文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「常に顧客の要請に応えて、その時代に即した新しい価値の創造に努める」を基本理念としており、国内だけでなくグローバルな市場において「利益を伴う成長」を達成し、継続的に企業価値を高めていくことを目指しております。当社グループは、振動計測技術をベーステクノロジーとした製品を製造しております。
主な製品として、自動車・家電製品・デジタル機器などに搭載されている回転機器(モーター、ハードディスク、タイヤなど)を対象とし、回転した状態でのつり合いを測定するバランシングマシン、主に自動車に搭載される電子部品の振動によって受ける影響を試験する試験機や、試験対象物にかかる様々な負荷を再現し、耐久性を試験する電気サーボモータ式試験機を製造販売することにより、顧客の品質向上を通じて社会に貢献することを目標として研究開発を行っております。
当社グループは、売上高、売上高経常利益率、自己資本利益率の向上を目標とした経営活動を実施してまいります。なお、具体的数値に関しましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.経営成績の分析」に記載しております。
当社グループは、投資効率の高い経営を図るため、売上高、売上高経常利益率、自己資本利益率の向上を目標とするバランスのとれた経営計画を策定し実施して、景気動向や主力ユーザーの業界動向等を考慮し、計画を作成しております。
現在、新中期経営計画を策定している段階にありますが、現在世界情勢による部品の供給不足の動向次第では事業環境及び中期的な経営計画に影響を与えることが想定されることから、収束時期が不透明な現時点において合理的な中期経営計画を策定することが困難となっております。そのため、2025年3月期より開始する中期経営計画については未定とさせていただき、開示が可能となった時点で速やかに開示いたします。
当社グループの主力ユーザーである自動車部品・タイヤメーカー及び電子・家電メーカーのアジア圏を中心とした地域への海外生産移管が、今後も継続することが予想され、さらに現地ユーザーからの受注も増加傾向にあります。
これにより海外メーカーや現地メーカーとの価格競争が激化し、当社グループの主力製品であるバランシングマシンを中心とした試験計測機も、その影響を受けております。
このような状況の下、当社グループは以下の課題につき対処していく所存であります。
古河テクニカルセンターの受託試験も開始しており、本社第三工場の生産スペースの拡大により、電気サーボモータ式各種試験機等の生産能力が向上しております。
各連結子会社の現地生産体制を強化するため社内外を問わず生産スペースの拡充を図り、今後もグループ全体としてコストダウンの相乗効果を上げるために、各社の生産管理部門及びエンジニアリング部門をさらに強化してまいります。
当社グループの海外売上高は、当連結会計年度において69.5%と高い比率になっております。このため、為替予約などの施策を行うことにより、為替相場の変動による業績への影響を極力抑えるよう努力いたします。また、製品製造期間の長期化に対応するため、運転資金を調達しておりますが、業績に与える影響を少なくするように調達手段を検討しております。
当社グループは、これまでユーザーのニーズを的確に把握し、特に現場担当者の方々の声を反映させて新製品の開発を行ってまいりました。
既存事業の主力製品であるタイヤ関連試験機につきましては、生産ライン用タイヤバランサー及びユニフォーミティマシンの設計変更等によるコストダウン・精度向上を目指した研究開発を今後も継続して行ってまいります。
また、普通乗用車及びトラック・バス用「タイヤ摩耗試験機」・「フラットロードタイヤ総合試験装置」をはじめとした、タイヤの耐久性・グリップ力・転がり抵抗など、タイヤの基本性能・精度向上を目指した研究開発用各種試験機の研究開発を推進してまいります。
近年、自動車の自動運転化への流れが急速に進む中で、EVモーターや車載用の各種コンピューターユニット等、自動運転を実現するための各製品に対して、今まで以上に高い信頼性(性能・耐久・安全)が求められる試験機需要が高まるとともに、EV化に伴い車両部品が発生する振動の重要度に関する認識が強まっております。
当社グループが今後の主力製品の柱として位置付けて研究開発を推進し、製品化に成功した「電気サーボモータ式試験機」及び「動電型3軸同時振動試験機」はユーザーから要求される性能試験に対応する製品シリーズとして高い評価をいただいており、さらなる製品開発を進めております。
この試験機は、競合他社が製造している従来の油圧試験システムと比較して「環境・メンテナンス・省エネ等」の面で優れた性能を有しており、特に近年CO2削減による省エネ化が重要視されているため、今後さらに多くの納入実績を積み重ねてまいる所存です。
今後さらに性能・精度・機能面の向上を目指して、新たな試験機需要に対応した研究開発活動を推進してまいります。
今後予想される競合他社による製品の価格低下圧力や生産増加・品質向上に対応するため、また、海外連結子会社における生産能力や品質の向上、現地ユーザーに対するメンテナンス等の対応能力をより一層高めるため、エンジニアの育成を重要な課題と位置付けております。
具体的な施策としては、従来より当社グループの現地スタッフに対する技術研修、各連結子会社への積極的な技術指導を行っておりますが、今後も継続してグループ全体として人材育成に取り組んでまいります。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は、「常にお客様にご満足して頂ける製品の提供」をモットーに、顧客満足の追及と顧客ニーズの多様化に応えるべく技術革新による品質向上に取り組み、企業を繁栄させることにより地域社会に貢献することを基本理念としております。
当社においては、取締役会を会社法規程事項及び経営の重要事項に関する審議決定を行う場と位置づけ、月一回の取締役会の開催に加えて、必要に応じて臨時取締役会を開催しております。取締役と役職者が参加する経営会議を月に一回開催し、経営判断を伝達し共有されるような体制を構築しております。
サステナビリティに関する考え方や取り組みについては、外部専門家の知見を参考に検討を進めていくことを取締役会において決議しており、当期においては、TCFDに関する外部専門家との契約を締結したため、2025年3月期において当社のCO2排出量を把握することを目標としてまいります。サステナビリティ全般については、外部専門家の選定を継続しております。
①サステナビリティに関する戦略
サステナビリティに関する戦略については、「(1)ガバナンス」において記載のとおり、外部専門家の知見を交えての検討が必要と判断しており、専門家の選任と併せて対応を進めております。
②人的資本に関する戦略
(人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針)
当社の競争力の源泉は「人材」であり、人は財産であるとの認識のもと、人材育成を行っております。獲得した人材に必要なスキルを身につけさせ能力を最大化させるため、業務上必要とされる技術的な能力・顧客ごとに異なる仕様を理解するための専門知識の取得を目的とした研修を受講するとともに、顧客からの要求に応じた製品を製造するための取り組みを継続的に実施しております。
また、当社の社員は中途採用が多く、海外取引が多いため、多様な背景を持つ人材を採用し業務を遂行しておりますが、人材の多様性を確保・定着するために必要とされる社内環境を整理してまいります。
当社は、経営戦略上のリスクについては総務部門及び関連部門において、リスク分析やその対応策の検討を行い、必要に応じて役職会議、取締役会において検討しておりますが、サステナビリティ全般に関する課題については、検討の範囲がより広範囲にわたることから外部専門家の知見も参考に検討を進めております。
上記(2)において記載のとおり、戦略については今後も継続的に整理してまいります。そのため、具体的な指標についても同様に検討してまいります。
なお、管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休暇取得率及び労働者の男女の賃金の差異についての実績は、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休暇取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載のとおりであります。
当社グループの事業活動に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは日本国内のみならず、海外では主に米国、韓国、中国、東南アジアで事業展開をしており、今後の地域戦略の中心を担うASEAN諸国その他の新興市場国等の経済情勢及び社会情勢が変化した場合は、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
また、海外市場における事業展開には、法制や税制の変更、政治・経済情勢の変化、インフラの未整備、人材確保の困難性、テロ等の非常事態、ウクライナ情勢の長期化等といったリスクが内在しており、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、モーターの回転子や、エンジンあるいはタイヤのように高速で回転する回転体のバランスを計測し、修正まで行うダイナミックバランシングマシンの製造を主たる事業としております。特にタイヤ業界において、安全性、品質向上へのニーズの高まりとともに主要試験項目であるバランス及びユニフォーミティ(均一性)試験の精度向上が要求されてまいりました。
当社グループは、この2つの試験を同時に行うことができる複合機(UBマシン)を開発し、タイヤ関連試験機の中で戦略製品として位置付け、積極的に拡販してまいりました。なお、全製品におけるタイヤ関連試験機の受注残高に占める割合は、当連結会計年度末で71.1%と非常に高い割合であります。このように、タイヤ関連試験機に対する依存度は依然として高い状況にあり、今後の当社グループの経営成績はタイヤ業界・自動車業界等の設備投資動向に影響を受ける可能性があります。
(3) 海外売上高について
当社グループの連結売上高に占める海外売上高は、自動車関連メーカーなどの中国あるいは東南アジアへの生産移管、世界的な市場を視野に入れた自動車・タイヤ業界の海外への進出、さらに中国の自動車産業の躍進に見られる現地ユーザーの台頭やグローバルサプライチェーンの見直しにより、海外への売上高比率は今後も高い水準で推移すると予想されます。
したがって、今後の当社グループ経営成績は、主要な海外売上先である中国をはじめとするアジアの経済情勢、市場動向により影響を受ける可能性があります。
当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は上記の「(3) 海外売上高について」に記載のとおりであります。当社の売上高における米ドル建て売上は、依然大きな割合になっており、為替相場の変動の影響を受けやすい状況であります。
今後とも、為替相場の変動によるリスクへの対策を講じてまいりますが、影響をすべて排除することは難しく、当社グループの経営成績に少なからず影響を与える可能性があります。
当社グループは日本国内のみならず、海外では主に米国、韓国、中国、東南アジアで事業展開しており、各国において様々な法的規制を受けております。
当社グループは、これらの法的規制等の遵守に努めておりますが、当該法的規制が改正された場合や、何らかの理由により当社グループがこれらの法的規制等を遵守出来ない場合には、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、品質管理基準に従って各種製品を製造しておりますが、欠陥や品質不良により、クレーム等が発生する場合には、当社グループに対する顧客の信頼が低下し、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループは、生産物賠償責任保険に加入しておりますが、同保険が賠償額を十分にカバーできるという保証はなく、製造物責任による多額の損害賠償が発生した場合には、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、自社が保有する技術等については特許権等の取得による保護を図るほか、他社の知的財産権に対する侵害の無いよう弁理士の協力を得ながらリスク管理に取り組んでおります。
しかしながら、当社グループが現在販売している製品、あるいは今後販売する製品が第三者の知的財産権に抵触する可能性を的確に判断できない可能性があり、また、当社グループが認識していない特許権が成立することにより、当該第三者より損害賠償等の訴えを起こされる可能性があります。そのような場合、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは国内外に生産拠点があり、大地震、台風等の自然災害や事故、火災等により、生産の停止、設備の損壊や電力供給不足等の不測の事態が発生した場合には、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があり、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの企業経営陣は、各担当業務分野において、重要な役割を果たしております。これら役員が業務執行できなくなった場合、並びにそのような重要な役割を担い得る人材を育成、確保できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況と生産、受注及び販売の実績(以下、「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境は、半導体不足による影響が緩和されつつあるものの、部品納期の長期化や資源高の影響を受けており、ウクライナ情勢の緊張が長期化し、依然として先行きの不透明な状況が続いております。
また、日本経済は、部品納期の長期化や資源高の影響を受けているものの、新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類に移行されたことで行動緩和が進んだことにより、景気は回復の傾向を見せており、企業の設備投資が再度検討されております。なお、当社グループが主力取引先としている中国及び東南アジアの自動車及びタイヤ業界の設備投資については、当連結会計年度において回復傾向で推移しており、当社の主力顧客である日系企業や中国企業の欧州や東南アジア等への海外進出が続いております。
国内自動車関連メーカーの設備投資につきましては、電動化の推進やカーボンニュートラルなどの世界的潮流への対応に注力するなか、電気自動車等の環境や省エネに配慮した自動車部品に対する製造・研究開発分野への投資が続いております。
このような経営環境のなかで当社グループは、生産ライン用の試験装置であるバランシングマシンとともに、研究開発用でありイニシャルコストとランニングコストの低減が見込める電気サーボモータ式試験機の営業活動を、国内及びアジアを中心に積極的に展開しております。この結果、中国をはじめとするアジアのタイヤメーカー向けの生産ライン用タイヤ関連試験機の大型受注や、国内部品メーカー向けの電気サーボモータ式試験機等の受注を獲得いたしました。
売上高につきましては、部品等の供給不足に伴う製品製造期間の長期化は続いているものの、アジアのタイヤメーカーを中心としたバランシングマシンの売上検収が増加したことにより前連結会計年度と比較して増加しております。
利益面につきましては、開発要素の高い製品の売上が集中したことや原価高騰の影響を吸収しきれず、前連結会計年度と比較して損失が増加しております。
その結果、当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高102億3千9百万円(前連結会計年度比2.0%増)、営業損失6億1千2百万円(前連結会計年度は3千8百万円の損失)、経常損失1億5千3百万円(前連結会計年度は1億8千8百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失2億5千8百万円(前連結会計年度は6千6百万円の損失)となりました。
セグメントの経営成績は以下のとおりであります。
〔日本(国際計測器株式会社)〕
アジア向け試験機の出荷・検収が増加したものの、国内向け震度情報ネットワークシステムの出荷・検収が減少したことにより全体として出荷・検収は減少いたしました。
その結果、売上高は減少し、経常損失となりました。
〔日本(東伸工業株式会社)〕
電力業界からのクリープ試験装置や腐食環境試験装置などの受注が増加し、材料試験機の出荷・検収が増加いたしました。
その結果、売上高は増加したものの、物価高騰による売上原価の増加により、経常損失となりました。
〔米国〕
米国の自動車関連メーカーへのバランシングマシン及び電気サーボモータ式試験機の出荷・検収が増加いたしました。
その結果、売上高は増加し、経常利益となりました。
〔韓国〕
韓国大手自動車関連メーカーへのバランシングマシンの出荷・検収が増加いたしました。
その結果、売上高は増加し、経常利益は前連結会計年度と比較して増加いたしました。
〔中国〕
中国国内のタイヤメーカーへのバランシングマシン及び自動車関連メーカーへの電気サーボモータ式試験機の出荷・検収が減少いたしました。
その結果、売上高は減少し、経常損失となりました。
(資産の部)
当社グループの当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1億4百万円増加し、205億1千7百万円となりました。
(負債の部)
当社グループの当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ3億3千8百万円増加し、95億2百万円となりました。
(純資産の部)
当社グループの当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2億3千4百万円減少し、110億1千5百万円となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動により13億3千6百万円増加し、投資活動により5億1千8百万円減少し、財務活動により10億4千6百万円減少した結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度に比べ4千6百万円増加し、52億3千4百万円となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、13億3千6百万円の収入(前連結会計年度比18億7百万円の収入増加)となりました。これは、税金等調整前当期純損失を1億5千5百万円計上したものの、売上債権が2億3千8百万円減少したことや、出荷及び検収が進んだことにより棚卸資産が3億6千3百万円減少したこと及び受注の増加により前受金が9億3百万円増加したことなどによるものであります。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、5億1千8百万円の支出(前連結会計年度比6億4千8百万円の支出増加)となりました。これは、定期預金の満期が到来したことにより定期預金の払戻による収入が20億9百万円あったものの、資金運用のために定期預金の預入による支出が24億7千6百万円あったことなどによるものであります。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、10億4千6百万円の支出(前連結会計年度比30億8千1百万円の収入減少)となりました。これは、短期借入金が2億6千万円減少したことや長期借入金の返済による支出が5億1千2百万円あったこと及び配当金を2億7千4百万円支払ったことなどによるものであります。
(注1) 金額は、販売価格によっております。
(注2) 日本(国際)、日本(東伸)は、それぞれ報告セグメントの日本(国際計測器株式会社)、日本(東伸工業株式会社)であります。
(注1) 金額は、受注価格によっております。
(注2) 日本(国際)、日本(東伸)は、それぞれ報告セグメントの日本(国際計測器株式会社)、日本(東伸工業株式会社)であります。
(注1) 金額は、受注価格によっております。
(注2) 日本(国際)、日本(東伸)は、それぞれ報告セグメントの日本(国際計測器株式会社)、日本(東伸工業株式会社)であります。
(注1) 金額は、販売価格によっております。
(注2) 主要な相手先別の販売実績等については、当該割合が10%以下のため記載を省略しております。
(注3) 日本(国際)、日本(東伸)は、それぞれ報告セグメントの日本(国際計測器株式会社)、日本(東伸工業株式会社)であります。
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度末の流動資産の残高は、157億9千2百万円(前連結会計年度末比3億5千4百万円増)となりました。これは、売上債権の回収などにより受取手形及び売掛金が減少(前連結会計年度末比1億7千6百万円減)したことや、出荷及び検収が進んだことにより仕掛品が減少(前連結会計年度末比2億8千6百万円減)したものの、受注の増加に伴う前受金の受領などにより現金及び預金が増加(前連結会計年度末比8億3千7百万円増)したことが主たる要因であります。
当社グループの当連結会計年度末の固定資産の残高は、47億2千5百万円(前連結会計年度末比2億5千万円減)となりました。これは、株価の下落により投資有価証券が減少(前連結会計年度末比1億1千8百万円減)したことや、新型コロナウィルス感染症の影響により回収が長期化した売上債権に対して形式的に計上した貸倒引当金が増加(前連結会計年度末比1億2千6百万円減)したことが主たる要因であります。
当社グループの当連結会計年度末の流動負債の残高は、69億1千3百万円(前連結会計年度末比9億3千万円増)となりました。これは、借入金の返済により短期借入金が減少(前連結会計年度末比2億6千万円減)したものの、仕入が増加したことにより支払手形及び買掛金が増加(前連結会計年度末比6千1百万円増)したことや受注の増加により前受金が増加(前連結会計年度末比9億9千4百万円増)したこと及び1年内返済予定の長期借入金が増加(前連結会計年度末比3千4百万円増)したことが主たる要因であります。
当社グループの当連結会計年度末の固定負債の残高は、25億8千8百万円(前連結会計年度末比5億9千1百万円減)となりました。これは、約定返済により長期借入金が減少(前連結会計年度末比5億4千6百万円減)したことや繰延税金負債が減少(前連結会計年度末比2千1百万円減)したことが主たる要因であります。
当社グループの当連結会計年度末の純資産の残高は、110億1千5百万円(前連結会計年度末比2億3千4百万円減)となりました。これは、為替換算調整勘定が増加(前連結会計年度末比3億2千8百万円増)したものの、親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことなどにより利益剰余金が減少(前連結会計年度末比5億3千3百万円減)したことが主たる要因であります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当社グループの当連結会計年度の売上高は、部品等の供給不足に伴う製品製造期間の長期化は続いているものの、アジアのタイヤメーカーを中心としたバランシングマシンの売上検収が増加したことにより前連結会計年度と比較して増加したため、102億3千9百万円(前連結会計年度比2.0%増)となりました。所在地別の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業利益)
営業利益は開発要素の高い製品の売上が集中したことや原価高騰の影響を吸収しきれず、6億1千2百万円の損失(前連結会計年度は3千8百万円の損失)となりました。
(経常利益)
経常利益は為替差益を計上したものの、営業損失を計上したことにより1億5千3百万円の損失(前連結会計年度は1億8千8百万円の利益)となりました。
また、売上高経常利益率は、前連結会計年度に比べ3.3ポイント減少し、△1.5%となりました。
(自己資本利益率)
自己資本利益率(ROE)は親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことにより、△2.3%(前連結会計年度は△0.5%)となりました。
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入れのほか、製造費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、定期預金の運用や設備投資、退職金の原資とするための保険積立金の運用等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金需要については自己資金及び金融機関からの借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
当連結会計年度末における有利子負債の残高は40億1千5百万円となり前連結会計年度末に比べ7億7千2百万円の減少となりました。
d.流動性の確保
当社は、運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行3行と貸出コミットメント契約を締結しております。当連結会計年度末における契約総額は15億円であり、資金の流動性は十分に確保されております。
なお、当連結会計年度末において借入実行残高はありません。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。
特に次の重要な会計方針が連結財務諸表の作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。
a.仕掛品
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しておりますが、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、追加引当が必要となる可能性があります。
当社及び一部連結子会社は、販売済み製品に対する保証期間中の無償サービス費用に備えるため、過去の発生実績に基づく見積額を計上しておりますが、実際の保証費用が見積りと異なる場合は、追加引当が必要となる可能性があります。
当社グループは、繰延税金資産について毎期回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、決算時点で入手可能な情報や資料に基づき将来の課税所得を合理的に見積り、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」にも記載のとおり、国内市場動向のほか、ここ数年来継続している海外への売上高比率の高水準を背景とした主要海外売上先各国の経済情勢、市場動向並びに為替相場の変動が挙げられます。
米国については個人消費の回復や自動車関連メーカー等の設備投資の回復が予測されますが、短期的には設備投資の見直し等の影響を受ける可能性があります。
中国については潜在的な市場は大きく、国策である一帯一路の方針の下、海外への設備投資が見込まれますが、米中貿易摩擦の影響等により、今後の成長に影響する可能性があります。
インドについては、グローバルサウスの中心国として、中長期的には内需が堅調に推移すると見込まれることから市場の拡大が続くと予測しております。
ASEAN地域については、今後において新たな生産拠点としての設備投資が見込まれることから、これらの地域も回復傾向が続くものと予測しております。
国内については、主要ユーザーである自動車関連業界の生産設備予算については縮小傾向が続くことが懸念されるものの、環境対応車に対する需要は高いことから、環境対応車に搭載される低燃費エンジン・EVモーター・燃料電池など環境や品質に関連する研究開発予算や海外拠点に対する設備投資需要は、今後も継続されるものと予測されます。
為替変動に関しましては、外貨建取引における主要通貨である米ドルのレートについては、当連結会計年度は概ね円安ドル高傾向で推移したことにより、為替差益を計上しております。今後も為替予約等の対策により業績への影響を軽減すべく対応する所存であります。
製品別戦略としましては、既存事業の主力製品であるバランシングマシンについて、生産ライン用タイヤユニフォーミティ・バランス複合試験機(UBマシン)をはじめとするタイヤ関連試験機を中心として販売活動を行ってまいります。今後は既存製品の更なる競争力の向上を推進するとともに、製品ラインアップを充実させるべくタイヤ摩耗試験機等の研究開発部門への事業展開も積極的に行ってまいります。
各種の電気サーボモータ式試験機については、自動車部品・鉄道車両用品・包装貨物用品・家電事務機器関連等、試験対象製品及び業界が多岐に渡っており、商社・代理店による営業を中心として積極的に事業展開を行っており、さらなる製品開発を進めており、この数年間で開発したフラットロードタイヤ総合試験機と鉄道車輪粘着力測定装置については、日刊工業新聞社主催 十大新製品賞を受賞しております。
今後も電気サーボモータ式及び動電型3軸同時振動試験機の更なる研究開発とシリーズ化、タイヤ摩耗試験機等の新たに開発した製品の拡販に向けて積極的な事業展開を行ってまいります。
さらに、現在業務提携をしているエミック株式会社との動電型振動試験機事業を推進することにより当社の振動試験機シリーズが充実し、ユーザーのニーズに的確に対応することが可能となりビジネスチャンスが広がるものと期待しております。
今後の地域別戦略は、次のとおりになっております。
中国では、高技国際計測器(上海)有限公司(連結子会社)において、タイヤ関連試験機のみならず、各種電気サーボモータ式試験機等の販売を拡充するため、5か所の販売拠点(天津・長春・青島・武漢・深セン)を設けており、現地スタッフの教育と中国国内市場のニーズを把握し、迅速な対応を行っております。生産ライン用のバランシングマシンを中心に、自動車業界向け電気サーボモータ式試験機シリーズの拡販営業を展開してまいります。
米国では、自動車・タイヤメーカーの設備投資予算については、日系及び現地自動車関連メーカー向けに生産ライン用バランシングマシンの拡販のため、よりきめ細かな拡販営業を展開しております。
韓国では、自動車業界・タイヤ業界の海外工場向けの設備予算が縮小傾向にありますが、グループ全体の生産拠点として機能しております。このような傾向の中でも研究開発部門の予算は継続的にあるため、設備計画情報を的確に収集し、電気サーボモータ式試験機シリーズの拡販営業を展開してまいります。
ヨーロッパでは、現地における市場調査や展示会への出展による認知度の向上により、電気サーボモータ式試験機の自動車メーカー等に対する拡販体制を構築してまいります。
国内では、当社を全製品の主力生産拠点であるとともに、研究開発活動の主要拠点と位置付けております。今後の新規主力製品の一つとして、シリーズ化を推進している各種の電気サーボモータ式試験機の生産増強及び研究開発拠点として本社第三工場が稼働しております。
なお、今後の受託試験及び開発拠点として建設した古河テクニカルセンターにおける受託試験も開始しており、より顧客の細かなニーズを把握し、新たな製品開発につなげてまいります。
また、東伸工業株式会社(連結子会社)においては、金属素材等の耐久・疲労・腐食等の試験を主力とする材料試験機全般を製造販売しておりますが、生産体制の効率化・コストダウンを図るとともに、当社との技術面・営業面・人材面における連携を強化しており、収益性を高める努力をしてまいります。
このように当社グループは、中国を中心とするアジア市場での販売シェア拡大に注力するとともに、当社グループ全体の管理体制強化にも注力する所存であります。
当連結会計年度末の受注残高は、123億5千5百万円(前連結会計年度末比41億2千6百万円増)であり、約13.5ヶ月分(110億円前提)の生産量を繰越すこととなりました。
当社グループは、上記にも記載のとおり、新製品の柱となる各種の電気サーボモータ式試験機及び既存製品の生産体制を整えております。米国、韓国、中国の各連結子会社での生産体制も整っており、今後もグループ全体としてコストダウンの相乗効果を上げるためにも、各社の生産管理部門及びエンジニアリング部門の強化を行い、グループ全体として生産能力及び品質向上に向けて強化を図るとともに生産効率を高め、既存製品はもとより開発新製品の収益性の向上を図る所存であります。
当社グループは、研究開発型企業として顧客のニーズに応えるべく、各機種において積極的に研究開発活動に取り組んでおります。当社グループの研究開発活動は、主要な拠点である本社の技術開発部門において行われる継続的な新製品・新技術の研究開発活動と、各技術部門において行われる顧客ニーズに即応した製品開発のための研究開発活動に大別されます。
また、技術部においてはユーザーからのニーズに応じた開発を行っているため、完成した製品が当該ユーザーへ販売されることがあり、開発製品がユーザーに販売された場合は、研究開発費としては計上されず、売上原価として計上しております。
当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は、
なお、これを製品分類別の研究開発活動で示すと次のとおりになります。
当社グループの主力製品であるバランシングマシンやタイヤユニフォーミティ・バランス複合試験機(UBマシン)について、精度向上、計測スピード向上、コスト低減を目標とした研究開発活動を行っております。
また、各自動車メーカーが取り組んでいるハイブリッド車や電気自動車搭載用モーター等のバランシングマシンについても研究開発を推進しております。
新規事業の柱と位置付けている電気サーボモータ方式加振システムを応用した各種試験装置は、自動車部品の耐久・疲労試験や性能評価試験の用途だけでなく、より広い範囲に対応可能な製品とすべく研究開発活動を行っております。近年、自動車の自動運転化への流れが急速に進む中で、EVモーターや車載用の各種コンピューターユニット等、自動運転を実現するための各製品に対して、今まで以上に高い信頼性(性能・耐久・安全)が求められる試験機需要が高まっております。また、既存の油圧型試験装置と比較すると省エネや環境に与える負荷が少ない試験機であるため、積極的な研究開発を実施するとともに、電気サーボモータ式試験機で培ったノウハウを応用し、タイヤの耐久性・グリップ力・転がり抵抗等、タイヤの基本性能・精度向上を目指した研究開発用各種試験機の研究開発を推進しております。
今後も精度向上や顧客ニーズに対応するための研究開発に努めるとともに、さらに他の試験分野へ応用するべく研究開発活動を推進してまいります。
シャフト歪自動矯正機につきましては、継続してトータルコスト低減・精度向上・顧客ニーズに対応するための、設計変更等の研究開発活動を行っております。