(1)業績
当連結会計年度における我が国の経済は、日本円に対する米ドル相場の好転よる経常収支の改善はあったものの、昨年に引き続き世界的に景気減速に対する警戒感が広まる厳しい局面にありました。
この様な環境の中で、当社グループは、国内外市場での需要を着実に取り込むと同時に、各国の緊縮財政の影響を受けながらも順調に売上を伸ばした結果、今年度も過去最高の売上高を達成するとともに、営業利益面においても過去最高益を更新する結果となりました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は、31,862,673千円(前年同期比3.1%増)、営業利益は、9,603,528千円(前年同期比3.4%増)、経常利益は、9,879,246千円(前年同期比8.2%減)、当期純利益は、6,203,497千円(前年同期比10.9%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(歯科製品関連事業)
当社グループの主要市場である欧州に加え、アジアでも売上は伸長しました。
この結果、売上高は、27,597,178千円(前年同期比4.0%増)、セグメント利益は、11,733,720千円(前年同期比5.1%増)となりました。
(工業製品関連事業)
前連結会計年度において、売上に大きく貢献いたしました北米での歯科市場向け設備に搭載される工業用スピンドル等の商材は前年同期を下回る水準となりました。
この結果、売上高は、3,228,666千円(前年同期比6.1%減)、セグメント利益は、1,254,963千円(前年同期比4.8%減)となりました。
(その他事業)
修理等サービスにおきまして、売上高は、1,036,827千円(前年同期比10.2%増)、セグメント利益は、103,249千円(前年同期比169.5%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ25,929千円増加し、15,749,378千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、前連結会計年度に比べ1,910,313千円減少し、5,774,565千円となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益9,488,378千円の計上により資金が増加した一方で、法人税等の支払額3,663,079千円により資金を使用したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ1,996,727千円増加し、2,550,090千円となりました。これは主として、有形固定資産の取得により資金を使用したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ171,403千円増加し、2,441,197千円となりました。これは主として、配当金の支払1,452,851千円を実施したことによるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
歯科製品関連事業(本) |
2,865,420 |
103.74 |
|
工業製品関連事業(本) |
53,053 |
99.18 |
|
合計 |
2,918,473 |
103.65 |
(注) 生産実績は、生産本数で表示しております。
(2)受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日) |
|||
|
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
歯科製品関連事業 |
31,102,984 |
119.5 |
6,957,700 |
201.6 |
|
工業製品関連事業 |
3,458,172 |
103.0 |
520,060 |
179.0 |
|
その他事業 |
1,036,827 |
110.2 |
- |
- |
|
合計 |
35,597,984 |
117.3 |
7,477,761 |
199.8 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
歯科製品関連事業(千円) |
27,597,178 |
104.0 |
|
工業製品関連事業(千円) |
3,228,666 |
93.9 |
|
その他事業(千円) |
1,036,827 |
110.2 |
|
合計 |
31,862,673 |
103.1 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループが有する経営資源を最大限に活用し、更なる企業価値の向上を目指すため、以下の課題について取り組んでおります。
(歯科製品関連事業)
先進諸国の歯科医療分野における市場ニーズである予防歯科、審美歯科関連製品の拡充はもちろんのこと、人に、地球環境に優しい機器として世界№1の製品を開発してまいります。また、発展途上の国々には、各国の歯科医療環境に適合した製品の開発に主眼を置き、差別化を図りながらタイムリーに開発・販売を行ってまいります。
(工業製品関連事業)
超精密小型切削・研削機器の需要がますます高まっていく中、従来の品揃え重視の政策から、成長分野での顧客ニーズに合わせた製品開発を行ってまいります。
(メディカル関連事業)
歯科の海外拠点も活用しつつ、現場からのフィードバックをもとに迅速な製品改良に努め、消耗品ビジネスを推進するなど、採算性にも配慮した事業活動を行ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があるリスクの一部を以下に挙げていますが、全てのリスクを網羅している訳ではありません。当社グループの事業は、現時点では未知であったり、特筆すべき又は重要と認識していない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。
なお、以下に挙げた事項は、当連結会計年度末現在入手し得る情報に基づいて当社が判断したものであります。
(1)輸出比率が高いことによるリスク
当社グループの売上高に占める輸出比率は、前連結会計年度77.8%、当連結会計年度78.9%と、高い比率となっております。為替レートの変動による影響を抑えるため円建て取引を基本としておりますが、海外子会社向け取引が増加傾向にあり、また一部の販売先とは現地通貨建て取引としているため、当社グループの経営成績につきましては為替レートの変動による影響を受けることがあります。
また、円建て取引をおこなっていることから、海外の販売先では為替レートの変動によって仕入値が変動してしまうため、当社グループが意図しない値上げにつながってしまうことがあります。そのため、為替レートの変動は、販売先の営業活動にも影響を与えるものであり、それにより当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
(2)法的規制
当社グループの主力製品である医療用回転機器は、日本国内では医薬品医療機器等法、米国ではFDA(米国食品医薬品局)規制といったように、各国にて医療面および環境面などにおける法的規制を受けております。従いまして、今後これらの規制が変更された場合に、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)品質問題
当社グループは、製品の特性に応じて最適な品質を確保できるよう、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001に基づいた品質保証体制を確立し、更に医療用回転機器につきましては、ISO13485(医療機器に関する品質マネジメントシステム)やGMP(製造管理及び品質管理規則)などの規格にも対応し、厳格な品質管理のもと生産活動を行っております。しかしながら、将来的に予期せぬ不具合が発生する可能性は皆無ではなく、この場合において、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)販売網の再編に伴うリスク
販売力強化とブランド力向上を目的に販売ルートの再編を進めていますが、一時的に販売量が落ちるリスクがあります。また現地にて在庫オペレーションを行う地域については在庫量増大のリスクがあるなど、財政状態、経営状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)特定産業への依存と競争の激化に伴うリスク
当社グループの製品は主に回転機器で構成されており、ハンドピースは歯科における歯牙の切削、工業用スピンドル製品はデジタル家電の金型の微細加工などで主に使用されております。当社グループの売上の大部分は回転機器およびその周辺機器の売上に依存しております。当社グループは製品の多様化を図り、メディカル分野などの新市場に参入しておりますが、当面は売上の大部分を歯科向けの回転機器製品から得るであろうと予測しております。この歯科向けの回転機器においては、中長期的には以下のリスクを通じて財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があると考えられています。
・非回転系の製品の増加による需要減
・発展途上国のコピー製品の台頭による需要減、それに対抗するためのサービス体制拡充への支出増加
・競合による技術革新、治療方法の革新に対応する新製品開発のための設備投資・研究開発の多大な支出
・医療機器として薬事法に基づく製造の許認可を得る過程で、有効性や安全性に関して予測されなかった問題の判明、あるいは承認の遅れや承認が得られないなどの理由による、新製品開発期間の長期化
・上記の要因による製造原価の上昇、仕入部品の増加、製品在庫の増加、間接経費の増加
(6)当社グループ外の部品供給元にかかるリスク
当社グループは、ハンドピースおよびスピンドルの金属材料のほか、モーター制御用の電気ユニットなどを外部の供給元に依存しております。その供給元が他の産業の景気悪化により経営に困難をきたした場合や材料の高騰などの要因により、いくつかが入手不能になったり、入手可能量が減少したり、また替わりの供給元を見つけられない場合、当社グループの生産能力は制限されてしまいます。もし材料や部品がかなりの期間、調達不可能ということになれば、当社グループの業績に悪影響をもたらす可能性があります。
(7)訴訟にかかるリスク
当社グループにかかわる訴訟リスクとして大きく分けて知的財産にかかわるリスクと医療事故・製造者責任にかかわるリスクがあり、それらを通じて財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
知的財産に関しましては、自社の知的財産を権利化することにより第三者から防護するとともに、情報セキュリティを推進し、秘匿すべきノウハウ等の社外への流出防止を図る一方、第三者の知的財産権については、継続的に調査を行うことにより侵害の予防に努めておりますが、以下に掲げるようなリスクがあります。
・特定の国、地域においては、知的財産権に対する意識の欠如などの固有の理由により、第三者の侵害行為を効果的に取締まることができず、これによる売上低下、価格競争など、当社グループの業績及び財務状況に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
・当社グループの製品について、予期しない第三者から知的財産権の侵害を理由に訴訟を提起され、当社グループの主張が認められなかった場合、当社グループは多額の損害賠償金、製造差止めなどの不利益を受ける可能性があります。
・当社グループの保有する知的財産権が、第三者から異議申立てなどの法的手段により無効にされ、第三者が同一事業分野へ参入してきた場合、当社グループの売上低下、価格競争など、業績及び財務状況に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
・当社グループは、第三者が、当社グループの保有する知的財産権を侵害した場合、訴訟等に多額の費用を費やす可能性があるとともに、当社グループの主張が認められなかった場合、以後の事業展開に大きな影響を及ぼす可能性があります。
・当社グループの製品の中には、第三者から許諾された特許の使用を前提にした製品がありますが、今後も、当社グループが許容できる条件で、第三者から使用許諾を受けられる保証はなく、不利な条件で和解したり、事業展開に大きな影響を及ぼす可能性があります。
医療事故訴訟、製造者責任にかかわる訴訟リスクに関しましては、当社グループは医療機器の設計、開発、製造段階で製品の安全性の確保に全力で努めておりますが、使用時の偶発的な不具合などにより他者に損害を与え賠償責任を請求されるリスクがあります。将来的に法令もしくは規制による訴訟等のリスクにさらされることも考えられ、その際も当社グループの経営成績および財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、歯科医院、技工所、研究機関及びユーザーからの多様なニーズに対応するため、新製品、製造技術、管理技術及び製造設備等の研究開発を行っております。
当社グループの研究開発は当社が中心となり、市場にあった製品開発を積極的に行っております。当連結会計年度における研究開発費は、2,067,635千円となっております。
(歯科製品関連事業)
歯科用製品は、世界ダントツNo.1製品の上市を目標とし製品開発を行ってまいりました。ハンドピースにおきましては、世界最小4点注水ヘッドである『Ti-Max Z84L』、ハンドピースの滅菌器におきましては、コンパクトサイズの『iClave mini』をそれぞれ上市いたしました。
(工業製品関連事業)
工業用製品は、小型、精密化する電子・医療機器等の小型精密部品加工に対して、最適な加工条件を提供できる、高精度、高回転及び顧客要望特注スピンドルの製品開発を行ってまいりました。
(その他事業)
研究開発活動は行っておりません。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針及び見積りについては、第5[経理の状況]-1[連結財務諸表等]-(1)[連結財務諸表]-[注記事項]-「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照ください。
(2)当連結会計年度末の財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)に比べ2,572,002千円増加し、58,472,269千円となりました。
流動資産は、前期末に比べ4,759,177千円増加し、42,161,985千円となりました。これは主として、有価証券が1,818,663千円、現金及び預金が1,265,488千円増加したこと等によるものであります。
固定資産は、前期末に比べ2,187,174千円減少し、16,310,283千円となりました。これは主として、投資有価証券が2,421,969千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
負債は、前期末に比べ302,684千円減少し、5,644,951千円となりました。
流動負債は、前期末に比べ272,943千円減少し、5,161,390千円となりました。これは主として、未払法人税等が378,389千円減少したこと等によるものであります。
固定負債は、前期末に比べ29,741千円減少し、483,560千円となりました。これは主として、退職給付に係る負債が49,733千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
純資産は、前期末に比べ2,874,687千円増加し、52,827,318千円となりました。これは主として、利益剰余金が4,721,747千円増加したこと等によるものであります。
キャッシュ・フローについては、第2「事業の状況」の1「業績等の概要」に記載しております。
(3)当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は、31,862,673千円となり、前連結会計年度(以下「前期」という。)と比較して953,873千円増加しました。これは当社グループの主要市場である欧州に加え、アジアでも売上が伸長したためであります。その結果、営業利益は前期に比べ313,957千円増加し9,603,528千円となりました。
営業外損益におきましては、外貨建債権債務の評価替等に伴い為替差損78,682千円(前期は為替差益954,902千円)を計上したこと等により、経常利益は前期に比べ878,429千円減少し、9,879,246千円となりました。
特別損益におきましては、前期は関係会社株式売却益157,618千円を計上しましたが、当連結会計年度は、子会社取得時ののれん評価に伴う減損損失369,339千円を計上しました。その結果、税金等調整前当期純利益は前期比1,332,649千円減少し、9,488,378千円となりました。
法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額は、3,287,319千円(前期比533,011千円減)、少数株主損失を2,439千円(前期は少数株主利益34,703千円)計上しました。その結果、当期純利益は前期比762,495千円減少し、6,203,497千円となりました。