第2【事業の状況】

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1)会社の経営方針

 当社グループは、世界トップレベルの高収益企業を築き、社会に貢献し、世界から尊敬を受ける企業を目指します。また、世界トップレベルの環境経営を積極的に進め、CSR・環境先進企業を目指すとともに、持続可能な開発目標(SDGs)達成に貢献します。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、世界でトップレベルの高収益企業となることを経営方針としており、その実現のため、売上高経常利益率15%を達成すべき目標として取組んでまいります。

 

(3)経営環境

当社グループ関連市場におきましては、カメラ関連市場では、経済活動の再開とカメラやレンズの商品展開の拡大により、市場が大きく回復しました。ドキュメントスキャナー市場では、DXの進展や経済活動の再開による需要の回復により、引き続き拡大傾向にあります。情報関連市場では、コロナ禍で縮小や延期となっていたシステムへの投資が回復してきており、市場が拡大に転じています。

 

(4)中長期的な会社の経営戦略、対処すべき課題

 当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大やサスティナビリティをはじめとする社会課題への関心の高まりなど、大きく変化しております。このような状況において、当社グループを取り巻く環境は引き続き厳しく、予断を許さない情勢が続いています。このような状況下で、当社グループは以下の課題に取り組んでいます。

<感染症対策の徹底と対応の強化>

 新型コロナウイルス感染症について、職場環境の整備などさまざまな感染対策を講じ、社員や取引先をはじめとするステークホルダーの健康および安全確保と事業活動継続に取り組み、安定して製品・サービスを提供できる体制を構築してまいりました。今後も感染の再拡大や経済活動の抑制など混沌とした状況が続くと考えられますが、関係各部門が緊密に連携し、引き続きステークホルダーの健康と安全に配慮しながら安定的な製品・サービスの提供を続け、今後事業環境に大きな変化があった場合でもその対応力を高めるべく、企業体質の強化を図ってまいります。

<成長分野への参入とその確立>

 当社グループでは現在、さまざまな成長分野への参入を進めております。宇宙関連分野ではこれまで開発を進めてきた超小型人工衛星だけでなく、小型ロケット打上げサービスについても事業化へ向けて準備を進めております。さらに、当社グループの特長である小回りの利く規模、技術を生かし、医療分野では、血圧計や滅菌器に加え、歯科用ミリングマシンも販売を拡大しました。農業分野では、当社で新たに開発し、当社内で野菜の栽培に用いている「植物工場用自動生産装置」の他社への販売も行っています。このように数多くのスモールビジネス事業の確立を目指すとともに、若手の経営感覚を磨くための早期育成を行い、経営の人的基盤を強化してまいります。

<ESG経営・サスティナビリティへの取り組み推進>

 当社グループでは、これまで長年取り組んできた環境経営への取り組みを基礎として、サスティナビリティカンパニーへの進化を推し進めております。また、コンプライアンスの徹底やコーポレートガバナンスの体制強化、サプライチェーンマネジメント、地球温暖化防止への貢献、人権への配慮や多様な人材の確保と育成などにも積極的に取り組み、2022年12月には日本で初めてSGS社によるESG管理体制の認証を取得しました。そして、世界的に提唱されている2050年カーボンニュートラルの実現を見据えた対応も重要な課題と考えており、2030年にCO2排出量2013年比46%削減、2050年にCO2排出量実質ゼロという目標を掲げて活動しております。引き続き、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献する技術や製品の提供・開発を進めるとともに、気候変動対応など多様なリスクへの対応を進めてまいります。

 

<人的資本への投資>

 将来の経営リーダー層の育成と事業の専門領域の深耕、先鋭化を促すため、人材の育成と外部人材の採用を進めております。また、中核人材のマネジメント層への登用を目的としたマネジメント教育と各事業分野での専門教育を充実させることで、将来を担う経営層と各事業の領域、特性を踏まえた専門人材を育成しています。これらの取り組みを継続することで、各事業の更なる発展、また新規事業の早期の事業化に向けた取り組みを進めております。

<多様性の確保>

 当社では、女性、外国人など様々な職歴をもつキャリア採用を実施し、それぞれの特性や能力を最大限活かすための教育や職場環境の整備などの取り組みを進めてきました。その上で役割と成果に応じて、処遇や報酬を決定する「役割給制度」を導入し、性別や学歴、入社年数といった要素に関わらず、仕事の難易度や責任に応じた役割等級によって報酬を決定しております。また、課長代理職以上の女性管理職比率を2030年には、30%とすることを目標としています。この目標を達成するため、女性の採用比率が毎年30%超となるよう採用活動を実施しています。この他マネジメント層への登用を目的としたリーダーシップ研修等を実施し、管理職への登用に向けた施策を進めております。

 

2【事業等のリスク】

当社グループ(当社及びその連結子会社。以下、当該項目では「当社」という。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。当社では、グループ経営上のリスクについて、取締役会が定める「リスクマネジメント基本規程」に基づき設置されるリスクマネジメント委員会による活動において、毎年、当社の経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクの特定を行っており、以下のリスクもリスクマネジメント委員会活動を経て経営層での審議のうえ特定されたものです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 親会社等との関係について

当社は、親会社であるキヤノン株式会社(2022年12月31日現在、当社の議決権の55.2%を所有)を中心とするキヤノングループの一員であります。
 当社の売上高のうち、キヤノン株式会社に対する売上高の構成比は、当連結会計年度において49.5%を占めております。当社は、キヤノングループ以外への販売促進及び新規顧客開拓を積極的に進めておりますが、キヤノン株式会社の販売戦略や生産体制に関する方針の転換等があった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 キヤノングループ各社との主な取引関係は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」における「関連当事者情報」をご参照下さい。
 また、キヤノングループにおいては、当社の一部製品または一部事業が競合関係にある場合があります。それぞれ得意な業務分野や技術分野を持って事業展開を図っておりますが、今後の製品戦略の変更等によって、競合関係に大きな変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 

 

(2) 国際政治経済に関連するリスク

当社は、生産及び販売活動の一部を日本国外で行っておりますが、海外における事業活動には主に政治、外交問題または不利な経済状況の発生、急激な為替レートの変動と予期しない政策及び法制度、規制等の変更のリスクがあります。日本、アメリカ、ヨーロッパ及びアジアなどの当社の主要な市場において、景気が後退した場合など、外交問題または不利な経済状況の発生時には、対象製品の需給の大きな変化や個人消費や民間設備投資の減少が当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、ロシアウクライナ侵攻により、世界経済の先行きは極めて不透明な状況となっております。当該情勢の悪化・長期化に起因する原材料価格の高止まりやサプライチェーンの混乱などが続く場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、急激な為替レートの変動が、外貨建売上など当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。そして、外貨建の取引から生じる当社の資産及び負債の円貨額や海外子会社の外貨建財務諸表から発生する為替換算調整勘定も変動する恐れがあります。
 加えて、世界の各国・各地域では政治、行政や法制度整備に係る様々な問題があり、当社が予期しない政策及び法制度、規制等の変更に直面するリスクがあります。
 政治、外交問題または不利な経済状況の発生については、当社は、当社現地法人と日常的な意思疎通を通じて収集した関連情報や定期的なビジネス概況ヒアリングによる関連情報を業績予想に反映しております。また、特定の市場または世界全体で需要の減少が見込まれる場合は、当社は商品の生産、供給体制に応じて生産調整を実施しています。
 急激な為替レートの変動に関しては、当社は当社現地法人を含め、定常的に短期為替予約の為替ヘッジ取引を実施し、直近の為替水準を反映した価格で製品市場に投入するなどの対策を講じております。
 予期しない政策及び法制度、規制等の変更について、当社は特に国際的な環境規制や税制変更に係る対策を強化しております。また、公正競争、腐敗防止、個人情報保護、安全保障貿易管理、環境その他の法規正に関しては、各所管部門による統制の下、遵守を徹底しています。
 上記の対応にもかかわらず、当社が国際的な企業活動を行う際に伴う様々なリスクについて対処していくことができない場合、当社のビジネス、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 設備投資について

当社では、各生産部門の新製品対応や技術革新、あるいは生産能力の増強のため、毎年、新規または更新のための設備投資が必要であります。2022年12月31日現在、2023年12月期は45億円の設備投資を計画しております。生産設備への投資については、急激な需要変動を前提に慎重を期しており、既存製造設備の活用やグループ内での柔軟な人員配置体制の構築を進めるなど、市場変更の影響を最小限に抑える施策を講じています。
 しかしながら、これらの設備投資の実施により、減価償却費が増加し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、資産価値が下落した場合や事業の収益性が悪化した場合には、減損損失が発生し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 研究開発投資について

当社は先端技術の研究開発を行うための投資を行っております。当連結会計年度において一般管理費に計上した研究開発費は49億69百万円であり、売上高の5.1%を占めております。
 今後も積極的な研究開発投資を実行していく予定ですが、当該研究開発活動が計画通りに進まない可能性もあります。また、市場の変化をいち早く捉え、対策を講じるべく、事前の情報収集と分析を定常的に実施しておりますが、当社が選定した研究開発テーマに基づき開発した新規技術やそれを応用した製品が普及しない場合や、事業環境の変化等により更なる研究開発費の負担が生じた場合には、先行投資した研究開発費の回収が困難になるなど、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5) 環境規制・法令遵守・知的財産権について

当社では、「地球環境保全のための活動と実践」という方針のもと、本社所管部門を中心に全ての事業活動において環境を重視した様々な施策を推進し、環境、健康及び安全等に関する様々な法律・規則に従っております。予期せぬ法令違反等が生じた場合は、当社の業績に影響を与える可能性があります。また、当社は知的財産権(特許権等)の保護について、知的財産専門の組織を設置し、社内の管理体制を強化し、細心の注意を払っておりますが、将来当社が認識していない第三者の所有する知的財産権を侵害した場合、または当社が知的財産権を有する技術に対し第三者から当該権利を侵害された場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 重要な訴訟について

当社は、国内外事業に関連して、訴訟その他法律的手続きの対象となるリスクがあります。当連結会計年度において当社の事業に影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来重要な訴訟等が提起された場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 災害等について

地震等の自然災害や事故、テロをはじめとした当社によるコントロールが不可能な事由によって、当社の生産拠点及び設備等が壊滅的な損害を被る可能性があります。この場合は当社の操業が中断し、生産及び出荷が遅延することにより売上高が低下し、さらに、生産拠点等の修復または代替のために巨額な費用を要することとなる可能性があります。これらのリスクに対し、当社は、会社の営業停止時に迅速な復旧を実現するため、初動対応事項や関係部門の役割分担、緊急時の連絡体制等の整備を行っています。また、当社の営業活動に用いる基幹システムについては、情報システムのダウンに備えてバックアップ体制を整えております。
 また、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、世界各地のサプライチェーンや当社の生産活動に混乱をきたし、当社の販売活動も影響を受けております。当社は、時差出勤の実施やワクチンの職域接種など、感染拡大の防止に努める一方で、このような外部環境の変化に対応し、国内・海外における生産活動及び販売活動の回復に取り組んでおります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

 ①経営成績

 当連結会計年度(2022年1月1日から2022年12月31日まで)の世界経済・日本経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行が続き、世界的に猛威を振るいましたが、ワクチンの接種が広く進んだことで、行動制限の緩和とともに経済活動が再開され、需要が回復してきました。一方、半導体をはじめとする電子部品や材料等の供給が国際的にひっ迫し、前年に引き続き深刻な状況が続きました。また、ロシアによるウクライナ侵攻が長期化したことや、原材料・原油価格の高騰、輸送価格の上昇や配船の遅延、電気料金の値上げなどにより、先行きが不透明で予断を許さない状況が続きました。さらに、国内での物価上昇に伴う給与の引き上げ実施もコストアップの要因となりました。

 このような状況の中、当社グループでは、各セグメントにおいて積極的な販売活動を進めるとともに、原価上昇に伴う販売価格の見直しを行いました。カメラ用部品や事務機用ユニットなど需要が回復した製品の増産対応を進めたほか、スキャナー関係では商談が活発化してきた政府・金融向けを中心に積極的な拡販活動を展開しました。また、歯科用ミリングマシン「MD-500」の販売を拡大したほか、事務機用ユニットや実装基板など他社製品の受託生産を推し進めるなど、小回りの利く規模、技術を生かしたスモールビジネスの拡大に取り組みました。また、フルサイズミラーレスの新製品が牽引するカメラ関連ユニットの販売、ドキュメントスキャナーのEコマースチャネルでの拡販を進めたほか、製品の包装へのプラスチック使用量を削減するなど、サスティナビリティへの取り組みも推進しました。その結果、当期の連結売上高は965億6百万円(前期比16.8%増)、連結経常利益は89億22百万円(前期比26.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は69億20百万円(前期比28.3%増)となりました。

当社グループでは目標とする経営指標として売上高経常利益率15%を将来の目標としております。当連結会計年度の売上高経常利益率は、前連結会計年度の8.6%から0.6ポイント増加し、9.2%となりました。今後も目標達成に向け、当社グループの特長である小回りの利く規模、技術を生かしたスモールビジネス事業の確立を目指し、収益力の向上に努めてまいります。

 なお、宇宙関連分野におきましては、2020年10月に打ち上げた当社製の超小型人工衛星「CE-SAT-ⅡB(シーイー・サット・ツービー)」と、打上げから5年半が経過した「CE-SAT-I(シーイー・サット・ワン)」の実証実験を順調に進めており、地上の高精細画像を日々撮影しております。また、衛星本体や撮影画像、内製コンポーネントの受注を順次開始しております。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(コンポーネント)

コンポ―ネントセグメントにおきましては、デジタルカメラ関係は、引き続きミラーレスカメラの売上が好調に推移しており、これにより当社が製造しているシャッターユニット・絞りユニット等のカメラ部品の生産数が大幅に回復し、前年と比べ売上が増加しました。レーザープリンター・複合機向けのレーザースキャナーユニットは、テレワーク等のワークスタイルの変化によりパーソナル向けを中心に受注が増加したほか、オフィス向け複合機の需要も回復しつつあり、前年と比べ売上が増加しました。なお、ベトナム子会社において生産を行っているプリンター部品は、プリンター本体増産により部品の生産数も増え、前年と比べ売上が増加しました。

これらの結果、当セグメントの売上高は570億29百万円(前期比24.2%増)、営業利益は93億99百万円(前期比31.8%増)となりました。

 

 

(電子情報機器)

電子情報機器セグメントにおきましては、スキャナー製品関係では、米州・中国・東南アジア地域・韓国向け売上が前年を上回り、その他の地域と合わせた全体の売上も前年と比べて増加しました。ハンディターミナル関係では、モバイルプリンターの販売が前年を下回りましたが、業務用情報端末の新製品「GT-50シリーズ」の売上が寄与し、ハンディターミナル本体の売上が前年を上回り、全体の売上も前年と比べ増加しました。レーザープリンター関係では、レーザープリンター本体やオプション等の生産を推し進め、前年と比べ売上は増加しました。なお、当セグメントにおいて、日本国内と欧州向けに、プリントされた写真をデジタル化する用途に対応したフォトスキャナー「RS40」を発売しました。また、可動式のスポットライトを搭載し、アルミ削り出しボディを使用した小型Bluetoothスピーカー「albos Light & Speaker」を発売しました。

これらの結果、当セグメントの売上高は291億45百万円(前期比11.2%増)、営業利益は34億83百万円(前期比9.3%増)となりました。

(その他)

その他セグメントにおきましては、情報関連事業は、各企業のシステムへの投資が縮小や延期となっておりましたが、情報セキュリティ対策ソフト「SML」においてテレワークや働き方の可視化に向けた分析パッケージの開発、提案を進めたほか、学校向け教務管理システム「SCHOOL AID(スクールエイド)」、顧客情報管理システム(CRM)等の受注活動を積極的に展開し、前年と比べ売上は増加しました。環境機器事業は、歯科用ミリングマシン「MD-500」ならびに前年に発売した新製品「MD-500S」の販売台数を伸ばしました。医療関連機器では、血圧計や滅菌カートリッジの販売は増加したものの、一部製品の減産の影響を受け、前年と比べ売上が減少しました。また、スペースワン株式会社では、小型ロケット打上げサービス開始に向けて準備を進めているため、前年同期と比べ費用が増加しました。

これらの結果、当セグメントの売上高は103億31百万円(前期比1.7%減)、29億92百万円の営業損失となりました。

 

 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:百万円)

セグメントの名称

生産高

前年同期比(%)

コンポーネント

55,469

112.8

電子情報機器

29,419

110.9

その他

1,497

81.2

合計

86,386

111.4

 

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。

2. 金額は販売価格によっております。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:百万円)

セグメントの名称

受注高

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

コンポーネント

58,690

124.2

10,017

118.7

電子情報機器

30,719

113.4

6,346

127.9

その他

10,746

97.5

3,795

122.1

合計

100,156

117.3

20,159

122.1

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は販売価格によっております。

 

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:百万円)

セグメントの名称

販売高

前年同期比(%)

コンポーネント

57,029

124.2

電子情報機器

29,145

111.2

その他

10,331

98.3

合計

96,506

116.8

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

(単位:百万円)

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高

割合
(%)

販売高

割合
(%)

キヤノン㈱

41,958

50.8

47,773

49.5

 

 

 ②財政状態

当連結会計年度末の総資産は1,374億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ112億24百万円増加しました。流動資産は888億93百万円となり、71億94百万円増加しました。固定資産は485億99百万円となり40億30百万円増加しました。うち有形固定資産は411億34百万円となり20億72百万円増加しました。

当連結会計年度末の負債は261億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ28億26百万円増加しました。流動負債は202億98百万円となり、15億13百万円増加しました。固定負債は58億98百万円となり、13億12百万円増加しました。

当連結会計年度末の純資産は1,112億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ83億98百万円増加しました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の79.4%から78.3%となりました。

 

 ③キャッシュ・フロー

当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益、減価償却費、棚卸資産の増加及び売上債権の増加等により41億63百万円の収入(前期比14億19百万円収入増)となりました。また、投資活動によるキャッシュ・フローは新製品投資、生産能力増強等の設備投資等により54億90百万円の支出(前期比5億6百万円支出増)となり、フリーキャッシュ・フローは13億27百万円のマイナスとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローは社債の発行及び非支配株主からの払込みによる収入、配当金の支払等により17億20百万円の収入(前期比12億48百万円収入増)となり、これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は233億44百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億38百万円増加しました。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

  ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

 

  ②資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要のうち主なものは、材料費、人件費、新製品開発に必要な研究開発費及び設備投資資金です。これらの資金需要につきましては、自己資金を充当しております。

 

  ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結会計年度末における資産、負債の金額及び連結会計年度における収益、費用の金額に影響を与える重要な会計方針及び各種引当金等の見積り方法(計上基準)につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

連結財務諸表等の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

キヤノン株式会社との契約

 当社は、キヤノン株式会社との間に以下の契約を締結しております。

 

契約名

契約内容

契約期間

取引基本契約

請負取引及び売買取引に関する基本契約

1999年11月10日から
2000年11月9日まで
以降1年毎の自動更新

技術研究開発基本契約

共同開発・委託開発に関する基本契約

1981年1月1日から
1981年12月31日まで
以降1年毎の自動更新

 

 

5【研究開発活動】

当社グループは競争が激化する厳しい市場環境に対応するため、現行事業の更なる拡大と、新規事業の創出を図るべく、新製品開発活動を行っております。

当連結会計年度において、一般管理費に計上している研究開発費は4,969百万円であります。

セグメントごとの研究開発活動状況は次のとおりであります。

 (1)コンポーネント

デジタルカメラ市場ではミラーレスカメラへのシフトが進み、小型、軽量化、高機能化の競争が激化し、当社を取り巻く市場環境も厳しさを増しております。このような環境下において、当社はセットメーカーのカスタムニーズに的確に応えたシャッターや絞りユニット、光学フィルタを開発し、シェア拡大に取り組んでまいりました。

このような活動の結果、当セグメントにおける研究開発費の金額は133百万円となりました。

 

 (2)電子情報機器

ドキュメントスキャナーにおいては、2020年度に北米向けに立ち上げたリテール向け製品R40をベースに、R10で好評のCapture On Touch Liteを搭載したR30(A4)の開発を行いました。ドライバーをインストールせずにすぐに使えるスキャナーとしてECでの販売強化につなげます。また、DR-S150のスキャン機能を大幅に向上させたバージョンアップを行いました。今回のバージョンアップでは、DR-S150からPCを介さずに直接E-mailFTP送信できる機能が追加になります。また、Chrome Book(米グーグルが開発するChrome OS搭載ノートPC)からドライバーをインストールしなくてもスキャンできるように、Mopria Scanに対応しました。Chrome Bookは、教育現場でシェアを伸ばしており、今後も新たな需要を取り込めるよう、既存機のソフトウェアバージョンアップを積極的に行ってきます。そして、環境負荷低減への取り組みとして、DR-M1060(A3)DR-M140(A4)のマイナーチェンジとして DR-M1060II(A3)DR-M140II(A4)を開発しました。PCR(Post-consumer recycled resin)材の使用率を大幅に上げ、環境に配慮した製品としました。さらに、DR-M140IIにおいては、梱包材を段ボールに変更するとともに、同梱していたセットアップディスク(DVD)を廃止し、ソフトウェアをサーバーからダウンロードしてインストールする仕組みに変更しました。

ハンディターミナルにおいては、OSにWindows 10 IoT Enterpriseを採用した標準モデルGT-50にサーマルプリンターを内蔵したGT-50Pを開発し、既存顧客のリプレイスに対応する製品を開発しました。また本製品は環境に配慮し、プラスチックレス梱包を継続して実現しております。オプション製品の通信ユニットOC-8WLでは製品形状を従来機から大きく形状変更し、製品サイズを小さくしても機能を満たすようにすることで梱包材だけでなく製品に使用するプラスチック量の削減も実現いたしました。

さらに、スポットライト型アルミスピーカー「albos Light & Speaker」を2022年12月15日に販売開始しました。(albos=always by our side/いつも私たちのそばに)albosは、心地よいサウンドと光により日常から切り離されたパーソナルな空間を演出するスポットライト型のワイヤレススピーカーです。円筒形のフォルムと理想的なスピーカー配置により、クリアで豊かな音の響きを360°全方位から体感できます。ボディーはアルミ削り出しで、堅牢性と美しさを演出したデザインとなります。2種類の光色(暖色、白色)で、それぞれ3段階に調光できるライトは、照射角度をフリーストップで調整でき、目的やシーンに合わせた使い方ができます。今後、販売会社と協力して、第2、第3の機種を開発し、albosを育ててまいります。

このような活動の結果、当セグメントにおける研究開発費の金額は844百万円となりました。

 

 

  (3)その他

歯科用ミリングマシン関連では、「MD-500」がNRTL認証機関にて北米の安全規格を取得し、米国での販売を開始しました。

小型ロケット「カイロス」による人工衛星の打上げサービスの事業化を目的とする子会社、スペースワン株式会社では、ロケット機体の開発を進めているほか、和歌山県串本町で日本初の民間企業が所有するロケット打上げ射場「スペースポート紀伊」を建設し、小型ロケット打上げサービスの開始を目指し、準備を進めております。

このような活動の結果、当セグメントにおける研究開発費の金額は2,137百万円となりました。

 

なお、各セグメントに配分できない基礎研究に係る研究開発費の金額は1,854百万円となりました。

 

また、新規事業の一環として、宇宙関連分野では、打上げから2年が経過した自社開発・製造の超小型人工衛星「CE-SAT-ⅡB」と、打上げから5年半が経過した「CE-SAT-Ⅰ」の実証実験を順調に進めております。また、これまで培ってきた高品質・短納期の強みを活かし、衛星本体や内製コンポーネント、撮影画像の注文を受け付けております。農業分野では、植物工場向けの生産設備や温度・湿度等の管理システム、そして種蒔き、植え替え、収穫といった手作業を自動化した装置の開発に取り組み、これまでの植物の苗を植え替えする移植機に加え、自動で種まきを行う播種機も販売しております。更に移植機については画像認識とAIを組み合わせた自動検査機能を追加したモデルの開発も行っており、これらの販売開始の準備を進めています。また、栽培規模に合わせた自動機の提案を行い、ニーズに合った商品化を進めています。