第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社グループは「患者のためになり、医師の役に立つ製品の開発・生産・提供を通して世界の人々の幸福に貢献する」ことを理念に、専門的医療機器を開発から販売まで一貫して手掛け、広く世界に提供しております。更に「順法精神と独創技術を持ち将来利益を確保する」を経営基本方針に掲げて、将来利益の最大化に努めております。

2026年に当社グループは創業70年を迎えます。100年企業への更なる成長を見据え、中期経営計画2029では以下のミッション・ビジョン・バリューを定めました。これら強固なアイデンティティの下、グローバル経営を加速させていきます。

 

ミッション:果たすべき社会的使命

患者のためになり、医師の役に立つ製品の提供を通して世界の人々の幸福に貢献する

 

ビジョン:ありたい姿

世界一の品質を世界のすみずみへ

 

バリュー:大切にしていく価値観

科学する心で熱心に粘り強く

「トレード・オフ」へのこだわり

創造・進化へのたゆまぬ挑戦

 

(2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

経営環境

 当社がターゲットとする医療機器市場は、市場の継続的な成長に加え、治療の低侵襲化や技術イノベーションの継続的な進展を背景に、世界的な製品需要の増加が見込まれています。他方、新興国における自国産優遇政策や新興国企業とのコスト競争等、競争環境は激化しています。

 このような環境下、当社グループは、引き続き製品毎に且つその製品の特性毎に「世界一の品質を世界のすみずみへ」提供する方針の下、更なる企業価値向上に向けた取組みを推進しています。

 

中期経営計画2029の概要

 当社は、2025年10月8日に公表した新たな中期経営計画において、「ダントツ製品の提供、医療現場の課題解決を通じて信頼される企業」への進化を目指しています。従来から掲げてきた「世界一」へのこだわりとグローバル・ニッチ・トップ戦略を維持することで高収益体質を実現しつつ、医療現場の課題解決を起点とした事業戦略への転換を図ります。加えて、戦略的アライアンスやM&A等のインオーガニック施策を活用した新たな価値の創出により、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。

 

 中期経営計画2029の概要は以下の通りです。

 

①事業戦略

・全てのセグメントにおいて収益性を伴った成長を目指す

・コア技術を活かした製品開発と戦略的アライアンスの展開

 

 

事業目標

サージカル

(眼科)

・眼科ナイフのシェア拡大(グローバルシェア30%→50%)

・緑内障・硝子体手術向け製品ラインナップ拡充

・戦略アライアンスの強化(製薬会社との共創、米国MST社との販売提携)

サージカル

(外科)

・微細加工技術を活かせる成長セグメントとして再定義し、事業強化

・新製品開発プロジェクトを立ち上げ、新たな事業機会を探索

 

 

 

 

 

 

事業目標

アイレス針

・独立系針メーカーとして、グローバル№2のポジションを維持・強化

・マイクロ針やロボット手術など、高付加価値製品を成長領域に投下

・中国GPO(政府集中購買)への対応、コストダウンの推進

デンタル

・根管治療製品のポートフォリオを拡大(MANI Endodontic Compass)

・歯科修復事業の収益性改善

 

②売上拡大に向けたグローバル戦略

・北米、欧州、アジアの売上拡大にフォーカス

・地域統括拠点(RHQ)のグローバル5極体制による地域に根差した事業成長の加速

・価格競争から脱却し、臨床価値と高品質によるブランド価値の強化

 

③収益性向上とキャッシュ創出力の強化

・継続的な原価低減、グローバル生産体制の最適化による生産コストの改善

・BPR/DXによる業務プロセスの改善、販管費比率の改善

・サプライチェーンマネジメント改革によるCCC(Cash Conversion Cycle)の改善

・グローバルキャッシュマネジメント

 

④長期的な成長に向けた経営基盤の強化

<製品開発力の抜本的な強化>

・研究開発プロセス革新による開発スピードの向上

・オープンイノベーションの活用や次世代製品、加工技術への取組み推進

<サステナビリティ推進>

・成長戦略を実行する人財育成・獲得、挑戦する企業文化の醸成、DE&Iを含む人的資本経営推進

・人権方針の順守、環境負荷低減、サプライチェーン管理、第3者評価の獲得とスコア向上

 

⑤企業価値向上と成長投資

・成長戦略を実行し、営業キャッシュ・フローを1.5倍に向上

・投資の重点を生産投資から成長投資へシフト

・200億円のM&A投資枠を設定

・安定的増配による株主還元(DOE8%を目安とした財務運営)

 

⑥業績目標

指標

2025年8月期

実績※

2029年8月期(目標)

ベースプラン

売上高

300億円

450億円

営業利益(率)

82億円

(27.3%)

145億円

(32%)

純利益

46億円

105億円

EBITDA

107億円

180億円

ROE

8.8%

16%

 

売上高純利益率

15%

23%

総資産回転率

52%

62%

財務レバレッジ

1.09

1.09

※実績については、四捨五入で記載しております。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 企業価値の増大に向けて、将来キャッシュ・フローの最大化を図ることが重要と考えております。そのため、当社は売上高及び営業利益伸び率(成長性指標)を重要な経営指標と考えております。また、売上高営業利益率(収益性指標)、自己資本当期純利益率(ROE、資本効率性指標)につきましても重要視しております。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)グループ全体におけるサステナビリティの考え方及び取り組み

当社グループは、「患者のためになり、医師の役に立つ製品の開発・生産・提供を通して世界の人々の幸福に貢献する」という企業理念を掲げています。この企業理念は、栃木県・高根沢町での創業時から今に至るまで、当社の全ての事業活動における判断の拠り所であり、全ての社員が共有する価値観として浸透しています。企業理念の実現を目指し、「世界一の品質を世界のすみずみへ」届けるべく、当社はこれまでに開発・生産・営業それぞれの機能を強化しながら(ベストプラクティスの追求)、やらない経営を徹底することで(トレード・オフの追求)、地方企業ながらも世界的に高い市場シェアと高収益率を維持しており、強固な経営基盤を作り上げております。このような経営基盤を背景として、当社本社やベトナム子会社の製造工場を中心に、社員が長く働くことの出来る環境を提供しており、アイレス針や白内障用の眼科ナイフ等の「世界一の品質」を持つ製品を生み出すことにつながったと考えております。

また、当社グループは環境負荷低減と事業成長の両立にも取り組んでおります。創業期には田園地帯に工場が立地していたことから、地域社会との共存を図るために環境負荷低減に向けた投資を早期から実施しておりました。当社製品はステンレスワイヤー(針金)を加工した微小なものが多く、加工に必要なエネルギー消費量を最小限に抑えることが可能なほか、製品は極めて軽量でもあるため、輸送においても環境負荷が軽微であることが特徴です。ドイツ子会社MANI MEDICAL GERMANY GmbHにおいても、CO排出量の削減に向けた施策や人体への影響を考慮した歯科修復材の開発を進めるなど、グループ全体で「良い製品」による「良い治療」を世界の医療現場に普及するべく、取り組んでおります。

当社グループの経営基盤をより強固なものとし、持続的な成長と持続可能な社会の実現を両立するため、グループ全体でのサステナビリティに関する方針として、2021年4月に「マニーサステナビリティ」を発表いたしました。2025年8月期までに本社工場や花岡工場(スマートファクトリー)での環境負荷低減に向けた取組みや、グローバルでのグループ人権方針の策定・運用などの施策を実行いたしました。

中期経営計画2029では、このサステナビリティ経営をより強化し、自社のみならずステークホルダー双方にとっての価値提供を目指しています。

 

以下、TCFD提言にて推奨される「①ガバナンス、②戦略、③リスク管理、④指標と目標」の4項目の内容について、それぞれ記載しております。

 

①ガバナンス

2026年8月期より、全社のサステナビリティ推進を目的として、当社は「サステナビリティ委員会」を設立し、活動を開始いたしました(委員長:執行役専務 福本英士)。当該委員会は、当社グループの関係部門・子会社と連携しながら、気候変動、人権、地域共生、ガバナンス等の「マニーサステナビリティ」主要項目への対応を行います。テーマ毎の活動状況やKPIの進捗を委員会でモニタリングし、業務執行の監督機能を担う取締役会へ定期報告を行うとともに、関係部門・子会社に対して指摘事項をフィードバックし、活動の改善・拡充を図ります。

 

②戦略

サステナビリティに関する戦略として、「マニーサステナビリティ」では「カーボンニュートラル達成に向けた省エネルギー活動の推進」、「多様な人財が企業理念のもとに活躍できる職場づくり」及び「環境に配慮したグリーンサプライチェーン評価制度の確立」を掲げており、特に当社グループでは人的資本を重要な経営資源と認識しております。世界一の品質を追求しながら、医療機器事業の更なるグローバル展開を実現するための人財育成に積極的に取り組んでまいります。詳細については(2)人的資本に関する取り組みをご参照ください。

気候変動に関しては、以下の2つの将来シナリオを策定し、各シナリオにおける主要なリスク・機会を整理しております。

 

 

シナリオ

1.5℃~2℃シナリオ

4℃シナリオ

概要

政府による環境規制の強化がなされ、

気候変動対応が進展する

気候変動対応が進捗せず、災害が激化、

増加する

リスク

移行

リスク

温室効果ガス排出抑制政策等で調達製品コスト上昇が想定されるが、当社製品のコスト構造における材料費比率は低く、財務への影響は限定的

温室効果ガス排出抑制政策等で調達製品コスト上昇が想定されるが、当社製品のコスト構造における材料費比率は低く、財務へ の影響は限定的

物理

リスク

・台風、大雨による拠点損害、物流網の混乱等が増加し、財務への影響は大きい

・海面上昇や浸水等のリスクに対しては、メイン製造拠点であるベトナム工場は内陸部に位置し、影響は限定的

・台風、大雨による拠点損害、物流網の混乱等がさらに増加し、財務への影響は非常に大きい

・海面上昇や浸水等のリスクに対しては、メイン製造拠点である ベトナム工場は内陸部に位置し、影響は限定的

機会

市場

当社の製品分野における医療市場の変化は当面想定されない

当社の製品分野における医療市場の変化は当面想定されない

 

③リスク管理

「マニーサステナビリティ」推進を全社活動目標として設定し、目標達成に向けた取り組みをサステナビリティ委員会で定期的にレビューし、その進捗を取締役会にてモニタリングする運用としております。

また、社内のみならず、当社のサプライヤーである取引先に対して遵守をお願いする「サプライヤー行動規範」を新たに制定しました。この行動規範では、当社と共に取り組みを期待する「環境への責任」項目を含み、サプライヤーに対し環境影響を低減させる行動を、危険物管理、水の消費と資源管理、廃棄物管理と排出削減など5項目に渡り要請しています。

 

④指標と目標

グループ全体で以下の指標と目標を設定し、その達成に向けて一丸となって取り組んでまいります。

 

目標1:再生可能エネルギー由来の電力の使用比率

2030年までに25%

2050年までに100%

目標2:二酸化炭素排出量(2022年比)

2030年までに25%削減

2050年までに85%削減

 

(2025年8月期における取り組みの状況)

日本、ベトナム、ドイツそれぞれの拠点において、太陽光発電等の仕組みを導入し、環境に配慮した事業活動を推進いたしました。

 

日本

当社花岡工場(スマートファクトリー)において、地元企業との間で電力購入契約(Power Purchase Agreement)を締結し、2025年4月より太陽光発電システムの稼働を開始いたしました。清原工場と花岡工場(スマートファクトリー)の2拠点での合計年間発電量が約887,608kWhとなり、合計約391tのCO排出量削減を見込んでおります。

 

ベトナム

ベトナム工場全体で省電力なLED照明機器に変更する等、CO排出量削減に取り組んでおります。

フーエン第2工場においては、太陽光パネル設置工事が完了しました。発電許認可手続の完了次第、花岡工場(スマートファクトリー)と同様の取組み(電力購入契約)をベトナムにおいても開始する予定です。

 

ドイツ

新工場に設置された太陽光発電パネルは2023年9月から稼働を開始し、2025年8月期は約200,000kwhの電力が生成されました。また、工場敷地内に設置されたEVチャージャーステーションを活用すべく、“Electronic Vehicle Car Policy”を策定し、社用車をEV車へ段階的に切り替える取り組みを進めております。さらに、新工場敷地内の樹木への散水のため、雨水収集システムの利用を開始し、雨水の効率的な活用にも努力しております。

 

 

(2)人的資本に関する取り組み

人財戦略

 更なる企業価値の向上を目的として、当社グループでは「人的資本経営」を重要な経営基盤と位置づけています。これまでの中期経営計画においては「世界で戦える製品開発」、「グローバルでの事業拡大」、「高品質・低コストを実現するグローバル生産体制の構築」を重要課題として掲げ、その実現に取り組んでまいりました。

 一方、新たな中期経営計画では、これまでに培った人財基盤と企業文化を土台に、「成長戦略を実行する人財育成・獲得」、「企業風土改革と挑戦するカルチャーの醸成」、「DE&I(Diversity, Equity & Inclusion)」の3本柱で発展させ、社員一人ひとりが自律的に学び・挑戦し・成長できる環境づくりを進めてまいります。

当社グループは、人的資本の最大化を通じて企業価値の持続的な向上を図るべく、今後も戦略的な人財育成と組織づくりを推進してまいります。

 

成長戦略を実行する人財育成・獲得

 経営チームおよびマネージメント層の強化(外部人財の採用を含む)を進めるとともに、マニーグループとして求める人財像として、「開拓者精神」、「ラストパーソン」、「共創」、「プロフェッショナル」、「世界一の品質」の5つを設定しました。これらは、グローバル競争の中で「グローバルに戦えるマニー」を実現するための道しるべとなるものです。

 また、事業の持続的成長を支えるため、10のプロフェッショナル人財類型を定義し、ビジネス/営業、開発・生産・品質・コーポレートなどの各機能領域における専門性を体系化しました。これにより、事業成長に向けて専門性を発揮できる人財を計画的に採用・育成するための指針としていきます。

 2024年に設立した「マニー研修所」を中核に、マネージメント研修、専門スキル教育など、階層別・機能別の体系的な教育プログラムを展開しています。これらを通じて、社員一人ひとりが専門性およびマニーらしさを兼ね備えた人財として自律的に成長できる環境の整備を進めています。

 

企業風土改革と挑戦するカルチャーの醸成

 社員が自ら考え挑戦する文化への変革に向けて、「トランスフォームM」プロジェクトを発足させました。経営層・マネージメント・社員が一体となり、新しいマニーの価値創出を推進してまいります。また、人事制度の刷新・再構築をはじめ、従業員サーベイの継続実施を通じて、組織風土の可視化や改善を進めています。経営層と現場との双方向コミュニケーションを強化することで、挑戦や創意工夫を後押しする仕組みづくりを進めています。

 このような取り組みを通じて、社員一人ひとりが自ら課題を見出し、行動し成長していけるよう、カルチャー醸成・転換を目指します。

 

 

DE&I(Diversity, Equity & Inclusion)

 多様な人財が力を発揮できる環境づくりを推進しています。女性管理職比率15%以上(単体)を掲げ、またキャリア採用やグローバル人財育成を通じて、多様なバックグラウンドを持つ社員が協働し価値を創造できる体制を整えています。個人の多様性が組織の創造性・競争力へとつながる好循環を生み出し、多様性を価値に変える企業文化の実現を目指しています。

 

 

具体的な取り組み事例

上記の3本柱に基づき、グローバルで人的資本経営を具体化する多様な施策を展開しています。代表的な取り組みは以下のとおりです。

項目

主な内容

マニー研修所設置

経営・マネージメント層から一般社員までの各階層別・機能別教育を体系化し、マネージメント研修・専門教育などを展開。

マニー塾開催

「マニーのモノづくりへの原点回帰」をテーマに、開発部門マネージャーを対象とした技術伝承プログラムを実施。

トランスフォームM

社員一人ひとりが挑戦し続ける文化醸成に向けた全社変革プロジェクトと位置付け、各職場から一般職メンバーが参画し意識改革を推進。

人事制度の刷新

基幹職制度をはじめ、評価・報酬体系等を再設計。個人の成果やコンピテンシーを正当に評価する仕組みとし、多様なキャリア形成・成長を支援。

ユニット制の導入

組織力の更なる強化を目的とし、組織最小単位として「ユニット」を導入。現場の意思決定を迅速化すると共に、リーダー層の自律的成長と次世代人財育成を促進。

生産子会社での取り組み

(ベトナム)

現地マネージメント層を中心に階層別教育体系を整備。課長・部長クラスを対象に、マネージメントスキルや問題解決力の強化を通じて人財育成を推進。

販売子会社での取り組み(中国)

現地独自の教育体系を通じた市場・顧客志向に基づく人財育成を実践。チームとして成果創出に向かう組織風土を醸成。

 

 

 

指標及び目標

人財戦略とそれぞれの重点領域に即した指標及び目標は下表のとおりです。目標達成のため、定期的にその実績をモニタリングしております。

 

重点領域の実現に向けた取り組み

指標(注)

実績(2025年8月期時点)

成長を支えるキャリア採用

キャリア採用比率

(直近5カ年累計)

59.6(新卒61名、キャリア90名)

キャリア採用(管理職)

管理職におけるキャリア入社比率

73.5

女性リーダー育成

女性管理職比率15%以上(単体)

8.2

人財開発への投資

年間平均研修時間

年間59時間/人

(注)当社では人財の多様性を図る取り組みとして女性管理職比率の指標は重要と捉え、女性管理職比率のみ目標(2026年8月期)を設定し、それ以外の取り組みは指標としてモニタリングしてまいります。なお、当社の連結子会社においては、各国の法規制、労働慣行、従業員構成などがそれぞれ異なり、連結ベースでの記載が困難であることから、上記指標及び目標は当社単体ベースで記載しております。

 

人権尊重に関する取り組み

「ビジネスと人権」に関する企業の対応への要請はますます強まっており、当社グループの事業活動において、適切な対応が求められています。当社は、事業活動を行う過程で、直接または間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを認識し、事業活動に関わる全ての人の人権を尊重するために、2024年9月に国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り「マニーグループ人権方針」を策定いたしました。今後、人権デュー・ディリジェンスの取り組み等を通じて、人権に配慮した経営に努めてまいります。

 

 

3【事業等のリスク】

(1)リスクマネジメントの基本的な枠組み

 当社グループでは、グループ全体のリスクを適切に管理するため、スリーライン・ディフェンスモデルに基づいて、現業部門(1線部署)、間接管理部門(2線部署)、内部監査部門(3線部署)がそれぞれリスクマネジメント上の役割を分担するとともに、適切な牽制関係を持たせることでグループが抱えるリスクを適切にコントロールすることを目指しています。

 当社グループ全体のリスクマネジメントに係る運営方針等を審議するため、統合リスク委員会を設置しています。委員会での議論は、経営会議・取締役会に報告され、適切なリスク評価に基づく経営の意思決定につなげられています。

 

(2)事業リスクの識別

 当社グループでは、下表のとおり、グループが抱えるリスクをカテゴリー分けしています。統合リスク委員会では、全てのリスクを俯瞰して経営への影響が大きいリスクを特定、必要な体制整備を進めています。

 

分類

説明

リスクの顕在化例

経営に係るリスク

経営戦略、ビジネス戦略を誤ることによるリスク

戦略分野の市場拡大が不十分

過大な設備投資

カントリーリスク

気候変動リスク

子会社経営リスク

製品に係るリスク

製品の品質が十分でない、あるいは提供できる数量が十分でないことによるリスク

欠品・過剰在庫

急激な価格変動

新製品開発の遅れ

品質不十分による回収

財務に係るリスク

購買や販売による金銭的債権・債務に係るリスク

取引先破綻による回収不能

為替変動等による資産価値下落

人財に係るリスク

人財に起因するリスク

労務・労災に係るリスク

労災、労務問題・感染症

人財の質低下・採用困難

設備に係るリスク

工場建物や製造機械が棄損することによるリスク

自然災害等による施設の棄損

工場周辺の環境問題

情報システムに係るリスク

システムインフラ、情報管理に起因するリスク

システムトラブル

サイバー攻撃・情報漏洩

法令・法務に係るリスク

法令遵守できていないことによるリスク

薬機法関連の届出等の不備

法令対応の遅れ・不備

訴訟・紛争

 

 

(3)主要なリスク

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年11月18日)現在において判断したものであります。

 

項目

リスクシナリオ

対応策

人財力の低下

・近時、日本のみならず世界的に労働市場における雇用が流動化しております。当社グループにおいても、とりわけ重要ポストにおいて人財が流出すると、組織力が一時的に低下し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

・また、専門性の高い研究者や技術者の育成不足により、パフォーマンスが低下し、事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。

・従業員の働きやすさと従業員満足度の向上を目指し、多様な働き方を選択できる勤務制度を整えております。

・当社グループの成長を実現できる人財の育成を目指し、階層別の研修体系に加え、事業運営の高度化に必要な専門性を高めるための教育制度を整備しております。

 

グローバル事業環境の変化およびカントリーリスク

・新興国での安価な製品の台頭による価格競争や経済情勢による患者の診療離れなどの影響から需要が減少し、収益性が低下する可能性があります。

・また、国産優遇の動きが見られる国において、組立生産等の対策が必要となる可能性があります。

・当社グループ子会社を設立している各国において、予期しない法律又は規制の変更や、政情不安・戦争・テロ・暴動及び天変地異などの不可抗力等による事故などが発生した場合は、製品供給が一時滞るといった可能性があり、取引の継続性が不安定になることを含め、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

・グローバル市場における持続的な成長を可能にするため、RHQや各地域における販売拠点設置等、海外ネットワークを充実させることで、さらに現地の市場動向を多角的に捕捉しております。これらの事業活動を通して顧客基盤の拡大および事業拡大につなげております。

・各国の法律又は規制の変更や政情等を定常的に確認し、有事の際には人命の安全確保を最優先し、適切な対策の実行に努めております。

薬事関連規制

・国内における「医薬品医療機器等法」等薬事関連法令を遵守できない場合、許認可の取り消しや規制の対象となる製品の回収、または製造並びに販売を中止することを求められる可能性があり、これらにより当社の事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。

・海外においても現地の関連法規改正等に適切な対応がとれない場合、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

グローバルに事業を展開するため、製造及び販売先国の関連法規の遵守、規格への適合を図るとともに、品質マネジメントシステムを構築し、継続的に改善を図っております。

品質リスク

製品の安全性の確保について全力を挙げて取り組んでおりますが、製造時の予期せぬ不具合やその疑いなどにより、大量に製品を回収することになった場合、回収費用等の発生や薬事規制上の対応、売上高の減少等の影響、損害賠償請求を受ける可能性があり、当社グループに対する信用の低下と企業価値が棄損する可能性があります。

医療機器QMS省令、体制省令、GVP省令や品質マネジメントシステムのISO規格などに基づき、厳しい品質管理・品質保証体制を整備し、製造段階のみならず販売後も品質のモニタリングを行っています。万一、不具合等が発生した際は、迅速に対応できる体制を整えております。

 

 

 

項目

リスクシナリオ

対応策

新製品開発リスク

新製品を開発し、発売に至るまでの過程において、有効性や安全性に関して予測されなかった問題が判明あるいは発生した場合、期待する時期に新製品を発売できない可能性や開発費が増加する可能性があります。

積極的な研究開発活動のもと、新製品及び新技術の開発を進めるとともに、開発とマーケティングの連携を強化することで開発テーマの効率化とプロジェクトマネジメントの高度化を図っております。

災害等発生のリスク

大規模災害等が発生した場合、製品の供給が一時的に滞る可能性があり、取引の継続性が不安定になることを含め、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

災害等が発生した場合、被害を最小限に抑えるため、地震や火災を想定した防災訓練や定期的な設備点検等を実施しております。

また、国内拠点およびMHCではBCPを作成し、緊急時に迅速かつ効果的に復旧できるよう体制を整備しております。

サイバー攻

撃によるリ

スク

サイバー攻撃等の外部からの不正アクセスやコンピューターウイルスの侵入等により事業活動に影響が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

情報セキュリティ委員会、情報セキュリティリスク管理部署を設置しており、情報セキュリティに関する規則・ルールを制定し、情報セキュリティインシデントが発生した場合でも迅速に対応できる体制を整えております。

気候変動関

連リスク

中長期的気候変動や異常気象による社会インフラ、気候変動関連政策変更、気候変動に対する金融市場の嗜好や社会通念の変化、技術革新等による低炭素社会への急速な移行等への対応を失敗することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

・当社製品は微細なものが多く、それらを加工する加工機自体も小さいことから、電力消費及び輸送等において環境負荷は軽微であると想定しております。

・サステナビリティに関する対応方針について、サステナビリティ委員会等で全社横断的に審議しており、リスク顕在化の影響の極小化を図っております。

為替相場変動リスク

外貨建て取引において為替相場変動の影響を受ける可能性があります。

為替感応度分析などを通じて業績に与える影響を把握するとともに、リスクヘッジの基本方針及び手続等を制定しており、リスクが顕在化した際に迅速に意思決定できる体制を整えております。

 

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 当社グループは、「世界一の品質を世界のすみずみへ」という使命を掲げ、当社グループの製品を世界中に提供し、世界の人々の幸福に貢献することを目指しております。当社グループの更なる成長に向けて、2022年8月期より中期経営計画をスタートし、営業・生産・開発の各機能におけるプラットフォームを進化・変革させることで「ビジネスモデルの変革」を行い、企業理念の実現及び「真のグローバル企業」への進化のための取り組みを進めております。当連結会計年度における主な取り組みは下記の通りです。

 

中国における「マニーダイヤバー」の自主回収について

 当社が製造販売する「マニーダイヤバー(一般的名称:歯科用ダイヤモンドバー)」について、中華人民共和国規制当局に届け出ている製品登録情報の一部に記載不備があることが判明したため、当該製品について自主回収を行うことを決定しました。2025年3月より自主回収を実施し、同年8月までに概ね回収は完了しました。本回収による業績への影響は下表の通りです。なお、本件による製品の品質、有効性及び安全性に問題はなく、患者様の健康被害につながるおそれはないと判断しております。

 中国当局の薬事承認プロセスは前倒しで進捗しており、2026年8月期第2四半期(12月~2月)より全製品の販売を再開できる見通しです。

 

(単位:百万円)

業績への影響額(前期比)

当連結会計年度

見通し

当連結会計年度

実績

回収数量(本数)

375万本

420万本

自主回収による売上減

△1,520

△1,481

 

新規出荷減額

△1,190

△1,100

回収による返品額

△330

△381

利益への影響額

△1,200

△1,192

 

JIZAIシリーズの販売進捗

 歯科根管治療用NiTiロータリーファイル「JIZAI」を2020年より発売し、中期経営計画の重点製品として、事業の立ち上げを進めています。2024年9月には、中間サイズのファイルである「JIZAI Pre 020」をラインナップに追加し、治療シークエンスにおいて、他社にはない使いやすさを提供することが可能となりました。また、2025年6月より欧州及び北米地域向けに滅菌済みの「JIZAI」シリーズの販売を開始しました。

 その結果、2025年8月期の売上高は、日本、インド、ベトナム及び欧米地域を中心に販売が拡大し、前期比56%増加となりました。今後2026年9月までに中国への上市を予定しており、さらに製品ラインナップの強化を進めます。

 

米国MicroSurgical Technology社との戦略的パートナーシップ契約締結

 2025年4月、米国の医療機器メーカーであるMicroSurgical Technology社(以下「MST」)と、米国における眼科ナイフ及び眼科用カスタムパックの販売に関する戦略的パートナーシップ契約を締結しました。詳細については、2025年4月18日発表、「米国 MicroSurgical Technology 社との戦略的パートナーシップ契約締結について」をご参照ください。

リンク先:https://ssl4.eir-parts.net/doc/7730/tdnet/2595549/00.pdf

 

マレーシア販売子会社のアジア地域統括拠点化

 2025年9月1日より、既存のマレーシア販売子会社をアジア地域統括拠点「MANI ASIA SDN. BHD.(以下、MANI ASIA)」とし、業務運営を開始しました。詳細については、2025年8月5日発表、「マレーシア販売子会社のアジア地域統括拠点化のお知らせ」をご参照ください。

リンク先:https://ssl4.eir-parts.net/doc/7730/tdnet/2666030/00.pdf

 

当連結会計年度における経営成績

 売上高は29,968百万円となり、前期比5.1%増となりました。眼科ナイフ等のサージカル関連製品の販売が欧州、中国を中心としたアジア、日本、北米で好調に推移したほか、アイレス針関連製品の販売が中国やタイを中心としたアジア及び中南米等のその他の地域(主に中南米に生産拠点を持つ北米顧客向けの出荷)で増加した一方、デンタル関連製品は主に中国におけるダイヤバーの自主回収に伴う影響(前述)及びドイツ子会社MANI MEDICAL GERMANY GmbH(以下MMG)の欧州での販売不調により低調に推移しました。売上総利益は19,317百万円(同7.9%増)と増益を確保しましたが、前期業績に伴う決算賞与の計上に加え、営業・開発・コーポレート機能それぞれの強化と国内人員の増加により、販売費及び一般管理費が11,124百万円(同17.0%増)と増加し、営業利益は8,193百万円(同2.4%減)の減益となりました。為替差益を計上した一方、花岡工場(スマートファクトリー)の減価償却費等(未稼働用地関連費用)の費用増加に伴い、経常利益は8,271百万円(同2.3%減)の減益となりました。MMGの固定資産の減損損失1,190百万円を特別損失として計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、4,643百万円(同26.1%減)となりました。

 セグメント別の業績概況は、次のとおりです。なお、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。

 

 

売上高

セグメント利益(営業利益)

百万円

前期比

百万円

前期比

サージカル関連製品

9,274

13.8%

3,080

16.6%

アイレス針関連製品

11,183

9.4%

4,002

3.4%

デンタル関連製品

9,509

△6.2%

1,110

△40.9%

連結

29,968

5.1%

8,193

△2.4%

 

(サージカル関連製品)

 サージカル関連製品の売上高は9,274百万円(前期比13.8%増)、セグメント利益は3,080百万円(同16.6%増)と好調に推移しました。白内障手術で使用される眼科ナイフの販売が欧州、中国を中心としたアジア、日本、北米で拡大したことにより、増収増益となりました。

 

(アイレス針関連製品)

 アイレス針関連製品の売上高は11,183百万円(前期比9.4%増)、セグメント利益は4,002百万円(同3.4%増)となりました。中国やタイを中心としたアジア及び中南米等のその他の地域(主に中南米に生産拠点を持つ北米顧客向けの出荷)でアイレス針の受注が引き続き増加したことにより、増収増益となりました。

 

(デンタル関連製品)

 デンタル関連製品の売上高は9,509百万円(前期比6.2%減)、セグメント利益は1,110百万円(同40.9%減)となりました。売上高は、中国におけるダイヤバーの自主回収の影響を大きく受け減収となりました。一方で、リーマ・ファイルなどのその他デンタル製品や、中国以外の地域でのダイヤバー販売はロシアや日本を中心に前期比20.4%増加しました。また、歯科用修復材を中心とするドイツMMG製品の販売は、欧州地域で低調に推移しました。

 セグメント利益は、売上減少に加え、販売子会社における販売費及び一般管理費の増加により、大幅な減益とな

りました。

 

※ご参考:為替レート

 

前連結会計年度(2024年8月期)

当連結会計年度(2025年8月期)

第1

四半期

連結累計

期間

第2

四半期

連結累計

期間

第3

四半期

連結累計

期間

第4

四半期

連結累計

期間

第1

四半期

連結累計

期間

第2

四半期

連結累計

期間

第3

四半期

連結累計

期間

第4

四半期

連結累計

期間

米ドル/円

149.10

147.92

149.66

150.78

149.03

151.57

149.77

148.91

ユーロ/円

159.30

159.38

161.40

162.94

161.99

161.25

161.51

163.62

人民元/円

20.47

20.45

20.68

20.84

20.88

21.00

20.71

20.63

インド

ルピー/円

1.79

1.78

1.80

1.81

1.77

1.78

1.76

1.74

 

② 財政状態及びキャッシュ・フローの状況

a.財政状態の状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

(2024年8月31日)

当連結会計年度末

(2025年8月31日)

増減額

総資産

57,177

57,987

810

 流動資産

31,942

29,978

△1,963

 固定資産

25,235

28,009

2,774

負債

4,846

4,425

△420

純資産

52,330

53,561

1,231

 

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ810百万円増加し、57,987百万円となりました。これは、固定資産2,774百万円の増加(主に花岡工場建設により建物や機械装置が4,995百万円増加した一方、ドイツMMGの建物や土地等の減損により1,246百万円減少)、流動資産1,963百万円の減少(主に花岡工場関連の設備投資に伴い現金及び預金が3,219百万円減少した一方、未収消費税等を含むその他流動資産が926百万円増加)によるものです。

 負債は、前連結会計年度末に比べ420百万円減少し、4,425百万円となりました。これは主に、未払金等の減少によるものです。

 純資産は、前連結会計年度末に比べ1,231百万円増加し、53,561百万円となりました。これは主に、配当金3,841百万円の支払いにより利益剰余金が減少した一方、親会社株主に帰属する当期純利益4,643百万円を計上したこと及び円安進行に伴い為替換算調整勘定が424百万円増加したこと等によるものです。

 

b. キャッシュ・フローの状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年8月期)

当連結会計年度

(2025年8月期)

前期比

営業活動によるキャッシュ・フロー

7,810

7,017

△793

投資活動によるキャッシュ・フロー

△6,642

△7,154

△512

財務活動によるキャッシュ・フロー

△3,703

△3,895

△192

現金及び現金同等物に係る換算差額

△245

417

662

現金及び現金同等物の期首残高

23,798

21,017

△2,780

現金及び現金同等物の期末残高

21,017

17,401

△3,615

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、7,017百万円(前期比10.2%減)のキャッシュ・イン・フローとなりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の減少に伴う営業キャッシュ・イン・フローの減少、花岡工場建屋の仮払消費税支払や未払金の支払等に伴う営業キャッシュ・アウト・フローの増加等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、7,154百万円(前期比7.7%増)のキャッシュ・アウト・フローとなりました。これは主に、スマートファクトリーに関連する有形固定資産の取得による支出が増加したこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、3,895百万円(前期比5.2%増)のキャッシュ・アウト・フローとなりました。これは主に、配当金の支払額が増加したこと等によるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

  当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年9月1日

至 2025年8月31日)

前期比(%)

サージカル関連製品(百万円)

9,230

113.4

アイレス針関連製品(百万円)

11,015

104.3

デンタル関連製品(百万円)

10,614

105.6

合計(百万円)

30,860

107.3

 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

b.受注実績

 当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年9月1日

至 2025年8月31日)

前期比(%)

サージカル関連製品(百万円)

9,274

113.8

アイレス針関連製品(百万円)

11,183

109.4

デンタル関連製品(百万円)

9,509

93.8

合計(百万円)

29,968

105.1

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年9月1日

   至 2024年8月31日)

当連結会計年度

(自 2024年9月1日

   至 2025年8月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

国科恒遠(北京)医療科技有限公司

3,939

13.8

2,266

7.6

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(単位:百万円)

 

2024年8月期

実績

2025年8月期

実績

前期比

(額)

前期比

(率)

売上高

28,513

29,968

1,454

5.1%

売上原価

10,616

10,650

33

0.3%

売上総利益

17,897

19,317

1,420

7.9%

販売費及び一般管理費

9,505

11,124

1,619

17.0%

営業利益

8,392

8,193

△198

△2.4%

経常利益

8,464

8,271

△192

△2.3%

税金等調整前当期純利益

8,424

7,087

△1,337

△15.9%

親会社株主に帰属する当期純利益

6,286

4,643

△1,643

△26.1%

自己資本当期純利益率(ROE)

12.3%

8.8%

△3.5ポイント

 

売上高:29,968百万円(5.1%増)

 サージカル関連製品は、白内障手術等で使用される眼科ナイフの需要が欧州、中国を中心としたアジア、日本、北米等の地域で拡大したことにより、9,274百万円(同13.8%増)となりました。

 アイレス針関連製品は、製品需要の拡大を背景として、中国やタイを中心としたアジア及び中南米等のその他の地域(主に中南米に生産拠点を持つ北米顧客向けの出荷)でアイレス針の受注が引き続き増加したことにより、11,183百万円(同9.4%増)となりました。

 デンタル関連製品は、中国における歯科用回転切削機器(ダイヤバー)の自主回収の影響を大きく受け、9,509百万円(同6.2%減)となりました。一方、歯科用根管治療機器(リーマ・ファイル)等のその他デンタル製品や、中国以外の地域でのダイヤバー販売はロシアや日本を中心に増加しました。また、歯科用修復材を中心とするドイツMMG製品の販売は低調に推移しました。

 

売上原価:10,650百万円(0.3%増)

 海外生産子会社における材料費や労務費等の製造原価の上昇や長期停滞品の在庫処分の影響(98百万円の計上)により、売上原価が増加しました。

 

販売費及び一般管理費:11,124百万円(17.0%増)

 前期業績に伴う決算賞与(212百万円)の計上に加え、営業・開発・コーポレート機能それぞれの強化に掛かる経費及び国内人員増加による人件費の増加により、販売費及び一般管理費が増加しました。

 

営業利益:8,193百万円(2.4%減)

 売上高が増収したものの、マーケティング活動の強化及び人件費の増加に伴い販売費及び一般管理費が1,619百万円増加(同17.0%増)したことにより、営業利益は減益となりました。また、営業利益率は27.3%と前期比2.1ポイント悪化しました。

 

経常利益:8,271百万円(2.3%減)

 為替差益(総額)が計上された一方、花岡工場(スマートファクトリー)の減価償却費等(未稼働用地関連費用)の費用増加に伴い、経常利益は減益となりました。

 

親会社株主に帰属する当期純利益:4,643百万円(26.1%減)

 税金等調整前当期純利益は、MMGの固定資産の減損損失1,190百万円を特別損失として計上したことにより、前期比1,337百万円減少の7,087百万円(同15.9%減)となりました。これにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,643百万円減少(同26.1%減)と大幅な減益となりました。

 

自己資本当期純利益率(ROE):8.8%(3.5ポイント減)

 自己資本当期純利益率(ROE)は、中国におけるダイヤバーの回収影響やMMGの減損損失などの一時要因により悪化し、8.8%(同3.5ポイント減)となりました。

 なお、セグメント別の分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に、当社グループの課題につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

  当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態及びキャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資本の財源及び資金の流動性の分析

a.実績の推移

 下表に記載のとおり、堅調な営業収益を背景として、継続的に営業キャッシュ・イン・フローを確保しております。また、営業キャッシュ・フローに加え潤沢な手元資金も活用しながら、設備投資(投資キャッシュ・フロー)や 配当(財務キャッシュ・フロー)へ資金配分を行っており、高水準の自己資本比率の維持を可能とする財務運営を実 現しております。

 運転資金及び設備資金については自己資金により賄っておりますが、資金調達の機動性及び安定性の確保を図るた め、取引金融機関と総額800百万円の当座貸越契約を締結しております。

 

(参考)キャッシュ・フロー指標のトレンド

 

2021年

8月期

2022年

8月期

2023年

8月期

2024年

8月期

2025年

8月期

営業キャッシュ・フロー

(百万円)

6,384

6,559

8,026

7,810

7,017

投資キャッシュ・フロー

(百万円)

△3,438

△2,173

△4,016

△6,642

△7,154

フリー・キャッシュ

・フロー(百万円)

2,945

4,385

4,010

1,168

△137

財務キャッシュ・フロー

(百万円)

△2,232

△2,444

△3,251

△3,703

△3,895

自己資本比率(%)

91.8

90.6

90.6

91.5

92.4

時価ベースの自己資本比率(%)

501.9

344.9

340.0

338.9

210.1

キャッシュ・フロー対

有利子負債比率(年)

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

インタレスト・カバレッジ

・レシオ(倍)

3,583.1

2,921.3

2,947.1

1,143.2

2,317.0

フリー・キャッシュ・フロー:営業キャッシュ・フローと投資キャッシュ・フローの合計

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

 

 

b.中期経営計画2029におけるキャピタルアロケーションの考え方

手元現預金および今後4年間で創出する営業キャッシュ・フローを主な財源として、成長投資と株主還元の両面を意識した資金配分を実行します。成長投資については、従来のスマートファクトリーを中心とした生産投資から、M&A投資(投資枠200億円を想定)など企業価値向上に向けた成長投資へその重点をシフトします。株主還元については、安定的増配の方針を継続することに加え、新たに株主資本に対する還元率を表す指標であるDOE(株主資本配当率)を目標として採用します。期間利益だけでなく投下資本に対する還元率も勘案した上で、配当への資金配分を決定します。

以上のキャピタルアロケーションの考え方を前提に、当社は2029年8月期にROE16%の実現を目指しています。売上高のグローバルでの拡大や、生産現場における改善活動や販売費及び一般管理費の適正化が売上高純利益率の改善をもたらすほか、前述の成長投資が総資産回転率の上昇に寄与することを見込んでいます。

 

キャピタルアロケーション

財源

手元現預金と

営業キャッシュ・フロー

合計約620億円を創出

投資

成長投資(注)

合計約110億円

(別途、M&A投資枠200億円を確保)

株主還元

安定的増配

DOE8%を目安に配分

 

ROE向上

指標

2025年8月期(実績)

2029年8月期(目標)

ROE

8.8%

16%

売上高純利益率

15%

23%

総資産回転率

52%

62%

財務レバレッジ(注)

1.09

1.09

(注)借入などレバレッジについては、M&A投資の水準を踏まえて検討します。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

 経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

 

5【重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、医療の変化と技術の進歩に対応していくために、営業との連携を強化し、世界のKOL(キー・オピニオン・リーダー:影響力の高い医師の方々)の協力を得ながら、医科手術分野及び歯科治療分野における今後の事業の核となるような製品の研究開発と、その基礎技術の研究開発を進めております。同時に従来製品の改良技術、生産技術及び管理技術等の研究開発を行っております。

 現在の研究開発は、当社グループがそれぞれの分野の新製品開発と従来製品改良技術の研究開発を行っております。また、その他共通的研究テーマとして、特許等の知的財産管理、自動生産ラインの研究及び検証を手がけております。

 当連結会計年度における研究開発費の総額は2,623百万円(売上高比8.8%)であります。なお、研究開発費には、特定のセグメントに関連付けられない費用802百万円が含まれております。

 

 当連結会計年度の研究開発の概要と主な成果は次のとおりであります。

 

サージカル関連製品

 手術機器全般の開発の一環として、眼科手術機器(眼科ナイフなど)及び皮膚縫合器をはじめとする関連機器の開発を継続的に推進しております。また、硝子体手術に使われる機器・器具の開発をはじめ、眼科ナイフでは極小切開白内障手術に対応した製品について、長期的視野に立った製品の研究開発を進めております。

 当連結会計年度の進捗としましては、眼科ナイフの品質改良、スマートファクトリー向けの眼科ナイフ自動化量産ラインの開発、硝子体鑷子(しょうしたいせっし)の改良等を行いました。

 サージカル関連製品に係る研究開発費は、639百万円であります。

 

アイレス針関連製品

 アイレス縫合針、アイド縫合針の開発を主に、特に連続縫合での切れ味の持続性向上、安全性を保った上でさらなる曲げ強度向上、持針器とのマッチング等把持特性向上、その他使い易さ等を追求しております。さらに、縫合針に取り付ける糸との関係についても研究を行っております。

 当連結会計年度の進捗としましては、ロボティクスサージャリーなど発展性のある分野におけるアイレス縫合針の新たな価値探索、既存製品を支える製造技術の改良、生産プロセスおよび製品管理運用の改良等を行いました。

 アイレス針関連製品に係る研究開発費は、297百万円であります。

 

デンタル関連製品

 歯科保存・歯科補綴機器を中心にした歯科治療製品を開発しております。具体的には歯科用根管治療機器、歯科用回転治療機器、歯科用修復材を開発しております。さらに、従来の関連治療機器並びに精緻治療のための開発も長期的な視野に立ち継続しております。

 当連結会計年度の進捗としましては、歯科用根管治療用NiTiロータリーファイル「JIZAI」の改良及び製品ラインナップ拡充、歯科用根管治療機器(リーマ・ファイル)及び歯科用回転切削機器(ダイヤバー)の改良等を行いました。

 デンタル関連製品に係る研究開発費は、883百万円であります。

 

共通的研究開発

 研究開発部門の支援開発業務を含む共通的研究開発、基礎的研究開発を行っております。主に知的所有権関連技術、IT、海外生産技術、品質管理技術、自動生産ラインの開発です。

 当該研究開発費は、802百万円であります。