第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度の当社グループを取り巻く経済環境は、日本においては個人消費に伸び悩みは見られるものの、企業業績や雇用状況については緩やかな改善傾向の中で推移しました。
 米国においては景気は好調であるものの大統領選挙及びその後のトランプ政権の政策見通しを巡る混乱が見られ、欧州では英国のEU離脱問題に加え、ロシアにおける経済制裁に端を発した景気低迷が続き、さらに、中国では地方政府や民間企業の過剰債務や過剰な設備投資等の問題に出口が見えず減速傾向のまま推移するなど、先行きが不透明な状況が続きました。
 このような状況の中、当社グループは、新製品開発、新規市場の開拓に注力し、お客様や社会における多様なニーズやその変化に対応してまいりました。また、引き続き成長分野に対する積極的な投資を行うことで、他社との差別化を図ってまいりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は40,199百万円(前連結会計年度比0.1%減)、営業利益は1,133百万円(前連結会計年度比0.8%減)、経常利益は1,105百万円(前連結会計年度比8.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は477百万円(前連結会計年度比6.4%増)となりました。

 

セグメントの概要は、次のとおりであります。

 

①計測・計量機器事業

日本においては、前連結会計年度に事業を譲り受けた工業計測機器の売上が寄与した他、金属検出機・ウェイトチェッカ、材料試験機等が売上を伸ばしましたが、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)においては、受注に若干の持ち直しは見られたものの、連結会計年度全体を通して市場環境が厳しく、業績を落とす結果となりました。

米州においては、計測機器では当連結会計年度より収益の安定化を図るため販売体制の見直しを行いましたが、軌道に乗るまでには至らず、現地通貨ベースで売上を落としたことに加え、計量機器でも天秤の特需があった前連結会計年度に比べて、業績を落とす形となりました。さらに、前連結会計年度と比べ円高傾向となったことから、円換算額の売上が大きく落ち込みました。

アジア・オセアニアにおいては、中国での試験機及び韓国・インドでの計量機器が現地通貨ベースでは引き続き売上を伸ばしましたが、円高の影響により、円換算後の売上は落ち込みました。

これらの結果、計測・計量機器事業の売上高は24,330百万円(前連結会計年度比6.2%減)、営業利益は1,003百万円(前連結会計年度比29.9%減)となりました。

②医療・健康機器事業

日本においては、医療機器では水銀レス血圧計を中心に売上を伸ばしました。健康機器においては新製品を投入した上腕血圧計や通信機能を持ったICT体重計等が寄与し売上が増加しました。さらに、開発体制の見直しによる販管費の抑制も功を奏し、収益が大幅に増加しました。

米州においては、前連結会計年度に設立したカナダの子会社の売上が加算されたことで売上を伸ばしました。

欧州においては、ロシアにおける価格戦略や販促活動等が功を奏し、血圧計を中心に現地通貨ベースでの売上を伸ばしましたが、昨年末まで続いたルーブル安の影響から、円換算での業績はほぼ前連結会計年度と同じ水準となりました。

これらの結果、医療・健康機器事業の売上高は15,868百万円(前連結会計年度比10.8%増)、営業利益は1,971百万円(前連結会計年度比93.1%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが2,339百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△1,454百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△43百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が4百万円発生した結果、6,070百万円(前連結会計年度比16.2%増)となりました。

 

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は2,339百万円(前連結会計年度比19.6%減)となりました。これは主に減価償却費が1,438百万円、税金等調整前当期純利益が983百万円となったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は1,454百万円(前連結会計年度比35.9%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が921百万円、無形固定資産の取得による支出が675百万円あったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は43百万円(前連結会計年度比94.8%減)となりました。これは主に短期借入金の純増減額が1,161百万円あった一方で、自己株式の取得による支出が476百万円、社債の償還による支出が310百万円、配当金の支払が258百万円等あったことによるものであります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

生産高(百万円)

前期比(%)

計測・計量機器事業

日本

20,197

101.2

米州

1,076

43.3

欧州

アジア・オセアニア

4,724

87.7

25,998

93.4

医療・健康機器事業

日本

5,284

157.2

米州

18

23.4

欧州

897

57.7

アジア・オセアニア

7,698

78.2

13,899

93.7

合計

39,897

93.5

 

(注) 1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.実績には商品仕入を含んでおります。

 

(2) 受注状況

当社グループは、原則として見込生産を行っておりますが、製品の一部(半導体関連製品におけるA/D・D/A変換器等)には受注生産を行っているものがあります。

受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

受注高
(百万円)

前期比(%)

受注残高
(百万円)

前期比(%)

計測・計量機器
事業

日本

8,333

105.0

2,602

138.4

米州

1,208

58.2

452

95.4

欧州

アジア・
オセアニア

9,542

95.3

3,054

129.8

医療・健康機器
事業

日本

2,095

143.8

484

93.4

米州

欧州

アジア・
オセアニア

2,095

143.8

484

93.4

合計

11,638

101.4

3,539

123.2

 

(注) 1.金額は販売価格によっております。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(3) 販売実績

販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

販売高(百万円)

前期比(%)

計測・計量機器事業

日本

17,613

98.3

米州

3,042

70.4

欧州

848

106.9

アジア・オセアニア

2,826

97.1

24,330

93.8

医療・健康機器事業

日本

5,344

127.0

米州

3,845

114.2

欧州

6,286

99.5

アジア・オセアニア

392

91.6

15,868

110.8

合計

40,199

99.9

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、計測を軸に事業を展開し、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)から電子計測機器、計量機器、血圧計等、様々な製品を取り扱っておりますが、その市場は産業向けから官公庁、医療機関、一般消費者等多岐に渡る上、開発・生産・販売面では、事業の発展段階や市場特性等を勘案し当社及びグループ各社で様々な区分けで分担しており、規模の割に複雑な事業構造となっておりました。

また、これまでは、個々の事業やグループ各社が個別最適を行う事で大きな成長を遂げてまいりましたが、ここ数年は開発投資効率の低下や収益の伸び悩み等、グループ全体では成長力に陰りが見られる状況でした。

これらの課題を解決し更なる飛躍を果たすため、「グループ総合力の強化」を基本方針として経営改革を開始いたしました。事業毎に開発・生産・販売を一気通貫で横断する活動を推進し、効果的なリソースの配分により更に効率を高めてまいります。また、各担当部門はそれぞれ次の施策を推進してまいります。

・営業施策 「売れる仕組みづくり」の構築
 ・開発施策 「開発効率」の向上
 ・生産施策 「全体最適生産体制」の強化
 ・管理施策 「グローバル管理体制」の強化

当社グループにはこれまでの開発投資により差別化された多くの技術蓄積があります。これらを総合的に活用し、持続的成長可能な事業への再構築を図ってまいります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 海外事業活動について

当社グループの海外での事業活動については、中国、韓国、ベトナムに生産拠点を有し、また、販売については米国、ロシアを中心に世界各国へ展開しており、当連結会計年度における海外売上高比率は49.1%となっております。当社グループが事業活動を行うこれらの国々において、予期しない法律や規制の変更、自然災害、戦争、テロ、その他経済的、政治的要因等による混乱が生じた場合は、生産活動の縮小や停止、また販売活動の停滞等を余儀なくされ、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替レートの変動について

為替レートの変動は、当社グループ間または顧客との外貨建取引価額が変動することにより、売上高や損益等の業績に影響を与えます。また、外貨建て輸出入のバランスを図るなど為替ヘッジに努めておりますが、急激に為替レートが変動した場合は、外貨建債権・債務の換算において、損益等に影響を与える可能性があります。なお、為替レートの変動は、連結財務諸表作成における海外連結子会社等の外貨建財務諸表の円換算額が変動することにより、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

(3) 借入金等への依存について

当社グループは、設備資金及び運転資金を主として借入金によって調達しております。当連結会計年度末における長期借入金及び短期借入金の合計額は20,361百万円で、社債を含めた有利子負債依存度は45.1%となっております。当社グループは、今後有利子負債の削減に努めてまいりますが、金利を始めとする金融市場の動向が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 研究開発について

当社グループが手掛ける「はかる」技術は「産業のマザーツール」と言われており、常に最新の高度技術が要求され、それに対応するために研究開発を続ける必要があります。現在の研究開発は主として当社の設計開発本部において推進しておりますが、当連結会計年度における研究開発費の総額は4,444百万円、連結売上高に対する比率は11.1%であり、研究開発主導型企業として研究開発に積極的に資源を投入しております。当社グループにおける研究開発は計測・計量機器分野及び医療・健康機器分野に展開し、全て事業化を目的としておりますが、事業化に至らない可能性、事業化までに時間を要する可能性もあります。

 

(5) 法的規制について

当社グループの事業は国内においては計量法及び医薬品医療機器等法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)、海外においてはEU指令(EU Directives:欧州連合閣僚理事会指令)、FDA/QSR(Food and Drug Administration/Quality System Regulation:米国厚生省食品医薬品局品質システム規則)及びCMDCAS(Canadian Medical Device Conformity Assessment System:カナダ医療機器適合評価システム)により規制を受けております。

計量法は適正な計量の実施を確保するために種々の規制を設けております。特に検定制度は取引又は証明に使用する特定計量器を製造、修理又は輸入する場合、その構造(性能及び材料の性質を含む)等が法で定める基準に適合しているかを1台ずつ検査し合否を確認するものであります。
 また、型式の同一な計量器を製造するときには、構造についての検査項目を事前に試験し、合格したものは、検定時に構造検査を省略できる型式承認制度や最終の検定を製造事業者の自主検査に任せる指定製造事業者制度があります。指定製造事業者は、製造した特定計量器が法で定める基準に適合することを自ら判定できますが、厳重な管理体制が求められます。当社グループでは質量計第一類、血圧計第一類の認証を取得しております。

医薬品医療機器等法では、医療機器の製造販売を行おうとするものは製造販売業の許可を都道府県知事より受けなければなりません。医薬品医療機器等法は市場での安全性をより高めるため、厚生労働省令により製造販売業に安全管理体制(GVP省令)の設置を求めております。また、製造販売業及び製造業には製造管理及び品質管理の基準に関する省令(QMS省令)により品質システムの構築が要求されています。当社グループでは当社の開発・技術センターに製造販売業を置き、医療機器の販売拠点である本社・営業所には販売業、開発・技術センターおよびグループ企業における医療機器製造部門並びに修理部門では製造業及び修理業を取得しております。更に海外生産拠点においては、厚生労働大臣認定の外国製造業者を取得しております。なお、品目ごとの販売許可は(独)医薬品医療機器総合機構や第三者認証機関による審査を受け取得しております。

EU指令(EU Directives:欧州連合閣僚理事会指令)は、欧州連合加盟国によって定められた地域法の一つであります。当社グループの製品はEU指令のうち低電圧指令、EMC(電磁両立性)指令及びMDD(医用機器)指令により規制を受けておりますが、該当する製品については、これらの安全規制に適合させCEマークを添付しております。

FDA/QSR及びCMDCASは米国内及びカナダ国内で医療機器を販売するために医療機器製造事業者が遵守しなくてはならない米国及びカナダの法律であり、米国及びカナダ国内外の製造事業者及び輸入業者に適用されます。当社グループではA&D ENGINEERING, INC.が米国及びカナダでの販売窓口になりFDA/QSR及びCMDCASの認可を受けております。

今後も日本および諸外国/地域の様々な規制に従って事業活動を行っていく中で、これらの法規制が従来よりも厳格になることにより、当社グループの事業活動が制限を受けたり、法規制等に適合するための費用が増加する可能性があります。また、高度で複雑な技術を利用した製品が増加することに伴い、重大な品質問題が発生する頻度が高まり、予想し得ない品質上の欠陥や、それに起因するリコールが発生し得ないとは限りません。重大な品質問題が発生した場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは“はかる”を事業領域として様々な計測機器を開発しておりますが、顧客要求に応える機器開発及び未来を支える計測技術の追求を研究開発活動の基本としております。

現在の研究開発は主として当社の設計開発本部において推進しておりますが、研究開発スタッフは、当社グループ総従業員数の約14.9% 382名、当連結会計年度における研究開発費の総額は4,444百万円であり、セグメント別の研究開発の状況は次のとおりであります。

 

(1) 計測・計量機器事業

当事業における研究開発スタッフは316名、当連結会計年度における研究開発費は3,686百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。

①  計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)

DSPシステムは、計測・制御・シミュレーション・解析等が必要な様々な分野に応用が可能なフレキシブルなシステムでありますが、当連結会計年度は前期に引き続き製品ラインアップの強化及びアプリケーションシステムの充実に努めました。

まず、DSPシステムの製品ラインナップの強化の一環として、組み込み用途向け小型低価格DSPシステムの新モデルの開発を行いました。これは従来製品と比べると同程度のコストで4倍から5倍の処理速度の向上を実現しました。

その他に前期に引き続き開発を行ったものとして、エンジン制御装置の試験システムであるエンジンHILS(Hardware In the Loop Simulation)の新型機の開発を行いました。さらに、モータ制御装置の試験システムであるモータHILS、及びバッテリ制御装置の試験システムであるバッテリHILSの開発を継続して行いました。また、高機能計測・制御システムコントローラAD-Procyonシリーズの次世代機の開発を行うと共に、車載計測用の小型リアルタイム燃焼解析システム(Phoenix-C3)の開発などを継続して行いました。

DSP応用試験機では,タイヤ試験機用の3Dプリンタ技術を応用した疑似路面製造技術を開発しました。これは当社製造の試験機用途のみではなく、既設のドラム試験機への取付が可能な技術で、今後の市場拡大が期待されるものです。タイヤ転がり抵抗試験機につきましては、新たな市場要求に応えたN/V(騒音・振動)試験用ドラム式タイヤ試験機を開発し、現在、複数のタイヤメーカー、自動車メーカーから引き合いをいただいております。

②  計測機器

計測機器では引張・圧縮試験機RTGシリーズの生産性向上のための標準化を行い、その結果、短納期対応が可能になり、売上も好調に推移しました。また、市場要求のある炭素繊維専用引張試験機やダンボール圧縮試験機を開発、市場投入いたしました。摩擦試験機EFMシリーズは自動車業界の要望に応え、耐環境対応などの改良を行った結果、売上好調を維持しました。

③  半導体露光装置関連ユニット

電子ビーム偏向制御用のデジタル/アナログ変換器(D/A変換器)につきましては、前期に引き続きD/A変換器ユニットの更なる性能(耐ノイズ、セトリング、耐負荷)向上を目指しての開発に取り組みつつ、一部部品の廃盤に対応した代替アンプの開発を行いました。

一方ビームユニットにつきましては、新半導体検査用SEM(走査型電子線顕微鏡)向けの高電圧電子銃の開発、信頼性向上のための開発作業を進め、安定した高電圧電子銃を開発しました。また高圧電源については描画装置などより高精度を必要とする機器向けに安定性の向上、低ノイズ化を進めました。

④  計量機器

計量機器につきましては、当社の汎用計量器の中心機種であります電子台秤HV/Wシリーズをリニューアルして新機能を搭載し性能を向上させたHV/W-Cシリーズを開発し、市場投入致しました。また、パッケージされた食品の重量選別に便利なHL-CLシリーズを新規投入いたしました。これは汎用の小型秤に重量比較機能を追加し、商品の手動選別が簡単に行えるようにしたもので、市場で好評をいただいております。大型台秤であるSNシリーズには載の高さを低くしたSN1200KL、フォークリフトで運搬される品物の計量時の扱いを容易にしたSN1200KUシリーズを発売いたしました。

電子天秤は、汎用天秤のローコスト版EJシリーズに新シリーズとして、10mgの感度を持つEJ1202・EJ3002を開発し市場投入いたしました。ローコストの10mg汎用天秤として市場に受け入れられております。また、電子天秤の計量結果を保存するための小型プリンターAD8127を開発いたしました。従来のプリンターAD8121に比べテンキー入力等新しい機能を追加したモデルです。

重量インジケータシリーズではトラックスケールの重量処理用インジケータとしてデジタルロードセルに対応したAD4353を開発いたしました。

3年前に新規参入しましたウエイトチェッカマーケットに対しては、様々なユーザー要求に対応できるように重量センサー及びコントロール部だけを製品化したAD453を開発いたしました。これにより客先要求に対するフレキシブルな対応が可能となりました。

ロードセルにつきましては、前期来開発を行っている小型ボタン型ロードセルLCC21シリーズに、新たにアンプ内蔵型及びA/D変換部とUSBインターフェースを内蔵した新製品を開発、市場投入いたしました。

 

(2) 医療・健康機器事業

当事業における研究開発スタッフは66名、当連結会計年度における研究開発費は758百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。

① 医療機器

医療用血圧計につきましては、前期に引き続き「脱水銀」をコンセプトに、自動測定が可能な外来、看護・介護ケア等、あらゆる場面に適した医用電子血圧計UM-211の開発を行い、国内販売を開始いたしました。

携帯型自動血圧計につきましては、自治医科大学との共同開発で気温、気圧、高感度身体活動など、生活環境情報と、血圧、心拍、脈波波形の生体信号を同時に時系列評価できるマルチセンサー携帯型自動血圧計TM-2441を開発しました。この開発に伴い、内閣府の推進するImPACTプロジェクト(革新的研究開発推進プログラム)に研究参加し、活動を始めました。

また、血圧脈波計測の新しいアプローチから、 血圧測定用のカフを上腕に装着するだけで血管形態の指標 eA(estimated area):上腕動脈推定内腔断面積と血管機能としての指標 VE(Volume elastic modulus):上腕動脈容積弾性率の2つの新しい測定を可能とする血圧脈波検査装置ヘルスクロノス TM-2772を開発、発売いたしました。

②  健康機器

健康機器につきましては、近年スマートフォンやパソコンを利用した健康管理サービスに対応する、無線機能を搭載した血圧計、体重計、歩数計等の製品の開発を行ってきましたが、当連結会計年度はそれらのラインナップとして日立システムズとの協業で開発したライフレコーダと警備会社向けの2機種の活動量計を開発し提供を始めました。

家庭用血圧計につきましては、前期に引き続き「Cool Design」をイメージテーマに、スマートフォンとの連携を強化したエアチューブのない上腕タイプ血圧計、及び同コンセプトの手首タイプ血圧計を開発し市場投入いたしました。上腕タイプは、煩わしかったエアーチューブがない使いやすい製品となっております。また、他にODM血圧計の開発も行いました。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたりまして、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。また、経営陣は過去の実績や状況に応じ、合理的妥当性を有する要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数値についての判断の基礎としております。実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これら見積りと異なる場合があります。

 

(2) 財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、32,565百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,147百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金、受取手形及び売掛金が増加したものの、たな卸資産が減少したことによるものであります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は12,636百万円と前連結会計年度末に比べ61百万円減少いたしました。個々の要因は以下のとおりであります。

①  有形固定資産

有形固定資産については設備投資により、前連結会計年度末に比べ153百万円増加いたしました。

②  無形固定資産

無形固定資産については主にソフトウェアへの投資により、前連結会計年度末に比べ83百万円増加いたしました。

③  投資その他の資産

投資その他の資産については繰延税金資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ299百万円減少いたしました。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は24,446百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,014百万円増加いたしました。これは主に短期借入金が増加したことによるものであります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は5,982百万円と前連結会計年度末に比べ274百万円減少いたしました。これは主に退職給付に係る負債、及び長期借入金が減少したことによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は14,772百万円となり、前連結会計年度末に比べ345百万円増加いたしました。これは自己株式の増加により株主資本合計が減少したものの、為替換算調整勘定の増加によりその他の包括利益累計額が603百万円増加したことによるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は2,339百万円(前連結会計年度比19.6%減)となりました。これは主に減価償却費が1,438百万円、税金等調整前当期純利益が983百万円となったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は1,454百万円(前連結会計年度比35.9%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が921百万円、無形固定資産の取得による支出が675百万円あったことによるものであります。

フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したもの)は884百万円のプラスとなっております。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は43百万円(前連結会計年度比94.8%減)となりました。これは主に短期借入金の純増減額が1,161百万円あった一方で、自己株式の取得による支出が476百万円、社債の償還による支出が310百万円、配当金の支払が258百万円等あったことによるものであります。

必要運転資金及び設備投資を含む投資資金は、基本的には内部資金又は金融機関からの借入金により対応しております。外部資金は、その使途の実態に合わせ、長期及び短期での調達となっております。当連結会計年度末では、社債35百万円(1年内償還予定分含む)、長期借入金7,524百万円(1年内返済予定分含む)、短期借入金12,837百万円の構成となっており、合わせて20,396百万円を計上しております。当連結会計年度末の社債及び借入金残高の売上高に対する比率は50.7%(前連結会計年度末は48.9%)となっております。

 

(4)経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の当社グループの売上高は、前連結会計年度に比べ0.1%減収40,199百万円となりました。

計測・計量機器事業につきましては、計測機器では、特に日本及び米国で計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)の売上が落ち込みました。計量機器では、日本で工業計測機器の売上もあり売上を伸ばしたものの、米国での売上が落ち込みました。その結果、計測・計量機器事業の売上高は、前連結会計年度に比べ6.2%減収の24,330百万円となりました。

医療・健康機器事業につきましては、医療機器が日本で売上を伸ばしました。健康機器は、日本で売上を伸ばしたほか、米州では前連結会計年度に設立したカナダの子会社の売上が加算されたことで売上を伸ばし、欧州では露ルーブルの影響があったものの現地通貨ベースで売上を伸ばしたことで、円換算額が堅調に推移しました。その結果、医療・健康機器事業の売上高は、前連結会計年度に比べ10.8%増収の15,868百万円となりました。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費)

売上原価率は前連結会計年度に比べ1.2ポイント増加し57.5%となりました。

販売費及び一般管理費は、削減方針を掲げ取り組んだ結果、研究開発費及び人件費を中心に減少し、前連結会計年度に比べ2.9%減少した15,961百万円となりました。研究開発費につきましては、なお高水準にありますが、これは当社グループの継続的な発展に不可欠な将来を見据えた投資と考えており、成長分野とそれ以外とを厳しく見極めるほか、グループ全体の方針として開発効率の向上を掲げ、対売上高比率での抑制を図ってまいります。

 

(営業利益)

営業利益は、1,133百万円(前連結会計年度比0.8%減)となりました。計測・計量機器事業の営業利益は前連結会計年度比29.9%減益の1,003百万円となりました。医療・健康機器事業の営業利益は、前連結会計年度比93.1%増益の1,971百万円となりました。なお、上記のセグメント別の営業損益の他、全社費用等として1,840百万円が発生しております。

 

(経常利益)

持分法による投資利益などにより営業外収益が260百万円発生したことに加え、前連結会計年度に発生していた為替差損が無くなり、当連結会計年度は為替差益となったことなどから営業外費用が289百万円に留まった結果、経常利益は1,105百万円(前連結会計年度比8.9%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

税金等調整前当期純利益983百万円に、法人税、住民税及び事業税が468百万円発生し、法人税等調整額を30百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は477百万円(前連結会計年度比6.4%増)となりました。

 

(包括利益)

当期純利益は485百万円となったことに加え、為替換算調整勘定を中心にその他の包括利益合計額が605百万円となった結果、包括利益は1,091百万円(前連結会計年度は△690百万円)となりました。