第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 (1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、1939年の創業以来、「社会的使命に徹し、ME機器の開発を通じて、医学の進歩に寄与する」を経営理念として、心電計をはじめ呼吸器・循環器系を中心に総合的な医療機器の製造・販売を通して人々の健康に大きく貢献してまいりました。

 また、大きく変動する社会情勢に合わせ、医療機器も従来の病気の診断・治療ばかりでなく、健康維持・向上やQOL(Quality of Life)充実への役割が大きくなってきております。

 このような環境の下、当社グループは「安全・安心・快適」をコーポレートスローガンとして掲げ、提供する商品の品質の向上、他社との差別化を図った製品開発、変化する医療ニーズに即した商品戦略に努め「お客様に信頼される企業」を目指してまいります。

 

 (2)目標とする経営指標

 当社グループは、経営環境の変化に左右されない持続的成長を目指す中で、2025年3月期に連結売上高1,300億円、連結営業利益200億円を目標としております。新型コロナウイルス感染症拡大の長期化、半導体不足や資源価格等の高騰、急激な為替変動など先行きが不透明な状況ではございますが、グループ一丸となってさらなる収益性の向上に取り組んでまいります。

 

 (3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

 診療報酬、薬価、特定保険医療材料の公定償還価格改定に加え、新型コロナウイルス感染症の影響により、引き続き不透明な市場環境が予測されますが、お客様に安心してご使用いただくための品質管理・安全管理体制の充実と、同業他社には無い差別化した製品の開発、販売体制整備のための投資、国内外の競合メーカーとの価格競争力を高めるためのコスト削減に引き続き取り組んでまいります。

 また、資本効率を高めるべく創出したキャッシュ・フローを継続的に成長投資に回していくことで企業価値向上に努め、株主の皆様へ安定的な成果配分を継続していく所存でございます。

 中期経営計画方針としては、少子高齢化の進展に伴い変化する医療環境に適応すべく事業戦略を策定し、効率的な組織運営を実現することで強固な経営基盤を構築していくことを掲げております。

 成長性が見込まれる分野への戦略的投資や効果的な研究開発の取り組みにより、医療機関への総合提案の実現、在宅医療分野における地域密着体制の強化を図り、ガバナンス・コンプライアンス体制の強化や人材育成による組織の活性化を通じて、グループ経営管理体制の充実を目指してまいります。

 地域医療を支えるという使命感のもと、「予防、検査、治療、経過観察、リハビリ、在宅、介護」というワンストップサービスによる一貫した医療環境を提供することで、お客様に価値を提供するとともに持続的成長を実現してまいります。

 

 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 新型コロナウイルス感染症拡大が長期化しており、防疫と経済活動の両立を目指すべく活動再開に向けた動きが出てきましたが、依然として終息が見えないなど不透明な状況が続いております。また、半導体不足や資源価格等の高騰、急激な為替変動などサプライチェーンや物流に与える影響も顕在化し、製商品の供給に支障を来たすなど不確実性の高い状況となっておりますが、調達戦略の見直しなど事業継続体制を再構築することで変化する状況に適切に対応すべく取り組んでおります。

 事業環境の変化としては、新型コロナウイルス感染症拡大の経験を踏まえた医療提供体制の構築や2040年を展望した地域医療構想の実現に向けた取り組み、医療従事者の働き方改革、医療偏在対策の推進という三位一体の医療提供体制の改革に、IOT、5G、AIなど次世代に対応したデジタルヘルスケアの推進による地域包括ケアシステムの構築等に向けた安心で質の高い医療・介護サービスの提供が求められております。

 当社は、経営理念、経営基本方針の下、お客様第一主義を基軸に、新たな価値を生み出すと共にグループの協業強化により経営環境の変化に迅速に対応し、さらなる成長を目指してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 医療行政による影響

 国内では、医療の質の向上や医療費抑制政策が進められており、2年に1度診療報酬や薬価、特定保険医療材料の公定償還価格の改定が行われております。医療行政の方針変更が行なわれた際には、企業間競争の激化や販売価格の減少に繋がる可能性があり、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 法的規制等について

 医療機器の製造・販売は医薬品医療機器等法の規制を受けており、審査承認までに一定期間を要する場合があります。また、医療機器によっては治験等を行う必要があり、商品化までには長期間を要する場合があります。

 今後、規制の改定、新たな規制の設立等、予測できない変更が生じた場合には、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 特定の取引先等で取引の継続性が不安定であるものへの高い依存度について

 当社グループは、人工呼吸器、ペースメーカ、除細動器などを輸入・販売しております。

 今後、取引における継続性の安定に支障が生じた際には、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がありますが、特定企業への依存度が高くなり過ぎないように十分配慮しております。

(4) 余剰在庫の発生要因について

 商品及び製品を安定的に供給する社会的使命に応えるため、将来の需要予測に基づき在庫を確保する必要があります。しかし、将来の需要予測に対して販売実績等が下回った場合には、営業循環過程から外れた余剰在庫が発生する可能性があります。

(5) 品質問題について

 当社グループは、国際規格ISOの基準等に基づいて、厳格な品質管理体制の下、製品の製造をしております。しかし、予期せぬ製品の欠陥・瑕疵等により品質に問題が生じた場合には、製品販売停止・リコールが発生する可能性があり、そのような場合、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 海外事業に伴うリスク

 当社グループは、海外代理店向けに製品を供給しているほか、海外に販売拠点や開発、生産拠点を持っております。

 今後、海外各国における予期せぬ法規制の制定や変更、テロ、自然災害等が生じた際は、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 為替等の変動について

 当社グループは、海外に子会社を有しており、一部においては外国企業より原材料、商品などを調達・輸入しているため、急激な為替の変動が生じた場合には、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 減損会計について

 当社グループが保有する資産につきまして、減損損失の必要性が生じた場合には、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 激甚災害による当社グループへの影響

 当社グループは国内、海外に拠点を有しており、激甚災害の被災や電力逼迫により事業活動へ支障が生じますと当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(10) 新型コロナウイルス感染症にかかる事業継続等の影響について

 当社グループの従業員が感染した場合、重大な影響が生じることにより、事業継続性確保の視点から感染予防を徹底しております。また安定的に製商品等を供給するために、工場等において感染が確認された場合に備えて一定の在庫も確保しております。

 なお、2022年3月末時点において、現金及び預金を640億円超保有していることにより、流動性については問題が生じるおそれはないと認識しております。

 ただし、感染拡大により、経済への影響が長期化する懸念があるため、取引先や協力会社などの事業活動に影響が生じた場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の長期化、半導体不足や資源価格等の高騰、急激な為替変動などにより不透明な状況が続いております。

 医療機器業界においては、新型コロナウイルス感染症への対応を強化しつつ、地域医療構想による医療機関の機能分化と連結を通した効率的な医療提供体制の構築が求められています。

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。

 これに伴い、当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比較して大きく減少しております。

 そのため、当連結会計年度における経営成績に関する説明は、売上高については前連結会計年度と比較しての増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 a.財政状態

 

2021年3月期

2022年3月期

前年比

金額

金額

増減額

総資産額(百万円)

191,762

195,495

3,732

負債額(百万円)

53,781

45,638

△8,143

純資産額(百万円)

137,981

149,857

11,876

 

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ37億32百万円増加し、1,954億95百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ81億43百万円減少し、456億38百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ118億76百万円増加し、1,498億57百万円となりました。

 

 b.経営成績

 

2021年3月期

2022年3月期

前期比

金額

金額

増減額

増減率(%)

売上高(百万円)

146,756

132,098

営業利益(百万円)

19,811

22,708

2,897

14.6

経常利益(百万円)

20,264

23,422

3,158

15.6

親会社株主に帰属する

当期純利益(百万円)

14,716

16,216

1,499

10.2

 

 当連結会計年度の経営成績は、連結売上高は1,320億98百万円となりました。利益につきましては、連結営業利益は227億8百万円(前年同期比14.6%増)、連結経常利益は234億22百万円(前年同期比15.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は162億16百万円(前年同期比10.2%増)となりました。

 当社グループは、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、2022年3月期に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。これにより、売上高につきましては、対前期増減率を記載しておりませんが、営業利益以下の利益につきましては、当該会計基準等を適用したことによる数値への影響がありませんので対前期増減率を記載しております。

 

 

セグメントの名称

2021年3月期

2022年3月期

前期比

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

増減額(百万円)

増減率(%)

生体検査装置部門

40,445

27.6

29,422

22.3

生体情報モニター部門

14,076

9.6

12,914

9.8

治療装置部門

55,187

37.6

54,556

41.3

消耗品等部門

37,047

25.2

35,205

26.6

合計

146,756

100.0

132,098

100.0

 

 当連結会計年度のセグメント別売上高は、次のとおりであります。

 生体検査装置部門では、連結売上高は294億22百万円となりました。

 生体情報モニター部門では、連結売上高は129億14百万円となりました。

 治療装置部門では、連結売上高は545億56百万円となりました。

 消耗品等部門では、連結売上高は352億5百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 

2021年3月期

2022年3月期

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

21,743

23,111

1,368

投資活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

△11,267

△10,789

478

財務活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

△3,046

△4,832

△1,786

換算差額(百万円)

49

△23

△72

現金及び現金同等物の増減額(百万円)

7,478

7,466

△11

現金及び現金同等物の期末残高

(百万円)

53,564

61,030

7,466

 

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、次のとおりであります。

〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕

 当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは前期比13億68百万円増のプラス231億11百万円となりました。

 主な内訳は、税金等調整前当期純利益237億24百万円、減価償却費90億16百万円等です。

〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕

 当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは前期比4億78百万円増のマイナス107億89百万円となりました。

 主な内訳は、有形固定資産の取得による支出137億99百万円等です。

〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕

 当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは前期比17億86百万円減のマイナス48億32百万円となりました。

 主な内訳は、配当金の支払額45億64百万円等です。

 以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高と比較して74億66百万円増加し610億30百万円となりました。

 

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

自己資本比率(%)

71.9

74.1

73.7

72.0

76.7

時価ベースの自己資本比率(%)

75.5

71.1

75.3

66.2

60.4

債務償還年数(年)

0.1

0.1

0.1

0.1

0.1

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

408.3

301.6

512.5

554.5

621.2

 (注) 自己資本比率:自己資本/総資産

 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

 債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算定しております。

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算定しております。

※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

※利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

生体検査装置部門

5,667

94.6

生体情報モニター部門

8,416

102.0

治療装置部門

3,252

103.7

消耗品等部門

6,209

109.0

合計

23,544

102.1

 (注)金額は販売価格によっております。

 

b.仕入実績

 当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

生体検査装置部門

18,124

90.8

生体情報モニター部門

2,448

90.5

治療装置部門

33,178

96.3

消耗品等部門

16,082

87.9

合計

69,834

92.6

 

c.受注実績

 該当事項はありません。

d.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

生体検査装置部門

29,422

生体情報モニター部門

12,914

治療装置部門

54,556

消耗品等部門

35,205

合計

132,098

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a.経営成績等

 1)財政状態

 当連結会計年度末の財政状態は総資産が前連結会計年度末と比べて37億32百万円増加し、1,954億95百万円となりました。

 これは、受取手形及び売掛金が66億18百万円減少したものの、現金及び預金が74億66百万円増加したことなどが主な要因であります。

 負債は、前連結会計年度末と比べて81億43百万円減少し、456億38百万円となりました。

 これは、支払手形及び買掛金が47億71百万円減少、電子記録債務が25億17百万円減少したことなどが主な要因であります。

 純資産は、前連結会計年度末と比べて118億76百万円増加し、1,498億57百万円となりました。

 これは、利益剰余金が116億43百万円増加したことなどが主な要因であります。

 この結果、自己資本比率は、76.7%(前連結会計年度末比4.7ポイント増)となりました。

 

 2)経営成績

 当社グループの当連結会計年度の連結売上高は1,320億98百万円となりました。

 連結営業利益につきましては227億8百万円(前年同期比14.6%増)、連結経常利益は234億22百万円(前年同期比15.6%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は162億16百万円(前年同期比10.2%増)となりました。

 

 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 国内では2025年に向けた医療提供体制の改革として、患者様の容態に応じた適切な医療を、地域において効果的かつ効率的に提供する体制を整備し、できるだけ早く社会に復帰し、安心して生活を送れるようにするための取り組みが進められております。

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、新型コロナウイルス感染症に対する防疫と経済活動の両立に向けた活動が見られたものの、半導体不足や資源価格等の高騰、急激な為替変動などもあり極めて不透明な状況で推移いたしましたが、政府による医療提供体制の整備・構築を背景に、引き続き患者様や医療機関をご支援すべく現場を最優先に事業活動を展開いたしました。

 また出張や展示会の出展など不要不急な支出を制限する一方、研究開発や設備投資など優先度の高い分野へは積極的に投資を継続しつつ、感染予防のための時差勤務、在宅勤務を活用しながら、ITツール活用と対面によるハイブリッドな取り組みを行うなどコミュニケーションの多様化とデジタル化による生産性向上に向けて取り組んでまいりました。

 その結果、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも計画を達成いたしました。

 医療業界を取り巻く環境が大きな転換期を迎えている中、新型コロナウイルスの感染拡大が医療改革を加速化、変化させる可能性がありますが、社員と家族の安全確保のための感染予防を徹底し、医療機器等の供給体制の確保に全力を尽くしております。今後も医療従事者の皆様の負担を軽減し、より効果的・効率的な医療サービスの提供や安全・安心で質の高い医療を実現するため、当社グループだからこそできるシステムソリューションを基軸に、さらなる基盤事業の強化に取り組んでまいります。

 新型コロナウイルス感染症への対応として、人工呼吸器、生体情報モニタ、パルスオキシメータ等の医療機器の他、空気清浄除菌脱臭装置、関連消耗品等の需要に対応すべく、供給体制の強化を図っております。

 

 c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは連結売上高、連結営業利益を中期経営計画上の重要な指標として位置付け、経営環境の変化に左右されない持続的成長の実現を目指しております。

 定量的目標としては、2025年3月期の連結売上高1,300億円、連結営業利益200億円を目標としております。

 

 d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

①生体検査装置部門

心電計関連の売上は伸長しましたが、大口商談が減少し、連結売上高は294億22百万円、セグメント利益は41億29百万円(前年同期比25.1%増)となりました。また、資産は198億50百万円となり、前連結会計年度に比べ53億61百万円減少しました。

②生体情報モニター部門

モニタの連結売上高は129億14百万円、セグメント利益は19億89百万円(前年同期比11.8%増)となりました。また、資産は99億42百万円となり、前連結会計年度に比べ4億24百万円増加しました。

③治療装置部門

 ペースメーカ関連製品、在宅医療向けレンタル事業の売上は伸張しましたが、人工呼吸器が減少し、連結売上高は545億56百万円、セグメント利益は114億77百万円(前年同期比12.3%増)となりました。また、資産は481億22百万円となり、前連結会計年度に比べ23億21百万円増加しました。

④消耗品等部門

 消耗品等部門は、記録紙、ディスポーザブル電極や上記各部門の器械装置に使用する消耗品や修理、保守を含みます。

 消耗品等部門の連結売上高は352億5百万円、セグメント利益は51億12百万円(前年同期比13.4%増)となりました。また、資産は240億94百万円となり、前連結会計年度に比べ15億78百万円増加しました。

 

②キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、資本効率を高めるべく創出したキャッシュ・フローを持続的な成長のための投資や各事業に係る運転資金の他、設備投資に回していくことで企業価値向上に努め、株主の皆様へ安定的な利益還元に必要な資金の確保、並びに強固な財務基盤の維持を目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出に努めております。

 また、必要な運転資金及び設備投資資金などについては内部留保により大部分をまかなっております。

 なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は610億円となっております。

 当連結会計年度末のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

  独占販売権及び代理店契約

契約会社名

契約先

契約内容

契約期間
または契約締結日

フクダ電子㈱

(提出会社)

マッケ社(ドイツ)

契約医用電子機器の日本国内独占販売権

自 2019年12月31日

至 2022年12月30日(注1)

㈱堀場製作所

契約医用電子機器(血球計数装置)の日本国内独占販売権

自 1992年7月23日

至 1995年12月31日(注1)

㈱フィリップス・ジャパン

除細動器の販売代理店契約

自 2020年6月1日

至 2022年6月30日

Mindray

契約医用電子機器(OEM 生体情報モニタ)の日本国内独占販売権

自 2017年4月1日

至 2024年3月31日

バイオトロニックジャパン社

契約医用電子機器(ペースメーカ等)の日本国内販売代理店契約

自 2019年2月1日

至 2029年3月31日(注2)

GEヘルスケア・ジャパン㈱

超音波機器の販売代理店契約

自 2021年4月1日

至 2024年3月31日(注3)

 (注1) 1年毎の自動更新となっております。

 (注2) 2年毎の自動更新となっております。

 (注3) 2021年3月29日に締結し、1年毎の自動更新となっております。

 

5【研究開発活動】

当社グループの主力製品は、心臓や血管、肺などの呼吸・循環器系疾患の検査・診断及び治療等に使用される機器であります。

その中で研究開発活動の中心は、創業以来、研究開発を積み重ねてきた心電計を中核とする心電図関連機器をはじめ、各種生体情報モニタ、超音波診断装置、除細動器、さらに酸素濃縮装置などがあります。また、これらの機器とともに使用される生体電極、センサ類も重要な製品であります。

当社グループの研究開発活動は、従来より「社会的使命に徹し、ME機器の開発を通じて、医学の進歩に寄与する」との経営理念に沿って、また、「ユーザーニーズへの適合」を常に念頭において取り組んでまいりました。今後も一層その理念の追求に努めます。さらに、顧客満足度の限りない向上と“医療と健康をつなぐテクノロジー”を旗印に掲げ、研究開発体制の体質改善を図り、新技術の確立とタイムリーな新製品の市場投入に努め、経営基盤のさらなる強化につなげていく所存です。

 なお、当連結会計年度の研究開発費は3,448百万円(売上高の2.6%)で、内訳は次のとおりです。

生体検査装置部門      1,546百万円

生体情報モニター部門    1,146百万円

治療装置部門         755百万円

消耗品等部門           0百万円

 

 開発成果として、生体検査装置部門では、ACS(急性冠症候群)の診断をサポートし、ブルガダ型心電図の検出率がより向上した心電図検査装置を発売しました。

 ACS診断補助機能として、12誘導心電図から右胸部と背部の合成心電図を生成する機能を搭載し、併せて狭窄、閉塞している可能性のある冠動脈の解析と問診解析を組み合わせて診断することで、より高度なACS診断をサポートします。また、ブルガダ型心電図の検出に有用な高位肋間心電図を12誘導心電図から生成する機能を搭載したことで、標準12誘導では捉えきれないブルガダ型心電図の疑いを感知し、検出率が向上しています。

 生体情報モニター部門では、当社の心房細動解析機能を搭載し、医療従事者によってあらかじめ設定された基準値を超えた時にアラームを発生する解析機能付きセントラルモニタを発売しました。28種類の不整脈解析アルゴリズムに加え、当社の心房細動解析機能を搭載することで、ホルター解析で培った当社の解析技術をモニタでも使用することができます。さらに患者急変の予兆を知らせるスコアリング機能を搭載しました。また、生体情報モニタのアラーム発生状況を見える化することで不必要なアラームを削減し、質の高いモニタリングをサポートします。

 研究分野においては、生体検査装置部門、生体情報モニター部門、治療装置部門、消耗品等部門のいずれにおいても、担当分野の基礎研究、要素技術開発に取り組んでおり、今後のさらなる新製品開発の基盤作りに努めております。