第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当社グループを取り巻く環境は、海外においては、新興国を中心に医療機器市場の成長が続いているものの、各国メーカーが供給体制を強化する等競争は更に激しさを増しています。また、国内においては、医療分野に新たな成長を求めた異業種からの新規参入が加速する一方で、医療機器に対する安全性や品質等への要求が一層強まる中、少子高齢化の進展、国家財政及び医療保険財政の深刻化を背景に、薬価・材料価格を引き下げ、医療費全体の伸びを抑える医療政策が継続しています。
 このような環境の中、当社グループは、「かけがえのない生命のために」の創業精神の下、「医療を必要とする人と支える人の架け橋となり、健康でより豊かな生活に貢献することですべての人々を笑顔にする」ことを目指して、製品の開発、生産、販売を進めると共に、経営の品質と企業価値の向上に努めております。事業活動としましては、販売品目を4つのシステム群に分類し、輸液輸血群及び一般用品群では、医療の安全に貢献する輸液及び経腸栄養関連製品を、透析群では、医療の効率化に資する血液透析及び腹膜透析の両分野の製品を、循環器群では、膜型人工肺、人工心肺回路等の高付加価値製品を中心に、製品の開発・生産・販売を進め収益拡大に努めてまいりました。
 以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ20億61百万円減少の555億74百万円(前連結会計年度比3.6%減)となりました。
 利益につきましては、大型投資にかかる償却負担や開発費の増加等により、営業利益は11億6百万円(前連結会計年度比22.2%減)となりました。一方で、持分法による投資利益の計上や為替差損が減少したこと等により、経常利益は14億51百万円(前連結会計年度比15.9%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は11億82百万円(前連結会計年度比56.7%増)となりました。

 

 セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

①日本

 経腸栄養システム製品の販売が増加したものの、検診用手袋の販売が減少したため、売上高は418億66百万円(前連結会計年度比0.7%減)となりました。また、セグメント利益については、償却負担の増加等があるものの、収益率の上昇により、7億97百万円(前連結会計年度比41.4%増)となりました。

 

②東南アジア

欧州向けの成分献血用回路の販売が増加したものの、AVF針(血液透析用針)の販売が減少したため、売上高は180億92百万円(前連結会計年度比10.7%減)となりました。また、セグメント利益については、為替による外貨建て仕入取引にかかる原価の増加により7億94百万円(前連結会計年度比7.2%減)となりました。

 

③中国

 日本向けの輸液セットの販売が増加したものの、円貨換算額の減少により売上高は39億50百万円(前連結会計年度比5.0%減)となりました。また、セグメント利益については、現地通貨ベースの増収効果等により、前連結会計年度に比べ3億69百万円増加の2億95百万円となりました。

 

④ドイツ

 オーストラリア向けの透析チェアーの販売が減少したため、売上高は29億32百万円(前連結会計年度比11.6%減)となりました。また、セグメント利益については、為替による外貨建ての仕入取引にかかる原価の増加により86百万円(前連結会計年度比70.4%減)となりました。

 

⑤アメリカ

 北米向けのAVF針の販売が減少したため、売上高は24億90百万円(前連結会計年度比20.5%減)となりました。また、セグメント利益については、減収の影響により93百万円(前連結会計年度比20.7%減)となりました。

 

⑥その他

 売上高は16億10百万円(前連結会計年度比14.1%減)、セグメント損益については、前連結会計年度に比べ2億53百万円減少の6億42百万円の損失となりました。

 

なお、上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況につきましては、現金及び現金同等物(以下「資金」という)の当連結会計年度末残高は63億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億51百万円(5.9%)増加しました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ1億49百万円増加の46億75百万円となりました。この主な要因は、未払消費税等の増減額によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は、前連結会計年度に比べ14億44百万円減少の48億9百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得にかかる支出の減少によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ28億2百万円減少の6億44百万円となりました。この主な要因は、借入金の収支差額によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

日本

24,239

△0.2

東南アジア

15,531

△8.9

中国

2,936

△10.5

ドイツ

64

+2.4

アメリカ

その他

2,167

+21.9

合計

44,941

△3.3

 

(注) 1 生産実績金額の算定基準は、平均販売価額によっております。

2 セグメント間の取引については、相殺消去前の金額を記載しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

日本

7,810

+3.5

東南アジア

中国

356

△14.4

ドイツ

608

△8.3

アメリカ

113

△2.8

その他

227

+3.5

合計

9,116

+1.7

 

(注) 1 商品仕入実績金額は、仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 受注実績

当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(4) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

日本

37,995

+2.0

東南アジア

8,929

△14.1

中国

1,623

△3.9

ドイツ

2,925

△11.8

アメリカ

2,490

△20.5

その他

1,610

△14.1

合計

55,574

△3.6

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 主要な販売先は、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上となる販売先がないため
記載を省略しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、1965年の創業以来「かけがえのない生命のために」という創業精神の下、「医療を必要とする人と支える人の架け橋となり健康でより豊かな生活に貢献することですべての人々を笑顔にします」という企業理念を掲げて、医療現場の課題を的確に捉え、その解決に真に役立つ価値の創造と提供に努めております。また、世界の医療の発展への貢献を通じて、株式会社として適正かつ効率的な運営を図り、健全な利益を確保して企業価値を高め、株主・患者さん・医療従事者・取引先・地域住民等全てのステークホルダーの皆様の利益・幸せを実現していくことを基本方針としております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、株主の皆様に対する適正かつ安定した利益還元を重視するとともに、財務体質の維持・向上を目指しており、中長期の収益力指標として連結営業利益率の向上と、財務体質改善指標として連結自己資本比率の改善を目標にしております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、「医療の安全」、「医療の効率化」、患者さんの「QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上」に貢献する製品とサービスをグローバルに提供してまいります。そのため、生産拠点の拡充と生産体制の再編によって世界最適生産を推進し、医療現場のニーズを的確にとらえた製品を競争力あるコストで市場に投入してまいります。さらに、優れた企業とのアライアンスによるシナジーを図りながら、これまで培った製品力、技術力を更に高め、基盤事業の収益力向上と新規事業の開拓に努めてまいります。

 

(4)経営環境及び会社の対処すべき課題

当社グループを取り巻く環境は、海外では新興国を中心とした医療市場がその経済成長と共に拡大を続ける中、各国メーカーが供給体制を強化する等競争は今まで以上に激しさを増すことが予測されます。また、国内においては、先端医療等高額医療サービスへの需要が拡大する一方で、高齢者人口の増加に伴う医療費の増大と国家の財政負担の一層の深刻化が見込まれることを背景に、医療費に対する支出を抑制する政策が継続して実施される等、今後も厳しい状況が続くことが予測されます。
 このような環境の中、当社グループにおきましては、医療を必要とする人と支える人の架け橋となり健康でより豊かな生活に貢献する製品とサービスの提供を目指し、次のとおり対応してまいります。
(医療の安全と効率化、患者さんのQOL向上に貢献できる製品の開発)
 患者さん・医療従事者の皆さんを感染や医療事故から守り「医療の安全」を実現することを目的とした製品群、病院や在宅での治療や看護を容易にする等医療現場で求められる「医療の効率化」に貢献できる製品群、患者さん自身の機能回復を助ける、あるいは、病気そのものから予防して「QOLの向上」を支える製品群等の開発に引き続き注力すると共に、将来を担う「再生医療」など先端医療分野の製品開発についても積極的に取り組んでまいります。
(生産の効率化等)
 生産に関しましては、医療機器に対する更なる需要増大に応えるため、国内において主力工場である出雲工場を拡張し、また、海外において新たにフィリピンで工場を稼働させました。これらを加えたグループ生産拠点全体で最適生産を実現すべく、生産効率の向上と技術革新に継続的に取り組み、一層の品質の安定化、コストの低減を進めて製品の競争力を高めていくと共に、効率のよい物流体制を整備・維持し、今後も安心・安全な製品を世界中の患者さん・医療従事者の皆さんのもとに届けてまいります。
(グローバル展開への取り組み)
 国や地域によって選択の基準が異なる中、これまで培ってきた当社の製品力、技術力を活かし、また、国内外の優れた企業とのアライアンスも図りながら、それぞれの医療ニーズに合った医療機器を提供すべく、戦略的に取り組んでまいります。

 

 

また、当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」といいます)並びに基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み(会社法施行規則第118条第3号ロ(2))の一つとして、下記のとおり、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針を導入しております。

 

① 基本方針の内容

当社は、当社の企業価値は、1965年(昭和40年)の創業当初より引き継がれている「かけがえのない生命のために」という創業精神の下、患者さんのQOLの向上を目指した企業活動を推進することにより、当社グループの株主・患者さん・医療従事者・取引先・地域住民等全てのステークホルダーの皆様の利益・幸せを実現していくことにその淵源を有するものと考えます。
 このような当社の企業価値の源泉が、当社の財務及び事業の方針の決定を支配することとなる大規模な当社株式の買付行為(以下「大規模買付行為」といいます)の下においても、中長期的に確保され、向上させられるものでなければ、当社の企業価値または株主の皆様共同の利益は毀損されることになります。したがって、大規模買付行為の目的からみて買収者が真摯に合理的な経営を目指すものではないことが明白である等、当社の企業価値または株主の皆様共同の利益が毀損されるおそれが存する場合には、かかる大規模買付行為は不適切であると考えます。

さらに、大規模買付行為の中には、1)一般株主に不利益な条件での株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、2)大規模買付行為に応じることの是非を一般株主が適切に判断するために必要な情報や相当な考慮期間が提供・確保されていないもの、3)大規模買付行為に対する賛否の意見または買収者が提示する買収提案や事業計画等に代替する事業計画等を会社の取締役会が株主に対して提示するために必要な情報、買収者との交渉機会、相当な考慮期間などを会社の取締役会に対して与えないもの等、会社の企業価値または株主の皆様共同の利益に対して回復困難な損害を与える可能性のあるものも少なくありません。当社はこれらの大規模買付行為も不適切であると考えます。
 当社は、当社の企業価値または株主の皆様共同の利益を確保・向上させる大規模買付行為であるか否かについて、株主の皆様がその提案やそれに対する当社の取締役会の経営方針等について十分な情報を得た上で、適切な判断を下すことを好ましいと考える反面、以上のように、当社の企業価値または株主の皆様共同の利益に反するおそれのある大規模買付や株主の皆様による適切な判断が困難な方法で大規模買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考え、法令及び定款によって許容される限度において、当社の企業価値または株主の皆様共同の利益の確保・向上のための相当な措置を講じることを、その基本方針といたします。

 

② 基本方針の実現に資する取組み

(イ) 企業価値向上への取組み

当社は、医療機器メーカーとして、創業以来独自の技術力とブランド力を培い、輸液・輸血分野、血液透析・腹膜透析分野、循環器分野といった幅広い医療領域において、たゆまぬ研究と製品開発の中から生み出した多種多様な医療機器や医薬品を、高い品質と安全性を最優先に医療現場にお届けすることにより、患者さんが安心して治療を受けることができる環境の提供に寄与してまいりました。
 加えて、中長期的には、医療事故への非難の高まり、医療費の抑制、社会の高齢化等医療領域を巡る外部環境の変化を踏まえた4つのテーマ、すなわち「医療の安全」、「医療の効率化」、「再生医療」、「医療を必要とする方のQOLの向上」を掲げ、当社の事業の方向性を明確にするとともに、選択と集中による経営資源の配分の見直しを継続的に進め、今後の収益基盤の確立に努めるとともに、積極的な事業投資、設備投資を行うことにより、当社の企業価値の向上、ひいては株主の皆様共同の利益の最大化に取組んでまいりたいと考えております。
 そして当社は、こうした取組みの着実な遂行を通じて株主の皆様からの信頼と理解を得ていくことで、企業価値または株主の皆様共同の利益をよりいっそう向上させることにより、基本方針の実現に努めてまいります。

 

(ロ) 基本方針に照らし不適切な者による支配の防止のための取組み

当社は、当社の総議決権の20%以上に相当する議決権を有する株式(以下「支配株式」といいます)を取得し、当社の財務及び事業の方針の決定の支配を目指す者(以下「買収者」といいます)に対し、場合によっては何らかの措置を講じる必要が生じ得るものと考えますが、上場会社である以上、株主の皆様が、当社の企業価値または株主の皆様共同の利益を確保・向上させる大規模買付行為であるか否かについて、買収者の提案やそれに対する当社の取締役会の経営方針等について十分な情報を得た上で、適切に判断を下すべきものであると考えております。
 しかしながら、株主の皆様に適切な判断を行っていただくためには、その前提として、当社固有の事業特性や当社グループの歴史を十分に踏まえていただいた上で、当社の企業価値とその価値を生み出している源泉につき適切な把握をしていただくことが必要であると考えます。
 そして、買収者による当社の支配株式の取得が当社の企業価値やその価値の源泉に対してどのような影響を及ぼし得るかを把握するためには、買収者から提供される情報だけでは不十分な場合も容易に想定され、株主の皆様に適切な判断を行っていただくためには、当社固有の事業特性を十分に理解している当社取締役会から提供される情報及び当該買収者による支配株式の取得行為に対する当社取締役会の評価・意見や、場合によっては当社取締役会による新たな提案を踏まえていただくことが必要であると考えます。
 したがいまして、当社といたしましては、株主の皆様に対して、これらの多角的な情報を分析し検討していただくための十分な時間を確保することが非常に重要であると考えております。
 以上の見地から、当社は、上記①の基本方針を踏まえ、大規模買付行為がなされた場合について、事前に大規模買付行為に関する必要な情報の提供及び考慮・交渉のための期間の確保を求めることによって、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断されること、当社取締役会が当該大規模買付行為に対する賛否の意見または当該大規模買付者が提示する買収提案や事業計画等に代替する事業計画等を株主の皆様に対して提示すること、あるいは、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とし、もって基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの一つとして、平成29年5月12日開催の取締役会において、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針について、法令の改正等も踏まえ、所要の変更を行った上で、これを継続することを決議し、平成29年6月22日開催の当社第52回定時株主総会においてご承認いただいております。

 

③ 上記②の取組みについての取締役会の判断

上記②の取組みは、買収者に対して事前に大規模買付行為に関する必要な情報の提供及び考慮・交渉のための期間の確保を求めることによって、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断されること、当社取締役会が当該大規模買付行為に対する賛否の意見または代替案を株主の皆様に対して提示すること、あるいは、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とし、もって当社の企業価値または株主の皆様共同の利益の確保・向上を目的として、導入されるものであることから、当社取締役会は、上記②の取組みが当社の上記①の基本方針に沿って策定され、当社の企業価値または株主の皆様共同の利益を損なうものではないと考えます。
 また、上記②の取組みが当社取締役の地位維持を目的として取締役会により恣意的に運用されることを防止するため、当社取締役会は、対抗措置の発動に際しては、必要に応じて、外部専門家(フィナンシャル・アドバイザー、弁護士、公認会計士等)の助言を得た上で検討を行います。これにより当社取締役会の判断の客観性及び合理性が担保されることになります。また、独立委員会を設置し、当社取締役会が対抗措置を発動する場合には、その判断の公正を担保し、かつ、当社取締役会の恣意的な判断を排除するために、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとしています。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 医療行政

当社グループの業容は、医療制度に密接に関連しておりますので、厚生労働省が行う医療制度改革を始め他の行政機関が公開する情報等を日頃から注視しておりますが、今後、医療を取り巻く環境の変化によって大改革が行われた場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 市場価格

当社グループ製品のユーザーである医療機関は、医療費抑制策に伴う診療報酬、医療保険等の公定価格の引下げによって経営に一段と厳しさを増す環境にあり、価格面での競争が熾烈化し、市場価格が急激に落ち込む可能性があります。

 

(3) 原材料購入価格

当社グループが生産する医療機器は、石油製品であるプラスチックを主原材料としており、産油国の状況により原材料購入価格が不安定になることが予測され、高騰した場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 為替相場

当社グループには、海外を拠点とする子会社があり、各国通貨により財務諸表を作成しておりますが、連結財務諸表作成にあたって円換算をしております。各国通貨の為替レートの変動により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 海外生産

当社グループの海外拠点のうち、シンガポール、インドネシア、中国、韓国、フィリピンにおいては、医療機器の生産を行っております。これらの国において予期しない法律、規制の変更や政変等が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 品質

当社グループが提供する医療機器・医薬品は、厚生労働省によって定められたGMPの基準やISO国際基準に基づいて生産又は購入し、品質には万全を期しておりますが、不測の事態により使用できなくなった場合には、回収等により多大な損失が発生する恐れがあります。このような事象が万が一発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 重大な法的リスク

当社グループは、製造・販売を業としておりますが、企業活動においては、知的財産の侵害・被侵害、製造物責任、独占禁止法等様々な法的リスクが伴います。これらのリスクを回避、軽減するため、法的リスクマネジメントの一環として、コンプライアンス委員会において組織的に取り組んでおりますが、訴訟等により重大な損害賠償請求が提訴された場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) その他

上記、経済リスク、カントリーリスク、法的リスク以外で、テロ、戦争、天変地異等によって重要な事象が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

業務・資本提携

 

契約会社名

相手先の名称

契約内容

契約期間

(株)ジェイ・エム・エス

(当社)

 

(株)カネカ

医療機器及びその関連分野における業務提携並びに資本提携

平成28年4月1日から
平成29年3月31日まで

 

(注)(株)ジェイ・エム・エスと(株)カネカとの医療機器及びその関連分野における業務提携並びに資本提携契約は、平成30年3月31日まで更新されています。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループの製品は、輸液輸血群、一般用品群、透析群、循環器群、その他の5群から構成されており、研究開発活動は、これらの分野を中心に実施しております。

 

区分

分野

輸液輸血群

輸液、輸血、注射、経口栄養、経腸栄養 等

一般用品群

排尿排液 等

透析群

血液透析、腹膜透析、血液浄化 等

循環器群

カテーテル、人工心肺 等

その他

細胞関連デバイス、消化器関連デバイス 等

 

 

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は14億62百万円であり、セグメントごとの主な研究開発活動を示すと次のとおりであります。

 

(1) 日本

当連結会計年度における研究開発費は14億62百万円であります。

 

①輸液輸血群、一般用品群

患者さんのみならず、医療従事者の方々の安全性、操作性に配慮した製品開発に努めました。主な成果は、クローズドな環境で医療従事者の方々の安全な抗がん剤調製を可能とした抗がん剤調製・投与クローズドシステム「ネオシールド」の機能拡充及び、より簡便な栄養剤の投与を可能とした新型経腸栄養注入セット「ジェイフィード フィーディングバッグライト」の製品化であります。

 

②透析群

当社は血液透析、腹膜透析双方のシステムを自社開発する唯一の国内メーカーであり、より効果的な治療を推進すべく、血液透析システムにおきましては、間歇(かんけつ)補充型血液透析濾過(I-HDF)装置の機能拡充を図り、また、腹膜透析システムにおきましては、自動腹膜透析液潅流(APD)装置の開発に努めました。主な成果は、新型APD装置「PD-MINISOLA」の製品化であります。

 

③循環器群

循環器領域における体外循環には一般的な開心術のほか、経皮的補助循環等、様々な用途があり、これら複数の用途に対応可能な新型血液ポンプの開発に努めました。主な成果は、「JMS血液ポンプシステム ECmoVA」の製品化であります。また、体外循環の安全な施行は、機器の安全性はもとより、機器を取り扱う医療従事者の方々のスキル向上が重要な観点となります。この観点より医療従事者の方々が体外循環操作トレーニングを安全かつ確実に行えるシステムの開発に努めました。主な成果は、「人工心肺用モバイルシミュレータ」の機能拡充であります。本機能拡充は、産学官連携によるものであります。

 

④その他

消化器手術のより安全、確実な施行を目的として、高度な技術を要する膵管の吻合(ふんごう)を簡便かつ確実にサポートできるデバイスの開発に努めました。主な成果は、膵管吻合補助器「JMS インナーシュアーエース」の製品化であります。本製品化は、産学官連携によるものであります。

 

(2) 日本以外

東南アジア、中国、ドイツ、アメリカ、その他のセグメントについては、既存製品の改良等に取り組んでおります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。作成された連結財務諸表には見積りが含まれておりますが、実際の結果との間に差異が生じる可能性があります。
 会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

(2) 財政状態の分析

 (資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べ10億73百万円増加の362億79百万円となりました。この主な要因は、繰延税金資産の増加であります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ5億66百万円減少の294億2百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産の減少であります。

 

 (負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べ9億60百万円減少の207億84百万円となりました。この主な要因は、設備関係支払手形の減少であります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ13億13百万円増加の138億36百万円となりました。この主な要因は、長期借入金の増加であります。

 

 (純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ1億53百万円増加の310億61百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金の増加によるものであります。
 なお、自己資本比率は0.1ポイント低下の47.1%となり、1株当たり純資産は、前連結会計年度に比べ2円98銭増加の634円65銭となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
 なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。

 

 

第48期
(平成25年3月期)

第49期
(平成26年3月期)

第50期
(平成27年3月期)

第51期
(平成28年3月期)

第52期
(平成29年3月期)

自己資本比率(%)

57.3

57.4

52.0

47.2

47.1

時価ベースの自己資本比率
(%)

34.1

28.1

23.8

22.1

24.9

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

2.8

7.2

4.4

3.7

3.8

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

33.0

16.6

29.8

34.2

36.5

 

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

※株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後期末発行済株式総数により算出しております。

※キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。

※有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

 

(4) 経営成績の分析

経営成績につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。