当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針・経営戦略等
①経営理念
大いなる志と溢れる情熱で、世界最高のイノベーションを創造し、社会に貢献します。
② 経営方針及び経営戦略
当社グループは、電子デバイス製造に関わる様々な生産工程における課題について、トータルで解決する「パッケージ戦略」を成長分野で展開しております。中長期的な企業価値の向上に向け、当社グループの成長ドライバを従来のFPD分野から半導体分野へと転換し、事業ポートフォリオの変革を推進していくことを基本方針としております。
具体的には、以下の戦略を軸に事業を推進いたします。
・成長市場への事業ポートフォリオの転換
成熟化するFPD市場における安定的な収益基盤を維持しつつ、今後の急成長が見込まれるAI用半導体向けを中心とした「アドバンストパッケージ分野」へ経営資源をダイナミックに集中させます。グループ内の技術・リソースを最適に統合し、次世代半導体製造に向けたトータルソリューションを提供できる体制を構築いたします。
・プロダクトミックスの改善とグループシナジーによる高収益化
利益率の高い半導体・フォトマスク事業の売上構成比を拡大させることで、全社的な収益構造を改善いたします。また、これまでFPD事業で培ってきたノウハウや人的資源を半導体事業へ積極的にシフトさせるとともに、M&Aによる成長事業の創出を継続することで、利益率のさらなる向上を目指します。
・最適なキャピタルアロケーションの実行
投下資本の回転率向上等により営業キャッシュ・フローの創出力を高め、得られた資金を事業拡大に向けた成長投資(M&A、最先端技術の研究開発等)へ優先的に配分いたします。また、これら成長投資と経営基盤の強化に必要な内部留保を勘案した上で、安定性・継続性および業績結果に応じた株主還元を実行してまいります。
③ 目標とする経営指標(KPI)
当社グループは、持続的な企業価値の向上と資本効率を意識した経営を推進するため、「ROE(自己資本利益率)」を最重要の数値目標として位置付けております。中期経営計画の最終年度である2029年3月期には20%以上の達成を目標として全社的に邁進してまいります。
(2)経営環境及び対処すべき課題と取組み
<主な取組み>
①事業組織の概要
当社は、連続的かつ迅速なオペレーション及びマーケティング活動を通じて顧客満足度の向上と関係性の深化を図ることを基本方針としております。この方針のもと、当社及びグループ各社間で重要課題を共有し、連携体制を強化することで、顧客に対するソリューションの迅速な提供を実現してまいります。
製品の性能・品質に加え、コストや納期面でも特定部材や企業への依存を避けた生産体制を構築し、顧客の期待に応えるべく社内体制の最適化を進めています。
ガバナンス面では、意思決定の迅速化と監督強化に向け、2025年6月に監査等委員会設置会社へ移行しました。権限委譲により経営を加速させる一方、監査等委員の議決権行使により監視の実効性を高めております。また、内部監査部門との連携によりリスク情報の集約を迅速化し、内部統制の高度化を図っております 。
②半導体分野での取組み
半導体・フォトマスク装置事業の分野では、アドバンストパッケージ (注1)事業に引続き注力しております。特に露光技術(Direct Imaging)(注2)や電気検査技術(O/S検査)(注3)の開発を進め、また、フォトマスクの検査・測定技術や、シリコンウェハの検査技術についても開発・販売を推進しております。
DI露光装置については、株式会社LE-TECHNOLOGYの「LAMBDI」が半導体・オブ・ザ・イヤー2025半導体製造装置部門の「優秀賞」を受賞したほか、「密着配線幅 1um、配線ピッチ 2.5um」のインターポーザ(注4)製造に世界で初めて対応したDI露光装置を市場投入いたしました。
また、2026年3月にはアドバンストパッケージ事業をより強化するため、新組織として「アドバンストパッケージ事業推進本部」を設置いたしました。従来、株式会社LE-TECHNOLOGY(DI露光)、オー・エイチ・ティー株式会社(O/S検査)、ジャパンクリエイト株式会社(ウェットプロセス)が当社ブイ・テクノロジーと連携をとり事業推進しておりましたが、グループ組織を一元化することで、顧客ニーズへの迅速な対応を推進いたします。
注1.アドバンストパッケージ:複数の半導体チップを1つのパッケージ内に高密度に統合し、性能向上、小型化、省電力化を実現する先進的な後工程技術です。従来の保護目的の封止技術とは異なり、2.5D/3D構造やチップ間接続技術を用いて、AI・高性能計算向け半導体で不可欠な技術となっております。
注2.Direct Imaging(DI露光):フォトマスク(原版)を使わず、CADなどの設計データから直接レーザーやUV光をプリント基板(PCB)や半導体基板に照射して回路パターンを描画する技術です。従来技術と比較して、高精度なアライメント、多品種少量生産への柔軟な対応、マスクコストの削減が可能となります。
注3.O/S検査:プリント基板や半導体等の配線において、「断線(Open)」と「短絡(Short)」の有無を、実際に電流を流して導通状態を確認する検査です。
注4.インターポーザ:半導体チップとパッケージ基板の間に配置される、微細な配線が施された中継基板です。複数のチップを高度に接続する2.5D/3Dパッケージ技術において、チップ間の高速・大容量通信を可能にする「橋渡し」の役割を果たします。
③FPD分野での取組み
FPD装置事業の分野について、市場は一定規模感で推移すると見込む中、高シェア製品のさらなる差別化やコストダウンを進めております。さらに、中国などにおいて、現地拠点を活用した受注・生産体制を強化し、顧客ニーズへの迅速な対応と徹底したコスト競争力の向上を図っております。また、高精細な蒸着マスクの受注・販売に成功し、中小型OLED分野での部材ビジネスが着実に進展しております。
一方、FPD市場は成熟化が進み、大幅な成長が見込みにくい状況の中、現地顧客による内製化が急速に進んだ中小型OLEDのサルベージ(良品化)事業については、整理縮小を進行中であり、事業規模の最適化を図っております。
④研究開発の取組み
研究開発拠点としてYRPイノベーションセンターを2022年8月に設立し、半導体関係装置の生産拠点の機能だけではなく、これまで分散していた開発機器を集結し、エンジニアが直接装置に触れることで、机上では得られない貴重なノウハウ取得や発想の転換から新製品につながるイノベーションを生み出します。
また、開発成果を自社生産へ迅速に展開すると同時に、製品設計の共通化等を進めることで製造コストの削減や短納期化、品質の向上を実現させるなど、製品競争力の向上に向けた取り組みを重ねています。
⑤生産の取組み
当社は、需要の変動に機動的に対応するため、製品の生産においては「ファブレス」を基本方針としており、国内外の協力会社への製造委託を行っております。特に、装置サイズが大きく、生産に広大なスペースを要するFPD装置事業においては、すべての製品を協力会社にて製造しております。
一方、半導体・フォトマスク装置事業においては、市場投入初期の製品や収益性の高い製品について、当社YRPイノベーションセンターにて製造を行い、それ以外の製品については協力会社に製造を委託する体制を採用しております。
また、顧客からの短納期での納入ニーズに対応するため、部品調達から組み立てに至る工程全体の見直しを進め、リードタイムの短縮に全社を挙げて取り組んでおります。
<事業ポートフォリオに関する基本的な方針>
電子デバイス製造分野を中心に、子会社の事業を含め、多方面で事業を展開しております。当社グループは、保有する事業ポートフォリオを適時・適切に見直し、グループの安定成長に最も適した全社管理に取り組んでいます。
ポートフォリオの見直しに際しては、事業ごとの業績動向に加え、グループのビジョンへの適合性や、中長期の環境変化を踏まえた上で、判断いたします。
企業が社会ひいては地球と共存し、持続可能な発展ができるよう社会的責任を果たすことが重要と考えます。サステナビリティを巡る取組みについて、経営理念、経営方針、企業行動指針並びに社員行動指針に基づき以下のとおり基本方針を定めております。
・世界最高のイノベーションの創造を通じた社会・地球への貢献
事業を通じた地球環境問題への対処はもとより、協賛を通じて地域社会への参画と貢献に努めます。持続可能な社会の実現に向け、新しい技術及び事業におけるイノベーションへの挑戦をし続けます。
・経済活動における法令遵守
国内外の法令等を遵守し、良識のある企業活動を行います。公正な取引を担保するため、市場における自由競争を尊重し、ステークホルダーの皆様との公平かつ対等な関係の維持に努めます。
・人権や様々な価値観の尊重
従業員及び関係者の個人の多様な価値観・個性・プライバシーを尊重します。またアジアを中心にグローバル展開する企業として、個々人の価値観だけでなく国や地域ごとの文化や慣習を尊重した相互理解に努めます。
ガバナンス
半導体装置及びFPD装置において、性能向上、歩留まり改善、省エネルギー化は重要な取り組み事項です。顧客に応えた製品開発、製造・販売の推進そのものが、サステナビリティを含めた地球環境問題への取り組みであるものと認識しており、専任部署のみならず、全社的に推進しております。
取締役会は、社長執行役員等からの報告、提案をもとに、当該サステナビリティを含めた地球環境問題に関連するリスクの管理および機会の活用状況を監督します。また、社長執行役員は、各本部会議において、各本部の責任者より、当該サステナビリティを含めた地球環境問題に関連するリスク対応機会に関する報告、提案等を受け、精査・検討の上、必要な管理・指示を行っております。
リスク管理
気候変動を「危機管理基本規程」に基づく重要な外部リスクの一つと位置付け、全社的な管理対象としております。そのため、事業計画及び予算策定時には取締役会および各部署にて、気候関連のリスク及び機会を検討事項として組み込んでおります。今後も取締役会、本部会議等での報告を基に、気候関連リスクの評価と機会の活用に向けた精査・管理を継続します。なお、全社的なリスク管理体制として、リスク管理委員会を設置しております。
戦略
(1)人的育成方針
サステナビリティを巡る取組みの基本方針に定めているとおり、従業員及び関係者の個人の多様な価値観・個性・プライバシーを尊重しております。またアジアを中心にグローバルに企業活動を展開しており、個々人の価値観だけでなく国や地域ごとの文化や慣習も考慮し相互理解に努めております。海外現地法人含め本人の能力、識見等を公正に評価して性別、国籍、採用ルートによらず管理職に登用するという多様性確保の考え方のもと、企業活動を行っております。
(2)社内環境整備方針
従業員の安全と健康を最優先とし、職場環境の整備に取り組んでいます。休日出勤時の振替休日100%取得や有給休暇の計画的取得(付与より10ヶ月以内)に向けた管理の強化、安全衛生委員会での海外現地法人を含めたヒヤリハット事例の共有等を実施しています。
指標及び目標
(1)人的育成方針
創業より様々な人々を受け入れ成長してきた背景(企業文化)があるため管理職に占める中途採用者は現状90%以上と非常に高く、その能力に応じて、適宜、執行役員への登用も進めてまいりました。また、女性及び外国人の管理職登用も、本人の資質・能力に応じて、積極的に進めてきました。この度、ビジネスをアジア諸外国中心に展開している現状を踏まえ、2030年代に向けて管理職に占める外国人の登用について10%程度の目標(現状3%程度)を設定いたしました。また、女性については昨年に引き続き2025年6月26日開催の第28回定時株主総会において役員を登用しましたが、管理職に値する人材は今後も積極的な登用を行う予定です。なお、中途採用者の管理職への登用は十分なため、2030年代に向けての具体的な数値は定めず現状維持としております。
(2)社内環境整備方針
多様な働き方支援として、最大1時間の時差出勤制度を導入しております。また、従業員のワークライフバランス向上を目的に、有給休暇の計画的取得(付与より10ヶ月以内)の完全達成を目標に掲げ、2030年代までの達成を目指します。(2025年度実績80.2%)。
※当社グループにおける数値目標等の設定および適用範囲については現在検討中であるため、当期の指標および目標値はすべて提出会社(単体)の数値を基に算出・記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)市場環境の変化及び新事業領域への展開に関するリスク
当社グループは、主に電子デバイス製造装置の市場で世界的に事業を展開しており、お客様のニーズを先取りした付加価値の高い製品の提供により事業を成長させてまいりました。
一方で、装置市場は需要動向、技術進化、産業政策や世界経済の変化による影響を受けやすく、市場変化による設備投資計画の延伸や受注キャンセル等が発生した場合には、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは中長期的な企業価値の向上に向け、次世代技術を見据えた新たな事業領域への展開や製品開発を推進しておりますが、市場の立ち上がりが想定より遅延した場合や、競争激化等により収益貢献に時間を要した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)生産の外部委託及びサプライチェーンに関するリスク
当社グループは、市場変化への柔軟な対応及び成長原資の最適配分のため、主にFPD用の大型設備について生産を外部委託(ファブレス化)しております。外部委託リスクを軽減するため、生産委託先と協力会を組織して情報共有を図るとともに、YRPイノベーションセンターにおける一部重要部材の内製化や、部材調達の多角化を進めております。
しかしながら、委託先の経営状態の急変や不測の事故に加え、昨今の地政学的要因等によるグローバルな物流網の混乱、部材供給の遅滞、あるいは輸送コストの急激な高騰等が生じた場合、製品の安定供給や利益率に重大な支障をきたし、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(3)知的財産権等に関するリスク
当社グループは、製品の生産を協力会社に委託しており、当該企業との間では、技術やノウハウ等の知的財産の保護を目的とした契約を締結する等、知財等の社外流出の防止に努めております。また、事業の競争優位性を持続的に維持する為、特許・実用新案の出願を積極的に行っております。
しかしながら、人員の退職や、知的財産権の保護が不十分な地域における模倣行為等が発生した場合には、損害を被る可能性があります。
一方、第三者の知的財産権については、管理体制を整備し、これを侵害しないよう努めておりますが、万が一抵触した場合には、多額の係争費用や損害賠償金などが生じる可能性があります。
(4)研究開発に関するリスク
当社グループは、お客様の将来の要請に先駆ける製品の早期実用化を目指し、先進的な技術の開発に継続的に取組んでいます。また、お客様と技術開発を目的とした合弁会社の設立や、協業による技術開発等、取り組みを重ねています。
しかしながら、開発中の技術に対抗する技術が想定を上回る時間軸で登場した場合や、研究開発の大幅な遅延が発生した場合等により、研究開発の成果が必ずしも収益の獲得に繋がらない場合には、当社グループの業績へ大きな影響を及ぼす可能性があります。
(5)品質に関するリスク
当社グループは、高い品質を確保する為に協力会社と仕様情報の共有化、完成品の出荷検査等の取り組みを継続的に実施しております。しかしながら、先端技術あるいは新技術を用いた製品を扱うことも多く、想定が困難な製品不具合等による検収の遅れ等が発生した場合、当社グループの業績へ大きな影響を及ぼす可能性があります。
(6)代金の回収に関するリスク
当社グループは、与信管理を厳格に行うと同時に、検収から代金回収までを計画的に行う為に納品済み装置の状況や課題等についてお客様と共有する等の取り組みを進めています。しかしながら、お客様の財務状況の変化や、新技術を用いた製品の不具合の発生と検収作業の長期化等が発生した場合には、当社グループの代金回収に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(7)企業買収に関するリスク
当社グループは、新たな事業領域への進出、新技術・ビジネス基盤の獲得、既存事業の競争力強化などを目的とした企業買収を実施しています。徹底した市場調査やデューデリジェンスに基づき企業買収等を実施しておりますが、予想を超えた事業環境の変化等の結果、期待した収益を獲得できない場合、期待した成果が十分に得られなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)重要な訴訟等に関するリスク
当社グループは、現在においてその業績に重要な影響を与えうる訴訟等に関与しておりません。また、法務・知財部による調査や社内チェック体制の整備をしており、必要に応じて取締役会等に報告し管理する体制となっています。しかしながら、当社グループの事業活動等が今後重要な訴訟等の対象となる場合には、その結果によっては当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(9)法令・規制に関するリスク
当社グループは、グローバルに事業を展開する上で、各国・各地域において、輸出入規制、環境規制、移転価格税制といった各種法令、規制の制約を受けており、その遵守に努めています。しかしながら、予期せぬ法令、規制の強化、改正が生じたこと等により、適切な対応ができなかった場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(10)その他のリスク
当社グループは、新たな高成長・高収益事業の創出、既存事業における更なる高収益の追求、市場規模縮小時においても利益を生み出すことのできる体質への改善に積極的に取組んできましたが、世界及び各地域における経済環境、異常気象や地震等の自然災害、気候関連規制、戦争、テロ、感染症、金融・株式市場、政府等による規制、仕入先の供給体制、商品・不動産市況、国内外での人材確保、標準規格化競争、重要人材の喪失等の影響を受け、業績が大きく変動する可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ10億円減少し、643億9千2百万円となりました。これは主に、「現金及び預金」が28億3百万円増加し、「受取手形及び売掛金」が22億9千2百万円、「原材料及び貯蔵品」が7億1百万円減少したことによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ7億7千6百万円増加し、85億8千4百万円となりました。これは主に、「投資有価証券」が10億5百万円、「機械及び装置」が4億6千5百万円増加し、「関係会社株式」が3億9千6百万円減少したことによります。
この結果、資産は、前連結会計年度末に比べ2億2千4百万円減少し、729億7千7百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ15億6千1百万円減少し、227億1百万円となり
ました。これは主に、「電子記録債務」が13億5千1百万円、「前受金」が7億8千2百万円減少し、「短期借入金」が8
億6千5百万円増加したことによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ13億3千1百万円減少し、140億2千5百万円となりました。これは主に、「長
期借入金」が15億3千5百万円減少したことによります。
この結果、負債は、前連結会計年度末に比べ28億9千2百万円減少し、367億2千6百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ26億6千8百万円増加し、362億5千万円となりまし
た。これは主に、「利益剰余金」が15億3千5百万円、「為替換算調整勘定」が6億4千2百万円、「その他有価証券評
価差額金」が4億7千6百万円増加したことによります。
b.経営成績
当連結会計年度の当社グループの連結業績につきましては、売上高は529億9千2百万円(前年同期売上高461億8千2
百万円)、営業利益は37億6千8百万円(前年同期営業利益18億2千1百万円)、経常利益は34億7千4百万円(前年同期
経常利益18億9千1百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は23億1百万円(前年同期親会社株主に帰属する当期
純利益8億円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
(半導体・フォトマスク装置事業)
半導体・フォトマスク装置事業においては、前連結会計年度に比べ増収を確保したものの、一部装置の設置時期が
当初予定から延伸した影響を受け、計画を下回る結果となりました。当連結会計年度の当社グループの半導体・フォ
トマスク装置事業の連結業績につきましては、売上高は195億9千3百万円(前年同期149億5百万円)、営業利益は6億
5千4百万円(前年同期12億4千2百万円)となりました。
(FPD装置事業)
フラットパネルディスプレイ(FPD)装置事業においては、大型パネル向けを中心に市況は堅調に推移したもの
の、一部の装置において納入時期の延伸が発生いたしました。当連結会計年度の当社グループのFPD装置事業の連
結業績につきましては、売上高は319億6千4百万円(前年同期298億9百万円)、営業利益は32億2千万円(前年同期9
億1千2百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ、27億7千6百
万円増加し、289億1百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果取得した資金は、57億4千8百万円となりました。資金の取得は、主に、税金等調整前当期純利益34
億2千4百万円、売上債権の減少26億9千2百万円によります。資金の使用は、仕入債務の減少20億3千8百万円、法人税
等の支払額10億4千万円によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、17億円となりました。資金の取得は、主に、定期預金の払戻による収入7億3千万
円、資金の使用は、主に、有形固定資産の取得による支出10億6千3百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取
得による支出5億7千1百万円によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、15億6千5百万円となりました。資金の取得は、主に、短期借入れによる収入50億
4千万円、長期借入れによる収入48億8千万円、資金の使用は、主に、長期借入金の返済による支出60億4千2百万円、
短期借入金の返済による支出46億5千万円によります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
生産の実績については、販売実績と傾向が類似しているため、記載を省略しております。
b.受注実績
受注の実績については、短期の受注動向が顧客の投資動向により大きく変動する傾向にあり、中長期の会社業績を予測するための指標として必ずしも適切ではないため、記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
半導体・フォトマスク装置事業(百万円) |
19,593 |
31.5 |
|
FPD装置事業(百万円) |
31,964 |
7.2 |
|
その他事業(百万円) |
1,435 |
△2.2 |
|
合計(百万円) |
52,992 |
14.7 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
Xiamen Tianma Optoelectronics Co., Ltd. |
8,143 |
17.63 |
- |
- |
|
Guangzhou China Star Optoelectronics Semiconductor Display Technology Co., Ltd. |
6,466 |
14.00 |
- |
- |
|
株式会社エイチ・ティー・エル |
4,979 |
10.78 |
- |
- |
|
Zhejiang Laibao Display Technology Co., Ltd. |
- |
- |
5,721 |
10.80 |
2.前連結会計年度のZhejiang Laibao Display Technology Co., Ltd.及び当連結会計年度のXiamen Tianma Optoelectronics Co., Ltd.、Guangzhou China Star Optoelectronics Semiconductor Display Technology Co., Ltd.、株式会社エイチ・ティー・エルにつきましては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
②経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
a. 経営成績等の状況
当連結会計年度の半導体・フォトマスク装置事業においては、アドバンストパッケージ向けDI露光装置やウェハ検査装置などが牽引し、売上高は前連結会計年度と比較して大幅に増加し、過去最高を計上いたしました。一方で、一部装置の設置時期が当初予定から延伸したことに加え、フォトマスク関連売上の減少、相対的に粗利率が低い案件の売上拡大に伴うプロダクトミックスの変化、及び製品保証関連費用の計上などの影響により、セグメント利益は減益を余儀なくされました。事業の更なる成長に向けては、AI用半導体等で需要拡大が見込まれるアドバンストパッケージ分野に注力すべく、グループ事業を一元的に運営する「アドバンストパッケージ事業推進本部」を新設するなど、研究開発及び受注獲得に向けた推進体制の強化を図りました。
FPD(フラットパネルディスプレイ)装置事業におきましては、大型パネル向けを中心に市況が堅調に推移いたしました。中国向けカラーフィルター露光装置などで一部納入時期の延伸が生じたものの、高採算案件の増加等により収益性が大きく改善し、セグメント利益は大幅な増益となりました。一方で、中国におけるFPD装置の国産化の進展や、足元の地政学情勢を踏まえた物流コスト上昇等のリスク要因が継続していることから、引き続き環境変化や将来の様々なリスクに機動的に対応できる体制の構築を推進いたしました。
その結果、当連結会計年度の当社グループの売上高は、半導体・フォトマスク装置事業の伸長が牽引し、529億9千2百万円(前連結会計年度売上高461億8千2百万円)と増収となりました。また、営業利益につきましては、半導体・フォトマスク装置事業において製品保証関連費用の計上等の減益要因があったものの、FPD装置事業における高採算案件の増加に伴う大幅な収益性改善がこれを吸収した結果、37億6千8百万円(前連結会計年度営業利益18億2千1百万円)と大幅な増益となりました。経常利益につきましては、持分法による投資損失の増加などによる営業外費用の不調があったものの、営業利益の増加に伴い34億7千4百万円(前連結会計年度経常利益18億9千1百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は23億1百万円(前連結会計年度親会社株主に帰属する当期純利益8億円)となりました。
〈営業利益の主な増減要因(前年同期比)〉
b. 当社グループの資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・ フロー」に記載のとおりです。
(契約債務)
2026年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりです。
|
|
年度別要支払額(百万円) |
||||||
|
合計 |
1年以内 |
1年超 2年以内 |
2年超 3年以内 |
3年超 4年以内 |
4年超 5年以内 |
5年超 |
|
|
短期借入金 |
2,161 |
2,161 |
- |
- |
- |
- |
- |
|
長期借入金 |
18,949 |
6,230 |
6,108 |
3,840 |
2,037 |
680 |
51 |
連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、上記の表において、長期借入金に含めております。
(財務政策)
当社グループは、事業維持及び拡大に必要な資金について、安定的に低コストで確保することを基本方針としており、年度経営計画に照らして、必要な資金を調達するようにしております。また、資金の流動性確保のため、金融機関と124億円(うち17億6千万円使用)の当座貸越契約を締結しております。
当社グループの主な資金需要は、運転資金及び投資資金であります。運転資金の主なものは、製品製造のための原材料等の購入費、外注費、製造経費の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資資金の主なものは、固定資産等の設備投資、事業拡大を図るためのM&A等の投資であります。
これらの運転資金及び投資資金につきましては、営業活動から得た資金や内部留保資金の他、金融機関からの借入により調達しております。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)はフラットパネル・半導体の生産にかかわる露光・検査・修正・その他製造技術、及び関連する部材・プロセスの基幹要素技術及び次世代に向けた技術の研究開発活動を進めており、電子回路設計、光学設計、荷電粒子ビーム設計、装置制御システム設計、超高真空要素開発、各種プロセス技術開発をベースに、業界をリードする技術の確立と製品への展開を目指しております。
当社グループの研究開発は主に当社にて実施しており、生産・技術部門とも綿密に連携しながら研究開発効率の向上にも努めております。また、新規テーマ探索等のために関連する学会への参画・大学等の研究機関との積極的な交流も継続して進めております。
当連結会計年度における研究開発費は、新製品及び新機能の開発、既存製品の性能・信頼性向上、コスト低減のための要素技術開発を目的に
半導体向け小型フォトマスク製造に関連する主な開発要素技術としては、高精度光学式パターン検査技術、超高精度座標計測技術、マスクレス露光技術、フェムト秒レーザ発振技術や荷電粒子ビームによる修正・計測技術の開発などを行っております。