第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

重要事象等について

当社グループは、平成29年3月期以降、継続的な売上高の減少傾向にありました。前連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、売上高は4,767,963千円となり前年同期比1,921,635千円(28.7%)の減少、営業損失481,212千円、経常損失529,040千円、親会社株主に帰属する当期純損失631,927千円をそれぞれ計上、営業キャッシュ・フローも305,471千円のマイナスを計上しました。当第3四半期連結累計期間におきましては、売上高は4,333,590千円となり前年同四半期比841,143千円(24.1%)の増加、営業利益は103,150千円(前年同四半期は営業損失382,684千円)、経常利益は114,076千円(前年同四半期は経常損失535,382千円)とそれぞれ黒字に転換しましたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う災害による損失の計上などもあり、親会社株主に帰属する四半期純損失は145,554千円(前年同四半期は613,188千円)と連続して赤字を計上しております。営業キャッシュ・フローにつきましても、損益と同様に改善の傾向にあり30,699千円の収入(前年同四半期は149,703千円の支出)を計上しております。新型コロナウイルス感染症の影響から、業績は回復基調にあり、今後は事業構造改革の継続などにより、更なる収益の拡大を見込んでおります。
 なお、ベトナム国ホーチミン市におきまして、令和3年7月9日より新型コロナウイルス感染症拡大によるロックダウン(都市封鎖)が施行されたため、主に時計関連及び釣具用部品(その他)の製造子会社であるNISSEY VIETNAM CO.,LTD.は行動制限を受け製造活動を停止しておりましたが、令和3年10月4日から操業を再開しております。
 しかしながら、当社グループは、設備及び運転資金につきまして、主に金融機関からの借入金に依存しており、総資産額に占める有利子負債の割合は、当第3四半期連結会計期間末において59.5%(前連結会計年度末は60.2%)と依然として高い水準が続いております。
 これらの状況から、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象が存在しております。
 これに対し、当社グループは以下の施策を事業構造改革として引き続き実施しております。
 前年度は、ASEAN地域における製造部門におきましては、主要な設備投資の凍結及びそれにともなう減価償却費の削減、人員の適正化及び残業の抑制などによる労務費単価の圧縮、消耗品や電気料などの経費削減、日本精密㈱グループ本社(当社)及び香港支店、メガネフレームの販売子会社である㈱村井の販売管理部門におきましては、役員報酬の減額、人員の適正化や再配置などによる労務費の削減、予算統制の厳格化による諸経費の削減などを、前々年度より継続して推進してまいりました。これらの施策はほぼ一巡しておりますが、当年度は、ASEAN地域の製造部門であるNISSEY VIETNAM CO.,LTD.及びNISSEY CAMBODIA CO.,LTD.を中心に、グループ各社が相互協力のもと、連携を密にしながら製造活動を行い、生産性の向上及び製造原価の改善を図り、今後の受注増加への対応を進めるとともに、サプライチェーンの基盤強化を目指します。
 財務面におきましては、当年度も当社グループの取引金融機関に対し、長期借入金元本の返済条項の緩和を要請し、要請しているすべての取引金融機関から同意を頂いており、今後も継続的な支援を受けられる見込みであります。また、当社は令和2年6月において、第三者割当増資200,003千円を実施しております。
 これらの具体的な対応策を実施又は継続することにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(以下、当第3四半期という。)における我が国経済は、世界経済は新型コロナウイルス感染症(以下、感染症という。)の影響による厳しい状況が緩和される中で、持ち直しの動きが続いているものの、変異株による感染症の再拡大、原材料価格やサプライチェーンを通じた影響による下振れが懸念されております。国内におきましては、景気は感染症の影響による厳しい状況が緩和される中で、持ち直しの動きが見られます。
 このような状況下、当社グループは業績拡大のため、またグローバルに信頼される企業集団としてその地位を着実に築いていくため、中期経営計画である「ASEANプロジェクトⅡ期」(令和5年3月期を最終年度とする4ヵ年計画)の3年目を迎え、「収益の拡大」「生産能力及び採算性の向上」「サプライチェーンの基盤強化」をテーマに“手のひらロマンで世界を刻む”をコーポレートスローガンに掲げ、事業構造改革の推進とともに計画の達成に向けて引き続き取り組んでおります。
 その結果、当第3四半期の連結売上高は4,333,590千円(前年同四半期は3,492,447千円)となりました。全てのセグメントにおきまして、感染症の影響からは回復基調にあり、大幅な増加となりました。
 損益につきましては、売上総利益は、操業を再開したNISSEY VIETNAM CO.,LTD.(以下、ベトナム工場という。)はフル稼働の状態となっており、コロナ禍からの受注増加による売上高の増加に加え、前々年度から取り組んでおります事業構造改革にともなう製造部門の人件費などのコスト削減はほぼ一巡しましたが、当年度はASEAN地域の製造子会社2社(3工場)を中心に、サプライチェーンの基盤強化を目的として、生産性の向上及び製造原価の改善を推し進めており、製造原価の低減にともなう利益計上などもあり956,495千円(前年同四半期は483,631千円)となりました。営業利益は、事業構造改革にともなう人件費や諸経費など販売管理費の削減はほぼ一巡しましたが、売上総利益の増加などにより103,150千円(前年同四半期は営業損失382,684千円)となり黒字に転換しました。経常利益は、営業損益の黒字化、為替相場の変動による為替差益の計上及び雇用調整助成金収入などにより114,076千円(前年同四半期は経常損失535,382千円)となり黒字に転換しました。親会社株主に帰属する四半期純損失は、事業構造改革にともなう費用を事業構造改善費用として、またベトナム工場の製造活動停止に係る費用などを災害による損失としてそれぞれ特別損失に計上、そしてメガネフレームの販売子会社である㈱村井の黒字決算による法人税の計上などにより145,554千円(前年同四半期は613,188千円)となりました。

セグメントの業績は次のとおりであります。

当社グループのセグメントごとの連結業績                           (単位:千円)

セグメント

前第3四半期連結累計期間
(自 令和2年4月1日
  至 令和2年12月31日)

当第3四半期連結累計期間
 (自 令和3年4月1日
   至 令和3年12月31日)

増減額

増減率(%)

 売上高

 

 

 

 

  ① 時計関連

2,280,508

2,953,146

+672,638

+29.5

  ② メガネフレーム

657,978

802,099

+144,121

+21.9

  ③ その他

553,960

578,343

+24,383

+4.4

3,492,447

4,333,590

+841,143

+24.1

 セグメント利益又は
 損失(△)

 

 

 

 

  ① 時計関連

△462,505

△178,385

+284,120

  ② メガネフレーム

22,254

60,200

+37,946

+170.5

  ③ その他

43,423

38,475

△4,947

△11.4

△396,827

△79,708

+317,118

 

① 時計関連

時計関連の売上高は2,953,146千円となり、前年同四半期比で672,638千円(29.5%)増加しました。このうち、時計バンドの売上高は、海外の取引先は、ベトナム工場の製造活動停止の影響が残っており約41%の減少となりました。一方、国内の取引先は、ベトナム工場の操業再開後のフル稼働により製造活動停止の影響を挽回することができ、また、受注は感染症の影響から回復してきており約36%の増加となりました。時計外装部品の売上高も同様に、国内の取引先からの受注が増加しており約37%の増加となりました。
 これにより、セグメント損失は178,385千円(前年同四半期は462,505千円)となりました。今後は、製造部門の事業構造改革の推進などにより、セグメント損益の黒字化を目指します。

② メガネフレーム

メガネフレームの売上高は802,099千円となり、前年同四半期比で144,121千円(21.9%)増加しました。㈱村井は、国内眼鏡市場は、とくに中小チェーン店などからの受注は依然として厳しい状況ではありますが、一部には展示会の再開など復調の兆しが見えており、大型チェーン店の在庫調整終了などにともなう受注の増加や期末に向けた販促活動の強化、海外の新規取引先の開拓の実施などにより、売上高はほぼコロナ禍前の水準に回復しております。
 これにより、事業構造改革による販売管理費のコスト削減、訪問営業は徐々に再開しておりますが、利益率の高いリモート営業やオンライン営業の継続などにより、セグメント利益は60,200千円(前年同四半期は22,254千円)となりました。今後も、損益を重視した営業の強化などにより、更なる収益の拡大を目指します。

③ その他

その他の売上高は578,343千円となり、前年同四半期比で24,383千円(4.4%)増加しました。釣具用部品は、感染症の影響もなく高級品向けを中心に好調を維持しており、ベトナム工場の操業再開後のフル稼働により製造活動停止の影響を挽回することができ、44,130千円(9.3%)の増加となりました。釣具用部品以外の売上高は、一部の製品についてはベトナム工場の製造活動停止の影響が残っており20,934千円(27.3%)の減少となりました。
 これにより、セグメント利益は38,475千円(前年同四半期はセグメント利益43,423千円)となりました。今後は、製造部門の事業構造改革の推進などにより、損益の挽回を図り、更なる収益の拡大を目指します。

 

 

(2) 事業構造改革

 当社グループは、収益構造を安定的又は継続的に利益を生み出す体質に変えるため、また、キャッシュを確保し当面の資金繰りに目処をつけるため、事業構造改革を実施しております。製造及び販売管理のすべての部門におきまして、前々年度から取り組んでおります減価償却費、人件費や経費などのコスト削減はほぼ一巡しましたが、当年度は、ASEAN地域における製造子会社2社(3工場)を中心に、今後の受注増加への対応を睨み、サプライチェーンの基盤強化を目指します。具体的には、NISSEY VIETNAM CO.,LTD.における製造工程の見直しを行い、一部の工程をNISSEY CAMBODIA CO.,LTD.に移管するなど2社間の作業負荷のバランスを取り、グループ各社が相互協力のもと、連携を密にしながら製造活動を行い、グループ全体の生産性の向上及び製造原価の改善を図ってまいります。
 財務面におきましては、当社グループの取引金融機関に対し、長期借入金元本の返済条項の緩和を要請し、要請している全ての取引金融機関から同意を頂いており、今後も継続的な支援を受けられる見込みであります。また当社は、令和2年6月において、第三者割当増資200,003千円を実施しております。
 これにともない、当第3四半期連結累計期間におきましては、事業構造改善費用52,604千円を事業構造改革費用として特別損失に計上しております。内訳は、報酬などの支払いであります。

 

(3) 災害による損失

 当社グループのNISSEY VIETNAM CO.,LTD.が所在するベトナム国ホーチミン市におきまして、新型コロナウイルス感染症が拡大し、令和3年7月9日よりロックダウン(都市封鎖)が施行され、同社工場は行動制限を受け、令和3年10月3日まで製造活動を停止しておりました。
 これにともない、当第3四半期連結累計期間におきましては、製造活動の停止に係る固定費など186,839千円を新型コロナウイルス感染症拡大による損失として特別損失に計上しております。内訳は、人件費及び減価償却費などであります。
 

(4) 財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末における総資産は5,604,807千円となり、前連結会計年度末と比べ233,007千円増加しました。このうち、流動資産は3,070,533千円となり、321,623千円増加しました。これは主に売上高の増加による現金及び預金、受注高の増加にともなう商品及び製品のそれぞれの増加などによるものです。固定資産は2,530,317千円となり、85,336千円減少しました。これは主に、有形及び無形固定資産の減価償却による減少などによるものです。
 負債合計は4,382,494千円となり、415,141千円増加しました。流動負債は3,598,699千円となり、567,606千円増加しました。これは主に売上高の増加にともなう支払手形及び買掛金の増加などによるものです。固定負債は783,795千円となり、152,465千円減少しました。これは主に長期借入金から1年内返済予定の長期借入金への非資金取引などによるものです。
 純資産は1,222,313千円となり、182,133千円減少しました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純損失の計上による利益剰余金の減少などによるものです。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費については、特記すべきものはありません。

 

(6) 生産、受注及び販売の状況

当第3四半期連結累計期間において、その他の受注残高が著しく増加(89.0%)しております。これは、主に釣具用部品の受注増加などによるものであります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。