第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、社是と企業理念に従ったアクモスフィロソフィー(考え方、価値観、行動規範)のもと、持続的な成長と企業価値の更なる向上に努めてまいります。


(社是)

挑戦する心

 挑戦を心の糧に、失敗を技術の種に

私たちは、社会や技術の進歩が私たちを簡単に追い越して置き去りにしてしまう、そういう変化の激しい時代に生きています。

一方、私たちは変化を好まず、今の生活を変えたくないと心のどこかで思っています。

私たちアクモスグループは、事業を通じて社会の進歩・発展に貢献することを使命としております。

その使命を果たすために、私たちは「挑戦する心」をもってプロフェッショナルなサービスを提供し続けます。

(企業理念)

アクモスグループは、社会の進歩・発展に貢献するため、仕事を通して心の豊かさと技術の向上を追求し、お客様に感動していただけるプロフェッショナルなサービスを提供して、持続的な成長を実現します。

アクモスグループは「仕事を通して心の豊かさと技術の向上を追求する」ことを掲げました。

会社が持続的に成長していくためには、社員一人ひとりの物心両面の豊かさと技術の向上を得られる環境が必要だからです。

同時に「お客さまに感動していただけるプロフェッショナルなサービス」を提供することで、お客さまから信頼され、愛される会社でありたいという願いを込めています。

(アクモスフィロソフィー)

経営の原則

1.事業の目的と意義を明確にする

2.原理原則に従う

3.高付加価値サービスを生み出す

4.高収益の会社を目指す

5.情報共有で経営者意識を生み出す

6.成長を支える

人間力を磨く

1.人間として何が正しいかで判断する

2.自分事とする

3.聴く力をつける

4.感謝の気持ちを持つ

5.あきらめない心を持つ

6.認め合い、高め合う

行動の指針

1.プロフェッショナルとして責任を最後まで全うします

2.お客さまや仲間と協力して強いチームを作ります

3.正しいと思うことを愚直なまでに誠実にやり続けます

4.創意工夫して新しいサービスを生み出します

5.常に向上心を持って成長し続けます

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2024年8月5日に発表した中期経営計画2027(2024/07-2027/06)について最終年度を1年延長して2028年6月期に変更し、中期経営計画の名称を中期経営計画2028に修正することといたしました。

2024年7月に、「Challenging Mind 社是「挑戦する心」をもって、事業の拡大と高付加価値化を実現し、新たな顧客を創造する」をビジョンとする中期経営計画2027(2024/07-2027/06)を開始し、Business(事業)×Members(人財)×Value(付加価値)3つの分野での挑戦を進めてまいりました。初年度である2025年6月期は前期比で3.1%の増収となりましたが、売上高・各利益項目ともに目標は未達となりました。主に以下に示した理由から売上高100億円を達成するには1年間の計画期間の延長が不可欠であると判断いたしました。2028年6月期までの今後の3年間で本計画を完遂し、最終年度の売上高100億円の達成を目指してまいります。

(課題1) 人財投資

本計画では、3年間で経験者採用を含み200名以上の採用を計画し、人員増による収益貢献を見込んでおります。2025年6月期の採用実績は、グループ全体で新卒採用が51名、経験者採用が11名の計62名となりました。人件費は前期比で10.8%増となる一方で、人員増による収益貢献は計画に比べてタイムラグが生じており、これらを考慮して収益貢献時期の見直しを行いました。

(課題2) トップラインの伸長

本計画上、2025年6月期の売上高は前期比の増加率として約12%増を見込んで計画を遂行してまいりましたが、結果は前述の通り3.1%の増収に留まり、トップラインが伸び悩む結果となりました。当社は、本計画で掲げた収益性、成長性の高い事業への集中投資を進行中で、事業分野ごとの施策の進捗に差異がある状況であることを踏まえて、当初の本計画で示した各年度の計画数値の達成時期をそれぞれ1年間繰り延べることにいたしました。

また、主として首都圏のBtoBのIT事業会社を対象に新規子会社となる企業の獲得を目指してM&Aを推進しておりますが、初年度での実現には至らず、2028年6月期までの間で2社の獲得を目標に案件の発掘を進めてまいります。

 

(中期経営計画2028の概要)

・Business(事業)×Members(人財)×Value(付加価値)3つの分野での挑戦を拡大し、2028年6月期のグループ売上高100億円を目指す

・2028年6月期のROE15%以上、時価総額100億円を目標に資本コストと株価を意識した経営を推進する


当社グループは、中期経営計画2028において『Challenging Mind 社是「挑戦する心」をもって、事業の拡大と高付加価値化を実現し新たな顧客を創造する』をスローガンとしており、基本方針は以下の通りです。

 Good Business 事業の拡大と高付加価値化の実現

  ・Growth(成長投資)領域

    消防防災事業の全国展開およびネットワーク事業の首都圏、他地域での展開拡大

  ・Core(維持伸長)領域

    高収益事業へのシフト等、事業の伸長を実現し収益基盤を強化

  ・Rebuild(改善)領域

    外部環境に左右されない事業の確立を目指し、収益性、成長性を改善する

 Good Members 挑戦する心を育む

  ・事業戦略と連動した社員の自律的な成長と挑戦の支援

  ・社員の物心両面の豊かさやWell‐beingを支える組織・働く環境の整備

 Good Value  売上高100億円の達成、今後3年間の平均成長率15%

  ・利益を事業成長への投資や株主様、社員への還元につなげる価値の循環を目指す

 

経営目標(定量的目標)

中期経営計画2028における経営目標は以下の通りです。

 

第34期
2025年6月期

(実績)

第35期
2026年6月期

(計画)

第36期
2027年6月期

(計画)

第37期
2028年6月期

(計画)

売上高(百万円)

6,421

7,000

8,000

10,000

営業利益(百万円)

583

700

800

1,000

経常利益(百万円)

584

700

800

1,000

親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)

386

450

520

640

ROE(%)

11.8

13.0

14.1

15.9

経常利益率(%)

9.1

10.0

10.0

10.0

 

経営目標は、経営環境の変化に対応するため、毎期目標数値を見直すローリング方式を採用しております。


(対処すべき課題)

当社グループは、理念体系(社是、企業理念、アクモスフィロソフィー)と部門別採算制度ウィングシステムを経営の両軸とし、事業活動を行っております。

当社グループは、中期経営計画2027の初年度を、『Challenging Mind 社是「挑戦する心」をもって、事業の拡大と高付加価値化を実現し新たな顧客を創造する』をスローガンとして進めて参りましたが、人財投資において人件費の増加を売上に反映することが困難になったことなどから、当初計画で示した各年度の計画を1年ずつ繰り延べ、最終年度を1年間延長することとし中期経営計画2028として新たにスタートすることにいたしました。
あらためて2028年6月期のグループ売上高100億円を目標とするため当社グループは、2025年6月期の反省を生かし下記の3点を対処すべき課題として推進してまいります。
 
①多様な人財の確保と育成
・中期経営計画2028での事業の拡大と高付加価値化実現のため、多様な人財の質と量の確保と、AIに対応できる社員の育成に取り組んでまいります。また、収益貢献時期を意識し、新入社員の現場投入時期を技能習熟度に合わせ適切に実施してまいります。
・社員一人ひとりが物心両面の豊かさと技術(スキル)の向上が得られ安心して働ける状態=Well-beingを目指し、社員エンゲージメントの向上に努めてまいります。
 
②製品・サービスの拡充
中期経営計画2028においても引き続き、製品・サービスの拡充に取り組んでまいります。
特に、自治体向けパッケージサービスの開発を進め、全国の公共団体へ広く展開してまいります。
・グループ内外の企業との連携を深め、特にニーズの高い消防・防災領域での新製品・サービスの研究開発に取り組みます。
・首都圏を中心に新規顧客を獲得するため、クラウド製品、サービスの拡充(リファービッシュ機器の活用含む)等、より多くのお客様のデジタル化支援の推進に取り組みます。
 
③営業力の強化集中
・消防防災事業では、全国への拡販の要となる専門営業の増員を、またネットワーク事業では、より広範囲のお客様に対応するため、営業体制の拡充を更に進めてまいります。
・主要顧客との関係性を深め、当社グループ事業の訴求を図り、受注の増加を目指します。
・アライアンスパートナーとの連携やWEBマーケティング活用等により新規開拓に努めます。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは、企業理念として「アクモスグループは、社会の進歩・発展に貢献するため、仕事を通して心の豊かさと技術の向上を追求し、お客様に感動していただけるプロフェッショナルなサービスを提供して持続的な成長を実現します」を掲げ、事業活動を通じて経済的な価値と社会的な価値を高め、持続可能な社会の進歩と発展への貢献に取り組んでおります。


 

当社グループのサステナビリティに関する取り組みは、次の通りです。なお、次の文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。

 

(1) ガバナンス及びリスク管理体制

当社は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のコーポレート・ガバナンス体制及びリスク管理体制を構築しており、これらの体制の中で企業活動に伴うサステナビリティに関連するリスク及び機会を識別し、評価、監視及び管理等の統制を行うことで、ガバナンスとリスク管理を行っております。当社は、取締役会の構成及び各取締役のスキルマトリクスのスキルの項目としてサステナビリティを加えております。

 

(2) 戦略

当社グループは、社是、企業理念、アクモスフィロソフィーから構成される理念体系を制定し、これらに基づき持続的な成長と企業価値のさらなる向上に努めております。

また、当社グループは、持続的な事業成長が、ステークホルダーに対する社会的責任を果たし、持続的な社会の進歩・発展への貢献に繋がるとの認識のもと、中期経営計画、単年度の経営計画を策定しております。

中期経営計画2027(2024/07-2027/06)では、「Challenging Mind 社是「挑戦する心」をもって事業の拡大と高付加価値化を実現し、新たな顧客を創造する」をビジョンとし、Business(事業)、Members(人財)、Value(付加価値)の3つの分野でGoodに挑戦を進めて参りました。2025年6月期の業績及び中期経営計画の進捗状況を踏まえ、中期経営計画2027(2024/07-2027/06)の最終年度を1年間延長し、2028年6月期に変更することにいたしました。これにともない中期経営計画の名称を中期経営計画2028に修正します。


当社グループは、中期経営計画2028の計画期間において、事業戦略と人財戦略を融合し、戦略の確実な遂行と持続的な成長を図るため、「人財の確保」、「人財の育成、再配置」、「Well-being 安心して働ける環境整備」に積極的に取り組みます。
以下、特に記載のない場合、「社員」という記載には、正規雇用労働者及び非正規雇用労働者を含んでおります。
 

(人財の多様性確保を含む人財育成に関する方針及び取り組み)

当社グループは、「挑戦する心を育む」をテーマに、事業戦略と連動した社員の自律的な成長と挑戦の支援、社員の物心両面の豊かさやWell-beingを支える組織、働く環境の整備に取り組んでおります。


なお、当社グループにおいては、主要な事業会社である当社が、連結売上高の60.3%、社員数は全体の63.2%を占めておりますので、以下の取り組みは、当社グループと記載があるものを除いて、当社単体に関する取り組みとなっております。

 

①人財育成

人財育成に関する当社の主な取り組みは、以下の通りです。

イ.新入社員の育成

当社は、技術系新入社員について、高度化する技術に対応できる自律した社員の育成のため、最長で約1年の教育プログラムを実施しており、プログラミングとネットワークの基礎カリキュラムを履修後、開発、ネットワークのコースに分かれて専門性を高めております。教育プログラムの集大成として行うプロジェクト型実習では、社内のバックオフィス部門をお客様として実際に業務に使用できるシステムを開発しており、2024年4月入社の新入社員のプロジェクト型実習では、資産管理台帳システムの開発を行いました。

ロ.管理職育成

当社は、管理職のあるべき姿として、部下育成に効果的な上司の行動を定義した行動基準に基づき、管理職が、担当部署に所属する人財育成の重要性を認識し、人財一人ひとりを大切に考え、各自の能力、意欲、業務への取り組み姿勢を育み、組織としての力を向上させることを目指しております。管理職研修を通じ、人財育成、法務等に関する知識の習得機会の提供を図っております。また、従来当社の管理職対象に実施していた法務研修の参加者を当連結会計年度よりグループ会社に拡大し、コンプライアンスを遵守し、法令や倫理に関する正しい知識と意識の定着を図っております。

ハ.e-learningの活用

当社は、社員自身の自律的学習をサポートする目的で、e-learningを通じビジネス知識等を広く学べる環境を整備しております。管理職への試験的な導入を経て、対象社員を拡大いたしました。当連結会計年度は、e-learningの受講対象の社員の50%以上の受講率を目標として設定し、座学研修の事前学習として、e-learningを活用するなど受講促進を図りました。

ニ.次世代経営者育成

企業として、その事業活動を持続的に成長させ、存続していくためには、次世代を担う経営幹部を確保することが必要となります。当社グループにおいては、当社及び各グループ会社から候補者を選抜し、経営層幹部による中堅経営幹部養成講座を実施いたしました。

ホ.戦略資格取得

当社は、社員の資格取得を奨励するため「資格取得チャレンジ制度」を設けております。戦略資格は、「資格取得チャレンジ制度」の対象資格のうち、事業戦略上重要な資格を事業年度ごとに選定しており、合格者への褒賞金を増額しております。当連結会計年度の戦略資格は、14資格で、ITベンダー系の認定資格、国家資格から選定し、目標合格者数6名に対して、実績の合格者数は、17名となりました。

 

(主な目標と実績)

 

目標

実績

e-learningの受講率

対象社員の50%以上

40.6%

戦略資格合格者数

6名

17

 

 

②ダイバーシティ・人財の多様性確保

当社は、人財の多様性が、企業の持続的な成長を確保する上で強みとなるとの認識をしており、アクモスフィロソフィーの第2章人間力を磨くにおいて、「認め合い、高め合う」をフィロソフィーの一つとして定めました。
経営会議において、女性活躍推進等、当社のダイバーシティ&インクルージョン(以下、「D&I」という。)に関する検討を行い、2026年6月期中を目標に、D&Iビジョン又はポリシーの検討、制定を計画しております。

イ.採用における多様性の確保

当社は、性別、国籍、文系理系などを問わず、能力、適性を総合的に考慮した採用活動を行っております。当社の採用は、技術職が中心ですが、採用では、女性活躍推進法の一般事業主行動計画に基づき、女性の採用比率30%以上を目標に、女性の採用に取り組んでおります。

外国人採用については、応募者全体に占める外国人の割合が少ない状況が続いているため、具体的な数値目標は設定しておりません。

ロ.シニア層の活用

当社では、60歳の定年を迎える人員が増える傾向にあり、シニア層を含めた幅広い人財の活用のため、処遇、役職など継続雇用制度を見直し、年齢を問わず活躍できる制度としております。経験者採用においても、当社において知見や経験が不足している業務を中心にシニア層の採用を行っております。当連結会計年度末の当社の管理職以上の役職者のうち、60歳以上の役職者は、8名です。

(主な実績)

 

2025年6月期実績

女性の採用比率

11.1%

正規雇用女性社員の割合

15.2%

定年後(65歳未満)再雇用の割合

100%

 

(注)特に記載がない限り、2024年7月1日~2025年6月30日の間の採用者、再雇用者に関する実績を記載しております。

1 女性の採用比率:女性採用者数÷総正規雇用社員数(2025年6月30日現在)

2 正規雇用女性社員の割合:女性の正規雇用社員数÷総正規雇用社員数(2025年6月30日現在)

3 定年後(65歳未満)再雇用の割合:再雇用者÷60歳定年を迎えた社員合計

 

(社内環境の整備に関する方針及び取り組み)

当社は、社員の物心両面の豊かさやWell-beingを支えるため、アクモスグループの理念体系や事業の将来像に共感し、働きやすく、魅力のある社内環境を整備、提供するとともに、心理的安全性に配慮したコミュニケーションスタイルの採用により、エンゲージメントの向上に取り組んでおります。

なお、ここでいう、「社内環境」とは、勤務する場所だけを指すものではなく、各種の制度や法令対応を含んでおります。

 

①人事評価&キャリア制度

イ.人事評価制度

当社は、人財育成を担う管理職に適用する人事評価において、原則として人財育成の評価と業績等の成果の評価を同等の比率としております。管理職の行動基準と人財育成指標を評価項目とし、育成指標の評価のため、社員目標管理制度を採用しております。育成フェーズにある若手社員層は、社員一人ひとりの成長の結果に応じて早期に昇格できるよう昇格の基準を設定しております。

ロ.キャリア支援制度

年1回、キャリアや業務に関する各社員の現況を把握する目的で、状況確認を行っております。業務への適性、やりがい、職場環境等の状況を確認後管理者にフィードバックを行い日頃の支援に活用するとともに、必要に応じて総務人事部との面談や上長との面談を通じて、社員がやりがいをもって業務を通じてキャリア形成ができるようサポートを行っております。

 

②女性の活躍推進

当連結会計年度末の当社の正規雇用労働者に占める女性社員の割合は、15.2%(前連結会計年度は15.4%)で、女性社員の割合が少ない状態となっております。前連結会計年度より、0.2%減となりましたが、採用数の増加に比して女性の採用数が伸びなかったことによるものです。なお、女性活躍推進法上の管理職を「全労働者のうち、定年後再雇用者を除く、正規社員、無期転換契約社員のうち、ステージ4以上の職位にあり、担当業務区分において、人員、業務の統括を行う者」と定義いたしました。

引き続き当社は、女性活躍推進法及び次世代育成支援法上の一般事業主行動計画に基づき、女性が活躍できる雇用環境の整備、並びに、すべての社員がライフステージにかかわらず十分に能力を発揮し、仕事と家庭を両立させることができる環境の整備に努めております。

 

③Well-beingの促進

イ.持株会会員への特別奨励金

当社の社員である持株会の会員を対象として一人当たり当社株式100株相当の額の特別奨励金を付与し、特別奨励金の拠出により持株会に自己株式を処分する第三者割当の方法によるインセンティブ・プランを2024年11月20日付で実施しました。このインセンティブ・プランは、社員の経営参画意識の高揚を図るとともに、当社の中長期的な株主価値に対するモチベーション向上を企図したものです。

ロ.がん治療と仕事の両立支援保険

がんは、医療の進歩等により早期に発見され、適切な治療がなされれば治るケースやより体に負担のかからない治療が可能となってきたことで、治療と仕事の両立も可能になってきております。当社は、がんにり患した社員が、治療と並行して仕事が続けられるよう「がん治療と仕事の両立支援保険」を福利厚生制度の一環として契約しております。

 

④働き方の見直し

当社は、テレワークやフレックス制度など、多様な働き方を支援する制度を設けており、両制度とも、定着しております。当連結会計年度においては、見直しを行った主なものは、以下のとおりです。いずれも、2025年7月からの運用となっております。
 ・特別条項適用による時間外労働の延長時間限度の見直し

 1か月につき延長することができる法定時間を超える時間外労働時間を95時間から90時間に変更を行いました。

・一斉ノー残業デーの見直し

 一斉ノー残業デーを増やしてほしいとの社員の声もあり、仕事の効率化や健康面での影響を考慮し、これまで年2回だった設定を見直し、毎月第3金曜日を一斉ノー残業デーとして運用する変更を行いました。
 

 

(3) 指標及び目標

当社の現時点における人的資本にかかわる指標及び目標と当連結会計年度における実績は、下記の通りです。

テーマ

指標

実績

目標

女性の活躍推進

採用に占める女性比率

正規雇用

労働者

非正規雇用

労働者

30

16.1%

0

平均勤続年数の男女比

2.7

全ての従業員で3年以下

次世代育成支援

育児休業取得者の復職率

100

90%以上を維持

 

(注) 1 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)の一般事業主行動計画における採用に占める女性の比率は、目標、実績ともに採用内定者に占める女性の割合を示しております。なお、実際に入社した正規雇用の社員に占める女性の割合は、11.1%です。

2 当連結会計年度は、男性1名が育児休業から復帰しており、男性の育児休業取得は産後パパ育休に該当します。このほか、当連結会計年度末現在育児休業中の女性社員が1名となっております。

3 次世代育成支援対策推進法(次世代法)は、2025年4月1日付で改正法が施行されておりますが、当社の現行の次世代法の一般事業主行動計画の期間は、2027年6月30日迄であり、今後一般事業主行動計画を変更する際に改正法に対応した一般事業主行動計画を策定する予定です。
 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営環境の変動に係るリスクについて

当社グループの主要事業は、景気動向等経済環境の変化による顧客企業の情報化投資の変動の影響を受けやすい傾向があり、顧客企業の景況感の変化が業績に対し影響を与える可能性があります。

(2) 特定事業分野の顧客に対する売上依存度に係るリスクについて

当社のITソリューション事業については、特定の総合電機メーカー及びそのグループ企業の顧客に売上が集中しております。業種は分散しておりますが、顧客企業の業績や契約内容の変更などにより売上高が変動するリスクがあります。

(3) 契約の解除、中途解約に係るリスクについて

当社グループでは、小口から大口の契約まで様々な規模の業務を行っておりますが、特に大口の契約においては、契約期間の途中に何らかのトラブルが発生したことにより契約の解除又は解約となった場合、当初予定していた収益を獲得することができない、又は当該契約業務にかかった経費の回収ができない等業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 情報漏えい、個人情報の保護に係るリスクについて

当社グループにおいては、システム開発や検証試験を通じ、顧客の重要な情報の提供を受けており、また、多くの個人情報の取扱いをともなう事業活動を行っております。情報漏えいや個人情報の保護には最善を尽くしておりますが、万一漏えいや個人情報の流失等の事象が生じた場合には補償等の問題が生じる可能性があります。

(5) 事業の推進者、各グループ会社の経営者に係るリスクについて

当社グループでは、各会社の規模が小さく、経営者や特定の事業又は業務の推進者に業務が集中する傾向にあり、経営者や事業の推進者にかかわるリスクがあります。

(6) 労務上の課題に係るリスクについて

当社グループ各社とも、労働基準法を遵守し、適正な労働条件の整備を行っております。組織再編等に伴い、希望退職の募集や配置転換、雇用契約内容の変更等を行う場合があります。労務上の問題については労使で協議して解決にあたりますが、場合によっては従業員との間に紛争や訴訟等が生じる可能性があります。

(7) 事業投資及び子会社株式の評価に係るリスクについて

当社グループでは、グループシナジーのある事業への投資を今後も継続してまいりますが、投資先企業の業績が計画を下回った場合には、のれん償却額などの経費が収益性に影響を与える場合があります。また、投資先企業に係る子会社株式、投資有価証券、のれんについて減損損失の適用対象となった場合には、これら資産の評価切り下げにより損失が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 自然災害、事故に関するリスクについて

当社グループの事業所周辺で地震、風水害等の自然災害や事故、新型コロナウイルス感染症などのパンデミックが発生した場合、資産の被災や交通事情の悪化、感染拡大防止措置での外出制限による出勤困難等により業務の遂行が困難となる可能性があります。また、自然災害や事故の発生に伴い、水道の断水や電力供給量の低下による停電等が起こる可能性があります。特に、当社グループの事業はシステム運用等で安定した電力供給に依存しており、停電が発生した場合には業務に大きな支障をきたす恐れがあります。

 (9) 人財確保のリスクについて

当社グループでは、新卒・キャリアの採用と社内外での教育・研修により社員の育成に務めるとともに、パートナー企業との協力により、お客様のニーズに合致した優秀なIT技術者の確保を行っております。しかし、優秀な技術者の確保・育成が困難となった場合、受注や業務遂行に支障をきたし、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 (10) システム開発上のリスクについて

ITソリューション事業ではシステムの受託開発を行っております。システム開発案件の受注時にはリスク検討を慎重に行い、受注後のプロジェクトマネジメントの強化も行っておりますが、受注時の想定以上に工数が発生した場合や、成果物に瑕疵があり、改修対応のために追加費用が発生したことにより不採算案件となった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 (11) 棚卸資産の評価に係るリスクについて

当社グループの第三者保守業務では、お客様のシステムが安定して稼働できるように、お客様のシステムにあわせた保守用部品を確保しております。しかし、保守部品という性質上、回転期間が長期となり、また、中古部品であることから流通量が少なく、第三者への売却が困難であるため、定期的に廃棄や資産価値評価の見直しが必要となる可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日、以下「当期」という。)におけるわが国経済は、緩やかな回復が見られる一方、米国の関税政策や中国の景気減速、物価の上昇や人手不足感の強まりにより先行きへの懸念が続いております。

当社グループの事業を取り巻く環境は、近年の大規模災害の発生を契機とした消防防災分野への関心の高まりや、デジタル産業基盤強化のためのデジタル人財の育成・確保が課題となっております。足元でも特にネットワークやクラウド技術をもつ人財は不足しております。当社ではエンジニア職の新卒採用社員に対する最長1年間の研修期間を設けるほか、職位に応じた研修を実施し、事業の成長に欠かせない優秀な技術者の確保と育成に取り組み、積極的な人財への投資を行っております。

当期から開始した中期経営計画2027(2024/07-2027/06)においては最終年度の連結売上高100億円到達を目標とし、収益性と成長性を軸に事業ポートフォリオのポジショニングに応じた事業戦略を推進してまいりました。成長投資領域(Growth)では、消防防災事業及びネットワーク事業に対し集中して投資しており、当期においては他領域からの異動や採用等により人員の確保に注力しております。また、グループ全体で人財採用を強化し、3年間で200名以上の採用を目標に取り組み、当期においてはグループ全体で2025年新卒採用51名、中途採用11名の実績でした。

当期は前期第3四半期末から連結した株式会社プライムシステムデザインの損益が加わっており前期比で3.1%の増収となりました。一方で採用及び人財育成を積極的に行っていることから、人件費(役員報酬及び株式報酬を除く)が前期に対し290百万円増加し10.8%増となっております。

当期の売上高は6,421百万円(前期は6,230百万円、前期比3.1%増)、営業利益は583百万円(前期は660百万円、前期比11.6%減)、経常利益584百万円(前期は660百万円、前期比11.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は386百万円(前期は422百万円、前期比8.7%減)となりました。

以上の当期業績及び中期経営計画の進捗状況を踏まえ、2024年8月5日に発表した中期経営計画2027(2024/07-
2027/06)の最終年度を1年間延長し、2028年6月期に変更することといたしました。これにともない中期経営計画の名称を中期経営計画2028に修正いたします。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年6月期)

当連結会計年度

(2025年6月期)

増減額

増減率(%)

売上高

6,230

6,421

191

3.1

営業利益

660

583

△76

△11.6

経常利益

660

584

△75

△11.4

親会社株主に帰属する当期純利益

422

386

△36

△8.7

 

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりです。

(単位:百万円)

セグメント

 

前連結会計年度

(2024年6月期)

当連結会計年度

(2025年6月期)

増減率

(%)

ITソリューション

売上高

3,875

4,023

3.8

営業利益

421

367

△12.8

ITインフラ

売上高

997

1,046

4.9

営業利益

181

163

△9.9

ITサービス

売上高

1,375

1,395

1.4

営業利益

102

99

△3.5

 

 

<ITソリューション事業>

消防防災ソリューションでは全国展開において北は北海道から南は鹿児島県の消防通信指令システムの入札に参加し、当期末までの落札件数は4件となりました。当期中には高知県で1件の完了があり、当期末時点で進捗に応じて売上を計上している1件を含め4件の仕掛・受注済み案件があります。

自治体ソリューションのクラウド化を推進し、車検時の納税確認を効率化し、都道府県・市町村の業務負担を軽減できるクラウドサービス「車検用納税確認支援システム」や、教育現場の働き方改革を支援する、教職員向け勤怠管理クラウドサービス「AttRec(アトレコ)」を全国の県、市町村への拡販に取り組んでおります。2024年9月に、当社は株式会社ネオジャパンのノーコード業務アプリ作成ツールのAppSuiteインテグレーターに認定され、アプリ作成支援&作成代行等オプション連携サービスのメニュー化を進めました。また、SES事業においてAIソリューションベンダーとの取引を開始しております。

当期より通期で株式会社プライムシステムデザインの業績が加わり、売上高は4,023百万円(前期は3,875百万円、前期比3.8%増)、営業利益は367百万円(前期は421百万円、前期比12.8%減)となりました。受注残高は前述した消防通信指令システムのほか、2025年10月に実施を控える令和7年国勢調査関連の統計システムを中心に、前期末に対し28.7%増加し1,167百万円となっております。

<ITインフラ事業>

地方公共団体による情報管理システムのネットワーク基盤リプレースなど大型の入札案件の完了や、官公庁・民間企業でのグループウェアの導入支援、行政機関や研究機関への計算機などの納入があり、前期比で4.9%の増収となりました。標的型攻撃メール対応訓練ソリューション「SYMPROBUS CoTra Enterprise」では生成AIによる訓練メールテンプレートの自動作成機能の追加やセキュリティ教育コンテンツの更新のほか、見積自動発行機能のリリースなどお客様や販売代理店の要望に対応し、機能の充実を図りました。また、営業部員の増員や、ネットワークエンジニアの育成等、人財投資を推進しました。

茨城県では、企業版ふるさと納税(人材派遣型)制度を用いて茨城県教育庁へシステムエンジニア1名を1年間派遣し、ICTを活用した教育データ利活用の推進を支援いたしました。

当期の売上高は1,046百万円(前期は997百万円、前期比4.9%増)、営業利益は163百万円(前期は181百万円、前期比9.9%減)となりました。受注残高は前期末に対し4.1%減の572百万円となっております。

<ITサービス事業>

第三者保守サービスでは、レガシー仮想化のためのエミュレータCharonの販売が伸び、パーツ販売もお客様の在庫調整の影響から回復傾向にありますが、一部保守契約の解約、エミュレータの仕入や外部委託による原価の増加がありました。病院情報システム維持管理では運用業務が堅調に推移しており、人員の調整がつかず受注できない案件もありましたが、売上高は前期比で6.5%増加しました。BPOサービスでは、入札などによる高収益案件への注力や業務効率の改善とともに営業利益が回復しております。

当期の売上高は1,395百万円(前期は1,375百万円、前期比1.4%増)、営業利益は99百万円(前期は102百万円、前期比3.5%減)となりました。受注残高は前期末に対し3.3%減の572百万円となっております。

 

財政状態の状況は次のとおりです。

Ⅰ.資産

当期末の総資産は前期末から117百万円増加し、5,378百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金の増加178百万円、仕掛品の増加112百万円の一方、現金及び預金の減少139百万円があったことによるものです。

Ⅱ.負債

当期末の負債は前期末から89百万円減少し1,711百万円となりました。これは主に、買掛金の増加86百万円の一方、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)の減少75百万円、短期借入金の減少60百万円、未払金の減少39百万円があったことによるものです。

Ⅲ.純資産

当期末の純資産は前期末から206百万円増加し3,666百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益386百万円、資本剰余金の増加39百万円の一方、配当金の支払い236百万円があったことによるものです。

 

②キャッシュ・フローの状況

当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は2,795百万円となり、前期末より139百万円減少しました。

各キャッシュフローの区分の状況とその要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは256百万円の収入(前期は347百万円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払額187百万円、売上債権の増加177百万円があった一方、税金等調整前当期純利益583百万円、仕入債務の増加82百万円、非資金項目である減価償却費52百万円があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは13百万円の支出(前期は230百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出18百万円、無形固定資産の取得による支出20百万円、投資有価証券の償還による収入30百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは382百万円の支出(前期は199百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純減額60百万円、長期借入金の返済による支出75百万円、配当金の支払額235百万円があったことによるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

 a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

ITソリューション事業

2,726,176

8.4

ITインフラ事業

561,283

5.4

ITサービス事業

938,304

0.7

合計

4,225,765

6.2

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、製造原価によっております。

 

 b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ITソリューション事業

4,243,041

20.0

1,167,755

28.7

ITインフラ事業

1,019,370

△7.4

572,256

△4.1

ITサービス事業

1,375,315

△2.7

572,070

△3.3

合計

6,637,727

9.7

2,312,082

10.3

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

ITソリューション事業

3,982,957

3.2

ITインフラ事業

1,043,977

4.9

ITサービス事業

1,394,813

1.4

合計

6,421,748

3.1

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであり

ます。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載のとおりであり、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。

また、これらの連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の数値及び偶発債務の開示並びに当該会計年度の収益・費用の数値に影響を与える見積りを必要とする場合があります。見積りによる算定を採用する場合において、当社グループの経営陣は、貸倒債権、棚卸資産、投資、アフターサービス、偶発事象、訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っています。経営陣によるこれらの判断・評価は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる要因に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なることがあります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績の分析

(売上高)

売上高は、前期に比べて191百万円(3.1%)増加し6,421百万円となりました。これをセグメント毎に分析すると、ITソリューション事業の売上高は148百万円(3.8%)増加し4,023百万円、ITインフラ事業の売上高は49百万円(4.9%)増加し1,046百万円、ITサービス事業の売上高は19百万円(1.4%)増加し1,395百万円となっております。

(売上総利益)

売上総利益は、前期に比べて74百万円(3.3%)増加し、2,308百万円となりました。売上総利益率は35.9%(前期は35.9%)となりました。

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は、前期に比べて150百万円(9.6%)増加し1,724百万円で、販売費及び一般管理費の売上高に対する割合は26.9%(前期は25.3%)となりました。

(営業利益)

販売費及び一般管理費の増加に伴い営業利益は、前期に比べて76百万円(11.6%)減少し583百万円となりました。

(経常利益)

受取利息及び配当金1百万円など7百万円を営業外収益として計上し、支払利息5百万円など6百万円を営業外費用として計上しており、これらの結果、経常利益は前期に比べて75百万円(11.4%)減少し584百万円となりました。

(税金等調整前当期純利益)

税金等調整前当期純利益は前期に比べて68百万円(10.5%)減少し583百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

以上の結果、法人税等178百万円などを控除した後の親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べて36百万円(8.7%)減少し386百万円となりました。

 

 

b. 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。

 

c. 財政状態の分析

「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

d. 資本の財源及び資金の流動性

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの事業運営上必要な運転資金及び設備資金については、自己資金又は借入金により調達することとしております。当連結会計年度末における有利子負債の残高は400百万円、現金及び現金同等物の残高は2,795百万円であります。なお、重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。

 

(参考)  キャッシュ・フローの関連指標の推移

 

2021年
6月期

2022年
6月期

2023年
6月期

2024年
6月期

2025年
6月期

自己資本比率(%)

68.0

55.6

55.5

60.2

62.5

時価ベースの自己資本比率(%)

112.6

74.4

76.0

101.0

103.0

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

42.5

176.9

91.3

154.3

156.1

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

165.7

297.6

103.9

64.3

50.9

 

(注) 自己資本比率:期末自己資本/期末資産の部合計×100

※自己資本=純資産合計-(新株予約権+非支配株主持分)

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出

※営業キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを使用

※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象

※インタレスト・カバレッジ・レシオの計算における利払いは、連結損益計算書に計上されている支払利息を対象

 

e. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況

2024年7月に、「Challenging Mind 社是「挑戦する心」をもって、事業の拡大と高付加価値化を実現し、新たな顧客を創造する」をビジョンとする中期経営計画2027(2024/07-2027/06)(以下、「本計画」という。)を開始し、Business(事業)×Members(人財)×Value(付加価値)3つの分野での挑戦を進めてまいりました。2025年6月期の売上高は前期比で3.1%の増収となりましたが、各利益項目の目標は未達となりました。

 

 

第34期
2025年6月期

(計画)

第34期
2025年6月期

(実績)

売上高(百万円)

7,000

6,421

営業利益(百万円)

700

583

経常利益(百万円)

700

584

親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)

450

386

ROE(%)

13.7

11.8

経常利益率(%)

10.0

9.1

 

 

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、最終年度を1年間延長した中期経営計画2028に基づき、企業価値を高め、より一層株主価値の向上に努めてまいります。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、事業の専門性を高め、また新しいサービス・製品の拡充を図り競争力を強化するという方針に基づいて行われております。当連結会計年度は、主にITソリューション事業におけるシステムの研究開発等により総額3百万円(前期比5百万円減)の研究開発費を計上しております。