当連結会計年度の当社グループを取り巻く経済環境は、日本においては円安や原油安の恩恵を受けた大企業を中心に収益の拡大傾向が続きましたが、輸出や個人消費は依然として弱く、実質の経済成長は停滞が見込まれる状況となりました。
これに対し米国経済においては個人消費が下支えし、やや減速感があるものの緩やかな景気拡大が続きました。
また、欧州においては、EUでは難民問題をはじめ各国の状況が経済に影を落としながらも全体としては緩やかな景気回復が続きましたが、ロシアでは原油安や経済制裁の影響により景気低迷が続き、厳しい状態が続きました。
一方、中国においては、GDP等主要経済指標で減速傾向が鮮明になりましたが、政府による景気テコ入れ等により底堅く推移しました。
このような状況の中、当社グループは、新製品開発、新規市場の開拓に注力し、お客様や社会における多様なニーズやその変化に対応してまいりました。また、引き続き成長分野に対する積極的な投資を行うことで、他社との差別化を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は40,253百万円(前連結会計年度比1.9%増)、営業利益は1,143百万円(前連結会計年度比32.6%減)、経常利益は1,014百万円(前連結会計年度比10.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は448百万円(前連結会計年度比174.5%増)となりました。
セグメントの概要は、次のとおりであります。
日本においては、計量機器では従来からの製品分野での売上伸長に加え、当連結会計年度に日本アビオニクス㈱から譲り受けた工業計測機器の売上が加わり、売上を伸ばしました。また、計測機器では、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)の売上が堅調だったほか、A/D・D/A変換器や電子銃等でも売上を伸ばしました。
米州においては、計測機器・計量機器とも、現地通貨ベースで堅調な売上となっており、これに加え前年同期と比べ米ドルに対し円安になっていることから、円換算額の売上高も大きく伸びました。
アジア・オセアニアにおいては、中国で計測機器の売上が、韓国やインドで計量機器の売上が伸びました。
これらの結果、計測・計量機器事業の売上高は25,933百万円(前連結会計年度比6.9%増)、営業利益は1,432百万円(前連結会計年度比1.1%減)となりました。
日本においては、前期は消費税率引き上げの影響等により売上を落としておりましたが、今期は医療機器・健康機器とも新製品が寄与し、売上を伸ばしました。しかしながら、円安の影響で海外生産品の原価が上がったこと等により収益が悪化しました。
米州における健康機器は、当連結会計年度に設立したカナダの現地法人A&D Instruments Canada Inc.の売上が加わり、売上が伸びました。しかし米国では現地通貨ベースで売上が減少し、全体では減益となりました。
欧州における健康機器は、ロシアでの値上げ等によって現地通貨ベースでの売上高は伸び、更に販管費等の削減等によって利益率が改善しております。これにより、露ルーブルの価値が日本円に対して下がり円換算した売上高が大きく減少しているものの、収益は改善しております。
これらの結果、医療・健康機器事業の売上高は14,319百万円(前連結会計年度比6.1%減)、営業利益は1,020百万円(前連結会計年度比43.6%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが2,908百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△2,270百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△832百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が△273百万円発生した結果、5,224百万円(前連結会計年度比8.2%減)となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,908百万円(前連結会計年度比157.6%増)となりました。これは主に減価償却費が1,384百万円、税金等調整前当期純利益が990百万円、売上債権の減少が405百万円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,270百万円(前連結会計年度比7.2%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が1,264百万円、無形固定資産の取得による支出が723百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は832百万円(前連結会計年度は995百万円の獲得)となりました。これは長期借入金で借入れによる収入が4,005百万円、返済による支出が3,042百万円と、差し引き963百万円の収入があったものの、短期借入金につきましては純減額として1,013百万円の支出、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が546百万円、配当金の支払が258百万円等あったことによるものであります。
生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | ||
生産高(百万円) | 前期比(%) | ||
計測・計量機器事業 | 日本 | 19,960 | 103.2 |
米州 | 2,487 | 115.8 | |
欧州 | 1 | 161.3 | |
アジア・オセアニア | 5,384 | 105.7 | |
計 | 27,833 | 104.7 | |
医療・健康機器事業 | 日本 | 3,361 | 107.6 |
米州 | 79 | 111.2 | |
欧州 | 1,556 | 90.3 | |
アジア・オセアニア | 9,839 | 106.1 | |
計 | 14,836 | 104.5 | |
合計 | 42,670 | 104.6 | |
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.実績には商品仕入を含んでおります。
当社グループは、原則として見込生産を行っておりますが、製品の一部(半導体関連製品におけるA/D・D/A変換器等)には受注生産を行っているものがあります。
受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | ||||
受注高 | 前期比(%) | 受注残高 | 前期比(%) | ||
計測・計量機器 | 日本 | 7,936 | 90.7 | 1,879 | 78.7 |
米州 | 2,078 | 110.6 | 474 | 69.6 | |
欧州 | ― | ― | ― | ― | |
アジア・ | ― | ― | ― | ― | |
計 | 10,015 | 94.2 | 2,353 | 76.7 | |
医療・健康機器 | 日本 | 1,457 | 87.4 | 519 | 105.2 |
米州 | ― | ― | ― | ― | |
欧州 | ― | ― | ― | ― | |
アジア・ | ― | ― | ― | ― | |
計 | 1,457 | 87.4 | 519 | 105.2 | |
合計 | 11,473 | 93.3 | 2,873 | 80.6 | |
(注) 1.金額は販売価格によっております。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | ||
販売高(百万円) | 前期比(%) | ||
計測・計量機器事業 | 日本 | 17,909 | 108.4 |
米州 | 4,320 | 107.1 | |
欧州 | 793 | 90.2 | |
アジア・オセアニア | 2,909 | 103.2 | |
計 | 25,933 | 106.9 | |
医療・健康機器事業 | 日本 | 4,207 | 104.1 |
米州 | 3,365 | 101.7 | |
欧州 | 6,318 | 87.7 | |
アジア・オセアニア | 428 | 62.5 | |
計 | 14,319 | 93.9 | |
合計 | 40,253 | 101.9 | |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
生産及び販売においてグローバルに展開している当社は、近年の原油価格の変動やチャイナショック等に起因する為替レートの乱高下による為替リスクを低減するため、海外現地法人における外貨建の債権・債務を、原則売上対比1ヵ月以内に圧縮する方針を実行し、為替変動への耐性を高める施策を行います。
また、販管費につきましては、新たな削減ガイドラインを設け、経費削減を図ってまいります。特に開発費につきましては、現在の対売上高比率10数%の水準から、2021年を目途に8%以下とする目標を定め取り組んでまいります。同時に海外現地法人の評価基準を売上より利益を重視するよう変更することで、当社グループの収益性の向上を目指します。また、棚卸資産に関しましても、同じく2021年を目途に資産の圧縮を行い、資本の有効的な活用を図ります。
一方、生産面において、DSPシステムは客先毎の個別仕様が中心の為、コストや納期などの面でも課題を抱えておりましたが、現在は新規開発の推進に加え、これまでの納入実績を整理し、標準仕様の設定や設計の共通化、またこれらによるコストダウン・納期短縮・量産化への取り組みを推進しております。
また、中国では家庭用血圧計を中心に生産を行っておりますが、人件費の上昇により採算ラインの上昇が進んでおります。これに対応する為、まずは生産工程の改善や自動化・省力化の推進による生産性の向上を進めておりますが、外部委託の拡充とともに、前連結会計年度に設立したベトナムの生産子会社A&D Vietnam Limitedへの生産移管を順次進め、生産最適化を図って参ります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの海外での事業活動については、中国、韓国に生産拠点を有し、また、販売については米国、ロシアを中心に世界各国へ展開しており、当連結会計年度における海外売上高比率は51.4%となっております。当社グループが事業活動を行うこれらの国々において、予期しない法律や規制の変更、自然災害、戦争、テロ、その他経済的、政治的要因等による混乱が生じた場合は、生産活動の縮小や停止、また販売活動の停滞等を余儀なくされ、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
為替レートの変動は、当社グループ間または顧客との外貨建取引価額が変動することにより、売上高や損益等の業績に影響を与えます。また、外貨建て輸出入のバランスを図るなど為替ヘッジに努めておりますが、急激に為替レートが変動した場合は、外貨建債権・債務の換算において、損益等に影響を与える可能性があります。なお、為替レートの変動は、連結財務諸表作成における海外連結子会社等の外貨建財務諸表の円換算額が変動することにより、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、設備資金及び運転資金を主として借入金によって調達しております。当連結会計年度末における長期借入金及び短期借入金の合計額は19,346百万円で、社債を含めた有利子負債依存度は44.6%となっております。当社グループは、今後有利子負債の削減に努めてまいりますが、金利を始めとする金融市場の動向が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが手掛ける「はかる」技術は「産業のマザーツール」と言われており、常に最新の高度技術が要求され、それに対応するために研究開発を続ける必要があります。現在の研究開発は主として当社の設計開発本部において推進しておりますが、当連結会計年度における研究開発費の総額は4,653百万円、連結売上高に対する比率は11.6%であり、研究開発主導型企業として研究開発に積極的に資源を投入しております。当社グループにおける研究開発は計測・計量機器分野及び医療・健康機器分野に展開し、全て事業化を目的としておりますが、事業化に至らない可能性、事業化までに時間を要する可能性もあります。
当社グループの事業は国内においては計量法及び医薬品医療機器等法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)、海外においてはEU指令(EU Directives:欧州連合閣僚理事会指令)、FDA/QSR(Food and Drug Administration/Quality System Regulation:米国厚生省食品医薬品局品質システム規則)及びCMDCAS(Canadian Medical Device Conformity Assessment System:カナダ医療機器適合評価システム)により規制を受けております。
計量法は適正な計量の実施を確保するために種々の規制を設けております。特に検定制度は取引又は証明に使用する特定計量器を製造、修理又は輸入する場合、その構造(性能及び材料の性質を含む)等が法で定める基準に適合しているかを1台ずつ検査し合否を確認するものであります。
また、型式の同一な計量器を製造するときには、構造についての検査項目を事前に試験し、合格したものは、検定時に構造検査を省略できる型式承認制度や最終の検定を製造事業者の自主検査に任せる指定製造事業者制度があります。指定製造事業者は、製造した特定計量器が法で定める基準に適合することを自ら判定できますが、厳重な管理体制が求められます。当社グループでは質量計第一類、血圧計第一類の認証を取得しております。
医薬品医療機器等法では、医療機器の製造販売を行おうとするものは製造販売業の許可を都道府県知事より受けなければなりません。医薬品医療機器等法は市場での安全性をより高めるため、厚生労働省令により製造販売業に安全管理体制(GVP省令)の設置を求めております。また、製造販売業及び製造業には製造管理及び品質管理の基準に関する省令(QMS省令)により品質システムの構築が要求されています。当社グループでは当社の開発・技術センターに製造販売業を置き、医療機器の販売拠点である本社・営業所には販売業、開発・技術センターおよびグループ企業における医療機器製造部門並びに修理部門では製造業及び修理業を取得しております。更に海外生産拠点においては、厚生労働大臣認定の外国製造業者を取得しております。なお、品目ごとの販売許可は(独)医薬品医療機器総合機構や第三者認証機関による審査を受け取得しております。
EU指令(EU Directives:欧州連合閣僚理事会指令)は、欧州連合加盟国によって定められた地域法の一つであります。当社グループの製品はEU指令のうち低電圧指令、EMC(電磁両立性)指令及びMDD(医用機器)指令により規制を受けておりますが、該当する製品については、これらの安全規制に適合させCEマークを添付しております。
FDA/QSR及びCMDCASは米国内及びカナダ国内で医療機器を販売するために医療機器製造事業者が遵守しなくてはならない米国及びカナダの法律であり、米国及びカナダ国内外の製造事業者及び輸入業者に適用されます。当社グループではA&D ENGINEERING, INC.が米国及びカナダでの販売窓口になりFDA/QSR及びCMDCASの認可を受けております。
今後も日本および諸外国/地域の様々な規制に従って事業活動を行っていく中で、これらの法規制が従来よりも厳格になることにより、当社グループの事業活動が制限を受けたり、法規制等に適合するための費用が増加する可能性があります。また、高度で複雑な技術を利用した製品が増加することに伴い、重大な品質問題が発生する頻度が高まり、予想し得ない品質上の欠陥や、それに起因するリコールが発生し得ないとは限りません。重大な品質問題が発生した場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは“はかる”を事業領域として様々な計測機器を開発しておりますが、顧客要求に応える機器開発及び未来を支える計測技術の追求を研究開発活動の基本としております。
現在の研究開発は主として当社の設計開発本部において推進しておりますが、研究開発スタッフは、当社グループ総従業員数の約15.5% 408名、当連結会計年度における研究開発費の総額は4,653百万円であり、セグメント別の研究開発の状況は次のとおりであります。
当事業における研究開発スタッフは339名、当連結会計年度における研究開発費は3,805百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。
DSPシステムは、計測・制御・シミュレーション・解析等が必要な様々な分野に応用が可能なフレキシブルなシステムでありますが、当連結会計年度は前期に引き続き製品ラインアップの強化及びアプリケーションシステムの充実に努めました。
まず、DSPシステムの製品ラインナップの強化の一環として、新たに組み込み用途向け小型低価格DSPシステムの開発を行いました。
その他に前期に引き続き開発を行ったものとして、エンジン制御装置の試験システムであるエンジンHILS(Hardware In the Loop Simulation)、モータ制御装置の試験システムであるモータHILS、及びバッテリ制御装置の試験システムであるバッテリHILSの開発を行いました。また、高機能計測・制御システムコントローラAD-Procyonシリーズの次世代機の開発を行うと共に、車載計測用の小型リアルタイム燃焼解析システム(Phoenix-C3)の開発などを行いました。
DSP応用試験機では、受注の続くタイヤ転がり抵抗試験機とムービングベルト試験機について、市場要求に応え納期短縮と品質の安定化を図るためにロット生産を開始しました。更に受注好調な熱交換器シリーズについては、前期に引き続き標準化とユニット単位での登録生産作業を進めました。
計測機器では、生産の効率化を図るため、引張・圧縮試験機シリーズのメイン機種であるテンシロンシリーズの標準化を進めました。また、標準摩擦摩耗試験機EFMシリーズは例年の2倍近い受注・納入を果たし、併せて一部機種の標準化を行いました。
電子ビーム偏向制御用のデジタル/アナログ変換機につきましては、前期に引き続き、客先での描画評価に備え、変換機のアンプユニットの更なる性能(耐ノイズ、セトリング、耐負荷)向上を目指して開発を行いました。
一方ビームユニットにつきましては、昨期に引き続きSEM(走査型電子線顕微鏡)用の鏡筒(カラム)の機能と性能向上,さらには用途を絞った半導体検査装置向けのSEM技術の開発を行いました。また単体での外販が可能なEB/FIB用の高圧電源の開発を開始いたしました。
計量機器につきましては、昨年国内投入いたしました工業用の防爆はかりEK-EXシリーズの海外展開を図るために、韓国の生産子会社において防爆機器生産認可工場として海外認証機関による認可を受け、海外市場への出荷を開始しました。また、汎用のはかりとしては、持ち運びを重視したポータブル薄型はかりSAシリーズを発売いたしました。
電子天秤は、生産ライン組み込み用で、1μgまで測定可能な精密天秤AD4212D及び 汎用天秤EKシリーズの中型天秤EL-Lシリーズを販売開始いたしました。昨年新規参入いたしました電動ピペットにつきましては大型モデルMPA-10000を追加し、シリーズの充実を図りました。
ウエイトチェッカ及び金属検出機の新製品としては、高速ウェイトチェッカAD4961-600シリーズ、金属検出器AD4971の麺専用モデル等を開発しました。AD4961-600シリーズはウェイトチェッカ標準品の3機種目にあたり、製品のラインナップがかなり整って来ました。AD4971麺専用モデルは、細麺をターゲットにしたモデルであり、機能を絞ることでローコスト化しており、多数の応用製品に展開する予定です。
また、計量指示計につきましては、長年好評に販売されて来たAD4401重量インジケータをリニューアルし、新たな機能を追加したAD4401Aを発売開始いたしました。新型力センサーとして新たに超小型ボタン型ロードセルLCC21シリーズを開発いたしました。
当事業における研究開発スタッフは69名、当連結会計年度における研究開発費は848百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。
医療用血圧計につきましては、水俣条約により2020年に全廃が予定されている水銀血圧計の代替品として販売している、「水銀レス血圧計スワンハートUM-102シリーズ」のモデル拡充を行い、前年対比90%アップの台数を記録し、順調に推移しております。
医療用計量器につきましては、介護施設向けバリアフリー車椅子体重計として、AD-6108シリーズを市場導入いたしました。こちらの製品は、通常移動が困難な大型計量器でありながら、ユニークなアイディアによりその問題点を克服、施設内を持ち運んで、車椅子患者の体重測定を可能といたしました。また、電動昇降式リフトスケールAD-6082を市場導入、従来品比30%の軽量化とデュアル表示器により操作性を大幅に向上させました。
健康機器につきましては、これまでスマートフォンやパソコンを利用した健康管理サービスに対応するため、これらの情報機器に血圧・体重・歩数などのデータを無線送信できるBluetooth Low EnergyやNFC通信機能を搭載した製品を開発してきましたが、当連結会計年度も引き続き製品ラインナップの拡充を行いました。
その一つとして、「Cool Design」をイメージテーマに、スマートフォンとの連携を強化した新型血圧計及び体重計の開発を行い、新型血圧計はハイエンドモデルとし平成28年度年度前半に発売を予定しています。
また、家庭用製品では競合会社との価格競争が激化する中、製造工場と生産部門そして開発部門が一体となり生産性の合理化、製品の共通化に取り組みました。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたりまして、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。また、経営陣は過去の実績や状況に応じ、合理的妥当性を有する要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数値についての判断の基礎としております。実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これら見積りと異なる場合があります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、31,418百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,763百万円減少いたしました。これは受取手形及び売掛金のほか、たな卸資産、現金及び預金の減少が主因となっております。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は12,698百万円と前連結会計年度末に比べ95百万円増加いたしました。個々の要因は以下のとおりであります。
有形固定資産については設備投資により、前連結会計年度末に比べ126百万円増加いたしました。
無形固定資産については主にソフトウェアへの投資により、前連結会計年度末に比べ121百万円増加いたしました。
投資その他の資産については繰延税金資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ153百万円減少いたしました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は23,431百万円となり、前連結会計年度末に比べ454百万円減少いたしました。これは主に短期借入金が減少したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は6,257百万円と前連結会計年度末に比べ268百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は14,427百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,481百万円減少いたしました。これは主に為替換算調整勘定の減少によりその他の包括利益累計額が1,148百万円減少したことによるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,908百万円(前連結会計年度比157.6%増)となりました。これは主に減価償却費が1,384百万円、税金等調整前当期純利益が990百万円、売上債権の減少が405百万円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,270百万円(前連結会計年度比7.2%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が1,264百万円、無形固定資産の取得による支出が723百万円あったことによるものであります。
フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したもの)は637百万円のプラスとなっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は832百万円(前連結会計年度は995百万円の獲得)となりました。これは長期借入金で借入れによる収入が4,005百万円、返済による支出が3,042百万円と、差し引き963百万円の収入があったものの、短期借入金につきましては純減額として1,013百万円の支出、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が546百万円、配当金の支払が258百万円等あったことによるものであります。
必要運転資金及び設備投資を含む投資資金は、基本的には内部資金又は金融機関からの借入金により対応しております。外部資金は、その使途の実態に合わせ、長期及び短期での調達となっております。当連結会計年度末では、社債345百万円(1年内償還予定分含む)、長期借入金7,507百万円(1年内返済予定分含む)、短期借入金11,839百万円の構成となっており、合わせて19,691百万円を計上しております。当連結会計年度末の社債及び借入金残高の売上高に対する比率は48.9%(前連結会計年度末は50.3%)となっております。
(売上高)
当連結会計年度の当社グループの売上高は、前連結会計年度に比べ1.9%増収の40,253百万円となりました。
計測・計量機器事業につきましては、計測機器は、特に米国での計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)が好調に売上を伸ばし、計量機器は、日本・米国での売上増のほか、日本アビオニクス㈱から譲り受けた工業計測機器が加わったことで売上を伸ばしました。その結果、計測・計量機器事業の売上高は、前連結会計年度に比べ6.9%増収の25,933百万円となりました。
医療・健康機器事業につきましては、医療機器が堅調な推移となったものの、健康機器は、米国での不調に加え、露ルーブルの価値が日本円に対して下がったことでロシアでの売上も大きく減少したことから、前連結会計年度を下回る結果となりました。その結果、医療・健康機器事業の売上高は、前連結会計年度に比べ6.1%減収の14,319百万円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価率は前連結会計年度に比べ2.6ポイント増加し56.3%となりました。
販売費及び一般管理費は、削減方針を掲げ取り組んでまいりましたが、主に貸倒引当金繰入額の減少により、前連結会計年度に比べ0.8%減少した16,445百万円となりました。研究開発費につきましては前連結会計年度に比べやや増加し、なお高水準にありますが、これは当社グループの継続的な発展に不可欠な将来を見据えた投資と考えており、成長分野とそれ以外とを厳しく見極め、対売上高比率での抑制を図ってまいります。
(営業利益)
営業利益は、1,143百万円(前連結会計年度比32.6%減)となりました。計測・計量機器事業の営業利益は前連結会計年度比1.1%減益の1,432百万円となりました。医療・健康機器事業の営業利益は、前連結会計年度比43.6%減益の1,020百万円となりました。なお、上記のセグメント別の営業損益の他、全社費用等として1,308百万円が発生しております。
(経常利益)
持分法による投資利益などにより営業外収益が191百万円発生したことに加え、前連結会計年度より為替差損が大幅に減少し、営業外費用が320百万円に留まった結果、経常利益は1,014百万円(前連結会計年度比10.4%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益990百万円に、法人税、住民税及び事業税が371百万円発生し、法人税等調整額を152百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は448百万円(前連結会計年度比174.5%増)となりました。
(包括利益)
当期純利益は466百万円となりましたが、為替換算調整勘定を中心にその他の包括利益合計額が△1,156百万円となった結果、包括利益は△690百万円(前連結会計年度は176百万円)となりました。