文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは「自然界の情報を捉え活かすためのアナログとデジタルの変換技術を原点に、計測・制御技術を駆使したツールの提供によってお客様による新しい価値の創出を支援し、産業の発展と健康な生活に貢献します。」を経営理念として掲げております。
当社グループの事業は、様々なアナログ情報を計測し、エレクトロニクス技術によりデジタル変換(数値化)して表示することが基本であり、A(アナログ)/D(デジタル)・D(デジタル)/A(アナログ)変換技術が当社創業のコア技術で社名の由来でもありますが、A/D・D/A変換技術や高速デジタル信号処理技術を磨き上げることで、お客様の知の拡大を可能にするツールを提供してゆくことを企業使命としております。
お客様が使用することで価値が生まれるツールを提供し、新しい価値の創出に取り組む産業や健康な生活を願う人々を継続的に支援することで、社会に貢献していきたいと考えております。
当社グループは、新技術による新製品の投入、原価低減、経費削減等を通じて高い収益を得ることが重要な経営課題であります。いかなる状況においても利益を確保できる体質を目指し、「売上高営業利益率10%以上」を中長期的に目指すべき目標として掲げております。
変化に柔軟に対応し、未来に向けてエー・アンド・デイを持続的に発展させ、さらなる企業価値を創造してゆく為に次の施策を講じてまいります。
成長戦略
企業の将来を見据え、安定的な成長を続ける為には、常に新しい市場を開拓してゆかねばなりません。当社は以下の4つの成長分野に注力し、積極的に事業の拡大を図ってまいります。
・自動車・タイヤ業界向け計測器、シミュレータ及び試験用システム
・工業計測機器
・ウェイトチェッカ/金属異物検出装置
・ラボラトリ(研究・分析)
自己資本の有効活用
有形・無形の資産の圧縮を行い、自己資本をより有効に活用する体制を構築します。経営効率を高めることにより収益性の向上に努め、より積極的な企業運営を可能とする環境を整えてまいります。
コーポレートガバナンス・コードへの対応
「コーポレートガバナンス・ コード」の趣旨を踏まえ、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を 図る為の指針とします。
当社グループは、計測を軸に事業を展開し、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)から電子計測機器、計量機器、血圧計等、様々な製品を取り扱っておりますが、その市場は産業向けから官公庁、医療機関、一般消費者等多岐に渡る上、開発・生産・販売面では、事業の発展段階や市場特性等を勘案し当社及びグループ各社で様々な区分けで分担しており、規模の割に複雑な事業構造となっておりました。
また、従来は、個々の事業やグループ各社が個別最適を行う事で大きな成長を遂げてまいりましたが、一方で開発投資効率の低下や収益の伸び悩み等、グループ全体では成長力に陰りも見られました。
これらの課題を解決し更なる飛躍を果たすため、前連結会計年度より「グループ総合力の強化」を基本方針として経営改革に着手しております。事業毎に開発・生産・販売を一気通貫で横断する活動を推進し、効果的なリソースの配分により更に効率を高めてまいります。また、各担当部門はそれぞれ次の施策を推進してまいります。
・営業施策 「売れる仕組みづくり」の構築
・開発施策 「開発効率」の向上
・生産施策 「全体最適生産体制」の強化
・管理施策 「グローバル管理体制」の強化
当社グループにはこれまでの開発投資により差別化された多くの技術蓄積があります。これらを総合的に活用し、持続的成長可能な事業への再構築を図ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの海外での事業活動については、中国、韓国、ベトナムに生産拠点を有し、また、販売については米国、ロシアを中心に世界各国へ展開しており、当連結会計年度における海外売上高比率は51.5%となっております。当社グループが事業活動を行うこれらの国々において、予期しない法律や規制の変更、自然災害、戦争、テロ、その他経済的、政治的要因等による混乱が生じた場合は、生産活動の縮小や停止、また販売活動の停滞等を余儀なくされ、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
為替レートの変動は、当社グループ間または顧客との外貨建取引価額が変動することにより、売上高や損益等の業績に影響を与えます。また、外貨建て輸出入のバランスを図るなど為替ヘッジに努めておりますが、急激に為替レートが変動した場合は、外貨建債権・債務の換算において、損益等に影響を与える可能性があります。なお、為替レートの変動は、連結財務諸表作成における海外連結子会社等の外貨建財務諸表の円換算額が変動することにより、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、設備資金及び運転資金を主として借入金によって調達しております。当連結会計年度末における長期借入金及び短期借入金の合計額は19,233百万円で、社債を含めた有利子負債依存度は40.9%となっております。当社グループは、今後有利子負債の削減に努めてまいりますが、金利を始めとする金融市場の動向が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが手掛ける「はかる」技術は「産業のマザーツール」と言われており、常に最新の高度技術が要求され、それに対応するために研究開発を続ける必要があります。現在の研究開発は主として当社の設計開発本部において推進しておりますが、当連結会計年度における研究開発費の総額は4,676百万円、連結売上高に対する比率は10.6%であり、研究開発主導型企業として研究開発に積極的に資源を投入しております。当社グループにおける研究開発は計測・計量機器分野及び医療・健康機器分野に展開し、全て事業化を目的としておりますが、事業化に至らない可能性、事業化までに時間を要する可能性もあります。
当社グループの事業は国内においては計量法及び医薬品医療機器等法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)、海外においてはEU指令(EU Directives:欧州連合閣僚理事会指令)、FDA/QSR(Food and Drug Administration/Quality System Regulation:米国厚生省食品医薬品局品質システム規則)及びHealth Canada(カナダ保健省)等による規制を受けております。
計量法は適正な計量の実施を確保するために種々の規制を設けております。特に検定制度は取引又は証明に使用する特定計量器を製造、修理又は輸入する場合、その構造(性能及び材料の性質を含む)等が法で定める基準に適合しているかを1台ずつ検査し合否を確認するものであります。
また、型式の同一な計量器を製造するときには、構造についての検査項目を事前に試験し、合格したものは、検定時に構造検査を省略できる型式承認制度や最終の検定を製造事業者の自主検査に任せる指定製造事業者制度があります。指定製造事業者は、製造した特定計量器が法で定める基準に適合することを自ら判定できますが、厳重な管理体制が求められます。当社グループでは質量計第一類、血圧計第一類の認証を取得しております。
医薬品医療機器等法では、医療機器の製造販売を行おうとするものは製造販売業の許可を都道府県知事より受けなければなりません。医薬品医療機器等法は市場での安全性をより高めるため、厚生労働省令により製造販売業に安全管理体制(GVP省令)の設置を求めております。また、製造販売業及び製造業には製造管理及び品質管理の基準に関する省令(QMS省令)により品質システムの構築が要求されています。当社グループでは当社の開発・技術センターに製造販売業を置き、医療機器の販売拠点である本社・営業所には販売業、開発・技術センターおよびグループ企業における医療機器製造部門並びに修理部門では製造業及び修理業を取得しております。更に海外生産拠点においては、厚生労働大臣認定の外国製造業者を取得しております。なお、品目ごとの販売許可は(独)医薬品医療機器総合機構や第三者認証機関による審査を受け取得しております。
EU指令(EU Directives:欧州連合閣僚理事会指令)は、欧州連合加盟国によって定められた地域法の一つであります。当社グループの製品はEU指令のうち低電圧指令、EMC(電磁両立性)指令、RoHS指令及びMDD(医用機器)指令により規制を受けておりますが、該当する製品については、これらの安全規制に適合させCEマークを添付しております。なおMDD指令は、今後MDR(医療機器規則)になることから対応を進めています。
FDA/QSR及びCMDCAS(Canadian Medical Device Conformity Assessment System:カナダ医療機器適合評価システム)は米国内及びカナダ国内で医療機器を販売するために医療機器製造事業者が遵守しなくてはならない米国及びカナダの法律であり、米国及びカナダ国内外の製造事業者及び輸入業者に適用されます。当社グループではA&D ENGINEERING, INC.が米国及びカナダでの販売窓口になりFDA/QSR及びCMDCASの認可を受けております。今後CMDCAS審査はMDSAPプログラムの下で行いますので、対応を進めています。
今後も日本および諸外国/地域の様々な規制に従って事業活動を行っていく中で、これらの法規制が従来よりも厳格になることにより、当社グループの事業活動が制限を受けたり、法規制等に適合するための費用が増加する可能性があります。また、高度で複雑な技術を利用した製品が増加することに伴い、重大な品質問題が発生する頻度が高まり、予想し得ない品質上の欠陥や、それに起因するリコールが発生し得ないとは限りません。重大な品質問題が発生した場合、信頼性の低下により、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度の当社グループを取り巻く経済環境は、日本においては過重労働問題や人口減少問題等、将来的な成長に向けての課題が徐々に顕在化する一方、目下の企業業績や個人の所得については改善傾向で推移しました。
米国においてはトランプ政権の保護主義的な通商政策が現実味をおびることにより国際的な対立の懸念が高まりつつあるものの、企業業績や雇用情勢は好調に推移しました。欧州では英国のEU離脱問題に加え、ロシアにおける経済制裁に端を発した景気低迷が続いております。さらに、アジアでは朝鮮半島の緊張関係の高まり等、個別の不安材料は見られるものの、経済成長に関しては概ね堅調に推移しました。
このような状況の中、当社グループは、新製品開発、新規市場の開拓に注力し、お客様や社会における多様なニーズやその変化に対応してまいりました。また、引き続き成長分野に対する積極的な投資を行うことで、他社との差別化を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は44,120百万円(前連結会計年度比9.8%増)、営業利益は2,378百万円(前連結会計年度比109.8%増)、経常利益は2,332百万円(前連結会計年度比111.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,827百万円(前連結会計年度比283.0%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが4,112百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△1,516百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△1,399百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が△75百万円発生した結果、7,191百万円(前連結会計年度比18.5%増)となりました。
生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
||
|
生産高(百万円) |
前期比(%) |
||
|
計測・計量機器事業 |
日本 |
21,561 |
106.8 |
|
米州 |
1,403 |
130.4 |
|
|
欧州 |
- |
- |
|
|
アジア・オセアニア |
4,141 |
87.7 |
|
|
計 |
27,107 |
104.3 |
|
|
医療・健康機器事業 |
日本 |
6,930 |
131.2 |
|
米州 |
56 |
301.6 |
|
|
欧州 |
634 |
70.7 |
|
|
アジア・オセアニア |
7,961 |
103.4 |
|
|
計 |
15,583 |
112.1 |
|
|
合計 |
42,690 |
107.0 |
|
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.実績には商品仕入を含んでおります。
当社グループは、原則として見込生産を行っておりますが、製品の一部(半導体関連製品におけるA/D・D/A変換器等)には受注生産を行っているものがあります。
受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
||||
|
受注高 |
前期比(%) |
受注残高 |
前期比(%) |
||
|
計測・計量機器 |
日本 |
9,100 |
109.2 |
3,393 |
130.4 |
|
米州 |
1,905 |
157.6 |
546 |
120.8 |
|
|
欧州 |
- |
- |
- |
- |
|
|
アジア・ |
- |
- |
- |
- |
|
|
計 |
11,005 |
115.3 |
3,940 |
129.0 |
|
|
医療・健康機器 |
日本 |
1,620 |
77.3 |
408 |
84.2 |
|
米州 |
- |
- |
- |
- |
|
|
欧州 |
- |
- |
- |
- |
|
|
アジア・ |
- |
- |
- |
- |
|
|
計 |
1,620 |
77.3 |
408 |
84.2 |
|
|
合計 |
12,626 |
108.5 |
4,348 |
122.9 |
|
(注) 1.金額は販売価格によっております。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
||
|
販売高(百万円) |
前期比(%) |
||
|
計測・計量機器事業 |
日本 |
18,710 |
106.2 |
|
米州 |
3,736 |
122.8 |
|
|
欧州 |
935 |
110.2 |
|
|
アジア・オセアニア |
3,291 |
116.5 |
|
|
計 |
26,674 |
109.6 |
|
|
医療・健康機器事業 |
日本 |
4,992 |
93.4 |
|
米州 |
4,772 |
124.1 |
|
|
欧州 |
7,286 |
115.9 |
|
|
アジア・オセアニア |
394 |
100.6 |
|
|
計 |
17,445 |
109.9 |
|
|
合計 |
44,120 |
109.8 |
|
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたりまして、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。また、経営陣は過去の実績や状況に応じ、合理的妥当性を有する要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数値についての判断の基礎としております。実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これら見積りと異なる場合があります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、34,430百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,865百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金、受取手形及び売掛金が増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は12,656百万円と前連結会計年度末に比べ20百万円増加いたしました。個々の要因は以下のとおりであります。
有形固定資産については新規設備投資と減価償却がほぼバランスしたため、前連結会計年度末とほぼ同じ残高となりました。
無形固定資産については主にソフトウェアへの投資があったものの、のれんや商標権の償却が進んだことにより、前連結会計年度末に比べ41百万円減少いたしました。
投資その他の資産については繰延税金資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ62百万円増加いたしました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は25,654百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,208百万円増加いたしました。これは主に短期借入金が減少したものの、支払手形及び買掛金等が増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は5,493百万円と前連結会計年度末に比べ489百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は15,939百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,166百万円増加いたしました。これは主に為替換算調整勘定の減少によりその他の包括利益累計額が427百万円減少したものの、当期純利益等により利益剰余金が1,578百万円増加したことによるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は4,112百万円(前連結会計年度比75.8%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が2,332百万円、減価償却費が1,555百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,516百万円(前連結会計年度比4.2%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が997百万円、無形固定資産の取得による支出が664百万円あったことによるものであります。
フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したもの)は2,596百万円のプラスとなっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,399百万円(前連結会計年度比3,123.2%増)となりました。これは主に長期借入れによる収入が2,915百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が3,397百万円、短期借入金の純増減額が△559百万円あったことによるものであります。
必要運転資金及び設備投資を含む投資資金は、基本的には内部資金又は金融機関からの借入金により対応しております。外部資金は、その使途の実態に合わせ、長期及び短期での調達となっております。当連結会計年度末では、社債25百万円(1年内償還予定分含む)、長期借入金7,040百万円(1年内返済予定分含む)、短期借入金12,193百万円の構成となっており、合わせて19,258百万円を計上しております。当連結会計年度末の社債及び借入金残高の売上高に対する比率は43.7%(前連結会計年度末は50.7%)となっております。
(売上高)
当連結会計年度の当社グループの売上高は、前連結会計年度に比べ9.8%増収の44,120百万円となりました。
計測・計量機器事業につきましては、日本においては、計測機器は計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)、油圧試験機を中心に、計量機器は天秤をはじめロードセル、ウェイトチェッカを中心に幅広い分野で売上、利益を伸ばしました。米州においては、計量機器は概ね前年同期並みの売上を維持したことに加え、計測機器ではかねてから取り組んでいた販売体制の見直しの効果によりDSPシステムの売上が大きく回復し、売上、利益が増加しております。アジア・オセアニアにおいては、計量機器は韓国において生産ライン組込み用高精度計量センサー等が好調だったこと等により、また計測機器は中国における試験機の大型案件の受注を獲得したこと等により売上を伸ばしました。その結果、計測・計量機器事業の売上高は、前連結会計年度に比べ9.6%増収の26,674百万円となりました。
医療・健康機器事業につきましては、日本においては、健康機器は血圧計が大口顧客向け輸出の減少により伸び悩んだ一方、リストバンド型活動量計の大口受注の獲得等もあったため売上は前年同期並みとなっております。また、医療機器は全自動血圧計や看護用血圧計が好調だったことにより売上を伸ばしました。また、材料費の高騰等により前期に悪化していた原価率が中国子会社における外注化の推進等の生産性向上により改善したこともあり利益は大きく改善いたしました。米州においては、米国でVA(退役軍人省)向け血圧計等の大口受注を獲得したことや、カナダの子会社が事業範囲を拡大したことから売上を伸ばしました。欧州においては、英国での販売体制見直しが功を奏し売上を伸ばしました。またロシアでは競合他社の参入により血圧計市場の競争が激化しているものの積極的な販促活動を展開することで売上を伸ばしたことに加え、円に対する露ルーブルの価値が回復傾向にあることから円換算での売上高は大きく増加しました。ただし、販売価格の引き下げや販促費用の増加により利益は減少しております。その結果、医療・健康機器事業の売上高は、前連結会計年度に比べ9.9%増収の17,445百万円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価率は前連結会計年度に比べ0.9%減少し56.6%となりました。
販売費及び一般管理費は、売上増に伴う販売費の増加に加え、積極的な広告宣伝活動や研究開発活動を行った結果、前連結会計年度に比べ5.1%増加した16,769百万円となりました。研究開発費につきましては、なお高水準にありますが、これは当社グループの継続的な発展に不可欠な将来を見据えた投資と考えております。グループ全体の方針としては、開発効率の向上に努め、研究開発費の伸び率を売上高の伸び率以下に抑えつつ売上高を毎年伸ばしていくことにより、中長期的に対売上高比率での抑制を図ってまいります。
(営業利益)
営業利益は、2,378百万円(前連結会計年度比109.8%増)となりました。計測・計量機器事業の営業利益は前連結会計年度比68.4%増益の1,690百万円となりました。医療・健康機器事業の営業利益は、前連結会計年度比7.7%増益の2,122百万円となりました。なお、上記のセグメント別の営業損益の他、全社費用等として1,434百万円が発生しております。
売上高営業利益率は5.4%となり、前連結会計年度より2.6%上昇しました。引き続き当社が中長期的な目標としている売上高営業利益率10%を目指し、新技術による新製品の投入、原価低減、経費削減等、利益率の上昇につながる施策に努めてまいります。
(経常利益)
持分法による投資利益や受取利息を中心に営業外収益が270百万円発生した一方、支払利息を中心に営業外費用が316百万円発生した結果、経常利益は2,332百万円(前連結会計年度比111.1%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益2,332百万円に、法人税、住民税及び事業税が709百万円発生した一方、法人税等調整額を△222百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,827百万円(前連結会計年度比283.0%増)となりました。
(包括利益)
当期純利益は1,845百万円となりましたが、為替換算調整勘定を中心にその他の包括利益合計額が△427百万円となった結果、包括利益は1,417百万円(前連結会計年度比30.0%増)となりました。
該当事項はありません。
当社グループは“はかる”を事業領域として様々な計測機器を開発しておりますが、顧客要求に応える機器開発及び未来を支える計測技術の追求を研究開発活動の基本としております。
現在の研究開発は主として当社の設計開発本部において推進しておりますが、研究開発スタッフは、当社グループ総従業員数の約14.9% 381名、当連結会計年度における研究開発費の総額は4,676百万円であり、セグメント別の研究開発の状況は次のとおりであります。
当事業における研究開発スタッフは314名、当連結会計年度における研究開発費は3,854百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。
DSPシステムは、計測・制御・シミュレーション・解析等が必要な様々な分野に応用が可能なフレキシブルなシステムでありますが、当連結会計年度は前期に引き続き製品ラインナップの強化及びアプリケーションシステムの充実に努めました。
車両の電動化、先進運転支援システム(ADAS)、自動運転などにより、車両システムが複雑化しています。車両システムの制御開発・検証で用いられるHILS(Hardware in The Loop Simulation)は、パワートレイン系HILS(エンジン・トランスミッション・バッテリなど)/ボディー系HILS/車両の周囲環境/気象環境/操縦安定性などの複数のHILSが用いられます。当社はこれらを一つのシステムにまとめる統合HILSを構築するための、拡張性の高いHILSプラットフォーム(HELIOS)の開発を行いました。本プラットフォームは既に自動車会社での実運用が始まっており、システムの拡張性について高い評価を得ております。
平成27年7月に日本アビオニクス㈱より事業譲受した工業計測機器に関しましては、DSP事業との連携が進んでおり、宇宙航空産業向けの大型試験装置の分野では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)で開発中の次期基幹ロケットH3用のエンジン燃焼試験設備用の計測設備について、第1段エンジン(JAXA種子島宇宙センター、平成28年受注)、第2段エンジン(JAXA角田宇宙センター、平成29年受注)に引き続き、当連結会計年度は第 1 段厚肉タンクステージ燃焼試験(三菱重工業株式会社 田代試験場)の計測システムの開発及び提供を行いました。このシステムにおいては、DSP事業で蓄積した分散計測技術や音振動解析技術が貢献しております。
DSP応用試験機では、ムービングベルト式タイヤ試験機の標準型を開発・発表しました。内外のタイヤメーカーより好評をいただき、9月には1号機を受注いたしました。また、騒音試験路(N路)と振動試験路(V路)の台上での試験を可能とするN/Vドラム試験機については、自動車開発におけるMBD(モデルベース開発)化に貢献する、複合機能化(疑似路面、FMSセンサー搭載)試験機を開発・発表し、大きな反響と引き合いをいただいております。
計測機器では,引張・圧縮試験機テンシロンRTF/RTGおよび各種試験治具の標準化と販売資料の充実を進めました。これらにより短納期の自動引張試験機・自動曲げ試験機・自動圧縮試験機の受注を可能にしました。また、テンシロンRTFにおいては標準仕様の2倍、5倍、15倍の試験速度を有するRTF-HSシリーズを開発し、市場投入しました。
電子ビーム偏向制御用のデジタル/アナログ変換器(D/A変換器)につきましては、いっそう厳しくなってきた廃止保守デバイスに関連して、Rohs対応や代替デバイスの実験と評価と性能向上(耐ノイズ、セトリング、耐負荷)を目指しての開発に取り組みました。
一方ビームユニットにつきましては、前年度と同様に新半導体検査用のSEM用の電子銃のさらなる安定化を図る開発を進めております。また高圧電源の分野では電子線露光装置の電子銃用の高安定電源の試作を進め、顧客要望を満たす高精度電源(高安定、低リップル、高放電耐性)を開発しました。
計量機器につきましては、当社の汎用電子天秤の中心機種であるGXシリーズの新製品GXAシリーズを開発し、市場投入いたしました。GXシリーズは十数年以上好調な売上を維持しておりますが、更なる売上増加を目指し、新機能の追加、使い易さの改善等を行いました。既に市場では旧製品以上の評価を受け、順調に売上を伸ばしております。また、昨年発売開始した汎用台秤HV/W-Cシリーズのラインナップ拡充のため、取引証明用に使用できる特定計量器シリーズを開発、市場投入しました。さらに小型安価防水秤として、UH-WPシリーズも開発いたしました。
重量インジケータ部門では、組み込み用インジケータAD-4430シリーズにアナログ出力タイプ、また、Modbusインターフェースを付加したモデルを追加いたしました。これでAD-4430としては4機種のラインナップとなり、次年度以降の売上増が期待されます。
またロードセルは、トラックスケール用デジタルロードセルLCCD20シリーズを開発、市場投入いたしました。
近年ウエイトチェッカ、金属検出機と新規参入してまいりました検査機マーケットにつきましては、当連結会計年度におきましては、新規参入としてX線検査機の製品開発を行い新製品発表を行いました。X線検査機につきましては、マーケットの要求が年々増加しており、その要求に応えるべく開発され、平成30年度の発売を予定しております。
その他に、平成27年に日本アビオニクス㈱より事業譲渡を受けた工業計測機器につきまして、レコーダのマイナーチェンジ機種として、オムニエースRA-2300MKIIを開発、市場投入いたしました。
当事業における研究開発スタッフは67名、当連結会計年度における研究開発費は822百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。
医療用血圧計につきましては、携帯型自動血圧計(ABPM)TM-2441の開発を行い、まずは国内での販売を開始いたしました。前機種TM-2430シリーズの後継機種として20年ぶりのフルモデルチェンジを行い、超小型設計(前機種体積比約80%)に加え、基本機能である血圧のインターバル測定のほかマルチセンサにより身体活動、脈波波形、気温・気圧の環境因子も同時に記録することが可能で、取得したデータを解析することにより、個人の環境・生
活リズムを考慮した循環器疾患の個別治療への利活用が期待されます。ABPMは、高血圧の診断と治療において重要な役割を果たしており、日本高血圧学会による高血圧ガイドライン2014においても推奨されております。
医療用計量器につきましては、主力のバリアフリースケールシリーズのモデルチェンジを行っておりますが、当連結会計年度は、第一弾としてAD-6107Rを開発し、市場投入いたしました。ハニカム構造を採用し大幅な軽量化を実現するとともに回路方式の刷新によりメンテナンス性を向上させることができました。医療・介護現場の負担軽減に大きく寄与いたします。
健康機器につきましては、手首血圧計UB-522、UB-525、UB-533の3機種を開発し、市場投入しました。UB-522はローコストタイプ、UB-533は手首の最適位置を知らせる高機能タイプで、今後は現行製品をこれらの機種に置き換えてまいります。
また、新しいカテゴリーの製品として、リストバンド型活動量計ライフレコーダUW-302BLEを開発し、市場投入いたしました。当社製のBLE(Bluetooth Low Energy)通信機能付き血圧計や体重計と連携できるHub機能を搭載しており、リストバンドに個人認証、血圧、体重データを一時保存でき、日々の健康データを管理するのに最適な製品です。
その他、内閣府プロジェクトのImPACTに参加し、上記TM-2441やUW-302を使用して「血行動態ビッグデータに基づくリアルタイムICT・個別循環予見医学」の活動を行いました。