当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、1939年の創業以来、「社会的使命に徹し、ME機器の開発を通じて、医学の進歩に寄与する」を経営理念として、心電計をはじめ呼吸器・循環器系を中心に総合的な医療機器の製造・販売を通して人々の健康に大きく貢献してまいりました。
また、大きく変動する社会情勢に合わせ、医療機器も従来の病気の診断・治療ばかりでなく、健康維持・向上やQOL(Quality of Life)充実への役割が大きくなってきております。
このような環境の下、当社グループは「安全・安心・快適」をコーポレートスローガンとして掲げ、提供する商品の品質の向上、他社との差別化を図った製品開発、変化する医療ニーズに即した商品戦略に努め「お客様に信頼される企業」を目指してまいります。
(2)経営戦略や指標
診療報酬、薬価、特定保険医療材料の公定償還価格改定など、引き続き不透明な市場環境が予測されますが、お客様に安心してご使用いただくための品質管理・安全管理体制の充実と、同業他社には無い差別化した製品の開発、販売体制整備のための投資、国内外の競合メーカーとの価格競争力を高めるためのコスト削減に引き続き取り組んでまいります。
また、資本効率を高めるべく創出したキャッシュ・フローを継続的に成長投資に回していくことで企業価値向上に努め、株主の皆様へ安定的な成果配分を継続していく所存でございます。
中期経営計画方針としては、少子高齢化の進展に伴い変化する医療環境に適応すべく事業戦略を策定し、効率的な組織運営を実現することで強固な経営基盤を構築していくことを掲げております。
成長性が見込まれる分野への戦略的投資や効果的な研究開発の取り組みにより、医療機関への総合提案の実現、在宅医療分野における地域密着体制の強化を図り、事業リスクの的確な把握、ガバナンス・コンプライアンス体制の強化や人材育成による組織の活性化を通じて、グループ経営管理体制の充実を目指し、事業の持続可能性を確保してまいります。
地域医療を支えるという使命感のもと、「予防、検査、治療、経過観察、リハビリ、在宅、介護」というワンストップサービスによる一貫した医療環境を提供することで、お客様に価値を提供するとともに持続的成長を実現してまいります。
当社グループは、経営環境の変化に左右されない持続的成長を目指す中で、2027年3月期に連結売上高1,420億円、連結営業利益270億円を目標としております。部材、資源価格等の高騰や急激な為替変動など先行きが不透明な状況ではございますが、グループ一丸となってさらなる収益性の向上に取り組んでまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
部材、資源価格等の高騰や急激な為替変動に加えて、国内においては物流業界における2024年問題に向けた対応などサプライチェーン全体における最適化計画が求められておりますが、調達リスクを低減するための複数購買や原材料の先行手配、リユース及び内製化による取り組みから、お客様への安定供給に至るまでのプロセスを円滑に進めることで変化する状況に適切に対応すべく取り組んでおります。
事業環境の変化としては、新型コロナウイルス感染症拡大の経験を踏まえた医療提供体制の構築や2040年を展望した地域医療構想の実現に向けた取り組み、医療従事者の働き方改革、医療偏在対策の推進という三位一体の医療提供体制の改革に、IOT、5G、AIなど次世代に対応したデジタルヘルスケアの推進による地域包括ケアシステムの構築等に向けた安心で質の高い医療・介護サービスの提供が求められております。
また、デジタル化による効率化で良質な医療提供や医療費の適正化を図り、次なる感染症に備えた体制及び基盤の構築のために、「全国医療情報プラットフォーム」の創設、電子カルテ情報の標準化(全医療機関への普及)、「診療報酬改定DX」が医療DX令和ビジョン2030において掲げられております。
当社は、経営理念、経営基本方針の下、お客様第一主義を基軸に、新たな価値を生み出すと共にグループの協業強化により経営環境の変化に迅速に対応し、さらなる成長を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、日々変化する経営環境を的確に把握し対応するとともに、継続的な企業価値の向上、健全で透明性の高い効率的な経営を実現する上で、コーポレート・ガバナンス(企業統治)は経営上最も重要な課題のひとつと位置付けております。
経営の意思決定や監督と業務執行の分離化を図ることで、迅速かつ効率的な経営を実現し、戦略性と機動性に富んだ経営活動を行うことを基本方針としております。
「社会的使命に徹し、ME機器の開発を通じて、医学の進歩に寄与する。」を理念に掲げ、"CSR(企業の社会的責任)"への取り組み、各ステークホルダーとの信頼関係を構築し、企業価値の向上に努めていきたいと考えております。
当社では、持続可能な社会の実現と企業の持続的成長を両立していくために、サステナビリティに関する課題への取り組みを継続的かつ組織的に推進・協議することを目的としたサステナビリティ委員会を2024年度中に設置する予定です。
サステナビリティ委員会は取締役会の諮問機関として設置され、以下の対応を行い、取締役会に対して答申を行います。
・サステナビリティに関する方針、マテリアリティ(重要課題)、指標及び目標の審議
・指標及び目標に対する進捗管理
・リスク及び機会の審議
(2)戦略
当社グループは創業以来、変化する医療環境においても、社員一人ひとりが共通の価値観を持ち社会からの期待に応えるべく、「お客様第一主義」の行動指針を踏まえて考動し、課題解決に貢献できる価値ある医療機器やサービスなどを提供することで、持続可能な社会の実現と、企業としての持続的成長の両立を目指してまいりました。こうしたことを実践できる人材を確保し、育成していくための社内制度と社内環境整備を進めています。
人材の多様性の確保
国籍・性別・経歴・障がいの有無などに関わらず多様な価値観を尊重し、人材の多様性の確保に努めるとともに、健康でモチベーション高く働くことを目指し、仕事と生活の両立を支援する制度の整備や、自己実現とキャリア形成の支援づくりに取り組みます。
人材育成
専門的な医療機器及び臨床的知識からビジネススキル・マインドの醸成を支援し、年次別・昇格時の必修研修をはじめ、自律的な学習を支援するための募集型研修を実施しています。とりわけ従業員が主体的に学ぶ姿勢を重視し、自社構築のeラーニングサイトを活用した能動的な学びの場をグループ全体に提供しています。
働き方への取組み
働き方においては、テレワーク、時差出勤、時短勤務制度の活用拡充等、従業員一人ひとりの意思を尊重し、仕事と育児・介護との両立を目指すなど、多様性を重視した働き方を実現する制度の制定、運用を推進し、より働き易い労働環境整備に取り組んでおります。また、社員の働きがいと会社の成長の両立を目指し、経営理念の浸透、職場環境の改善、柔軟な勤務制度の導入等の活動を行っています。
これらの取り組みが、女性活躍推進、並びに仕事と子育ての両立に資するものであると厚生労働省から認められ、当社は2023年に、女性活躍推進法に基づく「えるぼし認定」、並びに次世代育成支援対策推進法に基づく「くるみん認定」を受けております。
なお、地球環境の保全や気象変動対応への取り組みは、上記「(1)ガバナンス」に記載のとおり、新たに設置するサステナビリティ委員会にて審議を行う予定です。
(3)リスク管理
当社グループでは、グループ全体のリスク管理方針及び管理体制について、「内部統制制度に関する基本方針書」を定め、その方針や体制に基づきコンプライアンス・リスク管理委員会を定期的に開催し、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、未然防止に努めております。
一方、サステナビリティに係るリスク管理については、「(1)ガバナンス」に記載のとおり、新たに設置するサステナビリティ委員会がコンプライアンス・リスク管理委員会と連携し、取締役会に報告・提言を行う予定です。
(4)指標及び目標
特に重視している指標とその目標値及び実績値は以下のとおりです。
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指標 |
目標 |
実績(当連結会計年度) |
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※女性管理職:課長職以上の役職者である女性従業員
※「働きがい」を感じる社員の比率:毎年当社内で実施している無記名アンケートによる
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等、事業の持続可能性に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 医療行政による影響
国内では、医療の質の向上や医療費抑制政策が進められており、2年に1度診療報酬や薬価、特定保険医療材料の公定償還価格の改定が行われております。医療行政の方針変更が行なわれた際には、企業間競争の激化や販売価格の減少に繋がる可能性があり、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 法的規制等について
医療機器の製造・販売は医薬品医療機器等法の規制を受けており、審査承認までに一定期間を要する場合があります。また、医療機器によっては治験等を行う必要があり、商品化までには長期間を要する場合があります。
今後、規制の改定、新たな規制の設立等、予測できない変更が生じた場合には、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 特定の取引先等で取引の継続性が不安定であるものへの高い依存度について
当社グループは、人工呼吸器、ペースメーカ、除細動器などを輸入・販売しております。
今後、取引における継続性の安定に支障が生じた際には、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がありますが、特定企業への依存度が高くなり過ぎないように十分配慮しております。
(4) 余剰在庫の発生要因について
商品及び製品を安定的に供給する社会的使命に応えるため、将来の需要予測に基づき在庫を確保する必要があります。しかし、将来の需要予測に対して販売実績等が下回った場合には、営業循環過程から外れた余剰在庫が発生する可能性があります。
(5) 品質問題について
当社グループは、国際規格ISOの基準等に基づいて、厳格な品質管理体制の下、製品の製造をしております。しかし、予期せぬ製品の欠陥・瑕疵等により品質に問題が生じた場合には、製品販売停止・リコールが発生する可能性があり、そのような場合、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 海外事業に伴うリスク
当社グループは、海外代理店向けに製品を供給しているほか、海外に販売拠点や開発、生産拠点を持っております。
今後、海外各国における予期せぬ法規制の制定や変更、テロ、自然災害等が生じた際は、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 為替等の変動について
当社グループは、海外に子会社を有しており、一部においては外国企業より原材料、商品などを調達・輸入しているため、急激な為替の変動が生じた場合には、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 減損会計について
当社グループが保有する資産につきまして、減損損失の必要性が生じた場合には、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 激甚災害による当社グループへの影響
当社グループは国内、海外に拠点を有しており、気候変動が進展すること等による激甚災害の被災や電力逼迫により事業活動へ支障が生じますと当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 新型コロナウイルス等の感染症にかかる事業継続等の影響について
新型コロナウイルス感染症のみならず感染症の拡大により、安定的に製商品等を供給できなくなること、また、経済への影響が長期化し、取引先や協力会社などの事業活動に影響が生じた場合には、当社グループの経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは事業継続性確保の観点から、厚生労働省等による基準をベースに、グループ従業員やその家庭における状況に応じた対応策をすみやかに実施できる体制を整備しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から緩やかな回復基調にあるものの、先行きについては国際情勢等を受けた資源価格の高騰や、欧米の金融政策転換による影響が危惧される等、不透明な状況が続いています。
医療業界においては、新型コロナウイルス感染症への対応を強化しつつ、地域医療構想による医療機関の機能分化と連携を通した効率的な医療提供体制の構築が求められています。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
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|
2023年3月期 |
2024年3月期 |
前年比 |
|
金額 |
金額 |
増減額 |
|
|
総資産額(百万円) |
206,922 |
209,064 |
2,141 |
|
負債額(百万円) |
43,875 |
40,056 |
△3,819 |
|
純資産額(百万円) |
163,047 |
169,008 |
5,960 |
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ21億41百万円増加し、2,090億64百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ38億19百万円減少し、400億56百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ59億60百万円増加し、1,690億8百万円となりました。
b.経営成績
|
|
2023年3月期 |
2024年3月期 |
前期比 |
|
|
金額 |
金額 |
増減額 |
増減率(%) |
|
|
売上高(百万円) |
134,648 |
140,323 |
5,675 |
4.2 |
|
営業利益(百万円) |
24,093 |
26,506 |
2,412 |
10.0 |
|
経常利益(百万円) |
25,081 |
26,990 |
1,909 |
7.6 |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益(百万円) |
17,278 |
18,693 |
1,414 |
8.2 |
当連結会計年度の経営成績は、連結売上高は1,403億23百万円(前年同期比4.2%増)となりました。利益につきましては、連結営業利益は265億6百万円(前年同期比10.0%増)、連結経常利益は269億90百万円(前年同期比7.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は186億93百万円(前年同期比8.2%増)となりました。
|
セグメントの名称 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
前期比 |
|||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
増減額(百万円) |
増減率(%) |
|
|
生体検査装置部門 |
31,058 |
23.1 |
30,664 |
21.9 |
△394 |
△1.3 |
|
生体情報モニター部門 |
11,625 |
8.6 |
9,722 |
6.9 |
△1,902 |
△16.4 |
|
治療装置部門 |
55,442 |
41.2 |
59,706 |
42.5 |
4,264 |
7.7 |
|
消耗品等部門 |
36,522 |
27.1 |
40,229 |
28.7 |
3,707 |
10.2 |
|
合計 |
134,648 |
100.0 |
140,323 |
100.0 |
5,675 |
4.2 |
当連結会計年度のセグメント別売上高は、次のとおりであります。
生体検査装置部門では、連結売上高は306億64百万円となりました。
生体情報モニター部門では、連結売上高は97億22百万円となりました。
治療装置部門では、連結売上高は597億6百万円となりました。
消耗品等部門では、連結売上高は402億29百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
|
|
2023年3月期 |
2024年3月期 |
増減 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー (百万円) |
23,137 |
23,914 |
776 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー (百万円) |
△14,210 |
△14,779 |
△569 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー (百万円) |
△5,551 |
△17,066 |
△11,514 |
|
換算差額(百万円) |
391 |
190 |
△201 |
|
現金及び現金同等物の増減額(百万円) |
3,768 |
△7,741 |
△11,509 |
|
非連結子会社との合併に伴う現金及び現 金同等物の増加額(百万円) |
140 |
- |
△140 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 (百万円) |
64,939 |
57,198 |
△7,741 |
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、次のとおりであります。
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは前期比7億76百万円増のプラス239億14百万円となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益269億86百万円、減価償却費97億25百万円等です。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは前期比5億69百万円減のマイナス147億79百万円となりました。
主な内訳は、有形固定資産の取得による支出134億64百万円等です。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは前期比115億14百万円減のマイナス170億66百万円となりました。
主な内訳は、自己株式の取得による支出112億58百万円等です。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高と比較して77億41百万円減少し571億98百万円となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
73.7 |
72.0 |
76.7 |
78.8 |
80.8 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
75.3 |
66.2 |
60.4 |
62.4 |
95.5 |
|
債務償還年数(年) |
0.1 |
0.1 |
0.1 |
0.1 |
0.1 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
512.5 |
554.5 |
621.2 |
619.9 |
692.2 |
(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算定しております。
3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算定しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
5.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
生体検査装置部門 |
6,564 |
79.8 |
|
生体情報モニター部門 |
6,910 |
78.9 |
|
治療装置部門 |
3,328 |
103.2 |
|
消耗品等部門 |
9,840 |
123.1 |
|
合計 |
26,644 |
94.5 |
(注)金額は販売価格によっております。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
生体検査装置部門 |
15,425 |
100.6 |
|
生体情報モニター部門 |
2,765 |
102.5 |
|
治療装置部門 |
32,448 |
100.1 |
|
消耗品等部門 |
11,311 |
92.0 |
|
合計 |
61,951 |
98.7 |
c.受注実績
該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
生体検査装置部門 |
30,664 |
98.7 |
|
生体情報モニター部門 |
9,722 |
83.6 |
|
治療装置部門 |
59,706 |
107.7 |
|
消耗品等部門 |
40,229 |
110.2 |
|
合計 |
140,323 |
104.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の財政状態は総資産が前連結会計年度末と比べて21億41百万円増加し、2,090億64百万円となりました。
これは、現金及び預金が77億43百万円減少したものの、工具、器具及び備品が21億円増加、建設仮勘定が14億56百万円増加、投資有価証券が46億80百万円増加したことなどが主な要因であります。
負債は、前連結会計年度末と比べて38億19百万円減少し、400億56百万円となりました。
これは、支払手形及び買掛金が21億32百万円減少したことなどが主な要因であります。
純資産は、前連結会計年度末と比べて59億60百万円増加し、1,690億8百万円となりました。
これは、利益剰余金が132億2百万円増加、自己株式が68億67百万円増加したことなどが主な要因であります。
この結果、自己資本比率は、80.8%(前連結会計年度末比2.0ポイント増)となりました。
2)経営成績
当社グループの当連結会計年度の連結売上高は1,403億23百万円(前年同期比4.2%増)となりました。
連結営業利益につきましては265億6百万円(前年同期比10.0%増)、連結経常利益は269億90百万円(前年同期比7.6%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は186億93百万円(前年同期比8.2%増)となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
国内では2025年に向けた医療提供体制の改革として、患者様の容態に応じた適切な医療を、地域において効果的かつ効率的に提供する体制を整備し、できるだけ早く社会に復帰し、安心して生活を送れるようにするための取り組みが進められております。
当連結会計年度においては、ウクライナや中東情勢などの地政学リスクの観点からのエネルギー価格の高騰や世界的なインフレ圧力の継続、急激な為替変動など不安定な状況となりましたが、新型コロナウイルス感染症の位置づけが、令和5年5月8日から「5類感染症」になったことで通常の経済活動が戻ってきましたが、引き続き医療機関、医療従事者、患者様等を「感染しない・させない」ために政府による医療提供体制の整備・構築を背景に、現場を最優先に事業を展開いたしました。
逼迫する部品不足やコスト高に対しては設計変更、代替品の切り替えや調達ルートの多様化・拡大、また戦略的に在庫や原材料等を確保することで医療を止めないための取り組みを実施すると共に、医療ニーズの変化を捉える中で、自社製品を中心とした営業活動を展開した結果、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも計画を達成いたしました。
成長戦略としての積極的な開発投資や、モノづくり改革の中核となる白井事業所及びファインテック仙台の新棟増築など優先度の高い領域へは積極的に投資を継続しつつ、ITツール活用による対面とのハイブリッドな取り組みなどコミュニケーションの多様化とデジタル化による生産性向上に向けて取り組みました。また、グループ全体での優秀な人材の積極的採用や、全国の販売会社の新社屋の建設を含めた職場環境改善のための取り組みを実施するなど、組織力向上に注力いたしました。
医療業界を取り巻く環境が大きな転換期を迎えている中、引き続き医療機器等の供給体制の確保に全力を尽くし、医療従事者の皆様の負担を軽減し、より効果的・効率的な医療サービスの提供や安全・安心で質の高い医療を実現するため、当社グループだからこそできるシステムソリューションを基軸に、さらなる基盤事業の強化に取り組んでまいります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは連結売上高、連結営業利益を中期経営計画上の重要な指標として位置付け、経営環境の変化に左右されない持続的成長の実現を目指しております。
定量的目標としては、2027年3月期の連結売上高1,420億円、連結営業利益270億円を目標としております。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①生体検査装置部門
血圧脈波検査装置、自動血球計数装置の売上が減少し、連結売上高は306億64百万円(前年同期比1.3%減)、セグメント利益は50億74百万円(前年同期比3.7%増)となりました。また、資産は210億59百万円となり、前連結会計年度に比べ6億49百万円減少しました。
②生体情報モニター部門
モニタの連結売上高は97億22百万円(前年同期比16.4%減)、セグメント利益は17億18百万円(前年同期比17.9%減)となりました。また、資産は75億52百万円となり、前連結会計年度に比べ11億89百万円減少しました。
③治療装置部門
在宅医療向けレンタル事業、AEDが伸長し、連結売上高は597億6百万円(前年同期比7.7%増)、セグメント利益は128億36百万円(前年同期比3.1%増)となりました。また、資産は559億59百万円となり、前連結会計年度に比べ52億52百万円増加しました。
④消耗品等部門
消耗品等部門は、記録紙、ディスポーザブル電極や上記各部門の器械装置に使用する消耗品や修理、保守を含みます。
消耗品等部門の連結売上高は402億29百万円(前年同期比10.2%増)、セグメント利益は68億77百万円(前年同期比47.6%増)となりました。また、資産は272億57百万円となり、前連結会計年度に比べ15億69百万円増加しました。
②キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、資本効率を高めるべく創出したキャッシュ・フローを持続的な成長のための投資や各事業に係る運転資金の他、設備投資に回していくことで企業価値向上に努め、株主の皆様へ安定的な利益還元に必要な資金の確保、並びに強固な財務基盤の維持を目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出に努めております。
また、必要な運転資金及び設備投資資金などについては内部留保により大部分をまかなっております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は571億円となっております。
当連結会計年度末のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループの主力製品は、心臓や血管、肺などの呼吸・循環器系疾患の検査・診断及び治療等に使用される機器であります。
その中で研究開発活動の中心は、創業以来、研究開発を積み重ねてきた心電計を中核とする心電図関連機器をはじめ、各種生体情報モニタ、除細動器、さらに酸素濃縮装置などがあります。また、これらの機器とともに使用される生体電極、センサ類も重要な製品であります。
当社グループの研究開発活動は、「社会的使命に徹し、ME機器の開発を通じて、医学の進歩に寄与する」との経営理念に沿って、また「ユーザーニーズへの適合」を常に念頭において取り組んでまいりました。今後も一層その理念の追求に努めます。さらに研究開発体制の体質改善を図り、新技術の確立とタイムリーな新製品の市場投入に努め、経営基盤のさらなる強化につなげていく所存です。
なお、当連結会計年度の研究開発費は
開発部門の活動が複数のセグメントに渡っていることから、セグメントごとの研究開発費の金額は記載しておりません。
研究分野においては、心電計や血圧脈波検査装置などの生体検査装置部門、生体情報モニター部門、除細動器や酸素濃縮器などの治療装置部門、生体電極やセンサ類を含む各部門の器械装置に使用する消耗品類、空気清浄除菌脱臭装置や簡易陰圧装置などの消耗品等部門において、いずれも担当分野の基礎研究、要素技術開発に取り組んでおり、今後のさらなる新製品開発の基盤作りに努めております。