最終入札手続の案内を行いましたが、そのうち1社から手続に参加しない旨の意向表明を受けたため、KKRを含む2社(以下「本最終候補者」といいます。)が当該手続に参加いたしました。

 

本デュー・ディリジェンスは2025年1月下旬から2月下旬にかけて実施され、2025年2月25日、KKRを含む各本最終候補者から最終提案書を受領いたしました。このうち、KKRから提示された非公開化プロセス2月25日付提案書においては、当社株式1株当たり3,100~3,300円を公開買付価格とし、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格を、当該公開買付価格と本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額とするもので、当該公開買付価格は、2025年2月25日の前営業日である2025年2月21日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2025年1月22日から2025年2月21日まで)、直近3ヶ月(2024年11月22日から2025年2月21日まで)、及び直近6ヶ月(2024年8月22日から2025年2月21日まで)の終値の単純平均値(2,848.0円、2,858円、2,574円及び2,052円。)に対していずれもプレミアム(8.85~15.87%、8.47~15.47%、20.44~28.21%及び51.07~60.82%)が付与されており、また、当社株価の変動のきっかけとなった、本非公開化プロセスに関する憶測報道がなされた2024年12月10日の前営業日である2024年12月9日の当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2024年11月10日から2024年12月9日まで)、直近3ヶ月(2024年9月10日から2024年12月9日まで)、及び直近6ヶ月(2024年6月10日から2024年12月9日まで)の終値の単純平均値(1,756.5円、1,587円、1,567円及び1,608円。)に対していずれもプレミアム(76.49~87.87%、95.34~107.94%、97.83~110.59%及び92.79~105.22%)が付与されております。なお、当該公開買付価格は、非公開化プロセス1月6日付提案書において提案された公開買付価格と比較して最大700円のディスカウントとなっておりますが、これは、非公開化プロセス1月6日付提案書が提出された後の2025年1月30日に当社が2025年3月期の業績予想を下方修正したことに加え、本最終入札手続の開始前に、足元における最新の業績や将来の見通しを踏まえて事業計画の修正を行い、当該修正後の事業計画を本最終入札手続の参加者に提供したところ、KKRにおいてこれらを踏まえて改めて提案価格を見直した結果とのことです。なお、当該修正後の事業計画については、2025年1月30日に開催された本戦略特別委員会において内容を説明の上、本戦略特別委員会の承認を得ております。その後、更に最終提案書を提出した各本最終候補者との間で公開買付価格及び本取引に係る取引条件等について協議を行い、当社は各本候補者に対して同年2月28日までに、改めて最善の提案に改訂の上再提出するように依頼し、同日、各最終本候補者からそれに対する返答を得ました。このうち、KKRからは非公開化プロセス2月28日付提案書を受領いたしました。非公開化プロセス2月28日付提案書においては、当社株式1株当たり3,300円を公開買付価格とし、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格を、当該公開買付価格と本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額とするもので、非公開化プロセス2月28日付提案書における公開買付価格は、2025年2月28日の前営業日である2025年2月27日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2025年1月28日から2025年2月27日まで)、直近3ヶ月(2024年11月28日から2025年2月27日まで)、及び直近6ヶ月(2024年8月28日から2025年2月27日まで)の終値の単純平均値(2,827.5円、2,845円、2,656円及び2,088円。)に対していずれもプレミアム(16.71%、15.99%、24.25%及び58.05%)が付与されており、また、当社株価の変動のきっかけとなった、本非公開化プロセスに関する憶測報道がなされた2024年12月10日の前営業日である2024年12月9日の当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2024年11月10日から2024年12月9日まで)、直近3ヶ月(2024年9月10日から2024年12月9日まで)、及び直近6ヶ月(2024年6月10日から2024年12月9日まで)の終値の単純平均値(1,756.5円、1,587円、1,567円及び1,608円。)に対していずれもプレミアム(87.87%、107.94%、110.59%及び105.22%)が付与されております。

最終提案書の提案内容を総合的に比較・検討した結果、KKRの提案価格が当社株式1株当たり3,300円と他の本最終候補者と比べてより高額であり、また、本取引成立に向けた蓋然性及び長期的な企業価値向上を見据えた戦略・施策のいずれの観点からもKKRの提案が最も優れていると考え、2025年3月3日、KKRを最終候補先として選定した上で、同年3月21日を期限とする独占交渉権を付与し、本取引の実施に向けた更なる協議及び検討を開始しました。

 

その後、同年3月上旬から3月下旬にかけて、国内外の競争当局及び対内直接投資を所管する当局における手続等の完了に向けて必要となる当社の事業・財務情報の連携等、本取引の実施に向けた実務対応に関する継続的な協議並びに本公開買付契約の条件についてKKRとの間で交渉を重ね、2025年3月26日、KKRから法的拘束力を有する最終提案書を受領いたしました(なお、KKRとJICCとの間の本合意書(JICC)の交渉状況等に鑑み、本戦略特別委員会の承認も得た上で、2025年3月12日、上記独占交渉権に係る独占交渉期間を同年3月28日まで延長しております。)。同最終提案書における本公開買付価格及び本新株予約権買付価格は、非公開化プロセス2月28日付提案書から変わらず、当社株式1株当たりの買付け等の価格を3,300円、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格を、当該公開買付価格と本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額とし、それに加え、非公開化プロセス2月28日付提案書の提出以降に公開買付者がその存在を認識した本米国預託株式について、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式1株当たりの買付等の価格を、本公開買付価格と同額とするものです。法的拘束力のある2025年3月26日付最終提案書における公開買付価格である3,300円は、2025年3月26日の前営業日である2025年3月25日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2025年2月26日から2025年3月25日まで)、直近3ヶ月(2024年12月26日から2025年3月25日まで)、及び直近6ヶ月(2024年9月26日から2025年3月25日まで)の終値の単純平均値(2,976.0円、2,864円、2,843円及び2,294円。)に対していずれもプレミアム(10.89%、15.22%、16.07%及び43.85%)が付与されており、また、当社株価の変動のきっかけとなった、本非公開化プロセスに関する憶測報道がなされた2024年12月10日の前営業日である2024年12月9日の当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2024年11月10日から2024年12月9日まで)、直近3ヶ月(2024年9月10日から2024年12月9日まで)、及び直近6ヶ月(2024年6月10日から2024年12月9日まで)の終値の単純平均値(1,756.5円、1,587円、1,567円及び1,608円。)に対していずれもプレミアム(87.87%、107.94%、110.59%及び105.22%)が付与されております。当社及び本戦略特別委員会は、独占交渉権に係る独占交渉期間中も本公開買付契約の条件交渉等を通じて本取引の実施に向けた検討を継続的に行い、2025年3月28日に開催された取締役会及び戦略特別委員会において、本公開買付価格を3,300円とし、本新株予約権価格を193,400円とし、本米国預託証券買付価格を3,300円とすることを決定し、KKRとの間で本取引を実施することで合意に至りました。

以上の検討及び各本候補者との交渉過程において、本戦略特別委員会は、当社や当社のファイナンシャル・アドバイザーや法務アドバイザーから適宜検討・交渉状況の報告を受け、それについて意見を述べることにより、交渉過程に関与しております。また、当社は、KKRとの交渉にあたって、本戦略特別委員会において協議・決定した交渉方針に従って対応を行いました。

また、当社として、当社グループの強みは、日本において培ってきた開発・製品設計・製造力と、成長余地の大きい米国を中心とした海外市場における先進的なソフトウェアサービス事業を組み合わせることに長けた組織構造(以下「トプコン・モデル」といいます。)に依拠していると考えております。こうした観点に加え、当社グループの総合的な技術力は宇宙・防衛事業に求められる高度な光学技術を源泉としていると考えていたことから、当社は、当社が非公開化した後も、トプコン・モデルを維持するとともに、宇宙・防衛事業を存続させる体制を模索してまいりました。こうした検討を踏まえ、当社は、本邦ハードウェア企業によるグローバル市場でのソリューション企業としての成功事例創出を目指す取組みにより、当社の持続的な事業の発展及び長期的な企業価値向上を図るために、2024年3月頃からJICCとの間で、当社の中長期的な成長戦略の実現のために、当社の事業に対して継続的な支援をいただくことにつき協議を重ねてまいりました。そして、協議の結果、当社としては、民間の投資ファンドによる非公開化プロセスは並行して行っていたものの、民間の投資ファンドに加えて、JICCが参画することにより、必要な資金の量的補完・信用補完の役割が果たされることに加え、主要事業の成長戦略を完了させるためには一定期間を要する中、また当社の構造改革を実現する必要がある中、JICCからはこれらの取組みの要となるより長期的かつ中立的な資金提供が期待できること等を踏まえ当社よりJICCに参画を要請しました。最終的には、JICCからは、当社の非公開化プロセスには参加しないものの、非公開化プロセスにおいて最終的に選定されるパートナー候補者と協議の上、当社に対して間接的なマイノリティ出資をすることにつき了解を得たため、当社がKKRを最終候補者として選定した2025年3月3日以降、JICC及び公開買付者との間で協議を開始し、本合意書(JICC)の締結に至ったとのことです。

 

以上の検討に関連して、当社取締役会は、2025年1月30日、本公開買付けがマネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われるものであり、構造的な利益相反の問題が存在すること及びスクイーズ・アウトを伴う取引であること等に鑑み、本戦略特別委員会に対して、本取引の目的の合理性、本取引に係る取引条件・手続の妥当性・公正性等について諮問しております(委員の構成その他具体的な諮問事項等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「A.2025年3月28日付答申書」をご参照ください。)。これに加えて当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の各措置を講じた上で、ファイナンシャル・アドバイザーであるJPモルガン証券から下記「(3) 算定に関する事項」「② 算定の概要」の注記に記載する前提条件のもと、本公開買付価格が当社の普通株主(公開買付者、公開買付親会社、KKR及びそれらの関係会社を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨の意見書(以下「本フェアネス・オピニオン」といいます。)を取得しております。また、当社は法務アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所から、本取引を含む当社取締役会の意思決定の過程その他の留意事項について、必要な法的助言を受けると共に、本戦略特別委員会から2025年3月28日付答申書の提出を受けました(当該答申書の具体的な内容及び本戦略特別委員会の活動内容については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「A.2025年3月28日付答申書」をご参照ください。)。その後、公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンドがVACとの間で、本LP持分取得の実施を内容に含む本応募契約(VAC)を2025年4月16日付で締結したことに伴い、当社は、本戦略特別委員会から2025年4月16日付追加答申書を受領しております(2025年4月16日付追加答申書の具体的な内容については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「B.2025年4月16日付追加答申書」をご参照ください。)。

 

(ⅱ) 当社が本公開買付けに賛同するに至った理由

上記の協議及び検討の結果、当社は、以下のとおり、本公開買付価格である3,300円、本新株予約権買付価格である193,400円、及び本米国預託証券買付価格である3,300円は、それぞれ当社の株主、本新株予約権者及び本米国預託証券保有者の皆様が享受すべき利益が確保された適正な価格であり、本公開買付けは、当社の株主、本新株予約権者及び本米国預託証券保有者の皆様に対して適正なプレミアムを付した価格での合理的な当社株券等の売却の機会を与えるものであると判断しました。

(ア) 本公開買付価格は、本候補者が提出した最終提案書における提案価格のうち最も高い価格であること。

(イ) 本公開買付価格は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための各措置が講じられた上で、本戦略特別委員会の十分な関与のもと、非公開化プロセスという競争環境が存在する中でKKRと長期に亘る十分な交渉を重ねた結果合意された価格であること。

(ウ) 本公開買付価格が、当社が2025年3月28日付けでJPモルガン証券より取得した当社株式の株式価値に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)における当社株式の価値算定結果のうち、(ⅰ)市場株価平均法の算定結果の上限を超えており、かつ、(ⅱ)当社の株式の本源的価値を表すDCF法の算定結果の中央値を超えていること。また、当社がJPモルガン証券より、2025年3月28日付で、下記「(3) 算定に関する事項」「② 算定の概要」の(注1)に記載の前提条件のもと、本フェアネス・オピニオンを取得したこと。

 

(エ) 本公開買付価格は、2025年3月28日の前営業日である2025年3月27日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2025年2月28日から2025年3月27日まで)、直近3ヶ月(2024年12月28日から2025年3月27日まで)、及び直近6ヶ月(2024年9月28日から2025年3月27日まで)の終値の単純平均値(3,190.0円、2,891円、2,850円及び2,319円。)に対していずれもプレミアム(3.45%、14.15%、15.79%及び42.30%)が付与されているところ、当社の株価は、本非公開化プロセスに関する最初の憶測報道がなされた2024年12月10日の前営業日である2024年12月9日の終値(1,756.5円)から、当該憶測報道がなされた2024年12月10日の翌営業日である2024年12月11日の終値の終値(2,656.5円)にかけて51.24%の顕著な上昇をしており、本取引の実施に関する期待を相当程度織り込んでいるという見方が合理的であり、当該本非公開化プロセスに関する最初の憶測報道がなされた2024年12月10日の前営業日である2024年12月9日の当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2024年11月10日から2024年12月9日まで)、直近3ヶ月(2024年9月10日から2024年12月9日まで)、及び直近6ヶ月(2024年6月10日から2024年12月9日まで)の終値の単純平均値(1,756.5円、1,587円、1,567円及び1,608円。)に対していずれもプレミアム(87.87%、107.94%、110.59%及び105.22%)が付与されており、近時の他のマネジメント・バイアウト(MBO)事例74件(経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保にむけて-」を公表した2019年6月28日以降、2025年3月17日までに公表された国内上場企業を対象としたもので、公開買付け未実施・不成立の事例を除きます。)における買付け等の価格決定の際に付与されたプレミアム水準(公表日前営業日の終値に対するプレミアムの平均値・中央値(46.56%・41.97%)、直近1ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアムの平均値・中央値(49.68%・44.20%)、直近3ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアムの平均値・中央値(52.21%・45.79%)及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアムの平均値・中央値(52.17%・47.28%)と比較して、いずれも高い水準であるといえること。さらに、当社の株価は、本非公開化プロセスに関する2度目の憶測報道がなされた2025年3月27日の前営業日である2025年3月26日の終値(2,970.0円)から、当該憶測報道がなされた2025年3月27日の終値(3,190.0円)にかけて7.4%の上昇をしており、本取引の実施に関する期待を一層織り込んでいるという見方が合理的であるところ、本公開買付価格は、当該本非公開化プロセスに関する2度目の憶測報道がなされた2025年3月27日の前営業日である2025年3月26日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2025年2月27日から2025年3月26日まで)、直近3ヶ月(2024年12月27日から2025年3月26日まで)、及び直近6ヶ月(2024年9月27日から2025年3月26日まで)の終値の単純平均値(2,970.0円、2,872円、2,845円及び2,306円。)に対しても、いずれもプレミアム(11.11%、14.90%、15.99%及び43.10%)が付与されていること。

(オ) 本公開買付価格は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「A.2025年3月28日付答申書」に記載のとおり、本特別戦略委員会から取得した2025年3月28日付答申書においても妥当であると判断されていること。

(カ) 本新株予約権買付価格は、本公開買付価格である3,300円と各本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に当該各本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額、本米国預託証券買付価格は、本公開買付価格である3,300円と同額と決定されているため、本公開買付価格と同様の理由で、新株予約権者及び本米国預託証券保有者の利益に十分な配慮がされたものといえること。

(キ) 本公開買付期間について、公開買付期間を原則として21営業日とすることを予定しているものの、本公開買付けの開始予定の公表から実際の本公開買付けの開始までに4ヶ月程度を要することを見込んでいるため、当社の株主、本新株予約権者及び本米国預託証券保有者の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切な判断を行う機会を確保するとともに、当社株券等について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保されているといえること。

 

(ク) 公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、本株式等売渡請求(下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に定義します。以下同じです。)、又は本株式併合(下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に定義します。以下同じです。)を行うことを予定しており、本公開買付けに応募しなかった株主、本新株予約権者及び本米国預託証券保有者に対して金銭を交付する場合には、本公開買付けに応募した場合に受領する価格と同一となるように算定されることを明らかにしていること、本株式等売渡請求の場合は当社の株主、本新株予約権者及び本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた本米国預託証券保有者の皆様に裁判所に対する価格決定申立権が、株式併合の場合は当社の株主の皆様に株式買取請求権及びこれに伴う裁判所に対する価格決定申立権が確保されており、これをもって強圧性が生じないように配慮されていること。

 

以上より、当社は、2025年3月28日開催の取締役会において、現時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様に対し、本公開買付けに応募することを推奨し、本米国預託証券保有者の皆様に対しては事前に本米国預託証券を預託銀行に引き渡し、本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。

その後、公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンドがVACとの間で、本LP持分取得の実施を内容に含む本応募契約(VAC)を2025年4月16日付で締結したことに伴い、当社は、本戦略特別委員会から受領した2025年4月16日付追加答申書(2025年4月16日付追加答申書の具体的な内容については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「B.2025年4月16日付追加答申書」をご参照ください。)を最大限に尊重しながら、本公開買付けに関する諸条件の内容について改めて慎重に協議・検討いたしました。その結果、本応募契約(VAC)の締結及び本LP持分取得は本取引に係る取引条件・手続の妥当性・公正性を失わせしめると判断すべき事情はないことから、当社取締役会は、2025年4月16日開催の取締役会において、2025年3月28日開催の当社取締役会において行った、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様に対し、本公開買付けに応募することを推奨し、本米国預託証券保有者の皆様に対しては事前に本米国預託証券を預託銀行に引き渡し、本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を維持することを決議しております。

 

さらに、当社は、2025年7月24日、公開買付者から、未取得クリアランスを除き、2025年7月29日までに本クリアランスの取得が完了し、同日までに本クリアランスの取得を除く本前提条件の全てを充足することが確実であること、及び、未取得クリアランスの取得により必要となる本公開買付けに係る公開買付届出書の訂正届出書の提出によっても、法第27条の8第8項に基づく本公開買付期間の延長が必要とならない期限である2025年8月26日までに全ての未取得クリアランスの取得が完了することが見込まれたことから、本公開買付けが開始可能な状態になったと判断し、本前提条件のうち未取得クリアランスの取得について、当社と合意の上で放棄し、本公開買付けを2025年7月29日より開始したい旨の連絡を受領しました。その後、2025年7月28日、本戦略特別委員会は、当社に対して、2025年3月28日以後、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、上記諮問事項について検討を行った結果、2025年3月28日以後、2025年7月28日までの事情を勘案しても2025年3月28日付答申書及び2025年4月16日付追加答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年7月28日に、委員全員の一致の決議により、当社の取締役会に対して、上記の両答申内容を変更する必要はないものと考える旨の2025年7月28日付追加答申書(2025年7月28日付追加答申書の具体的な内容については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「C.2025年7月28日付追加答申書」をご参照ください。)を提出しました。その上で、当社は、本戦略特別委員会から提出された2025年7月28日付追加答申書の内容を最大限尊重しながら、当社の業況や本取引を取り巻く環境を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2025年7月28日現在においても、2025年3月28日及び2025年4月16日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断しました。

以上より、当社は、2025年7月28日開催の取締役会において、公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンドとの間で、同日付けで、本前提条件のうち未取得クリアランスに係る本クリアランスの取得について放棄する旨の合意をする旨決議をするとともに、改めて、審議及び決議に参加した取締役(取締役全10名のうち、江藤氏を除く取締役9名)の全員一致で本公開買付けに対して賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様及び本新株予約権の所有者の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨し、本米国預託証券の所有者の皆様に対しては事前に本米国預託証券を預託銀行に引き渡し、本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。また、当該取締役会に出席した監査役4名(うち社外監査役2名)の全員が、当該決議につき異議がない旨の意見を述べております。

 

(3) 算定に関する事項

① 算定機関の名称並びに上場会社及び公開買付者との関係

当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、本公開買付け価格を含む本取引に係る取引条件の公正性及び客観性を担保するための措置として、JPモルガン証券に対して、当社株式の価値の算定を依頼するとともに、本公開買付価格が当社の普通株主(公開買付者、公開買付者親会社、KKR及びそれらの関係者を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)の提出を依頼しました。JPモルガン証券は、公開買付者、公開買付者親会社、KKR及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であり、公開買付者、公開買付者親会社、KKR及び当社の関連当事者に該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。なお、本取引に係るJPモルガン証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件とする成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合でも当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系を採用するデメリットも勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではなく、また、当社にとっても一定の経済合理性があるとの判断のもと、上記の報酬体系によりJPモルガン証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。

 

 

② 算定の概要

当社は、下記「③ 本フェアネス・オピニオンの概要」の注記に記載の前提条件のもと、2025年3月28日付けでJPモルガン証券より、本株式価値算定書を取得いたしました。また、当社は、2025年3月28日付けでJPモルガン証券より、本公開買付価格が、当該前提条件のもと、当社の普通株主(公開買付者、公開買付者親会社、KKR及びそれらの関係者を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンを取得いたしました。

JPモルガン証券は、当社の財務状況、当社株式の市場株価の動向等について検討を行った上で、多面的に評価することが適切であると考え、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社に市場株価が存在することから市場株価平均法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を、それぞれ算定手法として用いて、当社株式の株式価値の算定を行っております。なお、本株式価値算定書及び本フェアネス・オピニオンは、当社の取締役会が本取引を検討するにあたり、情報を提供し支援することのみを目的として作成されたものです。

JPモルガン証券が、上記の手法に基づいて算定して当社株式の1株当たりの株式価値のレンジは、以下のとおりです。

市場株価平均法:2,319円~3,190.0円

DCF法:2,790円~3,512円

市場株価平均法では、基準日を2025年3月27日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日終値3,190.0円、直近1ヶ月間(2025年2月28日~2025年3月27日)の終値単純平均値2,891円、直近3ヶ月間(2024年12月28日~2025年3月27日)の終値単純平均値2,850円、及び直近6ヶ月間(2024年9月28日~2025年3月27日)の終値単純平均値2,319円を基に、当社の1株当たりの株式価値の範囲を2,319円~3,190円と算定しています。

DCF法では、当社グループの事業をポジショニング事業とアイケア事業に分類して価値評価を行う、サム・オブ・ザ・パーツ分析を実施し、各事業ごとに価値評価を行っております。ポジショニング事業については当社が本件に際して作成した2026年3月期から2031年3月期までの事業計画、アイケア事業については当社が本件に際して作成した2026年3月期から2033年3月期までの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)における収益計画及び投資計画(注1)を前提として、当社の各事業が2026年3月期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、各事業ごとの一定の割引率で現在価値に割り引くことにより、各事業の事業価値を算定し、その各事業の事業価値を合算することで、当社の1事業価値を算定した上で、当社の1株当たりの株式価値の範囲を2,790円~3,512円と算定しております。なお、割引率は株主資本コストと負債コストを加重平均した加重平均資本コスト(WACC)を用い、その範囲としてポジショニング事業では8.0%~8.5%、アイケア事業では10.5%~11.0%を採用しております。継続価値(注2)の算定についてはポジショニング事業、アイケア事業の各事業において永久成長率法を採用し、各事業における中長期的な市場成長率、各国におけるGDP成長率及び物価上昇率等を考慮し、永久成長率をポジショニング事業では2.0%~3.0%、アイケア事業では2.5%~3.5%としております。

(注1) 本事業計画においては、ポジショニング事業については2026年3月期から2031年3月期までの6年間を、アイケア事業については2026年3月期から2033年3月期までの8年間を対象期間としておりますが、これは、当社が合理的に予測可能、かつ、業績が平準化すると考えられるまでの期間が、ポジショニング事業においては6年間であると当社が判断したのに対し、今後、新規サービスの開発や新規市場の開拓を見込むアイケア事業においては、当該期間が8年間であると当社が判断したためです。

(注2) DCF法における各事業の事業計画期間の最終期時点における継続価値は以下のとおりです。

 

 

ポジショニング事業

アイケア事業

継続価値(単位:百万円)

158,251~197,333

391,316~475,461

 

 

本事業計画は、当社の経営陣により、本取引の取引条件の妥当性を客観的かつ合理的に検証することを目的として、本取引の実行に際して新たに作成されております。なお、江藤氏は、本公開買付けが成立した場合に本公開買付けにその所有する当社株式を応募することにより受領する対価の一部を原資として、公開買付者親会社の普通株式の取得を予定していることから、利益相反の疑いを回避する観点より、本事業計画の策定に一切関与しておりません。

 

 

本事業計画のうち、ポジショニング事業においては、スマートインフラ事業における新製品の投入やアジア地域への販売拡大、ポジショニング・カンパニーにおける中小型建機・農機メーカー向けOEMの拡大等により、対象期間を通じて売上が増加することを見込んでいるほか、製造コストの削減やサプライチェーンの最適化、組織構造改革とそれに伴う販売費及び一般管理費の削減等により、対象期間を通じて営業利益率が拡大することを見込んでおります。アイケア事業においては、健診・検眼機器の新製品投入、Microsoft社とのパートナーシップを活用した2026年3月期以降のHealthcare from the Eye(注3)の立ち上げ、それに伴うOCTや眼底カメラ等のスクリーニング機器の販売拡大等により、対象期間を通じて売上が増加することを見込んでいるほか、収益性の高いソリューションビジネスの拡大、及び売上の増加に伴うスケールメリットの獲得により、対象期間を通じて営業利益率が拡大することを見込んでおります。

(注3) 「Healthcare from the Eye」とは、AI等を活用した眼健診により、眼疾患以外の全身疾患を含めた診断を行い、疾患の早期発見及び医療費の削減を可能とするソリューションをいいます。Healthcare from the Eyeの実現により、眼科医のみならずかかりつけ医も含めた市場に対してスクリーニングビジネスを展開することが可能となります。

 

なお、本事業計画における財務予測は、本取引の実施を前提としたものではなく、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であることから反映しておりません。本事業計画については、ポジショニング事業において大幅なフリー・キャッシュ・フローの増益を見込んでいる事業年度(2030年3月期において、前期比57.2%の増加)が含まれております。これは、ポジショニング事業における販売費及び一般管理費の継続的な削減努力により、当該事業年度のフリー・キャッシュ・フローの増加が見込まれているためです。また、アイケア事業においても、大幅な営業利益の増益を見込んでいる事業年度(2027年3月期、2029年3月期、2031年3月期において、それぞれ前期比85.9%、58.3%、36.8%の増加)が含まれております。これは、当該事業年度を含むアイケア事業の計画期間にわたり、顧客市場及びサービス領域の拡大による継続的な売上高の成長と営業利益率の改善が見込まれているためです。

本事業計画のうち、2026年3月期における財務予測は、2023年5月12日付で公表した当社中期経営計画において掲げた2026年3月期の計数計画(ポジショニング事業:売上高1,660億円、営業利益率16%以上、アイケア事業:売上高830億円、営業利益率10%以上)の一部を下回っております。これは、本事業計画が、上述の中期経営計画策定時点からの事業環境の変化や足元の業況を踏まえて、現状に即した客観的かつ合理的な財務予測として本取引の実行に際して新たに作成されたものであることによります。

なお、DCF法による算定の前提とした各事業ごとの当社の財務予測の数値は以下のとおりです。

 

ポジショニング事業(単位:百万円)

 

 

2026年

3月期

2027年

3月期

2028年

3月期

2029年

3月期

2030年

3月期

2031年

3月期

売上高

131,510

145,355

157,682

169,698

181,417

188,475

営業利益

9,091

11,079

13,317

15,308

16,666

17,460

EBITDA

21,617

24,592

26,169

24,621

29,690

26,305

フリー・キャッシュ・フロー

11,500

9,924

9,751

7,139

11,221

8,550

 

 

 

アイケア事業(単位:百万円)

 

 

2026年

3月期

2027年

3月期

2028年

3月期

2029年

3月期

2030年

3月期

2031年

3月期

2032年

3月期

2033年

3月期

売上高

87,798

106,125

124,856

140,699

155,532

177,485

200,581

223,019

営業利益

5,223

9,709

10,807

17,112

21,252

29,067

37,374

46,419

EBITDA

9,912

14,946

16,600

23,565

28,877

37,014

45,854

55,432

フリー・キャッシュ・フロー

2,691

5,719

5,909

11,880

15,681

17,925

23,253

29,540

 

 

③ 本フェアネス・オピニオンの概要

上記の通り、当社は、2025年3月28日付けでJPモルガン証券より、本公開買付価格である1株当たり3,300円が、下記の注記に記載の前提条件のもと、当社の普通株主(公開買付者、公開買付者親会社、KKR及びそれらの関係会社を除きます。)にとって財務的見地より妥当であると判断した旨の本フェアネス・オピニオンを取得しております。なお、本フェアネス・オピニオンは、当社から提出した事業計画その他財務情報の分析及び検討並びに当社及び本戦略特別委員会との質疑応答を経て、JPモルガン証券により実施された当社株式の価値算定結果の検討に加え、本公開買付けに賛同するに至る経緯・背景に係る当社及び本戦略特別委員会との質疑応答、並びにJPモルガン証券内部の手続に従い、JPモルガン証券の投資銀行本部その他のプロフェッショナルにより構成されるコミッティーによる承認を経て、発行されております。

(注) JPモルガン証券は、本フェアネス・オピニオンに記載された意見の表明及びその基礎となる本株式価値算定書における当社株式の株式価値の算定を行うにあたり、公開情報、本戦略特別委員会、当社若しくは公開買付者から提供を受けた情報、又は本戦略特別委員会、当社若しくは公開買付者と協議した情報、及びJPモルガン証券が検討の対象とした、又はJPモルガン証券のために検討されたその他の情報等の一切が、正確かつ合理的で完全であることを前提としており、独自にその正確性、合理性、及び完全性について検証を行ってはいません。(また独自にその検証を行う責任も義務も負っていません。)。JPモルガン証券は、公開買付者又は当社及びその関連会社のいかなる資産及び負債についての評価又は査定も行っておらず、また、そのような評価又は査定の提供も受けておらず、さらに、JPモルガン証券は、倒産、支払停止又はそれらに類似する事項に関する適用法令の下での公開買付者又は当社の信用力についての評価も行っていません。JPモルガン証券は、当社から提出された、又はそれらに基づき算出された財務分析や予測に依拠するにあたっては、それらが、当該分析又は予測に関連する当社の将来の業績や財務状況に関する当社の経営陣の本株式価値算定書、及び本フェアネス・オピニオンの作成時点での最善の見積もりと判断に基づいて合理的に作成されていることを前提としています。そして、JPモルガン証券は、かかる分析若しくは予測又はそれらの根拠となった前提については、何ら見解を表明するものではありません。また、JPモルガン証券は、本公開買付けを含む本取引が、本公開買付契約に規定されたとおりに実施されること、並びに、本公開買付契約の最終版が、JPモルガン証券に提出されていたその文案と如何なる重要な点においても相違しないことを前提としています。また、JPモルガン証券は、本公開買付契約及び関連する合意文書内において、当社、公開買付者、公開買付親会社、KKR及びその関連会社によってなされた表明保証が、現在及び将来において、JPモルガン証券の分析とって重要な点において真実かつ正確であることを前提としています。JPモルガン証券は、法務、当局による規制、税務、会計等の事項に係る専門家ではなく、それらの点については当社のアドバイザーの判断に依拠しているとのことです。さらに、JPモルガン証券は、本取引の実行に必要な全ての重要な政府、規制当局その他の者の同意又は許認可が、当社又は本取引の実行により期待される利益に悪影響を与えることなく取得されることも前提としています。

 

 

本フェアネス・オピニオン及びその基礎となる算定結果は、必然的に、本フェアネス・オピニオンの日付時点でJPモルガン証券が入手している情報及び同日現在の経済、市場、その他の状況に基づいています。同日より後の事象により、本フェアネス・オピニオン及びその基礎となる本株式価値算定書の算定結果が影響を受けることがありますが、JPモルガン証券はその分析及び意見を修正、変更又は再確認する義務は負いません。本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格が、一定の前提条件の下、当社の普通株主(公開買付者、公開買付者親会社、KKR及びそれらの関係者を除きます。)にとって財務的見地から公正であることについての意見を表明するにとどまり、当社のいかなる種類の有価証券の保有者、債権者、その他の構成員にとって本公開買付価格が公正であることについての意見を述べるものではなく、また、本取引を実行するという当社の決定の是非について意見を述べるものではありません。また、本フェアネス・オピニオン及びその基礎となる本株式価値算定書の算定結果は、当社又は当社の取締役会、買付者及び買付者の取締役会に対し、特定の買付価格について推奨するものではなく、また特定の買付価格が、唯一の適切な買付価格であることについて推奨するものではありません。さらに、JPモルガン証券は、本公開買付等のいかなる当事者の役員、取締役若しくは従業員、又はいかなる役職につく関係者についても、本取引における本公開買付価格に関連する報酬の金額又は性質に関して意見を述べるものではなく、又は当該報酬が公正であることに関して意見を述べるものではありません。JPモルガン証券は、将来において取引させる当社株式の価格に関し、意見を述べるものではありません。

 

当社からJPモルガン証券に対して提出された当社の事業計画及び財務予測(以下「本件財務予測等」といいます。)は、当社の経営陣により作成されています。なお、当社は、JPモルガン証券による本フェアネス・オピニオン及びその基礎となる当社株式の株式価値の算定に関連してJPモルガン証券に提出した本件財務予測等を、一般には公表しておらず、また、本件財務予測等は一般に公開することを目的としては作成されていません。本件財務予測等は、本質的に不確実であり、かつ当社の経営陣が制御できない多くの変数及び前提条件(一般経済、競争条件及び現行利子率に関係する要因を含みますが、これらに限られません。)に依拠しています。そのため、実際の業績は、本件財務予測等と大幅に異なる可能性があります。前記の本フェアネス・オピニオンに記載された意見の表明並びにその基礎となる当社株式の株式価値の算定の結果及びその算定の手法の概要は、JPモルガン証券が実施した又は参考にしたデータを全て記載したものではありません。本フェアネス・オピニオン及び本株式価値算定書は複雑な過程を経て作成されており、その分析結果の一部又は要約の記載は必ずしもその分析の内容全てを正確に表すものではありません。JPモルガン証券の分析結果は全体として考慮される必要があり、その分析結果を全体として考慮することなく、その一部又は要約のみを参考にした場合、JPモルガン証券の分析及び意見の基礎となる過程について必ずしも正確な理解を得ることができない可能性があります。JPモルガン証券は、その意見を表明するに当たり、分析及び要因を総体的かつ全体的に考慮しており、特定の分析又は要因に特別な比重を置いておらず、また、個別に検討した各分析又は各要因についてそれぞれがJPモルガン証券の算定結果の根拠となったか又どの程度根拠となったかについての意見は述べていません。

 

JPモルガン証券は、本公開買付けを含む本取引に関する当社のファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関であり、かかるファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関としての業務の対価として当社から報酬を受領する予定ですが、当該報酬の相当部分は本公開買付けを含む本取引が実行された場合にのみ発生します。さらに、当社は、かかる業務に起因して生じ得る一定の債務についてJPモルガン証券を補償することに同意しています。本フェアネス・オピニオンの日付までの2年間において、JPモルガン証券及びその関係会社は、当社のために投資銀行業務を行い、JPモルガン証券及びその関係会社は通常の報酬を受領しています。当該期間中、JPモルガン証券又はその関係会社は、当社の財務アドバイザーを務めていますが、これ以外に当社のために重要な財務アドバイザリー業務その他の重要な商業銀行業務又は投資銀行業務を行っていません。また、当該期間中、JPモルガン証券及びその関係会社は、KKR及びその特定の関連会社やポートフォリオ企業のために商業銀行業務又は投資銀行業務を行い、JPモルガン証券及びその関係会社は通常の報酬を受領しています。かかる業務には、それらの企業に対する財務アドバイザリー業務、デットシンジケーション、デットの引受け、及びエクイティの引受けに係る業務が含まれます。さらに、JPモルガン証券の商業銀行である関係会社は、公開買付者、KKR及びその投資先企業のエージェント・バンクであり、未利用のレジット・ファシリティのレンダーであり、当該関係会社は当該業務に関して通常の報酬又はその他の金銭的な便益を受領しております。さらに、本フェアネス・オピニオンの日付までの2年間において、JPモルガン証券及びその関係会社は、JICCのために投資銀行業務を行い、JPモルガン証券及びその関係会社は通常の報酬を受領しています。かかる業務には、2024年6月に完了したJSR株式会社の買収におけるJICCの買い手側アドバイザーが含まれています。

 

また、JPモルガン証券及びその関係会社は、自己勘定で、当社及びKKRのそれぞれの発行済み普通株式の1%未満を保有しています。JPモルガン証券及びその関係会社は、その通常の業務において、当社、KKR及びそれらの関係会社が発行した債券、株式又は金融商品(デリバティブ、銀行ローンその他の債務を含みます。)の自己勘定取引又は顧客勘定取引を行うことがあり、したがって、JPモルガン証券及びその関係会社は随時、これらの有価証券の買持ちポジション又は売持ちポジションを保有する可能性があります。

 

④ 本新株予約権に係る算定の概要

本新株予約権は、本新株予約権買付価格が、本公開買付価格である3,300円と各本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に当該各本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額と決定されていることから、当社は、本新株予約権買付価格について第三者算定機関から算定書又は意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

また、本新株予約権は、いずれも新株予約権発行要項において譲渡による本新株予約権の取得については当社取締役会の承認を要するものとされ、かつ新株予約権割当契約書において譲渡が禁止されております。当社は、本新株予約権の譲渡が可能となるよう、2025年3月28日開催の取締役会において、本公開買付けの成立を条件として、本新株予約権者の皆様がその所有する本新株予約権を本公開買付けに応募することにより公開買付者に対して譲渡することについて包括的に承認する旨、並びに譲渡を希望する本新株予約権者との間では、本新株予約権に係る新株予約権割当契約書の内容を変更し譲渡可能な内容とする旨の決議をいたしました。

 

⑤ 本米国預託証券に係る算定の概要

本米国預託証券買付価格は、本公開買付価格である3,300円と同額と決定されていることから、当社は、本米国預託証券買付価格について第三者算定機関から算定書又は意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

 

(4) 上場廃止となる見込み及びその理由

当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場されておりますが、公開買付者は本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズ・アウト手続を実施することを予定しておりますので、当該手続が実施された場合には、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所において取引することができなくなります。

 

(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより、当社株券等の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、以下のいずれかの方法により、当社を非公開化することを企図しているとのことです。

 

 

① 株式等売渡請求

本公開買付けの成立後に、公開買付者が当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至った場合には、公開買付者は、本公開買付けの決済完了後速やかに、会社法第179条第1項及び第2項の規定に基づき、当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対してその所有する当社株式(以下「売渡株式」といいます。)の全部を売り渡すことを請求(以下「本株式売渡請求」といいます。)するとともに、本新株予約権に係る新株予約権者(以下「売渡新株予約権者」といいます。)に対してその所有する本新株予約権(以下「売渡新株予約権」といいます。)の全部を売り渡すことを請求(以下「本新株予約権売渡請求」といい、「本株式売渡請求」と併せて「本株式等売渡請求」といいます。)する予定とのことです。ただし、下記「② 株式併合」に記載のとおり、本公開買付けの成立後に、公開買付者が当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至った場合であっても、当社を非公開化する方法として、本株式等売渡請求ではなく、本株式併合が採用される可能性があるとのことです。本株式売渡請求においては、売渡株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定であり、一方、本新株予約権売渡請求においては、売渡新株予約権1個当たりの対価として、本新株予約権買付価格と同額の金銭を売渡新株予約権者に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を、当社に通知し、当社に対し本株式等売渡請求の承認を求めるとのことです。当社は、取締役会の決議により本株式等売渡請求を承認する予定ですが、その場合は、関係法令の定める手続きに従い、売渡株主及び売渡新株予約権者の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、本株式等売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主からは売渡株式の全部を、売渡新株予約権者からは売渡新株予約権の全部を取得するとのことです。この場合、売渡株主が所有していた当社株式及び売渡新株予約権者が所有していた本新株予約権の対価として、公開買付者は、当該各売渡株主に対しては当社株式1株当たり本公開買付価格と同額の金銭を、売渡新株予約権者に対しては本新株予約権1個当たり本新株予約権買付価格と同額の金銭をそれぞれ交付する予定とのことです。なお、本譲渡制限付株式については、その割当契約書において、(a)譲渡制限期間中に、当社の普通株式を対象とする株式売渡請求に関する事項が当社の取締役会で承認された場合(但し、売渡株式の取得日(以下「スクイーズ・アウト効力発生日(売渡請求)」といいます。)が譲渡制限期間の満了時より前に到来するときに限ります。)には、当社取締役会の決議により、スクイーズ・アウト効力発生日(売渡請求)の前営業日の直前時をもって、本譲渡制限付株式の払込期日を含む月から当該承認の日を含む月までの月数を12で除した数(その数が1を超える場合は、1とします。)に、当該承認の日において付与当社が保有する本譲渡制限付株式の数を乗じた数の本譲渡制限付株式について、譲渡制限を解除するものとされ、(b)上記(a)に規定する場合は、当社は、スクイーズ・アウト効力発生日(売渡請求)の前営業日をもって、同日において譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式の全部を当然に無償で取得するものとされているとのことです。本スクイーズ・アウト手続においては、上記割当契約書の(a)の規定に従い、スクイーズ・アウト効力発生日(売渡請求)の前営業日をもって譲渡制限が解除された本譲渡制限付株式については、株式売渡請求の対象とし、上記割当契約書の(b)の規定に従い、スクイーズ・アウト効力発生日(売渡請求)の前営業日をもって譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式については、当社において無償取得する予定です。また、株式売渡請求の対象となる当社株式には、本米国預託証券に表章され、本預託銀行が保有する当社株式も含まれていますので、上記の承認がなされた場合には、本預託銀行に対しては、本公開買付価格に当該当社株式の数を乗じた金額に相当する金銭が交付される予定です。上記に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定としては、会社法第179条の8その他関係法令の定めに従って、売渡株主及び売渡新株予約権者は、裁判所に対して売渡株式及び売渡新株予約権の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められているとのことです。この方法による売渡株式及び売渡新株予約権の売買価格については、最終的に裁判所が判断することになるとのことです。なお、本米国預託証券保有者が価格決定申立てを行おうとする場合には、その保有する本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、本預託銀行に預託されている当社株式の交付を受けた上で、会社法第179条の8その他関係法令の定めに従い価格決定申立てを行う必要があるとのことです。

 

 

② 株式併合

本公開買付けが成立したものの、公開買付者が当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至らなかった場合、又は公開買付者が当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至った場合であって、公開買付者が本株式等売渡請求を行わない場合には、公開買付者は、(ⅰ)会社法第180条に基づき当社株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を行うこと及び(ⅱ)本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む当社の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)の開催を当社に要請する予定とのことです。公開買付者は、当社の企業価値向上の観点から、本臨時株主総会を可能な限り早期に開催することが望ましいと考えており、本公開買付けの決済の開始後の近接する日が本臨時株主総会の基準日となるように、当社に対して本公開買付期間中に基準日設定公告を行うことを要請する予定とのことです。当社は、かかる要請を受けた場合はこれに応じる予定です。本臨時株主総会の開催時期は現時点で未定ですが2025年11月上旬頃の開催を予定しているとのことです。本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなるとのことです。この場合、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになるとのことです。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう設定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に要請する予定とのことです。また、本株式併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者のみが当社株式の全てを所有することとなるよう、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定される予定とのことです。本株式併合の対象となる当社株式には、本米国預託証券に表章され、本預託銀行が保有する当社株式も含まれていますので、上記の決定がなされた場合には、本預託銀行が本株式併合後に保有する当社株式の数も1株に満たない端数となる予定とのことです。株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした規定として、株式併合がなされた場合であって、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)は、当社に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められているとのことです。上記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、本株式併合に反対する当社の株主は、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、価格決定の申立てを行うことができることになる予定とのことです。なお、上記申立てがなされた場合の買取価格は最終的に裁判所が判断することになるとのことです。本米国預託証券保有者が株式買取請求及び価格決定申立てを行おうとする場合には、その保有する本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、本預託銀行に預託されている当社株式の交付を受けた上で、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い株式買取請求及び価格決定申立てを行う必要があるとのことです。

 

また、公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、公開買付者が当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至らなかった場合であって、本公開買付けにおいて本新株予約権の全てを取得できず、かつ、本新株予約権が行使されず残存した場合には、当社に本新株予約権の取得、本新株予約権に係る新株予約権者による放棄の勧奨等、本取引の実行に合理的に必要な手続を実施することを要請し、又は実施することを予定しているとのことです。

 

 

上記①及び②の各手続については、関係法令の改正、施行及び当局の解釈等の状況によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があるとのことです。但し、その場合でも、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該当社の株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該当社の株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。その場合、本米国預託証券に表章され、本預託銀行が保有する当社株式に関して本預託銀行に対して交付される金銭の額も同様となり、本米国預託証券保有者に対しては、その保有する本米国預託証券の数に応じて、本預託銀行より、預託契約に従い、本預託銀行が交付を受けた金銭を米ドルに換算(1セント未満を四捨五入)した金額から本預託銀行の手数料及び税金等を控除した金額の金銭が交付される予定とのことです。また、本公開買付けに応募されなかった当社の本新株予約権者に対して金銭を交付する場合には、本新株予約権買付価格に当該本新株予約権者が所有していた当社の本新株予約権の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。

 

なお、本譲渡制限付株式については、その割当契約書において、(a)譲渡制限期間中に、株式併合(当該株式併合により、付与当社の有する本譲渡制限付株式が1株に満たない端数のみとなる場合に限ります。)に関する事項が当社の株主総会で承認された場合(但し、株式併合の効力発生日(以下「スクイーズ・アウト効力発生日(株式併合)」といいます。)が譲渡制限期間の満了時より前に到来するときに限ります。)には、当社取締役会の決議により、スクイーズ・アウト効力発生日(株式併合)の前営業日の直前時をもって、本譲渡制限付株式の払込日を含む月から当該承認の日を含む月までの月数を12で除した数(その数が1を超える場合は、1とします。)に、当該承認の日において付与当社が保有する本譲渡制限付株式の数を乗じた数の本譲渡制限付株式について、譲渡制限を解除するものとされ、(b)上記(a)に規定する場合は、当社は、スクイーズ・アウト効力発生日(株式併合)の前営業日をもって、同日において譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式の全部を当然に無償で取得するものとされているとのことです。本スクイーズ・アウト手続においては、上記割当契約書の(a)の規定に従い、スクイーズ・アウト効力発生日(株式併合)の前営業日をもって譲渡制限が解除された本譲渡制限付株式については、株式併合の対象とし、上記割当契約書の(b)の規定に従い、スクイーズ・アウト効力発生日(株式併合)の前営業日をもって、譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式については、当社において無償取得する予定です。

 

また、公開買付者は、本公開買付けが成立したものの本公開買付けにおいて本新株予約権の全てを取得できず、かつ、本新株予約権が行使されず残存した場合には、当社に、本新株予約権の取得、本新株予約権者に対する本新株予約権の放棄の勧奨等、本取引の実行に合理的に必要な手続を実践することを要請する予定とのことです。

 

なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主(本米国預託証券保有者を含みます。)の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様が自らの責任にて税務専門家にご確認ください。

 

(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

公開買付者及び当社は、本公開買付けがいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われるものであり、構造的な利益相反の問題が存在すること等を踏まえ、本公開買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、以下の措置を実施いたしました。なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。

 

 

① 複数の買い手候補先からの提案の受領と検討

当社は、本戦略特別委員会の助言のもと、本取引の検討において、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討する、いわゆる積極的なマーケット・チェック(本取引の公表前における入札手続き等を含む。)を実施しております。当社は、入札手続きを通じて、複数の買い手候補先からの提案を受領し、それらを比較検討しながら交渉を進めることにより、買い手候補先間の競争環境の醸成・維持に努めてまいりました。

 

② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得

上記「(3) 算定に関する事項」の「② 算定の概要」のとおり、当社は、本公開買付けを含む本取引に関する意見表明を行うにあたり、本公開買付価格の公正性その他の本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、公開買付関連当事者から独立した第三者算定機関として、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるJPモルガン証券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼するとともに、本公開買付価格が当社の普通株主(公開買付者、公開買付者親会社、KKR及びそれらの関係者を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)の提出を依頼しました。当社は、2025年3月28日付で、本株式価値算定書を、2025年3月28日付で、本フェアネス・オピニオンを取得いたしました。当社取締役会は、本株式価値算定書の内容を変更する必要はない旨のJPモルガン証券の説明に不合理な点は見られないこと、2025年3月28日開催の取締役会から2025年7月28日時点までの状況を考慮しても、本株式価値算定書及び本フェアネス・オピニオンに影響を与える前提事実に大きな変更はないと考えられること、当社グループや業界を取り巻く事業環境にも特段の変化はないと考えられること、及び、下記「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本戦略特別委員会が本株式価値算定書の内容の変更及び更新等を要請する必要はないと判断していることも踏まえ、2025年7月28日時点で、本株式価値算定書及び本フェアネス・オピニオンの内容の変更及び更新等は不要であると判断しています。なお、JPモルガン証券は、公開買付者、公開買付者親会社、KKR及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。

 

なお、本取引に係るJPモルガン証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件とする成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合でも当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系を採用するデメリットも勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではなく、また、当社にとっても一定の経済合理性があるとの判断のもと、上記の報酬体系によりJPモルガン証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。また、本戦略特別委員会は、当社が選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関につき、独立性及び専門性に問題がないことから、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認し、本戦略特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。

 

③ 当社における独立した法律事務所からの助言

当社は、本公開買付けを含む本取引に係る当社取締役会の意思決定の過程における公正性、客観性及び適正性を担保すべく、公開買付者、公開買付者親会社、KKR及び当社の関連当事者から独立した法務アドバイザーとして、長島・大野・常松法律事務所を選任し、同事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けております。なお、長島・大野・常松法律事務所は、公開買付者、公開買付者親会社、KKR及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、長島・大野・常松法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。本戦略特別委員会は、当社が選任した法務アドバイザーにつき、独立性及び専門性に問題がないことを確認しております。

 

 

④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
A.2025年3月28日付答申書

(ⅰ) 設置等の経緯

上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅱ) 公開買付者と当社との協議、公開買付者による意思決定の過程等」に記載のとおり、当社は、長期的な企業価値向上のための経営上の選択肢を検討するに当たっては、検討プロセスの公正さと透明性を確保することが重要であり、かつ、仮に非公開化の選択をする場合にはマネジメント・バイアウト(MBO)の方法により行われることも視野に入れ、スクイーズ・アウトを伴う取引となることを前提に、2024年7月30日開催の当社取締役会における決議により、公開買付者、その他の関係会社その他施行規則で定める者からの独立性及び取引の成否からの独立性がいずれも認められる、当社の社外取締役5名(山崎直子氏、稲葉善治氏、日髙直輝氏、寺本克弘氏、及び中井元氏)によって構成される、本戦略特別委員会を設置いたしました。なお、本戦略特別委員会の委員の報酬は、通常の役員報酬以外に、委員としての職務に関する報酬を受領する予定ですが、委員としての職務に関する報酬は答申内容にかかわらず支払われる固定報酬であることから、本戦略特別委員会の委員の本取引の成否からの独立性も確保されております。また、当社は、江藤氏がマネジメント・バイアウト(MBO)を前提とした当社の非公開化を進める旨の意向を本戦略特別委員会において表明したことを受け、本取引に係る提案がマネジメント・バイアウト(MBO)を前提として具体化されることに伴い、2025年1月30日開催の当社取締役会において、本戦略特別委員会に対して以下の各事項について諮問いたしました(以下、総称して「本諮問事項」といいます。)。

 

1.本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)

2.本取引の取引条件の妥当性

3.本取引に係る手続の公正性

4.本取引を行うことは当社の一般株主にとって不利益ではないか

5.本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非

 

また、当社取締役会は、本諮問事項の諮問にあたり、(ⅰ)本戦略特別委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に係る意思決定を行うものとし、本戦略特別委員会が本取引の取引条件が妥当でなく、本取引に賛同すべきでないと判断した場合には、本取引に賛同しないこと、(ⅱ)本諮問事項の検討に必要な情報収集を行うこと(取締役、従業員その他本戦略特別委員会が必要と認める者への本戦略特別委員会への出席等)、(ⅲ)当社の費用負担にて本戦略特別委員会として独自に財務アドバイザー、法務アドバイザー、第三者評価機関その他のアドバイザーを指名又は選任すること(また、当社のアドバイザーにも専門的助言を求めることができること。)、(ⅳ)公開買付者との交渉権限、及び(ⅴ)その他本諮問事項の検討に必要な事項に係る権限を付与することを併せて決議しております。

 

(ⅱ) 検討の経緯

本戦略特別委員会は、2024年7月30日から2025年3月28日までの間に全17回の日程で開催され、本諮問事項に関する審議を行いました。

具体的には、本戦略特別委員会は、本株式価値算定書、本フェアネス・オピニオン、本取引に関する当社の意見表明に関するプレスリリース(以下「当社プレスリリース」といいます。)及び本公開買付契約のドラフトのほか、非公開化プロセスにおいて各本候補者から受領した提案書を含む、本取引の検討や本公開買付価格の交渉に関する一連の資料その他の本戦略特別委員会において配付された各種資料を検討いたしました。

また、本戦略特別委員会は、本諮問事項につき検討するため、本取引に関し、当社から複数回に亘り、当社における当社の事業に関する現状認識、本取引の意義・目的、本取引が当社に与える影響についてのヒアリングを実施いたしました。さらに、本戦略特別委員は、江藤氏からも、本取引の意義・目的、非公開化プロセスにおける本候補者との協議状況についてのヒアリングを実施しております。

 

また、本戦略特別委員は、当社から本事業計画について説明を受け、質疑応答を行うとともに、JPモルガン証券に対してヒアリングを実施し、当社株式の株式価値の算定方法及び評価プロセス並びに株式価値算定等に関する考察過程について詳細な説明を受けました。

このほか、本公開買付価格を含む本公開買付けの買付条件に関する交渉経緯については、非公開化プロセスの内容及び非公開化プロセスに係る当社と本候補者との交渉状況を含め、JPモルガン証券及び当社から本戦略特別委員に対して詳細な説明が行われました。本戦略特別委員からも当該説明の都度、交渉に関して意見を述べることで、交渉に主体的に関与しております。

これとは別に、本戦略特別委員会は、当社の法務アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所から、本取引において想定されているスキーム、当社における意思決定プロセスにおいて講じている利益相反回避措置の内容及び運用状況、並びに本公開買付契約の交渉状況及びその内容について説明を聴取するとともに、本戦略特別委員会の法務アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所から本戦略特別委員会の運営方法等について法的観点からの助言を受けております。

 

(ⅲ) 判断内容

本戦略特別委員会は、以上の経緯の下で、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2025年3月28日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の2025年3月28日付答申書を提出しております。

 

a.答申内容

1.本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は合理的である。

2.本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)の公正性・妥当性は確保されている。

3.本取引に係る手続の公正性は確保されている。

4.上記1.から3.までを踏まえ、本取引を行うことの決定は、当社の一般株主にとって不利益でないと考えられる。

5.当社取締役会が、本公開買付けに対して賛同意見を表明するとともに、当社の株主及び本新株予約権者に対して、本公開買付けに応募することを推奨し、本米国預託証券保有者に対しては事前に本米国預託証券を預託銀行に引き渡し、本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨することは、合理的であると考えられる。

なお、上記5.においては、諮問事項には明記されていない本新株予約権及び本米国預託証券に関する答申が含まれるが、本戦略特別委員会は、諮問事項5.の細目として本新株予約権者及び本米国預託証券保有者に対して応募を推奨することの是非が含まれるものと判断し、上記5.の答申を行っている。

 

b.答申理由

Ⅰ.本取引の目的の合理性について

以下の点を考慮すれば、本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は合理的であると認められる。

・ 当社のさらなる成長及び企業価値向上を実現するためには長期的・持続的な事業変革の推進が必要であるが、そのような事業変革は短期的には当社グループの収益及びキャッシュ・フローに悪影響を与え、短期的なスパンで業績を上げることが求められる資本市場においては十分な評価が得られない可能性がある。事業変革についての抜本的な取組を加速させるという目的の達成のためには、非公開化を行うことにより、パートナーとなる特定の株主と経営陣が一体となった経営体制を構築することも合理と考えられる。

 

・ 非公開化の中でも特にマネジメント・バイアウト(MBO)を前提とすることについては、アイケア事業のソリューションビジネスのような様々なリスク管理が求められる新規事業を育てていくためには、高度な経営的な知見を有する体制で臨むことがとりわけ重要であり、当社の事業特性を熟知した江藤氏が本取引の後も当社の経営に関与して事業変革に取り組むことは当社の企業価値の向上にとって有益な選択肢であると考えられる。

・ KKRは、本取引後の経営方針について、当社の企業価値の源泉である、メーカーとしてのモノづくりの強みを守りつつ、同時に、ソリューションビジネスの拡大をグローバルで追求すること、及び各事業領域での持続的な事業成長を狙い、新規事業創出への適切な先行投資と再投資を実行すること、という当社の経営方針をサポートする考えであることを表明している。

・ このほか、本取引においてはJICCが当社に対する間接的なマイノリティ出資を行う予定であることから、宇宙・防衛事業を含む当社の事業に対してJICCから継続的な支援を受けることも期待できる。

・ 本取引に伴うデメリットについては、一般に、株式の非公開化に伴うデメリットとして、①資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、②知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを以後享受できなくなることが考えられるが、①の面では、当社の現在の財務状況等を考慮すると、自己資金及び金融機関からの借入れによって資金を確保することが可能であり、少なくとも当面の間その必要性は高くないと考えられ、②の面では、当社が長らく上場企業として事業を営んでおり、取引先との関係でも既に十分な知名度や社会的信用を有していることからすれば、上場廃止による影響は限定的であると考えられ、本取引により期待されるメリットは、本取引を行うことによるデメリットを上回るものと考えることができる。

 

Ⅱ.本取引の取引条件の妥当性

以下の点を考慮すれば、当社の一般株主からみて、本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)の公正性・妥当性は確保されていると認められる。

 

ア.交渉状況の確保

本取引における合意は、本戦略特別委員会の主体的な関与の下、当社とKKRとの間において、独立当事者間に相当する客観的かつ整合性のある議論を踏まえた結果決定されたものであることが推認され、決定プロセスの透明性や公正性を疑わせるような事情は見当たらなかった。

 

イ.株式価値算定と本公開買付価格の関係

(a) 事業計画

本公開買付価格の公正性・妥当性の検討に当たって中心的な資料となるJPモルガン証券による算定結果は、本事業計画を基礎資料としているため、本戦略特別委員会は、本事業計画について、その策定手続(本取引と利害関係を有する者が事業計画の作成に関与していないことを含む。)及び内容について、本事業計画が過度に保守的な見積もりに基づくものとなっていないことを含めて確認した。

特に、アイケア事業については、ポジショニング事業と比べても各種の施策が結実するのに時間を要することが想定されるところ、両事業について同じ期間の計画とした場合には、アイケア事業についての将来性が適切に反映できない計画になる可能性があることから、本事業計画においては、ポジショニング事業は2031年3月期までの計画としているのに対して、アイケア事業については2033年3月期までの計画を策定している。このように、本事業計画は、当社の事業の実態と今後の展望に照らして、合理的な期間を事業ごとに設定するものであると認められる。

 

また、当社は、2025年1月30日に2025年3月期の業績予想を下方修正したことに加え、本最終入札手続の開始前に、足元における最新の業績や将来の見通しを踏まえて本事業計画の修正を行っている。これらの修正は、北米でのポジショニング事業の景況の回復が想定より遅れていること及び新規事業であるアイケア事業のソリューションビジネスの進捗の遅れ等の足元の状況を踏まえた合理的な見通しを反映したものであり、従前はより早い時期に実現できると考えていた事項について、当初の予想よりも成長に時間がかかることが見込まれることを理由に改めて精査を行ったものである。

このように、本事業計画の修正は、客観的な業績の進展等を踏まえた時点修正を行うものであって、恣意的に計画を押し下げたり修正前の事業計画で想定していた事業の内容を変更したりするものではないから、不合理なものとは認められない。

以上からすれば、本事業計画は、その策定手続及び内容について、公開買付者の恣意的な圧力が介在した事実は認められず、合理的なものと認められる。

 

(b) 算定方法

本株式価値算定書の内容に関するJPモルガン証券の本戦略特別委員会に対する説明及び本戦略特別委員会との質疑応答に基づけば、JPモルガン証券が採用した算定方法である市場株価平均法及びDCF法は、本取引と同種の取引における株式価値算定においても一般的に利用されている算定方法であり、かつ、JPモルガン証券による各算定方法の採用の理由に不合理な点は認められず、JPモルガン証券が上記各算定方法を用いて当社の株式価値を算定したことについて不合理な点は認められない。

JPモルガン証券は、市場株価平均法において、2025年3月27日を基準日として、基準日の終値、直近1ヶ月間の終値単純平均値、直近3ヶ月間の終値単純平均値及び直近6ヶ月間の終値単純平均値を採用しているところ、市場株価平均法において基準日の終値、直近1ヶ月間の終値単純平均値、直近3ヶ月間の終値単純平均値及び直近6ヶ月間の終値単純平均値を採用することは一般的であり、市場株価平均法による算定の内容に不合理な点は認められない。

また、JPモルガン証券は、DCF法において、当社グループの事業をポジショニング事業とアイケア事業に分類して価値評価を行う、サム・オブ・ザ・パーツ分析を実施しているところ、上記イ(a)のとおり本事業計画は合理的な期間を事業ごとに設定しているものであること、アイケア事業においては新規事業であるソリューションビジネスを含んでいる点において、ポジショニング事業とは性質が異なることから、サム・オブ・ザ・パーツ分析を採用したことについて不合理な点は認められない。

DCF法の算定過程においても、まずフリー・キャッシュ・フローは、一般的な項目を加減算することで算定されており、本事業計画の財務数値とも整合していることから、合理的であり、割引率としてWACCの採用、その際のリスクフリーレート、エクイティ・リスク・プレミアム及びベータ値の数値の採用根拠及び継続価値について永久成長率法の採用についても、実務上も一般的な手法であると考えられ、不合理な点は認められない。

以上より、JPモルガン証券による算定の内容について不合理な点は認められない。

 

(c) 当社株式に関する株式価値評価

JPモルガン証券が作成した本株式価値算定書における各算定方法による当社株式の株式価値は下記のとおりである。

 

算定方法

1株当たり株式価値

市場株価平均法

2,319円~3,190.0円

DCF法

2,790円~3,512円

 

 

 

上記のとおり、本公開買付価格(1株当たり3,300円)は、(ⅰ)市場株価平均法の算定結果の上限を超えており、かつ、(ⅱ)当社の株式の本源的価値を表すDCF法の算定結果の中央値を超えている。

 

(d) フェアネス・オピニオンの取得

当社は、2025年3月28日付けで、JPモルガン証券より、本フェアネス・オピニオンを取得している。

JPモルガン証券による当社の株式価値の算定結果に特に不合理な点は認められないこと等からすれば、本フェアネス・オピニオンの発行手続及び内容に特に不合理な点はなく、本戦略特別委員会は、本フェアネス・オピニオンをもって、公正性担保措置として積極的に評価することができるものと考える。

 

(e) プレミアムの検討

本公開買付価格は、本非公開化プロセスに関する憶測報道がなされた2024年12月10日の前営業日である2024年12月9日までの東京証券取引所における当社株式の終値に対して、それぞれ下記のプレミアムを加えた金額となっている。

 

参照値

株価

プレミアム

終値

1,756.5円

87.87%

過去1ヶ月の平均終値

1,587円

107.94%

過去3ヶ月の平均終値

1,567円

110.59%

過去6ヶ月の平均終値

1,608円

105.22%

 

 

さらに、本非公開化プロセスに関する2度目の憶測報道がなされた2025年3月27日の前営業日である2025年3月26日までの東京証券取引所における当社株式の終値に対して、それぞれ下記のプレミアムを加えた金額となっている。

 

参照値

株価

プレミアム

終値

2,970.0円

11.11%

過去1ヶ月の平均終値

2,872円

14.90%

過去3ヶ月の平均終値

2,845円

15.99%

過去6ヶ月の平均終値

2,306円

43.10%

 

 

また、本公開買付価格は、2025年3月27日(以下「公表直前日」という。)までの東京証券取引所における当社株式の終値に対して、それぞれ下記のプレミアムを加えた金額となっている。

 

参照値

株価

プレミアム

公表直前日の終値

3,190.0円

3.45%

公表直前日の過去1ヶ月の平均終値

2,891円

14.15%

公表直前日の過去3ヶ月の平均終値

2,850円

15.79%

公表直前日の過去6ヶ月の平均終値

2,319円

42.30%

 

 

 

本戦略特別委員会において参照した近時の同種事例(経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保にむけて-」を公表した2019年6月28日以降2025年3月17日までに公表されたマネジメント・バイアウト(MBO)事例のうち、成立した74件)のプレミアムは、以下のとおりである。

 

プレミアム

平均値

中央値

公表直前日の終値

46.56%

41.97%

公表直前日の過去1ヶ月の平均終値

49.68%

44.20%

公表直前日の過去3ヶ月の平均終値

52.21%

45.79%

公表直前日の過去6ヶ月の平均終値

52.17%

47.28%

 

 

以上を踏まえると、公表直前日を基準とした本公開買付価格のプレミアムは、近時の同種事例のプレミアム水準より低いものの、当社株価の推移を踏まえると本非公開化プロセスに関する2度の憶測報道の影響は軽視すべきでなく、1度目の憶測報道日の前営業日を基準とした本公開買付価格のプレミアムは近時の同種事例の平均値及び中央値を大きく上回るものであることから、本公開買付価格は同種事例と比較しても十分なプレミアムが付与されているものと認められる。

 

(f) 他の候補からの優位性

本取引は、入札手続である非公開化プロセスを経た上で、複数の候補先から提案を受けた中で選択された取引であるところ、KKRの提案を上回る公開買付価格で本取引を行う旨の最終提案を行った者は存在しなかった。

したがって、当社が本取引を実施することは、当社にとって現実的に採用可能な選択肢のうち、当社の一般株主に最も有利な条件を選択したものであると考えられる。

 

ウ.スキーム等の妥当性等

本取引では、一段階目として金銭を対価とする本公開買付けを行い、本公開買付けの成立後、二段階目として株式等売渡請求又は株式併合によるスクイーズ・アウトを行うことが予定されているが、このスキームは金銭を対価とする点を含め、投資ファンドをスポンサーとするMBOにおいて一般的なものであり、当社の一般株主に対して不利益を及ぼすものではない。また、本公開買付契約のうち主要な事項(本公開買付けの開始の前提条件を含む。)について、長島・大野・常松法律事務所及び中村・角田・松本法律事務所の助言を踏まえて検討した結果、一般株主の利益を害するような合意はなされておらず、本公開買付契約に基づき本取引を実行することにつき、不合理な点は認められない。

本取引においては、江藤氏が、本取引後に公開買付者親会社の株式を引き受け、本公開買付けへの応募により取得した対価の範囲内で、本再出資を行うことが予定されているところ、本再出資における公開買付者親会社の株式1株当たりの払込価額を決定する前提となる当社株式の評価は、本公開買付価格と同一の価格である3,300円とされる予定であり、本公開買付価格より低い価格による発行は行わない予定とのことである。本取引がMBOであることにも鑑みると、江藤氏が本取引後に本再出資を行うことには合理性が認められ、かつ、一般株主の利益を確保する観点からも、本再出資によって江藤氏に対する不公正な価値の移転が生じることは予定されておらず、本再出資の条件に不合理な点は認められない。

このような検討からすると、本取引のスキームは、妥当なものといえる。

 

 

エ.本新株予約権の買付価格の妥当性

本新株予約権買付価格は、本公開買付価格である3,300円と各本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に当該各本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額と決定されているため、本新株予約権買付価格についても、本公開買付価格と同様の理由で、新株予約権者の利益に十分な配慮がされたものと考える。

 

オ. 本米国預託株式の買付価格の妥当性

また、本公開買付けにおいては、本米国預託証券が表章する本米国預託株式も対象となっているが、本米国預託株式の買付価格は、本公開買付価格である3,300円と同額と決定されていることからすれば、本戦略特別委員会は、本米国預託株式の買付価格についても、本公開買付価格と同様の理由で、本米国預託証券保有者の利益に十分な配慮がされたものと考える。

 

Ⅲ.本取引に係る手続の公正性について

本取引に際して以下の措置が講じられていること、及びこれらの措置が実際に実効性をもって運用されていることを踏まえれば、本取引に係る手続きの公正性は確保されており、公正な手続を通じて当社の一般株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。

 

ア.本戦略特別委員会の設置

当社は、公開買付者、その他の関係会社その他施行規則で定める者からの独立性及び取引の成否からの独立性がいずれも認められる、当社の独立社外取締役5名によって構成される本戦略特別委員会を設置している。各委員は、当社から、当社の社外取締役の独立性に関する基準に照らして独立性を有しており、いずれもKKRを含む本候補者との間で重要な利害関係を有しておらず、KKRを含む本候補者からの独立性も有しているものと認められる。また、各委員は、いずれも当社の社外取締役として、当社の事業内容等について相当程度の知見を有しているほか、各種分野において豊富な経験と高い見識を有していること等から、いずれも本諮問事項について検討する専門性・適格性を有すると考えられる。

本戦略特別委員会の委員は通常の役員報酬以外に、委員としての職務に関する報酬を受領する予定であるが、委員としての職務に関する報酬は答申内容にかかわらず支払われる固定報酬であることから、本戦略特別委員会の委員の本取引の成否からの独立性も確保されている。

本戦略特別委員会は、(ⅰ)本戦略特別委員会の法務アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所及び当社の法務アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所から本取引に係る意思決定の過程及び本戦略特別委員会の運営方法等について法的観点からの助言を受け、(ⅱ)当社から本事業計画について説明を受け、質疑応答を行い、(ⅲ)各本候補者からの意向表明書等の提案書を受領するとともに、本戦略特別委員会において、江藤氏との間で本取引の目的や各本候補者からの提案内容についての考え等について質疑応答を行い、(ⅳ)当社から本取引の目的等についての見解を聴取し、質疑応答を行い、(ⅴ)当社の第三者評価機関であるJPモルガン証券から当社の株式価値算定書及び本フェアネス・オピニオンについて報告を受け、質疑応答を行うとともに、(ⅵ)当社の法務アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所から当社プレスリリース及び本公開買付契約のドラフトの説明を受け、質疑応答を行うなど、十分な情報を取得している。

さらに、本公開買付けに係る公開買付価格等に関する交渉について、KKRを含む各本候補者からの公開買付価格に係る提案内容及び交渉状況について適時に情報共有を受け、JPモルガン証券から聴取した意見も踏まえてその内容を審議・検討し、当該公開買付価格等に関する交渉方針について事前に協議の上承認するとともに、重要な交渉上の協議事項については意見を述べ、具体的な指示・要請等をする等して、本取引の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与している。

 

 

イ.当社における意思決定プロセス

当社の取締役のうち、江藤氏は、利益相反の疑いを回避する観点より、上記取締役会における審議及び決議を含む、本取引に関連した当社取締役会の審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加していない。

 

ウ.外部専門家の専門的助言等の取得

(a) 法務アドバイザーからの助言の取得

本戦略特別委員会は、公開買付者、公開買付者親会社、KKR及び当社の関連当事者から独立した法務アドバイザーとして、中村・角田・松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性、客観性及び合理性を確認するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けている。

また、当社は、本公開買付けを含む本取引に係る当社取締役会の意思決定の過程における公正性、客観性及び適正性を担保すべく、公開買付者、公開買付者親会社、KKR及び当社の関連当事者から独立した法務アドバイザーとして、長島・大野・常松法律事務所を選任し、同事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けている。

 

(b) 第三者評価機関からの株式価値算定書及び本フェアネス・オピニオンの取得

当社は、本公開買付けを含む本取引に関する意見表明を行うにあたり、本公開買付価格の公正性その他の本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるJPモルガン証券から、当社株式の株式価値に係る本株式価値算定書を取得するとともに、本公開買付価格が当社の普通株主(公開買付者、公開買付親会社、KKR及びそれらの関係会社を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンを取得している。

また、本戦略特別委員会は、JPモルガン証券の独立性と専門性・実績を確認した上で当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認し、価格交渉等において、必要に応じてJPモルガン証券が当社に対して提供した専門的助言について説明を受けている。

 

エ.マーケット・チェック

(a) 非公開化プロセスの実施

当社は、本戦略特別委員会の助言のもと、本取引の検討において、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討する、いわゆる積極的なマーケット・チェック(本取引の公表前における入札手続等を含む。)を実施している。当社は、入札手続を通じて、複数の買い手候補先からの提案を受領し、それらを比較検討しながら交渉を進めることにより、買い手候補先間の競争環境の醸成・維持に努めてきた。したがって、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討するいわゆる積極的なマーケット・チェックが実施されていると認められる。

 

(b) 公開買付期間及び取引保護条項

本公開買付けの公開買付期間は原則21営業日とすることが予定されているものの、本公開買付けの開始予定の公表から実際の本公開買付けの開始までに3ヶ月以上を要することが見込まれている。本公開買付けが開始されるまでの当該期間を含めて考えれば、他の潜在的な買収者による対抗的な買収提案が行われる機会は相応にあるものと認められる。

 

また、本公開買付契約において、当社は、公開買付者との間で、一定の取引保護条項(当社の義務違反があった場合の違約金の定めを含む。)につき合意しているものの、①第三者が本公開買付価格を上回る買付価格による公開買付け(以下「対抗公開買付け」という。)を開始した場合において、当該第三者との間で、当該対抗公開買付けに関連し、情報提供、協議、交渉又は合意を行うこと、及び②第三者から書面により本取引よりも優れていると合理的に認められる対抗公開買付けの真摯な提案を受領した場合において、当該第三者に対して必要最小限度の情報提供を行い、又は当該第三者と協議、交渉若しくは合意を行うことは妨げられないとされている。さらに、本公開買付契約において、当社は、①第三者から対抗公開買付けが開始された場合(既に開始されている公開買付けが対抗公開買付けの要件を満たすこととなった場合を含む。以下同じ。)、又は対抗公開買付けの法的拘束力のある真摯な提案を受けた場合、公開買付者に対し、本公開買付価格の引上げについて協議を申し入れることができ、②公開買付者が一定期間内に本公開買付価格を当該対抗公開買付けに係る買付価格以上の金額に引き上げない場合には、当社は、本公開買付けに対する応募推奨意見を維持する義務を免れるものとされるとともに、対抗公開買付けに係る買付価格が本公開買付価格を5%以上上回る場合であって、一定期間内に公開買付者が本公開買付価格を当該対抗公開買付けに係る買付価格以上の金額に引き上げないときは、当社は、本戦略特別委員会の意見その他合理的な根拠に基づいて、本公開買付けに対する賛同意見を表明又は維持することにつき、当社の取締役の善管注意義務に違反する具体的な懸念があると合理的に認められることを条件として、本公開買付けに対する賛同意見を維持する義務を免れるものとされている。

以上からすれば、本公開買付けにおける取引保護条項は、対抗提案者により対抗公開買付けの開始又はその真摯な提案がなされた場合の対抗提案者との協議等を妨げるものではなく、かつ、対抗公開買付けの開始又はその真摯な提案がなされた場合に公開買付者が本公開買付価格の引上げに応じない場合に、一定の条件の下で、当社が本公開買付けに対する意見を変更することを可能とするものであることから、その内容は不合理なものではなく、間接的なマーケット・チェックの実施を過度に制限するものとは認められない。

 

オ.マジョリティ・オブ・マイノリティ

本公開買付けにおける買付予定数の下限は52,861,561株と設定され、その旨が公表されるところ、かかる買付予定数の下限は、潜在株式勘案後株式総数(105,512,097株)から江藤氏が所有する当社株式の数(70,054株)を控除した株式数(105,442,043株)の過半数(52,721,022株。いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」に相当する数)を上回るものとなる。

したがって、本公開買付けにおいては、一般株主にとって、実質的にマジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定した場合と同等の判断機会が確保されていると認められる。

 

カ.一般株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上

当社プレスリリースでは、本戦略特別委員会に関する情報及び株式価値算定に関する情報に加え、本取引を実施するに至ったプロセス等、当該時期に本取引を行うことを選択した背景・目的等、当社の取締役等が本取引に関して有する利害関係の具体的な内容や、当該取締役等の取引条件の形成過程への関与の有無・態様、当社とKKRとの間で行われた取引条件等に関する協議・交渉の具体的な経緯に関しても充実した情報開示が予定されている。

したがって、本公開買付けにおいては、一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会が確保される予定であると認められる。

 

 

キ.強圧性が生じないための配慮

本取引においては、本公開買付けの決済の完了後速やかに、本株式等売渡請求、又は本株式併合を行うこと、及び、本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会の開催を当社に要請をすることが予定しており、本公開買付けに応募しなかった株主及び本新株予約権者に対して金銭を交付する場合には、本公開買付けに応募した場合に受領する価格と同一となるように算定されることとされ、それが当社プレスリリースにおいて開示される予定である。

また、本株式等売渡請求の場合は当社の株主及び本新株予約権者に裁判所に対する価格決定申立権が、株式併合の場合は当社の株主に株式買取請求権及びそれに伴う裁判所に対する価格決定申立権が確保されている。

さらに、公開買付者は、本公開買付けにおいて52,861,561株(所有割合:50.10%)を買付予定数の下限として設定しているが、当該下限は、公開買付者により、過去の当社の定時株主総会における議決権行使比率を参考に、本公開買付けへの応募は行わないものの本臨時株主総会において賛成の議決権行使を行うことが見込まれる当社の取締役に付与された当社の譲渡制限付株式数及びパッシブ・インデックス運用ファンドが所有する株式数に照らし、本臨時株主総会の議決権行使比率が過去の議決権行使実績を大幅に上回らない限り、本株式併合に係る議案の可決が可能な議決権数を確保できる水準として設定したとのことである。当該説明に特に不合理な点は認められず、本公開買付けが成立した場合には、少なくとも本株式併合によるキャッシュ・アウトが行われることが実質的に保障されていることから、強圧性の問題は回避されているものと考えられる。

したがって、本取引においては、強圧性が生じないための配慮がなされているものと認められる。

 

Ⅳ.本諮問事項4.及び5.について

上記のとおり、本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は合理的であると認められること、本取引に係る取引条件の公正性・妥当性は確保されていると認められること、本取引においては、公正な手続を通じて当社の一般株主の利益への十分な配慮がなされていると認められることから、当社取締役会が、本公開買付けについて賛同するとともに、当社の株主及び本新株予約権の所有者に対して、本公開買付に応募することを推奨し、本米国預託証券保有者に対しては事前に本米国預託証券を預託銀行に引き渡し、本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨する旨の意見を決定することは、当社の一般株主にとって不利益ではないと考えられる。加えて、本公開買付けが成立した後、当社の株主を公開買付者のみとするために、当社取締役会が本スクイーズ・アウト手続を実施することを決定することは、当社の一般株主(すなわち少数株主)にとって不利益なものではないと考えられる。また、上記と同様の理由により、本諮問事項5.についても、当社取締役会が、本公開買付けに対して賛同意見を表明するとともに、当社の株主及び本新株予約権の所有者に対して、本公開買付に応募することを推奨し、本米国預託証券保有者に対しては事前に本米国預託証券を預託銀行に引き渡し、本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨することは、合理的であると考えられる。

 

B.2025年4月16日付追加答申書

(ⅰ) 検討の経緯

本戦略特別委員会は、追加の答申を行うに際して、2025年4月16日に戦略特別委員会を、委員5名全員の出席のもとで開催し、審議を行いました。

これにあたり、本戦略特別委員会は、(ⅰ)当社プレスリリースの一部変更に係る2025年4月16日付プレスリリースについての2025年4月16日付追加答申書作成時点でのドラフト、(ⅱ)本取引が公表された2025年3月28日(以下「公表日」といいます。)から2025年4月16日付追加答申書作成日に至るまでの本取引に関する資料(KKRから提出を受けた報告資料を含む。)その他の本戦略特別委員会に報告された各種資料を検討いたしました。

 

 

(ⅱ) 判断内容

本戦略特別委員会は、以上の経緯の下で、2025年4月16日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の2025年4月16日付追加答申書を提出しております。

 

a.答申内容

2025年3月28日付答申書の提出後、2025年4月16日付追加答申書の作成日までの事情を勘案して検討しても、本答申書において表明した本戦略特別委員会の意見に変更はない。

 

b.追加答申理由

Ⅰ.本取引の目的の合理性

以下の点を考慮すれば、本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む本取引の目的の合理性について、2025年3月28日付答申書における答申の内容を変更すべき事情は見当たらない。

・ 本取引のストラクチャーについて、VACがその所有する当社株式の全部を本公開買付けに応募するとともに、VACによるKKRファンドに対する出資が新たに予定されている。

・ KKRファンドがVACから本LP持分取得を受ける理由は、VACが中長期的に当社株式を所有しており、当社の事業や企業価値向上策について一定の知見を有しているものと考えられたことからKKRとしてもVACからそのような知見の共有を受けられることを考慮したものとのことであるが、本LP持分取得によりVACが取得する持分は、KKRファンドのリミテッド・パートナー持分であり、VACは公開買付者親会社、公開買付者又は当社の議決権を取得するものではなく、かつ、VACによる公開買付者親会社、公開買付者又は当社への取締役の派遣は予定されていないことから、VACが本取引完了後の当社の意思決定に関与することは想定されていない。本取引後に想定されるKKRによるサポート及びJICCから継続的な支援にも変更はなく、本LP持分取得が行われたとしても、MBOとしての本取引によって想定される当社の企業価値向上の前提に変更はないから、2025年3月28日付答申書における本戦略特別委員会の判断を変更すべき事情はない。

・ VACによる本公開買付けへの応募は、当社の企業価値向上に資する本取引の確度を高めるものであると評価できる。

・ 公表日以降、当社の事業価値を減少させるような事態が新たに生じたこともない。

 

Ⅱ.本取引の取引条件の妥当性

以下の点を考慮すれば、2025年3月28日付答申書における答申の内容を変更すべき事情は見当たらず、当社の一般株主からみて、本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)の公正性・妥当性は引き続き確保されていると認められる。

・ 本取引の条件の妥当性に関して、当社は、現状、本事業計画を変更する予定はなく、本事業計画を基礎としてJPモルガン証券が作成した本株式価値算定書のアップデートも行われていない。この点、公表日以降、当社の事業価値に関する重要な影響を与える可能性がある事象は発生していないことからすれば、本事業計画について変更を行う必要は認められず、本株式価値算定書のアップデートを行う必要も認められない。

・ 当社がJPモルガン証券から取得した本フェアネス・オピニオンは、2025年4月16日付追加答申書提出日においても維持されている。

・ 上記に加え、(ⅰ)本LP持分取得におけるKKRファンドのリミテッド・パートナー持分の払込価額を決定する前提となる当社株式の評価は、本公開買付価格と同一の価格である3,300円にする予定であり、本公開買付けへの応募及び本LP持分取得によってVACが当社の少数株主とは異なる利益を享受する取引とはなっていないこと、(ⅱ)公表日以降、2025年4月16日付追加答申書提出日までの間、当社の市場株価は本公開買付価格を下回る価格で推移しており、本公開買付価格の妥当性について市場株価との関係で特段の検討を要する事態は生じていないことも認められる。

 

 

Ⅲ.本取引に係る手続の公正性

本取引における公正な手続を通じた一般株主の利益の確保については、2025年3月28日付答申書において、本公開買付けの買付予定数の下限は52,861,561株と設定されているところ、かかる買付予定数の下限は、潜在株式勘案後株式総数から江藤氏が所有する当社株式の数を控除した株式数の過半数を上回ることから、実質的にマジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定した場合と同等の判断機会が確保されていると判断した。

この点、本LP持分取得が新たに予定されていることから、VACは買収者であるKKRと重要な利害関係を共通にする株主に該当することとなる。VACが所有する当社株式の数(15,425,800株、所有割合:14.62%)を考慮すると、本公開買付けの買付予定数の下限に変更はないことから、本公開買付けの買付予定数の下限は、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を満たす水準を下回ることになる。

ただし、M&A指針において、買収者の保有する対象会社の株式の割合が高い場合における企業価値の向上に資するM&Aに対する阻害効果の懸念等が指摘されているところである。本取引は、支配株主による従属会社の買収とは異なるものの、本取引においても、本公開買付けの買付予定数を、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を満たす水準に引き上げることにより、公正・妥当な価格での一般株主による当社株式等の売却の機会が阻害されるおそれは完全には否定できない。

また、本取引においては、(ⅰ)本戦略特別委員会の設置、(ⅱ)当社における意思決定プロセス、(ⅲ)外部専門家の専門的助言等の取得、(ⅳ)マーケット・チェック、(ⅴ)一般株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上及び(ⅵ)強圧性が生じないための配慮といった各公正性担保措置が、2025年4月16日付追加答申書作成日時点において、いずれも変更されておらず、引き続き有効に機能しているものと判断できる。したがって、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定しなくても、他の充実した公正性担保措置によってこれを補い、全体として取引条件の公正さが担保されていると認められる。

以上からすれば、本取引における公正な手続を通じた一般株主の利益の確保についても、2025年3月28日付答申書における答申の内容を変更すべき事情は見当たらない。

 

C.2025年7月28日付追加答申書

(ⅰ) 検討の経緯

本戦略特別委員会は、追加の答申を行うに際して、2025年7月28日に戦略特別委員会を、委員5名全員の出席のもとで開催し、審議を行いました。

これにあたり、本戦略特別委員会は、(ⅰ)当社の2025年7月28日付のプレスリリース「MBOの実施の一環としてのTK株式会社による当社株券等に対する公開買付けの開始並びに株式会社KKRジャパン及びJICキャピタル株式会社の資本参画に関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」についての2025年7月28日付追加答申書作成時点でのドラフト、(ⅱ)2025年4月16日付追加答申書の作成日から2025年7月28日付追加答申書作成日に至るまでの本取引に関する資料その他の本戦略特別委員会に報告された各種資料を検討いたしました。

 

(ⅱ) 判断内容

本戦略特別委員会は、以上の経緯の下で、2025年7月28日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の2025年7月28日付追加答申書を提出しております。

 

a.諮問事項の確認

2025年3月28日付答申書に記載の、本戦略特別委員会が当社の取締役会より諮問を受けた事項は、以下のとおりである。なお、2025年7月22日に施行された株式会社東京証券取引所における有価証券上場規程等の一部改正(MBO等に係る遵守事項に関する改正。以下「本制度改正」といいます。)に伴い、2025年7月28日付追加答申書においては、本諮問事項のうち、諮問事項2.において「本取引の取引条件の妥当性」とあるのは「本取引の取引条件の公正性」と、諮問事項4.において「本取引を行うことは当社の一般株主にとって不利益ではないか」とあるのは「本取引を行うことは当社の一般株主にとって公正なものであるか」と、それぞれ読み替えるものとする。

 

1.本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)

2.本取引の取引条件の公正性

3.本取引に係る手続の公正性

4.本取引を行うことは当社の一般株主にとって公正なものであるか

5.本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非

 

b.答申内容

2025年3月28日付答申書の提出後、2025年7月28日付追加答申書の作成日までの事情を勘案して検討しても、2025年3月28日付答申書及び2025年4月16日付追加答申書における答申の内容を変更する必要はないことから、以下のとおり答申する。

1.本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は合理的である。

2.本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)の公正性・妥当性は確保されている。

3.本取引に係る手続の公正性は確保されている。

4.上記1.から3.までを踏まえ、本取引を行うことの決定は、当社の一般株主にとって公正なものであると考えられる。

5.当社取締役会が、本公開買付けに対して賛同意見を表明するとともに、当社の株主及び本新株予約権者に対して、本公開買付けに応募することを推奨し、本米国預託証券保有者に対しては事前に本米国預託証券を預託銀行に引き渡し、本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨することは、合理的であると考えられる。

なお、上記5.においては、諮問事項には明記されていない本新株予約権及び本米国預託証券に関する答申が含まれるが、本戦略特別委員会は、諮問事項5.の細目として、本新株予約権者及び本米国預託証券保有者に対して応募を推奨することの是非が含まれるものと判断し、上記5.の答申を行っている。

 

c.追加答申理由

Ⅰ.本取引の公表後に生じた各種事情

まず、本取引が公表された2025年3月28日(以下「公表日」という。)以降、2025年4月16日に、本取引のストラクチャーに関する一部変更(本応募契約(VAC)が締結された旨及び本LP持分取得が実施される予定であること)が公表された。これを受けて、本戦略特別委員会は、これら公表日以降2025年4月16日に至るまでの事情を勘案して検討しても、2025年3月28日付答申書において表明した本戦略特別委員会の意見に変更はない旨を、2025年4月16日付答申書において答申した。

次いで、2025年4月16日付追加答申書の提出後、さらに下記の事情が生じたことが認められる。

・ 2025年4月16日付追加答申書の提出以降、本取引のストラクチャーに関して、新たに以下の契約がそれぞれ締結された。

・ 本経営委任契約

・ 本株主間契約

・ 本応募契約(VAC)について当事者を追加する2025年6月3日付変更覚書

・ 本LP持分取得契約(VAC)

 

・ 2025年4月16日に公表済みである本取引のストラクチャーの一部変更、上記で記載した各契約の締結及び当社が所有する自己株式数の変動に伴う本公開買付けにおける買付予定数の下限の変更(52,861,561株から52,861,519株への変更)を除き、本取引の取引条件に変更は生じていない。とりわけ、本公開買付価格については変更がない。

・ 2025年4月16日付追加答申書の提出以降、公開買付者による国内外の競争法及び対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応が進められているところ、その中で、本取引の実行の障害となるような特段の問題は生じていない。また、本クリアランスの取得は、未取得クリアランスを除いて2025年7月29日までに完了し、未取得クリアランスについても、未取得クリアランスの取得により必要となる本公開買付けに係る公開買付届出書の訂正届出書の提出によっても、金融商品取引法第27条の8第8項に基づく本公開買付期間の延長が必要とならない期限である2025年8月26日までに全て取得が完了する見込みである。

・ 2025年4月16日付追加答申書の提出日以降、2025年7月28日付追加答申書提出日までの間に、当社の事業価値に関する重要な影響を与える可能性がある事象は発生していない。

・ 当社の2025年3月期の連結業績は、当社が2025年1月30日に公表した連結業績予想値を上回って着地したが、かかる2025年3月期の業績を踏まえても、現状、JPモルガン証券による算定の基礎となった2026年3月期以降を対象とする本事業計画(ポジショニング事業は2031年3月期までの計画。アイケア事業については2033年3月期までの計画。)について変更する予定はなく、また、変更をする必要もないと判断している。

・ 2025年4月16日付追加答申書の提出日以降、2025年7月28日付追加答申書提出日までの間、当社の市場株価は本公開買付価格を下回る価格で推移している。また、本公開買付けに対するより高い買付価格での対抗提案その他の本公開買付価格の公正性に疑義を差し挟ませるような事象は生じていない。

 

Ⅱ.本取引の目的の合理性

本経営委任契約は、従前締結されていた2025年3月28日付の本合意書(江藤氏)と同旨の契約であり、本株主間契約についても、従前締結されていた2025年3月28日付の本合意書(JICC)と同旨の契約である。また、本応募契約(VAC)の変更覚書及び本LP持分取得契約(VAC)も、従前締結されていた2025年4月16日付の本応募契約(VAC)に比べ、当社に影響する部分については変更がない。このほか、公表日に本取引が公表されて以降、本取引の実施に向けて各種作業が進む中で、当社の事業価値を減少させるような事象が新たに生じたこともなく、本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む本取引の目的の合理性について、2025年3月28日付答申書における答申の内容を変更すべき事情は見当たらない。したがって、2025年3月28日付答申書及び2025年4月16日付追加答申書に記載の以下の理由のとおり、2025年7月28日付追加答申書作成日現在においても、本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は合理的であると認められる。

・ 当社のさらなる成長及び企業価値向上を実現するためには長期的・持続的な事業変革の推進が必要であるが、そのような事業変革は短期的には当社グループの収益及びキャッシュ・フローに悪影響を与え、短期的なスパンで業績を上げることが求められる資本市場においては十分な評価が得られない可能性がある。事業変革についての抜本的な取組を加速させるという目的の達成のためには、非公開化を行うことにより、パートナーとなる特定の株主と経営陣が一体となった経営体制を構築することも合理と考えられる。

・ 非公開化の中でも特にマネジメント・バイアウト(MBO)を前提とすることについては、アイケア事業のソリューションビジネスのような様々なリスク管理が求められる新規事業を育てていくためには、高度な経営的な知見を有する体制で臨むことがとりわけ重要であり、当社の事業特性を熟知した江藤氏が本取引の後も当社の経営に関与して事業変革に取り組むことは当社の企業価値の向上にとって有益な選択肢であると考えられる。

 

・ KKRは、本取引後の経営方針について、当社の企業価値の源泉である、メーカーとしてのモノづくりの強みを守りつつ、同時に、ソリューションビジネスの拡大をグローバルで追求すること、及び各事業領域での持続的な事業成長を狙い、新規事業創出への適切な先行投資と再投資を実行すること、という当社の経営方針をサポートする考えであることを表明している。

・ このほか、本取引においてはJICCが当社に対する間接的なマイノリティ出資を行う予定であることから、宇宙・防衛事業を含む当社の事業に対してJICCから継続的な支援を受けることも期待できる。

・ 本取引に伴うデメリットについては、一般に、株式の非公開化に伴うデメリットとして、①資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、②知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを以後享受できなくなることが考えられるが、①の面では、当社の現在の財務状況等を考慮すると、自己資金及び金融機関からの借入れによって資金を確保することが可能であり、少なくとも当面の間その必要性は高くないと考えられ、②の面では、当社が長らく上場企業として事業を営んでおり、取引先との関係でも既に十分な知名度や社会的信用を有していることからすれば、上場廃止による影響は限定的であると考えられ、本取引により期待されるメリットは、本取引を行うことによるデメリットを上回るものと考えることができる。

・ VACによる本LP持分取得の理由は、VACが中長期的に当社株式を所有しており当社の事業や企業価値向上策について一定の知見を有しているものと考えられたことから、KKRとしてもVACからそのような知見の共有を受けられることを考慮したものとのことであるが、本LP持分取得によりVACが取得する持分は、KKRファンドのリミテッド・パートナー持分であり、VACは公開買付者親会社、公開買付者又は当社の議決権を取得するものではなく、かつ、VACによる公開買付者親会社、公開買付者又は当社への取締役の派遣は予定されていないことから、VACが本取引完了後の当社の意思決定に関与することは想定されていない。本取引後に想定されるKKRによるサポート及びJICCから継続的な支援にも変更はなく、本LP持分取得が行われたとしても、MBOとしての本取引によって想定される当社の企業価値向上の前提に変更はない。

 

Ⅲ.本取引の取引条件の公正性

本取引の条件の公正性に関して、当社は、現状、本事業計画を変更する予定はなく、本事業計画を基礎としてJPモルガン証券が作成した本株式価値算定書のアップデートも行われていないところ、公表日以降、当社の事業価値に関する重要な影響を与える可能性がある事象は発生していないことからすれば、本事業計画について変更を行う必要は認められず、本株式価値算定書のアップデートを行う必要も認められない。また、当社がJPモルガン証券から取得した本フェアネス・オピニオンは、2025年7月28日付追加答申書提出日においても維持されていることから、2025年3月28日付答申書における答申の内容を変更すべき事情は見当たらない。したがって、取引条件の公正性に関して2025年3月28日付答申書及び2025年4月16日付追加答申書で述べた答申の根拠とした事情を含め、本制度改正も敷衍して検討を行った結果として、2025年7月28日付追加答申書提出日時点において、以下の理由により、当社の一般株主からみて、本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)の公正性・妥当性は確保されていると認める。

 

ア.取引条件の公正性に関する目線

次のイ.以下で述べるような諸般の事情を総合考慮すれば、本公開買付価格は、本取引を前提としないスタンドアローン・ベースの株式価値(すなわち現時点における当社株式の価値)に加えて、M&A指針のいう「M&Aを行わなければ実現できない価値」のしかるべき部分を少数株主に享受する水準にあるものと考える。

 

 

イ.交渉の過程

本取引における合意は、本戦略特別委員会の主体的な関与の下、当社とKKRとの間において、独立当事者間に相当する客観的かつ整合性のある議論を踏まえた結果決定されたものであることが推認され、決定プロセスの透明性や公正性を疑わせるような事情は見当たらなかった。具体的には、本戦略特別委員会は、(ⅰ)2024年7月30日に開催した本戦略特別委員会において、本取引を実施するに当たって入札手続を実施することについて承認し、これを受けて実施された非公開化プロセスの中で各候補者から寄せられた提案の内容についても、当社の更なる企業価値の向上及び当社の株主の利益最大化の観点から精査を行い、(ⅱ)2025年1月には、マネジメント・バイアウト(MBO)を前提とした当社の非公開化を実施する前提で、本最終入札手続を実施することについても承認し、(ⅲ)本最終入札手続における提案内容も総合的に比較・検討し(かかる比較・検討に当たっては、本最終候補者の提案内容を所与の前提とはせず、当社や江藤氏に対して、本最終候補者からの提案内容の実現可能性及び合理性並びに本最終候補者の当社事業に関する理解の正確性等について質疑応答を実施し、批判的な検証も行っている)、KKRの提案価格が当社株式1株当たり3,300円と他の本最終候補者と比べてより高額であること等を踏まえ、2025年3月3日、KKRを最終候補先として選定した上で、同年3月21日を期限とする独占交渉権を付与することを承認し、(ⅳ)独占交渉権に係る独占交渉期間中も本公開買付契約の条件交渉等を通じて本取引の実施に向けた検討を継続的に行い、2025年3月28日に開催された本戦略特別委員会において、本取引の取引条件の公正性を含め、本取引を行うことの決定が当社の一般株主にとって不利益でないと考えられる旨を答申した。

 

ウ.株式価値算定と本公開買付価格の関係

(a) 事業計画

本公開買付価格の公正性・妥当性の検討に当たって中心的な資料となるJPモルガン証券による算定結果は、本事業計画を基礎資料としているため、本戦略特別委員会は、本事業計画について、その策定手続(本取引と利害関係を有する者が事業計画の作成に関与していないことを含む。)及び内容について、本事業計画が過度に保守的な見積もりに基づくものとなっていないことを含めて確認した。

特に、アイケア事業については、ポジショニング事業と比べても各種の施策が結実するのに時間を要することが想定されるところ、両事業について同じ期間の計画とした場合には、アイケア事業についての将来性が適切に反映できない計画になる可能性があることから、本事業計画においては、ポジショニング事業は2031年3月期までの計画としているのに対して、アイケア事業については2033年3月期までの計画を策定している。このように、本事業計画は、当社の事業の実態と今後の展望に照らして、合理的な期間を事業ごとに設定するものであると認められる。

また、当社は、2025年1月30日に2025年3月期の業績予想を下方修正したことに加え、本最終入札手続の開始前に、足元における最新の業績や将来の見通しを踏まえて本事業計画の修正を行っている。これらの修正は、北米でのポジショニング事業の景況の回復が想定より遅れていること及び新規事業であるアイケア事業のソリューションビジネスの進捗の遅れ等の足元の状況を踏まえた合理的な見通しを反映したものであり、従前はより早い時期に実現できると考えていた事項について、当初の予想よりも成長に時間がかかることが見込まれることを理由に改めて精査を行ったものである。

このように、本事業計画の修正は、客観的な業績の進展等を踏まえた時点修正を行うものであって、恣意的に計画を押し下げたり修正前の事業計画で想定していた事業の内容を変更したりするものではないから、不合理なものとは認められない。

以上からすれば、本事業計画は、その策定手続及び内容について、公開買付者の恣意的な圧力が介在した事実は認められず、合理的なものと認められる。

 

 

(b) 算定方法

本株式価値算定書の内容に関するJPモルガン証券の本戦略特別委員会に対する説明及び本戦略特別委員会との質疑応答に基づけば、JPモルガン証券が採用した算定方法である市場株価平均法及びDCF法は、本取引と同種の取引における株式価値算定においても一般的に利用されている算定方法であり、かつ、JPモルガン証券による各算定方法の採用の理由に不合理な点は認められず、JPモルガン証券が上記各算定方法を用いて当社の株式価値を算定したことについて不合理な点は認められない。

JPモルガン証券は、市場株価平均法において、2025年3月27日を基準日として、基準日の終値、直近1ヶ月間の終値単純平均値、直近3ヶ月間の終値単純平均値及び直近6ヶ月間の終値単純平均値を採用しているところ、市場株価平均法において基準日の終値、直近1ヶ月間の終値単純平均値、直近3ヶ月間の終値単純平均値及び直近6ヶ月間の終値単純平均値を採用することは一般的であり、市場株価平均法による算定の内容に不合理な点は認められない。

また、JPモルガン証券は、DCF法において、当社グループの事業をポジショニング事業とアイケア事業に分類して価値評価を行う、サム・オブ・ザ・パーツ分析を実施しているところ、上記イ(a)のとおり本事業計画は合理的な期間を事業ごとに設定しているものであること、アイケア事業においては新規事業であるソリューションビジネスを含んでいる点において、ポジショニング事業とは性質が異なることから、サム・オブ・ザ・パーツ分析を採用したことについて不合理な点は認められない。

DCF法の算定過程においても、まずフリー・キャッシュ・フローは、一般的な項目を加減算することで算定されており、本事業計画の財務数値とも整合していることから、合理的であり、割引率としてWACCの採用、その際のリスクフリーレート、エクイティ・リスク・プレミアム及びベータ値の数値の採用根拠及び継続価値について永久成長率法の採用についても、実務上も一般的な手法であると考えられ、不合理な点は認められない。

以上より、JPモルガン証券による算定の内容について不合理な点は認められない。

 

(c) 当社株式に関する株式価値評価

JPモルガン証券が作成した本株式価値算定書における各算定方法による当社株式の株式価値は下記のとおりである。

 

算定方法

1株当たり株式価値

市場株価平均法

2,319円~3,190.0円

DCF法

2,790円~3,512円

 

 

上記のとおり、本公開買付価格(1株当たり3,300円)は、(ⅰ)市場株価平均法の算定結果の上限を超えており、かつ、(ⅱ)当社の株式の本源的価値を表すDCF法の算定結果の中央値を超えている。

 

(d) フェアネス・オピニオンの取得

当社は、2025年3月28日付けで、JPモルガン証券より、本フェアネス・オピニオンを取得している。

JPモルガン証券による当社の株式価値の算定結果に特に不合理な点は認められないこと等からすれば、本フェアネス・オピニオンの発行手続及び内容に特に不合理な点はなく、本戦略特別委員会は、本フェアネス・オピニオンをもって、公正性担保措置として積極的に評価することができるものと考える。

 

 

(e) プレミアムの検討

本公開買付価格は、本非公開化プロセスに関する憶測報道がなされた2024年12月10日の前営業日である2024年12月9日までの東京証券取引所における当社株式の終値に対して、それぞれ下記のプレミアムを加えた金額となっている。

 

 

参照値

株価

プレミアム

終値

1,756.5円

87.87%

過去1ヶ月の平均終値

1,587円

107.94%

過去3ヶ月の平均終値

1,567円

110.59%

過去6ヶ月の平均終値

1,608円

105.22%

 

 

さらに、本非公開化プロセスに関する2度目の憶測報道がなされた2025年3月27日の前営業日である2025年3月26日までの東京証券取引所における当社株式の終値に対して、それぞれ下記のプレミアムを加えた金額となっている。

 

参照値

株価

プレミアム

終値

2,970.0円

11.11%

過去1ヶ月の平均終値

2,872円

14.90%

過去3ヶ月の平均終値

2,845円

15.99%

過去6ヶ月の平均終値

2,306円

43.10%

 

 

また、本公開買付価格は、2025年3月27日(以下「公表直前日」という。)までの東京証券取引所における当社株式の終値に対して、それぞれ下記のプレミアムを加えた金額となっている。

 

参照値

株価

プレミアム

公表直前日の終値

3,190.0円

3.45%

公表直前日の過去1ヶ月の平均終値

2,891円

14.15%

公表直前日の過去3ヶ月の平均終値

2,850円

15.79%

公表直前日の過去6ヶ月の平均終値

2,319円

42.30%

 

 

 

本戦略特別委員会において参照した近時の同種事例(経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保にむけて-」を公表した2019年6月28日以降2025年3月17日までに公表されたマネジメント・バイアウト(MBO)事例のうち、成立した74件)のプレミアムは、以下のとおりである。

 

プレミアム

平均値

中央値

公表直前日の終値

46.56%

41.97%

公表直前日の過去1ヶ月の平均終値

49.68%

44.20%

公表直前日の過去3ヶ月の平均終値

52.21%

45.79%

公表直前日の過去6ヶ月の平均終値

52.17%

47.28%

 

 

以上を踏まえると、公表直前日を基準とした本公開買付価格のプレミアムは、近時の同種事例のプレミアム水準より低いものの、当社株価の推移を踏まえると本非公開化プロセスに関する2度の憶測報道の影響は軽視すべきでなく、1度目の憶測報道日の前営業日を基準とした本公開買付価格のプレミアムは近時の同種事例の平均値及び中央値を大きく上回るものであることから、本公開買付価格は同種事例と比較しても十分なプレミアムが付与されているものと認められる。

 

(f) 他の候補からの優位性

本取引は、入札手続である非公開化プロセスを経た上で、複数の候補先から提案を受けた中で選択された取引であるところ、KKRの提案を上回る公開買付価格で本取引を行う旨の最終提案を行った者は存在しなかった。

したがって、当社が本取引を実施することは、当社にとって現実的に採用可能な選択肢のうち、当社の一般株主に最も有利な条件を選択したものであると考えられる。

 

エ.スキーム等の公正性

本取引では、一段階目として金銭を対価とする本公開買付けを行い、本公開買付けの成立後、二段階目として株式等売渡請求又は株式併合によるスクイーズ・アウトを行うことが予定されているが、このスキームは金銭を対価とする点を含め、投資ファンドをスポンサーとするMBOにおいて一般的なものであり、当社の一般株主に対して不利益を及ぼすものではない。また、本公開買付契約のうち主要な事項(本公開買付けの開始の前提条件を含む。)について、長島・大野・常松法律事務所及び中村・角田・松本法律事務所の助言を踏まえて検討した結果、一般株主の利益を害するような合意はなされておらず、本公開買付契約に基づき本取引を実行することにつき、不合理な点は認められない。

本取引においては、江藤氏が、本取引後に公開買付者親会社の株式を引き受け、本公開買付けへの応募により取得した対価の範囲内で、本再出資を行うことが予定されているところ、本再出資における公開買付者親会社の株式1株当たりの払込価額を決定する前提となる当社株式の評価は、本公開買付価格と同一の価格である3,300円とされる予定であり、本公開買付価格より低い価格による発行は行わない予定とのことである。本取引がMBOであることにも鑑みると、江藤氏が本取引後に本再出資を行うことには合理性が認められ、かつ、一般株主の利益を確保する観点からも、本再出資によって江藤氏に対する不公正な価値の移転が生じることは予定されておらず、本再出資の条件に不合理な点は認められない。

このような検討からすると、本取引のスキームは、公正・妥当なものといえる。

 

 

オ.本新株予約権の買付価格の公正性

本新株予約権買付価格は、本公開買付価格である3,300円と各本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に当該各本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額と決定されているため、本新株予約権買付価格についても、本公開買付価格と同様の理由で、新株予約権者の利益に十分な配慮がされたものと考える。

 

カ.本米国預託株式の買付価格の公正性

また、本公開買付けにおいては、本米国預託証券が表章する本米国預託株式も対象となっているが、本米国預託株式の買付価格は、本公開買付価格である3,300円と同額と決定されていることからすれば、本戦略特別委員会は、本米国預託株式の買付価格についても、本公開買付価格と同様の理由で、本米国預託証券保有者の利益に十分な配慮がされたものと考える。

 

Ⅳ.本取引に係る手続の公正性

2025年3月28日付答申書及び2025年4月16日付追加答申書で指摘した、(ⅰ)戦略特別委員会の設置、(ⅱ)当社における意思決定プロセス、(ⅲ)外部専門家の専門的助言等の取得、(ⅳ)マーケット・チェック、(ⅴ)マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定しないことの合理性、(ⅵ)一般株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上及び(ⅶ)強圧性が生じないための配慮の各項目は、いずれも2025年7月28日付追加答申書作成日時点においても変更されておらず、引き続き維持されているものと判断したことから、本取引における公正な手続を通じた一般株主の利益の確保についても、2025年3月28日付答申書における答申の内容を変更すべき事情は見当たらない。

したがって、2025年3月28日付答申書及び2025年4月16日付追加答申書に記載の以下の理由により、2025年7月28日付追加答申書作成日現在においても、本取引に係る手続の公正性は確保されており、公正な手続を通じて当社の一般株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。

 

ア.戦略特別委員会の設置

当社は、公開買付者、その他の関係会社その他施行規則で定める者からの独立性及び取引の成否からの独立性がいずれも認められる、当社の独立社外取締役5名によって構成される本戦略特別委員会を設置している。各委員は、当社から、当社の社外取締役の独立性に関する基準に照らして独立性を有しており、いずれもKKRを含む本候補者との間で重要な利害関係を有しておらず、KKRを含む本候補者からの独立性も有しているものと認められる。また、各委員は、いずれも当社の社外取締役として、当社の事業内容等について相当程度の知見を有しているほか、各種分野において豊富な経験と高い見識を有していること等から、いずれも本諮問事項について検討する専門性・適格性を有すると考えられる。

本戦略特別委員会の委員は通常の役員報酬以外に、委員としての職務に関する報酬を受領する予定であるが、委員としての職務に関する報酬は答申内容にかかわらず支払われる固定報酬であることから、本戦略特別委員会の委員の本取引の成否からの独立性も確保されている。

本戦略特別委員会は、(ⅰ)本戦略特別委員会の法務アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所及び当社の法務アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所から本取引に係る意思決定の過程及び本戦略特別委員会の運営方法等について法的観点からの助言を受け、(ⅱ)当社から本事業計画について説明を受け、質疑応答を行い、(ⅲ)各本候補者からの意向表明書等の提案書を受領するとともに、本戦略特別委員会において、江藤氏との間で本取引の目的や各本候補者からの提案内容についての考え等について質疑応答を行い、(ⅳ)当社から本取引の目的等についての見解を聴取し、質疑応答を行い、(ⅴ)当社の第三者評価機関であるJPモルガン証券から当社の株式価値算定書及び本フェアネス・オピニオンについて報告を受け、質疑応答を行うとともに、(ⅵ)当社の法務アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所から2025年3月28日付の本取引に係る当社プレスリリース及び本公開買付契約のドラフトの説明を受け、質疑応答を行うなど、十分な情報を取得している。

 

さらに、本公開買付けに係る公開買付価格等に関する交渉について、KKRを含む各本候補者からの公開買付価格に係る提案内容及び交渉状況について適時に情報共有を受け、JPモルガン証券から聴取した意見も踏まえてその内容を審議・検討し、当該公開買付価格等に関する交渉方針について事前に協議の上承認するとともに、重要な交渉上の協議事項については意見を述べ、具体的な指示・要請等をする等して、本取引の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与している。

 

イ.当社における意思決定プロセス

当社の取締役のうち、江藤氏は、利益相反の疑いを回避する観点より、上記取締役会における審議及び決議を含む、本取引に関連した当社取締役会の審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加していない。

 

ウ.外部専門家の専門的助言等の取得

(a) 法務アドバイザーからの助言の取得

本戦略特別委員会は、公開買付者、公開買付者親会社、KKR及び当社の関連当事者から独立した法務アドバイザーとして、中村・角田・松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性、客観性及び合理性を確認するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けている。

また、当社は、本公開買付けを含む本取引に係る当社取締役会の意思決定の過程における公正性、客観性及び適正性を担保すべく、公開買付者、公開買付者親会社、KKR及び当社の関連当事者から独立した法務アドバイザーとして、長島・大野・常松法律事務所を選任し、同事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けている。

 

(b) 第三者評価機関からの株式価値算定書及び本フェアネス・オピニオンの取得

当社は、本公開買付けを含む本取引に関する意見表明を行うにあたり、本公開買付価格の公正性その他の本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるJPモルガン証券から、当社株式の株式価値に係る本株式価値算定書を取得するとともに、本公開買付価格が当社の普通株主(公開買付者、公開買付親会社、KKR及びそれらの関係会社を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンを取得している。

また、本戦略特別委員会は、JPモルガン証券の独立性と専門性・実績を確認した上で当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認し、価格交渉等において、必要に応じてJPモルガン証券が当社に対して提供した専門的助言について説明を受けている。

 

エ.マーケット・チェック

(a) 非公開化プロセスの実施

当社は、本戦略特別委員会の助言のもと、本取引の検討において、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討する、いわゆる積極的なマーケット・チェック(本取引の公表前における入札手続等を含む。)を実施している。当社は、入札手続を通じて、複数の買い手候補先からの提案を受領し、それらを比較検討しながら交渉を進めることにより、買い手候補先間の競争環境の醸成・維持に努めてきた。したがって、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討するいわゆる積極的なマーケット・チェックが実施されていると認められる。

 

(b) 公開買付期間及び取引保護条項

本公開買付けの公開買付期間は30営業日とすることが予定され、法定最短期間より長期に設定している。また、本公開買付けの開始予定の公表から実際の本公開買付けの開始までに4ヶ月程度を要していることから、他の潜在的な買収者による対抗的な買収提案が行われる機会は相応にあるものと認められる。

 

また、本公開買付契約において、当社は、公開買付者との間で、一定の取引保護条項(当社の義務違反があった場合の違約金の定めを含む。)につき合意しているものの、①第三者が本公開買付価格を上回る買付価格による公開買付け(以下「対抗公開買付け」という。)を開始した場合において、当該第三者との間で、当該対抗公開買付けに関連し、情報提供、協議、交渉又は合意を行うこと、及び②第三者から書面により本取引よりも優れていると合理的に認められる対抗公開買付けの真摯な提案を受領した場合において、当該第三者に対して必要最小限度の情報提供を行い、又は当該第三者と協議、交渉若しくは合意を行うことは妨げられないとされている。さらに、本公開買付契約において、当社は、①第三者から対抗公開買付けが開始された場合(既に開始されている公開買付けが対抗公開買付けの要件を満たすこととなった場合を含む。以下同じ。)、又は対抗公開買付けの法的拘束力のある真摯な提案を受けた場合、公開買付者に対し、本公開買付価格の引上げについて協議を申し入れることができ、②公開買付者が一定期間内に本公開買付価格を当該対抗公開買付けに係る買付価格以上の金額に引き上げない場合には、当社は、本公開買付けに対する応募推奨意見を維持する義務を免れるものとされるとともに、対抗公開買付けに係る買付価格が本公開買付価格を5%以上上回る場合であって、一定期間内に公開買付者が本公開買付価格を当該対抗公開買付けに係る買付価格以上の金額に引き上げないときは、当社は、本戦略特別委員会の意見その他合理的な根拠に基づいて、本公開買付けに対する賛同意見を表明又は維持することにつき、当社の取締役の善管注意義務に違反する具体的な懸念があると合理的に認められることを条件として、本公開買付けに対する賛同意見を維持する義務を免れるものとされている。

以上からすれば、本公開買付けにおける取引保護条項は、対抗提案者により対抗公開買付けの開始又はその真摯な提案がなされた場合の対抗提案者との協議等を妨げるものではなく、かつ、対抗公開買付けの開始又はその真摯な提案がなされた場合に公開買付者が本公開買付価格の引上げに応じない場合に、一定の条件の下で、当社が本公開買付けに対する意見を変更することを可能とするものであることから、その内容は不合理なものではなく、間接的なマーケット・チェックの実施を過度に制限するものとは認められない。

 

オ.マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定しないことの合理性

本公開買付けの買付予定数の下限は、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を満たす水準を下回っている。

ただし、M&A指針において、買収者の保有する対象会社の株式の割合が高い場合における企業価値の向上に資するM&Aに対する阻害効果の懸念等が指摘されているところである。本取引は、支配株主による従属会社の買収とは異なるものの、本取引においても、本公開買付けの買付予定数を、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を満たす水準に引き上げることにより、公正・妥当な価格での一般株主による当社株式等の売却の機会が阻害されるおそれは完全には否定できない。

また、本取引においては、(ⅰ)本戦略特別委員会の設置、(ⅱ)当社における意思決定プロセス、(ⅲ)外部専門家の専門的助言等の取得、(ⅳ)マーケット・チェック、(ⅴ)一般株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上及び(ⅵ)強圧性が生じないための配慮といった各公正性担保措置が、2025年7月28日付追加答申書作成日時点において、いずれも変更されておらず、引き続き有効に機能しているものと判断できる。したがって、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定しなくても、他の充実した公正性担保措置によってこれを補い、全体として取引条件の公正さが担保されていると認められる。

 

カ.一般株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上

本公開買付開始時のプレスリリースでは、本戦略特別委員会に関する情報及び株式価値算定に関する情報に加え、本取引を実施するに至ったプロセス等、当該時期に本取引を行うことを選択した背景・目的等、当社の取締役等が本取引に関して有する利害関係の具体的な内容や、当該取締役等の取引条件の形成過程への関与の有無・態様、当社とKKRとの間で行われた取引条件等に関する協議・交渉の具体的な経緯に関しても充実した情報開示が予定されている。

 

したがって、本公開買付けにおいては、一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会が確保される予定であると認められる。

 

キ.強圧性が生じないための配慮

本取引においては、本公開買付けの決済の完了後速やかに、本株式等売渡請求、又は本株式併合を行うこと、及び、本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会の開催を当社に要請をすることが予定しており、本公開買付けに応募しなかった株主及び本新株予約権者に対して金銭を交付する場合には、本公開買付けに応募した場合に受領する価格と同一となるように算定されることとされ、それが本公開買付開始時のプレスリリースにおいて開示される予定である。

また、本株式等売渡請求の場合は当社の株主及び本新株予約権者に裁判所に対する価格決定申立権が、株式併合の場合は当社の株主に株式買取請求権及びそれに伴う裁判所に対する価格決定申立権が確保されている。

さらに、公開買付者は、本公開買付けにおいて52,861,519株(所有割合:50.10%)を買付予定数の下限として設定しているが、当該下限は、公開買付者により、過去の当社の定時株主総会における議決権行使比率を参考に、本公開買付けへの応募は行わないものの本臨時株主総会において賛成の議決権行使を行うことが見込まれる当社の取締役に付与された当社の譲渡制限付株式数及びパッシブ・インデックス運用ファンドが所有する株式数に照らし、本臨時株主総会の議決権行使比率が過去の議決権行使実績を大幅に上回らない限り、本株式併合に係る議案の可決が可能な議決権数を確保できる水準として設定したとのことである。当該説明に特に不合理な点は認められず、本公開買付けが成立した場合には、少なくとも本株式併合によるキャッシュ・アウトが行われることが実質的に保障されていることから、強圧性の問題は回避されているものと考えられる。

したがって、本取引においては、強圧性が生じないための配慮がなされているものと認められる。

 

⑤ 本戦略特別委員会における独立した法律事務所からの助言

本戦略特別委員会は、公開買付者、公開買付者親会社、KKR及び当社の関連当事者から独立し法務アドバイザーとして、中村・角田・松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性、客観性及び合理性を確認するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。なお、中村・角田・松本法律事務所は、公開買付者、公開買付者親会社、KKR及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関する意見表明に関して重要な利害関係を有しておりません。中村・角田・松本法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。

 

 

⑥ 当社における利害関係を有しない取締役の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見

当社は、JPモルガン証券より取得した本株式価値算定書、長島・大野・常松法律事務所から得た法的助言を踏まえつつ、本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本公開買付けを含む本取引の諸条件について慎重に検討いたしました。その結果、当社取締役会は、本取引が当社企業価値の向上に資するものであると判断するとともに、本公開買付けは合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2025年7月28日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(取締役全10名のうち、江藤氏を除く取締役9名)の全員一致で、本公開買付けへ賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨、本新株予約権者の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨、及び、本米国預託証券保有者の皆様に対しては事前に本米国預託証券を預託銀行に引き渡し、本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。また、当該取締役会に出席した監査役4名(うち社外監査役2名)の全員が、当該決議につき異議がない旨の意見を述べております。なお、当社の取締役のうち、江藤氏は、本公開買付けが成立した場合に本公開買付けにその所有する当社株式を応募することにより受領する対価の一部を原資として、公開買付者親会社の普通株式の取得を予定していることから、利益相反の疑いを回避する観点より、上記取締役会における審議及び決議を含む、本取引に関連した当社取締役会の審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。

 

⑦ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置

公開買付者は、法で定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間が20営業日であるところ、「本公開買付期間」を30営業日とし、本公開買付期間を法定最短期間より長期に設定しているとのことです。また、本公開買付けの開始予定の公表日である2025年3月28日から本公開買付けの開始までに4ヶ月程度を要しているため、当社の株主の皆様、本新株予約権者及び本米国預託証券保有者の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切な判断を行う機会を確保するとともに、当社株券等について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、これをもって本公開買付価格の公正性を担保することを企図しているとのことです。

 

⑧ 強圧性が生じないための配慮

公開買付者は、上記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、本株式等売渡請求、又は本株式併合を行うこと、及び、本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を当社に要請をすることを予定しており、本公開買付けに応募しなかった株主、本新株予約権者、及び本米国預託証券保有者に対して金銭を交付する場合には、本公開買付けに応募した場合に受領する価格と同一となるように算定されることを明らかにしていること、本株式等売渡請求の場合は当社の株主の皆様、本新株予約権者及び本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた本米国預託証券保有者に裁判所に対する価格決定申立権が、株式併合の場合は当社の株主の皆様に株式買取請求権及びそれに伴う裁判所に対する価格決定申立権が確保されていることから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。なお、公開買付者は、本公開買付けにおいて52,861,519株(所有割合:50.10%)を買付予定数の下限として設定していますが、上記の(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、公開買付者は、本株式併合に係る議案の可決に必要な議決権数を検討するにあたっては、過去の当社の定時株主総会における議決権行使比率を参考にして、本公開買付け成立後、公開買付者が所有する株式数(その場合想定される最低値は所有割合にして50.10%)、取締役が保有する本譲渡制限付株式数(同0.14%)及びパッシブ・インデックス運用ファンドが所有する株式数(同約15.90%)を合計した株式数(同約64.14%)に照らせば、本臨時株主総会の議決権行使比率が過去の議決権行使実績を大幅に上回る約99.21%程度以上にならない限り、本株式併合に係る議案の可決が可能な水準となると考えており、強圧性が生じないように配慮しているとのことです。

 

 

(7) 公開買付者と自社株主・取締役等との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項

① 本公開買付契約

公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンドは、当社との間で、2025年3月28日付けで、本取引に関し、本公開買付契約を締結しているとのことです。

本公開買付契約において、公開買付者は、本前提条件(上記「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(1) 意見の内容」(注1)に記載の本公開買付け開始の前提条件)が充足又は放棄されること(但し、放棄することが法令等上許容される場合に限られ、また、本前提条件①及び②(但し、本賛同意見及び本賛同答申に限ります。)並びに⑧について放棄する場合は、当社の同意が必要とされております。)を条件として、本前提条件が充足又は放棄された日から10営業日以内の日で、本公開買付契約の当事者が別途合意する日に、本公開買付けを開始することが規定されているとのことです。また、公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンドは、当社との間で、2025年7月28日付けで、本前提条件⑧のうち未取得クリアランスに係る本クリアランスの取得について放棄する旨の合意をしたとのことです。

本公開買付契約において、当社は、①本公開買付契約締結日において、また、公開買付者が本公開買付けを開始する旨の決定をした場合にはその決定の日と同日において、(ⅰ)本賛同答申が行われ、かつ、変更又は撤回されていないことを条件として、本賛同意見を取締役会の決議をもって表明し、その旨を公表し(但し、本賛同意見に係る本前提条件①が放棄された場合を除きます。)、かつ、(ⅱ)本応募推奨答申が行われ、かつ、変更又は撤回されていないことを条件として、本応募推奨意見を取締役会の決議をもって表明し、その旨を公表する義務(但し、本応募推奨意見に係る本前提条件①が放棄された場合を除きます。)、及び、②本公開買付契約締結日以降、本公開買付期間が満了するまでの間、(ⅰ)本賛同答申が変更又は撤回されていないことを条件として、本賛同意見を維持し、これを変更又は撤回せず(但し、本賛同意見に係る本前提条件①が放棄された場合を除きます。)、かつ、(ⅱ)本応募推奨答申が変更又は撤回されていないことを条件として、本応募推奨意見を維持し、これを変更又は撤回しない義務(但し、本応募推奨意見に係る本前提条件①が放棄された場合を除きます。)を負っているとのことです。なお、当社がかかる義務に違反した場合、当社は、違約金として、公開買付者に対し、本公開買付けに係る買付代金総額の5%に相当する金額を支払う義務を負っているとのことです。

また、本公開買付契約において、当社は、第三者との間で、本公開買付け若しくは本取引と抵触し又は本公開買付け若しくは本取引の成立を困難にする可能性のある取引(本「① 本公開買付契約」において、以下「競合取引」といいます。)、又は、競合取引に係る提案(修正提案を含みます。本「① 本公開買付契約」において、以下同じです。)、申込み、勧誘、情報提供(デュー・ディリジェンスの機会の提供を含みます。本「① 本公開買付契約」において、以下同じです。)、協議、交渉若しくは合意(以下「提案等」といいます。但し、疑義を避けるため付言すると、買付者以外の者から当社株式に係る公開買付けの提案を受けること自体、及び、提案等にわたらない程度の単なる事務連絡を行うことは含まれません。)を行わないことに合意しているとのことです。但し、①当社が本段落第1文の定めに違反することなく、第三者(本取引に係る事前のマーケット・チェックにおいて提案の機会が付与された者を除きます。本段落において、以下同じです。)が対抗公開買付け(注1)を開始した場合において、当該第三者との間で、当該対抗公開買付けに関連し、情報提供、協議、交渉又は合意を行うこと、並びに②当社が本段落第1文の定めに違反することなく、第三者から書面により本取引よりも優れていると合理的に認められる対抗公開買付けの真摯な提案((ⅰ)買収対価及び取引の主要条件が明示され、(ⅱ)当該対抗公開買付けが成立した後の経営方針が具体的に示され、(ⅲ)非公開化に必要となる資力を有することの蓋然性が合理的に示され、かつ、(ⅳ)非公開化に必要となる競争法令等及び投資規制法令等上の届出その他司法・行政機関等に関する手続について合理的な根拠に基づき記載されているものに限ります。)を受領した場合において、当該第三者に対して必要最小限度の情報提供を行い、又は当該第三者と協議、交渉若しくは合意を行うこと(但し、当該情報提供と同一の情報、交渉の進捗状況及び(公開買付者が要請した場合には)合理的な範囲においてその協議若しくは交渉の内容並びに当該合意内容を公開買付者に対しても直ちに提供し、かつ本段落第3文の定めに従うことを条件とします。)は妨げられないとのことです。なお、当社は、第三者から競合取引に係る提案を受け、又はかかる提案が存在することを知った場合、その旨及び当該提案の内容(但し、当社が知得した範囲に限ります。)を実務上可能な限り速やかに公開買付者に対して通知する義務を負っているとのことです。

 

本公開買付契約において、当社は、①第三者から対抗公開買付けが開始された場合(既に開始されている公開買付けが対抗公開買付けの要件を満たすこととなった場合を含みます。以下同じです。)、又は対抗公開買付けの法的拘束力のある真摯な提案((ⅰ)買収対価及び取引の主要条件が明示され、(ⅱ)当該対抗公開買付けが成立した後の経営方針が具体的に示され、(ⅲ)非公開化に必要となる全ての資金を確保することができる確実な見込みが、出資証明書・融資証明書等の法的拘束力のある資金証明書により示され、かつ、(ⅳ)必要となる競争法令等及び投資規制法令等上の届出その他司法・行政機関等に対する一切の手続について、合理的な根拠に基づき、その種類、地域及び所要期間に係る想定が具体的に特定して記載され、かつ、その全てについて合理的期間内に完了できる蓋然性が合理的に示されているものに限ります。)を受けた場合本公開買付契約に定める自らの義務の違反がない場合に限り、公開買付者に対し、本公開買付価格の引上げについて協議を申し入れることができ、②公開買付者がかかる協議申入れを受けた日から起算して10営業日を経過する日又は本公開買付期間の末日の前営業日のいずれか早い日(以下「検討期間満了日」といいます。)までに、公開買付者が本公開買付価格を当該対抗公開買付けに係る対抗公開買付価格以上の金額に引き上げない場合には、当社は、本応募推奨意見を表明・公表及び維持する義務を免れるものとされているとのことです。また、当該対抗公開買付価格が本公開買付価格を5%以上上回る場合であって、検討期間満了日までに公開買付者が本公開買付価格を当該対抗公開買付価格以上の金額に引き上げないときは、当社は、本戦略特別委員会の意見その他合理的な根拠に基づいて、本賛同意見を表明又は維持することにつき、当社の取締役の善管注意義務に違反する具体的な懸念があると合理的に認められることを条件として、本賛同意見を表明・公表及び維持する義務を免れるものとされているとのことです。

(注1) 本公開買付契約において、「対抗公開買付け」とは、本公開買付価格を上回る買付価格(以下「対抗公開買付価格」といいます。)による当社株式に対する公開買付け(但し、買付予定数の上限が設定されていない、当社の非公開化を目的とするものであり、かつ、公開買付けに応募しなかった株主に対して公開買付価格と同額によるエグジット機会を保証していることを要します。)と定義されているとのことです。

また、上記のほか、本公開買付契約においては、本スクイーズ・アウト手続に係る協力義務、表明保証事項(注2)(注3)、公開買付者の義務(注4)、当社の義務(注5)、本取引後の当社の経営に関する基本方針(注6)、補償条項、契約の終了・解除事由、一般条項が規定されているとのことです。

(注2) 本公開買付契約において、当社は、①設立及び存続の有効性、②本公開買付契約の締結及び履行に必要な権限及び権能の存在、③本公開買付契約の有効性及び強制執行可能性、④本公開買付契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑤反社会的勢力に該当しないこと及び反社会的勢力との関係の不存在、⑥倒産手続等の不存在、⑦当社が2024年6月26日に提出した第131期有価証券報告書の正確性、⑧当社の株式等に関する事項、⑨必要な許認可等の取得及び適用法令等の遵守、並びに、⑩競争法令等、経済制裁、資金洗浄防止、腐敗防止法制及び輸出管理法制への違反の不存在及び遵守のための社内規則の策定、政府関係者又は制裁対象者との取引等の不存在、並びに政府関係者及び政府組織による当社グループ持分の保有の不存在等について表明及び保証を行っているとのことです。

(注3) 本公開買付契約において、公開買付者は、①設立及び存続の有効性、②本公開買付契約の締結及び履行に必要な権限及び権能の存在、③本公開買付契約の有効性及び強制執行可能性、④本公開買付契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑤反社会的勢力に該当しないこと及び反社会的勢力との関係の不存在、⑥倒産手続等の不存在、⑦本クリアランス手続を除き、本取引の実行に関して必要となる司法・行政機関等に対する手続の不存在、⑧本取引を行うための資金の十分性、並びに、⑨買付者がKKR Asian Fund IV Japan AIV 2 L.P.より2025年3月26日付けで提出を受けたエクイティ・コミットメントレター及び金融機関より2025年3月20日付けで提出を受けたデット・コミットメント・レターに関する事項について表明及び保証を行っているとのことです。また、本公開買付契約において、公開買付者親会社及びKKRファンドは、①設立及び存続の有効性、②本公開買付契約の締結及び履行に必要な権限及び権能の存在、③本公開買付契約の有効性及び強制執行可能性、④本公開買付契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑤反社会的勢力に該当しないこと及び反社会的勢力との関係の不存在、⑥倒産手続等の不存在、並びに、⑦本クリアランス手続を除き、本取引の実行に関して必要となる司法・行政機関等に対する手続の不存在について、それぞれ表明及び保証を行っているとのことです。

(注4) 本公開買付契約において、公開買付者は、大要、①本クリアランス手続の履践、並びに本クリアランスの取得及び本クリアランスの取得のために必要な問題解消措置の履行又は遵守に係る努力義務、並びに、②表明保証違反、義務違反又は本前提条件の不充足のおそれを認識した場合の通知義務を負担しているとのことです。

 

(注5) 本公開買付契約において、当社は、大要、①本クリアランスの取得に向けた協力義務、②通常の業務の範囲内で業務を遂行する義務、②競争法令等、経済制裁、資金洗浄防止、腐敗防止法制及び輸出管理法制の遵守義務、③表明保証違反、義務違反又は本前提条件の不充足のおそれを認識した場合の通知義務、④経理状況の報告義務、⑤本取引の実行に向けた義務((ⅰ)必要手続の履践、本取引を実行するにあたり相手方当事者の承諾が必要となる契約等について、当該相手方当事者からの合意取得に係る商業上合理的な範囲での努力義務、本取引を実行するにあたり相手方当事者に対する通知等が必要となる契約等について、通知等の履践、(ⅱ)公開買付者による資金調達への協力義務、(ⅲ)本新株予約権に係る譲渡承認決議の履践、(ⅳ)当社役員持株会、当社社員持株会、当社協力会社持株会及び当社販売店持株会が所有する当社株式の本公開買付けへの応募を可能とするための必要手続の履践に向けた努力義務、(ⅴ)本公開買付けに係る決済開始日の時点において、連結純有利子負債額及び事業上運営に必要な最低連結現預金を一定の水準以下にすることを目指す努力義務)を負担しているとのことです。

(注6) 公開買付者及び公開買付者親会社は、当社において非公開化した上で経営戦略を実行することが適切との判断に至った背景を尊重し、「持続成長する100年ベンチャーに挑む」という目的を達成するための成長戦略を誠実に遂行することに合意しているとのことです。

 

② 本株主間契約

KKRファンドは、JICCファンドとの間で、2025年7月28日付けで、本株主間契約を締結しているとのことです。本株主間契約において、(ⅰ)KKRファンドは、本ECL(JICC)に従って、本公開買付けが成立することを条件に、公開買付者親会社の普通株式を直接又は間接に引き受ける方法により、金2,560億円の出資を、全て本公開買付けの成立の翌営業日以降本公開買付けに係る決済開始の前営業日までに行い、JICCファンドは、本公開買付けが成立することを条件に、本公開買付けの成立の翌営業日以降本公開買付けに係る決済開始の前営業日までに、本出資を行うこと、並びに、(ⅱ)KKRファンド及びJICCファンドは、本株主間契約の有効期間中、(a)いかなる第三者に対しても、又はいかなる第三者との間においても、直接又は間接に、本取引と矛盾又は抵触し得る資本提携、株式譲渡、合併、会社分割、株式交換、株式移転、株式交付、事業の全部若しくは一部の譲渡、若しくはこれらに関する出資、融資その他の方法による資金提供、又はその他これらに類する取引(本「② 本株主間契約」及び「③ 本経営委任契約」において、以下「抵触取引等」といいます。)に関連して、情報提供、提案、勧誘、協議、交渉又は取引の実行を一切行わず(疑義を避けるため付言すると、第三者から抵触取引等の提案を受けること自体、及び、提案等に至らない程度の単なる事務連絡を行うことは含まれないとのことです。)、また、(b)第三者より抵触取引等に関連して提案又は勧誘が行われた場合は、直ちにその内容を他の当事者に対して通知し、対応につき誠実に他の当事者と協議することに合意しているとのことです。なお、本合意書(JICC)は、本株主間契約の締結をもって終了したとのことです。

(ア) 本出資に関する事項

KKRファンド及びJICCファンドは、本公開買付けの成立日から一定期間以内に、以下のとおり公開買付者親会社の株式を引き受ける。

 

割当先

株式の種類

払込金額

KKRファンド

普通株式

2,560億円

JICCファンド

A種優先株式及びB種優先株式(注)

950億円

 

(注) A種優先株式及びB種優先株式の内容には、議決権のほか、金銭又は株式を対価とする取得請求権及び取得条項が含まれます。

(イ) 公開買付者親会社の株式等に関する事項

・ 2031年3月31日までの間(本「② 本株主間契約」において、以下「ロックアップ期間」といいます。)のKKRファンド及びJICCファンドの公開買付者親会社株式の譲渡等の制限

・ ロックアップ期間経過後のKKRファンドの優先交渉権

・ ロックアップ期間経過後のJICCファンドのタグアロング権

・ KKRファンドのドラッグアロング権

 

(ウ) 抵触取引等に関する事項

・ KKRファンド及びJICCファンドは、いかなる第三者に対しても、又はいかなる第三者との間においても、直接又は間接に、抵触取引等に関連して、情報提供、提案、勧誘、協議、交渉又は取引の実行を一切行わない(疑義を避けるため付言すると、第三者から抵触取引等の提案を受けること自体、及び、提案等に至らない程度の単なる事務連絡を行うことは含まれない。)

・ KKRファンド及びJICCファンドは、第三者より抵触取引等に関連して提案又は勧誘が行われた場合は、直ちにその内容を相手方当事者に対して通知し、対応につき誠実に相手方当事者と協議する

(エ) その他

・ 公開買付者親会社、公開買付者及び当社のガバナンス体制、経営方針に関する事項

・ 契約の終了(①KKRファンド及びJICCファンドが合意した場合、②本公開買付けが不成立となり、かつ、KKRファンド又はその関係者による当社株券等に対する公開買付け及びかかる公開買付け後のスクイーズ・アウトを通じた当社の非公開化取引が実現不可能であると合理的に見込まれる場合、③KKRファンド又はJICCファンドが公開買付親会社株式の一切を保有しなくなった場合)に関する事項

・ KKRファンド及びJICCファンドによる勧誘禁止、表明保証、損害賠償・JICCファンドのコールオプション、秘密保持等の一般条項

 

③ 本経営委任契約

KKRファンドは、江藤氏との間で、2025年7月28日付けで、本経営委任契約を締結しているとのことです。(本経営委任契約主要条件の概要は以下(ア)乃至(ウ)のとおりです。)なお、本合意書(江藤氏)は、抵触取引等の禁止に係る条項(江藤氏は、本合意書(江藤氏)締結日以降、(a)いかなる第三者に対しても、又はいかなる第三者との間においても、直接又は間接に、抵触取引等に関連して、情報提供、提案、勧誘、協議、交渉又は取引の実行を一切行わず(ただし、本公開買付契約に従い、当社が本賛同意見を表明・公表及び維持する義務を免れた時点以降に限り、江藤氏が、当社の代表取締役社長としての立場に基づき当社を代表して、第三者との間で協議又は交渉を行うことを妨げるものではないとのことです。)、また、(b)第三者より抵触取引等に関連して提案又は勧誘が行われた場合は、直ちにその内容をKKRファンドに対して通知し(当社から同内容がKKRファンドに通知されている場合は除くとのことです。)、対応につき誠実にKKRファンドと協議することを定める条項)を除き、本経営委任契約の締結をもって終了したとのことです。

(ア) 経営の委任

・ KKRファンドは、江藤氏に対して、当社の代表取締役としての業務を誠実に遂行することを委任し、江藤氏はこれを受任する。

・ 当初の経営委任期間(以下「当初経営委任期間」といいます。)は、当社に設置される任意の指名報酬委員会(以下「指名報酬委員会」といいます。)において再任しないことが決定された場合を除き、当社の非公開化が完了した日の翌日から当社の2029年3月期の定時株主総会の終結の時までとする。

・ 江藤氏は、当初経営委任期間の満了後は、指名報酬委員会において当社の代表取締役に指名された場合、これを拒否しない。

・ KKRファンドは、江藤氏に経営委任契約上の重大な義務の違反があった場合、法令等又は当社の定款その他の内部規則の重大な違反があった場合等には、江藤氏の任期にかかわらず、当社の代表取締役その他の地位を辞任させ、又は解任することができる。

(イ) 報酬等

・ 江藤氏の報酬及びインセンティブ・プランは、当社の指名報酬委員会において決定する。

(ウ) その他

・ 江藤氏の専念義務、競業避止義務、勧誘禁止

・ 当社の経営方針、ガバナンス体制に関する事項

・ 損害賠償、秘密保持等の一般条項

 

 

④ 本応募契約及び本LP持分取得契約(VAC)

公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンドは、VACとの間で、2025年4月16日付けで、本応募契約(VAC)を締結したとのことです(その後、公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンド並びにVACは、2025年6月3日、ValueAct Strategic Master Fund IV, L.P.を本応募契約(VAC)の当事者に追加すること等を内容とする本応募契約(VAC)の変更覚書及び同月30日に本LP持分取得契約(VAC)の締結時期を変更する覚書を締結したとのことです。)。本応募契約(VAC)において、KKRファンド及びVACは、下記(ア)に記載の前提条件の全てが充足され、又はVACによって放棄されたことを条件として、VACが本応募合意株式の全て(15,425,800株、所有割合:14.62%)を本公開買付けに応募すること(本「④ 本応募契約及び本LP持分取得契約(VAC)」において、以下「本応募」といいます。)、及び、下記(イ)乃至(オ)に記載の内容を合意したとのことです。なお、本公開買付けに係る買付代金以外に、本公開買付けに関してVACに付与される利益はないとのことです。

 

(ア) 本応募の前提条件

・ 本公開買付けが開始され、撤回されていないこと

・ 当社取締役会が本賛同意見を表明することを決議し、その決議が変更又は撤回されていないこと

・ 本応募契約(VAC)に定める公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンドによる表明及び保証がいずれも重要な点において真実かつ正確であること(注1)

・ 本応募契約(VAC)に定める本公開買付けの開始日までに履行又は遵守すべき公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンドの義務が、全ての重要な点において履行又は遵守されていること(注2)

・ 本公開買付け、本応募又は本LP持分取得を制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等がなされておらず、かつ、それらがなされる合理的なおそれもないこと

・ (ⅰ)VAC、公開買付者親会社及びKKRファンドが、本LP持分取得契約(VAC)を締結していること、(ⅱ)本LP持分取得契約(VAC)が終了していないこと、(ⅲ)VAC、公開買付者親会社又はKKRファンドに本LP持分取得契約(VAC)上の重大な義務の違反がないこと、並びに(ⅳ)本LP持分取得契約(VAC)に定める本LP持分取得を実施するためのVACの義務履行の条件が全て(ただし、その性質上、本LP持分取得の完了時にのみ充足されるものを除くが、本LP持分取得の完了時に充足されることが可能なものに限る。)充足されていること

(注1) 本応募契約(VAC)において、公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンドは、①設立及び存続の有効性、②本応募契約(VAC)の締結及び履行に必要な権限及び権能の存在、③本応募契約(VAC)の有効性及び強制執行可能性、④必要な許認可等の取得、⑤本応募契約(VAC)の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑥反社会的勢力に該当しないこと及び反社会的勢力との関係の不存在、⑦法令遵守、並びに⑧倒産手続等の不存在について表明及び保証を行っているとのことです。

(注2) 本応募契約(VAC)において、公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンドが本公開買付けの開始日まで履行又は遵守すべき義務として、本公開買付契約を遵守する義務、下記の本LP持分取得契約(VAC)の締結に関する義務のほか、補償・秘密保持等に関する義務を負っているとのことです。

 

(イ) 取得等の禁止

・ VACは、本応募契約(VAC)締結日から本公開買付けに係る決済開始日までの間、本応募を除き、直接又は間接を問わず、当社株式又は本新株予約権につき取得又は譲渡等を行わない(ただし、VAC及びその関連会社の当社株式に関する既存の現金決済デリバティブ契約の解消を除く。)。

 

(ウ) 抵触取引等に関する事項

・ VACは、本応募契約(VAC)締結日から本公開買付期間の末日までの間、①本公開買付け若しくは本応募の実行を妨げる可能性があると合理的に認められる取引(VACが所有する当社株式の全部又は一部を、本公開買付け以外の公開買付けに応募し、又は、当社株式の取得又は譲渡等に応じること含み、VAC及びその関連会社の当社株式に関する既存の現金決済デリバティブ契約の解消を除きます。本「④ 本応募契約及び本LP持分取得契約(VAC)」において、以下「競合取引」と総称します。)又は競合取引に係る契約の締結をしないこと、並びに②直接又は間接を問わず、(ⅰ)競合取引に関して、第三者に対して、いかなる情報も提供せず、また、(ⅱ)競合取引に関して、提案、勧誘、協議又は交渉を行わないこと、また、VACの関連会社をして上記①及び②の行為をさせない。

 

・ VACは、本応募契約(VAC)締結日から本公開買付期間の末日までの間に、第三者から競合取引に係る提案を受けた場合、その旨及び当該提案の内容を速やかに公開買付者に対して通知し、対応について誠実に協議する。

 

(エ) 株主総会に関する事項

・ VACは、公開買付者の事前の書面による同意なく、当社の株主総会の招集を請求せず、また、当社の株主総会における議決権の行使に関して当社と協議しない。

・ 本公開買付けに係る決済の開始日以前の日を権利行使の基準日とする当社の株主総会が開催される場合、当該株主総会における議決権その他の権利について、公開買付者の指示に従って行使する。

 

(オ) 対抗提案

・ VACは、本応募契約(VAC)締結日から本公開買付期間の末日の5営業日前までの間、①(ⅰ)法第27条の2に基づき、当社株式及び本新株予約権の全てを対象として、本公開買付価格を上回る価格での対抗的な公開買付け(本「④ 本応募契約及び本LP持分取得契約(VAC)」において、以下「対抗提案」といいます。)が開始され、(ⅱ)当社の取締役会が、当該対抗提案に賛同する旨の意見を表明し、当社の株主に対して当該対抗提案に応募することを推奨する場合(本「④ 本応募契約及び本LP持分取得契約(VAC)」において、かかる対抗提案を以下「優越提案」といいます。)であって、②VACが本応募契約(VAC)の規定に違反しておらず、かつ、③財務アドバイザー及び外部の法務アドバイザーと協議の上、当該優越提案に応募しないことが、適用ある法令等に基づくVACの共同ポートフォリオ・マネジャーの投資家に対する義務に違反すると誠実に判断した場合は、公開買付者に対し、本公開買付価格を当該優越提案に係る公開買付価格と同じ水準以上に引き上げることを請求することができ、かかる請求から3営業日以内に公開買付者がこれに応じない場合、VACは当該優越提案に応募することができる。

 

上記のほか、本応募契約(VAC)においては、VACによる表明保証(注3)、補償条項、契約の終了・解除事由、一般条項が規定されているとのことです。

(注3) 本応募契約(VAC)において、VACは、①設立及び存続の有効性、②本応募契約(VAC)の締結及び履行に必要な権限及び権能の存在、③本応募契約(VAC)の有効性及び強制執行可能性、④必要な許認可等の取得、⑤本応募契約(VAC)の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑥反社会的勢力に該当しないこと及び反社会的勢力との関係の不存在、⑦法令遵守、⑧倒産手続等の不存在、並びに⑨当社の株式等に関する事項について表明及び保証を行っているとのことです。

 

また、KKRファンド、TK Investment GP LLC及びKKRファンド2は、ValueAct Japan Master Fund, L.P.、ValueAct Strategic Master Fund IV, L.P.及びValueAct Strategic Global Master Fund, L.P.との間で、2025年7月27日付けで、本公開買付けの成立及びその他の一般的な事項を充足することを条件として、VACは、本公開買付けの本公開買付期間の末日(米国時間)において、金24,608,842,500円をKKRファンドに対して出資し、KKRファンドのリミテッド・パートナー持分を取得することを内容とする本LP持分取得契約(VAC)を締結したとのことです(注4)。

(注4) 本LP持分取得に関連して、KKRファンドとVACは、公開買付者親会社の取締役会で同社の売却やIPOその他所定の重大な事項が議論される場合に限りVACがオブザーバー1名を派遣できることを含む公開買付者親会社のガバナンスやモニタリングに関する事項、譲渡制限、KKRファンドのドラッグアロング権、VACのタグアロング権、VACの先買権、VACのエグジットに関する権利等のVACが保有するKKRファンドのリミテッド・パートナー持分の取扱いに関する事項のほか、終了事由等の一般条項等について合意されているとのことです。

 

 

4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】

 

氏名

役職名

所有株式数(株)

議決権の数(個)

江藤 隆志

代表取締役社長CEO

82,367

823

平野 聡

代表取締役会長

109,636

1,096

秋山 治彦

取締役、専務執行役員

61,410

614

伊藤 嘉邦

取締役、専務執行役員

29,657

296

渡邊 玲子

取締役、常務執行役員

31,175

311

山崎 直子

取締役

0

0

稲葉 善治

取締役

1,257

12

日髙 直輝

取締役

4,368

43

寺本 克弘

取締役

0

0

中井 元

取締役

565

5

中村 昭久

監査役

10,967

109

笠 信之

監査役

11,257

112

竹谷 敬治

監査役

0

0

鈴木 潔

監査役

0

0

342,659

3,421

 

(注1) 役職名、所有株式数及び議決権数は、本書提出日現在のものです。

(注2) 取締役の山崎直子、稲葉善治、日髙直輝、寺本克弘及び中井元の各氏は、社外取締役であります。

(注3) 監査役の竹谷敬治及び鈴木潔の両氏は、社外監査役であります。

(注4) 所有株式数及び議決権の数は、それぞれ当社の役員持株会を通じた所有株式数(小数点以下切捨て)及びそれらに係る議決権の数を含めております。

 

5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】

当該事項はございません。

 

6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】

当該事項はございません。

 

7 【公開買付者に対する質問】

当該事項はございません。

 

8 【公開買付期間の延長請求】

当該事項はございません。

 

以上