文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)会社の経営方針
当社グループは、世界トップレベルの高収益企業を築き、社会に貢献し、世界から尊敬を受ける企業を目指します。また、世界トップレベルの環境経営を積極的に進め、CSR・環境先進企業を目指すとともに、持続可能な開発目標(SDGs)達成に貢献します。
当社グループは、世界でトップレベルの高収益企業となることを経営方針としており、その実現のため、売上高経常利益率15%を達成すべき目標として取組んでまいります。
当社グループ関連市場におきましては、カメラ市場では、スマートフォンのカメラ機能の充実に加え、新型コロナウイルス感染症による外出の規制・自粛等による販売不振により、市場全体でこれまで以上に厳しい状況となりました。ドキュメントスキャナー市場やプリンター、情報関連市場では、在宅勤務による個人向けの需要増加があった一方、各企業の収益悪化により、オフィス向け機器やシステムへの投資が減少し、経済活動が大きく停滞した米国や欧州を中心に厳しい状況となりました。
現在、世界経済・日本経済ともに新型コロナウイルス感染症の影響を強く受け続けており、今後も感染の再拡大や経済活動の度重なる抑制など、混沌とした情勢が続くと考えられます。当社グループを取り巻く環境につきましても、カメラやオフィス機器、情報関連市場は引き続き状況が厳しく、予断を許さない情勢が続いています。このような状況下で、当社グループは以下の課題に取り組んでまいります。
<成長分野への参入とその確立>
当社グループでは現在、様々な成長分野への参入を進めております。宇宙関連分野ではこれまで開発を進めてきた超小型人工衛星だけでなく、小型ロケットの打ち上げについても事業化へ向けた準備を進めております。さらに当社グループの特長である小回りの利く規模、技術を生かし、医療分野では、血圧計や滅菌器、薬剤分包機に加え、歯科用ミリングマシンも本格的に販売を開始しました。農業分野では、当社で新たに開発し、当社で新たに開発し、当社内で野菜の栽培に用いている「植物工場用自動生産装置」の他社への販売を行っています。このように多くのスモールビジネス事業の確立を目指すとともに、若手の経営感覚を磨くための早期育成を行い、経営の人的基盤を強化してまいります。また、新たな事業に取り組むにあたり、従来にも増して全社員が一致団結してその持てる力を最大限に結集し、質の創造(世界に通用する倫理観・知識・技術および実行力を持った高品質企業を目指す)を強力に推進してまいります。
<製品品質と研究開発力の質の向上>
研究開発部門は縦横の情報交換をさらに密に行い、「製品品質の向上」、すなわちユーザーニーズを的確にとらえ、新しいアイデアを取り入れた「ムダのない商品開発」を実行してまいります。加えて、材料の応用研究にも注力していきます。さらに、「研究開発力の質の向上」を図るため、時代の流れをよく見極め、新しいものに失敗を恐れずに挑戦してまいります。加えて、社員一人ひとりが各々の分野で第一人者となるために行動し、そのために必要な投資や人材の育成と活用を図り、お客様に喜んでいただける製品を創出してまいります。
<事業・製品・生産拠点にマッチした生産体制の追求>
部品発注・生産から顧客への製品納入まで、物・情報の流れの過程でのすべてのムダを今まで以上に徹底的に排除し、生産工場の機能を常に見直し、生産性を向上させてまいります。そして、生産工場で働く人々のやりがいとスピードを重視した現場中心主義の体制を追求し続け、環境変化に素早くかつ柔軟に対応し、高機能、高品質、低コストで真に価値ある製品をお客様に提供し続けてまいります。
当社グループ(当社及びその連結子会社。以下、当該項目では「当社」という。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。当社では、グループ経営上のリスクについて、取締役会が定める「リスクマネジメント基本規程」に基づき設置されるリスクマネジメント委員会による活動において、毎年、当社の経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクの特定を行っており、以下のリスクもリスクマネジメント委員会活動を経て経営層での審議のうえ特定されたものです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社は、親会社であるキヤノン株式会社(2020年12月31日現在、当社の議決権の55.3%を所有)を中心とするキヤノングループの一員であります。
当社の売上高のうち、キヤノン株式会社に対する売上高の構成比は、当連結会計年度において50.1%を占めております。当社は、キヤノングループ以外への販売促進及び新規顧客開拓を積極的に進めておりますが、売上高構成比の過半数を占めるキヤノン株式会社の販売戦略や生産体制に関する方針の転換等があった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
キヤノングループ各社との主な取引関係は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」における「関連当事者情報」をご参照下さい。
また、キヤノングループにおいては、当社の一部製品または一部事業が競合関係にある場合があります。それぞれ得意な業務分野や技術分野を持って事業展開を図っておりますが、今後の製品戦略の変更等によって、競合関係に大きな変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、生産及び販売活動の一部を日本国外で行っておりますが、海外における事業活動には主に政治、外交問題または不利な経済状況の発生、急激な為替レートの変動と予期しない政策及び法制度、規制等の変更のリスクがあります。日本、アメリカ、ヨーロッパ及びアジアなどの当社の主要な市場において、景気が後退した場合や米中貿易摩擦の問題がさらに深刻化した場合など、外交問題または不利な経済状況の発生時には、対象製品の需給の大きな変化や個人消費や民間設備投資の減少が当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、急激な為替レートの変動が、外貨建売上など当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。そして、外貨建の取引から生じる当社の資産及び負債の円貨額や海外子会社の外貨建財務諸表から発生する為替換算調整勘定も変動する恐れがあります。
加えて、世界の各国・各地域では政治、行政や法制度整備に係る様々な問題があり、当社が予期しない政策及び法制度、規制等の変更に直面するリスクがあります。
政治、外交問題または不利な経済状況の発生については、当社は、当社現地法人と日常的な意思疎通を通じて収集した関連情報や定期的なビジネス概況ヒアリングによる関連情報を業績予想に反映しております。また、特定の市場または世界全体で需要の減少が見込まれる場合は、当社は商品の生産、供給体制に応じて生産調整を実施しています。
急激な為替レートの変動に関しては、当社は当社現地法人を含め、定常的に短期為替予約の為替ヘッジ取引を実施し、直近の為替水準を反映した価格で製品市場に投入するなどの対策を講じております。
予期しない政策及び法制度、規制等の変更について、当社は特に国際的な環境規制や税制変更に係る対策を強化しております。また、公正競争、腐敗防止、個人情報保護、安全保障貿易管理、環境その他の法規正に関しては、各所管部門による統制の下、遵守を徹底しています。
上記の対応にもかかわらず、当社が国際的な企業活動を行う際に伴う様々なリスクについて対処していくことができない場合、当社のビジネス、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社では、各生産部門の新製品対応や技術革新、あるいは生産能力の増強のため、毎年、新規または更新のための設備投資が必要であります。2020年12月31日現在、45億円の設備投資を計画しております。生産設備への投資については、急激な需要変動を前提に慎重を期しており、既存製造設備の活用やグループ内での柔軟な人員配置体制の構築を進めるなど、市場変更の影響を最小限に抑える施策を講じています。
しかしながら、これらの設備投資の実施により、償却費負担が増加しますが、計画通り生産が増加しない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は先端技術の研究開発を行うための投資を行っております。当連結会計年度において一般管理費に計上した研究開発費は50億78百万円であり、売上高の6.8%を占めております。
今後も積極的な研究開発投資を実行していく予定ですが、当該研究開発活動が計画通りに進まない可能性もあります。また、市場の変化をいち早く捉え、対策を講じるべく、事前の情報収集と分析を定常的に実施しておりますが、当社が選定した研究開発テーマに基づき開発した新規技術やそれを応用した製品が普及しない場合や、事業環境の変化等により更なる研究開発費の負担が生じた場合には、先行投資した研究開発費の回収が困難になるなど、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、「地球環境保全のための活動と実践」という方針のもと、本社所管部門を中心に全ての事業活動において環境を重視した様々な施策を推進し、環境、健康及び安全等に関する様々な法律・規則に従っております。予期せぬ法令違反等が生じた場合は、当社の業績に影響を与える可能性があります。また、当社は知的財産権(特許権等)の保護について、知的財産専門の組織を設置し、社内の管理体制を強化し、細心の注意を払っておりますが、将来当社が認識していない第三者の所有する知的財産権を侵害した場合、または当社が知的財産権を有する技術に対し第三者から当該権利を侵害された場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、国内外事業に関連して、訴訟その他法律的手続きの対象となるリスクがあります。当連結会計年度において当社の事業に影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来重要な訴訟等が提起された場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
地震等の自然災害や事故、テロをはじめとした当社によるコントロールが不可能な事由によって、当社の生産拠点及び設備等が壊滅的な損害を被る可能性があります。この場合は当社の操業が中断し、生産及び出荷が遅延することにより売上高が低下し、さらに、生産拠点等の修復または代替のために巨額な費用を要することとなる可能性があります。これらのリスクに対し、当社は、会社の営業停止時に迅速な復旧を実現するため、初動対応事項や関係部門の役割分担、緊急時の連絡体制等の整備を行っています。また、当社の営業活動に用いる基幹システムについては、情報システムのダウンに備えてバックアップ体制を整えております。
また、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、世界各地のサプライチェーンや当社の生産活動に混乱をきたし、当社は、一部生産拠点での一時的な操業停止や減産などの対応をとりました。その後、日本政府の新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言や経済活動制限の影響により、当社の販売活動も悪影響を受けております。当社は、時差出勤の実施など、感染拡大の防止に努める一方で、このような外部環境の変化に対応し、国内・海外における生産活動及び販売活動の回復に取り組んでおります。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の収束時期についてはいまだ見通しがたっておらず、今後も当社のビジネス及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績
当連結会計年度(2020年1月1日から2020年12月31日まで)の世界経済・日本経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、経済活動が抑制され、極めて厳しい状況が続きました。特に第2四半期は各国でロックダウンが実施されるなど、経済活動の規制により景気が急激に悪化しましたが、第3四半期以降は徐々に経済活動が再開され、持ち直しの兆しが見られました。しかし、その後は感染の再拡大が進んだほか、年末には日本を含めた世界各地で感染の更なる拡大がみられるなど、予断を許さない状態が続きました。
このような状況の中、当社グループではコロナ禍でも競争力の強い製品に注力し、歯科用ミリングマシン「MD-500」等の新製品を発売したほか、事務機用ユニットや実装基板など他社製品の受託生産も推し進めました。このように小回りの利く規模、技術を生かしたスモールビジネス事業の立ち上げを行いました。また、フルサイズミラーレスの新製品が牽引するカメラ関連ユニットの販売、ドキュメントスキャナーにおける米国市場でのEコマースチャネルによる拡販活動や高級機タイプの販売チャネルの拡大を図るなど、売上の減少をカバーすべく取り組みましたが、当期の連結売上高は746億12百万円(前期比16.3%減)、連結経常利益は58億28百万円(前期比27.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は44億13百万円(前期比27.9%減)となりました。
なお、新規事業として取り組んでいる宇宙関連分野におきましては、2020年10月29日に当社製の超小型人工衛星「CE-SAT-ⅡB(シーイー・サット・ツービー)」の打上げに成功し、運用を開始しました。また、打上げから3年半が経過した「CE-SAT-I(シーイー・サット・ワン)」は現在も実証実験を順調に進めており、地上や天体の高精細画像を日々撮影しております。今後の衛星本体、撮影画像、内製コンポーネントの外販等に向けて、事業化の準備を着実に進めております。
当社グループでは目標とする経営指標として売上高経常利益率15%を将来の目標としております。当期につきましては、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響による経済活動の抑制や子会社における小型ロケット打ち上げサービスの事業化へ向けた準備費用の増加等により、当期の売上高経常利益率は7.8%となり、前連結会計年度に対して1.3%減少いたしました。今後も目標達成に向け、当社グループの特長である小回りの利く規模、技術を生かしたスモールビジネス事業の確立を目指し、収益力の向上に努めてまいります。また、新規事業として取り組んでいる宇宙関連分野におきましては、早期に収益化出来るように準備を推し進めてまいります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(コンポーネント)
コンポーネントセグメントにおきましては、デジタルカメラ関係は、スマートフォンのカメラ機能の充実により厳しい状況が続いているほか、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、売上は減少しました。レーザープリンター・複合機向けのレーザースキャナーユニットも、新型コロナウイルス感染症の影響による販売不振に伴い、売上は減少しましたが、6月以降はテレワーク等の生活スタイルの変化により、個人向けを中心に受注が回復しました。なお、ベトナム子会社ではプリンター部品の新製品の販売が好調に推移し、売上が増加しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は416億10百万円(前期比14.0%減)、営業利益は68億57百万円(前期比8.5%減)となりました。
(電子情報機器)
電子情報機器セグメントにおきましては、スキャナー製品関係では、日本国内や中国では販売が好調に推移しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で経済活動が大きく停滞した米国や欧州で販売が低迷し、売上は減少しました。ハンディターミナル関係では、販売が前期を上回ることができず売上は減少しましたが、新製品のモバイルプリンター「BP-F400」とスキャナー一体型の小型ハンディターミナル「PRea ST-150」を第4四半期に発売し、今後の拡販に向けて準備を進めています。レーザープリンター関係では、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により一部機種の生産が当初の予定を下回り、売上は減少しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は232億96百万円(前期比22.2%減)、営業利益は24億43百万円(前期比23.2%減)となりました。
(その他)
その他セグメントにおきましては、情報関連事業は、情報セキュリティ対策ソフト「SML」でテレワーク向け分析パッケージの開発、提案を進めたほか、学校向け教務管理システム「SCHOOL AID(スクールエイド)」、顧客情報管理システム(CRM)等の受注活動を積極的に展開しましたが、各企業の収益悪化によりシステムへの投資が減少し、売上は減少しました。環境機器事業は、小型電動射出成形機の販売が前期を下回りましたが、2020年1月に発売した歯科用ミリングマシン「MD-500」の販売が堅調に進んでおり、売上は増加しました。医療関連機器では、薬剤分包機の売上が前期を下回り、売上は減少しました。なお、スペースワン株式会社では、和歌山県串本町で日本初の民間企業が所有するロケット打上げ射場「スペースポート紀伊」の建設を進めており、2022年第1四半期中の小型ロケット打上げサービスの開始を目指し、ロケット事業に関しても事業化に向けた準備を進めております。
これらの結果、当セグメントの売上高は97億5百万円(前期比10.6%減)、9億16百万円の営業損失となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 金額は販売価格によっております。
3. 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は販売価格によっております。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(単位:百万円)
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②財政状態
当連結会計年度末の総資産は1,172億11百万円となり、前連結会計年度末に比べ19億74百万円増加しました。流動資産は759億34百万円となり、2億74百万円増加しました。固定資産は412億77百万円となり16億99百万円増加しました。うち有形固定資産は352億81百万円となり15億95百万円増加しました。
当連結会計年度末の負債は195億82百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億6百万円減少しました。流動負債は141億99百万円となり、25億8百万円減少しました。固定負債は53億83百万円となり、22億1百万円増加しました。
当連結会計年度末の純資産は976億29百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億80百万円増加しました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の81.7%から81.5%となりました。
③キャッシュ・フロー
当連結会計年度においては、主に税金等調整前当期純利益と減価償却費により、営業活動によるキャッシュ・フローは53億3百万円の収入(前期比27億44百万円収入減)となりました。また、投資活動によるキャッシュ・フローは新製品投資、生産能力増強のための設備投資、貸付けによる支出及び貸付金の回収による収入により36億19百万円の支出(前期比9億67百万円支出増)となり、フリーキャッシュ・フローは16億83百万円のプラスとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローは長期借入及び非支配株主からの払込みによる収入、配当金の支払により10億96百万円の収入(前期比43億25百万円収入増)となり、これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は235億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ26億1百万円増加しました。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、材料費、人件費、新製品開発に必要な研究開発費及び設備投資資金です。これらの資金需要につきましては、自己資金を充当しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結会計年度末における資産、負債の金額及び連結会計年度における収益、費用の金額に影響を与える重要な会計方針及び各種引当金等の見積り方法(計上基準)につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
連結財務諸表等の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
当社グループは、割引率、予想昇給率、退職率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算上で設定される前提条件に基づいて退職給付債務及び退職給付費用を算出しております。この前提条件が実際の結果と異なる場合又は変更された場合、将来の退職給付債務及び退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
キヤノン株式会社との契約
当社は、キヤノン株式会社との間に以下の契約を締結しております。
当社グループは競争が激化する厳しい市場環境に対応するため、現行事業の更なる拡大と、新規事業の創出を図るべく、新製品開発活動を行っております。
当連結会計年度において、一般管理費に計上している研究開発費は
セグメントごとの研究開発活動状況は次のとおりであります。
(1)コンポーネント
デジタルカメラ市場の縮小が続く中、セットメーカー各社はスマートフォンとの親和性、あるいは、スマートフォンには無い機能を訴求することで新たな需要を掘り起こすべく製品開発に取組んでいます。また、デジタルカメラ市場ではミラーレスカメラへのシフトが進み、小型、軽量化、高機能化の競争が激化し、当社を取り巻く市場環境も厳しさを増しております。このような環境下において、当社はセットメーカーのカスタムニーズに的確に応えたシャッターや絞りユニット、光学フィルタを開発し、シェア拡大に取組んで参りました。
このような活動の結果、当セグメントにおける研究開発費の金額は
(2)電子情報機器
ドキュメントスキャナーにおいては、リテールチャネル向けモデルを中心に、3機種を立ち上げました。また、2019年に開発したDR-S150をネットワーク上で活用するためのサーバーアプリケーション(COT Admin)及びNFC(近距離無線通信)を搭載した給紙トレイオプションを立ち上げました。これにより、多様なオフィスネットワーク環境において、ユーザーの認証をしてスキャニングを行うことが可能となり、セキュリティ面で一層の強化を図ることが出来ました。また、ドキュメントスキャナーの技術を活用し、写真のスキャンに特化したフォトスキャナーの開発を行いました。過去に撮り貯めた写真をデータ化して管理するニーズにこたえるため、退色補正などの写真に特化した画像処理を盛り込みました。さらに、読取ユニットをCCDからCISに変更し、外装に使用するプラスチックを大幅に削減することで、環境に配慮したA3サイズ対応のフラットベッドスキャナーオプションを開発しました。製品に使用するプラスチックを前機種重量比で90%削減以上するとともに、リサイクル率を93.6%まで高めることが出来ました。ハンディターミナルにおいては、A4サーマルプリンタであるBP-F400および、レーザースキャナ対応ハンディターミナルのエントリーモデルであるPRea ST-150を開発しました。BP-F400はキヤノン電子が得意とするモバイルシーンを考慮した小型軽量プリンタであり、金融機関における契約書・約款、メンテナンス業における領収書・納品書・サービス報告書等の印刷用途に適した仕様を実現しました。PRea ST-150は、ハンディターミナルに求められる基本機能を網羅するだけではなく、働く人へのモチベーション向上につながるデザインを採用し、環境を配慮したプラスチックレス梱包も実現しました。
このような活動の結果、当セグメントにおける研究開発費の金額は
(3)その他
小型ロケットによる人工衛星の打上げサービスの事業化を目的とする子会社、スペースワン株式会社では、ロケット機体の設計作業を進めているほか、和歌山県串本町で日本初の民間企業が所有するロケット打上げ射場「スペースポート紀伊」の建設を進めております。
このような活動の結果、当セグメントにおける研究開発費の金額は
なお、各セグメントに配分できない基礎研究に係る研究開発費の金額は2,779百万円となりました。
また、新規事業の一環として、宇宙関連分野では、これまで培ってきた高品質・短納期の強みを活かし、超小型人工衛星や内製コンポーネント、撮影画像の受注を開始します。2020年10月には自社開発・製造の超小型人工衛星「CE-SAT-ⅡB」の打上げに成功し、運用実証も順調に進んでおります。農業分野では、植物工場向けの生産設備や温度・湿度等の管理システム、そして種蒔き、植え替え、収穫といった手作業を自動化した装置の開発に取り組み、これまでに植物の苗を植え替えする移植機の販売を開始したほか、自動で種まきを行う播種機も販売の段階へ進んでおります。更に移植機については画像認識とAIを組み合わせた自動検査機能を追加したモデルの開発も行っており、これらの販売開始の準備を進めています。